JP2000113006A - 電子回路機能論理検証支援システム - Google Patents

電子回路機能論理検証支援システム

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JP2000113006A
JP2000113006A JP10276916A JP27691698A JP2000113006A JP 2000113006 A JP2000113006 A JP 2000113006A JP 10276916 A JP10276916 A JP 10276916A JP 27691698 A JP27691698 A JP 27691698A JP 2000113006 A JP2000113006 A JP 2000113006A
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JP
Japan
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signal
trace
electronic circuit
cause
support system
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JP10276916A
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Inventor
Naoyuki Hoshi
直之 星
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子回路の仮想モデルに対するシミュレーシ
ョンの履歴を利用し、不具合信号を起点としてバックト
レースし、不具合原因を自動的判定することにより、大
規模で複雑な電子回路の機能論理検証作業の効率化、容
易化を図る。 【解決手段】 不具合信号を起点として、バックトレー
ス部で信号伝播と逆方向に、出力素子とその入力信号を
特定し、原因判定部でデータベース化されたルールに基
づきその素子と入力信号の関係から発生原因の判定を行
い、トレース継続信号選択部で同じくデータベース化さ
れたルールに基づき発生原因に関連する信号を特定し、
これらの処理を回路の入力端まで繰り返す。また、指定
した条件に合う信号を検索し、それを起点信号として用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数素子の組み合
わせにより構成される電子回路をコンピュータ上の仮想
モデルとして実現し、当該仮想モデルの機能的正当性あ
るいは論理的正当性をシミュレーションにて検証する電
子回路機能論理検証支援システムに係り、バックトレー
ス、原因判定、トレース継続信号の選択を自動化するこ
とを可能とし、シミュレーションによる検証の効率化お
よび解析の容易化を図る電子回路機能論理検証支援シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機能検証あるいは論理検証におけ
る不具合、例えば不定信号値の伝播やハザードの発生な
どの原因解析は、自動化されていなかった。
【0003】即ち、一般的には、機能検証あるいは論理
検証における不具合を示す信号を起点とし、解析者自身
が、論理回路の接続情報からトレースを継続すべき信号
を選択し、それらの信号を波形表示装置などの表示手段
を用いて表示し、信号値を確認し、発生原因を判定する
方法により行われていた。
【0004】しかし、これらの操作は通常人手で行われ
るため、原因となる素子あるいは入力信号から起点信号
に至るまでの論理段数や素子の入力数に依存して原因解
析に要する時間が増加し、特に設計規模の増大に伴い、
解析時間が長大化していた。
【0005】また、設計規模の増大に対応し、HDL
(ハードウェア記述言語)による機能設計およびHDL
機能記述データを論理回路化する論理合成を組み合わせ
た設計手法が一般化しているが、論理合成後の論理回路
データには回路の遅延情報などHDL機能記述データに
はないパラメータが付与されるため、HDL機能記述の
シミュレーションで発生しない波形不具合、例えば組合
せ回路からのハザードが発生する。しかし、設計者にと
って論理合成により生成された論理回路の構成は理解し
にくく、回路論理からの発生原因の判定は大変困難であ
り、解析時間増大の要因となっていた。
【0006】以上のように、不定信号値の伝播やハザー
ドの発生などの機能検証あるいは論理検証における不具
合の原因解析は、設計規模の拡大に伴い、解析者の労力
を増大化し、長期化していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、機能
検証あるいは論理検証における不具合の原因解析に関し
て、作業効率化および作業の容易化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
複数素子の組み合わせにより構成される電子回路をコン
ピュータ上の仮想モデルとして実現し、当該仮想モデル
の正当性をシミュレーションにて検証する電子回路機能
論理検証支援システムにおいて、仮想モデル上の特徴的
な信号を起点信号とし、仮想モデル上の電子回路を信号
伝播方向と逆方向にトレースするバックトレース部のト
レース結果により、起点信号の特徴の発生原因を判定す
る原因判定部とを有することを特徴とする電子回路機能
論理検証支援システムである。本発明(請求項2)は、
バックトレース部が、トレース信号の出力素子と信号伝
播の遅延時間を遡った時刻のその出力素子への入力信号
値を抽出し、原因判定部が、その出力素子と入力信号値
に基づき起点信号の特徴の発生原因を判定することを特
徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検証支援シス
テムである。本発明(請求項3)は、バックトレース部
が、入力信号値の変化を抽出し、原因判定部が、その入
力信号値の変化に基づき起点信号の特徴の発生原因を判
定することを特徴とする請求項2記載の電子回路機能論
理検証支援システムである。本発明(請求項4)は、バ
ックトレース部が、シミュレーションの履歴情報を用い
ることを特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検
証支援システムである。本発明(請求項5)は、起点信
号の特徴の発生原因を判定するルールをデータベースと
して具備することを特徴とする請求項1記載の電子回路
機能論理検証支援システムである。本発明(請求項6)
は、起点信号の特徴の発生に関連する信号をトレース継
続信号として選択するトレース継続信号選択部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検証
支援システムである。本発明(請求項7)は、トレース
継続信号選択部が、起点信号の特徴の発生に関連する信
号を、信号伝播の遅延時間を遡った時刻の信号値により
判定することを特徴とする請求項6記載の電子回路機能
論理検証支援システムである。本発明(請求項8)は、
トレース継続信号選択部が、信号値の変化により判定す
ることを特徴とする請求項7記載の電子回路機能論理検
証支援システムである。本発明(請求項9)は、起点信
号の特徴の発生に関連する信号であると判定するルール
をデータベースとして具備することを特徴とする請求項
6記載の電子回路機能論理検証支援システムである。本
発明(請求項10)は、起点信号の特徴およびその特徴
を示す時刻範囲を条件として、起点信号を検索する起点
信号検索部を有し、検索された信号を起点信号とするこ
とを特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検証支
援システムである。本発明(請求項11)は、バックト
レース部が、特徴的な信号として特定の固定論理値を示
す信号を起点信号とし、原因判定部が、起点信号の特徴
を特定の固定論理値を示すこととして発生原因を判定す
ることを特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検
証支援システムである。本発明(請求項12)は、バッ
クトレース部が、特徴的な信号として特定の変化を示す
信号を起点信号とし、原因判定部が、起点信号の特徴を
特定の変化を示すこととして発生原因を判定することを
特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検証支援シ
ステムである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下本発明を図面
に示す実施の形態に基づいて説明する。概略図である図
1において、本発明に係る電子回路機能論理検証支援シ
ステムは、起点信号入力部1、起点信号情報2、バック
トレース部3、仮想モデル情報4、シミュレーションの
履歴情報5、トレース結果情報6、原因判定部7、ルー
ルのデータベース8、発生原因情報9、非原因信号情報
10、トレース継続信号選択部11、トレース継続信号
情報12とを備えている。図2は、本発明の機能論理検
証システムのバックトレース部と原因判定部を中心とし
た構成図である。図3は、本発明の機能論理検証システ
ムのトレース継続信号選択部を中心とした構成図であ
る。図4は、本発明の機能論理検証システムの起点信号
検索部を中心とした構成図である。図2、図3、図4
は、図1の各部の詳細図である。
【0010】起点信号入力部1は、起点信号を直接指定
し、又は起点信号を検索する為の条件を入力するための
ユーザインタフェースである。点信号入力部1は、キー
ボード入力装置やマウス等のポインティングデバイス等
の既存の入力装置を用い、文字入力や図面エディタ上で
の対象信号のクリック操作などのグラフィックユーザイ
ンタフェースの既存の入力手段によって構成される。こ
こで、起点信号とは、特定の固定理論値又は特定の変化
を示す等の仮想モデル上の特徴を有する信号であり、後
述するバックトレース処理の起点となる信号である。起
点信号を直接指定する場合には、起点信号入力部1は、
操作者に対し起点信号名Sx、起点信号のシミュレーシ
ョン時刻T(Sx)、起点信号の信号値又は信号値の変
化V(Sx)等の起点信号に関する情報の入力を促し、
これらを起点信号情報2として記憶するように構成され
る。条件検索する場合には、起点信号入力部1は、操作
者に対し起点信号の信号値又は信号値の変化V等の特徴
及びその特徴を示す時刻範囲の上限TS、下限TE等の
検索条件の入力を促し、これらを図43のような検索条
件18として記憶するように構成される。検索条件18
は、後述する起点信号検索処理において用いられる。
【0011】起点信号情報2は、図19に示すように、
起点信号名Sx、起点信号のシミュレーション時刻T
(Sx)、起点信号の信号値又は信号値の変化V(S
x)等の起点信号に関する情報により構成される。起点
信号情報2には、単数又は複数の起点信号に関する情報
が含まれる。複数の起点信号のうちx番目の起点信号に
関する情報はSxとして表わす。
【0012】バックトレース部3は、仮想モデル上の特
徴的な信号を起点信号とし、仮想モデル上の電子回路を
信号伝播方向と逆方向にトレースする機能を有する。バ
ックトレース部3は、起点信号情報2又はトレース継続
信号情報12を入力し、仮想モデル情報4を参照し、ト
レース結果情報6として記憶するように構成される。バ
ックトレース部3は、内部処理のため、図20に示すよ
うにトレース信号の信号名T、シミュレーション時刻T
(T)、及び信号値又は信号値の変化V(T)等のトレ
ース信号に関する情報の記憶領域を有する。また、トレ
ース信号の出力素子Pの記憶領域を有する。さらに、ト
レース信号の出力素子Pのx番目の入力信号に関する情
報、即ち入力信号の信号名Dx、シミュレーション時刻
T(Dx)、及び信号値又は信号値の変化V(Dx)の
記憶領域を有する。
【0013】仮想モデル情報4は、複数素子の組み合わ
せにより構成される電子回路をコンピュータ上で実現さ
せた仮想モデルに関する情報であって、仮想モデルの正
当性をシミュレーションにて検証する際に使用される情
報である。仮想モデル情報4は、図2に示す論理回路構
成素子の接続情報13、回路のテクノロジ情報14及び
信号伝播の遅延時間情報15により構成される。
【0014】論理回路構成素子の接続情報13は、複数
素子の組み合わせにより構成される電子回路の回路図
(例えば図17のような回路図)に相当する情報であっ
て、回路を構成する素子とそのピンの接続についての情
報等により構成される。
【0015】回路のテクノロジ情報14は、回路を構成
する素子の属性についての情報等により構成される。素
子の属性には、素子の名称、論理、インスタンス名、ピ
ン名、ピンタイプ等が含まれる。
【0016】信号伝播の遅延時間情報15は、回路を構
成する素子のピン毎の信号伝播における遅延時間の情報
である。
【0017】シミュレーションの履歴情報5は、仮想モ
デルの正当性をシミュレーションにて検証する際に記憶
される履歴情報である。シミュレーションの履歴情報5
は、回路を構成する信号毎のタイミングチャート(例え
ば図18のようなタイミングチャート)に相当する情報
であって、信号毎のシミュレーション時刻に対応する信
号値の情報により構成される。
【0018】トレース結果情報6は、バックトレース部
3により記憶される情報である。トレース結果情報6
は、図21に示すように、トレース信号の信号値又は信
号値の変化V(T)、トレース信号の出力素子P、及び
入力信号に関する情報、即ち入力信号の信号名Dx、シ
ミュレーション時刻T(Dx)、及び信号値又は信号値
の変化V(Dx)等により構成される。
【0019】原因判定部7は、トレース結果により起点
信号の特徴の発生原因を判定する機能を有する。原因判
定部7は、図2に示すように、トレース結果情報6を入
力し、発生原因判定ルールのデータベース16を参照
し、発生原因であるかを判定し、発生原因の場合には発
生原因情報9を記憶し、発生原因でない場合には非原因
信号情報10を記憶するように構成される。
【0020】ルールのデータベース8は、図2に示す発
生原因判定ルールのデータベース16と図3に示す発生
関連判定ルールのデータベース17により構成される。
【0021】発生原因判定ルール16は、図44に示す
ように、トレース信号の信号値又は信号値の変化V
(T)、トレース信号の出力素子P、入力信号の信号名
Dx、及び入力信号の信号値又は信号値の変化V(D
x)により発生原因であるかを判定するルールである。
例えば、トレース信号Tを出力する素子Pの入力信号V
(Dx)が高インピーダンス状態であり不定値のトレー
ス信号値V(T)を発生させている場合、出力素子Pが
フリップフロップなどの順序回路素子で全入力信号値が
“0”か“1”の確定値であり、出力素子がタイミング
違反を起こしている場合、また、出力素子の全ての入力
信号にハザードがなく、且つ短期間の間に複数入力信号
が変化して、トレース信号Tにハザードが発生している
場合などの判定ルールをシステムで解読可能なデータ構
造として保持する。
【0022】発生関連判定ルール17は、図44に示す
ように、トレース信号の信号値又は信号値の変化V
(T)及び入力信号の信号値又は信号値の変化V(D
x)により発生に関連するかを判定するルールである。
【0023】発生原因情報9は、原因判定部7より記憶
される起点信号の特徴の発生原因を特定する為の情報で
ある。発生原因情報9は、図27に示すように、入力信
号の信号名Dx、そのシミュレーション時刻T(Dx)
及び判定に用いた発生原因判定ルール中の条件等により
構成される。
【0024】非原因信号情報10は、起点信号の特徴の
発生原因ではない入力信号、即ちトレースの継続を必要
とする可能性がある信号に関するの情報である。非原因
信号情報10は、図22に示すように、トレース信号の
信号値又は信号値の変化V(T)、トレース信号の出力
素子P及び発生原因でない入力信号に関する情報、即ち
信号名Dx、シミュレーション時刻T(Dx)、及び信
号値又は信号値の変化V(Dx)等により構成される。
【0025】トレース継続信号選択部11は、発生原因
でない入力信号のうちトレースを継続すべき信号を選択
する機能を有する。トレース継続信号選択部11は、図
3に示すように、非原因信号情報10を入力し、発生関
連判定ルールのデータベース17と回路のテクノロジ情
報14を参照し、発生に関連するかを判定し、発生に関
連するの場合にはトレース継続信号情報12を記憶する
ように構成される。
【0026】トレース継続信号情報12は、図23に示
すように、トレースを継続すべき信号に関する情報、即
ちトレース継続すべき信号の信号名Cx、シミュレーシ
ョン時刻T(Cx)、信号値又は信号値の変化V(C
x)により構成される。
【0027】図4に示す検索条件18は、図43に示す
ように、起点信号の信号値又は信号値の変化V等の特徴
及びその特徴を示す時刻範囲上限TS、下限TE等によ
り構成される。
【0028】図4に示す起点信号検索部19は、仮想モ
デル上の信号のうち検索条件を満たす信号を検索する機
能を有する。起点信号検索部21は、検索条件18を入
力し、論理回路構成素子の接続情報13及びシミュレー
ションの履歴情報5を参照し、起点信号情報2を記憶す
るように構成される。また、重複するトレースを回避す
る為に、検索履歴情報19及び検索継続信号情報20を
管理するように構成される。起点信号検索部21は、図
15に示す内部処理のため、起点信号の信号値又は信号
値の変化V及びその特徴を示す時刻範囲の上限TS、下
限TE等の検索条件の記憶領域を有する。
【0029】本発明は、上記のように構成されており、
以下その動作について説明する。機能論理検証新システ
ムは、図5の起点信号入力処理に続き、図8のように未
処理のトレース継続信号がなくなるまで、バックトレー
ス処理、原因判定処理、トレース継続信号選択処理を繰
り返す一の起点信号に対する処理を、図9のように起点
信号の数分繰り返すように動作する。図5の起点信号入
力の処理において、操作者が起点信号の直接指定を選択
した場合には、図6の起点信号の直接入力の処理フロー
へ移る。操作者が検索条件の入力を選択した場合には、
図7の検索条件の入力の処理フローへ移る。
【0030】図6の起点信号の直接指定の処理におい
て、操作者は順次起点信号名Sx、起点信号のシミュレ
ーション時刻T(Sx)、起点信号の信号値又は信号値
の変化V(Sx)を入力し、一の起点信号に関する情報
の入力を終了する。入力されたこれらの情報を起点信号
情報2として記憶する。更に起点信号に関する情報を入
力する場合には、ループし同様の処理を繰り返す。
【0031】図7の検索条件の入力の処理において、操
作者は順次その特徴を示す時刻範囲上限TS、下限TE
及び起点信号の信号値又は信号値の変化Vを入力する。
入力されたこれらを検索条件18として記憶する。検索
条件18は、後述する図43の起点信号検索処理におい
て用いられる。
【0032】図8の一の起点信号に対する処理におい
て、一の起点信号に対しバックトレース処理、原因判定
処理を行い、トレース継続信号選択処理によって発生原
因でない入力信号のうちトレースを継続すべき信号を選
択し、トレース継続信号情報として記憶する。次に、未
処理のトレース継続信号をトレース信号として再びバッ
クトレース処理、原因判定処理、トレース継続信号選択
処理を行い、更にトレースを継続すべき信号を選択す
る。未処理のトレース継続信号がなくなるまでこれらの
処理繰り返す。このようにして、仮想モデル上の電子回
路を起点信号から信号伝播方向と逆方向へ漏れなくトレ
ースすることができる。
【0033】図9の複数の起点信号に対する処理におい
て、起点信号情報2に複数の起点信号に関する情報が含
まれている場合には、未処理の起点信号がなくなるまで
一の起点信号に対する処理を繰り返す。具体的に、特定
の固定理論値を示す信号を起点信号とする場合について
の実施の形態1を説明する。論理回路構成素子の接続情
報13を回路図に表わした図17の論理回路の例1にお
いて図18のタイミングチャートの例1に示す常時不定
となっている信号名Gを起点信号とする。操作者は図5
の起点信号入力の処理において起点信号の直接指定を選
択し(ステップ51)、図6の起点信号の直接指定の処
理において起点信号名S1に“G”を、起点信号のシミ
ュレーション時刻情報T(S1=G)に“T1”を、起
点信号の信号値又は信号の変化V(S1=G)に“U”
(不定値を意味する。)をそれぞれ入力する(ステップ
61〜63)。これらは、起点信号情報2として記憶さ
れ、図19のようになる(ステップ64)。
【0034】次に、図8の一の起点信号に対する処理を
行う(ステップ91)。
【0035】図10のバックトレース処理において(ス
テップ81)、起点信号をトレース信号として、起点信
号情報2より、図20に示すように、記憶領域のトレー
ス信号の信号名Tに“G”を、シミュレーション時刻T
(T)に“T1”を、及び信号値又は信号値の変化V
(T)に“U”を記憶する(ステップ102、10
4)。論理回路構成素子の接続情報13を参照し、トレ
ース信号“G”の出力素子“ハ”を導き出し、記憶領域
の出力素子Pに“ハ”を記憶する(ステップ105)。
論理回路構成素子の接続情報13を参照し、出力素子
“ハ”の入力ピン数“2”を導き出す。従って、以降の
処理を2回行う(ステップ106)。論理回路構成素子
の接続情報13を参照し、出力素子“ハ”の入力信号
“E”、“F”を導き出し、記憶領域の入力信号の信号
名D1に“E”を、D2に“F”を記憶する(ステップ
107)。回路テクノロジ情報14と信号伝播の遅延時
間15を参照し、入力信号のピン毎の信号伝播における
遅延時間“DL1”、“DL1”を導き出し、トレース
信号のシミュレーション時刻“T1”からその遅延時間
を遡った時刻“T2←T1−DL1”、“T2←T1−
DL1”を算出し、記憶領域の入力信号のシミュレーシ
ョン時刻T(D1)に“T2”を、T(D2)に“T
2”を記憶する(ステップ107)。シミュレーション
の履歴情報5を参照し、信号名“E”、“F”のシミュ
レーション時刻“T2”、“T2”における信号値
“0”、“U”を導き出し、記憶領域の入力信号の信号
値又は信号値の変化V(D1)に“0”を、V(D2)
に“U”を記憶する(ステップ107)。トレース信号
の信号名Tを除き、図20に示す記憶領域の情報を、図
21のようにトレース結果情報6として記憶して(ステ
ップ109)、バックトレース処理を終了する。
【0036】次に、図11の原因判定処理において(ス
テップ82)、トレース結果情報6を入力する(ステッ
プ111)。バックトレース処理と同様に以降の処理を
ピン数つまり入力信号数“2”回行う(ステップ11
2)。図44の発生原因判定ルールを参照し、入力信号
毎に発生原因であるかを判断する(ステップ113)。
V(T)は、“U”であり、出力素子P“ハ”はOR素
子であり、素子の種類は“組み合わせ回路素子”であ
る。D1は“E”であり、V(D1)は“0”である。
従って、発生原因判定ルールの条件には一致せず、
“E”は発生原因でないと判定される(ステップ11
4)。また、D2は“F”であり、V(D2)は“U”
でり、同様に“F”は発生原因でないと判定される(ス
テップ114)。“E”、“F”の信号に関連する情
報、トレース信号の信号値又は信号値の変化V(T)及
び出力素子Pを、図22に示すように、非原因信号情報
10として記憶して(ステップ115)、原因判定処理
を終了する。
【0037】次に、図12のトレース対象選択処理にお
いて(ステップ83)、非原因信号情報10を入力する
(ステップ121)。以降の処理を非原因信号情報中の
発生原因でない入力信号の数“2”回行う。図44の発
生関連判定ルールを参照し、入力信号毎に発生に関連す
るかを判断する(ステップ122)。V(T)は、
“U”であり、V(D1)は“0”である。従って、発
生関連判定ルールの条件には一致せず、“E”は発生に
関連しないと判定され、“E”の信号に関連する情報
は、トレース継続信号情報12として記憶しない(ステ
ップ123、124)。一方、V(D2)は“U”であ
り、発生関連判定ルールの条件B1に一致する。“F”
は発生に関連すると判定され(ステップ123、12
4)、図23に示すように、“F”の信号に関連する情
報をトレース継続信号情報12として記憶し(ステップ
125)、トレース対象選択処理を終了する。
【0038】図8において、未処理のトレース継続信号
“F”が存在するので、ループ処理を行う(ステップ8
4)。
【0039】次に、図10において、トレース継続信号
“F”をトレース信号として(ステップ103)、トレ
ース継続信号情報12より、図24に示すように、記憶
領域のトレース信号の信号名Tに“F”を、シミュレー
ション時刻T(T)に“T2”を、及び信号値又は信号
値の変化V(T)に“U”を記憶する(ステップ10
4)。1回目と同様にバックトレース処理を行うと記憶
領域は、図24のようになり(ステップ104)、図2
5に示すようなトレース結果情報を記憶して(ステップ
109)、バックトレース処理を終了する。尚、“D”
の信号値V(D2)には、高インピーダンス状態を示す
“Z”が記憶されている。
【0040】次に、図11において、1回目と同様に原
因判定処理を行う(ステップ82)。V(T)は、
“U”であり、出力素子P“ロ”はAND素子であり、
素子の種類は“組み合わせ回路素子”である。D1は
“C”であり、V(D1)は“1”である。従って、発
生原因判定ルールの条件には一致せず、“C”は発生原
因でないと判定される(ステップ113、114)。
“C”の信号に関連する情報、トレース信号の信号値又
は信号値の変化V(T)及び出力素子Pを図26に示す
ように非原因信号情報10として記憶する(ステップ1
15)。一方、D2は“D”であり、V(D2)は
“Z”であり、発生原因判定ルールの条件A1に一致す
る。“D”は発生原因と判定され(ステップ113、1
14)、信号名“D”、シミュレーション時刻“T3”
及び発生原因ルール中の条件“A1”を図27に示すよ
うに発生原因情報9として記憶し(ステップ116)、
原因判定処理を終了する。
【0041】次に、図12において、1回目と同様にト
レース継続信号選択処理を行う(ステップ84)。非原
因信号情報は図26のようになっており、V(T)は、
“U”であり、V(D1)は“1”である。従って、発
生関連判定ルールの条件には一致せず、“C”は発生に
関連しないと判定され(ステップ123)、“C”の信
号に関連する情報は、トレース継続信号情報12として
記憶せずにトレース対象選択処理を終了する(ステップ
124)。
【0042】図8において、未処理のトレース継続信号
は存在しないので、ループ処理を行うことなく一の起点
信号に対する処理を終了する(ステップ84)。
【0043】起点信号は単数ゆえ、図9に示すループ処
理は行わないで終了する(ステップ92)。以上の処理
により、図27のような発生原因情報が記憶される。
【0044】実施の形態2.次に、特定の変化を示す信
号を起点信号とする場合についての実施の形態2を説明
する。論理回路構成素子の接続情報を回路図に表わした
図28の論理回路の例2において図29のタイミングチ
ャートに示す0から不定値に変化した信号Rを起点信号
とする。本実施の形態では、信号“H”、“J”間のタ
イミングエラー即ちセットアップタイムの不足が不定出
力値の発生原因である。
【0045】操作者は図5起点信号入力の処理において
起点信号の直接指定を選択し(ステップ51)、図6起
点信号の直接指定の処理において起点信号名S1に
“R”を、起点信号のシミュレーション時刻情報T(S
1=G)に“T4”を、起点信号の信号値又は信号の変
化V(S1=G)に“0U”(0から不定値への変化を
意味する。)をそれぞれ入力する(ステップ61〜6
3)。これらは、起点信号情報2として記憶され、図3
0のようになる(ステップ65)。
【0046】次に、図8の一の起点信号に対する処理を
行う(ステップ91)。
【0047】図10のバックトレース処理において(ス
テップ81)、起点信号をトレース信号として(ステッ
プ102)、起点信号情報2より、図31のように記憶
領域のトレース信号の信号名Tに“R”を、シミュレー
ション時刻T(T)に“T4”を、及び信号値又は信号
値の変化V(T)に“0U”を記憶する(ステップ10
4)。論理回路構成素子の接続情報13を参照し、トレ
ース信号“R”の出力素子“ト”を導き出し、記憶領域
の出力素子Pに“ト”を記憶する(ステップ105)。
論理回路構成素子の接続情報13を参照し、出力素子
“ト”の入力ピン数“2”を導き出す。従って、以降の
処理を2回行う(ステップ106)。論理回路構成素子
の接続情報13を参照し、出力素子“ト”の入力信号
“P”、“Q”を導き出し、記憶領域の入力信号の信号
名D1に“P”を、D2に“Q”を記憶する(ステップ
107)。回路テクノロジ情報14と信号伝播の遅延時
間15を参照し、入力信号のピン毎の信号伝播における
遅延時間“DL3”、“DL3”を導き出し、トレース
信号のシミュレーション時刻“T4”からその遅延時間
を遡った時刻“T5←T4−DL3”、“T5←T4−
DL3”を算出し、記憶領域の入力信号のシミュレーシ
ョン時刻T(D1)に“T5”を、T(D2)に“T
5”を記憶する(ステップ107)。シミュレーション
の履歴情報5を参照し、信号名“P”、“Q”のシミュ
レーション時刻“T5”、“T5”における信号値
“0”、“0U”を導き出し、記憶領域の入力信号の信
号値又は信号値の変化V(D1)に“0”を、V(D
2)に“0U”を記憶する(ステップ107)。トレー
ス信号の信号名Tとシミュレーション時刻T(T)を除
く図31に示す記憶領域の情報を、図32に示すように
トレース結果情報6として記憶して(ステップ10
9)、バックトレース処理を終了する。
【0048】次に、図11の原因判定処理において(ス
テップ82)、V(T)は、“0U”であり、出力素子
P“ト”の種類は“組み合わせ回路素子”である。D1
は“P”であり、V(D1)は“0”である。従って、
図44の発生原因判定ルール16の条件には一致せず、
“P”は発生原因でないと判定される(ステップ11
3)。D2は“Q”であり、V(D2)は“0U”で
り、同様に“Q”は発生原因でないと判定される(ステ
ップ113)。“P”、“Q”の信号に関連する情報、
トレース信号の信号値又は信号値の変化V(T)及び出
力素子Pを図33のような非原因信号情報10として記
憶して(ステップ115)、原因判定処理を終了する。
【0049】次に、図12のトレース対象選択処理にお
いて(ステップ83)、図44の発生関連判定ルール1
7を参照し、入力信号毎に発生に関連するかを判断する
(ステップ122)。V(T)は、“0U”であり、V
(D1)は“0”である。従って、発生関連判定ルール
17の条件には一致せず、“P”は発生に関連しないと
判定され(ステップ123)、“P”の信号に関連する
情報は、トレース継続信号情報12として記憶しない
(ステップ124)。一方、V(D2)は“0U”であ
り、発生関連判定ルール17の条件D1に一致する。
“Q”は発生に関連すると判定され(ステップ12
4)、“Q”の信号に関連する情報を図34のようなト
レース継続信号情報として記憶して(ステップ12
5)、トレース対象選択処理を終了する。
【0050】図8において、未処理のトレース継続信号
“Q”が存在するので、ループ処理を行う(ステップ8
4)。
【0051】図10のバックトレース処理(ステップ8
1)、図11の原因判定処理(ステップ82)、図12
のトレース対象選択処理(ステップ83)により、図3
4に示すトレース結果情報6、図35に示す非原因信号
情報10、図37に示すトレース継続信号情報12が記
憶される。
【0052】更に図8において、未処理のトレース継続
信号“N”が存在するので、ループ処理を行う(ステッ
プ84)。
【0053】図10のバックトレース処理において(ス
テップ81)、トレース継続信号“N”をトレース信号
として(ステップ103)、トレース継続信号情報12
より、図37に示すように記憶領域のトレース信号の信
号名Tに“N”を、シミュレーション時刻T(T)に
“T6”を、及び信号値又は信号値の変化V(T)に
“1U”を記憶する(ステップ104)。論理回路構成
素子の接続情報13を参照し、トレース信号“N”の出
力素子“二”を導き出し、記憶領域の出力素子Pに
“二”を記憶する(ステップ105)。論理回路構成素
子の接続情報13を参照し、出力素子“二”の入力信号
“H”、“J”を導き出し、記憶領域の入力信号の信号
名D1に“H”を、D2に“J”を記憶する(ステップ
107)。回路テクノロジ情報14と信号伝播の遅延時
間15を参照し、入力信号“J”の信号伝播における遅
延時間は、出力素子“二”がフリップフロップであるの
でクロック信号“J”の有効エッジから“N”の信号値
の変化までの時間“DL5”となる。従って、“T7”
がシミュレーション時刻となる(ステップ107)。一
方、入力信号“H”の信号値又は信号値の変化は、更に
フリップフロップのセットアップ時間“D6”だけ遡っ
た“T8”がシミュレーション時刻となる(ステップ1
07)。シミュレーションの履歴情報5を参照し、信号
名“H”、“J”のシミュレーション時刻“T8”、
“T7”における信号値“0”、“01”(“0”から
“1”への信号値の変化を意味する。)を導き出し、記
憶領域の入力信号の信号値又は信号値の変化V(D1)
に“0”を、V(D2)に“01”を記憶する(ステッ
プ107)。図39に示すトレース結果情報に記憶して
(ステップ109)。バックトレース処理を終了する。
【0054】次に、図11の原因判定処理において(ス
テップ82)、V(T)は、“1U”であり、出力素子
P“二”はフリップフロップであり、素子の種類は“順
次回路素子”である。V(D1)は“0”であり、V
(D2)は“01”であり、発生原因判定ルールの条件
C1に一致する。“H”、“J”は発生原因と判定され
(ステップ113)、信号名“H”、“J”、シミュレ
ーション時刻“T8”、“T7”及び発生原因ルール中
の条件“C1”を図40のように発生原因情報9として
記憶し(ステップ116)、原因判定処理を終了する。
【0055】非原因信号、未処理のトレース継続信号、
未処理の起点信号ともに存在しないため処理を終了する
(ステップ122、84、92)。
【0056】実施の形態3.次に、起点信号検索処理の
実施の形態3について説明する。論理回路構成素子の接
続情報を回路図に表わした図41の論理回路の例3にお
いて図42のタイミングチャートの例3に示す不定値か
ら“0”に変化した信号“D”を検索する例を説明す
る。
【0057】図7の検索条件の入力の処理により(ステ
ップ53)、図43のような検索条件18が与えられる
(ステップ71〜73)。
【0058】次に、図13の起点信号検索処理におい
て、検索条件18より、起点信号の信号値又は信号値の
変化Vに“U0”を、その特徴を示す時刻範囲の上限T
Sに“T10”を、下限TEに“T9”を記憶する(ス
テップ131)。論理回路構成素子の接続情報13を参
照し、最終段出力信号“m”、“n”、“o“、”
p“、”q“を導き出し検索継続信号情報20へ登録す
る(ステップ132)。
【0059】図14の一の検索継続信号に対する処理
(1)において、トレース信号Tを“m”とする(ステ
ップ141)。シミュレーションの履歴情報5から
“m”のシミュレーション時刻“T10”から“T9”
の区間の信号値をトレースする(ステップ142)。検
索条件の信号値の変化V“U0”と一致しないので(ス
テップ143)、図15の検索継続信号の登録処理に移
行する(ステップ144)。
【0060】図15の検索継続信号の登録処理において
(ステップ144)、論理回路構成素子の接続情報13
を参照し、トレース信号T“m”の出力素子P“ワ”を
導き出す(ステップ151)。出力素子P“ワ”は、検
索履歴情報19に未登録であるので(ステップ15
2)、論理回路構成素子の接続情報13を参照し、
“ワ”の全ての入力信号“k”を検索継続信号情報20
に登録する(ステップ153)。検索履歴情報19に出
力素子P“ワ”を登録する(ステップ154)。
【0061】同様に処理を繰り返し、最前段の入力信号
に到達するか又は検索条件18に信号が一致するまで、
信号伝播方向と逆方向へトレースが繰り返される。
【0062】上記検索処理状況を実行順に羅列したのが
図45である。信号“a”,“b”,“c”,“e”,
“f”の5つは検索条件の信号値の変化V“U0”に合
致していないため、さらに前段方向への検索が継続され
る(ステップ144、133)。信号“d”は検索条件
の信号値の変化V“U0”に合致する信号であるため、
図14一の検索継続信号に対する処理(1)において、
起点信号情報2のTに“d”を、V(T)に“U0”
を、信号値の変化のシミュレーション時刻T(T)に
“T11”を記憶し、前段へのトレースを終了し(ステ
ップ145)、次の検索継続信号に対す処理に移行する
(ステップ133)。
【0063】検索信号T“k”の出力素子P“ヲ”、検
索信号T“o”,“p”,“q”の出力素子P“カ”に
ついては、既に検索履歴情報19に登録済のため、前段
へのトレースを終了し(ステップ152)、次の検索継
続信号に対す処理に移行する(ステップ133)。これ
により無駄なトレースが省かれ、検証効率が向上する。
【0064】図15における一の検索継続信号に対する
処理(ステップ133)は、図16の一の検索継続信号
に対する処理(2)に示すように検索履歴情報19に出
力素子ではなく検索信号を登録する方法もある(ステッ
プ166)。この方法によれば、検索信号の重複を排除
できるため、多くの素子の入力信号となっている信号即
ちファイナウントの大きい信号を多数含む電子回路にお
いて、検索効率が向上する利点を有する。
【0065】
【発明の効果】発明においては、特徴的な信号を起点信
号とするため、不定信号の伝播やハザードの発生等の不
具合を直接的に原因解析できる。また、バックトレース
の結果得られた前段の信号を順次トレースの対象とし、
トレース信号伝播方向と逆方向に繰り返しトレースする
ので、不具合を含む信号を仮想モデル上の電子回路の信
号伝播の履歴より遡って、自動的に漏れなく追跡でき、
全ての不具合発生原因を直接発見することができる。こ
れにより不具合の解析が、格段に容易になる。
【0066】本発明においては、信号伝播の遅延時間を
遡って入力信号を抽出するため、解析の対象となる素子
への入力信号を正確に抽出でき、素子の属性と組み合わ
せることにより、素子の属性に応じた的確な機能検証あ
るいは論理検証をすることができる。
【0067】本発明においては、入力信号の変化に基づ
き、不具合の発生原因を判定するため、タイミング違反
等に起因する不具合発生原因を自動的に発見することが
できる。これにより不具合の解析が容易になる。
【0068】本発明においては、バックトレースにおい
てシミュレーションの履歴情報を用いるため、信号の伝
播を回路全体に渡り正確に再現できる。また、シミュレ
ーションを繰り返す必要がないため、検証時間を短縮す
ることができる。
【0069】本発明おいては、発生原因を判定するルー
ルをデータベースとするため、あらかじめ定められた判
定の条件を繰り返し用いることができ、大規模な論理回
路や複雑な論理回路においても判定の誤りがなくなる。
また、プログラムと分離できるため、不具合信号の内容
や回路を構成する素子の追加や変更に応じた判定条件の
変更や改善等も容易に行うことができる。これにより検
証が効率化され、解析が容易になる。
【0070】本発明においては、不具合の発生に関連す
る信号のみを順次トレースの対象とし無駄なトレースを
省くため、検証の効率化が図れ、解析時間を短縮するこ
とができる。例えば、起点信号が不定値の場合、“0”
あるいは“1”の確定値を有する入力信号は追跡する必
要はなく、また、ハザードを起こしている場合、ハザー
ドのない素子の入力信号も追跡する必要がなく、自動的
にトレースの対象から除外することにより、それらの入
力信号の前段以前の信号についてのトレースを省略する
ことができ、検証の効率化が図られる。
【0071】本発明においては、不具合の発生に関連す
る信号の判定を信号伝播の遅延時間を遡った入力信号を
用いて行うため、素子の属性に応じた的確な判定がで
き、検証の信頼性を高めるとともに、検証の効率化を図
ることができる。
【0072】本発明においては、信号値の変化により不
具合の発生に関連する信号の判定を行うため、信号値の
変化を伴う不具合の解析においても、不具合信号の発生
原因を的確に追跡することができる。
【0073】本発明おいては、発生に関連する信号を判
定するルールをデータベースとするため、あらかじめ定
められた判定の条件を繰り返し用いることができ、大規
模な論理回路や複雑な論理回路においても判定の誤りが
なくなる。また、プログラムと分離できるため、不具合
信号の内容や回路を構成する素子の追加や変更に応じた
判定条件の変更や改善等も容易に行うことができる。こ
れにより検証が効率化され、解析が容易になる。
【0074】本発明においては、起点信号の特徴および
その特徴を示す時刻範囲を条件として、起点信号を漏れ
なく高速に検索し、検索された信号を起点信号とするた
め、仮想モデル上の電子回路を操作者の意図した条件に
従って、網羅的かつ効率的に検証することができ、仮想
モデル上の電子回路の検証の信頼性が向上する。
【0075】本発明においては、起点信号の特徴を特定
の固定理論値を示すこととして、バックトレースし、原
因判定するため、不定値の信号値が発生している場合
に、その不定値の信号を追跡し、高インピーダンス状態
の入力信号等を発生原因として直接発見することなどが
できる。
【0076】本発明においては、起点信号の特徴を信号
値が特定の変化を示すこととして、バックトレースし、
原因判定するため、固定値から不定値に変化する信号が
発生している場合に、その信号値の変化を追跡し、フリ
ップフロップなどの順序回路素子がタイミング違反を起
こしている等の発生原因を直接発見することができる。
【0077】以上のように、本発明においては、検証を
効率化し、解析を容易化することにより、近年大規模
化、複雑化する電子回路の機能検証あるいは論理検証の
問題点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能論理検証システムの概略図であ
る。
【図2】 本発明の機能論理検証システムのバックトレ
ース部と原因判定部を中心とした構成図である。
【図3】 本発明の機能論理検証システムのトレース継
続信号選択部を中心とした構成図である。
【図4】 本発明の機能論理検証システムの起点信号検
索部を中心とした構成図である。
【図5】 起点信号入力の処理フローチャート図であ
る。
【図6】 起点信号の直接指定の処理フローチャート図
である。
【図7】 検索条件の入力の処理フローチャート図であ
る。
【図8】 一の起点信号に対する処理フローチャート図
である。
【図9】 複数の起点信号に対する処理フローチャート
図である。
【図10】 バックトレース処理フローチャート図であ
る。
【図11】 原因判定処理フローチャート図である。
【図12】 トレース対象選択処理フローチャート図で
ある。
【図13】 起点信号検索処理フローチャート図であ
る。
【図14】 一の検索継続信号に対する処理(1)フロ
ーチャート図である。
【図15】 検索継続信号情報の登録処理フローチャー
ト図である。
【図16】 一の検索継続信号に対する処理(2)フロ
ーチャート図である。
【図17】 実施の形態1における論理回路の図であ
る。
【図18】 実施の形態1におけるタイミングチャート
図である。
【図19】 実施の形態1における起点信号情報の図で
ある。
【図20】 実施の形態1におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図21】 実施の形態1におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図22】 実施の形態1における非原因信号情報の図
である。
【図23】 実施の形態1におけるトレース継続信号情
報の図である。
【図24】 実施の形態1におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図25】 実施の形態1におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図26】 実施の形態1における非原因信号情報の図
である。
【図27】 実施の形態1における発生原因情報の図で
ある。
【図28】 実施の形態2における論理回路の図であ
る。
【図29】 実施の形態2におけるタイミングチャート
図である。
【図30】 実施の形態2における起点信号情報の図で
ある。
【図31】 実施の形態2におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図32】 実施の形態2におけるトレース結果情報の
図である。
【図33】 実施の形態2における非原因信号情報の図
である。
【図34】 実施の形態2におけるトレース結果情報の
図である。
【図35】 実施の形態2における非原因信号情報の図
である。
【図36】 実施の形態2におけるトレース継続信号情
報の図である。
【図37】 実施の形態2におけるトレース継続信号情
報の図である。
【図38】 実施の形態2におけるバックトレース部の
記憶領域の図である。
【図39】 実施の形態2におけるトレース結果情報の
図である。
【図40】 実施の形態2における発生原因情報の図で
ある。
【図41】 実施の形態3における論理回路の図であ
る。
【図42】 実施の形態3におけるタイミングチャート
図である。
【図43】 実施の形態3における検索条件の図であ
る。
【図44】 ルールのデータベースの内容を表わした表
図である。
【図45】 起点情報検索の結果の表図である。
【符号の説明】
1 起点信号入力部、2 起点信号情報、3 バックト
レース部、4 仮想モデル情報、5 シミュレーション
の履歴情報、6 トレース結果情報、7 原因判定部、
8 ルールのデータベース、9 発生原因情報、10
非原因信号情報、11 トレース継続信号選択部、12
トレース継続信号情報、13 論理回路構成素子の接
続情報、14 回路のテクノロジ情報、15 信号伝播
の遅延時間情報、16 発生原因判定ルール、17 発
生関連判定ルール、18 検索条件、19 検索履歴情
報、20 検索継続信号情報、21 起点信号検索部、
A〜R,a〜q 信号線、イ〜カ 回路を構成する素
子、DL1〜DL6 信号伝播の遅延時間、T1〜T1
0 サンプリング時刻。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数素子の組み合わせにより構成される
    電子回路をコンピュータ上の仮想モデルとして実現し、
    当該仮想モデルの正当性をシミュレーションにて検証す
    る電子回路機能論理検証支援システムにおいて、 仮想モデル上の特徴的な信号を起点信号とし、仮想モデ
    ル上の電子回路を信号伝播方向と逆方向にトレースする
    バックトレース部のトレース結果により、起点信号の特
    徴の発生原因を判定する原因判定部とを有することを特
    徴とする電子回路機能論理検証支援システム。
  2. 【請求項2】 バックトレース部は、トレース信号の出
    力素子と信号伝播の遅延時間を遡った時刻のその出力素
    子への入力信号値を抽出し、原因判定部は、その出力素
    子と入力信号値に基づき起点信号の特徴の発生原因を判
    定することを特徴とする請求項1記載の電子回路機能論
    理検証支援システム。
  3. 【請求項3】 バックトレース部は、入力信号値の変化
    を抽出し、原因判定部は、その入力信号値の変化に基づ
    き起点信号の特徴の発生原因を判定することを特徴とす
    る請求項2記載の電子回路機能論理検証支援システム。
  4. 【請求項4】 バックトレース部は、シミュレーション
    の履歴情報を用いることを特徴とする請求項1記載の電
    子回路機能論理検証支援システム。
  5. 【請求項5】 電子回路機能論理検証支援システムは、
    起点信号の特徴の発生原因を判定するルールをデータベ
    ースとして具備することを特徴とする請求項1記載の電
    子回路機能論理検証支援システム。
  6. 【請求項6】 電子回路機能論理検証支援システムは、
    起点信号の特徴の発生に関連する信号をトレース継続信
    号として選択するトレース継続信号選択部を有すること
    を特徴とする請求項1記載の電子回路機能論理検証支援
    システム。
  7. 【請求項7】 トレース継続信号選択部は、起点信号の
    特徴の発生に関連する信号を、信号伝播の遅延時間を遡
    った時刻の信号値により判定することを特徴とする請求
    項6記載の電子回路機能論理検証支援システム。
  8. 【請求項8】 トレース継続信号選択部は、信号値の変
    化により判定することを特徴とする請求項7記載の電子
    回路機能論理検証支援システム。
  9. 【請求項9】 電子回路機能論理検証支援システムは、
    起点信号の特徴の発生に関連する信号であると判定する
    ルールをデータベースとして具備することを特徴とする
    請求項6記載の電子回路機能論理検証支援システム。
  10. 【請求項10】 機能論理支援システムは、起点信号の
    特徴およびその特徴を示す時刻範囲を条件として、起点
    信号を検索する起点信号検索部を有し、検索された信号
    を起点信号とすることを特徴とする請求項1記載の電子
    回路機能論理検証支援システム。
  11. 【請求項11】 バックトレース部は、特徴的な信号と
    して特定の固定論理値を示す信号を起点信号とし、原因
    判定部は、起点信号の特徴を特定の固定論理値を示すこ
    ととして発生原因を判定することを特徴とする請求項1
    記載の電子回路機能論理検証支援システム。
  12. 【請求項12】 バックトレース部は、特徴的な信号と
    して特定の変化を示す信号を起点信号とし、原因判定部
    は、起点信号の特徴を特定の変化を示すこととして発生
    原因を判定することを特徴とする請求項1記載の電子回
    路機能論理検証支援システム。
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