JP2930968B2 - 直送圧延用鋳片の製造方法 - Google Patents

直送圧延用鋳片の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続鋳造機のモールドから送り出された鋳
片を高温状態のままで圧延工程に送り、鋳片の圧延を行
う、いわゆる直送圧延に適した鋳片の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
連続鋳造機で製造されたスラブ等の鋳片は、一旦常温
まで冷却された後、再加熱して圧延している。このよう
に、鋳造工程と圧延工程との間で鋳片を冷却すると、連
続鋳造後の鋳片がもつ保有熱が無駄に放散され、また圧
延前段階で鋳片加熱のために熱エネルギーが必要とされ
る。
この熱損失をなくすため、連続鋳造機から送り出され
た鋳片を高温状態のままで圧延工程に送って、その鋳片
が保有する熱を圧延工程で利用する直送圧延が注目され
ている。
一般に連続鋳造機から送り出された鋳片には、モール
ドパウダーを含んだ酸化スケール等の異物(以下、これ
をスケールという)が付着している。このスケールは、
硬度,成分,組織等が鋳片本体と異なり、圧延前に完全
に除去されていない場合、圧延した製品にスケール疵等
の表面欠陥を発生させる原因となる。この点、通常圧延
の場合には、加熱炉内で鋳片温度を上昇させるためにス
ケールの生成が促進され、比較的厚いスケールが生成す
る。そのため、圧延前のデスケーリングで容易にスケー
ルが剥離し、連続鋳造機出側でスケールが剥離しなくて
も製品疵の発生につながらない。これに対し、直送圧延
では、鋳片が加熱炉を経由しないため、連続鋳造機出側
でスケールを剥離しないと、製品疵が発生する。そこ
で、圧延前にスケールを鋳片表面から完全に除去するこ
とが、高品質の直送圧延材を得るうえで必要とされる。
しかし、圧延前のデスケーリングでスケールの完全な除
去を行うためには、極めて高圧で且つ多量の水を必要と
するため、本来の直送圧延に必要な高温の鋳片が得られ
ないという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
連続鋳造機のモールドから送り出された鋳片の表面に
形成されるスケールは、鋳片の酸化に由来するものに加
えて、モールドに投入されたパウダーに由来するもの等
がある。更に、直送圧延においては、鋳造工程から圧延
工程までの間で鋳片を本質的に温度降下させないもので
あるから、地鉄とスケールとの間の熱膨張差が小さく、
スケールの剥離が困難になる。
そこで、本発明は、パウダーの物性及び最終引抜きロ
ール出側での鋳片温度を特定することによって、鋳片の
表面に付着・形成されたスケールを剥離し易いものに変
質させ、直送圧延を容易に行うことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面にパ
ウダーを撒布して鋳造して得た鋳片を高温状態のままで
圧延工程に送って圧延する直送圧延法において、凝固し
た鋳片表面とその表面に形成されるパウダーを含むスケ
ールとの間に充分な熱膨張差を生じさせるように、前記
モールド内に凝固点が1000℃以上のパウダーを撒布し、
モールド出側における鋳片の表面温度を1150℃以上、最
終引抜きロール出側における鋳片表面温度を980℃以下
とすることで、前記鋳片表面とスケールとの間の熱膨張
差を大きくして、鋳片表面に形成されたスケールを剥離
し易くすることを特徴とする。
〔作用〕
本発明で使用するパウダーの凝固点とは、パウダーが
溶融状態から固化状態に変化する温度をいう。モールド
内の湯面に撒布されたパウダーは、一部が凝固シェルに
付着しモールドから送り出される。このとき、パウダー
の凝固点が高いほど、鋳片の温度降下に従って、鋳片の
表面に付着したスケールと鋳片表面との間の熱膨張差が
大きくなる。そのため、鋳片が最終引抜きロール出側ま
での間の二次冷却帯で880〜980℃に冷却されると、スケ
ールと鋳片表面との間に多数の亀裂が発生して、僅かな
衝撃力でスケールが鋳片表面から剥離する。
この状態を得るため、パウダーの凝固点を1000℃以
上,モールド出側における鋳片の表面温度を1150℃以
上,最終引抜きロール出側における鋳片の表面温度を98
0℃以下に設定している。これら温度条件の組合せによ
り、二次冷却帯で冷却される際及びこの後の鋳片表面に
付着するスケールの付着力が弱くなり、8〜10kg/cm2
度に加圧された水,空気等の流体で簡単にデスケーリン
グされる。
パウダーの凝固点が1000℃未満であると、鋳片の表面
に形成されたスケールは、鋳片の表面温度が相当に低下
しても、鋳片表面との間に充分な熱膨張差を生じない。
そして、二次冷却帯で冷却された後においても、依然と
して鋳片表面にスケールが強固に付着しており、デスケ
ーリングが困難になる。この点で、パウダーの凝固点を
1000℃以上にすることが必要である。
この凝固点を得るパウダーとしては、第1図に示すよ
うにパウダー中の塩基度(CaO/SiO2)を調製することが
必要である。好ましくは、塩基度(CaO/SiO2)を0.92以
上とする。このパウダーは、CaO/SiO2≧0.92をベースと
して、第1表にその代表例を示す。しかし、これに拘束
されることなく、Na,F,Bなどの化合物からなる物性調整
剤を含んでも良く、またAl2O3の高配合により凝固点を
上昇させることもできる。
連鋳機のモールド出側における鋳片の表面温度は、11
50℃以上の範囲に維持される。出側温度をこの範囲に設
定するとき、最終引抜きロール出側(二次冷却帯)まで
鋳片が送られる間に、鋳片の表面温度を充分に下げるこ
とができ、スケールと鋳片表面との間の熱膨張差を大き
くすることができる。
また、二次冷却帯で冷却された後の鋳片の表面温度t
は、モールド出側温度Tよりも170〜270℃低い値に設定
される。この温度差(T−t)を170℃以上にすると
き、スケールと鋳片表面との間の熱膨張差が大きくな
り、スケールが剥離され易い状態になる。しかし、温度
差(T−t)が270℃超になると、二次冷却帯から送り
出される鋳片が過度に冷却されるので、後続する圧延工
程に先立って圧延可能温度に鋳片を再加熱する必要が生
じ、直送圧延が実施できない。
このようにして、本発明によるとき、鋳片表面に形成
されたスケールが剥離し易いものとなっている。そのた
め、圧延直前に多量の高圧流体を鋳片表面に噴射させる
ことによる温度降下を招くことなく、比較的少量の高圧
流体でデスケーリングされる。したがって、デスケーリ
ングされた後の鋳片は、後続する圧延工程で必要とされ
る温度に維持されており、また付着スケールに起因した
圧延欠陥を生じることなく板材に圧延される。
〔実施例〕
普通鋼組成をもち温度1550℃以上の溶鋼をモールドに
注入して、鋳造速度1.4m/分で幅980mm〜1140mm×肉厚25
2mmのスラブを鋳造した。このとき、モールド内の湯面
に、F.C1.8%,CaO37%,SiO237%,Al2O35%,MoO5%及び
通常の物性調整剤を添加した組成をもち、凝固点1100℃
のパウダーを投入した。また、モールドから出た直後の
スラブの表面温度Tは、1150℃であった。このスラブを
二次冷却帯で所定温度950℃まで冷却した後、高圧水を
スラブ表面に吹き付けて、スラブ表面に付着しているス
ケールを除去した。
第2図は、スケール除去に必要な水の圧力と温度差
(T−t)との関係を表したグラフである。第2図から
明らかなように、温度差(T−t)を170℃以上にする
とき、スケール除去に必要な水圧を8〜10kg/cm2とする
ことができた。そのため、デスケーリングによってスラ
ブが過度に冷却することがなく、温度930℃以上でスラ
ブが後続する圧延工程に搬入された。
凝固点の異なるパウダーを使用する他は、同様な条件
下でスラブを鋳造し、二次冷却後にデスケーリングし
た。第3図は、温度差(T−t)を170℃以上に維持し
て鋳片を二次冷却したときのパウダーの凝固点とデスケ
ーリング用水圧の関係を表したグラフである。なお、パ
ウダーの凝固点は、CaO,SiO2等の成分含有量を調節する
ことにより変動させた。第3図から明らかなように、凝
固点が1000℃以上のパウダーを使用するとき、水圧8〜
10kg/cm2以下でデスケーリングすることができた。
また、高圧水に代え加圧空気を使用してデスケーリン
グを行った場合にも、同様な結果が得られた。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、連続鋳造
機のモールドから送り出される鋳片の出側温度,二次冷
却帯で冷却した後の鋳片の温度,及びモールドに投入さ
れるパウダーの凝固点を調整することにより、鋳片表面
に対するスケールの付着力を弱め、デスケーリングを簡
単にしている。そのため、鋳片は、表面にスケールがな
く、しかも圧延可能な温度を確保した状態で、後続する
圧延工程に搬入される。したがって、直送圧延の長所で
ある鋳片の保有熱を有効に利用することができ、圧延に
よって得られた板材もスケールに起因した欠陥のない高
品質の製品となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はパウダーの塩基度(CaO/SiO2)と凝固点との関
係を表したグラフ、第2図は温度差(T−t)とデスケ
ーリング用水圧との関係を表したグラフ、第3図はパウ
ダーの凝固点とデスケーリング用水圧との関係を表した
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−130748(JP,A) 特開 昭63−248549(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/00 - 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面に
    パウダーを撒布して鋳造して得た鋳片を高温状態のまま
    で圧延工程に送って圧延する直送圧延法において、 凝固した鋳片表面とその表面に形成されるパウダーを含
    むスケールとの間に充分な熱膨張差を生じさせるよう
    に、前記モールド内に凝固点が1000℃以上のパウダーを
    撒布し、モールド出側における鋳片の表面温度を1150℃
    以上、最終引抜きロール出側における鋳片表面温度を98
    0℃以下とすることで、 前記鋳片表面とスケールとの間の熱膨張差を大きくし
    て、鋳片表面に形成されたスケールを剥離し易くするこ
    とを特徴とする直送圧延用鋳片の製造方法。
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