JP2000116691A

JP2000116691A - 入浴用ストーマ装着具

Info

Publication number: JP2000116691A
Application number: JP10294966A
Authority: JP
Inventors: Fumio Iura; 文夫井浦
Original assignee: IURA GIKEN KK
Current assignee: IURA GIKEN KK
Priority date: 1998-10-16
Filing date: 1998-10-16
Publication date: 2000-04-25

Abstract

(57)【要約】【課題】入浴時にストーマを保護し、湯水の汚染を防
ぐための小形で反復使用が可能なストーマ装着具を提供
する。【解決手段】ストーマを接触せずに覆う大きさの椀状
に形成したゴム製の防水カップ１と、身体に回して防水
カップ１を連結する装着ベルト５を設ける。防水カップ
１の開口端面に皮膚接触面２を形成し、両側に連結片３
を設けて装着ベルト５に容易に着脱できるように連結さ
せる。入浴時は、防水カップ１に脱脂綿を入れて皮膚接
触面２をストーマの周囲に当て、装着ベルト５で身体に
圧着保持させ、入浴後は脱脂綿を捨て防水カップ１を洗
浄する。なお、防水カップにかぶせる可撓性のカバーを
設けてカバーに連結片３をそなえ、また、皮膚接触面は
フランジ状や、外周を高くした傾斜面にするのが良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術】本発明は、人工肛門あるいは人工
膀胱を持っている人のストーマに装着し、入浴時やシャ
ワー浴時に使用するストーマ装着具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】人工肛門や人工膀胱を持っている人が入
浴をする場合は、腹壁に開口させたストーマへの湯水の
浸入や、ストーマから漏れる排泄物で湯が汚染されない
ようにするため、その都度、ストーマに入浴用のパウチ
と称する小形のバッグを取り付けているが、このパウチ
は、側面に開口を設けたビニール製のバッグと、開口を
囲んで取り付けた支持環とを一体にしたもので、入浴時
はこの支持環を皮膚保護剤を介してストーマ周囲の皮膚
に貼り付けるようにしており、入浴後に取り外して廃棄
処理している。

【０００３】また、特開平８―１３１４７１号には、パ
ウチを身体に装着するための取付具（型板）をパウチと
ともに被包する椀状パットと、この椀状パットを内在さ
せて腹部と左右の大腿部で身体に密着させ、湯水が浸入
しないようにした防水パンツを用いて入浴するようにし
たものが提示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、このような
従来の入浴用パウチは、小形のバッグを用いて身体に接
着させるようにしているが、入浴のたびに使い捨てにし
ており、入浴中に排尿などがなかった場合でも再使用す
ることなく捨てられるので、経済的でなく、貼り付ける
ときも皮膚のシワなどで隙間を生じないように注意して
接着させる必要があり、入浴前に通常のパウチを外して
入浴用パウチと取り替えるため、パウチの着脱回数が多
くなり手数を要するとともに、皮膚保護剤を介していて
も体質によってカブレなどを生じやすくなるおそれがあ
る。

【０００５】また、通常に取り付けたパウチの上に防水
パンツを着用し、パウチがつぶれないように保護する椀
状パットを防水パンツ内に内在させ、防水パンツ内に湯
水が入らないようにしたものでは、入浴時にゴム製の防
水パンツを着用するため、入浴時の開放感が損なわれる
だけでなく、腰回りの洗浄ができず、身体を曲げたとき
などに椀状パットの位置がずれてパットとパウチが接触
しやすいなどの欠点がある。本発明は、入浴時に身体に
着用する部分を少なくし、着脱が簡単で、繰り返し使用
が可能で、パウチを必要としない入浴用のストーマ装着
具を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、ストーマを接
触しないように覆う椀状に形成して、その開口端面を皮
膚接触面にした防水カップと、身体に回した装着ベルト
とを設け、防水カップの両側に設けた連結片で装着ベル
ト両端の取付具に係合連結させ、前記防水カップの皮膚
接触面をストーマ周囲の皮膚に密着させて装着ベルトを
締めることにより、防水カップを身体に圧着保持させ、
湯水が防水カップ内に浸入しないようにしている。

【０００７】また、前記カップを覆うように重ねた可撓
性のカバーを設け、このカバーの両側に装着ベルト両端
の取付具に係合連結させる連結片を設け、防水カップの
皮膚接触面をストーマ周囲の皮膚に密着させ、装着ベル
トに連結したカバーを、防水カップの外側に押し付け
て、防水カップの皮膚接触面をストーマの周囲に圧着保
持させるようにしている。また、防水カップの開口縁に
フランジを設け、このフランジ面を皮膚接触面にし、皮
膚接触面を広くして防水カップを身体に押し付けたとき
の押圧感を和らげるようにすることができる。なお、皮
膚接着面は、外周が高くなるように傾斜させることによ
って、皮膚との密着性を良好にし、防水効果を向上させ
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】合成ゴムなどの柔軟で弾力性を有
する防水性材料によってストーマに接触しないように覆
う大きさで、押し付けてもつぶれない程度の強さの椀状
に形成し、開口端面を皮膚接触面とした防水カップと、
身体に回した装着ベルトを設け、防水カップの椀状部の
両側に、装着ベルト両端の取付具に簡単な操作で着脱で
きるようにした連結片を設けている。このような連結
は、たとえばベルト端に取り付けた取付具のフック
（鈎）を防水カップ両側に突出させた舌状の連結片の孔
に係合させるようにすれば良く、そのほか従来から公知
の取付具をそなえたベルトを流用することができる。

【０００９】また、防水カップと、この防水カップに重
ねて外側を覆う形に形成した可撓性を有する合成樹脂の
カバーを設け、カバーの両側に装着ベルトと着脱させる
連結片を突設し、カバーをストーマに装着する防水カッ
プの上にかぶせて連結片を装着ベルトに連結し、カバー
で防水カップを押圧して、皮膚接触面を身体に圧着させ
る。なお、前記皮膚接触面は、防水カップの開口縁に適
当な幅のフランジを設けて、接触面を広くすることがで
き、また、皮膚接触面の外側が高くなるように傾斜させ
て置くことが望ましい。

【００１０】

【実施例】これを図に示す実施例について説明する。図
１、図２および図３において、１は防水カップで、合成
ゴムなどの弾力性を有する材料で椀状に成形され、この
実施例では、断面を楕円形にしてあるが、円形など適当
な形状にすることができる。２は開口縁端面の皮膚接触
面で、外周を高くして僅かに傾斜する凹曲面に形成して
いる。３は椀状部の両側に設けた連結片で、椀状部の長
径方向に突出する舌状片を形成してそれぞれ連結孔４を
そなえている。５は装着ベルト、たとえば、腰回りに応
じて長さを調節できるゴムベルトで、図では片方の端部
のみを示している。６は装着ベルトの両端に取り付けら
れた取付具で、前記連結孔４に挿入して引っかけるフッ
ク６１をそなえている。

【００１１】入浴する時は、図３に示すように、防水カ
ップ１内に適量の脱脂綿７あるいはチリ紙を入れて皮膚
接触面２をストーマ８の周囲の皮膚に当て、長さを調節
して身体９に回した装着ベルト５の両端にそなえた取付
具６のフック６１を、それぞれ連結片３の連結孔４に挿
入して連結し、装着ベルトの締め加減によって防水カッ
プ１を両側から引っ張り、皮膚接触面２を身体９に押し
付けてストーマ位置に保持させる。この状態で入浴すれ
ば、装着ベルト５で防水カップ１の皮膚接着面２が身体
９に密着しているので、防水カップ１内に湯水が浸入す
ることがなく、ストーマ８を保護するとともに、ストー
マ８から排出された尿は脱脂綿７に吸収されて防水カッ
プ１から漏れることを防止する。入浴中は小幅の装着ベ
ルト６だけで防水カップ１を保持するため、腰回りの邪
魔が少なく十分に身体を洗うことができる。入浴後は、
防水カップ１を装着ベルト５から外して脱脂綿７を捨
て、防水カップ１を洗っておけば、再度使用することが
できる。なお、脱脂綿７を入れなくても、排出された尿
が漏れることはないが、入浴後に防水カップを取り外す
ときに流出しないよう、脱脂綿やチリ紙で吸収させるこ
とが望ましい。

【００１２】図４および図５は、別の実施例を示す側断
面図で、１は防水カップ、２は皮膚接触面、１１は可撓
性を有する合成樹脂で成形され、防水カップ１を覆うカ
バーで、防水カップ１の外側に重なるようにしてある。
１２はカバー１１の両側に突出させて一体に成形した連
結片で、図１の実施例に示した防水カップ１の連結片３
と同様の形状に形成されている。１３は連結片１２に設
けた連結孔、１４はカバー内に防水カップを挿入しやす
くするために、カバー１１の上面に設けた切り抜き部で
ある。なお、この実施例では装着ベルト５を省略してあ
る。防水カップ１とカバー１１を重ね、防水カップ１内
に脱脂綿を入れてストーマにかぶせ、カバー１１の連結
片１２を図示していない装着ベルトの両端に連結する。
したがって、装着ベルトの締め付けにより、カバー１１
が防水カップ１を身体に押し付けて皮膚接触面２を密着
させるとともに、脱落しないように保持させる。この状
態で入浴すればよく、入浴および入浴後の処理は、前記
図１の場合と同様である。

【００１３】図６は、防水カップ１の開口縁にフランジ
１５を設けたもので、このフランジ面で皮膚接触面２を
形成している。なお、皮膚接触面２は、外周が高くなる
ように僅かに傾斜させている。なお、図４と同じ部分に
同一の符号を付してある。このように防水カップ１の開
口縁にフランジ１５を設けることにより、皮膚接触面２
の幅を大きくして防水効果を高めるとともに、防水カッ
プ１を身体に押し付ける力を分散させて押し付けによる
圧迫感を小さくし、押圧感を和らげる。

【００１４】防水カップ１の皮膚接触面２は、椀状に形
成した防水カップの開口端面を椀状部の厚さのままで平
面あるいは丸みを持たせてストーマ周囲に接触させても
良いが、椀状部の厚さあるいはフランジで広くした面
を、前記の各実施例に示しているように、外側が高くな
るように傾斜面または凹曲面に形成しておくことが望ま
しく、このようにすれば、防水カップを身体に押着させ
たときの皮膚との密着性を高め、皮膚に小さなシワがあ
っても確実な防水効果を得ることができる。

【００１５】

【発明の効果】このように本発明は、ストーマを接触し
ないように覆う椀状の防水カップと、この防水カップの
両側に連結する装着ベルトをそなえ、防水カップの開口
端面を皮膚に接触させ、装着ベルトを身体に回して防水
カップの両端を引っ張って、防水カップを保持させるよ
うにしているので、入浴時に防水カップの着脱を容易に
行うことができ、防水カップ内に入れた少量の脱脂綿や
チリ紙を入浴後に捨てるだけでよく、防水カップなどの
器具は洗浄して反復使用できるので経済的かつ衛生的で
あり、ストーマを覆う小形のカップと装着ベルトだけで
入浴できるので、入浴時の開放感を損なうことがなく、
身体の洗浄を十分に行い得るなどの効果が得られる。

【００１６】また、防水カップに、可撓性のカバーを重
ねて、装着ベルトを前記カバー両側の連結片に連結させ
ることにより、装着ベルトで防水カップ自体を引っ張る
必要がなく、防水カップの損傷を防止し、寿命を増大さ
せる。また、防水カップの開口縁にフランジを形成する
ことにより、皮膚との接触面を広くして防水効果を向上
させ、皮膚への押圧力を分散させて圧迫感を和らげるこ
とができる。また、防水カップの皮膚接触面を、外周が
僅かに高くなるように傾斜させることによって、皮膚に
押し付けたときに外側部分で密着性を高め、皮膚の荒れ
やシワなどがあっても十分な防水効果を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す側断面図である。

【図２】図１の上面図である。

【図３】図１の実施例を装着した状態を示す側断面図で
ある。

【図４】別の実施例を示す側断面図で、装着ベルトを省
略している。

【図５】図４の実施例の上面図で、右半部は断面で示し
ている。

【図６】さらに他の実施例を示す側断面図で、装着ベル
トを省略してある。

【符号の説明】

１防水カップ２皮膚接触面３連結片４連結孔５装着ベルト６取付具７脱脂綿８ストーマ９身体１１カバー１２連結片１３連結孔１４切り抜き部１５フランジ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ストーマを接触しないように覆う椀状に
形成して、その開口端面を皮膚接触面にした防水カップ
と、身体に回した装着ベルトとをそなえ、前記防水カッ
プの両側に、装着ベルト両端の取付具に係合連結させる
連結片を設け、前記連結片によって装着ベルトに連結し
た防水カップの皮膚接触面を、ストーマ周囲の皮膚に密
着させ、装着ベルトで防水カップを身体に圧接保持させ
ることを特徴とする入浴用ストーマ装着具。
【請求項２】ストーマを接触しないように覆う椀状に
形成して、その開口端面を皮膚接触面にした防水カップ
と、前記防水カップの外側を覆うように重ねた可撓性の
カバーと、身体に回した装着ベルトとをそなえ、前記カ
バーの両側に、装着ベルト両端の取付具に係合連結させ
る連結片を設け、防水カップの皮膚接触面をストーマ周
囲の皮膚に密着させ、前記連結片によって装着ベルトに
連結したカバーを防水カップの外側に押し付けて、防水
カップの皮膚接触面をストーマの周囲に圧着保持させる
ことを特徴とする入浴用ストーマ装着具。
【請求項３】前記防水カップの開口縁にフランジを設
け、このフランジ面を皮膚接触面にした請求項１または
２の入浴用ストーマ装着具。
【請求項４】前記防水カップの皮膚接触面を、外周が
高くなるように傾斜させた請求項１または２または３の
入浴用ストーマ装着具。