JP2000111435A - 燃焼圧センサ - Google Patents

燃焼圧センサ

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JP2000111435A
JP2000111435A JP10286201A JP28620198A JP2000111435A JP 2000111435 A JP2000111435 A JP 2000111435A JP 10286201 A JP10286201 A JP 10286201A JP 28620198 A JP28620198 A JP 28620198A JP 2000111435 A JP2000111435 A JP 2000111435A
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JP
Japan
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diaphragm
pressure
combustion
pressure sensor
combustion pressure
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Application number
JP10286201A
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English (en)
Inventor
Toshio Kaneko
俊夫 金子
Hiroshi Otsuki
浩 大槻
Takao Tsutaya
孝夫 蔦谷
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Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサ素子を有する素子部ダイヤフラムを均
一に変形させることが可能であり、また、使用環境下で
の温度に影響されることのない燃焼圧センサを提供す
る。 【解決手段】 燃焼圧センサ32は、一方の面33aに
センサ素子39を有する変形可能な素子部ダイヤフラム
33と、その素子部ダイヤフラム33の他方の面33b
側であって素子部ダイヤフラム33よりも燃焼室側に配
設され、燃焼室からの燃焼圧を一方の面36aで受ける
変形可能な受圧ダイヤフラム36とを備えて略筒状に構
成するとともに、素子部ダイヤフラム33の他方の面3
3bと受圧ダイヤフラム36の他方の面36bとで内部
空間43が形成され、さらには受圧ダイヤフラム36で
受けた燃焼圧を受圧ダイヤフラム36の変位量に応じて
素子部ダイヤフラム33へ伝達させることを可能とした
圧力伝達部材38を内部空間43内に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
シリンダ内等の燃焼圧力等を測定するために用いられる
燃焼圧センサに関し、特に、センサ素子を有する素子部
ダイヤフラムを均一に変形させることが可能であり、ま
た、使用環境下での温度に影響されることのない燃焼圧
センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼圧センサは、例えばディーゼルエン
ジンにおけるシリンダ内の爆発により生じる燃焼圧力等
の圧力を計測するために用いられており、高速でくり返
されるシリンダ内の爆発状態を連続的に電気出力し、そ
の電気出力に基づいて計測された圧力波形によってエン
ジンの性能評価等を行うようになっている。
【0003】即ち、既知の如く、吸入、圧縮、爆発、排
気の順の繰り返しがなされているエンジンの性能確認
上、燃焼圧センサを介して上記圧力波形を計測すること
は重要なことであり、エンジンの最高出力、及び燃料噴
射時期等の確認、さらには波形解析による燃焼部の損傷
チェック、メンテナンス時期の把握などに利用されてい
る。
【0004】上記燃焼圧センサとしては、図7に示さ
れ、次のように説明される構成のものが一般的に知られ
ている。図7において、引用符号1は燃焼圧センサを示
しており、センサ素子2を有する素子部ダイヤフラム3
が金属製のセンサ本体部4に一体に形成され、有底の筒
体状に構成されている。また、引用符号5は、例えばデ
ィーゼルエンジンのシリンダヘッドの一部を示してお
り、燃焼圧センサ1が螺合する取付固定部6が形成され
ている。
【0005】上記センサ素子2は、特に図示はしない
が、複数の歪ゲージを素子部ダイヤフラム3に貼り付け
てブリッジ状に構成したものであり、素子部ダイヤフラ
ム3が燃焼圧力等を受けて変位、変形することにより歪
ゲージに抵抗変化が生じるようになっている。そして、
その抵抗変化に基づく電圧変化を電圧信号として出力
し、圧力波形を計測できるようになっている。
【0006】上記素子部ダイヤフラム3は、上記センサ
本体部4の一端を閉塞するように設けられており、図示
しない燃焼室からの燃焼圧力等を受けると、その圧力に
応じて変形可能な板厚に形成されている。センサ本体部
4の内部における他端から中間部には、雌ねじ7が形成
されており、センサ本体部4が上記取付固定部6の雄ね
じ8に螺合すると、センサ本体部4には内部空間9が形
成されるようになっている。
【0007】一方、取付固定部6には、上記燃焼圧力が
伝達される伝達孔10が形成されており、内部空間9に
対する開口端には、その内部空間9に向けて拡開するテ
ーパ部11が周設されている。
【0008】以上のように構成された燃焼圧センサ1の
作用を説明すると、図示しない燃焼室からの燃焼圧力
は、伝達孔10を介して内部空間9に伝達され、素子部
ダイヤフラム3がその圧力に応じて変形する。そして、
その変形に伴い、センサ素子2の上記歪ゲージに引張方
向の力が作用し、抵抗変化を生じさせる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術にあって
は、正確な測定値が得られるように、素子部ダイヤフラ
ム3の直径よりも十分に小さい直径の伝達孔10、及び
テーパ部11を設けて素子部ダイヤフラム3に燃焼圧力
等が均一に作用するよう構成されている。
【0010】しかし、このような伝達孔10及びテーパ
部11を設けたとしても、素子部ダイヤフラム3に燃焼
圧力等が必ずしも均一に作用するとは限らず、計測値に
誤差を生じさせる恐れがある。即ち、例えば燃焼圧力の
成分は全て同じ方向及び大きさとなるわけではなく、ま
た、伝達孔10の開口端から素子部ダイヤフラム3まで
の距離も異なるため、場合によっては、素子部ダイヤフ
ラム3がその中心に対して対称に変形せず、ヒステリシ
スや素子部ダイヤフラム3に対称に設けられたセンサ素
子2の出力に影響を及ぼすこととなり、その結果、計測
値に誤差を生じさせてしまう。
【0011】一方、素子部ダイヤフラム3には、上記燃
焼圧力とともに高い温度が作用することになり、その温
度作用によってセンサ素子2の特性に影響を来す恐れが
ある。冷却水を用いて冷却する対策方法もあるが、例え
ば船舶用のディーゼルエンジンの場合では冷却水を調達
することが困難であるので、汎用性のある対策にはなっ
ていないと言える。
【0012】本発明は、上述した事情に鑑み、センサ素
子を有する素子部ダイヤフラムを均一に変形させること
が可能であり、また、使用環境下での温度に影響される
ことのない燃焼圧センサを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の本発明の燃焼圧センサは、一方
の面にセンサ素子を有する変形可能な素子部ダイヤフラ
ムと、該素子部ダイヤフラムの前記一方の面に対する他
方の面側であって前記素子部ダイヤフラムよりも燃焼室
側に配設され、該燃焼室からの圧力を一方の面で受ける
変形可能な受圧ダイヤフラムとを備えて略筒状に構成す
るとともに、前記素子部ダイヤフラムの前記他方の面と
前記受圧ダイヤフラムの前記一方の面に対する他方の面
とで内部空間が形成され、さらには前記受圧ダイヤフラ
ムで受けた前記圧力を該受圧ダイヤフラムの変位量に応
じて前記素子部ダイヤフラムへ伝達させることを可能と
した圧力伝達部材を前記内部空間内に設けることを特徴
としている。
【0014】上記構成において、受圧ダイヤフラムに燃
焼圧力等の圧力(以下、単に燃焼圧と略記する)が印加
されると、その燃焼圧に応じて受圧ダイヤフラムが変形
変位することになる。そして、受圧ダイヤフラムの変位
量に応じて圧力伝達部材が移動し、燃焼圧を素子部ダイ
ヤフラムへ伝達する。これにより、素子部ダイヤフラム
が変形し、センサ素子を歪ませる。従って、素子部ダイ
ヤフラムには、受圧ダイヤフラムに印加された燃焼圧が
圧力伝達部材を介して作用することになるので、常に素
子部ダイヤフラムを均一に変形させ、正確な計測値を得
ることができる。また、素子部ダイヤフラムと受圧ダイ
ヤフラムとの間に内部空間が形成されているので、熱作
用がセンサ素子に伝わりにくくなり、センサ素子の特性
を低下させることはない。従って、センサ素子の特性を
良好な状態で維持することができる。
【0015】請求項2記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項1に記載の燃焼圧センサにおいて、前記圧力伝達
部材は、前記素子部ダイヤフラムと前記受圧ダイヤフラ
ムとを連結する略棒状に形成され、前記素子部ダイヤフ
ラムの軸線上に配置されることを特徴としている。
【0016】上記構成において、圧力伝達部材は、素子
部ダイヤフラムと受圧ダイヤフラムとを連結する略棒状
に形成され、また、素子部ダイヤフラムの軸線上に配置
されるので、直線性がよくヒステリシスにも影響を来す
ことはない。従って、このような圧力伝達部材によって
受圧ダイヤフラムに印加された燃焼圧を素子部ダイヤフ
ラムに均一に作用させることができ、正確な計測値を得
ることができる。
【0017】請求項3記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項2に記載の燃焼圧センサにおいて、前記素子部ダ
イヤフラムの前記他方の面と前記受圧ダイヤフラムの前
記他方の面は対向する突起を有し、前記圧力伝達部材の
前記素子部ダイヤフラム側及び前記受圧ダイヤフラム側
となる各端部には、前記突起との圧入を可能とする凹部
を形成することを特徴としている。
【0018】上記構成において、圧力伝達部材は、突起
を介して素子部ダイヤフラムと受圧ダイヤフラムとを連
結している。従って、作用点のズレがなく、受圧ダイヤ
フラムに印加された燃焼圧を素子部ダイヤフラムに均一
に作用させることができ、正確な計測値を得ることがで
きる。
【0019】請求項4記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項1に記載の燃焼圧センサにおいて、前記圧力伝達
部材は、前記内部空間を構成する内周壁を摺動するピス
トン状に形成され、かつ前記素子部ダイヤフラムの前記
他方の面又は前記圧力伝達部材の前記素子部ダイヤフラ
ムに対向する面に、前記素子部ダイヤフラムの軸線上に
突出する突起を設けることを特徴としている。
【0020】上記構成において、圧力伝達部材は、内部
空間を構成する内周壁を摺動するピストン状に形成さ
れ、かつ素子部ダイヤフラムの他方の面又は圧力伝達部
材の素子部ダイヤフラムに対向する面に、素子部ダイヤ
フラムの軸線上に突出する突起を設けているので、直線
性がよくヒステリシスにも影響を来すことはない。ま
た、圧力伝達部材をピストン状に形成することにより、
急激に印加される燃焼圧に対応することが可能になる。
従って、このような圧力伝達部材によって受圧ダイヤフ
ラムに印加された燃焼圧を素子部ダイヤフラムに均一に
作用させることができ、正確な計測値を得ることができ
る。
【0021】請求項5記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項4に記載の燃焼圧センサにおいて、前記圧力伝達
部材の直径は、前記素子部ダイヤフラムの直径と略同一
に形成されることを特徴としている。
【0022】上記構成において、圧力伝達部材の直径
は、素子部ダイヤフラムの直径と略同一に形成されてい
るので、上述同様、急激に印加される燃焼圧に対応する
ことが可能になる。従って、このような圧力伝達部材に
よって受圧ダイヤフラムに印加された燃焼圧を素子部ダ
イヤフラムに均一に作用させることができ、正確な計測
値を得ることができる。
【0023】請求項6記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項4又は請求項5に記載の燃焼圧センサにおいて、
前記受圧ダイヤフラムの前記一方及び前記他方の面の各
周縁に連続し、前記受圧ダイヤフラムの直径を前記内周
壁の直径よりも大きくさせるテーパ部を更に有すること
を特徴としている。
【0024】上記構成において、燃焼圧センサはテーパ
部を更に有しているので、受圧ダイヤフラムの有効面積
が大きくなるとともに、受圧ダイヤフラムの変位量も大
きくとることが可能になる。従って、温度作用による影
響が少なくなり、センサ素子の特性を良好な状態で維持
することができる。
【0025】請求項7記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項1ないし請求項6いずれか記載の燃焼圧センサに
おいて、前記圧力伝達部材は、前記内部空間を構成する
各部材よりも線膨張係数の小さい材料で形成されること
を特徴としている。
【0026】上記構成において、圧力伝達部材は、内部
空間を構成する各部材よりも線膨張係数の小さい材料で
形成されるので、圧力伝達部材の相対的な変化が小さく
なる。従って、温度作用による影響が少なくなり、正確
な計測値を得ることができる。
【0027】請求項8記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項1ないし請求項7いずれか記載の燃焼圧センサに
おいて、前記受圧ダイヤフラムは、前記素子部ダイヤフ
ラムよりも板厚が薄く形成されることを特徴としてい
る。
【0028】上記構成において、受圧ダイヤフラムは、
素子部ダイヤフラムよりも板厚が薄く形成されるので、
圧力伝達部材が温度作用を受けたとしても受圧ダイヤフ
ラムが熱膨張を吸収し、素子部ダイヤフラムに影響を及
ぼすことはない。従って、温度作用による影響が少なく
なり、正確な計測値を得ることができる。
【0029】請求項9記載の本発明の燃焼圧センサは、
請求項1ないし請求項8いずれか記載の燃焼圧センサに
おいて、前記素子部ダイヤフラムは該素子部ダイヤフラ
ムに対するホルダに保持され、該ホルダには前記素子部
ダイヤフラムが前記圧力伝達部材の作用する方向へ移動
してしまうのを規制することが可能な突出部材を形成す
ることを特徴としている。
【0030】上記構成において、突出部材が形成された
ホルダに素子部ダイヤフラムを保持させているので、素
子部ダイヤフラムは単に突出部材で押さえられているこ
とになる。従って、ホルダの熱歪による素子部ダイヤフ
ラムへの影響を極力抑えることができ、正確な計測値を
得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態を説明する。図1は本発明による燃焼圧セン
サが用いられる一例としての船舶用ディーゼルエンジン
の説明図を示しており、また、図2は図1の燃焼圧セン
サの一実施の形態を示す断面図、図3は図1の燃焼圧セ
ンサの他の一実施の形態を示す断面図を示している。
【0032】図1において、引用符号21は複数のシリ
ンダ22(特許請求の範囲に記載した燃焼室に相当)を
有する船舶用のディーゼルエンジンを示しており、吸入
用のバルブ23を介してシリンダ22内に吸入されたエ
アがピストン24により圧縮され、その圧縮の際に生じ
る熱によって、図示しない燃料噴射装置から噴射される
燃料が燃焼爆発してピストン24を押し下げた後、再度
上動してきたピストン24により、燃焼ガスが排気用の
バルブ25を介して排気されるようになっている。
【0033】また、ディーゼルエンジン21のシリンダ
ヘッド26には、シリンダ22内に連通する圧力伝達路
27が形成されており、その圧力伝達路27の端部に
は、燃焼圧センサ28が設けられている。燃焼圧センサ
28は、圧力伝達路27に設けられたバルブ29を常時
又は必要に応じて開くことにより、シリンダ22内で生
じた圧力を計測することが可能であって、リード線30
を介して計測用アンプ31に接続されている。
【0034】上記燃焼圧センサ28の一実施の形態を説
明する。燃焼圧センサ28は、図2の引用符号32に示
されるような形態にすることができる。
【0035】図2において、燃焼圧センサ32は、素子
部ダイヤフラム33を有するダイヤフラム形成体34
と、そのダイヤフラム形成体34に対するホルダ35
と、素子部ダイヤフラム33よりも前記シリンダ22側
に配置される受圧ダイヤフラム36と、受圧ダイヤフラ
ム36をホルダ35とで挟持するとともに相手側に取り
付けられる取付部材37と、素子部ダイヤフラム33及
び受圧ダイヤフラム36間に介在し、受圧ダイヤフラム
36に印可された圧力を素子部ダイヤフラム33へ伝達
する圧力伝達部材38とを備えて主に構成されており、
略円筒状に形成されている。
【0036】上記ダイヤフラム形成体34は、金属製で
あって有底の筒体状に形成されており、その底部分が上
記素子部ダイヤフラム33を構成するようになってい
る。素子部ダイヤフラム33は、変形可能な剛性を有し
ており、素子部ダイヤフラム33の一方の面33aに
は、センサ素子39が設けられている。
【0037】また、一方の面33aに対する他方の面3
3bには、素子部ダイヤフラム33の中央に位置し、図
示しない軸線上に沿って上記受圧ダイヤフラム36側に
適宜長さで突出する円柱状の突起40が一体に形成され
ている。
【0038】上記センサ素子39は、従来例で説明した
センサ素子2と同様に、複数の歪ゲージ41をブリッジ
状に構成したものであって、素子部ダイヤフラム33の
一方の面33aに適宜貼り付け手段により固定されてい
る。また、各歪ゲージ41は素子部ダイヤフラム33の
中央に対し、所定間隔をあけた状態で配置されている。
【0039】上記ホルダ35は、大径部35aと小径部
35bとを有するとともに、内外共に段部35c、35
dが形成された金属製の段付円筒状に構成されており、
大径部35aの内径とダイヤフラム形成体34の外径が
等しく、小径部35bの内径とダイヤフラム形成体34
の内径も等しくなっている。
【0040】また、ホルダ35とダイヤフラム形成体3
4は、段部35cとダイヤフラム形成体34の開口縁3
4aとで当接し、ホルダ35の大径部35a側の開口縁
35eと素子部ダイヤフラム33の一方の面33aとが
略同一面上に配置され、例えば電子ビーム溶接で互いに
強固に固定されている。
【0041】上記受圧ダイヤフラム36は、ホルダ35
の小径部35bに対応する外周の直径と同等の直径とな
る金属製の円板状に形成されており、その肉厚は素子部
ダイヤフラム33の肉厚よりも十分に薄く、仮に圧力伝
達部材38に熱作用が生じてもその膨張分等を受圧ダイ
ヤフラム36の変形で吸収できる厚さとなっている。
【0042】また、受圧ダイヤフラム36の一方の面3
6aは、平たんであって前記シリンダ22からの圧力が
印可され、他方の面36bには、受圧ダイヤフラム36
の中央に位置し、図示しない軸線上に沿って上記素子部
ダイヤフラム33側に適宜長さで突出する円柱状の突起
42が一体に形成されている。
【0043】上記取付部材37は、ホルダ35と同様
に、大径部37aと小径部37bとを有するとともに、
内外共に段部37c、37dが形成された金属製の段付
円筒状に構成されており、大径部37aの内径とホルダ
35の小径部35bの外径が等しく、小径部37bの内
径とダイヤフラム形成体34の内径及びホルダ35の小
径部35bの内径も等しくなっている。
【0044】また、取付部材37とホルダ35は、段部
37cとホルダ35の小径部35b側の開口縁35fと
で受圧ダイヤフラム36を気密に挟持するとともに、大
径部37a側の開口縁37eとホルダ35の段部35d
とが当接し、上記電子ビーム溶接等の適宜固定手段によ
って互いに強固に固定されている。
【0045】尚、取付部材37は、適宜固定手段によっ
て前記圧力伝達路27と接続されている。また、段部3
7dによって前記シリンダヘッド26に直接取り付ける
ことも可能である。
【0046】上記圧力伝達部材38は、素子部ダイヤフ
ラム33、受圧ダイヤフラム36、ダイヤフラム形成体
34の内壁34b、及びホルダ35の小径部35bによ
り区画された内部空間43内に設けられ、突起40及び
突起42を介して素子部ダイヤフラム33及び受圧ダイ
ヤフラム36を連結する略棒状に形成されており、圧力
伝達部材38の図示しない中心軸が前記軸上に配置され
るようになっている。
【0047】また、素子部ダイヤフラム33側及び受圧
ダイヤフラム36側となる各端部には、突起40及び突
起42を圧入する凹部38a、38bが形成されてい
る。
【0048】尚、圧力伝達部材38は、内部空間43を
構成する上記部材の線膨張係数よりも小さな線膨張係数
となる材料から製造されており、圧力伝達部材38の相
対的な変化を抑えるようになっている。
【0049】上記構成において、燃焼圧センサ32の作
用を説明する。図1で示されるシリンダ22内に生じる
燃焼圧等の圧力は、圧力伝達路27を介して図2に示さ
れる取付部材37の小径部37bにもかかり、その圧力
が受圧ダイヤフラム36の一方の面36aに印可され
る。すると受圧ダイヤフラム36が圧力に応じて変形
し、受圧ダイヤフラム36の変位量分だけ圧力伝達部材
38を素子部ダイヤフラム33側へストロークさせる。
これにより素子部ダイヤフラム33が変形し、センサ素
子39に歪が生じる。
【0050】以上説明したように、素子部ダイヤフラム
33には、受圧ダイヤフラム36に印加された圧力が圧
力伝達部材38を介して作用することになるので、常に
素子部ダイヤフラム33を均一な状態で変形させる。ま
た、突起40により作用点のズレもない。従って、正確
な計測値を得ることができるようになる。
【0051】一方、素子部ダイヤフラム33と受圧ダイ
ヤフラム36との間に内部空間43が形成されているの
で、熱作用がセンサ素子39に伝わりにくくなり、セン
サ素子39の特性を低下させることはない。従って、セ
ンサ素子39の特性を良好な状態で維持することができ
ることになる。
【0052】続いて、図3を参照しながら、図1で示さ
れた燃焼圧センサ28の他の一実施の形態を説明する。
【0053】図3において、引用符号51は燃焼圧セン
サを示しており、その燃焼圧センサ51は、素子部ダイ
ヤフラム52を有するダイヤフラム形成体53と、その
ダイヤフラム形成体53に対するホルダ54と、素子部
ダイヤフラム52よりも前記シリンダ22側に配置され
る受圧ダイヤフラム55と、受圧ダイヤフラム55をホ
ルダ54とで挟持するとともに相手側に取り付けられる
取付部材56と、素子部ダイヤフラム52及び受圧ダイ
ヤフラム55間に介在し、受圧ダイヤフラム55に印可
された圧力を素子部ダイヤフラム52へ伝達する圧力伝
達部材57とを備えて主に構成されており、略円筒状に
形成されるとともに、上記燃焼圧センサ32(図2参
照)よりも若干中心軸の直交方向へ大きく形成されてい
る。
【0054】上記ダイヤフラム形成体53は、金属製で
あって有底の筒体状に形成されており、その底部分が上
記素子部ダイヤフラム52を構成するようになってい
る。素子部ダイヤフラム52は、変形可能な剛性を有し
ており、素子部ダイヤフラム52の一方の面52aに
は、センサ素子58が設けられている。
【0055】また、一方の面52aに対する他方の面5
2bには、素子部ダイヤフラム52の中央に位置し、図
示しない軸線上に沿って上記受圧ダイヤフラム55側に
適宜長さで突出する円柱状の突起59が一体に形成され
ている。
【0056】上記センサ素子58は、上記センサ素子3
9と同様であって、複数の歪ゲージ60をブリッジ状に
構成したものであって、素子部ダイヤフラム52の一方
の面52aに適宜貼り付け手段により固定されている。
また、各歪ゲージ60は素子部ダイヤフラム52の中央
に対し、所定間隔をあけた状態で配置されている。
【0057】上記ホルダ54は金属製であって、内部に
大径内壁部54aと小径内壁部54bとを有するととも
に、段部54cが形成された縦断面視略コ字状に構成さ
れており、大径内壁部54aの内径とダイヤフラム形成
体53の外径が等しく、小径内壁部54bの内径とダイ
ヤフラム形成体53の内径も等しくなっている。
【0058】また、ホルダ54とダイヤフラム形成体5
3は、段部54cとダイヤフラム形成体53の開口縁5
3aとで当接し、ホルダ54の大径内壁部54a側の開
口縁54dと素子部ダイヤフラム52の一方の面52a
とが略同一面上に配置され、例えば電子ビーム溶接で互
いに強固に固定されている。
【0059】さらにまた、小径内壁部54b側の開口縁
54eには、受圧ダイヤフラム55側に拡開するテーパ
部61が周設されている。
【0060】上記受圧ダイヤフラム55は、ホルダ54
の外径と同等の直径となる金属製の円板状に形成されて
おり、その肉厚は素子部ダイヤフラム52の肉厚よりも
十分に薄く、仮に圧力伝達部材57に熱作用が生じても
その膨張分等を受圧ダイヤフラム55の変形で吸収でき
る厚さとなっている。本形態では上記受圧ダイヤフラム
36よりも薄く形成されている。
【0061】また、受圧ダイヤフラム55の一方の面5
5aと他方の面55bは、共に平たんであって、一方の
面55a側には前記シリンダ22からの圧力が印可さ
れ、他方の面55bは上記圧力伝達部材57が載置され
るようになっている。
【0062】上記取付部材56は、ホルダ54側にその
ホルダ54の外径と同じ長さで径方向に突出するフラン
ジ56aを有する略円筒状に形成されており、内壁56
bの径はダイヤフラム形成体53の内径及びホルダ54
の小径部54bの内径と等しくなっている。
【0063】また、フランジ56a側となる内壁56b
の開口端には、ホルダ54のテーパ部61と対称形状の
テーパ部62が形成されている。テーパ部61及び62
によって受圧ダイヤフラム55の有効面積が大きくなる
とともに、受圧ダイヤフラム55の変位量も大きくとる
ことができる。これにより、温度作用による影響が少な
くなり、センサ素子58の特性を良好な状態で維持する
ことができる。テーパ部61及び62は、受圧ダイヤフ
ラム55の変位の際のストッパとしても機能する。
【0064】さらにまた、取付部材56とホルダ54
は、フランジ56aとホルダ54の開口縁54eとで受
圧ダイヤフラム55を気密に挟持するとともに、上記電
子ビーム溶接等の適宜固定手段によって互いに強固に固
定されている。
【0065】尚、取付部材56は、適宜固定手段によっ
て前記圧力伝達路27と接続されている。また、前記シ
リンダヘッド26に直接取り付けることも可能である。
【0066】上記圧力伝達部材57は、素子部ダイヤフ
ラム52、受圧ダイヤフラム55、ダイヤフラム形成体
53の内壁53b、及びホルダ54の小径内壁部54b
により区画された内部空間63内に設けられ、内部空間
63の内周壁を構成する内壁53b及び小径内壁部54
bを摺動するピストン状に形成されており、恰も上記突
起59と受圧ダイヤフラム55とで挟持されているかの
ように配設されている。
【0067】上記構成において、燃焼圧センサ51の作
用を説明する。図1で示されるシリンダ22内に生じる
燃焼圧等の圧力は、圧力伝達路27を介して図3に示さ
れる取付部材56の内壁56bにもかかり、その圧力が
受圧ダイヤフラム55の一方の面55aに印可される。
すると受圧ダイヤフラム55が圧力に応じて変形し、受
圧ダイヤフラム55の変位量分だけ圧力伝達部材57を
素子部ダイヤフラム52側へストロークさせる。これに
より素子部ダイヤフラム52が変形し、センサ素子58
に歪が生じる。
【0068】以上説明したように、素子部ダイヤフラム
52には、受圧ダイヤフラム55に印加された圧力が圧
力伝達部材57を介して作用することになるので、常に
素子部ダイヤフラム52を均一な状態で変形させる。ま
た、突起59により作用点のズレもない。従って、正確
な計測値を得ることができるようになる。
【0069】一方、素子部ダイヤフラム52と受圧ダイ
ヤフラム55との間に内部空間63が形成されているの
で、熱作用がセンサ素子58に伝わりにくくなり、セン
サ素子58の特性を低下させることはない。従って、セ
ンサ素子58の特性を良好な状態で維持することができ
ることになる。
【0070】尚、上記突起59を圧力伝達部材57の素
子部ダイヤフラム52に対向する面に設けることも可能
である。また、圧力伝達部材57は図3に示される如く
の円柱状に限るものではなく、突起59を削除して素子
部ダイヤフラム52側に凸となる縦断面視略五角形状等
の適宜形状に形成することを可能とする。
【0071】続いて更に、図4を参照しながら、図3で
示された燃焼圧センサ51の他の実施例を説明する。図
4において、引用符号71は燃焼圧センサを示してお
り、上記燃焼圧センサ51に対し、上記ホルダ54のみ
が異なっている。他の部材は基本的に同一であるので、
同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】燃焼圧センサ71を構成するホルダ72
は、金属製であって内部に大径内壁部72aと小径内壁
部72bとを有するとともに、その大径内壁部72aと
小径内壁部72bとによって段部72cが形成された筒
体状に構成されており、大径内壁部72aの内径とダイ
ヤフラム形成体53の外径が等しく、小径内壁部72b
の内径とダイヤフラム形成体53の内径も等しくなって
いる。
【0073】また、ホルダ72とダイヤフラム形成体5
3は、段部72cとダイヤフラム形成体53の開口縁5
3aとで当接し、ホルダ72の大径内壁部72a側の開
口縁72dには、素子部ダイヤフラム52の一方の面5
2a側を押さえつける突出部材73が形成されている。
【0074】さらにまた、小径内壁部72b側の開口縁
72eには、受圧ダイヤフラム55側に拡開するテーパ
部61が周設されている。
【0075】上記突出部材73は、加締めにより形成さ
れるものであって、素子部ダイヤフラム52に印可され
る力によってダイヤフラム形成体53がホルダ72から
抜け出てしまわないだけの剛性を少なくとも有してい
る。ダイヤフラム形成体53が突出部材73により押さ
えつけられることにより、仮にホルダ72に熱歪が生じ
たとしても、素子部ダイヤフラム52に影響を来すこと
はない。
【0076】尚、ホルダ72を燃焼圧センサ71の中心
軸に直交する方向に分割可能な構造とすれば、突出部材
73を加締めによって形成しなくとも、より剛性の高い
突出部材にすることができる。
【0077】燃焼圧センサ71の作用は、上記燃焼圧セ
ンサ51の作用と同様であるので、ここでは省略する。
【0078】次に、上記燃焼圧センサ32等の出力に基
づいて計測された圧力波形を燃焼線図として表すととも
に、従来の燃焼圧センサ(例えば図7の従来例で説明し
たもの)の燃焼線図と比較して、更なる効果を説明す
る。
【0079】先ず、図5に示される燃焼線図は、従来の
燃焼圧センサ(例えば図7の従来例で説明したもの)の
出力に基づいて計測されたディーゼルエンジンにおける
圧縮及び爆発過程時の圧力波形を示しており、縦軸は燃
焼室内の圧力、横軸はクランク角度を表している。尚、
説明の都合上、既知内容ではあるが、以下にディーゼル
エンジンにおける燃料の燃焼過程を説明する。
【0080】ディーゼルエンジンは、高圧縮されて高温
になった空気中に燃料を噴射し、その燃料の自己発火に
よって燃焼を開始させるようになっており、第一期〜第
四期までの燃焼過程を経過する。第一期は図中引用符号
A(燃料噴射開始時)とB(着火時)で示される間のい
わゆる着火遅れ期間、第二期は図中引用符号BとCで示
される間の火炎伝搬期間、第三期は図中引用符号CとD
で示される間の直接燃焼期間、第四期は図中引用符号D
とEで示される間の後期燃焼期間であり、これらを経過
することによって燃焼がなされる。そして、引用符号B
で着火する際、又はこの引用符号B寄りの上記火炎伝搬
期間において、上死点を示すクランク角度となるように
制御されている。
【0081】ところで、燃焼部の損傷チェック、メンテ
ナンス時期の把握などは、従来例でも説明したように、
圧力波形を波形解析することにより行われている。そし
て、精度の面から、その圧力波形を極力滑らかにするた
めには、燃焼圧センサの出力に対するサンプリング間隔
をできるだけ短くする必要がある。これにより、例えば
上記着火時や、上記火炎伝搬期間での急激な圧力上昇を
より良く把握することができるようになる。しかしその
反面、データ蓄積量が膨大になって、その後の波形解析
の解析時間が増大してしまうことになる。
【0082】そこで、解析結果に影響を与えない部分、
即ち吸気時と排気時のデータを用いず、上記第一期〜第
四期までの燃焼過程を含んだ上記圧縮及び爆発過程時に
おける圧力波形を解析すれば、上記問題となった解析時
間を短縮することができるようになる。
【0083】しかし、エンジン内のピストン及びコンロ
ッドは若干のガタを持って組み付けられていることか
ら、そのガタ分がクランク角度の精度に影響を与えるこ
とになり、また、上記従来の燃焼圧センサにおいては、
内部空間(例えば図7の従来例で説明したもの)を有し
ていることから、その内部空間の影響により、燃焼圧が
素子部ダイヤフラムに均一に印可されるとは限らず、圧
縮開始時における圧力の掛かり始めに、上記燃焼圧セン
サの出力が実際の圧力に対してずれてしまう恐れがあ
る。従って、従来では図中引用符号Fで示される部分の
ように、クランク角度との関係が曖昧になり、波形解析
の解析結果に影響を来してしまうことは間違いない。
【0084】これに対し、上記燃焼圧センサ32等で
は、上述の如く、受圧ダイヤフラムで受けた圧力をその
受圧ダイヤフラムの変位量に応じて、センサ素子を有す
る素子部ダイヤフラムへ伝達させることができるように
構成されており、従来のような内部空間もないことか
ら、応答性が非常に良くなり、上述のようなずれを生じ
ることはない。また、引用符号Bで示される点は、点火
ポイントを確認する意味で重要であり、応答性の良いセ
ンサによる計測が必要となる。そして、図6に示される
ように、その引用符号Gに示される部分の波形が明確に
なる。従って、本発明の燃焼圧センサ32等を用いれ
ば、従来よりも解析結果の精度が格段に向上することに
なる。
【0085】その他、本発明は本発明の主旨を変えない
範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。尚、応用
の一例としては、シリンダヘッド等の物性的強度にもよ
るが、その一部を薄肉化して受圧ダイヤフラムを形成
し、圧力伝達部材、ダイヤフラム形成体等を設けて燃焼
圧センサを構成することも可能である。
【0086】以上説明したものは、内燃機関に適用する
ことを可能としているが、気体及び液体などの流体に幅
広く応用することのできる圧力センサであることは言う
までもない。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた本発明によれば、燃焼圧センサは、一方の面にセン
サ素子を有する変形可能な素子部ダイヤフラムと、その
素子部ダイヤフラムの一方の面に対する他方の面側であ
って素子部ダイヤフラムよりも燃焼室側に配設され、燃
焼室からの圧力を一方の面で受ける変形可能な受圧ダイ
ヤフラムとを備えて略筒状に構成するとともに、素子部
ダイヤフラムの他方の面と受圧ダイヤフラムの一方の面
に対する他方の面とで内部空間が形成され、さらには受
圧ダイヤフラムで受けた圧力を受圧ダイヤフラムの変位
量に応じて素子部ダイヤフラムへ伝達させることを可能
とした圧力伝達部材を内部空間内に設けることを特徴と
している。このように構成することで、受圧ダイヤフラ
ムに燃焼圧力等の圧力(以下、単に燃焼圧と略記する)
が印加されると、その燃焼圧に応じて受圧ダイヤフラム
が変形変位することになる。そして、受圧ダイヤフラム
の変位量に応じて圧力伝達部材が移動し、燃焼圧を素子
部ダイヤフラムへ伝達する。これにより、素子部ダイヤ
フラムが変形し、センサ素子を歪ませる。従って、素子
部ダイヤフラムには、受圧ダイヤフラムに印加された燃
焼圧が圧力伝達部材を介して作用することになるので、
常に素子部ダイヤフラムを均一に変形させ、正確な計測
値を得ることができるという効果を奏する。また、素子
部ダイヤフラムと受圧ダイヤフラムとの間に内部空間が
形成されているので、熱作用がセンサ素子に伝わりにく
くなり、センサ素子の特性を低下させることはない。従
って、センサ素子の特性を良好な状態で維持することが
できるという効果も奏する。
【0088】請求項2に記載された本発明によれば、圧
力伝達部材は、素子部ダイヤフラムと受圧ダイヤフラム
とを連結する略棒状に形成され、また、素子部ダイヤフ
ラムの軸線上に配置されるので、直線性がよくヒステリ
シスにも影響を来すことはない。従って、このような圧
力伝達部材によって受圧ダイヤフラムに印加された燃焼
圧を素子部ダイヤフラムに均一に作用させることがで
き、正確な計測値を得ることができるという効果を奏す
る。
【0089】請求項3に記載された本発明によれば、圧
力伝達部材は、突起を介して素子部ダイヤフラムと受圧
ダイヤフラムとを連結している。従って、作用点のズレ
がなく、受圧ダイヤフラムに印加された燃焼圧を素子部
ダイヤフラムに均一に作用させることができ、正確な計
測値を得ることができるという効果を奏する。
【0090】請求項4に記載された本発明によれば、圧
力伝達部材は、内部空間を構成する内周壁を摺動するピ
ストン状に形成され、かつ素子部ダイヤフラムの他方の
面又は圧力伝達部材の素子部ダイヤフラムに対向する面
に、素子部ダイヤフラムの軸線上に突出する突起を設け
ているので、直線性がよくヒステリシスにも影響を来す
ことはない。また、圧力伝達部材をピストン状に形成す
ることにより、急激に印可される燃焼圧に対応すること
が可能になる。従って、このような圧力伝達部材によっ
て受圧ダイヤフラムに印加された燃焼圧を素子部ダイヤ
フラムに均一に作用させることができ、正確な計測値を
得ることができるという効果を奏する。
【0091】請求項5に記載された本発明によれば、圧
力伝達部材の直径は、素子部ダイヤフラムの直径と略同
一に形成されているので、上述同様、急激に印可される
燃焼圧に対応することが可能になる。従って、このよう
な圧力伝達部材によって受圧ダイヤフラムに印加された
燃焼圧を素子部ダイヤフラムに均一に作用させることが
でき、正確な計測値を得ることができるという効果を奏
する。
【0092】請求項6に記載された本発明によれば、燃
焼圧センサはテーパ部を更に有しているので、受圧ダイ
ヤフラムの有効面積が大きくなるとともに、受圧ダイヤ
フラムの変位量も大きくとることが可能になる。従っ
て、温度作用による影響が少なくなり、センサ素子の特
性を良好な状態で維持することができるという効果を奏
する。
【0093】請求項7に記載された本発明によれば、圧
力伝達部材は、内部空間を構成する各部材よりも線膨張
係数の小さい材料で形成されるので、圧力伝達部材の相
対的な変化が小さくなる。従って、温度作用による影響
が少なくなり、正確な計測値を得ることができるという
効果を奏する。
【0094】請求項8に記載された本発明によれば、受
圧ダイヤフラムは、素子部ダイヤフラムよりも板厚が薄
く形成されるので、圧力伝達部材が温度作用を受けたと
しても受圧ダイヤフラムが熱膨張を吸収し、素子部ダイ
ヤフラムに影響を及ぼすことはない。従って、温度作用
による影響が少なくなり、正確な計測値を得ることがで
きるという効果を奏する。
【0095】請求項9に記載された本発明によれば、突
出部材が形成されたホルダに素子部ダイヤフラムを保持
させているので、素子部ダイヤフラムは単に突出部材で
押さえられていることになる。従って、ホルダの熱歪に
よる素子部ダイヤフラムへの影響を極力抑えることがで
き、正確な計測値を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃焼圧センサが用いられる一例と
しての船舶用ディーゼルエンジンの説明図である。
【図2】図1の燃焼圧センサの一実施の形態を示す断面
図である。
【図3】図1の燃焼圧センサの他の一実施の形態を示す
断面図である。
【図4】図3のホルダに突出部材を設けて素子部ダイヤ
フラムを保持した燃焼圧センサの断面図である。
【図5】従来の燃焼圧センサの燃焼線図である。
【図6】図5と対比するための本発明による燃焼圧セン
サの燃焼線図である。
【図7】従来例の燃焼圧センサの断面図である。
【符号の説明】
21 ディーゼルエンジン 22 シリンダ(燃焼室) 27 圧力伝達路 28 燃焼圧センサ 29 バルブ 31 計測用アンプ 32、51、71 燃焼圧センサ 33、52 素子部ダイヤフラム 34、53 ダイヤフラム形成体 35、54、72 ホルダ 36、55 受圧ダイヤフラム 37、56 取付部材 38、57 圧力伝達部材 38a、38b 凹部 39、58 センサ素子 40、42、59 突起 43、63 内部空間 61、62 テーパ部 73 突出部材
フロントページの続き (72)発明者 蔦谷 孝夫 東京都中野区若宮2丁目55番5号 株式会 社鷺宮製作所内 Fターム(参考) 2F055 AA23 BB11 CC02 DD01 EE11 EE18 FF02 FF13 FF14 FF15 GG12 3G084 AA01 DA04 FA21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面にセンサ素子を有する変形可能
    な素子部ダイヤフラムと、該素子部ダイヤフラムの前記
    一方の面に対する他方の面側であって前記素子部ダイヤ
    フラムよりも燃焼室側に配設され、該燃焼室からの圧力
    を一方の面で受ける変形可能な受圧ダイヤフラムとを備
    えて略筒状に構成するとともに、前記素子部ダイヤフラ
    ムの前記他方の面と前記受圧ダイヤフラムの前記一方の
    面に対する他方の面とで内部空間が形成され、さらには
    前記受圧ダイヤフラムで受けた前記圧力を該受圧ダイヤ
    フラムの変位量に応じて前記素子部ダイヤフラムへ伝達
    させることを可能とした圧力伝達部材を前記内部空間内
    に設けることを特徴とする燃焼圧センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃焼圧センサにおい
    て、 前記圧力伝達部材は、前記素子部ダイヤフラムと前記受
    圧ダイヤフラムとを連結する略棒状に形成され、前記素
    子部ダイヤフラムの軸線上に配置されることを特徴とす
    る燃焼圧センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の燃焼圧センサにおい
    て、 前記素子部ダイヤフラムの前記他方の面と前記受圧ダイ
    ヤフラムの前記他方の面は対向する突起を有し、前記圧
    力伝達部材の前記素子部ダイヤフラム側及び前記受圧ダ
    イヤフラム側となる各端部には、前記突起との圧入を可
    能とする凹部を形成することを特徴とする燃焼圧セン
    サ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の燃焼圧センサにおい
    て、 前記圧力伝達部材は、前記内部空間を構成する内周壁を
    摺動するピストン状に形成され、かつ前記素子部ダイヤ
    フラムの前記他方の面又は前記圧力伝達部材の前記素子
    部ダイヤフラムに対向する面に、前記素子部ダイヤフラ
    ムの軸線上に突出する突起を設けることを特徴とする燃
    焼圧センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の燃焼圧センサにおい
    て、 前記圧力伝達部材の直径は、前記素子部ダイヤフラムの
    直径と略同一に形成されることを特徴とする燃焼圧セン
    サ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の燃焼圧セ
    ンサにおいて、 前記受圧ダイヤフラムの前記一方及び前記他方の面の各
    周縁に連続し、前記受圧ダイヤフラムの直径を前記内周
    壁の直径よりも大きくさせるテーパ部を更に有すること
    を特徴とする燃焼圧センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6いずれか記載の
    燃焼圧センサにおいて、 前記圧力伝達部材は、前記内部空間を構成する各部材よ
    りも線膨張係数の小さい材料で形成されることを特徴と
    する燃焼圧センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7いずれか記載の
    燃焼圧センサにおいて、 前記受圧ダイヤフラムは、前記素子部ダイヤフラムより
    も板厚が薄く形成されることを特徴とする燃焼圧セン
    サ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8いずれか記載の
    燃焼圧センサにおいて、 前記素子部ダイヤフラムは該素子部ダイヤフラムに対す
    るホルダに保持され、該ホルダには前記素子部ダイヤフ
    ラムが前記圧力伝達部材の作用する方向へ移動してしま
    うのを規制することが可能な突出部材を形成することを
    特徴とする燃焼圧センサ。
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