JP2000109572A - ラッピングフィルム - Google Patents

ラッピングフィルム

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JP2000109572A
JP2000109572A JP12358399A JP12358399A JP2000109572A JP 2000109572 A JP2000109572 A JP 2000109572A JP 12358399 A JP12358399 A JP 12358399A JP 12358399 A JP12358399 A JP 12358399A JP 2000109572 A JP2000109572 A JP 2000109572A
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density
fatty acid
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wrapping film
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JP12358399A
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Shinya Sato
信也 佐藤
Michihide Yamauchi
通秀 山内
Haruo Sakahashi
春夫 坂橋
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐低温脆化性を有し、熱水に対しても安定的
で、電子レンジ調理に耐えられ、良好な容器との粘着
性、フィルム同士の粘着性良好な繰り出し性を有し、更
には環境及び人体に対する安全性が高いラッピングフィ
ルムの提供。 【解決手段】 特定密度のポリエチレン系重合体(X)
100重量部に対して、グリセリン脂肪酸ジエステル
(C)を10重量%以上含む組成物を0.1 〜5重量部添
加した樹脂組成物からなるラッピングフィルム、並び
に、特定密度及びMIのエチレン・α−オレフィン共重
合体(A’)100重量部、又は該共重合体(A’)9
5〜70重量部と低密度ポリエチレン(B)5〜30重
量部との混合物で、特定密度の樹脂混合物(A’B)1
00重量部に対して、グリセリン脂肪酸モノエステル
(D)0.1 〜5重量部を添加した樹脂組成物からなるラ
ッピングフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用又は業務用
ラッピングフィルムに関し、特に安全性、柔軟性、粘着
性、透明性、耐裂け性、繰り出し性が良好で、電子レン
ジによる加熱や冷蔵、冷凍保存に適したラッピングフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】家庭用
あるいは業務用ラッピングフィルム(各種食品などの包
装などに用いられるラップフィルム)としては、ポリ塩
化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)
を主成分とするフィルムが用いられている。しかしなが
ら、PVDCおよびPVCはその分子構造中に塩素を有
しているために、廃棄された後の焼却処理により有害な
ダイオキシンを発生させる原因ともなり、環境上大きな
問題を有している。また、PVC系ラッピングフィルム
は、沸騰熱湯に接すると白化現象を起こす問題を有す
る。PVDC系ラッピングフィルムは、加熱時の収縮が
大きく例えば電子レンジでの加熱調理の際に収縮による
フィルムの裂けが生じることがあり問題である。PP系
ラッピングフィルムは、耐低温脆化性が低く、冷凍保存
には好ましくなく、粘着性が低いために容器、フィルム
同士への接着力にかける。従来の各ラッピングフィルム
は、可塑剤を多量に含んでいるために使用中に可塑剤が
フィルム表面に析出して食品を汚染する問題を有してい
る。
【0003】本発明の目的は、食品を包装して保存する
際、あるいは電子レンジ等で加熱調理する際に用いるラ
ッピングフィルムであり、耐低温脆化性を有し、熱水に
対しても安定的であり、電子レンジ調理に耐えることが
でき、良好な容器との粘着性及びフィルム同士の粘着性
を有し、良好な繰り出し性を有し、更には環境及び人体
に対する安全性が高いラッピングフィルムを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、密度が0.940g
/cm3未満のポリエチレン系重合体(X)100重量部に
対して、グリセリン脂肪酸ジエステル(C)を10重量
%以上含む組成物を0.1 〜5重量部添加してなる樹脂組
成物からなるラッピングフィルム(以下、「第1発明」
という場合には、この発明をいう)を提供することによ
り前記的を達成したものである。また、本発明は、密度
が0.920g/cm3未満でメルトインデックスが4g/10分以上
であるエチレン・α−オレフィン共重合体(A’)10
0重量部、又は該エチレン・α−オレフィン共重合体
(A’)95〜70重量部と低密度ポリエチレン(B)
5〜30重量部との混合物であって、密度が0.920g/cm3
未満である樹脂混合物(A’B)100重量部に対し
て、グリセリン脂肪酸モノエステル(D)0.1〜5重量
部を添加してなる樹脂組成物からなることを特徴とする
ラッピングフィルム(以下、「第2発明」という場合に
は、この発明をいう)を提供することにより前記的を達
成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。まず、第1発明について詳述する。本発明に
使用される密度が0.940g/cm3未満のポリエチレン系重合
体(X)は、エチレンを主体とする重合体であり、エチ
レンのみからなるものでも、共重合体であってもよい。
前記ポリエチレン系重合体(X)の密度が0.940g/cm3
満であることにより、良好な容器との粘着性及びフィル
ム同士の粘着性を得ることができる。
【0006】前記ポリエチレン系重合体(X)として
は、密度が0.920g/cm3未満、好ましくは0.865 〜0.918g
/cm3、さらに好ましくは0.900 〜0.918g/cm3のエチレン
・α−オレフィン共重合体(A)(以下、共重合体
(A)という)、該共重合体(A)95〜70重量部と
低密度ポリエチレン(B)5〜30重量部との混合物で
あって、密度が0.920g/cm3未満である樹脂混合物(A
B)(以下、樹脂混合物(AB)という)、及び密度が
0.940g/cm3未満、好ましくは0.935 〜0.900g/cm3、さら
に好ましくは0.930 〜0.915g/cm3の低密度ポリエチレン
(B)等が好ましく用いられる。
【0007】前記ポリエチレン系重合体(X)として用
いることができる共重合体(A)は、エチレンとエチレ
ン以外のα−オレフィンとの共重合体であり、耐低温脆
化性が良好な樹脂である。共重合体(A)の密度が0.92
0g/cm3未満であることにより、一層良好な容器との粘着
性及びフィルム同士の粘着性が得られる。また、α−オ
レフィンとしては、ブテン−1、ヘキセン−1及びオク
テン−1等が挙げられる。また、前記共重合体(A)
は、それぞれ異なるαーオレフィンを有する数種の共重
合体を混合して用いてもよく、また、2 種以上のα−オ
レフィンを有するものを用いることもできる。前記共重
合体における前記エチレンと前記α−オレフィンとの配
合割合は、重量比でエチレン:α−オレフィン=98〜
70:2〜30とするのが好ましい。
【0008】また、前記ポリエチレン系重合体(X)と
して用いることができる樹脂混合物(AB)は、前記共
重合体(A)95〜70重量部、好ましくは90〜80
重量部に対して、低密度ポリエチレン(以下、LDPE
という)(B)を5〜30重量部、好ましくは10〜2
0重量部添加してなる樹脂混合物であって、密度が0.
920g/cm3 未満、好ましくは0.865〜0.910
g/cm3 、更に好ましくは0.885〜0.905g/cm3
の樹脂混合物である。 前記共重合体(A)及び前記L
DPE(B)の配合割合を前記範囲とすることにより、
薄膜成形性が向上し、薄膜が得られ易くなるため、まと
わりつきが向上し、また、電子レンジ調理に対する耐性
が向上する。前記樹脂混合物(AB)の密度が0.920g/c
m3未満であることにより、一層良好な容器との粘着性及
びフィルム同士の粘着性が得られる。前記樹脂混合物
(AB)は、良好な粘着性と柔軟性とをラッピングフィ
ルムに付与することができ、容器や食品にぴったりとま
とわりつきラッピングしやすいラッピングフィルムとす
ることができる。
【0009】また、前記ポリエチレン系重合体(X)と
して用いることができる密度が0.940g/cm3未満のLDP
E(B)は、エチレンを主体とする重合体であり、通常
高圧法で製造されるものである。LDPE(B)の密度
が0.940g/cm3未満であることにより、一層良好な容器と
の粘着性及びフィルム同士の粘着性を得ることができ
る。
【0010】また、前記ポリエチレン系重合体(X)の
メルトインデックス(MI)(JISK6758 )について
は、特に限定はないが、MIが4g/10分以上、特には5
〜20 g/10 分の範囲にすることにより、後述する各エス
テルとのなじみを良くすることができ、粘着性を阻害す
ることなく小巻ロールの繰り出し性を改善する効果を高
くすることができるので好ましい。
【0011】前記ポリエチレン系重合体(X)は、DS
Cを用いて、昇温速度5℃/分で測定して得られる最も
高い融点が、110℃以上であるのが好ましく、115
〜130℃であるのが更に好ましい。該融点が110℃
以上であると、熱水に対してより安定的であり、電子レ
ンジ調理に対する耐性もより向上される。
【0012】本発明に使用されるグリセリン脂肪酸ジエ
ステル(C)を10重量%以上含む組成物としては、グ
リセリン脂肪酸ジエステル(C)又はグリセリン脂肪酸
ジエステル(C)と他の添加剤との混合物等を好ましく
用いることができる。
【0013】グリセリン脂肪酸ジエステル(C)(以下
エステル(C)という)は、グリセリンの水酸基2つに
脂肪酸とのエステルを有するジエステルが主成分である
もの、即ち、工業的に見ると、トリエステルとモノエス
テルをも含むジエステルがリッチな分布を有したもので
ある。そのため、このような分布を有するものからジエ
ステルのみを分別して使用しても良いし、分布を有した
まま使用しても良い。前記エステル(C)には、ジエス
テル成分が少なくとも40重量%、更に50〜100重
量%、特に60〜100重量%含有されていることが、
フィルムのべたつきを防止できるため好ましい。
【0014】前記エステル(C)としては、天然の油脂
を変性することによって得られる化合物、例えば、牛乳
脂、牛脂、豚油、イワシ油、サバ油、マグロ油、サメ肝
油、アマニ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、コ
ーン油、落花生油、綿実油、ゴマ油、ナタネ油、オリー
ブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ひまし油等から
選ばれる少なくとも1種以上をジエステルに変性したも
のが好ましく用いられる。これらは適宜ジエステルが多
いものを選択して使用することができる。また、グリセ
リンと各種脂肪酸とのジエステルを用いることもでき
る。その際の脂肪酸としては、炭素数12〜22のもの
が好ましく用いられる。例えば、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モロクチン
酸、アラキジン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、エイ
コサペンタエン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等であり、こ
れらから選ばれる少なくとも1種以上の脂肪酸とグリセ
リンとのジエステルを用いることができる。
【0015】また、前記エステル(C)と他の添加剤と
の混合物において、該他の添加剤としては、グリセリン
脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル、
ソルビタン脂肪酸(C8 〜C22)エステル、ショ糖脂肪
酸(C8 〜C22)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(C
8 〜C22)エステル、ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸(C8 〜C22)エステル、ポリオキ
シエチレン脂肪族アルコール(C12〜C20)エーテル、
グリセリン脂肪酸(C8 〜C22)エステルジアセテー
ト、脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0016】前記エステル(C)を含む前記組成物中の
該エステル(C)の含有量は、10重量%以上、好まし
くは20〜90重量%、更に好ましくは40〜60重量
%である。従って、前記エステル(C)を含む前記組成
物として、前記エステル(C)と他の添加剤との混合物
を用いる場合、該混合物における前記エステル(C)の
含有量は、少なくとも10重量%、好ましくは20〜9
0重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。前
記エステル(C)の含有量が10重量%未満であると、
フィルムの繰り出し性の改善効果が低い。
【0017】前記他の添加剤の中でも、グリセリン脂肪
酸モノエステル(以下エステル(D)という)及び脂肪
族炭化水素(以下、脂肪族炭化水素(F)という)が好
ましい。従って、前記エステル(C)と他の添加剤との
混合物としては、前記エステル(C)と前記エステル
(D)との混合物(以下、混合物(E)という)、及び
前記エステル(C)と前記脂肪族炭化水素(F)との混
合物(以下、混合物(G)という)が好ましい。
【0018】前記混合物(E)における前記エステル
(D)は、グリセリンの水酸基1つに脂肪酸とのエステ
ルを有するモノエステルが主成分であるものをいう。こ
こで、主成分とは、モノエステルのみからなるものを含
み、更に全体中50重量%以上含有される場合を意味す
る。
【0019】前記エステル(D)としては、前記エステ
ル(C)として例示した天然の油脂をモノエステルに変
性することによって得られる化合物が好ましく用いられ
る。天然の油脂は適宜モノエステルが多いものを選択し
て使用することができる。また、グリセリンと各種脂肪
酸とのモノエステルを用いることもできる。その際の脂
肪酸としては、前記エステル(C)として用いることが
できる、グリセリンと各種脂肪酸とのジエステルにおけ
る脂肪酸と同じである。
【0020】また、前記エステル(C)および前記エス
テル(D)の混合物(E)は、両者が混合されたもので
あれば配合割合などは特に制限されないが、前記エステ
ル(C)100重量部に対して、前記エステル(D)を
好ましくは120〜80重量部、さらに好ましくは11
0〜90重量部配合するのが好ましい。
【0021】前記エステル(C)又は前記混合物(E)
を用いることにより、ラッピングフィルムを小巻ロール
にした際の繰り出し性を向上させることができ、また、
これらは、人体に吸収されにくかったり、蓄積性が低
い、生分解性が良好などの特徴を有するものであり、こ
れらを用いることにより、環境および人体に対する安全
性が高いラッピングフィルムを提供することができる。
【0022】また、前記混合物(G)における前記脂肪
族炭化水素(F)としては、流動パラフィン、合成イソ
パラフィン石油炭化水素、白色鉱油、ペトロラクタム、
石油系ワックス、微晶ワックス、モンタンワックス、ポ
リエチレンワックス、無臭軽質炭化水素、ポリブテン等
を挙げることができる。この中で特に好ましいのは、食
品添加物としても用いることができるものであり、例え
ば、流動パラフィン、ポリブテン等が挙げられる。
【0023】前記混合物(G)における前記エステル
(C)と前記脂肪族炭化水素(F)との配合割合などは
特に制限されないが、前記エステル(C)100重量部
に対して、前記脂肪族炭化水素(F)を好ましくは10
0〜500重量部、さらに好ましくは100〜300重
量部配合するのが好ましい。
【0024】本発明のラッピングフィルムを形成する樹
脂組成物における前記エステル(C)を含む前記組成物
の添加量は、前記ポリエチレン系重合体(X)100重
量部に対して、0.1 〜5重量部、好ましくは0.5 〜3重
量部、更に好ましくは0.5 〜2重量部である。該組成物
の添加量が0.1 重量部未満であると、フィルムの繰り出
し性を改善できず、5重量部を超えると、フィルムにべ
たつきを生じる。
【0025】前記エステル(C)、及び前記他の添加剤
(特に、前記エステル(D)及び前記脂肪族炭化水素
(F))は、人体に吸収されにくかったり、蓄積性が低
い、生分解性が良好などの特徴を有するものであり、こ
れらエステル(C)、及びエステル(C)と他の添加剤
との混合物(特に、混合物(E)及び混合物(G))を
用いることにより、環境および人体に対する安全性が高
いラップフィルムを提供することができるため好まし
い。
【0026】前記樹脂組成物には、前述した各成分に加
えてさらに、通常ラッピングフィルムに用いられる各成
分を特に制限なく、本発明の奏する効果を損なわない範
囲で用いることができる。
【0027】本発明のラッピングフィルムは、前記樹脂
組成物を通常のTダイ成形機あるいはインフレーション
成形機を用いてフィルムとすることにより得ることがで
きる。また、本発明のラッピングフィルムは、通常のラ
ッピングフィルムと同様にして用いることができる。
【0028】本発明のラッピングフィルムは、厚さが、
好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは8〜20μ
m、特に好ましくは10〜15μmである。得られる粘
着力は、後述する測定方法で3000cN/400mm2 以上が好ま
しく、さらに好ましくは5000cN/400mm2 以上である。ま
た、フィルムの有する柔軟度の尺度として見ることがで
きる10%伸長応力(測定法については後述)は、800c
N /mm2 以下、好ましくは700cN/mm2 以下、更に好まし
くは600cN/mm2 以下である。
【0029】次に、第2発明について説明する。尚、以
下の説明においては、特に前述した第1発明と異なる点
を中心に説明する。特に説明しない点については、前述
した第1発明における説明が適宜適用される。第2発明
は、前記ポリエチレン系重合体(X)として好ましく用
いられる前記共重合体(A)に代えて、エチレン・α−
オレフィン共重合体(A’)を用い、前記ポリエチレン
系重合体(X)として好ましく用いられる前記樹脂混合
物(AB)に代えて、樹脂混合物(A’B)を用い、前
記エステル(C)を含む前記組成物に代えて前記エステ
ル(D)を用いる点で、第1発明と異なる。
【0030】本発明に用いられる、エチレン・α−オレ
フィン共重合体(A’)(以下共重合体(A’)とい
う)は、密度が0.920g/cm3未満、好ましくは0.865 〜0.
918g/cm3、さらに好ましくは0.900 〜0.918g/cm3で、メ
ルトインデックス(MI)が4g/10分以上、特には5 〜
20 g/10 分の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重
合体である。密度が0.920g/cm3を超えると、良好な容器
との粘着性及びフィルム同士の粘着性が得られなくな
る。また、MIを前記範囲内とすることにより、エステ
ル(D)とのなじみを良くすることができ、粘着性を阻
害することなく小巻ロールの繰り出し性を改善する効果
を高くすることができる。α−オレフィンの具体例や、
前記エチレンと前記α−オレフィンとの配合割合は、第
1発明と同様である。
【0031】また、本発明において用いることができる
樹脂混合物(A’B)は、前記共重合体(A)に代えて
前記共重合体(A’)を用いた点を除いては、前述した
第1発明における前記樹脂混合物(AB)と同じであ
り、より好ましい配合割合やこのような配合割合を採用
することの臨界的意義については前述の記載が適用され
る。
【0032】前記共重合体(A’)及び前記樹脂混合物
(A’B)は、DSCを用いて、昇温速度5℃/分で測
定して得られる最も高い融点が、110℃以上であるの
が好ましく、115〜130℃であるのが更に好まし
い。該融点が110℃以上であると、熱水に対してより
安定的であり、電子レンジ調理に対する耐性もより向上
される。また、前記共重合体(A’)及び前記樹脂混合
物(A’B)と、前記エステル(D)とのより好ましい
配合割合やこのような配合割合を採用することの臨界的
意義については、前述の共重合体(A)等の前記ポリエ
チレン系重合体(X)とエステル(C)等の該エステル
(C)を含む前記組成物との配合割合や臨界的意義に関
する記載が適用される。このほか、ラッピングフィルム
の製造方法や使用方法及び奏される効果については、第
1発明と同じである。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、下記の実施例において粘着力、10%
伸張応力、繰り出し性及び透明性は下記の如くして測定
(評価)した。
【0034】<粘着力の測定方法>引っ張り試験機(オ
リエンテック社)を用いて以下の条件で測定した。 1)ラッピングフィルムを20mm×100mmに切り
出し、この背面を粘着剤付きOPPフィルム(40μ
m)で裏打ちし、サンプルを得た。 2)ガラス面に対する粘着力は、スライドガラス(MICR
O SLIDE GLASS :MATSUNAMI 製)を用いて、1)のサン
プルを重なる面積が20×20mm2 になるように当接さ
せ、400gローラーで2往復させ加重をかけた後、せ
ん断剥離を測定した。 3)フィルム面に対する粘着性は、1)のサンプルを重
なる面積が20×20mm 2 になるように当接させ、40
0gローラーで2往復させ加重をかけた後、せん断剥離
を測定した。 4)引っ張り試験の条件は、チャック間距離:80m
m、引っ張り速度:300mm/min として測定した。
【0035】<10%伸長応力の測定法>引っ張り試験
機(オリエンテック社)を用いて以下の条件で測定を行
った。 1)サンプルサイズを10mm×100mmとした。 2)チャック間距離50mm、引っ張り速度:300mm/m
inで測定した。 3)10%伸長時の応力を成形方向(MD)、成形方向
と直角な横方向(CD>)に読みとった。
【0036】<繰り出し性>300mm幅のフィルムを
1.5インチ紙管に20m巻き、ほぼ同じ幅の市販のラ
ッピングフィルム(「サランラップ」商品名、旭化成
製)の紙箱に入れ、5人の人に繰り出した際に感じる繰
り出し抵抗について官能的に評価してもらった。3人以
上が「軽く繰り出しができた」と感じた場合には、良好
とし、2人以下の場合、即ち3人以上が「繰り出し性が
重い」と感じた場合には不良とし、5人全員が「まとも
に繰り出しできない」と感じた場合は不可とした。
【0037】<透明性>5人の人により下記基準でフィ
ルムの透明性を官能評価した。 ◎;透明と感じた人が4人以上。 ○;透明と感じた人が3人。 △;透明と感じた人が2人以下。
【0038】〔実施例1(第1発明の実施例)〕直鎖低
密度PE(LLDPE) (三井化学製、「UZ15100C」、密度:
0.915g/cm3、MI:12g/10分、コホ゜リマー :ヘキセン-1)を80
重量部と極低密度PE(VLDPE) (日本ユニカー製、「DF
DB-9042 」、密度:0.900g/cm3、MI:5g/10 分、コホ゜リマー
:フ゛テン-1 )20重量部とを用いた共重合体(A)10
0重量部に、エステル(C)として下記組成の大豆油を
ジエステル変性したものを1重量部添加して樹脂組成物
を得た。これを用いてTダイ成形機にて220℃で厚さ
1 2μmのラッピングフィルムを得た。 用いた大豆変成ジエステル品の組成 エステル組成(%) トリエステル:11.2/ジエステ
ル:88.3/モノエステル:0.1 脂肪酸組成(%) ハ゜ルミチン 酸:2.5 /ステアリン 酸:0.8
/オレイン酸:28.2/リノール酸:59.1/リノレン酸:6.6
【0039】〔比較例1〕実施例1で用いた共重合体
(A)のみを用いTダイ成形機にて220℃で厚さ1 2
μmのラッピングフィルムを得た。
【0040】〔実施例2(第2発明の実施例)〕実施例
1で用いた共重合体(A)100重量部に、エステル
(D)としてグリセリンのオレイン酸モノエステル
(「エキセルO-95R 」:花王製)を1重量部添加した。
これを用いてTダイ成形機にて220℃で厚さ1 2μm
の各ラッピングフィルムを得た。
【0041】〔実施例3(第1発明の実施例)〕実施例
1で用いた共重合体(A)〔共重合体(A’)〕100
重量部に、エステル(C)として大豆油をジエステル変
性したものを1重量部、エステル(D)としてグリセリ
ンのオレイン酸モノエステル(「エキセルO-95R 」:花
王)を1重量部添加した。これを用いてTダイ成形機に
て220℃で厚さ1 2μmのラッピングフィルムを得
た。
【0042】〔実施例4(第1発明の実施例)〕共重合
体(A)としての「DFDB-9042 」80重量部に、LDP
E(B)(三井化学製、「M11P」、密度:0.917g/cm3
MI:7.2g/10 分)を20重量部添加し樹脂混合物(A
B)とした。これにエステル(C)として実施例1で用
いた大豆油をジエステル変性したものを1重量部、及び
エステル(D)としてグリセリンのオレイン酸モノエス
テル(エキセルO-95R :花王)を1重量部の混合物を添
加して樹脂組成物を得た。これを用いてTダイ成形機に
て220℃で厚さ1 2μmのラッピングフィルムを得
た。
【0043】〔実施例5(第2発明の実施例)〕樹脂混
合物(AB)〔樹脂混合物(A’B)〕として実施例4
で用いた樹脂混合物を用い、これにエステル(D)とし
て「エキセルO-95R 」を1重量部添加して樹脂組成物を
得た。これを用いてTダイ成形機にて220℃で厚さ1
2μmのラッピングフィルムを得た。
【0044】〔実施例6(第1発明の実施例)〕LDP
E(B)(日本ポリオレフィン製、「JC560N」、密度:
0.930g/cm3、MI:4.5g/10 分)100重量部に、エステ
ル(C)として実施例1で用いた大豆油をジエステル変
性したものを1重量部添加して樹脂組成物を得た。これ
を用いてTダイ成形機にて220℃で厚さ1 2μmのラ
ッピングフィルムを得た。
【0045】〔比較例2〕密度0.935g/cm3、MI:2.1g/1
0 分のエチレン・α−オレフィン共重合体(「UZ3520L
」:三井化学製LLDPE 、コポリマー:ヘキセン−1)の
みを用いTダイ成形機にて220℃で厚さ1 2μmのラ
ッピングフィルムを得た。
【0046】〔比較例3〕比較例1で用いた共重合体
(A)に、エステル(D)として大豆変性ジエステル品
を10重量部添加して樹脂組成物を得、得られた樹脂組
成物を用いて、Tダイ成形機にて220℃で厚さ1 2μ
mのラッピングフィルムを得た。
【0047】得られた各ラッピングフィルムについて、
前述の如くして粘着力及び10%伸張応力を測定した。
その結果を〔表1〕に示す。また、用いた共重合体
(A),(A’)、LDPE(B)、樹脂混合物(A
B),(A’B)及びUZ3520L の密度、MI及びDSC
測定で得られる融点についても〔表1〕に示す。
【0048】
【表1】
【0049】〔実施例7(第1発明の実施例)〕実施例
1で用いた共重合体(A)100重量部に、混合物
(G)〔エステル(C)として大豆油をジエステル変性
したものを0.5重量部と、脂肪族炭化水素(F)とし
て流動パラフィン「40S」(中央化成製、商品名)
1.5重量部とを混合してなる混合物〕を添加して樹脂
組成物を得た。得られた樹脂組成物を用いてTダイ成形
機にて220℃で厚さ12μmのラッピングフィルムを
得た。
【0050】〔実施例8(第1発明の実施例)〕混合物
(G)の組成をエステル(C)として大豆油をジエステ
ル変性したものを1重量部と、脂肪族炭化水素(F)と
してポリブテン「0H」(出光化学製、商品名)を1重
量部とした以外が実施例7と同様にして樹脂組成物を
得、得られた樹脂組成物を用いてTダイ成形機にて22
0℃で厚さ12μmのラッピングフィルムを得た。
【0051】実施例7及び8で得られた各ラッピングフ
ィルムについても、実施例1〜6と同様に各測定を行っ
た。その結果を〔表2〕に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のラッピングフィルムは、食品を
包装して保存する際、あるいは電子レンジ等で加熱調理
する際に用いるラッピングフィルムであり、耐低温脆化
性を有し、透明度が高く、熱水に対しても安定的であ
り、電子レンジ調理に耐えることができ、良好な容器と
の粘着性及びフィルム同士の粘着性を有し、良好な繰り
出し性を有し、更には環境及び人体に対する安全性が高
いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.940g/cm3未満のポリエチレン系
    重合体(X)100重量部に対して、 グリセリン脂肪酸ジエステル(C)を10重量%以上含
    む組成物を0.1 〜5重量部添加してなる樹脂組成物から
    なるラッピングフィルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリエチレン系重合体(X)が、密
    度が0.920g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合
    体(A)、又は該エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)95〜70重量部と低密度ポリエチレン(B)5
    〜30重量部との混合物であって、密度が0.920g/cm3
    満である樹脂混合物(AB)であり、グリセリン脂肪酸
    ジエステル(C)を含む前記組成物が、グリセリン脂肪
    酸ジエステル(C)又はグリセリン脂肪酸ジエステル
    (C)と他の添加剤との混合物である請求項1記載のラ
    ッピングフィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエチレン系重合体(X)が、密
    度が0.940g/cm3未満である低密度ポリエチレン(B)で
    あり、グリセリン脂肪酸ジエステル(C)を含む前記組
    成物が、グリセリン脂肪酸ジエステル(C)又はグリセ
    リン脂肪酸ジエステル(C)と他の添加剤との混合物で
    ある請求項1記載のラッピングフィルム。
  4. 【請求項4】 他の添加剤との前記混合物が、前記グリ
    セリン脂肪酸ジエステル(C)とグリセリン脂肪酸モノ
    エステル(D)との混合物(E)、又は前記グリセリン
    脂肪酸ジエステル(C)と脂肪族炭化水素(F)との混
    合物(G)である請求項2又は3に記載のラッピングフ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 密度が0.920g/cm3未満でメルトインデッ
    クスが4g/10分以上であるエチレン・α−オレフィン共
    重合体(A’)100重量部、又は該エチレン・α−オ
    レフィン共重合体(A’)95〜70重量部と低密度ポ
    リエチレン(B)5〜30重量部との混合物であって、
    密度が0.920g/cm3未満である樹脂混合物(A’B)10
    0重量部に対して、 グリセリン脂肪酸モノエステル(D)0.1 〜5重量部を
    添加してなる樹脂組成物からなるラッピングフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1270652A1 (en) * 2000-11-01 2003-01-02 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Heat-shrinkable film
WO2012162086A1 (en) * 2011-05-20 2012-11-29 The Procter & Gamble Company Films of polymer-wax compositions

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