JP2000113614A - ドライブ装置、定速移動サーボ方法 - Google Patents

ドライブ装置、定速移動サーボ方法

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JP2000113614A
JP2000113614A JP10288420A JP28842098A JP2000113614A JP 2000113614 A JP2000113614 A JP 2000113614A JP 10288420 A JP10288420 A JP 10288420A JP 28842098 A JP28842098 A JP 28842098A JP 2000113614 A JP2000113614 A JP 2000113614A
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Akira Mitani
暁 三谷
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/02Control of operating function, e.g. switching from recording to reproducing
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B21/00Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
    • G11B21/02Driving or moving of heads
    • G11B21/08Track changing or selecting during transducing operation
    • G11B21/081Access to indexed tracks or parts of continuous track
    • G11B21/083Access to indexed tracks or parts of continuous track on discs

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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した定速サーボの実現。 【解決手段】 或る固定値としての初期サーボパラメー
タを用いて定速移動させた際の状況から、最も適切なサ
ーボパラメータを算出し(動作)、その算出されたサ
ーボパラメータを用いて定速サーボを実行して定速走行
を実現させる(動作)。これにより記録再生装置の個
体の特性や姿勢状況などの事情に関わらず、所定速度範
囲内の或る速度での定速移動を安定に実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばフレキシブル
ディスクなどの記録媒体に対応して記録及び/又は再生
動作を行うドライブ装置、及びそのようなドライブ装置
で実行されるヘッドの定速移動サーボ方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、フレキシブルディスクのよう
な記録媒体として、フォーマット時の記録容量が約1.
44メガバイトとされるもの(以下、下位記録媒体とい
う)が広く使用されている。そして、この下位記録媒体
に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録再生
装置としては、約300〜600rpm程度の回転速度
で記録媒体を回転駆動させて記録及び/又は再生を行う
仕様(以下、下位仕様の記録再生装置と称する)のもの
がある。
【0003】上記下位仕様の記録再生装置は、従来にお
いては、ステッピングモータによって駆動される移動手
段により磁気ヘッドを所望のデータトラックに移動させ
ていた。具体的には、ステッピングモータで段階的に磁
気ヘッドを記録媒体の径方向に移動させて各データトラ
ック上に磁気ヘッドを位置させ、当該磁気ヘッドを移動
させたデータトラックに対して情報信号の記録/再生を
行っていた。そしてこのような下位仕様の記録再生装置
は、例えば、ステッピングモータに供給したパルス数或
いは回転角度等によって、磁気ヘッドが位置されている
データトラックの位置を検知していた。
【0004】一方、近年、狭トラック化等により上述し
た下位記録媒体よりも記録密度の高密度化が図られ、フ
ォーマット時の記録容量が150〜650メガバイトと
されるもの(以下、上位記録媒体という)が提案されて
いる。そして、この上位記録媒体に対して情報信号の記
録及び/又は再生を行う記録/再生装置としては、約1
200〜3600rpm程度の回転速度で記録媒体を回
転駆動させて記録/再生を行い、記録密度やデータ転送
レートの向上を図った仕様(以下、上位仕様の記録再生
装置と称する)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の上位
記録媒体には、各データトラックの位置を示す位置情報
が格納されている。そして、上位仕様の記録再生装置
は、この位置情報を検出することで各データトラック上
に磁気ヘッドを位置させる。また、この上位仕様の記録
再生装置では、リニアモータとされるボイスコイルモー
タを用いて磁気ヘッドを記録媒体の径方向に連続的に移
動させている。そして上位記録媒体に格納されている位
置情報を検出してボイスコイルモータにより磁気ヘッド
を目的のデータトラック上に位置させて記録/再生を行
っている。このボイスコイルモータは、上述したステッ
ピングモータよりも駆動電力の省電力化、及び磁気ヘッ
ドの高速送りといった点で優れている。
【0006】しかし、記録媒体によっては、データトラ
ックに関する位置情報を有していないもの、例えば上述
した下位記録媒体があり、この場合、ボイスコイルモー
タによって磁気ヘッドをトラック送りさせようとして
も、磁気ヘッドの現在位置を確認することができないた
め、所望のデータトラックに磁気ヘッドを移動させるこ
とはできない。例えば近年、下位記録媒体と上位記録媒
体との両方に対して情報信号の記録再生可能な記録再生
装置の開発が進められており、これに上述したボイスコ
イルモータによる磁気ヘッドの駆動部が構成される場合
があるが、上位記録媒体と下位記録媒体との両方につい
て情報信号の記録再生を行うことができるようにすると
きに、下位記録媒体に対して所望のデータトラックに磁
気ヘッドを送ることができないといった問題が生じてし
まう。
【0007】そこで、データトラックの位置情報を格納
していない記録媒体が装着された場合に、予め当該記録
媒体のデータトラックに対応させて対応ヘッドの位置を
示す情報を生成することが考えられている。例えば、こ
の場合、データトラック領域の全領域にわたり磁気ヘッ
ドを予め走査し、各データトラックに対応させて位置情
報を作成しメモリに格納しておく。すると、その後はメ
モリに格納された位置情報(各データトラックに対応し
た情報)を用いて、適切な磁気ヘッドの送り制御を行う
ことができる。より具体的な技術としては、磁気ヘッド
の移動に伴って1データトラック毎に1周期となる正弦
波信号(スケール信号)を生成し、その信号の各周期の
トップ値及びボトム値を、各データトラックに対応させ
て記憶していく技術が先行技術として提案されている。
【0008】ところでこのように、予め磁気ヘッドを走
査させて位置情報を生成する際には、その走査の際の磁
気ヘッドの移動が適切に行われなければ適正な位置情報
を得ることができないことになり、このため、走査時に
は磁気ヘッドを所定の速度範囲内の或る速度で定速で移
動させることが求められる。しかしながら記録再生装置
個体毎の特性のばらつきや、そのときの装置の姿勢状態
など、各種の事情から、或る固定的なパラメータを用い
て磁気ヘッドの移動(即ちボイスコイルモータの動作)
に定速移動サーボを行っても、それが常に適切な速度範
囲内での走行になるとは限らず、その結果、適切な位置
情報が検出できないといった事態が発生することもあ
る。もちろんその場合は、その後の記録再生時に特定の
データトラックに対する位置送りが適切に制御できない
ことになる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みて、所定速度範囲内でのヘッドの定速走行を確
実に実行させること、及びそれによって記録媒体の各デ
ータトラックに対応する情報を正確に取り込むことがで
きるようにすることを目的とする。
【0010】このためドライブ装置に、ヘッド手段の移
動に応じて、1データトラックについて1周期となるス
ケール信号を発生させるスケール信号発生手段と、ヘッ
ド手段の移動制御に用いるデータとして、各データトラ
ックに対応したスケール信号の各1周期期間におけるト
ップ値及びボトム値を記憶できる記憶手段と、初期サー
ボパラメータを用いてヘッド駆動手段をサーボ制御し、
ヘッド手段を定速で移動させるとともに、その際に測定
されるスケール信号のトップ値及びボトム値から定速移
動のためのサーボパラメータを算出するサーボパラメー
タ算出手段と、サーボパラメータ算出手段で算出された
サーボパラメータを用いてヘッド駆動手段をサーボ制御
することでヘッド手段を定速で移動させ、その間に各デ
ータトラックに対応したスケール信号の各1周期期間に
おけるトップ値及びボトム値を測定して、記憶手段に記
憶させる移動制御データ記憶制御手段とを備えるように
する。即ち、或る固定値としての初期サーボパラメータ
を用いて定速移動させた際の状況から、最も適切なサー
ボパラメータを算出する。そしてその算出されたサーボ
パラメータを用いることで所定速度範囲内の速度で定速
走行を実現させる。その際にスケール信号のトップ値及
びボトム値を検出することで、それは各データトラック
に対応した適切な情報とすることができる。
【0011】定速移動サーボ方法としては、初期サーボ
パラメータを用いてヘッド駆動手段をサーボ制御し、ヘ
ッド手段を定速で移動させる初期移動手順と、この初期
移動手順による移動中に、ヘッド手段の移動に応じて1
データトラックについて1周期として発生されるスケー
ル信号を監視し、そのトップ値及びボトム値を測定する
測定手順と、測定手順で測定されたトップ値及びボトム
値を用いて定速移動のためのサーボパラメータを算出す
る算出手順と、算出手順で算出されたサーボパラメータ
を用いてヘッド駆動手段をサーボ制御することでヘッド
手段を定速で移動させる定速移動手順と、が行われるよ
うにする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のドライブ装置及び
定速移動サーボ方法の実施の形態の例を、フレキシブル
ディスクに対応して記録/再生動作を行うディスクドラ
イブ装置、及びそのディスクドライブ装置で実行される
定速移動サーボ方式として、次の順序で説明する。な
お、定速移動サーボのことを単に「定速サーボ」ともい
うこととする。 1.ディスクドライブ装置の構成 2.磁気ヘッド部の構成 3.スケール機構及びスケール信号 4.定速サーボ制御方式 5.下位ディスク装填時の定速サーボ及びスケール情報
取込処理
【0013】1.ディスクドライブ装置の構成 図1は、本発明の実施の形態となるディスクドライブ装
置の構成の一例を示している。このディスクドライブ装
置で使用可能な記録媒体であるフレキシブルディスク
(フロッピーディスク)1としては、図2(a)(b)
に示すように、少なくとも2種類のディスク1A、1B
を想定している。
【0014】図2(b)は、所定のトラックピッチとさ
れて、フォーマット時の記録容量が約1.44メガバイ
トとされるフレキシブルディスク(以下、下位ディスク
1Bという)であり、図2(a)は下位ディスク1Bの
所定のトラックピッチより狭トラック化されて下位ディ
スク1Bよりも高密度記録化が図られ、フォーマット時
の記録容量が150〜650メガバイトとされるフレキ
シブルディスク(以下、上位ディスク1Aという)であ
る。これらの図に示すように各ディスク1A、1Bは、
それぞれ概略同サイズ同形状のカートリッジに収納され
た形態となっている。
【0015】各ディスク1A、1Bのカートリッジ上に
は、ライトプロテクタ5(5A、5B)が形成され、孔
が閉じているとき書込可能状態を、孔が開いているとき
書込禁止状態をそれぞれ示している。また下位ディスク
1BのカートリッジのHDホール6は、孔が開いている
とき記録容量が約2Mバイト(アンフォーマット時)の
いわゆる2HDディスクを、孔が閉じているときはそれ
以外のディスクを示すものとされる。
【0016】また、上位ディスク1Aには、上記ライト
プロテクタ5やHDホール6以外の所定位置に識別孔7
が形成され、これによって高記録密度の上位ディスクで
あることが示される。なお、上位ディスク1Aの識別手
段としては、この識別孔7を設ける代わりに、光反射部
材を設けたり、この他、切り欠きの有無、反射率の違
い、等の識別手段を用いるようにしてもよい。また、上
位ディスク1Aが例えば記録容量の違い等により複数種
類規定される場合には、複数個の孔の有無の組み合わせ
等により複数種類のモードを識別するようにしてもよ
い。
【0017】詳しい説明は省略するが、各ディスク1
A、1Bには各データトラックが略平行となるように同
心円状に複数のデータトラックが形成されている。そし
て上位ディスク1Aには、その各データトラックに対応
してアドレス情報が付加されているが、下位ディスク1
Bにはそのようなアドレス情報は付加されていない。
【0018】図1のディスクドライブ装置は、このよう
な上位ディスク1A及び下位ディスク1Bの両方に対し
て互換的にデータの記録/再生を行うことができる。な
お、以下の説明においては、下位ディスク1B及び上位
ディスク1Aの両方を総称するときは、単に磁気ディス
ク1という。
【0019】図1に示すように本例のディスクドライブ
装置において、磁気ディスク1に対して磁気的にデータ
の記録/再生を行う磁気ヘッド部115には、相対向す
る磁気ヘッド素子10A、10Bが備えられ、この各磁
気ヘッド素子10A、10Bには、それぞれ、上位ディ
スク1A用のヘッドチップ及び下位ディスク1B用のヘ
ッドチップが組み込まれている。また詳しくは後述する
が、この磁気ヘッド部115には、磁気ヘッド素子10
(10A、10B)を磁気ディスク1の複数のデータト
ラックと垂直な方向、すなわち、ディスク径方向に移動
させる移動機構16や、磁気ヘッド10の移動に伴っ
て、磁気ディスク1のデータトラックに対応するスケー
ル信号を得るためのスケール機構30などが設けられて
いる。
【0020】制御部151はこのディスクドライブ装置
の全体を制御する部位であり、例えばマイクロコンピュ
ータで形成される。具体的には、制御部151は、ディ
スク1の回転駆動制御や、磁気ヘッド素子10の移動制
御、記録/再生データのバッファリングやインターフェ
ース制御等を行う。
【0021】また上述したように磁気ディスク1の識別
孔7を機械的や光学的に検出する検出部116からの検
出信号は、ディスク種類判別回路117を介してモード
信号として制御部115に送られる。制御部115はこ
のモード信号により装填された磁気ディスク1が上位デ
ィスク1Aであるか下位ディスク1Bであるかを判別
し、それに応じて制御処理方式を切り換えることにな
る。
【0022】磁気ディスク1はスピンドルモータ114
により回転駆動される。例えば下位ディスク1Bについ
ては、スピンドルモータ114により約300〜600
rpm程度の回転速度で回転駆動され、また、上位ディ
スク1Aについては、約1200〜3600rpm程度
の回転速度で回転駆動させる。
【0023】磁気ヘッド部115内の移動機構16の移
動動作の制御のためにトラッキング制御部118が設け
られる。このトラッキング制御部118には、上位ディ
スク1Aが装着されたときにトラッキング制御を行う上
位トラッキング制御回路118aと、下位ディスク1B
が装着されたときにトラッキング制御を行う下位トラッ
キング制御回路118bとが設けられている。トラッキ
ング制御部118は制御部151からの指示及びトラッ
キング制御信号に基づいて磁気ヘッド駆動回路116を
制御し、その制御に応じて磁気ヘッド駆動回路116が
移動機構16内の後述するボイスコイルモータに駆動電
力を印加することで、磁気ヘッド素子10の移動が実行
される。上位トラッキング制御回路118aについて
は、上位ディスク1Aのデータトラックに予め記録され
ているアドレス情報によって、トラッキングを行う回路
である。
【0024】また磁気ヘッド部115内のスケール機構
30は、磁気ヘッド素子10の移動に応じて、各データ
トラックに対応した正弦波となるスケール信号を出力す
るが、そのスケール信号は制御部151に供給される。
下位ディスク1Bの場合はディスク上にアドレス情報が
存在しないため、スケール信号の各データトラックに対
応するトップ値及びボトム値が、磁気ヘッド素子10の
トラック移動制御に用いられることになる。このため下
位ディスク10Bの装填時には、そのディスク径方向に
磁気ヘッド素子10の移動が行われ、その際に得られる
スケール信号のトップ値及びボトム値が、各データトラ
ックに対応した状態で記憶される。例えばSRAM、D
RAMなどで形成されるメモリ111には、各データト
ラックに対応して検出されたトップ値及びボトム値が記
憶されることになる。そして下位トラッキング制御回路
118bは、このメモリ111に格納された情報を用い
て制御部151が判別する現在トラック情報により、ト
ラッキング制御を行うことになる。このトラッキング制
御は後述するトラックフォローとして動作となる。
【0025】上記磁気ヘッド素子10A、10Bにおけ
る下位ディスク1B用のヘッドチップに接続される記録
/再生系は、増幅回路121、変調/復調回路122、
フォーマット化/フォーマット分解回路123、誤リ処
理回路124、バッファメモリ125、及び既存のFD
D(フロッピーディスクドライブ)用のインターフェー
ス(IF)であるFDDインターフェース126を有し
て成る。また、磁気ヘッド素子10A、10Bにおける
上位ディスク1A用のヘッドチップに接続される記録/
再生系は、増幅回路131、変調/復調回路132、フ
ォーマット化/フォーマット分解回路133、誤リ処理
回路134、バッファメモリ135、及びハードディス
ク等の大容量データ記録装置用のインターフェースであ
るIDE(Intelligent Drive Electronics)インター
フェース136を有して成る。
【0026】上記FDDインターフェース126は、例
えば、いわゆる3.5インチマイクロフロッピーディス
クインターフェースと称されるものである。このインタ
ーフェースは、いわゆるFDC(フロッピーディスクコ
ントローラ)と称される周辺LSIによりディスクの磁
気情報を直接読み書きする機能を有し、現在のパーソナ
ルコンピュータにおいても最も低レべルの制御方法によ
ってコントロールされている。従って、下位ディスク1
B(フロッピーディスク)に最小限のシステムファイル
を記録しておくことにより、他のデータストレージ装置
等からの起動ができない場合であっても、フロッピーデ
ィスクから起動することができる、という利点を持って
いる。これに対してIDEインターフェース136は、
ー般にパーソナルコンピュータの内蔵ハードディスク装
置等のストレージ機器のインターフェースとして多く用
いられており、転送レートが高く、制御機能も高いもの
である。ところが、ハードディスク等がクラッシュした
場合には基本OSの起動が行えなくなること等を考慮し
て、殆どのパーソナルコンピュータには、フロッピーデ
ィスク駆動装置が少なくとも1台は設けられているわけ
である。
【0027】このようなフロッピーディスクインターフ
ェースは、初期の8ビットCPUや16ビットCPUの
パーソナルコンピュータ用に作られたインターフェース
をそのままで使用しており、このインターフェースは、
8インチフロッピーディスクドライブが作られたときか
ら殆ど変わっておらず、デファクトスタンダード化して
いる。また、パーソナルコンピュータにおけるフロッピ
ーディスク装置は、ハードディスクが市場に登場する以
前からコンピュータの外部記憶装置として広く用いられ
ており、現在市場に出回っているパーソナルコンピュー
タの殆どは、ハードウェアと基板に実装された立ち上げ
用ROMとにより、フロッピーディスクからの立ち上げ
が可能に構成されている。
【0028】このディスクドライブ装置において下位デ
ィスク1Bに対して記録/再生を行う場合には、外部の
ホストコンピュータ等からFDDインターフェース12
6に記録/再生のためのアクセス要求が出され、ホスト
コンピュータ等からの記録データの記録や、下位ディス
ク1Bからのデータ再生が行われる。
【0029】具体的に、記録時には、ホストコンピュー
タ等からの記録データがFDDインターフェース126
を介してバッファメモリ125に格納される。そして、
バッファメモリ125からの記録データが誤り処理回路
124に送られてCRC等が生成付加されて、フォーマ
ット化/フォーマット分解回路123に送られ、下位デ
ィスク1Bの記録に適したセクタ構造を有する所定のフ
ォーマットのデータに変換される。フォーマット化され
たデータは、変調/復調回路122に送られて、所定の
ディジタル変調(例えばMFM)が施され、増幅回路1
21で増幅されて、磁気ヘッド素子10A、10Bにお
ける下位ディスク1B用のヘッドチップに供給され、デ
ィスク1Bに記録される。
【0030】また、再生時には、上記記録時とは逆に、
ディスク1Bから磁気へッド素子10A,10Bにより
再生されたデータが、増幅回路121で増幅されて、変
調/復調回路122でディジタル復調され、フォーマッ
ト化/フォーマット分解回路123によりフォーマット
分解される。そして誤り処理回路124でエラーチェッ
ク等の処理が施され、バッファメモリ125に一時格納
される。そしてFDDインターフェース126を介し
て、ホストコンピュータ等に送られる。
【0031】次に、上位ディスク1Aに記録/再生を行
う場合には、外部のホストコンピュータ等からIDEイ
ンターフェース136に記録/再生のためのアクセス要
求が出され、ホストコンピュータ等からの記録データの
ディスク1Aへの記録や、ディスク1Aからのデータ再
生が行われる。
【0032】具体的に記録時には、記録データがIDE
インターフェース136を介してバッファメモリ135
に格納される。そして、バッファメモリ135からの記
録データが誤り処理回路134に送られてパリティや誤
り訂正符号等が生成付加される。誤り処理回路134か
らのデータは、フォーマット化/フォーマット分解回路
133に送られ、上位ディスク1Aの記録に適したセク
タ構造を有する所定のフォーマットのデータに変換され
る。フォーマット化されたデータは、変調/復調回路1
32に送られて、所定のディジタル変調(例えばMF
M)が施され、増幅回路131で増幅されて、磁気ヘッ
ド素子10A、10Bにおける上位ディスク1A用のヘ
ッドチップに供給され、ディスク1Aに記録される。
【0033】また、再生時には、上記記録時とは逆に、
ディスク1Aから磁気ヘッド素子10A、10Bにより
読み出されたデータが、増幅回路131で増幅され、変
調/復調回路132でディジタル復調され、フォーマッ
ト化/フォーマット分解回路133によりフォーマット
分解される。そして誤り処理回路134でエラー訂正等
の処理が施され、バッファメモリ135に一時格納され
る。そしてIDEインターフェース136を介して、ホ
ストコンピュータ等に送られる。
【0034】2.磁気ヘッド部の構成 上記磁気ヘッド部115の構造の一例を図3に示す。図
示するように磁気ヘッド部115には、磁気ヘッド素子
10を移動するための移動機構16(16A,16B)
と、この移動機構16によりディスク径方向に駆動され
るヘッドキャリッジ12と、ヘッドキャリッジ12に対
して基端側が支持されるアーム11A,11Bからなる
アーム部11と、ヘッドキャリッジ12上に形成された
スケール機構30などが備えられる。
【0035】磁気ヘッド素子10A,10Bは、それぞ
れアーム11A,11Bの自由端側にそれぞれ対向する
状態で取リ付けられている。磁気ヘッド素子10A,1
0Bには、図示していないが、上述したようにそれぞれ
下位ディスクに対してデータの記録/再生を行う下位ギ
ャップと、上位ディスクに対してデータの記録/再生を
行う上位ギャップとを有している。
【0036】アーム部11の各アーム11A,11B
は、略薄型板状に形成されており、互いに対向する方向
A、すなわち、磁気ディスク1の信号記録面に対して接
離する方向に移動自在とされるように、ヘッドキャリッ
ジ12に取リ付けられている。そして、アーム11A,
11Bは、磁気ヘッド素子10A,10Bを磁気ディス
ク1上に位置させて支持し、当該磁気ヘッド素子10
A,10Bが磁気ディスク1に対して所定の押し付け荷
重を印加するようにヘッドキャリッジ12に取リ付けら
れている。具体的には、磁気ヘッド素子10A,10B
によって下位ディスク1Bに記録/再生を行うときに
は、下位ディスク1Bと接触してデータの記録/再生を
行う際に好適な荷重が印加され、一方、上位ディスク1
Aに記録/再生を行うときには、上位ディスク1Aから
浮上した状態でデータの記録/再生を行うために好適な
荷重が印加される。
【0037】移動機構16(16A、16B)は、いわ
ゆるリニアモータとされるボイスコイルモータによって
構成されるものであって、ボイスコイルモータコイル1
7,マグネット18,ヨーク19,20からなる。なお
移動機構16Aと移動機構16Bはヘッドキャリッジ1
2の各側面、即ちヘッドキャリッジ12を挟んで対向さ
れる位置に配されることになるが、その構造は同様とな
る。
【0038】移動機構16A,16Bは、具体的には、
ヨーク19,20が例えばディスクドライブ装置のシャ
ーシに固定されており、ヨーク19に対して、マグネッ
ト18が取り付けられている。そして、ボイスコイルモ
ータコイル17がヨーク20に対して移動自在とされる
ように、ボイスコイルモータコイル17にヨーク20が
挿通されている。また、ヨーク19の内側面であり、ヨ
ーク20に対向する面にマグネット18が取リ付けられ
ている。
【0039】このように構成された移動機構16A,1
6Bは、ボイスコイルモータコイル17に電圧が印加さ
れると、当該ボイスコイルモータコイル17がヨーク2
0に対して駆動されることになる。そしてボイスコイル
モータコイル17はヘッドキャリッジ12に取り付けら
れているため、ボイスコイルモータコイル17が駆動さ
れることで、ヘッドキャリッジ12が磁気ディスク1の
径方向Bに移動される。すなわち、移動機構16A,1
6Bにより、ヘッドキャリッジ12に取り付けられたア
ーム11A,11B上の磁気ヘッド素子10A、10B
が磁気ディスク1の径方向Bに移動されることになる。
【0040】上述したように移動機構16A,l6B
は、制御部151及びトラッキング制御部118からヘ
ッド駆動信号及びトラッキング信号が入力される磁気ヘ
ッド駆動回路116により駆動される。つまり移動機構
16A,l6Bは、ヘッド駆動信号に応じて磁気ヘッド
10を磁気ディスク1の径方向Bに移動させるように駆
動し、また、トラッキング信号に応じて同じく磁気ディ
スク1の径方向Bに磁気ヘッド10をトラッキング駆動
する。なお、移動機構16A,l6Bによる磁気ヘッド
10のデータトラックの送りは、外部のホストコンピュ
ータから送出されるトラック送り要求信号に応じて実行
される。
【0041】ヘッドキャリッジ12上にはスケール機構
30が形成される。このスケール機構30は、磁気ヘッ
ド素子10の移動とともに、データトラックに応じた正
弦波信号(スケール信号)を発生させるもので、ヘッド
キャリッジ12上に固定されたゲージホルダー13と、
ゲージホルダー13を介してヘッドキャリッジ12上に
取リ付けられたトラックゲージ14と、図示しない固定
機構に固定して取リ付けられた光エンコーダ15とから
構成される。以下に、このスケール機構30及びスケー
ル信号について説明する。
【0042】3.スケール機構及びスケール信号 トラックゲージ14は、略薄型板状に形成されたもので
あって、上述したようにヘッドキャリッジ12上にゲー
ジホルダー13を介して取リ付けられている。そしてこ
のトラックゲージ14は、磁気ディスク1の径方向Bに
平行となるように配置されている。
【0043】このトラックゲージ14には、図3及び図
4(a)(b)に示すように、径方向Bに配列された複
数の第1の開口部21と、磁気ディスク10側に配され
た第2の開口部22とが設けられている。
【0044】複数の第1の開口部21は、図5に示すよ
うに、それぞれが略同一形状とされて、略長方形状に開
口された形状とされている。そして、各開口部21は、
下位ディスク1Bのトラックピッチと同等のピッチとな
るようにトラックゲージ14上に形成されている(図面
上では表記が困難であるため大まかに示しているが、実
際にはかなり細いスリット状の列となる)。
【0045】各開口部21の間は、後述するように光源
23からの光を遮蔽する遮蔽部21aとされる。また、
トラックゲージ14において径方向Bにおける開口部2
1の形成領域は、下位ディスク1Bに形成されているデ
ータトラック領域の幅よりやや広い領域とされている。
すなわち、第1の開口部21の数は、下位ディスク1B
の各データトラックに対応させるに足りる数とされて形
成されている。一方、第2の開口部22は、配列されて
なる第1の開口部21に対して隣接し、当該配列されて
なる第1の開口部21の縁部に位置されて設けられてい
る。具体的には、第2の開口部22は、ヘッドキャリッ
ジ12が移動されて、磁気ディスク1のデータトラック
領域における最外周データトラックに磁気ヘッド素子1
0が配置されたときに当該第2の開口部22が光エンコ
ーダ15内に位置されるように、トラックゲージ14上
でのその形成位置が設定されている。すなわち、この第
2の開口部22は、磁気ヘッド10が最外周のデータト
ラックに位置されたことを知るための情報を得るために
設けられている。
【0046】このトラックゲージ14は、ヘッドキャリ
ッジ12上に取り付けられていることから、上記移動機
構16の動作により、ヘッドキャリッジ12と共に径方
向Bに移動する。
【0047】光エンコーダ15は、図6に示すように、
トラックゲージ14を挟み込むように、当該トラックゲ
ージ14の両側面に対向された光源23と光センサー2
4とを有している。この光エンコーダ15は、図示しな
い固定機構により固定されており、移動機構16によっ
て移動されないものであるため、トラックゲージ14の
移動を相対的に認識できるものとされる。
【0048】光源23は、例えば発光ダイオード(LE
D)であり、光エンコーダ15の内側面15aに配設さ
れている。また、光センサー24は、例えはフォトトラ
ンジスタであり、上記内側面15aに対向する内側面1
5bに配設されている。このように光エンコーダ15に
配設された光源23を発光させることにより、光センサ
ー24において、当該光源23に対向されているトラッ
クゲージ14に設けられた第1の開口部21又は第2の
開口部22を介した受光が行われる。
【0049】この光センサー24としては、図6及び図
7に示すように、トラックゲージ14上の第1の開口部
21を通過した光源23からの光が入射される部分に位
置される第1のフォトトランジスタ24aと、上記第2
の開口部22を通過した光源23からの光が入射される
部分に位置される第2のフォトトランジスタ24bとを
有している。
【0050】このような光エンコーダ15は、例えば、
ヘッドキャリッジ12が径方向Bに移動すると、光源2
3からの光がトラックゲージ14の第1の開口部21を
通過して第1のフォトトランジスタ24aに受光される
ことで、第1のフォトトランジスタ24aの出力として
光電変換信号が得られる。また、光源23からの光が第
2の開口部22を通過して第2のフォトトランジスタ2
4bに受光された際には、第2のフォトトランジスタ2
4aの出力として受光レベルに応じた光電変換信号が得
られる。
【0051】このような光電変換信号として、ヘッドキ
ャリッジ12が移動した場合、すなわち、トラックゲー
ジ14を光エンコーダ15に対して移動させた場合にお
いて、光センサー24から得られる信号は次のようにな
る。
【0052】B方向にヘッドキャリッジ12が移動され
ると、トラックゲージ14については、図5に示す各第
1の開口部21と各遮蔽部21aとが交互に光源23と
光センサー24の間を通過することになる。これによ
り、第1のフォトトランジスタ24aでは、当該第1の
開口部21及び遮蔽部21aの通過による光源23から
の光の強弱を受光して、図8に示すように、略正弦波状
のスケール信号Saが生成される。そして第1の開口部
21はデータトラックのトラックピッチと同一ピッチで
形成されていることにより、スケール信号Saの1周期
期間は、ディスク上での1データトラック分の移動期間
に相当する。即ちスケール信号Saの各正弦波1周期の
情報は、ディスク上の各データトラックに対応する情報
となる。
【0053】また、第2のフォトトランジスタ24bで
は、磁気ヘッド素子10をディスクの外周方向に駆動さ
せていった場合において、光源23と光センサー24の
間をトラックゲージ14の第2の開口部22が通過する
ことにより、図8に示すように、略ステップ波形状に変
化する信号Sb(以下、センス基準信号という)が生成
される。このセンス基準信号Sbとしてのステップ波形
状の立ち上がり時が、データトラック領城内の最外周側
の或る特定のデータトラック上に磁気ヘッド10が位置
されたことを示すことになる。
【0054】よって、センス基準信号Sbによりデータ
トラック領域の最外周付近のあるデータトラックに対応
する位置が特定され、さらにこれを基準として、スケー
ル信号Saにより各データトラックに対応する位置を特
定することができるようになる。
【0055】このように得られた各信号に基づいて、下
位ディスク1Bの各データトラックに対応した位置情報
が生成される。具体的には、スケール信号Saは、正弦
波の1周期毎について図9に示すトップ値とボトム値が
メモリ111に記憶される。なお本例においては、スケ
ール信号Saのゼロクロス点がデータトラックの中心に
相当するとし、ゼロクロス点から1周期分をトラックピ
ッチとしている。よって図9に示したトップ値及びボト
ム値は、それそれ各データトラックについて1つづつ対
応されることになる。
【0056】例えばメモリ111には、図10(a)及
び(b)に示すように、このトップ値及びボトム値をそ
れぞれ記憶するための2つの記憶領域111a、111
bが用意されており、この各記憶領域に、トップ値及び
ボトム値がそれぞれ各データトラックに対応されて順番
に記録される。そして、トップ値とボトム値は、データ
トラック領域内における磁気ヘッド素子10の位置、及
びトラック送りの際のデータトラック間における磁気ヘ
ッド素子10の位置を知るためのデータとされる。な
お、磁気ヘッド素子10のデータトラック領域における
位置については、スケール信号Saのトップ値又はボト
ム値をカウントすることによって、現在磁気ヘッド素子
10が位置しているデータトラック番号として検出でき
る。
【0057】メモリ111のトップ値格納用のメモリ部
111a及びボトム値格納用のメモリ部111bは、ト
ラックゲージ14に形成されている第1の開口部21の
数よりも多くの、例えば94個のトップ値及びボトム値
を蓄積できるように構成されている。なお、下位ディス
ク10のデータトラック領域は、80のデータトラック
から形成されているとしている。よって、メモリ部11
1a、111bには、データトラックに対応されないト
ップ値及びボトム値が格納される領域が確保される。
【0058】さらに、トラックゲージ14上の第1の開
口部21の数は、メモリ部111a、111bの数より
少なく、例えば90個とされており、これにより、メモ
リ部111a,111bには、当該第1の開口部21に
対応されないトップ値及びボトム値が格納される領域も
確保されることになる。
【0059】ところで以上のように、光エンコーダ15
からの情報を取り込み、またトップ値、ボトム値を記憶
する動作は、下位ディスク1Bが装着されたときにのみ
行われるものである。これは、下位ディスク1B自体が
データトラックの位置を示すいわゆる位置情報を有して
いないからである。
【0060】図10のメモリ部111a,111bに格
納されたトップ値及びボトム値は、所定の演算で正規化
され、トラック位置情報としてトラック送り制御などに
用いられる。また、上述した下位トラッキング制御回路
118bは、図11に示すように、磁気ヘッド10を移
動させた際に得られるスケール信号Saと、記憶された
トップ値及びボトム値を用いて算出するセンター値CT
に基づいてトラッキング制御を行っている。この図でス
ケール信号Saとセンター値CTの交点・・・an-1,
an,・・・は、下位ディスクの各データトラックの中
心に対応している。従って、下位トラッキング制御回路
118bは、所望のデータトラック上に磁気ヘッド素子
10が移動されたとき(すなわち、所定のデータトラッ
クに対応された上記交点に達したとき)に、当該交点に
収束するように磁気へッド10を制御することでトラッ
キングを行っている。以下、このトラッキング動作をト
ラックフォローという。具体的にはこのトラックフォロ
ー動作としては、例えば交点anで表現されるデータト
ラックを目的とする場合は、そのデータトラックに対応
して記憶されているトップ値TPanとボトム値BTa
nからセンター値CTanを求める。そしてスケール信
号Saをモニタリングし、そのスケール信号Saが、上
記センター値CTanと一致する位置となるように、移
動機構(ボイスコイルモータ)16を制御することでト
ラックフォローとしての交点anへの収束動作を実現さ
せる。図11で交点an-1で表現されるデータトラック
を目的トラックとする場合は、そのデータトラックに対
応して記憶されているトップ値、ボトム値からセンター
値CTan-1を求め、モニタされるスケール信号Saが
センター値CTan-1と一致されるように制御を行うも
のである。
【0061】4.定速サーボ制御方式 上述のように下位ディスク1Bに対して記録再生を行う
場合には、磁気ヘッド素子10の送り制御、トラックフ
ォロー制御等のために、メモリ111にデータトラック
に対応したスケール信号Saのトップ値、ボトム値を格
納しておかなかればならない。このため下位ディスク1
Bが装填された際には、ディスクドライブ装置は、まず
その下位ディスク1Bのデータトラック領域を走査する
ように磁気ヘッド素子10(ヘッドキャリッジ12)を
移動させ、その際に得られるスケール信号Saのトップ
値、ボトム値を検出してメモリ111に格納していく処
理を行うことになる。
【0062】ここで、スケール信号Saの振幅は、トラ
ックゲージ14の移動速度に依存するものであるため、
トップ値、ボトム値を取り込んでいく際には、トラック
ゲージ14の移動、即ちヘッドキャリッジ12の移動が
一定速度で行われなければ、正確なトップ値、ボトム値
を計測することができない。従って、トップ値、ボトム
値の取込の際には、移動機構16による移動動作に定速
サーボ制御が行われることになる。
【0063】ここで定速サーボ制御方式について説明す
る。定速サーボ制御の方法としては、例えば80μse
c間隔でスケール信号Saをサンプリングしていき、各
サンプリング時刻における速度値を、その時点のスケー
ル信号Saのサンプル値と、1サンプリング時刻前のス
ケール信号Saのサンプル値の差分として求める。そし
てこのように各サンプリング時刻において求められる速
度値を測定速度値とし、この測定速度値が、或る目的と
する速度に応じて設定される基準速度値と等しくなるよ
うに制御電圧を発生させ、その制御電圧に応じて磁気ヘ
ッド駆動回路116が移動機構16のボイスコイルモー
タコイル17に電力を印加することで行われる。
【0064】スケール信号Saは1データトラックが正
弦波で近似される波形であるが、これを定速サーボに用
いるために、正弦波状のスケール信号Saにおいて図1
2に示す90゜〜270゜までの部分、即ち1/2トラ
ックに相当する部分を直線部分とみなして基準速度値を
設定する。
【0065】図12に示すように、1データトラック周
期をT、スケール信号Saの振幅をW、サンプリング間
隔をSとすると、まずT/2の直線部分には、T/(2
・S)個のサンプリング点(・・・SP1、SP2・・
・)が存在することになる。そして、1サンプリング期
間で変化するスケール信号Saの差分値ΔVについて
は、ΔV=W/(T/2・S)となる。従って、このΔ
Vを基準速度の値とする。
【0066】そして上記のように、或るサンプリング時
刻でのスケール信号Saのサンプル値と、1サンプリン
グ時刻前のスケール信号Saのサンプル値の差分を測定
速度値とするため、所定速度での定速走行が行われてい
るのであれば、理論的には測定速度値=基準速度値とな
る。
【0067】以上のことから、定速サーボを実行させる
ための制御電圧Vは、 制御電圧V=ゲインG×(|基準速度値−測定速度値
|) とすればよい。
【0068】なお、ボイスコイルモータは極性により正
逆方向に駆動力が発生し、制御電圧ゼロで駆動力がゼロ
となるようなものを使用するとしている。
【0069】5.下位ディスク装填時の定速サーボ及び
スケール情報取込処理 上記のようにして定速サーボを行うことで、移動機構1
6による定速移動が実現できるわけであるが、ここでサ
ーボ制御のパラメータとなる基準速度値、及びゲインG
の設定が、スケール信号の取り込みにとって最適な移動
動作を実現させる値とされなければならない。特にディ
スクドライブ装置の個体差や経年変化などにより、さら
にはディスクドライブ装置が設置されている姿勢角度状
態等により、適切な速度で定速移動させるための最適な
サーボパラメータは異なるものとなる。従ってサーボパ
ラメータを固定値としておくと、場合によっては取り込
まれるスケール信号Saのトップ値、ボトム値が不適切
な値となることがある。特に、スケール信号Saの振幅
は移動速度に依存するものであるためである。
【0070】そこで本例では、下位ディスク1Bが装填
された際には、まずトップ値、ボトム値の取り込みに適
切な所定の速度範囲内の或る速度で定速サーボを実現す
るためのサーボパラメータを自動的に算出するように
し、その後算出されたサーボパラメータを用いて定速サ
ーボによる移動を実行させ、各データトラックに対応す
るトップ値、ボトム値の取り込みを行うようにしてい
る。
【0071】図13は、下位ディスク1Bが装填された
際のディスクドライブ装置の動作を模式的に示している
ものである。図13(a)はディスクの最内周から最外
周の間の移動時にディスク径方向の位置に対応して得ら
れるスケール信号Saを示し、また図13(b)は同様
にセンス基準信号Sbを示している。最内周メカストッ
パ位置とは、磁気ヘッド素子10がディスク1の最内周
側となる移動限度位置、また最外周メカストッパ位置と
は、磁気ヘッド素子10がディスク1の最外周側となる
移動限度位置を示している。つまり最内周メカストッパ
位置から最外周メカストッパ位置の間が機構的な移動可
能範囲である。
【0072】この移動可能範囲において、スケール信号
Saとしては、最外周側のX1区間、及び最内周側のX
2区間では正弦波は観測されない。これはトラックゲー
ジ14上の複数の第1の開口部21における、最外周側
及び最内周側に相当する開口部21の設定位置によるも
のである。またセンス基準信号Sbは、ディスク上のデ
ータトラック番号2(トラックTK2)に相当する位置
で立ち上がる波形とされている。これも第2の開口部2
2がトラックTK2に相当する位置に形成されているこ
とによるものである。
【0073】図13(c)(d)(e)(d)の矢印
は、下位ディスク1B装填時の移動動作を示している。
即ち本例のディスクドライブ装置は、下位ディスク1B
が装填されると、まず図13(c)に示すように、最外
周位置から内周方向に向かって磁気ヘッド素子10を移
動させていく。そしてこの移動の間に、まず動作とし
て、デフォルトサーボ/パラメータ決定を行う。デフォ
ルトサーボとは、予め設定されたデフォルト値(初期
値)としてのサーボパラメータにより定速サーボをかけ
て定速移動を実行させる動作である。このデフォルト値
としてのサーボパラメータは、ディスクドライブ装置の
個体差や経年変化、姿勢などの各種考えられる状況にお
いて、必ず移動が行われる値としている。そしてこのよ
うにデフォルトサーボで定速移動している間に観測され
たスケール信号Saに基づいて、最適なサーボパラメー
タを算出する。
【0074】サーボパラメータが算出されたら、動作
としてそのサーボパラメータによる定速サーボをかけ、
引き続き内周側に移動させる。そしてさらに所定時間経
過後に動作として、動作の確実性を考慮して、固定値
としての制御電圧で移動を実行させ、必ず最内周位置ま
で移動させるようにする。
【0075】以上の動作で最内周位置までの移動が完了
したら、図13(d)に示すように、今度は外周方向に
向かって磁気ヘッド素子10を移動させていく。そして
この移動は、動作として、上記動作で算出された最
適なサーボパラメータにより定速サーボをかけて定速移
動を実行させる動作となり、かつこの間に各データトラ
ックに対応したスケール信号Saのトップ値、ボトム値
を取り込んでメモリ111に記憶していくことになる。
【0076】動作としての定速移動及びトップ値、ボ
トム値の取込が終了し、最外周位置に達したら、続いて
図13(e)(f)に示すように、その後の実際の記録
再生動作のための準備処理を行う。つまり動作として
センス基準信号Sbが立ち上がるセンス基準位置まで内
周側に移動させた後、そのセンス基準位置はトラックT
K2に相当することから、動作として2トラック分外
周側に移動させ、トラックTK0の位置で待機させるこ
とになる。
【0077】下位ディスク1Bの装填時には概略的には
以上のような動作が行われることになるが、このような
動作を実現するための制御部151の処理を図14〜図
17で説明していく。なお図14〜図17のフローチャ
ートにおいて示される〜は、図13の動作〜に
対応するものとしている。
【0078】図14は、図13で説明した下位ディスク
1Bの装填時の動作のための制御部151の処理を示し
ており、下位ディスク1Bが装填されると、まずステッ
プF101として、ヘッドを最外周メカストッパ位置へ
押しつける動作を実行させる。これはディスクへの傷等
を防止するためローディング時には磁気ヘッド部15が
最外周位置あるようにするためである。そして続いてス
テップF102でヘッドローディングを行う。
【0079】ヘッドローディングが完了したら、ステッ
プF103で定速サーボパラメータ決定処理を行う。こ
れは上記動作〜を実行させる処理となる。ステップ
F103の処理が終了したらステップF104で定速サ
ーボ/トップ、ボトム取込処理を行う。即ち上記動作
を実行させる処理である。そして最後にステップF10
5として、上記動作、を実行させる動作準備処理を
行い、これが終わると下位ディスク装填時の一連の処理
が完了することになる。
【0080】まずステップF103の定速サーボパラメ
ータ決定処理を図15で詳しく説明する。このステップ
F103では上記動作のために図15のステップF2
01〜F206の処理が行われる。この時点では上記図
14のステップF101により磁気ヘッド素子10は最
外周メカストッパ位置にあるが、ステップF201とし
てデフォルトサーボにより内周側への移動を開始する。
上述したようにこのデフォルトサーボは、サーボパラメ
ータとしての基準速度値及びゲインGが初期値とされる
が、その値はディスクドライブ装置の個体差や経年変
化、さらには姿勢状況の如何によっても、必ず移動が行
われる値とする。例えば、ディスクドライブ装置の姿勢
が±80゜に傾斜している状態でも移動が行われるよう
な値とする。
【0081】このようなデフォルトサーボによる定速移
動が開始されたら、ステップF202でスケール信号に
よる一定方向の移動が観測され始めることを待機する。
即ち図13に示したX1区間ではスケール信号Saとし
ての正弦波は観測されないが、このX1区間を抜けてス
ケール信号Saとしての正弦波信号が得られることを待
機することになる。そして、スケール信号Saとしての
正弦波信号が得られ、つまりこれによって内周側への移
動が確認されたら、ステップF203で、スケール信号
Saの各1周期期間のトップ値及びボトム値の測定を開
始する。具体的には制御部151はスケール機構30の
光エンコーダ15から供給されるスケール信号Saをデ
ジタル値として入力していき、各1周期期間における最
大値(トップ値)と最小値(ボトム値)を探す動作とな
る。
【0082】ステップF204では、センス基準信号S
bにより検出されるセンス基準位置まで移動が行われる
ことを待機する。そしてセンス基準位置に達したら、ス
テップF205で、その時点のスケール信号Saの1周
期において検出されたトップ値及びボトム値から、その
時点のスケール信号Saの振幅値を求める。つまりトッ
プ値とボトム値の差の絶対値を振幅レベルとする。な
お、このように振幅値を測定するのにセンス基準位置に
達することを待機しているのは、センス基準位置より外
周側のスケール信号は若干信頼性が低いためである。つ
まり第1の開口部21としての形成精度的な事情を考慮
して、より正確な振幅値を求めるためである。
【0083】ステップF205で振幅値が算出された
ら、ステップF206で、算出された振幅値に基づいて
定速サーボのための最適なパラメータを算出する。即ち
基準速度値及びゲインGを算出する。例えば4msec
/トラックでの定速移動を実行することを目的として最
適なパラメータ(基準速度値及びゲインG)を求めるよ
うにする。
【0084】基準速度値については、上述したように基
準速度値=振幅W/(T/2・S)となるため、振幅W
の値としてステップF205で算出された振幅値を代入
し、またT(1データトラック周期)については、4m
sec/トラックの移動を目標とするのであればT=4
msecとなる。またS(サンプリング間隔)について
は、サーボ方式により固定値に設定されるもので、例え
ば上述のようにS=80μsecとなる。以上のように
数値を代入することで、最適な基準速度値(=W/(T
/2・S)が算出される。
【0085】次にゲインGについては、予め算出されて
いる標準振幅値と初期ゲイン、及び上記算出された振幅
値を用いる。ここで標準振幅値とは実験上求められたス
ケール信号の標準的な振幅値のことであり、上述した初
期ゲインは、この標準振幅値を基準として、個体差や姿
勢などの事情によっても速度サーボがかかる値として設
定されているものである。そして、 (標準振幅値)×(初期ゲイン)=算出基準値R としたときに、 (算出振幅値)×(最適ゲイン)=算出基準値R となればよく、つまり、定速サーボのための最適なゲイ
ンGは、 G=(算出基準値R)/(算出振幅値) で求めることができる。なお算出振幅値とはステップF
205で算出された振幅値のことである。
【0086】以上のようにして最適なパラメータが算出
されたら、ステップF207で算出されたパラメータに
よる定速サーボを実行する。即ち動作に移行する。定
速サーボの制御電圧Vは上述のように、 制御電圧V=ゲインG×(|基準速度値−測定速度値
|) であるから、この式におけるゲインG、基準速度値を、
初期値から上記のようにして算出された値に変更するも
のとなる。
【0087】ステップF207での定速サーボが開始さ
れた後は、移動が最内周側に達するのを待つことにな
る。例えばステップF208で600msec待機す
る。これは、4msec/トラックの移動で最内周側に
達するのに十分な時間値とされる。即ちデータトラック
数は80であることから、仮に全データトラックの移動
については80×4=320msecの時間を要するこ
とになるが、この320msecよりある程度余裕を持
たせて600msecを待機する。
【0088】ステップF208で600msec待機す
ることで、通常は最内周メカストッパ位置までの移動が
完了しているはずである。ところが何らかの事情によっ
て動作が良好に行われず、最内周メカストッパ位置まで
達していない場合もあり得る。そこでステップF209
では、上記動作として、或る固定値により移動機構1
6を駆動して最内周メカストッパ位置に押しつける処理
を行う。例えば何らかの不具合でスムースな移動が阻害
されている場合を考慮して或る程度強力な移動力を与え
て押しつけることになる。
【0089】なお、このような押しつけにより、磁気ヘ
ッド部115には或る程度強い衝撃が加わることになっ
てしまうが、通常通り600msec待機期間で最内周
メカストッパ位置までの移動が完了していれば、ステッ
プF209で押しつけ処理を行っても磁気ヘッド部11
5に衝撃は加わらない(既に押しつけられた状態にある
ため機械的な移動は起こらない)ため問題はない。
【0090】以上のように図15のような処理手順で図
14のステップF103としての処理が実行されたら、
図14のステップF104で定速サーボ/トップ、ボト
ム取込処理を行う。このステップF104の処理、つま
り動作を実行する処理を図16に詳しく示す。
【0091】まずステップF301では、上記処理で算
出された最適なサーボパラメータを用いた定速サーボ
で、外周側への移動を開始させる。つまりスケール信号
Saの測定にとって最適な速度値での定速走行が開始さ
れる。そして定速サーボ制御による定速移動が開始され
たら、ステップF302でスケール信号による一定方向
の移動が観測され始めることを待機する。即ち図13に
示したX2区間を抜けてスケール信号Saとしての正弦
波信号が得られることを待機する。スケール信号Saと
しての正弦波信号が得られ、つまりこれによって外周側
への移動が確認されたら、ステップF303で、スケー
ル信号Saの各1周期期間のトップ値及びボトム値の測
定及びメモリ111への記憶を開始する。制御部151
はスケール機構30の光エンコーダ15から供給される
スケール信号Saをデジタル値として入力していき、各
1周期期間における最大値(トップ値)と最小値(ボト
ム値)を探す。そして検出されたトップ値とボトム値
を、各データトラックに対応させてメモリ111に記憶
していく動作となる。
【0092】このようなトップ値、ボトム値の各データ
トラックに対応した取込を全データトラックについて実
行していき、ステップF304で全データトラック、つ
まり80トラック分の取込が完了したことが確認された
ら、ステップF305で200msec待機する。この
200mescとは、ヘッド移動が最外周メカストッパ
位置に達するのに十分な時間として設定されているもの
である。以上の図16の処理により、全データトラック
に対応したトップ値、ボトム値の取込が行われ、また磁
気ヘッド素子10は最外周メカストッパ位置にまで達す
ることになる。
【0093】このような処理として図14のステップF
104が終了すると、ステップF105で動作準備処理
(動作、のための処理)を行う。この処理は図17
に詳しく示される。
【0094】まずステップF401で、サーボパラメー
タを或る固定値(例えば初期値)として定速サーボをか
けて内周側への移動を開始する。そして定速移動が開始
されたら、ステップF402でスケール信号による一定
方向の移動が観測され始めることを待機する。即ち図1
3に示したX1区間を抜けてスケール信号Saとしての
正弦波信号が得られることを待機する。スケール信号S
aとしての正弦波信号が観測されたらステップF403
でトラックフォローモードに入り、磁気ヘッド素子10
をその時点でのデータトラックのトラックセンタに位置
する制御を行う。そしてステップF404で、その時点
の位置がセンス基準位置であるか否かの判別、即ちセン
ス基準信号Sbの確認を行う。その際のトラックフォロ
ー時にセンス基準信号Sbのエッジタイミングが検出さ
れていないのであれば、まだセンス基準位置ではないと
してステップF405に進み、内周側へのトラック送り
動作を行う。つまり磁気ヘッド素子10を1トラック内
周側に送り、ステップF403に戻る。そして再びステ
ップF404でセンス基準位置であるか否かを確認す
る。
【0095】或る時点でセンス基準位置であることが確
認されたら、そのとき位置しているデータトラックはト
ラックTK2であることがわかる。そこでステップF4
06に進んで現時点のデータトラックを示すトラック番
号の値を「2」にセットする。そしてステップF407
で外周側に2トラック分のトラック移動を実行させ、ま
たそれに応じてトラック番号をデクリメントして、トラ
ック番号=0とする。そして外周側への2トラック分の
移動が完了したらステップF408でトラックフォロー
モードに入り、つまり磁気ヘッド素子10をトラックT
K0のトラックセンタに位置させる。以上のようにして
磁気ヘッド素子10のトラックTK0への配置を完了し
たら、準備完了として、ステップF409でホストコン
ピュータにディスクインを報告し、つまりその後記録再
生動作が可能とされたことを通達して、ディスク装填時
の一連の処理を終えることになる。
【0096】以上説明したように本例のディスクドライ
ブ装置は、デフォルトサーボにより移動機構を定速移動
させながら観測されたスケール信号に基づいて、トップ
値、ボトム値の取込の際に好適な定速サーボが実現でき
るサーボパラメータを算出し、その算出されたサーボパ
ラメータを用いてトップ値、ボトム値の取込の際の定速
サーボを実行するようにしている。従って、ディスクド
ライブ装置の個体差や経年変化、姿勢などの状況に左右
されないで常に安定かつ最適な定速サーボが実現でき
る。つまりサーボパラメータを算出して使用するように
することで、サーボ制御におけるスケール信号の振幅に
対する依存性が大幅に改善されることになり、サーボ安
定性を実現できる。もちろんディスクドライブ装置が傾
斜された設置されているような状態でも安定したサーボ
を行うことができる。またこれによって適切なトップ
値、ボトム値の取込が可能となり、その後の記録再生時
に的確なトラック移動制御、トラックフォロー制御が可
能となる。
【0097】なお本発明は実施の形態としての構成や処
理例に限定されず、各種の変形例が考えられることはい
うまでもない。また、ドライブ装置としては、記録専用
装置、再生専用装置でもよく、さらに、フレキシブルデ
ィスクのドライブ装置に限らず、定速サーボの必要なド
ライブ装置に適用できる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、或る固
定値としての初期サーボパラメータを用いて定速移動さ
せた際の状況から、最も適切なサーボパラメータを算出
し、その算出されたサーボパラメータを用いることで定
速走行を実現させるようにしているため、そのドライブ
装置の個体の特性や姿勢状況などの事情に関わらず、所
定速度範囲内の或る速度での定速移動を安定に実現する
ことができる。つまり定速移動サーボ方法として、信頼
性の高いサーボ方法とすることができるとともに、ドラ
イブ装置において定速移動が必要な際に適切な制御が可
能となる。またそのようにしてヘッド手段が定速移動さ
れている際にスケール信号のトップ値及びボトム値を検
出することで、それは各データトラックに対応した適切
な情報とすることができる。もってその後のデータトラ
ックに対する送り動作やトラッキング制御を確実に行う
ことができるようになる。
【0099】またヘッド手段の定速移動は、基準速度と
現在速度の差分に所定のゲインを与えた値によりヘッド
駆動手段を制御することで実行されるとともに、少なく
ともゲイン及び基準速度の初期値が初期サーボパラメー
タとして予め設定され、また少なくともゲイン及び基準
速度の値が、サーボパラメータ算出手段により算出され
るようにすることや、サーボパラメータの算出は、スケ
ール信号のトップ値及びボトム値から算出されるスケー
ル信号の振幅レベルを用いることで、安定した定速移動
サーボが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の記録再生装置のブロック
図である。
【図2】実施の形態で用いられるフレキシブルディスク
カセットの説明図である。
【図3】実施の形態の記録再生装置の磁気ヘッド部の斜
視図である。
【図4】実施の形態のスケール機構のトラックゲージの
説明図である。
【図5】実施の形態のスケール機構のトラックゲージの
開口部の説明図である。
【図6】実施の形態のスケール機構の光エンコーダの説
明図である。
【図7】実施の形態のスケール機構の光エンコーダの説
明図である。
【図8】実施の形態のスケール機構から得られるスケー
ル信号の説明図である。
【図9】実施の形態のスケール機構から得られるスケー
ル信号のトップ値及びボトム値の説明図である。
【図10】実施の形態の記録再生装置のトップ値及びボ
トム値を記憶するメモリの説明図である。
【図11】実施の形態のトラックフォローの説明図であ
る。
【図12】実施の形態の定速移動サーボの制御方式の説
明図である。
【図13】実施の形態の下位ディスク装填時の動作の説
明図である。
【図14】実施の形態の下位ディスク装填時の動作のフ
ローチャートである。
【図15】実施の形態の定速サーボパラメータ決定処理
のフローチャートである。
【図16】実施の形態の定速サーボ/トップ、ボトム取
込処理のフローチャートである。
【図17】実施の形態の動作準備処理のフローチャート
である。
【符号の説明】
1 ディスク、1A 上位ディスク、1B 下位ディス
ク、10,10A,10B 磁気ヘッド素子、11 ア
ーム部、12 ヘッドキャリッジ、14 トラックゲー
ジ、15 光エンコーダ、16,16A,16B 移動
機構、21 第1の開口部、22 第2の開口部、30
スケール機構、111 メモリ、115 磁気ヘッド
部、116 磁気ヘッド駆動回路、118 トラッキン
グ制御部、151 制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体のデータトラックに対して、デ
    ータの記録及び/又は再生を行うヘッド手段と、 前記ヘッド手段を記録媒体の複数のデータトラックと垂
    直な方向に移動させるヘッド駆動手段と、 前記ヘッド手段の移動に応じて、1データトラックにつ
    いて1周期となるスケール信号を発生させるスケール信
    号発生手段と、 前記ヘッド手段の移動制御に用いるデータとして、各デ
    ータトラックに対応した前記スケール信号の各1周期期
    間におけるトップ値及びボトム値を記憶できる記憶手段
    と、 初期サーボパラメータを用いて前記ヘッド駆動手段をサ
    ーボ制御し、前記ヘッド手段を定速で移動させるととも
    に、その際に測定される前記スケール信号のトップ値及
    びボトム値から定速移動のためのサーボパラメータを算
    出するサーボパラメータ算出手段と、 前記サーボパラメータ算出手段で算出されたサーボパラ
    メータを用いて前記ヘッド駆動手段をサーボ制御するこ
    とで前記ヘッド手段を定速で移動させ、その間に各デー
    タトラックに対応した前記スケール信号の各1周期期間
    におけるトップ値及びボトム値を測定して、前記記憶手
    段に記憶させる移動制御データ記憶制御手段と、 を備えたことを特徴とするドライブ装置。
  2. 【請求項2】 前記ヘッド手段の定速移動は、基準速度
    と現在速度の差分に所定のゲインを与えた値により前記
    ヘッド駆動手段をサーボ制御することで実行されるとと
    もに、少なくとも前記ゲイン及び基準速度の初期値が前
    記初期サーボパラメータとして予め設定され、また少な
    くとも前記ゲイン及び基準速度の値が、前記サーボパラ
    メータとして前記サーボパラメータ算出手段により算出
    されることを特徴とする請求項1に記載のドライブ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記サーボパラメータ算出手段は、前記
    スケール信号のトップ値及びボトム値から算出される前
    記スケール信号の振幅レベルを用いて、定速移動のため
    のサーボパラメータを算出することを特徴とする請求項
    1に記載のドライブ装置。
  4. 【請求項4】 記録媒体のデータトラックに対して、デ
    ータの記録再生を行うヘッド手段を、ヘッド駆動手段に
    より記録媒体の複数のデータトラックと垂直な方向に定
    速移動させる定速移動サーボ方法として、 初期サーボパラメータを用いて前記ヘッド駆動手段をサ
    ーボ制御し、前記ヘッド手段を定速で移動させる初期移
    動手順と、 前記初期移動手順による移動中に、ヘッド手段の移動に
    応じて1データトラックについて1周期として発生され
    るスケール信号を監視し、そのトップ値及びボトム値を
    測定する測定手順と、 前記測定手順で測定されたトップ値及びボトム値を用い
    て定速移動のためのサーボパラメータを算出する算出手
    順と、 前記算出手順で算出されたサーボパラメータを用いて前
    記ヘッド駆動手段をサーボ制御することで前記ヘッド手
    段を定速で移動させる定速移動手順と、 が行われることを特徴とする定速移動サーボ方法。
  5. 【請求項5】 前記初期移動手順及び前記定速移動手順
    におけるヘッド手段の定速移動は、基準速度と現在速度
    の差分に所定のゲインを与えた値により前記ヘッド駆動
    手段をサーボ制御することで実行されるとともに、少な
    くとも前記ゲイン及び基準速度の初期値が前記初期サー
    ボパラメータとして予め設定され、また少なくとも前記
    ゲイン及び基準速度の値が、前記サーボパラメータとし
    て前記算出手順により算出されることを特徴とする請求
    項4に記載の定速移動サーボ方法。
  6. 【請求項6】 前記算出手順では、前記スケール信号の
    トップ値及びボトム値から算出される前記スケール信号
    の振幅レベルを用いて、定速移動のためのサーボパラメ
    ータを算出することを特徴とする請求項4に記載の定速
    移動サーボ方法。
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