JP3280483B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
- Publication number
- JP3280483B2 JP3280483B2 JP23168093A JP23168093A JP3280483B2 JP 3280483 B2 JP3280483 B2 JP 3280483B2 JP 23168093 A JP23168093 A JP 23168093A JP 23168093 A JP23168093 A JP 23168093A JP 3280483 B2 JP3280483 B2 JP 3280483B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- continuous casting
- continuous
- slab
- cast piece
- stainless steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
利用される、高効率および低コストで、しかも内部欠陥
や割れ等が発生しない高歩留まりのステンレス鋼製造を
実現できる連続鋳造方法に関する。
においては、連続鋳造後の連続鋳造片(以下、連鋳片と
する)の表面手入れの削減、さらには表面手入れを行う
ことなく連鋳片が冷える前に加熱炉に直接装入して圧延
を行う等、製造効率の向上を目的とした研究が盛んに行
われている。
ールオフ量の少ないオーステナイト系のステンレス鋼に
おいては、連鋳片の表面手入れを行わず熱間圧延して製
品を得ることが、既に現実化している。一方、フェライ
ト系ステンレス鋼においては、元来、連鋳片の冷片化が
困難な鋼種が存在し、表面手入れの要・不要にかかわら
ず、連鋳片の加熱炉への熱片装入が実施されている。
は、オーステナイト系ステンレス鋼の連鋳片を鋳造後、
熱間圧延するにあたり、連続鋳造機の鋳型内面をNiめ
っきし、かつ上向きの浸漬ノズルを利用することによ
り、連鋳片表面を無手入れのまま加熱炉に直送し、操業
性を向上する技術が開示されている。また、特公昭60
−26807号公報には、オーステナイト系ステンレス
鋼の連鋳片を鋳造後、熱間圧延するにあたり、連鋳片の
化学組成から決まるδフェライト量を計算し、この値に
応じて連鋳片の高温保持時間を変動することにより、熱
間圧延のための連鋳片の再加熱を大幅に低減すると共
に、熱延時に鋼片端部に発生する耳割れの防止する技術
が開示されている。
は、鋳造したフェライト系ステンレス鋼の連鋳片を、4
00℃以下に温度降下することなく熱間圧延するに際
し、連鋳片を熱間圧延前に(α+β)域温度に保定し、
またその時間上限を規定することにより、冷間圧延後の
プロセスを省略しつつ加工性の良好な製品を得る技術が
開示されている。
は、ステンレス鋼の連続鋳造のモールドパウダーとし
て、従来添加されている炭素粒子に変えて窒化物粒子を
添加したモールドパウダーを利用することにより、炭素
系物質による連鋳片表面の浸炭による微小割れを回避
し、製品歩留まりを向上した技術が開示されている。
鋼は一般的に表面および内部共に割れが発生し易い。そ
のため、ステンレス鋼を連続鋳造する際には、構造的に
曲げ歪、矯正歪等が発生することがない垂直型の連続鋳
造機(以下、連鋳機とする)を使用するのが一般的であ
る。
鋳機)は、鉛直状態で連鋳片の凝固過程を終了させるた
め、溶鋼の凝固前にモールドパウダー等に起因する介在
物が浮上し、凝固した連鋳片に混入することが少ない。
そのため、介在物等に起因する欠陥や、溶鋼の初期凝固
の段階で発生する表面近傍の介在物混入による欠陥等の
ない、高品質な連鋳片を製造することができる。しかし
ながら、垂直型連鋳機は、その構成上、鋳造速度(鋳込
み速度)を高くすることができず、高温の連鋳片を製造
(高温での出片)することができない。そのため、やむ
なく熱間圧延のために再加熱を施す必要があり、エネル
ギーを大きく消費し、また補熱設備も必要となり、製造
コストが増大してしまう。
造によって高温の無欠陥鋳片を製造するためには、鋳造
速度を高速にする必要があり、そのためには機長の長い
連鋳機が必要である。ところが、垂直型連鋳機の機長を
長くするためには、建屋を高くする、あるいは大規模な
地下構造物を建造する必要がある。そのため、高温の鋳
片を製造可能な垂直型連鋳機の建造は実質上不可能であ
り、垂直型連鋳機を利用する設備では、熱間圧延を行う
前に補熱設備等で連鋳片の再加熱を行う必要がある。
の増大は容易であり、高温の連鋳片を製造することはで
きる。ところが湾曲型連鋳機は、湾曲するモールドおよ
び二次冷却帯の形状のため、垂直型連鋳機の利点である
溶鋼未凝固状態での介在物の浮上分離が困難であり、モ
ールドパウダー等に起因する欠陥や連鋳片の表面近傍へ
の介在物の混入やAr気泡に起因する、連鋳片の内部や
表面の性状の問題が発生しやすい。結果的に鋳造速度の
上限を規制する必要があり、特に、高い清浄度を要求さ
れる鋼種においては、低速鋳造や注入速度(t/分)の
規制を行う場合が多い。
および内部に割れを発生し易く、湾曲型の連鋳機では、
この点にも問題がある。すなわち、従来の連続鋳造設備
では、品質、歩留まり、エネルギー効率共に満足できる
ステンレス鋼の製造を行うことはできない。
解決することにあり、ステンレス鋼の製造において、良
好なエネルギー効率による製造コスト低減、割れや表面
あるいは内部欠陥等の発生が極めて少ない高い歩留まり
で高品質の製品の安定製造を可能とする連続鋳造方法を
提供することにある。
に、 本発明は、連続鋳造したステンレス鋼の鋳造片を、
表面手入れ後あるいは表面無手入れで150℃以上の温
度で加熱炉に装入するステンレス鋼の製造方法における
連続鋳造方法であって、垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機
を用いて、鋳造片の未凝固の状態での曲げ、および鋳造
片の未凝固の状態での矯正あるいは完全凝固後の矯正を
行い、かつ前記スラブ連続鋳造機の二次冷却帯の少なく
とも1つのゾーンにおいて鋳片端部の冷却水を遮断し、
さらに前記二次冷却帯の曲げ部および/または矯正部に
おいて分割ロールを使用して、0.8m/min以上の
鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする連続鋳造方
法を提供する。
に説明する。図1に本発明の連続鋳造を実施するスラブ
連続鋳造機(以下、連鋳機とする)の概念図を示す。な
お、図1は鋳造片の矯正を鋳造片が未凝固の状態で行う
例であり、図2は鋳造片の矯正を完全凝固後に行う例で
ある。なお、本発明の連続鋳造方法(以下、連鋳方法と
する)において、図1および図2に示される例は、冷却
速度(すなわち、特に後述する矯正部における鋳片内部
の状態)が異なる以外は、連鋳機は基本的に同じ構成を
有するので、同じ部材には同じ符号を付して同一に説明
する。
に利用されるスラブ連鋳機10は、連続鋳造片(以下、
連鋳片とする)12を垂直方向に引き抜いて、その後に
曲げ、さらにその後に連鋳片を直線状に伸ばして(すな
わち矯正して)連鋳片12を鋳造する、いわゆる垂直曲
げ型のスラブ連鋳機である。本発明の連鋳方法は、この
ようなスラブ連鋳機10によって製造した連鋳片12
を、トーチ14等によって切断した後、表面手入れ後あ
るいは表面無手入れで150℃以上の温度で加熱炉に装
入するステンレス鋼の製造に利用される。
溶鋼は、浸漬ノズル18等によってモールド20に注入
される。モールド20に注入された溶鋼は、冷却されて
凝固を開始して(いわゆるシェルを形成し)、二次冷却
帯22に引き抜かれる。ここで、モールド20において
は、モールド20を水冷すること等によって溶鋼(連鋳
片12)の冷却が行われる。
通常の連鋳機と同様、多数の鋳片サポートロール24,
24,24……や、鋳片サポートロール24の間隙に配
置されるスプレーノズル等より構成され、一例として第
1ゾーン22a、第2ゾーン22b、第3ゾーン22
c、第4ゾーン22dおよび第5ゾーン22eの合計5
つのゾーンより構成され、連鋳片12を垂直方向に引き
出し、この連鋳片12を曲げて、その後に直線状に矯正
しながら搬送しつつ、水スプレーやミストスプレー(気
水混合スプレー)によって冷却する。なお、本発明の連
鋳方法においては、二次冷却帯22は5つのゾーンより
構成されるのに限定はされず、さらに細かく細分あるい
は5以下のゾーンで構成されても良いのはもちろんであ
る。
直部であって、連鋳片12はモールド20より垂直方向
に引き出される。第1ゾーン22aに次いで配置される
第2ゾーン22bは曲げ部で、連鋳片12はここで所定
の曲率に湾曲されつつ搬送・冷却され、第3ゾーン22
cでは所定の曲率のまま搬送されつつ冷却される。次い
で配置される第4ゾーン22dは矯正部で、湾曲した連
鋳片12はここで直線状に矯正されつつ冷却され、さら
に直線状のまま第5ゾーン22eにおいて搬送・冷却さ
れて、トーチ14によって所定の長さに切断され、表面
手入れや熱間圧延等の次工程に搬送される。
げ型のスラブ連鋳機10を用い、連鋳片12の内部が未
凝固(図中斜線部)の状態で連鋳片12を曲げ、矯正は
図1に示されるように連鋳片12の内部が未凝固(以
下、単に未凝固とする)の状態で行い、あるいは図2に
示されるように連鋳片12が完全に凝固(以下、単に凝
固とする)した後に矯正を行う。連続鋳造をこのように
行うことにより、高温の連鋳片12を製造(高温出片)
してエネルギー効率を向上すると共に、介在物による欠
陥等を無くして、高品質のステンレス鋼を高い歩留まり
で製造可能にしたものである。
の問題点のうち、表面手入れ工程の省略のための連鋳片
表面の偏析対策等は、連鋳機の形状に関わらず、前述の
各種の発明等によってほぼ解決されている。ところが、
高温のステンレス鋼の連鋳片製造においては、モールド
パウダー等に起因する欠陥、鋳片の初期凝固の段階で発
生する表面近傍の介在物、さらには内部介在物やAr気
泡等に起因する内部欠陥等は、未だ解決されていないの
は前述のとおりである。
のスラブ連鋳機10を用い、未凝固の状態で連鋳片12
を曲げることにより、上記問題点を解決したものであ
る。すなわち、垂直曲げ型のスラブ連鋳機を用い、未凝
固の状態で連鋳片を曲げるので、機長の増大が容易で、
高速で連続鋳造を行って高温の連鋳片を製造してステン
レス鋼の製造コストを低減でき、しかも、一次冷却(モ
ールド20)および二次冷却帯22の一部(第1ゾーン
22a)が垂直であるので、この部分で介在物等を浮上
することができ、内部や表面性状に欠陥の無い、高品質
な連鋳片12を製造することができる。
機10において、垂直部分の長さには特に限定はなく、
ステンレス鋼種に応じた介在物の除去し易さ等に応じて
適宜決定すればよいが、本発明者らの検討によれば、最
も除去が困難ものでも3m程度の垂直部分があれば、ほ
ぼ介在物を除去することができるので、連鋳機高さの低
減のためにも、垂直部分の高さは3m以内とするのが好
ましい。また、湾曲時の連鋳片22の曲率は、連鋳機の
機長、ステンレス鋼の鋼種等に応じて、連鋳片22の表
面歪を考慮して適宜決定すればよい。
割れのより好適な防止や、より高品質の連鋳片12の製
造を実現して、より高品質のステンレス鋼の製造を高い
歩留まりで行うために、ステンレス鋼の連続鋳造におい
て、スラブ連鋳機12の二次冷却帯22の少なくとも1
つのゾーンにおける連鋳片12端部の冷却水遮断、二次
冷却帯22の曲げ部および/または矯正部、すなわち図
示例では第2ゾーン22bおよび/または第4ゾーン2
2dにおける分割ロールの使用、および連続鋳造速度
0.8m/min以上の条件下で連続鋳造を行う。
ては、連鋳片12の幅方向(搬送方向と略直交方向)に
多数のスプレーノズル(ミストノズル)配列したもの
が、鋳片サポートロール24の間に配置され、スプレー
ノズルより水スプレーやミストスプレーを噴射すること
により、連鋳片12の二次冷却を行う。
造する連鋳片12の幅に応じて、幅方向に配列したスプ
レーノズルの作動を制御し、無駄の無い冷却が可能なよ
うに構成される。すなわち、図3に示されるように、幅
方向Wにスプレーノズルa,b,c……が配置されてい
た場合、連鋳片12の幅がw1 である場合にはa,b,
c……全てのスプレーノズルよりスプレーを噴射し、連
鋳片12の幅がw2 である場合には、その幅に応じてス
プレーノズルaおよびbからのスプレーの射出を停止
し、スプレーノズルcから内側のスプレーノズルによっ
て(逆側端部も同様)連鋳片12の冷却を行う。
次冷却帯22の少なくとも1つのゾーンにおいては、連
鋳片12の端部に対応するスプレーは冷却水も停止して
連鋳片12の二次冷却を行う。
型のスラブ連鋳機10は、垂直部分を有する連鋳機の利
点を持ちつつ長い機長を実現することが可能である。と
ころが、垂直曲げ型のスラブ連鋳機10は上部の曲げ部
および下部の矯正部において、連鋳片12に2回の変形
を与えることが避けられない。この変形部による連鋳片
12の歪は、連鋳片の温度がある特定の領域、特に過冷
却状態となっている場合に連鋳片12のコーナー部の割
れの原因となる。
帯22の少なくとも1つのゾーンにおいては、連鋳片1
2の端部に対応するスプレーによる冷却水を停止(以
下、幅切りとする)する。つまり、図3に示される例で
あれば、連鋳片12の幅がw1 である場合には、連鋳片
12のコーナー部に対応するスプレーノズルaを停止し
て、スプレーノズルbから内側のスプレーノズルによっ
て(逆側端部も同様)連鋳片の冷却を行い、連鋳片12
の幅がw2 である場合には、その幅に応じてスプレーノ
ズルaおよびbに加え、連鋳片12のコーナー部に対応
するスプレーノズルcも停止して、これより内側のスプ
レーノズルによって連鋳片の冷却を行う。
12の過冷却、特にコーナー部の過冷却を防止して、ス
ラブ連鋳機10の曲げ部および矯正部での歪による連鋳
片12のコーナー部の割れを好適に防止し、製品歩留ま
りをより向上することができる。
は、コーナー部に対応する部分のスプレーは水のみを停
止してエアスプレーを噴射することにより、このエアス
プレーによって他のスプレーより噴射された水が連鋳片
12のコーナー部や端面に回ってこの部分を冷却するの
を防止することができ、より確実に連鋳片12のコーナ
ー部の割れを防止し、さらに高い製品歩留まりを実現す
ることができる。
ゾーンには特に限定はなく、また、幅切りを実施するゾ
ーン内全てのスプレーノズルを幅切りするのにも限定は
されない。なお、確実に連鋳片12のコーナー部の割れ
を防止するためには、少なくとも曲げ部および矯正部で
は幅切りを実施するのが好ましい。
0の二次冷却帯22の曲げ部および/または矯正部、す
なわち第2ゾーン22bおよび/または第4ゾーン22
dにおいては、分割ロールを使用する。
する鋳片サポートロール24は、連鋳片12のバルジン
グ(未凝固溶鋼の圧力に起因する膨らみ)防止等のため
に強い力で連鋳片12を保持(挟持)している。特に、
スラブ連鋳機10の曲げ部および/または矯正部におい
ては、ステンレス鋼の連鋳片12を強制的に湾曲させ、
さらに直線状にする等の変形を行うので、この部分の鋳
片サポートロール24には非常に大きな力がかかる。そ
のため、特に曲げ部や矯正部の鋳片サポートロール24
は、長年の使用の間に塑性変形を生じ、これが原因で連
鋳片12のバルジングや歪等の変形や、連鋳片12の割
れを生じ、高品質な製品を製造することができなくなっ
てしまう。しかも、本発明の連鋳方法は、連鋳片12が
未凝固の状態で曲げ、さらには未凝固あるいは完全凝固
後に矯正を行うため、連鋳片12のシェル(特に曲げ部
および/または矯正部)には未凝固溶鋼の大きな圧力が
かかり、バルジングを起こしやすい。
よび/または矯正部において、鋳片サポートロール24
の歪を最小限にとどめることができる分割ロールを使用
する。分割ロールとは、図4に示されるように連鋳の幅
方向Wに複数(図示例では2つ)に分割されたロールで
ある。
は、2本のロール24A−1およびロール24A−2を
有し、各ロールは、それぞれに独立した回転軸26−1
および26−2を有する。また、回転軸26−1はその
端部を軸受28および30に軸支され、他方、回転軸2
6−2はその端部を軸受32および34に軸支され、各
ロールが回転自在に軸支される。また、図4(b)に
は、別タイプの分割ロール24Bが示される。この例に
おいては、2本のロール24B−1およびロール24B
−2は、幅方向の中間に若干の間隙を有して、一本の回
転軸36に支持されている。この回転軸36は、両端が
軸受38および40に軸支され、さらに前記中間部が軸
受42によって軸支されている。
のみならず、各ロール間においても軸受によって回転軸
が軸支されるため、連鋳片12の曲げ部や矯正部等にお
いて大きな力がかかってもロールの歪は極めて少ない。
そのため、曲げ歪、矯正歪、バルジング歪等の連鋳片1
2に発生する歪や変形を最小限に抑制し、かつ割れの発
生を防止することができ、高品質な製品を高い歩留まり
で安定して製造することができる。
ロールは図示例の2分割に限定はされず、3分割あるい
はそれ以上の分割ロールを利用してもよい。なお、分割
されたロール間では連鋳片12は無支持状態となってお
り、バルジング等を発生する可能性が高いので、軸受を
小型化する等、各ロール間は可能な限り小さくするのが
好ましい。また、曲げ部および/または矯正部(第2ゾ
ーン22bおよび/または第4ゾーン22d)の鋳片サ
ポートロールを全て分割ロールにする必要はなく、特に
力のかかる要所のみに分割ロールを利用してもよい。さ
らに、必要に応じて、曲げ部および矯正部以外に分割ロ
ールを使用してもよい。
in以上の速度で連続鋳造行う。前述のように、高温の
連鋳片12を製造する(高温出片)ためには、鋳造速度
の向上が必要不可欠である。ここで、本発明者らの検討
によれば、鋳造速度を0.8m/min以上とすること
により、熱間圧延のための再加熱に要するエネルギーを
好適に節約することができ、高効率のステンレス鋼の製
造を実現することができる。また、後に実施例において
詳述するが、鋳造速度が0.8m/min未満では連鋳
片12の表面割れが発生し易く、製品歩留まりが低下し
てしまう。
in程度とすることにより、エネルギー効率、連鋳片コ
ーナー部の割れ防止等の点でより好ましい結果を得る。
に説明したが、本発明はこれに限定はされず、本発明の
要旨を変更しない範囲において各種の変更および改良を
行ってもよいのはもちろんである。
明をより詳細に説明する。
ス鋼を溶製し、図1に示される垂直曲げ型スラブ連鋳
機、および垂直型連鋳機、湾曲型連鋳機によって、厚さ
200mm、幅1.2m、長さ9mの連鋳片を製造し
た。これらの連続鋳造について、下記の各種の特性につ
いて調査した。
連鋳片について、連鋳後に熱間圧延を行うまでに必要な
燃料原単位を図5に示す。なお、図5においては、最大
とは連鋳片を室温まで冷却した際に必要な燃料原単位、
最小とは連鋳後、ほぼ連続的に熱間圧延を行った際に必
要な燃料原単位を示す。また各連鋳機における連続鋳造
速度は、前記連鋳片を不都合無く製造できる最高速度と
した。
冷却した際の燃料原単位は各タイプの連鋳機共に同様で
あるが、連鋳後にほぼ連続的に熱間圧延を行う場合に
は、垂直型および湾曲型の連鋳機では、連続鋳造速度に
限界があるため、あまり燃料原単位を低減することがで
きない。これに対し、垂直曲げ型スラブ連鋳機を用いる
本発明においては、連続鋳造速度を高速にできるので、
高温の連鋳片を製造(高温出片)することが可能であ
り、最小原単位を大幅に低下することができる。
造速度を変更した際の、各タイプの連鋳機毎の内部欠陥
発生指数を示す。なお、この指数は、連鋳片を冷延板と
した際に、コイル表面を検査した結果のうち、連続鋳造
に起因するものの発生率より算出した指数である。
連鋳機を利用し、溶鋼未凝固状態で曲げを行う本発明に
おいては、垂直部分で介在物の除去を良好に行うことが
できるので、内部欠陥発生指数が鋳造速度増大の影響を
受けない。そのため、機長を生かした高速鋳造が可能で
ある。これに対し、湾曲型の連続鋳造機では、連続鋳造
速度の増大に伴って内部欠陥が増加するため、1.0m
/min程度の鋳込み速度が一定の高品質を得るための
限界である。従って、機長を長くできるというメリット
を連続鋳造速度に生かすことができず、前述の図5に示
されるように、高エネルギー効率のステンレス鋼製造を
実現することができない。
の連続鋳造において、メニスカスから3mの距離まで二
次冷却帯での連鋳片の端部に対応するスプレーによる冷
却水を停止(いわゆる幅切り)した場合と、幅切りを行
わなかった場合の連鋳片の割れ発生率を示す。なお、連
続鋳造速度は共に0.8m/minとした。
ことにより、連鋳片の割れ発生を大幅に低減することが
でき、製品歩留まりを大幅に向上することができる。
の連続鋳造において、連続鋳造速度を変更した際の表面
割れ発生率を示す。
連鋳機を用いた未凝固曲げによるステンレス鋼の連続鋳
造においては、連続鋳造速度を0.8m/min以上に
することにより、割れの発生を防止することができ、こ
の点でもある程度の連続鋳造速度の高速化は重要であ
る。
の連続鋳造において、連続鋳造速度を変更した際の燃料
原単位指数を示す。なお、図9に示される例は、連鋳片
を製造した後、ほぼ連続的に熱間圧延を行う場合の例で
ある。また、この指数は、図5に示される例と同様に燃
料原単位を算出し、これより算出した指数である。
熱間圧延の燃料原単位指数で比較した場合、連続鋳造速
度が0.8m/min以上で燃料原単位の減少が見ら
れ、このような条件で連続鋳造を行うことにより、エネ
ルギー効率の良好な低コストのステンレス鋼製造が実現
できる。
る鋳造片の一部が未凝固の状態での曲げおよび矯正を行
う態様に対応したものであるが、図2に示される、矯正
を完全凝固状態で行う場合においても、ほぼ同様の結果
が得られた。
連続鋳造方法を利用することにより、連続鋳造したステ
ンレス鋼の鋳造片を、表面手入れ後あるいは表面無手入
れで150℃以上の温度で加熱炉に装入するステンレス
鋼の製造において、良好なエネルギー効率による製造コ
ストの低減や、割れや介在物に起因する不良等の発生が
極めて少ない高い製品歩留まりでの高品質の製品の安定
製造を実現することができる。
鋳造機を概念的に示す図である。
ラブ連続鋳造機を概念的に示す図である。
りを説明するための模式図である。
法に利用される分割ロールの一例を示す概念図である。
のステンレス鋼の連続鋳造における熱間圧延までの燃料
原単位をしめすグラフである。
のステンレス鋼の連続鋳造における連続鋳造速度と内部
欠陥発生指数との関係を示すグラフである。
おいて幅切りを実施した場合としない場合との連鋳片角
部割れ発生率を示すグラフである。
と連鋳片表面割れ発生率との関係を示すグラフである。
と燃料原単位指数との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】連続鋳造したステンレス鋼の鋳造片を、表
面手入れ後あるいは表面無手入れで150℃以上の温度
で加熱炉に装入するステンレス鋼の製造方法における連
続鋳造方法であって、 垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機を用いて、鋳造片の未凝
固の状態での曲げ、および鋳造片の未凝固の状態での矯
正あるいは完全凝固後の矯正を行い、かつ前記スラブ連
続鋳造機の二次冷却帯の少なくとも1つのゾーンにおい
て鋳片端部の冷却水を遮断し、さらに前記二次冷却帯の
曲げ部および/または矯正部において分割ロールを使用
して、0.8m/min以上の鋳造速度で連続鋳造を行
うことを特徴とする連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23168093A JP3280483B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23168093A JP3280483B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0788597A JPH0788597A (ja) | 1995-04-04 |
JP3280483B2 true JP3280483B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=16927310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23168093A Expired - Fee Related JP3280483B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3280483B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010053734A (ko) * | 1999-12-01 | 2001-07-02 | 이구택 | 스테인레스스틸 합금의 결함 제거 방법 |
JP4548593B2 (ja) * | 2005-03-07 | 2010-09-22 | 株式会社ジェイテクト | スラブ連続鋳造機用ロール装置 |
CN101869969B (zh) * | 2010-06-03 | 2015-07-29 | 上海宝冶集团有限公司 | 板坯连铸机结晶器的铜板装配方法 |
CN102451896B (zh) * | 2010-10-18 | 2016-03-30 | 五冶集团上海有限公司 | 板坯连铸机扇形段安装方法 |
CN104043801B (zh) * | 2014-06-16 | 2016-07-06 | 北京首钢股份有限公司 | 控制微合金钢板坯角部横裂纹的二次冷却方法 |
CN110315047B (zh) * | 2019-07-01 | 2020-11-27 | 中国重型机械研究院股份公司 | 一种400系铁素体不锈钢板坯连铸方法 |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP23168093A patent/JP3280483B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0788597A (ja) | 1995-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shibuya et al. | Strip casting techniques for steel | |
CN102796956B (zh) | 一种冷成型用高强薄带钢及其制造方法 | |
US5634510A (en) | Integrated manufacturing system | |
JP5775879B2 (ja) | マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 | |
RU2493925C2 (ru) | Способ и устройство для непрерывного литья сляба | |
US5765626A (en) | Continous casting process and continous casting/rolling process for steel | |
KR20120016369A (ko) | 연속박판 주조기를 이용한 듀플렉스 스테인레스 강의 제조방법 | |
JP5119505B2 (ja) | 電子ビーム溶解炉で溶製された熱間圧延用チタンスラブとその溶製方法 | |
CN103667895A (zh) | 一种冷成型用高强薄带钢及其制造方法 | |
WO2020030040A1 (en) | Production of twin-roll cast and hot rolled steel strip | |
CN103667969A (zh) | 一种利用低温在线静态再结晶生产钢带的方法 | |
JP3280483B2 (ja) | 連続鋳造方法 | |
KR100868143B1 (ko) | 주문에 의한 강 스트립 공급 방법 | |
JPH07204811A (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP2013027900A (ja) | 連続鋳造による鋳片の製造方法および製造装置 | |
JP2015110249A (ja) | 熱間圧延薄鋳造ストリップ品及びその製造方法 | |
JP2011005525A (ja) | 鋼鋳片の連続鋳造方法 | |
WO2021175242A1 (en) | Boron-added steel and production method thereof | |
CN211360593U (zh) | 多边形铸坯的连铸系统 | |
JP2013107130A (ja) | 熱間圧延用チタンスラブの溶製方法 | |
Hennig et al. | CSP technology: an update | |
JP2604315B2 (ja) | ホットコイルの製造方法 | |
JP2001137901A (ja) | 連続鋳造鋳片のホットチャージ圧延方法 | |
JP2006181583A (ja) | 連続鋳造鋳片の製造方法 | |
Martini | Main manufacturing and service requirements for the backup rolls and work rolls of modern hot-strip mills |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010807 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020129 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |