JP2000158109A - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

薄鋳片の連続鋳造方法

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JP2000158109A
JP2000158109A JP10339497A JP33949798A JP2000158109A JP 2000158109 A JP2000158109 A JP 2000158109A JP 10339497 A JP10339497 A JP 10339497A JP 33949798 A JP33949798 A JP 33949798A JP 2000158109 A JP2000158109 A JP 2000158109A
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Toshihiko Murakami
敏彦 村上
Seiji Kumakura
誠治 熊倉
Hikari Okada
光 岡田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の圧延工程に薄鋳片を直送する連続鋳造
において、スケール疵のない圧延製品を得られる製造方
法を提供する。 【解決手段】 連続鋳造の鋳型内メニスカスから1.0
〜7.5m位置の2次冷却帯区間内で、未凝固圧下開始
前から薄鋳片にデスケーリング高圧水を噴射しながら未
凝固圧下を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼薄鋳片を圧延工
程に直送する連続鋳造方法、特に次工程の圧延工程にお
ける圧延品質に有害なスケールのない薄鋳片を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電炉を中心としたミニミル業界では、鋼
の薄鋳片連続鋳造工程と下工程の圧延工程とを一体化し
て薄鋼板を連続的に製造するプロセスが一般的である。
このようなミニミル一貫プロセスの連続鋳造では次工程
の圧延機の負荷を軽減すべく、鋳片の薄肉化を指向して
いる。
【0003】連続鋳造で薄鋳片を鋳造するため、鋳型を
薄くすると、鋳造能率が低下すること、および鋳造ノズ
ルが邪魔になり厚さ90mm以下の薄鋳片化が困難なこ
とから、鋳片を圧下して薄くする方法が実施されてい
る。
【0004】たとえば、連続鋳造機内部のセグメント厚
みを変化させて、厚みを薄くする未凝固圧下法、また
は、完全凝固した鋳片をインラインで圧下するインライ
ン圧下法等が実施されている。
【0005】連続鋳造機で薄鋳片を鋳造した後、鋳片は
トンネルファーネスなどの高能率の加熱炉で加熱され、
またはコイルボックス等の装置で復熱され、圧延工程に
送られる。圧延工程では、加熱及び鋳造時に発生したス
ケール(酸化被膜)を高圧水でデスケーリングを行い、
圧延時に発生する酸化スケール性の表面疵発生を防止し
ている。
【0006】通常の厚さ(150〜250mm)の熱延
用スラブでは鋳造速度が最大2m/min程度であるの
に対し、薄鋳片(厚さ90〜120mm)の鋳造速度は
4〜5m/min程度であり、鋳片の生産速度は未凝固
圧下を行った場合4〜5m/min程度、インライン圧
下を行うと5〜10m/min程度となる。従って、後
の圧延工程に至るまでの時間が短い反面、鋳片厚さが薄
いため保有熱量が小さく、表面に生成するスケール厚さ
が薄い。さらに、後工程の加熱炉での加熱時間またはコ
イルボックス等での復熱時間も短いため、圧延直前のス
ケールが薄い。
【0007】鋳片表面のスケールが薄いと歩留的には有
利な反面、薄スケールは鋳片からはがれにくく、圧延前
の通常のデスケーリングによっても除去できないため、
製品にスケール疵をもたらす。そのため、供給水を高圧
にして、完全なデスケーリングを期している。
【0008】連続鋳造法においては鋳型と鋳片の摩擦軽
減のため、パウダを投入するが、このパウダが溶融し、
その後滓化したパウダが鋳片表面に付着する。この滓化
したパウダは未凝固圧下によって鋳片表面に圧着され剥
離しにくいスケールとなる。
【0009】このパウダ性スケールが付着したまま鋳片
を圧延前工程で加熱し、または復熱させ、通常より強力
なデスケーリングを行っても付着物を完全に除去できな
いため、パウダ由来のスケール疵が発生し、この疵は製
品の鋼板上に黒く残って酸洗処理でも除去しにくく、通
常の酸化鉄系のスケール疵より一層品質を低下させる。
【0010】連続鋳造工程におけるパウダ性スケールの
問題の解決方法として、例えば、特開昭60−1304
57号公報には、緩冷却ゾーンの任意の部分で鋳片表面
に衝撃水を直接噴射し、パウダを含有したスケール層の
付着力を弱め、次いで復熱させ、後の圧延工程に高温か
つスケールのはがれやすい鋳片を供給する方法が開示さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭60−13
0457号公報に開示された方法は主として通常の厚さ
の鋳片スラブを対象とした方法であるため、鋳片の保有
熱が大きく、復熱させることによって酸化鉄系のスケー
ルが生成する。このスケールは次工程の圧延用加熱炉で
生成するスケールとともに圧延前デスケーリング装置で
除去可能なものである。
【0012】一方、ミニミル一貫プロセスの大きな利点
は、連続鋳造と次工程の圧延工程を一体化し、設備コス
ト低減と、省エネルギー、省工程を図ることにある。従
って、連続鋳造設備の機長および後工程の圧延設備との
距離は短く、鋳片が大気に曝される時間は普通厚さの鋳
片の半分以下となり、前記のように生成するスケールの
厚さが普通厚鋳片に比較して極めて薄いため、前記の公
報に開示された方法はそのまま薄鋳片の連続鋳造および
これに続く圧延プロセスに適用するのは困難である。
【0013】本発明の目的は、薄鋳片を圧延工程に直送
する連続鋳造において、圧延工程に高温、かつ圧延前の
デスケーリングによってはがれやすいスケールを有する
薄鋳片を供給する連続鋳造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは鋼の薄鋳片の
連続鋳造、未凝固圧下後、熱間圧延を実施する薄鋼板製
造プロセスにおいて、下工程の圧延後の製品に発生する
スケール疵の問題について検討した。圧延製品に押し込
まれたスケールを分析したところ、Na2 O、CaF等
が検出され、連続鋳造のパウダに起因することが明らか
になった。即ち、連続鋳造時の鋳型に投入するパウダが
薄鋳片に付着し、その後の2次冷却工程、未凝固圧下工
程、圧延前加熱工程、デスケーリングおよび熱間圧延に
おいても除去されないことが判明した。
【0015】この薄鋳片の連続鋳造工程では未凝固圧下
を行っているため、圧下によるスケールの押込により、
剥離性の悪いスケールになっているものと考え、極めて
軽度の未凝固圧下を加えるか、もしくは未凝固圧下を実
施しない鋳片を製造し、圧延を実施した。しかし、パウ
ダ性スケール疵の改善は見られなかった。このことか
ら、パウダを含有したスケールは未凝固圧下する前に除
去すべきであることがわかった。
【0016】次に、パウダが付着した状態の薄鋳片のス
ケール厚さを種々変えた試験片を用意し、種々の条件
(鋳片温度、高圧水圧力、水量)で高圧水デスケーリン
グを実施した結果、2次冷却帯のできるだけ早い段階
で、鋳片のデスケーリングを行うと、パウダ性スケール
がほぼ完全に除去することができることを知った。
【0017】上記の知見に基づいて完成した本発明の要
旨は、「鋼の薄鋳片の連続鋳造に際し、鋳型内メニスカ
スから1.0〜7.5m位置の2次冷却帯区間内で、少
なくとも未凝固圧下開始前から薄鋳片にデスケーリング
高圧水を噴射しながら未凝固圧下を行うことを特徴とす
る薄鋳片の連続鋳造方法」にある。
【0018】ここで薄鋳片とは、未凝固圧下の対象とな
る鋼板用薄鋳片一般を意味するが、例えば厚さが30〜
70mm、幅が300〜1600mmの断面の鋳片を言
う。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の薄鋳片の連続鋳
造、未凝固圧下および熱間圧延の工程を示す概要図であ
る。同図において、1は溶鋼、2は連続鋳造装置、3は
タンディッシュ、4は鋳型、5は鋳型に投入されたパウ
ダ、6は鋳片、7は2次冷却帯、8は2次冷却帯の冷却
ノズル、9は本発明に係る鋳片デスケーリング装置、1
0は未凝固圧下ロール、11は鋳片切断装置、12は加
熱炉、13は圧延前デスケーリング装置、14は圧延機
である。鋳造された鋳片6は鋳型4、2次冷却帯7を経
て冷却される。
【0020】本発明においては2次冷却帯の、メニスカ
スから1.0〜7.5mの間の位置でデスケーリングを
行う。かつ、未凝固圧下を開始する前からデスケーリン
グを開始する。
【0021】前記範囲の中でもできるだけ早く、すなわ
ち、できるだけ上流側でデスケーリング行うのが好まし
く、その範囲は1.0〜4.0mの位置である。
【0022】前記2次冷却帯の、メニスカスから1.0
〜7.5mの間の位置でデスケーリングを行い、さらに
はできるだけ上流側でのデスケーリングが好ましいの
は、表面に付着したパウダと生成するスケールとが混合
層を形成する前にデスケーリングを行うためである。ス
ケールとパウダ付着物が混在すると融点が低下し、高圧
水デスケーリングの効果が弱められることと、デスケー
リングおよびほぼ同時に行う未凝固圧下後の鋳片の復熱
をできるだけ大きくするためであり、薄鋳片は保有熱量
が少ないため、このことはとくに重要である。
【0023】パウダ付着物を除去するのに、さらに望ま
しくは上方のメニスカス位置から1.0m未満の位置が
よいが、この領域は鋳型があったり、初期凝固シェルが
薄いためサポートロールの間隔が小さく、高圧水噴射に
よるデスケーリングは事実上不可能であるからである。
従って、実用的に高圧水噴射デスケーリングが可能なの
はメニスカスから1.0m以上の位置の2次冷却帯に限
られる。
【0024】2次冷却帯の7.5mを超える位置でデス
ケーリングを行うと、パウダ成分と生成スケールの混合
層が形成され、スケール剥離性が悪化するおそれがあ
る。
【0025】通常、薄鋳片の未凝固圧下ロール10は数
本のロールで構成されており、ロール1本当たり、2〜
10%、全体で30〜60%の圧下率を加える。デスケ
ーリング装置9は長手方向および幅方向に複数本のデス
ケーリングノズルで構成されている。長手方向で同一位
置の一組のデスケーリングノズルを便宜上1本のデスケ
ーリングノズルとすれば、少なくとも1本のデスケーリ
ングノズルが未凝固圧下ロール10の群の最上流側のロ
ールよりもさらに上流側に配置する必要がある。
【0026】未凝固圧下前のデスケーリングノズルの能
力が十分でなく、かつ、複数のデスケーリングノズルを
配置するスペースがないとき、未凝固圧下ロールの間に
デスケーリングノズルを配置するのが望ましい。ただ
し、このデスケーリングノズルは前記の2次冷却帯のメ
ニスカスから1.0〜7.5mの範囲に配置する。
【0027】未凝固圧下ロール10の一部または全部
が、前記の2次冷却帯のメニスカスから1.0〜7.5
mの範囲に配置されていなくてもよいが、デスケーリン
グ直後のスケールが再生成されない間に未凝固圧下をす
るのが望ましく、未凝固圧下ロール10群の少なくとも
1本のロール、望ましくはすべてのロールが前記2次冷
却帯のメニスカスから1.0〜7.5mの範囲に配置さ
れているのが望ましい。
【0028】薄鋳片デスケーリングにおける高圧水の圧
力は20kgf/cm2 以上が好ましい。20kgf/
cm2 未満であると、冷却、熱収縮によってスケールに
クラックが入っても、高圧水の運動量が不足し、スケー
ルが除去されない恐れがある。高圧水の圧力の上限は特
に定めないが、150kgf/cm2 以下が好ましい。
150kgf/cm2 を超えると、スケール除去効果が
飽和すること、設備が高価になることと、鋳片表面で反
射した水が周囲の設備に当たって摩耗腐食を早めること
などの悪影響があるためである。さらに好ましい高圧水
の圧力は20〜50kgf/cm2 である。高圧水の圧
力をこの程度まで下げると、省エネルギー効果のほか、
工場内/連続鋳造設備内の他の高圧水供給系統との共有
化などの効果がある。
【0029】なお、ここでいう高圧水圧力とはノズル前
圧力を言うが、高圧水配管の圧力損失は1〜5kgf/
cm2 程度であり、実用的にはポンプ出口圧で管理して
もよい。
【0030】単位時間あたり、単位面積当たりの高圧水
量を10〜90l/min・m2 の範囲で変化させ、デ
スケーリング効果を調査したところ、最小で15l/m
in・m2 程度あれば、これより水量を増加させてもデ
スケーリング効果に大きな差はなかった。高圧水量を過
大にすると、流下水が鋳片表面を冷却することになるの
で、15〜30l/min・m2 が好ましい。鋳造速度
の変化に対して、高圧水量は一定値を保つようにすると
制御しやすい。
【0031】デスケーリング高圧水は水ノズルでも気水
型ノズルでも(ミストスプレー)よい。気水型は水量の
変化に対してスプレーのパターンが均一分布を保つこと
ができる特長がある。鋳造速度が大きく変化する場合を
考慮すると、気水型のスプレーの設置が望ましい。気水
型を用いる場合、圧縮空気の供給圧力は10〜30kg
f/cm2 程度とし、高圧水の前流量に対応して調整す
る(高圧水の流量が低いときは圧縮空気圧力を高くして
均一な分布を確保する等)のが好ましい。
【0032】気水型スプレーを使用する場合は、従来の
通常の2次冷却水スプレーとデスケーリング用高圧水ス
プレーのノズルを兼用することができる。通常の冷却水
供給圧が3〜10kgf/cm2 であるのに対し、デス
ケーリング用高圧水の供給圧20〜150kgf/cm
2 で供給すればよい。
【0033】未凝固圧下後、必要に応じて鋳片を冷却し
てもよいが、次工程にできるだけ高温の鋳片を供給しよ
うとするなら可能な範囲で未凝固圧下後の冷却水を低減
するのが望ましい。このような処置をとることによって
未凝固圧下終了後の鋳片表面温度は最高900〜100
0℃程度まで復熱する。
【0034】製造された鋳片は圧延工程に直送され、加
熱炉に装入されて、さらにスケールが成長する。このと
き、スケールには未凝固圧下によるクラックが入ってい
るので、大気もしくは炉内の酸化性雰囲気が鋳片表層に
進入するため、スケール生成が促進される。
【0035】加熱終了後、圧延直前のデスケーリングに
よって、鋳片表面には適度の厚さのスケールが生成して
おり、はがれやすく、圧延におけるスケール押込が発生
することはない。
【0036】
【実施例】種々の条件で鋳造およびデスケーリングを行
い、圧延後の製品に発生するスケール疵の調査をした。
【0037】表1に本発明の試験を実施した薄鋳片連続
鋳造設備の仕様の概要および鋳造条件を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表2に本発明の試験を実施した連続鋳造機
の2次冷却帯の支持ロールの配置数および冷却ノズルの
配置数を示す。
【0040】
【表2】
【0041】2次冷却帯の冷却ノズルは気水型ノズル
で、高圧水および圧縮空気の供給圧をゾーン単位で変更
することにより通常の冷却と高圧水デスケーリングとの
切替えが可能である。以下、通常の冷却の場合の供給圧
を低圧、デスケーリングの場合の供給圧を高圧という。
【0042】各ゾーンにおいて冷却ノズルはロールとロ
ールの間に1本ずつ配置されており、ロール本数と冷却
ノズル本数は同一である。各ゾーンにおいて、最上流側
の冷却ノズルは同ゾーンの最上流側のロールと前ゾーン
の最下流側ロールの間に配置されている。
【0043】効果の確認試験に際し、表2に示すZ2〜
Z7までのいずれかを未凝固圧下ゾーンとし、デスケー
リングはゾーン単位で冷却水の供給圧を低圧または高圧
に切り替えた(低圧では通常の冷却スプレー、高圧では
デスケーリングとなる)。
【0044】表3に試験ごとの未凝固圧下ゾーン位置と
デスケーリングを行ったゾーンの配置を示す。それぞれ
を試験No.1〜4(本発明例)、試験No.5〜8
(比較例)とする。
【0045】
【表3】
【0046】同表において、試験No.1は鋳型に最も
近いZ1ゾーンで高圧水によるデスケーリングを行い
(Dで示す)、これより2ゾーン下流のZ3ゾーンで未
凝固圧下(Rで示す)を行ったものである。他のゾーン
は通常の低圧水の冷却スプレー(Cで示す)である。以
下同様に、デスケーリングを行ったゾーン以外は通常の
冷却スプレーである。
【0047】試験No.2はZ3ゾーンでデスケーリン
グを行い、同じゾーンで未凝固圧下を行ったものであ
る。
【0048】試験No.3はZ2ゾーンでデスケーリン
グを行い、これより1つ下流のZ3ゾーンで未凝固圧下
を行ったものである。
【0049】試験No.4はZ6ゾーンでデスケーリン
グを行い、同じゾーンで未凝固圧下を行ったものであ
る。
【0050】試験No.5はすべてのゾーンを通常の低
圧水による冷却を行い、未凝固圧下はZ3ゾーンで行っ
たものである。
【0051】試験No.6はZ2ゾーンでデスケーリン
グを行うが、未凝固圧下はこれより上流側のZ3ゾーン
で行ったものである。
【0052】試験No.7はZ3ゾーンで未凝固圧下を
行い、同じゾーンでデスケーリングを行うが、5本のノ
ズルのうち最上流のノズル(Z2とZ3ゾーンの間にあ
るノズル)を閉塞したものである(表3ではdで示
す)。
【0053】試験No.8はZ7ゾーンでデスケーリン
グを行い、同じゾーンで未凝固圧下を行ったものであ
る。このゾーンはメニスカスからの距離が7.5mを超
えている。
【0054】未凝固圧下の圧下率はいずれも44%(鋳
造厚さ90mmに対し圧下後鋳片厚さ50mm)とし
た。加熱炉の在炉時間は30〜60分、熱延製品厚さは
2.3〜3.5mmであった。
【0055】各試験で製作した鋳片の圧延後のスケール
疵の状況を調査した。表4に製品のパウダ性スケール疵
の状況および鋳片切断時の鋳片表面温度を示す。同表に
おいて、パウダ性疵の疵なしは(−)で示し、疵の程度
を、1:軽度、2:中程度、3:重度で示す。
【0056】
【表4】
【0057】表4に示すように、試験No.1〜4は本
発明のデスケーリングを実施したもので、No.1〜3
については製品のパウダ性スケール疵発生は見られなか
った。No.4は軽度のスケール疵があった。デスケー
リングを遅い段階で行ったため、パウダ性スケールと生
成した酸化鉄スケールとで低融点物質を生成し、完全に
はパウダ性スケールの除去ができなかったと思われる。
【0058】これらの中ではNo.4が鋳片切断時の鋳
片温度が1030℃と最も高く、No.1〜3は995
〜1000℃程度であった。
【0059】試験No.5では2次冷却帯でのデスケー
リングを行っていないので、重度のパウダ性スケール疵
が発生した。鋳片温度は1060℃で各試験No.のう
ち最も高かった。
【0060】試験No.6は中度のパウダ性スケール疵
が見られた。未凝固圧下の後でデスケーリングを行って
いるため、パウダ性スケールが未凝固圧下時に押込まれ
たと思われる。
【0061】試験No.7では軽度のスケール疵があっ
た。未凝固圧下の最初のロール直前のノズルを閉塞して
いるため、未凝固圧下の最初のロールによってパウダ性
スケールが押込まれたと思われる。
【0062】試験No.8で中度のスケール疵が見られ
た。デスケーリングと未凝固圧下を同じゾーンで行って
いるものの、デスケーリングタイミングが遅く、パウダ
性スケールと、生成したスケールとで低融点物質を形成
し、デスケーリングによってもパウダ性が除去できなか
ったと思われる。No.6〜8の鋳片温度は995〜1
000℃程度であった。
【0063】
【発明の効果】本発明により、薄鋳片の連続鋳造におい
て、圧延工程に直送する薄鋳片のパウダ性のスケールを
除去することができ、表面品質に優れた鋼板を得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄鋳片の連続鋳造、未凝固圧下および
圧延工程を示す概要図である
【符号の説明】
1:溶鋼、 2: 連続鋳造装置 3: タンディッシュ 4: 鋳型 5: パウダ 6: 鋳片 7: 2次冷却帯 8: 冷却ノズル 9: 鋳片デスケーリング装置 10:未凝固圧下ロール 11:鋳片切断装置 12:加熱炉 13:圧延前デスケーリング装置 14:圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 光 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 KA11 MC02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の薄鋳片の連続鋳造に際し、鋳型内メ
    ニスカスから1.0〜7.5m位置の2次冷却帯区間内
    で、少なくとも未凝固圧下開始前から薄鋳片にデスケー
    リング高圧水を噴射しながら未凝固圧下を行うことを特
    徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
JP10339497A 1998-11-30 1998-11-30 薄鋳片の連続鋳造方法 Withdrawn JP2000158109A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094152A (ja) * 2001-07-17 2003-04-02 Nkk Corp 鋼板の製造方法
JP2006516224A (ja) * 2003-01-22 2006-06-29 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 連続鋳造スラブを生成する方法と装置

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