JP2000110868A - ブレーキ装置とそれを用いたエレベータ装置 - Google Patents

ブレーキ装置とそれを用いたエレベータ装置

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JP2000110868A
JP2000110868A JP10282748A JP28274898A JP2000110868A JP 2000110868 A JP2000110868 A JP 2000110868A JP 10282748 A JP10282748 A JP 10282748A JP 28274898 A JP28274898 A JP 28274898A JP 2000110868 A JP2000110868 A JP 2000110868A
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brake
pressing
force
braked
braking
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JP10282748A
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English (en)
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Naoya Tanaka
直也 田中
Kimiaki Matsukawa
公映 松川
Ryuichi Kondo
隆一 近藤
Kazukatsu Nakamura
和且 中村
Kazuhiko Sugita
和彦 杉田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減速ショックを大幅に低減することができる
ブレーキ装置とこの装置が用いられたエレベータ装置の
提供。 【解決の手段】 ブレーキ装置において、ブレーキライ
ニングを離間させる1つの離間手段に対して2つのブレ
ーキライニングを設け、当該2つのブレーキライニング
を互いに独立して所定の押圧力で被制動部材に押付ける
第1押付手段と第2押付手段とを設け、第1押付手段の
被制動部材に対する押付動作中に第2の押付手段が第1
押付手段の押付動作と所定の時間差をもって押付動作す
るよう第2押付手段の押圧力に対抗する力を発生させる
遅延手段を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摩擦式ブレーキ
装置に関し、詳しくは、ブレーキライニングを弾性部材
で被制動部材に押付けてブレーキ力を発生させる共に、
当該押付による押圧力に対抗する力で、ブレーキライニ
ングを被制動部材から離間させてブレーキ力を解除する
ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば特開平5−296268号
公報に示された摩擦式の電磁ブレーキ装置の断面図であ
る。この装置ではブレーキシュー12がピン9を回転中
心としたアーム10を介して、ばね13の発生するばね
力により、ブレーキドラム4に押し付けられてブレーキ
力が発生する。一方、ブレーキ力を解除する場合には、
電磁マグネットを構成するコイル7に通電することによ
り、プランジャ8に電磁吸引力が作用して、ブレーキド
ラム4からブレーキシュー12が離間される。
【0003】従来のこの種のブレーキ装置は、基本的に
上記のような構成と動作とによりブレーキ力を制動対象
に作用させていた。しかし、上記のようなポストブレー
キでは所定の大きさのブレーキ力が制動開始時と共に急
に作用するため、制動対象に大きな減速ショックを与え
ることとなる。これは、上記のようなブレーキ装置をエ
レベータやエスカレータや電車などの輸送機械に適用し
た場合に、条件によっては乗客に不快感や転倒といった
危険を及ぼす恐れがある。
【0004】このような問題を解決するため、特開平5
−296268号公報の電磁ブレーキ装置では上記の基
本構造に対し、次のような改良を加えている。図6にお
いて、フレーム6とプランジャ8はシール20により密
閉空間を形成している。又、上記密閉空間から外部に向
けてフレーム6に空気孔16、弁18、小穴17が設け
られて、ダンパ構造としている。このような構成におい
て、電磁吸引力を消勢した場合、プランジャ8の動きに
合わせて小穴17から空気が流入するが、この流入抵抗
に応じた抵抗力がプランジャ8に作用する。これは、ば
ね13の発生するばね力に対抗する力であるため、ブレ
ーキシュー12が急激にブレーキドラム4に押し付けら
れず、徐々に接触するため、急激な制動力の作用が防止
されると共に、所定の制動力が得られるとしている。
【0005】しかし、上記のような例では小穴17によ
る抵抗力が、ブレーキシュー12とブレーキドラム4が
接触するまでの間も2つのブレーキシュー12に作用す
る。このため、電磁石の電磁吸引力が消勢されてからブ
レーキ力が発生するまでの所要時間が長くなるという問
題がある。これでは、緊急停止などにも利用されるブレ
ーキ装置などにおいて、制動指令からの空走距離が長く
なり、乗客が存在するような場合には十分な安全を確保
することができない。
【0006】又、他の問題として次のようなこともあ
る。ブレーキ力が徐々に加わる効果が得られるのは、ブ
レーキシューがドラムに接触してから、所定の押圧力が
加わることにより、ブレーキシューが弾性変形するまで
の間である。この弾性変形長さは実際的には非常に小さ
いため、この間で十分なダンパ効果を得るためにはダン
パ形成部の断面形状を非常に大きくする必要があり、装
置体格が大型となる。
【0007】又、上記従来例の他にブレーキ力が急激に
発生することを防止するものとして、特開平7−764
68号公報に開示された装置がある。これはばね力に抗
する電磁マグネットの電磁吸引力を制御することによ
り、ブレーキシューのブレーキドラムに対する押圧力が
徐々に増加するようにしたものである。しかし、このよ
うな方法では停電等の場合に備え、非常用電源を必要と
したり、電磁マグネット用の制御装置を必要とするなど
コスト面で高くなる。
【0008】又、上記従来例の他にブレーキ力が急激に
発生することを防止するものとして、特開平3−387
4公報に開示された装置がある。この装置は、ブレーキ
装置を2つ有し、一方に対して他方のブレーキ装置を遅
れて動作するように制御したものである。しかし、この
方法では電磁マグネット及びその制御装置が2つ必要で
あり、全体的に装置が大型化し、高コストとなる。又、
2つのブレーキの動作タイミングの制御が必要となるた
め、停電時にはバックアップの電源が必要となるなどの
問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、制動時
に急激な制動力を低減させる従来の摩擦式ブレーキ装置
では、ブレーキ力の作用しない空走距離が長くなる上、
装置が大型化してしまうし、装置コストも高くなるい等
の問題があった。
【0010】この発明は、上記のような課題を解消し、
コンパクト、低コストであり、ブレーキ動作時に急激な
ブレーキ力が作用することによる減速ショックを低減す
るブレーキ装置と、この装置が用いられたエレベータ装
置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ブレ
ーキライニングを弾性部材で被制動部材に押付けてブレ
ーキ力を発生させると共に、当該押付による押圧力に対
抗する力で、ブレーキライニングを被制動部材から離間
させてブレーキ力を解除するブレーキ装置において、ブ
レーキライニングを離間させる1つの離間手段に対して
2つのブレーキライニングを設け、当該2つのブレーキ
ライニングを互いに独立して所定の押圧力で被制動部材
に押付ける第1押付手段と第2押付手段とを設け、第1
押付手段の被制動部材に対する押付動作中に第2の押付
手段が第1押付手段の押付動作と所定の時間差をもって
押付動作するよう第2押付手段の押圧力に対抗する力を
発生させる遅延手段を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ
ーキ装置において、遅延手段は粘性ダンパを用いた構成
であることを特徴とする。請求項3の発明は、請求項1
に記載のブレーキ装置において、遅延手段は、ガイドと
当該ガイドに圧接する摺動材とを備え、当該ガイドと摺
動材とが押付手段の押付動作に連動して互いに摺動し合
う構成であることを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項1に記載の摩擦
式ブレーキ装置において、遅延手段は、永久磁石と磁性
材とを備え、当該永久磁石と磁性材とは、ブレーキライ
ニングの被制動部材への押圧時に最も離れ、ブレーキラ
イニングの被制動部材からの離間時には最も近づく構成
としたことを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、イニングを被制動部材
に押付けてブレーキ力を発生させると共に、当該押付に
よる押圧力に対抗する力で、ブレーキライニングを被制
動部材から離間させてブレーキ力を解除するブレーキ装
置において、ブレーキライニングを離間させる1つの離
間手段に対してK個(Kは2以上の自然数)のブレーキ
ライニングを設け、当該ブレーキライニングを互いに独
立して所定の押圧力で被制動部材に押付けるK個の押付
手段を設けると共に、当該被制動部材への押付動作中に
上記の各押付手段が互いに所定の時間差をもって次々と
押付動作するよう押付手段の押圧力に対抗した力を発生
させる(K−1)個の遅延手段を設けたことを特徴とす
る。
【0015】請求項6の発明は、エレベータの乗りかご
の昇降及び静止保持を制御するブレーキ装置は請求項1
乃至請求項5の何れかに記載のブレーキ装置であること
を特徴とするエレベータ装置である。
【0016】請求項7の発明は、乗りかごの昇降方向の
固有振動周期の概ね(N−1/2)倍(Nは自然数)と
なるように時間差が調整された遅延手段を備えたことを
特徴とする請求項6に記載のエレベータ装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1を示す電磁ブレーキ装置の概略構成図であ
る。図中の30は離間手段を構成する電磁マグネット
で、電流の印加により電磁吸引力を発生することが可能
なコイル部31とこの電磁吸引力により吸引されるプラ
ンジャ部32、及び、コイル部31とプランジャ部32
を案内するガイド33から構成されている。コイル部3
1とプランジャ部32のぞれぞれにはアームフック34
a、34bが取り付けられており、アーム35a、35
bが係合している。アーム35a、35bは、それぞれ
ピン36を中心として回転可能に支持されており、ピン
36は図示を省略したブレーキ装置筐体に固定されてい
る。又、アーム35a、35bの端部には摩擦材である
ブレーキライニング38a、38bがそれぞれに設けら
れている。更に、アーム35a、35bのそれぞれには
ブレーキライニング38a、38bを被制動部材として
の回転ディスク39に所定の押圧力で圧接するための、
第1押付手段を構成するばね41bと第2押付手段を構
成するばね41aとが設けられている。この第1及び第
2押付手段を構成するばね41b及びばね41aのそれ
ぞれの片端は固定板37に接続されており、固定板37
は図示を省略したブレーキ装置の筐体に固定されてい
る。従って、上記構造では電磁吸引力が消勢状態におい
て、即ち、離間手段が休止状態において、2つのブレー
キライニング38b及びブレーキライニング38aが、
それぞれ第1及び第2押付手段を構成するばね41b及
びばね41aのそれぞれの弾発力である押圧力によっ
て、被制動部材としての回転ディスク39に互いに独立
して押付けられている。
【0018】さて、この実施の形態では、第2押付手段
を構成する一方のアーム35a側にばね41aのばね力
に対抗した力を発生させるための遅延手段50が設けら
れている。この遅延手段50は一方がアーム35aに、
他方が固定板37に接続されている。尚、回転ディスク
39はディスク軸40と接続されており、発生したブレ
ーキ力はこのディスク軸40を介して作用すべき運動体
にトルク伝達させる。
【0019】上記のような構成に基づいて基本動作を説
明する。ブレーキ力解除のモードでは、離間手段を構成
する電磁マグネット30に所定の電流を印加し、発生し
た電磁吸引力によりコイル部31とプランジャ部32と
が吸着されている。このときアーム35a、35bがピ
ン36まわりに回転し、ばね41a、41b及び遅延手
段50はそれぞれ押し縮められられて、ブレーキライニ
ング38a、38bは回転ディスク39から離間した状
態となって、ブレーキ力は解除されている。
【0020】他方、ブレーキングのモードでは、電磁マ
グネット30への印加電流が消勢され、電磁吸引力が消
勢される。消勢されると、押付手段が押付動作に入る。
即ち第1及び第2押付手段を構成するばね41b及びば
ね41aのばね力により、アーム35a、35bがピン
36まわりに回転し、2つのブレーキライニング38
a、38bは回転ディスク39に所定の押圧力でそれぞ
れ押付けられ、ブレーキ力が回転ディスク39とブレー
キライニング38a、38bとの間で発生する。
【0021】遅延手段50はブレーキングのモードにお
いて次のように作用する。電磁マグネット30への印加
電流が消勢され、第2押付手段を構成するばね41aの
ばね力によりアーム35aがピン36まわりに回転し始
めると、遅延手段50はばね41aの発生するばね力の
作用方向と対抗する反対作用方向への力を発生するた
め、第2押付手段を構成するアーム35aの回転運動を
第1押付手段を構成するアーム35bより遅く、遅延さ
せる。従って、2つの内一方のブレーキライニング38
aは他方のブレーキライニング38bより時間遅れΔT
をもって回転ディスク39に押圧される。この時間遅れ
ΔTは減速時のショックが所望の値となるように遅延手
段50によって調節されるものである。
【0022】この実施の形態1によれば、1つのブレー
キ装置において所定のブレーキ力に、第1押付手段の押
圧力と遅延手段によって押圧動作が遅れさせられた第2
押付手段の押圧力との、2段階のレベルで到達するよう
にしたので、簡潔且つコンパクトな構成で制動時のショ
ックを低減することができる。
【0023】実施の形態2.上記実施の形態1におい
て、遅延手段50として粘性ダンパを用いても良い。図
2はその一例を示す断面図である。尚、図2はブレーキ
装置の遅延手段50が設置された付近のみを示したもの
である。この遅延手段50は、シリンダ61とその中を
往復運動するピストン62を備え、ピストン62の内部
はオイル64が満たされている。又、このピストン62
にはオリフィス63が設けられている。そして、ピスト
ン62の一端はピン66により固定板37と、ピストン
62はピン65によりアーム35aとにそれぞれ係合し
ている。従って、アーム35aがピン36まわりに回転
動作するのに従い、シリンダ61が移動する。ブレーキ
ングの際には、第2押付手段を構成するアーム35aが
図中矢印方向に移動するため、この動きに伴い、ピスト
ン61が同方向に移動する。この時、オリフィス63を
オイル64が通過することにより、粘性抵抗が発生す
る。この遅延手段50による粘性抵抗力は、第2押付手
段を構成するばね41aによるばね力と対抗する反対方
向へ作用するため、一方のブレーキライニング38aが
回転ディスク39に接触する時間を、他方のブレーキラ
イニング38bより遅らせることができる。
【0024】上記のようなダンパを遅延手段50として
利用することにより、特別な電源などを必要とすること
なく、簡単な機構部品で本発明のブレーキ装置を得るこ
とができる。
【0025】実施の形態3.上記実施の形態1におい
て、遅延手段50として他の例を説明する。図3は図1
の破線部a−aにおける断面図である。又、図3はブレ
ーキ装置の遅延手段50が設置された付近のみを示した
ものである。図中の実線と破線はそれぞれブレーキが解
放された状態とブレーキ力が発生している状態におい
て、第2押付手段を構成するアーム35aの位置を表し
ている。この第2押付手段を構成するアーム35aには
スライダ74が設けられている。これを囲うようにガイ
ド71があり、ガイド71は固定板37に固定されてい
る。又、ガイド71の内面の一部には摩擦材72が張り
付けられている。スライダ74はそれ自体の弾性変形に
より摩擦材72と所定の押圧で接触可能な構成になって
いる。
【0026】上記のような構成によれば、スライダ74
と摩擦材71の間に発生する摩擦力は、図1の実線の解
放状態からブレーキ力作用の状態に移行する間に、アー
ムの移動方向と逆方向の力として作用するために、一方
のブレーキライニング38aが回転ディスク39に接触
する時間を他方のブレーキライニング38bより遅らせ
ることができる。
【0027】上記のような構成の遅延手段50を用いる
ことにより、簡単な機構部品で本発明のブレーキ装置を
得ることができる。又、オイルダンパなどのようにオイ
ルを使用する部品を用いることが困難な場合でも、本発
明の目的とするブレーキ装置を適用することができる。
【0028】実施の形態4.上記実施の形態1における
遅延手段50の更に他の例を図4に基づいて説明する。
尚、図4はブレーキ装置の遅延手段50が設置された付
近のみを示したものである。第2押付手段を構成するア
ーム35aの一部に、磁性材料で構成された磁性部材7
6を取り付け、磁性部材76と対抗する位置の固定板3
7側に永久磁石77を固定する。この永久磁石77と磁
性部材76とはブレーキ解放時に最も接近し、ブレーキ
ング時には最も離れるような位置関係としてある。
【0029】上記のような構成の遅延手段50によれ
ば、永久磁石77と磁性部材76との間に電磁吸引力が
作用し、その吸引力の大きさは、ブレーキング開始直後
が最も大きく、第2押付手段を構成するライニング38
aが回転ディスク39に近づいて行くほど弱くなる。こ
の電磁吸引力は、第2押付手段を構成するばね41aの
ばね力と逆方向の力として作用するために、一方のブレ
ーキライニング38aが回転ディスク39に接触する時
間を他方のブレーキライニング38bより遅らせること
ができる。
【0030】上記のような構成の遅延手段50を用いる
ことにより、簡単な機構部品で本発明のブレーキ装置を
得ることができると共に、オイルダンパなどオイルを使
用する部品を用いることが困難な場合でも、本発明の目
的とするブレーキ装置を適用することができる。
【0031】実施の形態地5.上記実施の形態1では、
押付手段を構成するアーム35a、35bやばね41
a、41b等をそれぞれ2組み設けた構成としてある
が、本発明では、これ等を3組以上設けても良い。次
に、これ等を4組設けた場合について説明する。4つの
アームのうち3つのアームにはそれぞれ上記実施の形態
1と同様の遅延手段が係合されている。又、これらの3
つの遅延手段が発生する力は、それぞれ異なる所定の
値、例えば、4つのアームにそれぞれ設けられた4つの
ブレーキライニングが、回転ディスク39に対して、順
次、所定の時間差の間隔で次々と押付けられて行く値に
設定しておく。そして、更に、4つのブレーキライニン
グが全て回転ディスク39に押付けられた状態にて、ブ
レーキ装置としてはじめて所定のブレーキ力が作用する
ように、各押付手段のばね力を設定しておく。
【0032】上記のように構成することで、ブレーキ装
置本来の所定のブレーキ力のレベルに達するまで4段階
で増加して行く。従って、ブレーキング時に急激に作用
するブレーキ力による減速ショックを上記実施の形態1
で示す2段階の場合より、更に効果的に低減することが
できる。
【0033】実施の形態6.図5は上記実施の形態に示
した本発明のブレーキ装置をエレベータ装置のブレーキ
装置として適用した場合の全体構成図である。図1と同
一符号は同一又は相当部分を示しておりその説明を省略
する。図5において、電動機81の出力軸は被制動部材
を構成するディスク軸40と接合されており、ディスク
軸40の他端は減速機82と接合されている。この減速
機82の出力軸にはシーブ83が係合されており、シー
ブ83の外周にはロープ84が巻き掛けられている。ロ
ープ84の両端部には乗りかご85及び釣り合いおもり
86が連結されている。このような構成において、電動
機81の発生する回転トルクによって乗りかご85を移
動させる。
【0034】次に、このエレベータ装置におけるブレー
キ装置の動作について説明する。ブレーキ装置は、乗り
かご85が目的階に移動中の通常の状態においては、解
放状態にあり、ブレーキ力を付与していない。他方、乗
りかご85が目的階に到達し、電動機81が停止保持の
状態になった後、ブレーキ装置の離間手段を構成する電
磁マグネット30が消勢されて、乗りかご85の静止保
持を行う。上記以外にエレベータ用のブレーキ装置では
急停止の際にも作用する。急停止とは、乗りかご85の
走行中に予定外の停電時やエレベータ装置に付帯された
各種安全保護用のセンサにおいて異常が検知された場合
などに乗りかご85を制動/停止させることである。
【0035】図5に示すブレーキ装置においても、乗り
かご85の静止時に上記の静止保持力を発生することが
できるように、第1及び第2押付手段を構成するばね4
1b及びばねaのばね力が設定されている。一方、急停
止時には、2つのブレーキライニング38、38で作用
するブレーキ力が2段階で付与されるため、減速時のシ
ョックは低減される。尚、通常の動作の静止保持におい
ても、ブレーキ力は2段階で作用することになるが、乗
りかご85が完全に停止した後にブレーキ力を付与させ
るため、上記時間差は実質的に問題とならない。以上の
ように、上記実施の形態1乃至5に示した本発明による
ブレーキ装置をエレベータ装置に適用することにより、
急停止時に乗員が不快感を覚えるような減速度を発生す
ることを防止できる。
【0036】尚、図5のようなエレベータ装置のブレー
キ装置では、ブレーキ力が2段階で作用するため、1度
に全てのブレーキ力が作用する場合と比較し、制動距離
が増加する。このためブレーキ力の第1段目と第2段
目、即ち、第1押付手段を構成するばね41bやアーム
35bやブレーキライニングと、遅延手段50と係合さ
せられた第2押付手段を構成するばね41aやアーム3
5aやブレーキライニングとの間の時間差は、減速ショ
ックが所定の値以下になると共に、制動距離も所定の範
囲に収まるように設定しておく。加えて、上記時間差を
ロープ84でつるされた状態での乗りかご85の固有振
動周期の概ね1/2に設定した場合、ブレーキ力を加え
たことにより発生する振動的な減速加速度の発生を抑制
することができる。すなわち、制動中の瞬間的な減速シ
ョックの大きさを更に大幅に低減させることができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1乃至請求項7の発明によれば、
制動中にブレーキ力を複数段階に分けて作用させるた
め、ブレーキング時に生じる減速ショックを大幅に低減
することができ、しかも、コンパクト、低コストで製造
できる安全且つ高性能のブレーキ装置とこの装置が用い
られたエレベータ装置を提供することができる。
【0038】又、請求項2の発明によれば、遅延手段に
粘性ダンパを用いたので、動作のために特別な電源や制
御を必要とせず、機構が簡潔であると共に安価となる。
【0039】又、請求項3の発明によれば、遅延手段
を、ガイドと当該ガイドに圧接する摺動材とを備えた構
成とし、摺動材が押付手段の動きに連動して互いに摺動
し合う構成としたので、動作のために特別な電源や制御
を必要とせず、機構が簡潔且つ安価となると共に、オイ
ルダンパなどのようにオイルを使用する部材の利用が困
難な場所にも設置することができる。
【0040】又、請求項4の発明によれば、遅延手段
を、永久磁石と磁性材とを備えた構成とし、この永久磁
石と磁性材はブレーキライニングが被制動部材への圧接
時に最も離れると共に、離間時には最も接近するように
構成したので、オイルダンパなどのようにオイルを使用
する部材の利用が困難な場所にも設置することができ
る。
【0041】又、請求項5の発明によれば、複数のブレ
ーキライニングを設けると共に、被制動部材の制動中に
複数の押付手段が互いに所定の時間差をもって次々と圧
接するように複数の遅延手段を設けたので、所定のブレ
ーキ力に2段階で達する場合よりも、より効果的にブレ
ーキング時に生じる減速ショックを低減することができ
る。
【0042】又、請求項6の発明によれば、エレベータ
の乗りかごの昇降及び静止保持を制御するブレーキ装置
に適用したので、急停止時に乗りかごにかかるショック
を低減することができ、乗員が不快感を感じることを防
止できる。
【0043】又、請求項7の発明によれば、遅延手段に
より発生する時間差が乗りかごとロープ昇降方向の固有
振動周期の概ね(N−1/2)倍(Nは自然数)となる
ように調整することで、急停止時に乗りかごに作用する
瞬間的な減速加速度ピークの大きさを低減することがで
き、乗員が不快感を感じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のブレーキ装置の概略構成図で
ある。
【図2】 実施の形態2の遅延手段を示す図である。
【図3】 実施の形態3の遅延手段を示す図である。
【図4】 実施の形態4の遅延手段を示す図である。
【図5】 ブレーキ装置が適用されたエレベータの全体
構成図である。
【図6】 従来例のブレーキ装置を表す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
30 電磁マグネット(離間手段)、35a アーム、
35b アーム、36ピン、38a ブレーキライニン
グ(第2押付手段)、38b ブレーキライニング(第
1押付手段)、39 回転ディスク(被制動部材)、4
0 ディスク軸、41a ばね(第2押付手段)、41
b ばね(第1押付手段)、50 遅延手段、61 シ
リンダ、62 ピストン、63 オリフィス、64 オ
イル、65 ピン、66 ピン、71 ガイド、72
摩擦材、74 スライダ、81電動機、82 減速機、
83 シーブ、84 ロープ、85 乗りかご、86釣
り合いおもり。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 隆一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中村 和且 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 杉田 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F306 AA07 BA09 3J058 AA43 AA48 AA53 AA66 AA78 AA88 BA09 BA61 BA67 CC14 CC72 CC77 FA37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキライニングを弾性部材で被制動
    部材に押付けてブレーキ力を発生させると共に、当該押
    付による押圧力に対抗する力で、ブレーキライニングを
    被制動部材から離間させてブレーキ力を解除するブレー
    キ装置において、 ブレーキライニングを離間させる1つの離間手段に対し
    て2つのブレーキライニングを設け、当該2つのブレー
    キライニングを互いに独立して所定の押圧力で被制動部
    材に押付ける第1押付手段と第2押付手段とを設け、第
    1押付手段の被制動部材に対する押付動作中に第2の押
    付手段が第1押付手段の押付動作と所定の時間差をもっ
    て押付動作するよう第2押付手段の押圧力に対抗する力
    を発生させる遅延手段を設けたことを特徴とするブレー
    キ装置。
  2. 【請求項2】 遅延手段は粘性ダンパを用いた構成であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 遅延手段は、ガイドと当該ガイドに圧接
    する摺動材とを備え、当該ガイドと摺動材とが押付手段
    の押付動作に連動して互いに摺動し合う構成であること
    を特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 遅延手段は、永久磁石と磁性材とを備
    え、当該永久磁石と磁性材とは、ブレーキライニングの
    被制動部材への押圧時に最も離れ、ブレーキライニング
    の被制動部材からの離間時には最も近づく構成としたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 ブレーキライニングを被制動部材に押付
    けてブレーキ力を発生させる共に、当該押付による押圧
    力に対抗する力で、ブレーキライニングを被制動部材か
    ら離間させてブレーキ力を解除するブレーキ装置におい
    て、 ブレーキライニングを離間させる1つの離間手段に対し
    てK個(Kは2以上の自然数)のブレーキライニングを
    設け、当該ブレーキライニングを互いに独立して所定の
    押圧力で被制動部材に押付けるK個の押付手段を設ける
    と共に、当該被制動部材への押付動作中に上記の各押付
    手段が互いに所定の時間差をもって次々と押付動作する
    よう押付手段の押圧力に対抗した力を発生させる(K−
    1)個の遅延手段を設けたことを特徴とするブレーキ装
    置。
  6. 【請求項6】 エレベータの乗りかごの昇降及び静止保
    持を制御するブレーキ装置は請求項1乃至請求項5の何
    れかに記載のブレーキ装置であることを特徴とするエレ
    ベータ装置。
  7. 【請求項7】 乗りかごの昇降方向の固有振動周期の概
    ね(N−1/2)倍(Nは自然数)となるように時間差
    が調整された遅延手段を備えたことを特徴とする請求項
    6に記載のエレベータ装置。
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