JP2000109976A - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置

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JP2000109976A
JP2000109976A JP10297637A JP29763798A JP2000109976A JP 2000109976 A JP2000109976 A JP 2000109976A JP 10297637 A JP10297637 A JP 10297637A JP 29763798 A JP29763798 A JP 29763798A JP 2000109976 A JP2000109976 A JP 2000109976A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜中に膜に与えるダメージが小さく、膜特
性および膜厚が均一な薄膜を高速で形成でき、さらにタ
ーゲットの材料を有効利用できるスパッタ装置を提供す
る。 【解決手段】 円筒状のターゲット21の外周面側に
は、傾斜円筒状の磁石22が軸心に対して傾斜した円環
状の磁石として配されており、ターゲット21の内周面
側には軸方向の磁界24が傾斜円環状に分布して生じ
る。磁石22を回転させることにより磁界24が周方向
に回転し、ターゲット21の内周面に形成されるプラズ
マ密度の平均値は、内周面全面にわたり一様になる。こ
れにより高速スパッタリングがターゲット21の内周面
で一様に進行することになり、ターゲット21の使用寿
命が伸び、膜特性,及び膜厚分布の均一性も確保され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜形成を行うス
パッタ装置、より詳細には、成膜中に膜に与えるダメー
ジが小さく、膜特性および膜厚が均一な薄膜を高速で形
成でき、さらにターゲットの材料を有効利用できるよう
にしたスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ターゲット表面からスパッタ粒子が発生
するスパッタリング現象は、真空容器内に導入された低
圧の雰囲気ガスに対し、ターゲットを一方の電極として
電界を作用させ、グロー放電を発生させてガスをプラズ
マ化し、このプラズマ中のイオンを電界の方向に加速し
て、ターゲットに衝突させることにより、ターゲットの
構成原子が飛び出す現象である。このスパッタリング現
象を利用した薄膜形成は、薄膜形成面の熱損傷が少なく
かつ膜質が良好なことから広く用いられているが、成膜
速度の高速化が重要な課題とされている。この成膜速度
を速める方法として、プラズマに磁界を作用させてプラ
ズマ中の電子を磁界中に閉じこめ、1個の電子が中性ガ
ス分子へ衝突する機会を増すことによりプラズマを高密
度化し、これによりイオン密度を増すようにしたマグネ
トロン方式が採用されている。
【0003】以下に添付された図面を参照して、従来の
スパッタ装置の構成例を説明する。なお、従来例を説明
するための全図において、同様の機能を有する部分には
同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図
11は、マグネトロン方式による従来のスパッタ装置の
一例を示す概略構成図で、図中、1はターゲット、2は
永久磁石、2nはn側磁極、2sはs側磁極、3は円筒
状の基板ホルダ、4は電源、5は磁界、6は電子の運動
方向である。
【0004】図11に示すスパッタ装置においては、薄
膜を形成する基板が配される円筒状の基板ホルダ3を取
り囲むように、薄膜形成物質からなる円筒状のターゲッ
ト1が円筒状の基板ホルダ3と同心に配され、さらに円
筒状ターゲット1の外周面側に永久磁石2がターゲット
1と同心に配されている。このような構成では、ターゲ
ット1の内周面側に磁極2nから出て磁極2sに入る磁
力線によるトンネル状の磁界5が形成されているため、
円筒状基板ホルダ3とターゲット1に電源4を接続して
これらの間にグロー放電を生ぜしめると、グロー放電に
よって生じたプラズマ中の電子は、磁界の作用を受けて
電子の運動方向6に示すごとくの軌跡と運動方向を有す
るドリフト運動をする。これにより磁界中をドリフトす
る電子の飛行距離が伸び、1個の電子により多くのガス
分子が電離されてガスが高密度にプラズマ化され、この
結果、プラズマ中のイオン化密度が増してスパッタ粒子
が増大し、これにより成膜速度が大きくなる。
【0005】ところが、このような従来の磁極構成で
は、磁極2s,2nによりターゲット1の内周面側にト
ンネル状の閉じた磁界が形成されるため、トンネル状に
湾曲する磁力線中、電界との直交成分が大きいトンネル
頂部位置すなわちトンネルの中央部ほどガスのプラズマ
化が高密度に生じ、従って磁極側に近づくほどプラズマ
密度は小さくり、プラズマはターゲット外周面のトンネ
ル中央位置近傍に限定された状態で生成する。従って成
膜とともに進行するターゲットの消耗もトンネル中央位
置近傍のみで生じ、このためターゲット1の利用効率が
悪く、使用寿命が短くなるとともに、消耗に基づくター
ゲット表面の変形により基板に成膜される膜厚分布の一
様性が損なわれるという問題がある。さらに、通常のマ
グネトロンスパッタの場合、ターゲット1のスパッタさ
れる領域が特定の場所に限定されるため、反応性DCス
パッタを行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積さ
れ、アーキングが生じて膜質の劣化や成膜速度の低下を
引き起こす。
【0006】このような問題を解決するために、例えば
特開昭63−171879号公報では、電気的手段によ
り磁界を矯正し、一様なプラズマを形成させる装置が提
案されている。しかしながらこの技術においては、新た
に電源手段を必要とし、またターゲットサイズが大きく
なった場合、磁界の矯正のために投入すべき電力もそれ
に伴い大きくする必要があった。
【0007】図12は、マグネトロン方式による従来の
スパッタ装置の他の例を示す概略構成図である。図13
は、図12に示すスパッタ装置の要部概略構成図で、図
中、7,8,9は絶縁体、10は上部シールド、11は
下部シールド、12は真空槽壁、13は冷却水である。
図14は、図12及び図13に示すスパッタ装置におけ
る磁界及び電子の流れを説明するための図である。
【0008】図12ないし図14に示すスパッタ装置に
おいては、薄膜を形成する基板が配される円筒状の基板
ホルダ3を取り囲むように、薄膜形成物質からなる円筒
状のターゲット1が円筒状の基板ホルダ3と同心に配さ
れ、さらに円筒状ターゲット1の内周面側に永久磁石2
がターゲット1と同心に配されている。このような構成
では、ターゲット1の外周面側に磁極2nから出て磁極
2sに入る磁力線によるトンネル状の磁界5が形成され
ているため、円筒状の基板ホルダ3とターゲット1に電
源4を接続してこれらの間にグロー放電を生ぜしめる
と、グロー放電によって生じたプラズマ中の電子は、磁
界の作用を受けて電子の運動方向6に示すごとくの軌跡
と運動方向を有するドリフト運動をする。これにより磁
界中をドリフトする電子の飛行距離が伸び、1個の電子
により多くのガス分子が電離されてガスが高密度にプラ
ズマ化され、この結果、プラズマ中のイオン化密度が増
してスパッタ粒子が増大し、これにより成膜速度が大き
くなる。
【0009】ところが、このような従来の磁極構成で
は、磁極2n,2sによりターゲット1の外周面側にト
ンネル状の閉じた磁界が形成されるため、トンネル状に
湾曲する磁力線中、電界との直交成分が大きいトンネル
頂部位置すなわちトンネルの中央部ほどガスのプラズマ
化が高密度に生じ、従って磁極側に近づくほどプラズマ
密度は小さくなり、プラズマはターゲット外周面のトン
ネル中央位置近傍に限定された状態で生成する。従って
成膜とともに進行するターゲットの消耗もトンネル中央
位置近傍のみで生じ、このためターゲット1の利用効率
が悪く、使用寿命が短くなるとともに、消耗に基づくタ
ーゲット表面の変形により基板に成膜される膜厚分布の
一様性が損なわれるという問題がある。
【0010】さらに、通常のマグネトロンスパッタの場
合、ターゲット1のスパッタされる領域が特定の場所に
限定されるため、反応性DCスパッタを行う場合は、他
の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アーキングが生じて
膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こす。
【0011】また、上述した各構成例に限らず、スパッ
タリング法により基板上に高機能性薄膜を形成する場合
には、ターゲット面上の電界の方向、すなわちターゲッ
ト面に垂直に加速された負イオンあるいはこの負イオン
が中性化した高速粒子などが発生し、さらにこれらがス
パッタガスとほとんど衝突することなく運動エネルギー
を保ったまま飛行して基板上に形成中の膜に衝突した場
合、膜にダメージを与えて膜機能を低下させるという問
題点が生じる。従って、高機能な化合物薄膜の形成にお
いては、このようなターゲット面に垂直に加速された高
速粒子を基板に到達させないスパッタリング方法の実現
が望まれている。
【0012】例えば特開平5−307914号公報で
は、透明導電膜の成膜において、高速粒子の基板への到
達割合を少なくするために基板が直接プラズマに曝され
ないようにした対向ターゲット方式が検討されている
が、これは特殊な方式であるため、析出した膜の均一性
や生産効率を考えると実生産に際しては充分であるとは
いえない。また、例えば特開平9−256151号公報
には、斜め放電により負イオンの運動方向を曲げて膜の
損傷を低減するスパッタ方法も提案されているが、制御
用の放電電極に膜が堆積し、例えば電極表面の電気特性
が高抵抗となった場合には負イオンの制御が不可能とな
るため、連続生産には適していない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
実情に鑑みてなされたもので、成膜中に膜に与えるダメ
ージが小さく、膜特性および膜厚が均一な薄膜を高速で
形成でき、さらにターゲットの材料を有効利用できるス
パッタ装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、真空
槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲット
と同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダ
と、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対
向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に
対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前
記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一
の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、
該傾斜円筒状磁石を前記中心軸の回りに回転させる手段
とを有することを特徴とし、もって、基板と円筒状のタ
ーゲットとの間に生じる電界に直交する磁界が傾斜円環
状磁界として生じ、従って磁界の強さの時間平均はター
ゲットの内周もしくは外周面全域にわたり一様になり、
高密度プラズマが均一に生成され、これにより高速スパ
ッタリングがターゲット内周もしくは外周面で一様に進
行することになり、ターゲットの使用寿命が伸び、膜特
性、膜厚分布の均一性も確保され、また、ターゲット表
面のスパッタされる領域は、基板に対して相対的に移動
することになるため、膜特性、膜厚が偏在化することな
く均一な成膜が行われるようにしたものである。
【0015】請求項2の発明は、真空槽内に設置される
円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を
有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上
で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変と
した基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向
させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側
または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するよ
うに配置された傾斜円筒状磁石と、前記ターゲットを前
記中心軸の回りに回転させる手段と、前記基板ホルダを
前記中心軸の回りに回転させる手段とを有することを特
徴とし、もって、基板と円筒状のターゲットとの間に生
じる電界に直交する磁界が傾斜円環状磁界として生じ、
従って磁界の強さの時間平均はターゲットの内周もしく
は外周面全域にわたり一様になり、高密度プラズマが均
一に生成され、これにより高速スパッタリングがターゲ
ット内周もしくは外周面で一様に進行することになり、
ターゲットの使用寿命が伸び、膜特性、膜厚分布の均一
性も確保され、また、ターゲット表面のスパッタされる
領域は、基板に対して相対的に移動することになるた
め、膜特性、膜厚が偏在化することなく均一な成膜が行
われるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、真空容器内に、薄膜が
形成される円筒状基板を取り囲む前記薄膜物質からなる
円筒状ターゲットを同心に配置し、この基板とターゲッ
トとの間で半径方向に生じている電界と直交する磁界を
ターゲットの内周面側(または外周面側)に配された磁
界発生手段により発生せしめることにより、ターゲット
の外周面側(または内周面側)に高密度プラズマを生成
し、このプラズマ中のイオンを前記電界の方向に加速し
てターゲットに衝突させることによりスパッタ粒子を発
生せしめて前記基板上に形成するものである。
【0017】本発明によれば、膜特性および膜厚が均一
な薄膜を高速で形成できるため、大量の基板への薄膜作
製が必要な場合に特に有効である。また、材料利用効率
の高い成膜が可能なため、高価な材料の薄膜化に極めて
有効である。さらに、ターゲット表面を均一にスパッタ
できるため、反応性スパッタ時の絶縁物の堆積を防ぐこ
とが可能で安定した成膜ができる。
【0018】以下に、本発明の実施形態を添付された図
面を参照して具体的に説明する。なお実施形態を説明す
るための全図において、同様の機能を有する部分には同
一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。 (実施形態1)図1は、本発明のスパッタ装置の一実施
形態を示す図で、平面概略構成図を図1(A)に、側面
概略構成図を図1(B)に示すものである。図1におい
て、3は円筒状の基板ホルダ、21は円筒状のターゲッ
ト、22は傾斜円筒状の磁石、23はヨーク、24は磁
界、26は回転筒である。円筒状のターゲット21の外
周面側には、傾斜円筒状の磁石22が円筒状のターゲッ
ト21を囲むように配されていて、この傾斜円筒状の磁
石22における磁極面内周を円筒の軸心に対して傾斜さ
せて構成される。
【0019】ターゲット21の内周面側にはヨーク23
を介して軸方向の磁界24が生じる。この磁界24は傾
斜円環状に分布しており、磁界24が周方向に回転する
ことにより、ターゲット21の内周面に形成されるプラ
ズマ密度の平均値は、内周面全面にわたり一様になる。
これにより高速スパッタリングがターゲット21の内周
面で一様に進行することになり、ターゲット21の使用
寿命が伸び、膜特性,及び膜厚分布の均一性も確保され
る。また、ターゲット表面のスパッタされる領域が基板
に対して相対的に移動することになるため、膜特性,及
び膜厚が偏ることなく均一な成膜が行われる。
【0020】さらに、前述したごとくに、ターゲット2
1上のスパッタされる領域が特定の場所に限定される通
常のマグネトロンスパッタにより反応性DCスパッタを
行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アー
キングが起き膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こす
が、本実施形態の構成とすればターゲット全面で絶縁物
のクリーニングが行われるため上記の問題を回避でき
る。
【0021】さらに本実施形態においては、基板面とタ
ーゲット面のなす角を0〜90度の間で可変とすること
により、ターゲット面に垂直な方向に飛行する負イオン
或いはこれが中性化した高速粒子が基板へ入射する割合
を減少させ、これらが基板上に形成中の膜に衝突し、膜
にダメージを与えることを抑制することが可能である。
なお、膜の均一性については、基板を自転あるいは自公
転させる(円筒状の基板ホルダ上で基板を回転させ、も
しくはさらに円筒状の基板ホルダ自体をも回転させる)
ことにより、基板面がターゲット面に対し傾いていても
均一性を十分確保できるようになっている。
【0022】(実施形態2)図2は、本発明のスパッタ
装置の他の実施形態を示す図で、平面概略構成図を図2
(A)に、側面概略構成図を図2(B)に示すものであ
る。本実施形態は、実施形態1と同様の構成で、傾斜円
筒状の磁石22を回転させる代わりに、ターゲット21
を円筒軸の周りに自転させ、また円筒状基板ホルダ3を
ターゲット21の回転に対して逆方向に回転させるよう
にしたものである。本実施形態においても同様に、ター
ゲット内周面に形成されるプラズマ密度の時間平均は内
周面全面にわたり一様になり、ターゲット表面のスパッ
タされる領域は基板に対して相対的に移動する。
【0023】(実施形態3)図3は、本発明のスパッタ
装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図であ
る。本実施形態は、傾斜円筒状の磁石22を回転軸方向
に複数個並べて構成したものである。本実施形態におい
ては、高密度プラズマ領域が増加する事により、内周面
全面でのプラズマ密度の時間平均の一様性を保ったまま
成膜速度をさらに速くすることができる。
【0024】(実施形態4)図4は、本発明のスパッタ
装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図で、図
中、30はシールド板である。本実施形態は、ターゲッ
ト21と円筒状の基板ホルダ3との間に、ターゲット面
に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射するこ
とを制限するシールド板30を配する構成を有するもの
である。本実施形態においては、ターゲット面に垂直な
スパッタ粒子の入射をシールド板によっても制限するこ
とにより、なお一層膜に与えられるダメージを低減する
ことが出来る。
【0025】(実施形態5)図5は、本発明のスパッタ
装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図で、図
中、31は補助電極である。本実施形態は、ターゲット
21と円筒状の基板ホルダ3との間に、ターゲット21
に対して正電位であり、スパッタ粒子を通過させうる補
助電極31を配した構成を有するものである。本実施形
態においては、補助電極31とターゲット21の間の電
界により放電が維持されるため、磁界や基板が運動する
際にもプラズマを安定して発生させ、維持できる。
【0026】(実施形態6)図6は、本発明のスパッタ
装置の一実施形態を示す図で、平面概略構成図を図6
(A)に、側面概略構成図を図6(B)に示すものであ
る。図6において、25は基板である。円筒状のターゲ
ット21の内周面側には、傾斜円筒状の磁石22が円筒
状のターゲット21を囲むように配されていて、この傾
斜円筒状磁石22における磁極面外周を円筒の軸心に対
して傾斜させて構成される。
【0027】ターゲット21の外周面側にはヨーク23
を介して軸方向の磁界24が生じる。この磁界24は傾
斜円環状に分布しており、磁界24が周方向に回転する
ことにより、ターゲット21の外周面に形成されるプラ
ズマ密度の時間平均は、外周面全面にわたり一様にな
る。これにより高速スパッタリングがターゲット21の
外周面で一様に進行することになり、ターゲット21の
使用寿命が伸び、膜特性,及び膜厚分布の均一性も確保
される。また、ターゲット表面のスパッタされる領域が
基板に対して相対的に移動することになるため、膜特
性,及び膜厚が偏ることなく均一な成膜が行われる。
【0028】さらに、前述したごとくに、ターゲット2
1上のスパッタされる領域が特定の場所に限定される通
常のマグネトロンスパッタにより反応性DCスパッタを
行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アー
キングが起き膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こす
が、本実施形態の構成とすればターゲット全面で絶縁物
のクリーニングが行われるため上記の問題を回避でき
る。
【0029】さらに本実施形態においては、基板面とタ
ーゲット面のなす角を0〜90度の間で可変とすること
により、ターゲット面に垂直な方向に飛行する負イオン
或いはこれが中性化した高速粒子が基板へ入射する割合
を減少させ、これらが基板上に形成中の膜に衝突し、膜
にダメージを与えることを抑制することが可能である。
なお、膜の均一性については、基板を自転あるいは自公
転させる(円筒状基板ホルダ上で基板を回転させ、もし
くはさらに円筒状基板ホルダ自体を回転させる)ことに
より、基板面がターゲット面に対し傾いていても均一性
を十分確保できるようになっている。
【0030】(実施形態7)図7は、本発明のスパッタ
装置の他の実施形態を示す図で、平面概略構成図を図7
(A)に、側面概略構成図を図7(B)に示すものであ
る。本実施形態は、実施形態6と同様の構成で、傾斜円
筒状の磁石22を回転させる代わりに、ターゲット21
を円筒軸の周りに自転させ、また基板25が配される円
筒状の基板ホルダ(図示せず)をターゲット21の回転
に対して逆方向に回転させるようにしたものである。本
実施形態においても同様に、ターゲット内周面に形成さ
れるプラズマ密度の時間平均は外周面全面にわたり一様
になり、ターゲット表面のスパッタされる領域は基板に
対して相対的に移動する。
【0031】(実施形態8)図8は、本発明のスパッタ
装置のさらに他の実施形態を示す図で、平面概略構成図
を8(A)に、側面概略構成図を図8(B)に示すもの
である。本実施形態においは、傾斜円筒状の磁石を回転
軸方向に複数個並べて構成したものである。本実施形態
においては、高密度プラズマ領域が増加する事により、
外周面全面でのプラズマ密度の時間平均の一様性を保っ
たまま成膜速度をさらに速くすることができる。
【0032】(実施形態9)図9は、本発明のスパッタ
装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図であ
る。本実施形態は、ターゲット21と基板25が配され
る円筒状の基板ホルダ(図示せず)との間に、ターゲッ
ト面に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射す
ることを制限するシールド板30を配する構成を有する
ものである。本実施形態においては、ターゲット面に垂
直なスパッタ粒子の入射をシールド板30によっても制
限することにより、なお一層膜に与えられるダメージを
低減することが出来る。
【0033】(実施形態10)図10は、本発明のスパ
ッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図で
ある。本実施形態においては、ターゲット21と基板2
5が配される円筒状基板ホルダ(図示せず)との間に、
ターゲット21に対して正電位であり、スパッタ粒子を
通過させうる補助電極31を配した構成を有するもので
ある。本実施形態においては、補助電極31とターゲッ
ト21の間の電界により放電が維持されるため、磁界や
基板が運動する際にもプラズマを安定して発生させ、維
持できる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明は、真空槽内に設置され
る円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸
を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ
上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変
とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対
向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内
側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有する
ように配置された傾斜円筒状磁石と、該傾斜円筒状磁石
を前記中心軸の回りに回転させる手段とを有するので、
基板と円筒状ターゲットとの間に生じる電界に直交する
磁界が傾斜円環状磁界として生じ、従って磁界の強さの
時間平均はターゲットの内周もしくは外周面全域にわた
り一様になり、高密度プラズマが均一に生成される。こ
れにより高速スパッタリングがターゲット内周もしくは
外周面で一様に進行することになり、ターゲットの使用
寿命が伸び、膜特性、膜厚分布の均一性も確保される。
また、ターゲット表面のスパッタされる領域は、基板に
対して相対的に移動することになるため、膜特性、膜厚
が偏在化することなく均一な成膜が行われる。また、円
筒状の基板ホルダに設置される基板の該ターゲットに対
向する角度を可変設定可能としたことにより、ターゲッ
ト面に垂直な方向に飛行する負イオン或いはこれが中性
化した高速粒子の基板への入射の割合を減少させ、これ
らが基板上に形成中の膜に衝突し、膜にダメージを与え
ることを抑制することが可能となる。さらに、本発明を
用いればターゲット全面で絶縁物のクリーニングが行わ
れるため、ターゲットにおける絶縁物の堆積により生じ
るアーキングによる膜質の劣化や成膜速度の低下を回避
できる。
【0035】請求項2の発明は、真空槽内に設置される
円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を
有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上
で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変と
した基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向
させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側
または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するよ
うに配置された傾斜円筒状磁石と、前記ターゲットを前
記中心軸の回りに回転させる手段と、前記基板ホルダを
前記中心軸の回りに回転させる手段とを有するので、基
板と円筒状のターゲットとの間に生じる電界に直交する
磁界が傾斜円環状磁界として生じ、従って磁界の強さの
時間平均はターゲットの内周もしくは外周面全域にわた
り一様になり、高密度プラズマが均一に生成される。こ
れにより高速スパッタリングがターゲット内周もしくは
外周面で一様に進行することになり、ターゲットの使用
寿命が伸び、膜特性、膜厚分布の均一性も確保される。
また、ターゲット表面のスパッタされる領域は、基板に
対して相対的に移動することになるため、膜特性、膜厚
が偏在化することなく均一な成膜が行われる。また、円
筒状の基板ホルダに設置される基板の該ターゲットに対
向する角度を可変設定可能としたことにより、ターゲッ
ト面に垂直な方向に飛行する負イオン或いはこれが中性
化した高速粒子の基板への入射の割合を減少させ、これ
らが基板上に形成中の膜に衝突し、膜にダメージを与え
ることを抑制することが可能となる。さらに、本発明を
用いれば、ターゲット全面で絶縁物のクリーニングが行
われるため、ターゲットにおける絶縁物の堆積により生
じるアーキングによる膜質の劣化や成膜速度の低下を回
避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタ装置の一実施形態を示す図
である。
【図2】 本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す
図である。
【図3】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図4】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図5】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図6】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図7】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図8】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図9】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態
を示す図である。
【図10】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形
態を示す図である。
【図11】 マグネトロン方式による従来のスパッタ装
置の一例を示す概略構成図である。
【図12】 マグネトロン方式による従来のスパッタ装
置の他の例を示す概略構成図である。
【図13】 図12に示すスパッタ装置の要部概略構成
図である。
【図14】 図12及び図13に示すスパッタ装置にお
ける磁界及び電子の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1,21…円筒状のターゲット、2…永久磁石、2n…
n側磁極、2s…s側磁極、3…円筒状の基板ホルダ、
4…電源、5…磁界、6…電子の運動方向、7,8,9
…絶縁体、10…上部シールド、11…下部シールド、
12…真空槽壁、13…冷却水、22…傾斜円筒状の磁
石、23…ヨーク、24…磁界、25…基板、26…回
転筒、30…シールド板、31…補助電極。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に設置される円筒状のターゲッ
    トと、 該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された
    基板ホルダと、 該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向す
    る角度を可変とした基板と、 磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円
    筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側
    に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置さ
    れた傾斜円筒状磁石と、 該傾斜円筒状磁石を前記中心軸の回りに回転させる手段
    とを有することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 真空槽内に設置される円筒状のターゲッ
    トと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置
    された基板ホルダと、 該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向す
    る角度を可変とした基板と、 磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円
    筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側
    に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置さ
    れた傾斜円筒状磁石と、 前記ターゲットを前記中心軸の回りに回転させる手段
    と、前記基板ホルダを前記中心軸の回りに回転させる手
    段とを有することを特徴とするスパッタ装置。
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