JP2000110605A - 車載内燃機関の負圧制御装置 - Google Patents

車載内燃機関の負圧制御装置

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JP2000110605A
JP2000110605A JP10287760A JP28776098A JP2000110605A JP 2000110605 A JP2000110605 A JP 2000110605A JP 10287760 A JP10287760 A JP 10287760A JP 28776098 A JP28776098 A JP 28776098A JP 2000110605 A JP2000110605 A JP 2000110605A
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brake
negative pressure
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predicted
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JP10287760A
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English (en)
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Nobuyasu Nakanishi
伸育 中西
Satoshi Yoshimitsu
聡 吉光
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の燃費を悪化させることなくブレーキ
フィーリングの悪化を防止することのできる内燃機関の
負圧制御装置を提供する。 【解決手段】アクセル踏込量が所定値から「0」になっ
てブレーキ踏込が予測されたとき、ブレーキ負圧がブレ
ーキブースタ50を駆動するのに必要な要求値よりも真
空側の値である予測要求値より大気圧側の値であること
を条件に、スロットルバルブ23の閉じ制御が実行され
る。こうしたスロットル閉じ制御により、ブレーキ操作
中にブレーキ負圧が要求値よりも大気圧側に変化しない
ようにされる。また、そのスロットル閉じ制御の実行条
件として、ブレーキ負圧が予測要求値よりも大気圧側の
値であることが設定されているため、ブレーキ踏込が予
測される毎にスロットル閉じ制御が実行されることもな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載内燃機関の負
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の車載内燃
機関では、吸気通路を介して燃焼室内に吸入される空気
と、燃料噴射弁から噴射される燃料とを混合して混合気
を形成し、その混合気を燃焼室内で燃焼させることで駆
動力を得ている。こうした内燃機関の吸気通路には、燃
焼室に吸入される空気の量を調整するためのスロットル
バルブが設けられている。そして、スロットルバルブの
開度を調節して燃焼室へ吸入される空気の量を調整する
ことにより、燃焼室へ充填される混合気の量が変化し、
内燃機関の出力が調整されるようになる。
【0003】ところで、近年は、燃費を向上させること
及び十分な機関出力を得ることの両立を図るために、機
関運転状態に応じて燃焼方式を切り換えるタイプの内燃
機関が提案され、実用化されている。
【0004】こうしたタイプの内燃機関は、高出力が要
求される高回転高負荷時には、空気に対して燃料が均等
に混合された均質混合気を燃焼させる「均質燃焼」を行
い、十分な機関出力を得るようにしている。この「均質
燃焼」は、内燃機関の吸気行程にて燃焼室内に噴射供給
された燃料が同燃焼室内の空気と均等に混ぜ合わされ、
その空気と燃料とから形成された混合気に点火プラグに
より点火がなされることによって実行される。
【0005】また、あまり高出力が要求されない低回転
低負荷時には、点火プラグ周りの燃料濃度を高めて着火
性を向上させるとともに、混合気の平均空燃比を理論空
燃比よりもリーン側の値にすることで燃費を向上させる
ことが可能な「成層燃焼」を実行する。この「成層燃
焼」は、内燃機関の圧縮行程にて燃焼室内に噴射供給さ
れた燃料がピストン頭部の窪みに当たって点火プラグ周
りに集められ、その集められた燃料と燃焼室内の空気と
からなる混合気に点火プラグにより点火がなされること
によって実行される。こうした「成層燃焼」では、混合
気の平均空燃比を大きくすべくスロットルバルブを「均
質燃焼」の場合に比べて開き側に制御するため、ポンピ
ングロスが低減されるようになる。
【0006】上記のように内燃機関の燃焼方式を、機関
運転状態に応じて「均質燃焼」と「成層燃焼」との間で
切り換えることにより、燃費を向上させることができる
とともに十分な機関出力が得られるようになる。
【0007】ところで、車載内燃機関にあっては、吸気
系に生じる負圧を利用して自動車のブレーキ踏込操作力
を軽減するブレーキブースタが設けられる。このブレー
キブースタは、車載内燃機関の吸気系に生じる負圧をブ
レーキ負圧として蓄圧し、そのブレーキ負圧によって駆
動される。こうしたブレーキブースタを上記成層燃焼が
行われる内燃機関に適用することも考えられる。しか
し、この場合には、成層燃焼中のスロットルバルブの開
度が均質燃焼に比べて開き側の値になるため、車載内燃
機関の吸気系に生じる負圧が大気圧側の値になり、上記
ブレーキブースタの駆動に必要なブレーキ負圧を確保す
ることが困難になる。
【0008】そこで従来は、上記ブレーキブースタを駆
動させるためのブレーキ負圧を確保すべくスロットルバ
ルブの閉じ制御を行うことが提案されている。こうした
スロットルバルブの閉じ制御を行う装置としては、例え
ば特開平10−167047号公報や特開平10−14
8150号公報に記載された負圧制御装置が知られてい
る。これらの公報に記載された負圧制御装置では、ブレ
ーキ負圧がブレーキブースタを駆動するのに必要な要求
値に達していないとき、スロットルバルブを閉じ側に制
御することでブレーキ負圧を要求値に近づけるようにし
ている。
【0009】また、自動車のブレーキペダルの踏込操作
中においては、ブレーキブースタが駆動されることによ
ってブレーキ負圧が大気圧側の値へと変化し、特にブレ
ーキペダルの踏込力を弱めたとき等には上記ブレーキ負
圧が大きく大気圧側の値へと変化する。このようにブレ
ーキ負圧が大気圧側の値へ変化して上記要求値を越えた
場合には、スロットルバルブの閉じ制御が行われて必要
なブレーキ負圧が確保され、ブレーキブースタの駆動に
よって再びブレーキ操作力が軽減されるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
ブレーキペダルの踏込操作中にスロットル閉じ制御が行
われると、そのブレーキ踏込操作中に再びブレーキ操作
力が軽減されることから、ブレーキ操作性(ブレーキフ
ィーリング)が悪化することとなる。即ち、再度のブレ
ーキ操作力の軽減の際、ブレーキペダルの踏込操作力を
強めていないにも係わらず、そのブレーキペダルの踏込
量が増大するためにブレーキフィーリングが悪化する。
【0011】そこで、ブレーキブースタの駆動によるブ
レーキ負圧の不足が生じないように、ブレーキペダルの
踏込開始時にブレーキ負圧を十分に真空側の値にしてお
くことが考えられる。この場合、アクセルペダルの踏込
量が所定値から「0」になったことに基づきブレーキペ
ダルの踏込開始を予測する。そして、上記アクセル踏込
量が所定値から「0」になったとき、そのときのブレー
キ負圧に係わらずスロットル閉じ制御を行う。
【0012】このようにスロットル閉じ制御を行うこと
で、ブレーキ踏込操作中にブレーキブースタが駆動され
てブレーキ負圧が大気圧側の値へ変化しても、そのブレ
ーキ負圧が最初に十分真空側の値とされているため、同
ブレーキ負圧がブレーキブースタを駆動するのに必要な
要求値よりも大気圧側の値になることが防止される。そ
のため、ブレーキ踏込操作中にスロットル閉じ制御が行
われて再度のブレーキ負圧の確保が行われ、それに基づ
きブレーキフィーリングが悪化するのを防止することが
できるようになる。
【0013】ところが、この場合にはアクセル踏込量が
所定値から「0」になる毎にスロットル閉じ制御が行わ
れ、スロットルバルブの開度が閉じ側の値になる。その
ため、渋滞中などアクセル踏込量が所定値から「0」に
なってもブレーキペダルを踏み込まないことが多いとき
には、無駄にスロットル閉じ制御が行われてスロットル
バルブが閉じることとなる。そして、上記無駄なスロッ
トルバルブの閉じ動作により内燃機関のポンピングロス
が増大して燃費が悪化してしまう。
【0014】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関の燃費を悪化させ
ることなくブレーキフィーリングの悪化を防止すること
のできる内燃機関の負圧制御装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、車載内燃機関の吸気系に
生じる負圧をブレーキ負圧として蓄圧し、そのブレーキ
負圧によってブレーキの操作力を軽減すべく駆動される
ブレーキブースタと、前記内燃機関の吸気系に生じる負
圧を調整する負圧調整手段とを備え、前記ブレーキ負圧
が前記ブレーキブースタを作動させるのに必要な要求値
に達しないとき、前記ブレーキ負圧を前記要求値に近づ
けるべく前記負圧調整手段を制御する車載内燃機関の負
圧制御装置において、前記ブレーキが操作されることを
予測するブレーキ予測手段と、前記ブレーキ予測手段に
よってブレーキ操作が予測されたとき、前記ブレーキ負
圧が前記要求値よりも真空側の値である予測要求値に達
しているか否か判断する負圧判断手段と、前記負圧判断
手段によって前記ブレーキ負圧が前記予測要求値に達し
ていない旨判断されたとき、同ブレーキ負圧を前記予測
要求値に近づけるべく前記負圧調整手段を制御する制御
手段とを備えた。
【0016】同構成によれば、ブレーキ操作が予測され
たとき、ブレーキ負圧がブレーキブースタの作動に必要
な要求値よりも真空側の値である予測要求値に達してい
ないことを条件に、内燃機関の吸気系に生じる負圧が真
空側へ調整される。そのため、実際のブレーキ操作によ
ってブレーキ負圧が大気圧側に変化しても、そのブレー
キ負圧が上記要求値を越えることは防止され、それに基
づきブレーキブースタの作動に必要な負圧確保が行われ
ることも防止される。また、ブレーキ負圧が予測されて
もブレーキ負圧が予測要求値に達していれば、そのブレ
ーキ負圧を上記予測要求値に到達させるための上記負圧
調整が行われないため、その負圧調整に基づく燃費の悪
化も防止される。
【0017】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記予測要求値は、その予測要求値と前
記要求値との差が前記ブレーキが操作されたときに大気
圧側に変化するブレーキ負圧の変化量よりも大きくなる
値とした。
【0018】一般に、ブレーキブースタは、ブレーキ操
作されたときにブレーキ負圧が大気圧側へと変化する構
造となっている。しかし、予測要求値と前記要求値との
差が前記ブレーキが操作されたときに大気圧側に変化す
るブレーキ負圧の変化量よりも大きくなる同構成によれ
ば、ブレーキ操作されたときでも的確にブレーキ負圧が
要求値よりも真空側の値とされる。
【0019】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記ブレーキの操作を検出するブ
レーキ操作検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記
ブレーキ操作検出手段によってブレーキ操作が検出され
たとき、前記負圧調整手段の制御を終了するものとし
た。
【0020】同構成によれば、ブレーキ操作が検出され
たときには、制御手段による負圧調整手段の制御が終了
する。従って、ブレーキ負圧を予測要求値に到達させる
ための負圧調整手段の制御が過度に行われ、その制御に
基づき内燃機関の吸気系に生じる負圧が過度に長期間真
空側の値になって内燃機関のポンピングロスが増大する
ことは防止される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直列4気筒の自動
車用ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1〜図
5に従って説明する。
【0022】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を備
えている。これらピストン12の頭部には、成層燃焼を
実行するのに必要な窪み12aが形成されている。ま
た、これらピストン12は、コンロッド13を介して出
力軸であるクランクシャフト14に連結されている。そ
して、ピストン12の往復移動は、上記コンロッド13
によってクランクシャフト14の回転へと変換されるよ
うになっている。
【0023】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0024】一方、シリンダブロック11aの上端には
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には、シリンダヘッド15に設けられた
吸気ポート17と排気ポート18とが連通している。こ
うした吸気ポート17及び排気ポート18には、それぞ
れ吸気バルブ19及び排気バルブ20が設けられてい
る。
【0025】また、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、上記吸気バルブ19及び排気バルブ20を開
閉駆動するための吸気カムシャフト21及び排気カムシ
ャフト22が回転可能に支持されている。これら吸気及
び排気カムシャフト21,22は、タイミングベルト及
びギヤ(共に図示せず)等を介してクランクシャフト1
4に連結され、同ベルト及びギヤ等によりクランクシャ
フト14の回転が伝達されるようになる。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、吸気バルブ19が開閉
駆動されて、吸気ポート17と燃焼室16とが連通・遮
断される。また、排気カムシャフト22が回転すると、
排気バルブ20が開閉駆動されて、排気ポート18と燃
焼室16とが連通・遮断される。
【0026】シリンダヘッド15において、吸気カムシ
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0027】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されている。
この吸気管30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、排気管31内及び排気ポート18内は排
気通路33となっている。吸気通路32の上流部分には
スロットルバルブ23が設けられている。このスロット
ルバルブ23は、直流(DC)モータからなるスロット
ル用モータ24の駆動により回動されて開度調節がなさ
れる。そして、スロットルバルブ23の開度(スロット
ル開度)THRは、スロットルポジションセンサ44に
よって検出される。
【0028】また、上記スロットル用モータ24の駆動
は、自動車の室内に設けられたアクセルペダル25の踏
込量(アクセル踏込量)に基づき制御される。即ち、自
動車の運転者がアクセルペダル25を踏込操作すると、
アクセル踏込量がアクセルポジションセンサ26によっ
て検出され、同センサ26の検出信号に基づきスロット
ル用モータ24が駆動制御される。このスロットル用モ
ータ24の駆動制御に基づくスロットルバルブ23の開
度調節により、吸気通路32の空気流通面積が変化して
燃焼室16へ吸入される空気の量が調整されるようにな
る。
【0029】吸気通路32においてスロットルバルブ2
3の下流側に位置する部分には、同通路32内の圧力を
検出するバキュームセンサ36が設けられている。そし
て、バキュームセンサ36は検出した吸気通路32内の
圧力に対応した検出信号を出力する。
【0030】また、吸気通路32におけるスロットルバ
ルブ23よりも下流には、負圧通路49を介してブレー
キブースタ50が接続されている。このブレーキブース
タ50は、自動車のブレーキペダル51を踏込操作する
ときの操作力を軽減するためのものであって、エンジン
11の運転時に吸気通路32内に生じる負圧を利用して
駆動される。即ち、吸気通路32内の負圧によってブレ
ーキブースタ50内から負圧通路49を介して空気が吸
引され、その空気の吸引によってブレーキブースタ50
内に生じる負圧(ブレーキ負圧V)に基づき同ブースタ
50が駆動されるようになる。このブレーキ負圧Vは、
ブースタ圧力センサ50aによって検出される。更に、
上記ブレーキペダル51には、ブレーキペダル51の踏
込量が「0」になったことを検出するためのブレーキス
イッチ51aが設けられている。
【0031】また、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、燃焼室16内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁40と、燃焼室16内に充填される燃料と空気とから
なる混合気に対して点火を行う点火プラグ41とが設け
られている。この点火プラグ41による上記混合気への
点火時期は、点火プラグ41の上方に設けられたイグナ
イタ41aによって調整される。そして、燃料噴射弁4
0から燃焼室16内へ燃料が噴射されると、同燃料が吸
気通路32を介して燃焼室16に吸入された空気と混ぜ
合わされ、燃焼室16内で空気と燃料とからなる混合気
が形成される。更に、燃焼室16内の混合気は点火プラ
グ41によって点火がなされて燃焼し、燃焼後の混合気
は排気として排気通路33に送り出される。
【0032】一方、吸気通路32のスロットルバルブ2
3よりも下流側は、排気再循環(EGR)通路42を介
して排気通路33と連通している。このEGR通路42
の途中には、ステップモータ43aを備えたEGRバル
ブ43が設けられている。そして、EGRバルブ43
は、ステップモータ43aを駆動制御することで開度調
節が行われる。こうしたEGRバルブ43の開度調節に
より、排気通路33を介して吸気通路32へ再循環する
排気の量(EGR量)が調整されるようになる。そし
て、エンジン11の排気が吸気通路32に再循環される
ことで、燃焼室16内の温度が下がって窒素酸化物(N
Ox )の生成が抑制され、エミッションの低減が図られ
る。
【0033】次に、本実施形態におけるエンジン11の
負圧制御装置の電気的構成を図2に基づいて説明する。
この負圧制御装置は、燃料噴射量制御、点火時期制御、
及びスロットル開度制御など、エンジン11の運転状態
を制御するための電子制御ユニット(以下「ECU」と
いう)92を備えている。このECU92は、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6等を備える論理演算回路として構成されている。
【0034】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0035】外部入力回路98には、クランクポジショ
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、バキュームセンサ36、スロ
ットルポジションセンサ44、ブースタ圧力センサ50
a、及びブレーキスイッチ51a等が接続されている。
一方、外部出力回路99には、スロットル用モータ2
4、燃料噴射弁40、イグナイタ41a、及びEGRバ
ルブ43等が接続されている。
【0036】このように構成されたECU92は、バキ
ュームセンサ36からの検出信号に基づき吸気圧PMを
求め、アクセルポジションセンサ26からの検出信号に
基づきアクセル踏込量ACCPを求める。更に、ECU
92は、クランクポジションセンサ14cからの検出信
号に基づきエンジン回転数NEを求める。そして、上記
のように求められた吸気圧PMとエンジン回転数NE、
若しくはアクセル踏込量ACCPとエンジン回転数NE
とに基づき、周知のマップを参照して基本燃料噴射量Q
bse をマップ演算する。こうして算出された基本燃料噴
射量Qbse は、エンジン回転数NEが高くなるほど大き
い値になるとともに、吸気圧PM若しくはアクセル踏込
量ACCPが大きくなるほど大きい値になる。
【0037】エンジン11の機関負荷は、上記基本燃料
噴射量Qbse によって表される。そして、ECU92
は、エンジン11の運転状態が高回転高負荷領域にある
ときに同エンジン11の燃焼方式を「均質燃焼」とし、
低回転低負荷領域にあるときに同エンジン11の燃焼方
式を「成層燃焼」とする。このように燃焼方式を変化さ
せるのは、高出力が要求される高回転高負荷時には混合
気の空燃比をリッチ側の値にしてエンジン出力を高め、
あまり高出力を必要としない低回転低負荷時には空燃比
をリーン側の値にして燃費の向上を図るためである。
【0038】エンジン11の燃焼方式を「均質燃焼」と
した場合、ECU92は、バキュームセンサ36からの
検出信号に基づき求められる吸気圧PMとエンジン回転
数NEとに基づき基本燃料噴射量Qbse をマップ演算す
る。ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御すること
により、上記基本燃料噴射量Qbse に基づき求められる
最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃料をエンジン1
1の吸気行程中に燃料噴射弁40から噴射させる。こう
した燃料噴射に基づき燃焼室16内に形成される混合気
においては、その空燃比が理論空燃比若しくは理論空燃
比よりも大きい値となる。更に、ECU92は、スロッ
トル開度、点火時期、及びEGR量等が「均質燃焼」に
適したものとなるよう、スロットル用モータ24、イグ
ナイタ41a、及びEGRバルブ43等を駆動制御す
る。
【0039】エンジン11の燃焼方式を「成層燃焼」と
した場合、ECU92は、アクセル踏込量ACCP及び
エンジン回転数NEとから基本燃料噴射量Qbse を算出
する。ECU92は、上記基本燃料噴射量Qbse から求
められる最終燃料噴射量Qfin に基づき燃料をエンジン
11の圧縮行程中に噴射させる。こうした燃料噴射によ
り燃焼室16内に形成される混合気においては、その空
燃比が「均質燃焼」時の空燃比よりもリーン側の値とさ
れる。また、ECU92は、スロットル開度、点火時
期、及びEGR量等が「成層燃焼」に適したものとなる
よう、スロットル用モータ24、イグナイタ41a、及
びEGRバルブ43等を駆動制御する。
【0040】こうした「成層燃焼」時において、エンジ
ン11の圧縮行程中に燃料噴射弁40から噴射された燃
料は、ピストン12の頭部に設けられた窪み12a(図
1)内に入り込み、ピストン12の移動により点火プラ
グ41の周りに集められる。このように点火プラグ41
の周りに燃料を集めることによって、燃焼室16内の混
合気全体の平均空燃比を「均質燃焼」時よりリーン側の
値にしても、同プラグ41周りの混合気の空燃比が着火
に適したものとされて良好な混合気への着火が行われ
る。また、燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を
「均質燃焼」時よりリーン側の値にするためにスロット
ルバルブ23が開き側に制御されて吸入空気量が多くさ
れるため、「成層燃焼」時にはエンジン11のポンピン
グロスが低減されるようになる。
【0041】また、ECU92は、ブレーキ圧力センサ
50aからの検出信号に基づきブレーキ負圧Vを求め
る。そして、ブレーキ負圧Vがブレーキブースタ50を
作動させるのに必要な要求値VL に達していなければ、
即ちブレーキ負圧Vが要求値VL よりも大気圧側の値で
あれば、スロットル用モータ24を駆動制御してスロッ
トルバルブ23を閉じ側に制御する。こうしたスロット
ル閉じ制御により、吸気圧PM及びブレーキ負圧Vが大
気圧側の値になり易い「成層燃焼」時等においても、吸
気圧PM及びブレーキ負圧Vが真空側の値へと変化し、
同ブレーキ負圧Vが要求値VL に達するようになる。
【0042】次に、上記のように構成されたECU92
を通じて実行される負圧制御の概要について図3のタイ
ムチャートを参照して説明する。ブレーキブースタ50
を駆動するためのブレーキ負圧Vは、ブレーキペダル5
1が踏み込まれたときや、そのブレーキペダル51の踏
込力が弱められたとき等に、図3(a)に二点鎖線L
1,L2で示すように大気圧側の値へと変化する。そし
て、ブレーキ負圧Vが要求値VL よりも大気圧側の値に
なると、ECU92は、スロットル用モータ24を駆動
制御してスロットルバルブ23を徐々に閉じ側へと制御
する。こうしたスロットル閉じ制御により、吸気圧PM
及びブレーキ負圧Vが真空側の値へと変化し、そのブレ
ーキ負圧Vが要求値VL に達するようになる。
【0043】しかし、ブレーキペダル51の踏込中に、
上記スロットル閉じ制御によってブレーキ負圧Vが再び
要求値VL よりも真空側の値に達すると、ブレーキブー
スタ50の作動により再びブレーキ操作力が軽減され
る。このとき、ブレーキペダル51の踏込操作力を強め
ていないにも係わらず、上記ブレーキ操作力の軽減によ
りブレーキペダル51の踏込量が増大するため、ブレー
キ操作性(ブレーキフィーリング)が悪化してしまう。
【0044】そこで本実施形態では、ブレーキペダル5
1の踏み込みが予測されるとき、即ちアクセル踏込量A
CCPが所定値から「0」になったとき、ブレーキ負圧
Vが要求値VL よりも真空側の値である予測要求値VH
よりも大気圧側の値であるならば、スロットル閉じ制御
を実行する。このスロットル閉じ制御により、図3
(a)に実線L3で示すように、ブレーキ負圧Vが上記
予測要求値VH に達するようになる。
【0045】このようにブレーキペダル51の踏み込み
が予測されるとき、ブレーキ負圧Vを上記予測要求値V
H よりも真空側の値とすることで、ブレーキペダル51
の踏込時やその踏込力が弱められたとき等にはブレーキ
負圧Vが図3(a)に実線L3で示すように変化する。
即ち、上記ブレーキペダル51の踏込時やその踏込力が
弱められたとき等に、ブレーキ負圧Vが大気圧側の値に
変化しても、そのブレーキ負圧Vが要求値VL を越えて
大気圧側の値になることはなくなる。そのため、ブレー
キペダル51の踏込中におけるブレーキ操作力の軽減に
基づき、ブレーキフィーリングが悪化することは防止さ
れる。
【0046】また、アクセル踏込量ACCPが所定値か
ら「0」になったとき、ブレーキ負圧Vが要求値VL よ
りも真空側の値である予測要求値VH よりも真空側の値
であるならば、上記スロットル閉じ制御が実行されるこ
とはない。これは、そのスロットル閉じ制御を実行しな
くても、上記ブレーキペダル51の踏込時やその踏込力
が弱められたとき等に、ブレーキ負圧Vが要求値VL を
越えて大気圧側の値になることはないためである。
【0047】従って、本実施形態においては、ブレーキ
ペダル51の踏み込みが予測されたときにおけるスロッ
トル閉じ制御は、そのときのブレーキ負圧Vが上記予測
要求値VH よりも大気圧の値であることを条件に実行さ
れる。このように上記スロットル閉じ制御を実行するこ
とで、ブレーキペダル51の踏み込みが予測されたとき
に必ずスロットル閉じ制御を実行する場合に比べ、エン
ジン11の燃費が良好になる。
【0048】仮に、ブレーキペダル51の踏み込みが予
測されたとき、必ずスロットル閉じ制御を行うようにす
ると、渋滞中で自動車が走行しているときなどアクセル
踏込量ACCPが「0」になってもブレーキペダル51
を踏み込まないことが多いときにもスロットル閉じ制御
が行われる。こうした無駄なスロットル閉じ制御により
スロットルバルブ23が閉じ動作し、これによりエンジ
ン11のポンピングロスが増大して燃費が悪化するよう
になる。
【0049】次に、本実施形態における負圧制御手順に
ついて図4を参照して説明する。図4は、エンジン11
の吸気系に生じる負圧を調整してブレーキ負圧Vを制御
するための負圧制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。この負圧制御ルーチンは、ECU92を通じて例え
ば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0050】同ルーチンにおいてECU92は、ステッ
プS101の処理で、予測時負圧生成フラグFとして
「1」がRAM95の所定領域に記憶されているか否か
を判断する。この予測時負圧生成フラグFは、ブレーキ
ペダル51の踏み込みが予測されたときのスロットルバ
ルブ23の開度制御を実行するか否かを判断するための
ものである。
【0051】ECU92は、アクセルポジションセンサ
26からの検出信号に基づき、アクセルペダル25の踏
込量が所定値から「0」になったことを検出したとき、
即ちブレーキペダル51の踏み込みが予測されたとき、
予測時負圧生成フラグFとして「1」をRAM95の所
定領域に記憶する。また、ECU92は、スロットルバ
ルブ23がブレーキ負圧Vを確保するためのスロットル
閉じ制御が行われていない状態で、且つブレーキ負圧V
が上記予測要求値VH に達しているとき、予測時負圧生
成フラグFとして「0」をRAM95の所定領域に記憶
する。更に、ECU92は、ブレーキスイッチ51aか
らの信号に基づきブレーキペダル51が踏み込まれたこ
とを検出したときにも、上記と同様に予測時負圧生成フ
ラグを「0」に設定する。
【0052】そして、上記ステップS101の処理にお
いて、「F=1」であってブレーキペダル51の踏み込
みが予測されたときのスロットルバルブ23の開度制御
を実行する旨判断すると、ステップS102に進む。図
3(b)に示すようにアクセルペダル25が所定値から
「0」にされたとき、予測時負圧生成フラグFが「1」
に設定されてステップS102に進むようになる。
【0053】ECU92は、ステップS102の処理と
して、ブレーキ負圧Vが予測要求値VH よりも真空側の
値であるか、即ちブレーキ負圧Vが予測要求値VH に達
しているか否か判断する。この予測要求値VH は、ブレ
ーキブースタ50の作動に必要なブレーキ負圧Vの要求
値VL よりも真空側の値であって、図3(a)に示すそ
れら要求値VL ,VH の差ΔVがブレーキ踏込開始時に
おけるブレーキ負圧Vの変化量αよりも大きくなるよう
に設定される。
【0054】上記ステップS102の処理で、ブレーキ
負圧Vが予測要求値VH に達していない旨判断される
と、ステップS103に進む。ECU92は、ステップ
S103の処理として、スロットル用モータ24を駆動
制御してスロットルバルブ23を徐々に閉じ側へと制御
する。こうしたスロットル閉じ制御により、図3(a)
に実線L3で示すようにブレーキ負圧Vが予測要求値V
H に近づけられる。
【0055】そして、ブレーキ負圧Vが予測要求値VH
に達すると、上記ステップS102の処理でYESと判
断され、ステップS104に進むようになる。ECU9
2は、ステップS104の処理として、図3(a)に実
線L3で示すようにブレーキ負圧Vが予測要求値VH に
達した状態を維持しながら、スロットルバルブ23を徐
々に開き側に制御する。
【0056】上記ステップS103とステップS104
とのいずれかの処理を実行した後、ECU92は、この
負圧制御ルーチンを一旦終了する。上記のようにブレー
キ負圧Vを予測要求値VH よりも真空側の値に維持した
状態で、ブレーキペダル51が踏込開始されてブレーキ
ブースタ50が駆動されると、図3(b)に示すように
予測時負圧生成フラグFが「0」に設定される。また、
このときのブレーキ負圧Vは、図3(a)に実線L3で
示すように徐々に大気圧側の値へと変化するようにな
る。そして、その大気圧側へのブレーキ負圧Vの変化量
αは、予測要求値VH と要求値VL との差ΔVよりも小
さいものとなる。従って、この状態にあっては、ブレー
キ負圧Vが予測要求値VH よりも大気圧側の値にはなる
ものの要求値VL よりは真空側の値になる。
【0057】予測時負圧生成フラグFが「0」に設定さ
れると、上記ステップS101の処理で「F=1」でな
い旨判断され、ステップS105に進むようになる。E
CU92は、S105の処理として、ブレーキ負圧Vが
要求値VL よりも真空側の値であるか否か、即ちブレー
キ負圧Vが要求値VL に達しているか否かを判断する。
そして、ブレーキ負圧Vが要求値VL に達していないな
らば、ステップS106に進む、ECU92は、ステッ
プS106の処理として、スロットル用モータ24を駆
動制御してスロットルバルブ23を徐々に閉じ側に制御
した後、この負圧制御ルーチンを一旦終了する。
【0058】また、上記ステップS105の処理でブレ
ーキ負圧Vが要求値VL に達している旨判断されると、
ステップS107に進む。ECU92は、ステップS1
07の処理としてスロットル復帰制御を実行する。即
ち、ECU92は、ブレーキ負圧Vが要求値VL よりも
真空側の値であることを条件に、スロットル用モータ2
4を駆動制御してスロットルバルブ23を開き側に制御
する。こうしたステップS107の処理を実行した後、
ECU92は、この負圧制御ルーチンを一旦終了する。
【0059】上記のようにブレーキ負圧Vを要求値VL
よりも真空側の値に維持した状態でブレーキペダル51
が踏込開始された後、ブレーキ踏込力が弱められると、
ブレーキ負圧Vが図3(a)に実線L3で示すように徐
々に大気圧側の値へと変化する。このようにブレーキ負
圧Vが変化した後であっても、そのブレーキ負圧Vは要
求値VL よりも真空側の値になる。従って、ブレーキペ
ダル51の踏込中において、ブレーキ負圧Vが要求値V
L よりも大気圧側の値になってスロットル閉じ制御が行
われることはない。そして、そのスロットル閉じ制御に
基づきブレーキ負圧が再び要求値VL よりも真空側の値
になったとき、ブレーキブースタ50の作動によって再
度ブレーキ操作力が軽減され、これによりブレーキフィ
ーリングが悪化することも防止される。
【0060】次に、上記予測時負圧生成フラグFの設定
手順について図5を参照して説明する。図5は、予測時
負圧生成フラグFの設定を行うためのフラグ設定ルーチ
ンを示すフローチャートである。このフラグ設定ルーチ
ンは、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割り
込みにて実行される。
【0061】同ルーチンにおいてECU92は、ステッ
プS201の処理として、アクセル踏込量ACCPが所
定値から「0」になったか否か、即ちブレーキペダル5
1の踏み込みが予測される状況か否かを判断し、ブレー
キ踏込が予測される状況であればステップS202に進
む。ECU92は、ステップS202の処理として、現
在のスロットル開度THR、即ちブレーキ踏込が予測さ
れたときのスロットル開度THRを記憶値THRmem と
して記憶する。ECU92は、続くステップS203の
処理で、予測時負圧生成フラグFとして「1」をRAM
95の所定領域に記憶した後、このフラグ設定ルーチン
を一旦終了する。このように予測時負圧生成フラグFが
「1」に設定されると、負圧制御ルーチン(図4)のス
テップS101の処理でYESと判断され、ブレーキ踏
込予測時のスロットル閉じ制御にかかるステップS10
2〜S104の処理が実行されるようになる。
【0062】一方、上記ステップS201の処理におい
て、アクセル踏込量ACCPが所定値から「0」になっ
ていない旨、即ちブレーキペダル51の踏み込みが予測
される状況でない旨判断されると、ステップS204に
進む。ECU92は、ステップS204の処理としてブ
レーキ負圧Vが予測要求値VH に達しているか否かを判
断し、ステップS205の処理として現在のスロットル
開度THRが上記記憶値THRmem と一致しているか否
かを判断する。そして、上記ステップS204,S20
5の処理で共にYESと判断されると、ステップS20
7に進む。こうしてステップS207に進むのは、ブレ
ーキ負圧Vが予測要求値VH に達しており、且つスロッ
トル開度THRが上記ブレーキ踏込予測時と同じ値のと
きである。
【0063】ECU92は、ステップS207の処理
で、予測時負圧生成フラグFとして「0」をRAM95
の所定領域に記憶した後、このフラグ設定ルーチンを一
旦終了する。このように予測時負圧生成フラグFが
「0」に設定されると、負圧制御ルーチン(図4)のス
テップS101の処理でNOと判断され、ブレーキ踏込
予測時のスロットル閉じ制御にかかるステップS102
〜S104の処理が実行されることはなくなる。
【0064】また、上記ステップS204,S205の
いずれかの処理においてNOと判断されると、ステップ
S206に進む。ECU92は、ステップS206の処
理として、ブレーキスイッチ51aからの検出信号に基
づき、ブレーキペダル51の踏込量が「0」以外の値な
ったか否かを判断する。そして、自動車の運転者がブレ
ーキペダル51を踏み込んだときなど、同ペダル51の
踏込量が「0」以外の値であれば、ステップS207の
処理により予測時負圧生成フラグFが「0」に設定され
る。また、ブレーキペダル51の踏込量が「0」なら
ば、ECU92は、このフラグ設定ルーチンを一旦終了
する。
【0065】従って、予測時負圧生成フラグFは、アク
セルペダル25の踏込量が所定値から「0」になったと
き、即ちブレーキペダル51の踏み込みが予測されたと
き、「1」に設定される。そして、スロットルバルブ2
3がブレーキ負圧Vを確保するためのスロットル閉じ制
御が行われていない状態で、且つブレーキ負圧Vが上記
予測要求値VH に達しているときや、ブレーキペダル5
1が踏み込まれたときに、上記予測時負圧生成フラグが
「0」に設定される。
【0066】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)ブレーキペダル51の踏み込みが予測される状況
のとき、ブレーキ負圧が予測要求値VH に達していない
ことを条件に、スロットルバルブ23の閉じ制御が実行
される。このスロットル閉じ制御により、ブレーキ踏込
中にブレーキ負圧Vが要求値VL よりも大気圧側の値に
変化することが防止される。そして、ブレーキ踏込中
に、ブレーキ負圧Vが要求値VL よりも大気圧側の値に
変化することに基づくスロットル閉じ制御が行われ、そ
のスロットル閉じ制御の実行によりブレーキ負圧Vが要
求値VL に達し、再度ブレーキ踏込量が軽減されること
は防止される。また、ブレーキ踏込予測時のスロットル
閉じ制御は、ブレーキ負圧Vが予測要求値VH に達して
いないことを条件に行われるため、その条件が満たされ
ているときには上記スロットル閉じ制御が行われず、同
制御が過度に行われてエンジン11のポンピングロスが
増大することは防止される。従って、ポンピングロス増
大によって燃費を悪化させることなく、ブレーキ踏込中
における再度のブレーキ踏込力軽減に基づくブレーキフ
ィーリングの悪化を防止することができる。
【0067】(2)上記予測要求値VH と要求値VL と
の差ΔVがブレーキ踏込開始時におけるブレーキ負圧V
の大気圧側への変化量αよりも大きくなるように、その
予測要求値VH が設定されているため、ブレーキ踏込開
始後にもブレーキ負圧Vを的確に要求値VL より真空側
の値とすることができる。
【0068】(3)ブレーキ踏込予測時に予測時負圧生
成フラグFが「1」に設定され、スロットル閉じ制御に
よってブレーキ負圧Vが予測要求値VH に近づけられた
としても、ブレーキ踏込量が「0」になって予測時負圧
生成フラグFが「0」に設定されると、上記スロットル
閉じ制御が終了することとなる。従って、ブレーキ負圧
Vを予測要求値VH に近づけるためのスロットル閉じ制
御が過度に行われ、その制御に基づき吸気圧PMが過度
に長期間真空側の値になってエンジン11のポンピング
ロスが増大するのを防止することができる。
【0069】(4)アクセル踏込量ACCPが所定値か
ら「0」になることに基づきブレーキペダル51が踏み
込まれる状況であることを予測したため、その予測を的
確に行うことができる。
【0070】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。・本実施形態では、予測要求値
VH と要求値VL との差ΔVがブレーキ踏込開始時にお
けるブレーキ負圧Vの大気圧側への変化量αより大きく
なるように、その予測要求値VH の設定を行ったが、こ
うした設定を必ずしも行う必要はない。
【0071】・本実施形態では、スロットルバルブ23
を閉じ側に制御してブレーキ負圧Vの調整を行うように
したが、これに代えてEGRバルブ43を閉じ側に制御
することでブレーキ負圧Vの調整を行ってもよい。ま
た、スロットルバルブ23を迂回するバイパス通路を吸
気通路32に接続し、そのバイパス通路の空気流通面積
を調整するアイドルスピードコントロールバルブをエン
ジン11に採用した場合には、そのアイドルスピードコ
ントロールバルブを閉じ側に制御することで、ブレーキ
負圧Vの調整を行ってもよい。
【0072】・本実施形態では、ブレーキペダル51の
踏込量が「0」になったことをブレーキスイッチ51a
によって検出したが、これ代えてブレーキの作動油圧を
検出する油圧センサを設け、その油圧センサからの検出
信号に基づきブレーキペダルの踏込量を検出してもよ
い。また、ブレーキペダルの踏込量を直接検出するセン
サ等を設けてもよい。
【0073】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (1)請求項1〜3のいずれかに記載の車載内燃機関の
負圧制御装置において、前記ブレーキ予測手段は、前記
内燃機関のアクセル操作量に基づきブレーキ操作を予測
することを特徴とする車載内燃機関の負圧制御装置。
【0074】同構成によれば、内燃機関のアクセル操作
量に基づき的確にブレーキ操作を予測することができ
る。 (2)上記(1)に記載の車載内燃機関の負圧制御装置
において、前記ブレーキ予測手段は、前記内燃機関のア
クセル操作量が所定値から零になることに基づきブレー
キ操作を予測する車載内燃機関の負圧制御装置。
【0075】同構成によれば、内燃機関のアクセル操作
量が所定値から零になることに基づき的確にブレーキ操
作を予測することができる。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ブレーキ
操作が予測されたとき、ブレーキ負圧がブレーキブース
タの作動に必要な要求値よりも真空側の値である予測要
求値に達していないことを条件に、内燃機関の吸気系に
生じる負圧が真空側へ調整される。そのため、実際のブ
レーキ操作によってブレーキ負圧が大気圧側に変化して
も、そのブレーキ負圧が上記要求値を越えることは防止
され、それに基づきブレーキブースタの作動に必要な負
圧確保が行われることも防止される。また、ブレーキ負
圧が予測されてもブレーキ負圧が予測要求値に達してい
れば、ブレーキ負圧を上記予測要求値に到達させるため
の上記負圧調整が行われないため、その負圧調整に基づ
く燃費の悪化も防止される。従って、ブレーキ操作中に
ブレーキブースタの作動に必要なブレーキ負圧の確保が
行われてブレーキフィーリングが悪化するのを内燃機関
の燃費を悪化させることなく防止することができる。
【0077】請求項2記載の発明によれば、予測要求値
と前記要求値との差が前記ブレーキが操作されたときに
大気圧側に変化するブレーキ負圧の変化量よりも大きく
なるため、ブレーキ操作されたときでも的確にブレーキ
負圧が要求値よりも真空側の値になる。そのため、ブレ
ーキ操作中にブレーキブースタの作動に必要なブレーキ
負圧の確保が行われてブレーキフィーリングが悪化する
のを的確に防止することができる。
【0078】請求項3記載の発明によれば、ブレーキ操
作が検出されたときには、制御手段による負圧調整手段
の制御が終了する。従って、ブレーキ負圧を予測要求値
に到達させるための負圧調整手段の制御が過度に行わ
れ、その制御に基づき内燃機関の吸気系に生じる負圧が
過度に長期間真空側の値になって内燃機関のポンピング
ロスが増大するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負圧制御装置が適用されたエンジン全
体を示す断面図。
【図2】同負圧制御装置の電気的構成を示すブロック
図。
【図3】ブレーキ操作に伴うブレーキ負圧及び予測時負
圧生成フラグの推移を示すタイムチャート。
【図4】負圧制御手順を示すフローチャート。
【図5】予測時負圧生成フラグの設定手順を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
11…エンジン、23…スロットルバルブ、24…スロ
ットル用モータ、25…アクセルペダル、26…アクセ
ルポジションセンサ、32…吸気通路、42…EGR通
路、43…EGRバルブ、43a…ステップモータ、4
9…負圧通路、50…ブレーキブースタ、50a…ブー
スタ圧力センサ、51…ブレーキペダル、51…ブレー
キスイッチ、92…電子制御ユニット(ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/12 310 B60T 13/52 Fターム(参考) 3D041 AA65 AA66 AD02 AD04 AD05 AD10 AD41 AE04 AE05 AE07 AE09 AE41 AF01 AF09 3D048 BB23 CC26 HH66 HH67 KK09 RR00 RR06 RR35 3D049 HH08 HH39 HH42 HH47 KK09 RR04 RR13 3G093 AB00 BA15 BA19 CB07 DA01 DA03 DA06 DA07 DB07 DB15 EA04 EA05 EA09 EB04 EC02 FA06 FA07 FA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車載内燃機関の吸気系に生じる負圧をブレ
    ーキ負圧として蓄圧し、そのブレーキ負圧によってブレ
    ーキの操作力を軽減すべく駆動されるブレーキブースタ
    と、前記内燃機関の吸気系に生じる負圧を調整する負圧
    調整手段とを備え、前記ブレーキ負圧が前記ブレーキブ
    ースタを作動させるのに必要な要求値に達しないとき、
    前記ブレーキ負圧を前記要求値に近づけるべく前記負圧
    調整手段を制御する車載内燃機関の負圧制御装置におい
    て、 前記ブレーキが操作されることを予測するブレーキ予測
    手段と、 前記ブレーキ予測手段によってブレーキ操作が予測され
    たとき、前記ブレーキ負圧が前記要求値よりも真空側の
    値である予測要求値に達しているか否か判断する負圧判
    断手段と、 前記負圧判断手段によって前記ブレーキ負圧が前記予測
    要求値に達していない旨判断されたとき、同ブレーキ負
    圧を前記予測要求値に近づけるべく前記負圧調整手段を
    制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする車載内燃機関の負圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記予測要求値は、その予測要求値と前記
    要求値との差が前記ブレーキが操作されたときに大気圧
    側に変化するブレーキ負圧の変化量よりも大きくなる値
    である請求項1記載の車載内燃機関の負圧制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の車載内燃機関の制御
    装置において、 前記ブレーキの操作を検出するブレーキ操作検出手段を
    更に備え、 前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段によってブ
    レーキ操作が検出されたとき、前記負圧調整手段の制御
    を終了することを特徴とする車載内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002104172A (ja) * 2000-08-02 2002-04-10 Robert Bosch Gmbh 負圧蓄え器における圧力の制御および/または調整方法、コンピュータプログラムおよび負圧蓄え器における圧力の制御装置

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JP2002104172A (ja) * 2000-08-02 2002-04-10 Robert Bosch Gmbh 負圧蓄え器における圧力の制御および/または調整方法、コンピュータプログラムおよび負圧蓄え器における圧力の制御装置

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