JP2000107870A - 拡管用金属管接合体及びその製造方法 - Google Patents

拡管用金属管接合体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000107870A
JP2000107870A JP10286403A JP28640398A JP2000107870A JP 2000107870 A JP2000107870 A JP 2000107870A JP 10286403 A JP10286403 A JP 10286403A JP 28640398 A JP28640398 A JP 28640398A JP 2000107870 A JP2000107870 A JP 2000107870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
expansion
pipe
metal
metal pipe
joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10286403A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
Kazunari Kito
一成 鬼頭
Shigeyuki Inagaki
繁幸 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP10286403A priority Critical patent/JP2000107870A/ja
Priority to CA002285732A priority patent/CA2285732A1/en
Priority to US09/414,534 priority patent/US6405761B1/en
Priority to NO994905A priority patent/NO994905L/no
Priority to EP99120149A priority patent/EP0995533A3/en
Publication of JP2000107870A publication Critical patent/JP2000107870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡管した場合であっても、接合部の強度及び
気密性が低下することがなく、また、拡管する際の変形
抵抗が少なく、しかも、接合部に発生する段差を小さく
することができる拡管用金属管接合体及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 端部拡径率が5%以上となるように端部
近傍の内径が拡径された金属管30同士を拡散接合又は
溶接し、あるいは端部近傍の内径が拡径されていない金
属管50を所定の横膨出率となるように拡散接合するこ
とにより、接合部の内径が非接合部の内径より大きくな
っている金属管接合体32、52を得る。また、端部拡
径率が10%以上となるように端部近傍の内径が拡径さ
れた金属管40同士を機械的に締結することにより、接
合部の内径が非接合部の内径より大きくなっている金属
管接合体42を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡管用金属管接合
体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、化学工業、
石油化学工業等で用いられるプラント用配管、ラインパ
イプ、あるいは油井で用いられるケーシングチューブ、
生産チューブ、コイルドチューブ等の油井管として好適
な拡管用金属管接合体及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、化学工業、石油化学工業等の
分野においては、腐食性の流体を長距離に亘って輸送す
るために、長尺の金属管が使用されている。例えば、パ
イプラインは、油田から得られた原油等を精油所等に輸
送するためのものであり、その長さは数十kmに及ぶ。
【0003】また、油井を掘削するに際しては、地中に
掘削された坑道の保護や原油の漏出防止等のために、坑
道の中にケーシングと呼ばれる鋼管が埋設される。油田
は、通常、地下数千mの位置にあるので、ケーシングも
数千mの長さを有するものが必要とされる。
【0004】一方、腐食環境に曝される金属管には、耐
食性に優れた継目無鋼管が一般に用いられるが、工業的
に量産されている継目無鋼管の長さは、10〜15mで
あり、製造可能な長さの上限は100m程度である。従
って、ラインパイプ、あるいはケーシング等の油井管に
は、長さ10〜15mの継目無鋼管を複数個接続した接
合体が用いられている。
【0005】このような用途に用いられる金属管の接合
方法としては、ねじ接続法(メカニカルカップリング
法)、溶接法(オービタルウェルディング法)、拡散接
合法などが知られている。
【0006】また、所定の長さを有する金属管が複数個
接合された接合体(以下、これを「金属管接合体」とい
う)は、内径を拡大あるいは縮小させることなくそのま
ま使用されるのが一般的である。すなわち、所望の内径
を有する金属管接合体は、所望の内径を有する金属管を
接合することにより製造されるのが一般的である。
【0007】しかしながら、地上に敷設されるラインパ
イプ等と異なり、油井に用いられるケーシング等は、地
中に埋設されるものであるので、所定の内径を有する金
属管接合体をそのままケーシング等として使用すると以
下のような問題がある。
【0008】すなわち、地下数千mの位置にある油田に
向かって裸抗のまま坑道を掘り進むのは困難である。そ
のため、油井の掘削作業は、先端にビットが取り付けら
れたドリルパイプを用いて坑道を掘削する作業と、ある
程度掘り進んだところで、坑道を保護するためにケーシ
ングを埋設する作業と、埋設されたケーシングと地層の
間にセメントを流し込み、ケーシングを固定する作業と
が順次繰り返される。その結果、油井は、複数のケーシ
ングが入れ子状に重なった構造となる。
【0009】図6に油井の一般的な構造を示す。図6に
例示する油井10は、地表付近の抗壁を保護するための
最大外径を有するコンダクターパイプ12と、コンダク
ターパイプ12の中に順次入れ子状に挿入される、サー
フェースケーシング14、中間ケーシング16、及び油
層20まで達する最長の生産ケーシング18の4つのケ
ーシングを備えている。
【0010】しかしながら、先に埋設されたケーシング
(以下、これを「外側ケーシング」という)の中央の穴
を通して、次のケーシング(以下、これを「内側ケーシ
ング」という)を坑道内に埋設する際、内側ケーシング
と外側ケーシングの軸がずれていたり、あるいは内側ケ
ーシング又は外側ケーシングのいずれか一方の形状が不
規則になっていると、内側ケーシングの挿入が困難にな
る場合がある。そのため、内側ケーシングの外径は、余
裕を見込んで、外側ケーシングの内径より10〜30%
程度小さくする必要があった。
【0011】また、油井の生産能率は、油層に達する生
産ケーシングの内径に依存する。従って、所定の生産能
率を確保するためには、生産ケーシングの内径を所定の
大きさとするのみならず、先に埋設されるケーシングの
内径も大きくする必要がある。そのため、地表付近に掘
削される坑道の内径を大きくする必要が生じ、油井掘削
コストを増大させる原因となっていた。
【0012】そこで、この問題を解決するために、特表
平7−507610号公報には、地中に掘削されたボア
ホールに可鍛材料製ケーシングを埋設し、液圧膨張ツー
ルをケーシング内で膨張させることにより、ケーシング
をボアホール壁に対して半径方向に膨張させる方法が開
示されている。
【0013】また、特許協力条約に基づく国際公開第W
O98/0062号には、ネッキングや延性破壊するこ
となく歪硬化を生ずる可鍛性の鋼種からなる鋼管を坑
道、あるいは先に埋設されたケーシング内に挿入し、非
金属材料からなるテーパ面を有するマンドレルを用いて
ケーシングを拡管する方法が開示されている。
【0014】特表平7−507610号公報あるいは国
際公開第WO98/0062号に開示された方法によれ
ば、坑道あるいは外側ケーシングの内径に比して、相対
的に小さな外径を有する内側ケーシングを挿入すること
ができるので、内側ケーシングの挿入作業を円滑に行う
ことができるという利点がある。
【0015】また、液圧膨張ツール又はマンドレルを用
いて、坑道あるいは外側ケーシングに挿入された内側ケ
ーシングの拡管が行われるので、坑道の断面積のほぼ全
部を原油輸送に使用できるという利点がある。また、坑
道の有効断面積が大きくなることにより、掘削すべき坑
道の内径を小さくすることができ、掘削コストを削減で
きるという利点がある。
【0016】さらに、特表平7−507610号公報に
開示されているように、ケーシングをボアホール壁に対
して半径方向に膨張させた場合には、ボアホール壁から
受ける圧縮応力によりケーシングが保持されるので、セ
メンティング作業が不要になるという利点がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油井に
用いられるケーシングは、全長が数千mに達するもので
あり、接合部が必ず存在するにもかかわらず、特表平7
−507610号公報あるいは国際公開第WO98/0
062号に開示されている方法においては、接合部が全
く考慮されていない。
【0018】例えば、金属管を溶接法、あるいは拡散接
合法等の冶金的接合法により接合して金属管接合体とし
た場合には、接合部近傍は、接合時の加熱により熱影響
部が発生し、変形能が低下していることがある。そのた
め、得られた金属管接合体をそのままマンドレル等を用
いて拡管した場合には、接合部に亀裂が発生するおそれ
があるという問題がある。
【0019】また、例えば、金属管をねじ接続法により
接合して金属管接合体とし、これをマンドレル等を用い
て拡管した場合には、拡管時の塑性変形によってねじの
部分が弛み、接合部の気密性が低下するという問題があ
る。
【0020】さらに、ねじ接続法は、図7に示すよう
に、通常、金属管1、2の端部に外ねじ1a、2bを形
成し、その外ねじ1a、2bと螺合可能な内ねじ7aを
有する継手7を介して、金属管1、2が接合される。従
って、接合部近傍は、非接合部に比して厚肉となるの
で、このような金属管接合体をマンドレル等を用いて拡
管した場合には、接合部の変形抵抗が大きくなり、拡管
作業を円滑に行うことができないという問題がある。
【0021】また、マンドレルを用いて、同一内径を有
する長さ数千mの金属管接合体を一気に拡管する場合、
マンドレルは、拡管時に金属管接合体から絶えず反力を
受け続けるので、マンドレルを移動させるのに大きな動
力が必要となる。
【0022】この問題を解決するために、例えば、国際
公開第WO98/0062号には、マンドレルのテーパ
面をジルコニア等の非金属材料で構成することにより、
マンドレルとケーシング間に発生する摩擦力を低減する
点が開示されているが、拡管中にマンドレルが絶えずケ
ーシングから一定の反力を受け続ける点に変わりはな
く、省動力化という点では不十分である。
【0023】一方、特表平7−507610号公報に開
示されているように、液圧膨張ツールをケーシング内の
ある位置に保持し、液圧膨張ツールを膨張させてその位
置にあるケーシングのみを拡管し、次いで液圧膨張ツー
ルを収縮させた後に上方に移動させるというプロセスを
繰り返せば、マンドレルを用いて一気に拡管する場合に
比して省動力化することができる。しかしながら、ケー
シングを段階的に拡管することになるので作業能率が悪
いという欠点がある。
【0024】さらに、拡散接合法を用いて金属管を接合
する場合、金属管は、端面のみを平坦に加工し、外周面
及び肉厚の修正をすることなく、そのまま接合に用いる
のが一般的である。一方、工業的に量産される金属管に
は、所定の寸法公差があり、各金属管の外径及び肉厚
は、寸法公差の範囲内でばらついている。
【0025】そのため、量産された金属管をそのまま用
いて拡散接合した場合には、得られる金属管接合体の接
合部に段差が発生するおそれがある。接合部に発生した
段差には、応力が集中しやすいので、このような金属管
接合体を拡管した場合には、段差部分から亀裂が発生す
るおそれがある。また、拡管後も接合部に段差が残るた
めに、応力集中や、段差部分に腐食性物質が滞留するこ
とに起因して、強度、疲労特性及び耐食性が低下するお
それがある。しかしながら、このような問題を解決する
具体的手段についても、上述した先行技術文献には、何
ら開示されていない。
【0026】本発明が解決しようとする課題は、拡管を
行っても接合部に亀裂が発生したり、ねじの緩みに起因
する接合部の気密性の低下が生ずることのない拡管用金
属管接合体及びその製造方法を提供することにある。
【0027】また、本発明が解決しようとする他の課題
は、拡管する際の変形抵抗が小さく、しかも拡管作業の
省動力化が可能な拡管用金属管接合体及びその製造方法
を提供することにある。
【0028】さらに、本発明が解決しようとする他の課
題は、接合部に発生する段差が小さく、しかも強度、疲
労特性及び耐食性に優れた拡管用金属管接合体及びその
製造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る拡管用金属管接合体は、複数の金属管
が接合された金属管接合体であって、接合部の内径が、
非接合部の内径より大きいことを要旨とするものであ
る。
【0030】このような拡管用金属管接合体は、具体的
には、予め金属管の端部近傍の内径を拡径し、該金属管
同士を接合することにより容易に製造することができ
る。この場合、端部拡径率が5%以上となるように、前
記金属管の端部近傍の内径を拡径することが望ましい。
端部拡径率が5%未満になると、拡管を行う際に、接合
部から亀裂が発生するおそれがあるので好ましくない。
また、この場合、接合方法としては、拡散接合法又はア
ーク溶接法が好適である。
【0031】また、上述のような拡管用金属管接合体
は、金属管の端部近傍の内径を拡径し、該金属管の端部
にねじを形成し、該ねじにより前記金属管同士を機械的
に締結することによっても製造することができる。この
場合、端部拡径率が10%以上となるように、前記金属
管の端部近傍の内径を拡径することが望ましい。端部拡
径率が10%未満になると、拡管を行ったときにねじ部
が塑性変形し、ねじ部の気密性が低下するので好ましく
ない。
【0032】さらに、上述のような拡管用金属管接合体
は、端部近傍の内径が拡径されていない金属管を突き合
わせ、接合部近傍が横膨出するような接合条件で拡散接
合することによっても製造することができる。この場
合、接合部近傍の横膨出率が1.04以上となるように
拡散接合することが望ましい。横膨出率が1.04未満
になると、拡管を行う際に、接合部から亀裂が発生する
おそれがあるので好ましくない。
【0033】上記構成を有する本発明に係る拡管用金属
管接合体は、接合部の内径が非接合部の内径より大きく
なっているので、このような拡管用金属管接合体を、マ
ンドレル等を用いて拡管した場合には、接合部の塑性歪
を、非接合部の塑性歪より小さく抑えることができる。
【0034】そのため、例えば、端部内径が予め所定の
端部拡径率で拡径された金属管を拡散接合法又は溶接法
で接合し、得られた金属管接合体を拡管した場合におい
て、接合界面近傍に熱影響部が発生し、接合界面近傍の
変形能が低下している場合であっても、拡管により接合
部に亀裂が発生しにくくなる。
【0035】また、端部内径が拡径されていない金属管
を突き合わせ、拡散接合時の加圧力により、接合部を所
定の横膨出率で樽型に塑性変形さて金属管接合体とし、
これを拡管した場合には、接合部における亀裂の発生が
抑制されるだけでなく、金属管の端部内径を拡径する工
程が不要となるという利点がある。
【0036】さらに、端部内径が所定の端部拡径率で拡
径された金属管をねじ接続法により接合して金属管接合
体とした場合において、拡管率が前記端部拡径率以下と
なるように前記金属管接合体を拡管した場合には、接合
部が塑性変形することがない。そのため、ねじの弛みに
起因する気密性の低下が生じない。
【0037】また、本発明に係る拡管用金属管接合体
は、接合部近傍の内径が、非接合部の内径より大きくな
っているので、接合部近傍における変形抵抗が小さくな
る。そのため、拡管作業を円滑に行うことができ、しか
も拡管作業の省動力化も図られる。
【0038】さらに、金属管の端部を予め所定の端部拡
径率で拡径し、拡径された金属管を接合して金属管接合
体とした場合には、拡径により少なくとも各金属管の内
径を揃えることができる。そのため、外径あるいは肉厚
が所定の寸法公差内でばらついている金属管を用いて金
属管接合体を作製した場合であっても、接合部の内周面
側に発生する段差を小さくすることができ、強度、疲労
特性、及び耐食性に優れた金属管接合体を得ることが可
能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明の第1の実施の形態に係る拡管用金属管接合体の製造
方法(以下、これを「方法A」という)を示す工程図で
ある。図1において、方法Aは、拡径工程と、端面加工
工程と、拡散接合工程とを備えている。
【0040】まず、拡径工程について説明する。拡径工
程は、図1(a)に示すような、円筒状の金属管30の
内、両端の内径のみを適当な工具等を用いて拡大させ、
図1(b)に示すように、端部の内径dが中央部の内
径dより大きくなっている金属管30に加工する工程
である。
【0041】ここで、本発明に用いられる金属管30
は、後述する拡管に耐える変形能を有する材料であれば
良く、その材質、寸法等については、特に限定されるも
のではない。例えば、機械的特性のみが要求される用途
に用いられる金属管接合体にあっては、金属管30とし
て炭素鋼を用いることができる。また、例えば、ライン
パイプ、油井管等、強度と耐食性の双方が要求される用
途にあっては、マルテンサイト系ステンレス鋼、二相ス
テンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等のステン
レス鋼、Ti合金等を用いることができる。
【0042】また、本発明においては、各金属管30の
拡径前の内径の最小値に対する、拡径後の金属管30の
内径の増分を端部拡径率と呼び、次の数1の式で定義す
る。
【0043】
【数1】端部拡径率(%)=(d−d0min)x1
00/d0min 但し、d;金属管30端部の拡径後の内径 d0min;金属管30端部の拡径前の内径の最小値
【0044】方法Aの場合、端部拡径率は、5%以上が
望ましい。端部拡径率が5%未満であると、後述する拡
管工程において、接合部を大きく塑性変形させる必要が
生じ、接合部に亀裂が発生するおそれがあるので好まし
くない。また、端部拡径率が5%未満であると、各金属
管30の寸法精度によっては、接合部に大きな段差が発
生し、疲労強度が低下する場合があるので好ましくな
い。
【0045】これは、金属管30の内径が所定の寸法公
差内でばらついている場合において、端部拡径率が5%
未満になると、拡径前の内径dが、拡径後の内径d
より小さい金属管のみが拡径されるようになり、d
り大きい内径を有する金属管が拡径されないおそれがあ
るためである。
【0046】なお、端部拡径率の計算に用いられる内径
の最小値d0minとしては、安全率を見込むという点
では、接合に用いられる金属管の規格から予測される最
小値を用いることが望ましいが、実測値を用いても良
い。
【0047】また、端部拡径率は、接合部の塑性変形を
小さくし、亀裂の発生を抑制するという点では、大きい
程良い。従って、金属管30の加工の容易性、得られる
金属管接合体の用途等に応じて、後述する拡管率以下の
範囲内において、最適な端部拡径率で拡径を行えばよ
い。
【0048】また、拡径により内径が拡大した部分の長
さ(以下、これを「拡径長さ」といい、図1(b)中、
「L」で表示。)は、金属管30の加工の容易性、用
途等を考慮して任意に選択すればよいが、後述する拡管
工程における変形抵抗を小さくし、拡管作業の省動力化
を図るという点では、長い程良い。
【0049】さらに、拡径方法も、特に限定されるもの
ではなく、種々の方法を用いることができる。通常は、
数1の式に示すdに相当する外径を有するマンドレル
あるいはプラグ等を、所定の長さだけ、金属管30の端
部に挿入し、端部内径を拡径すればよい。
【0050】次に、端面加工工程について説明する。端
面加工工程は、図1(c)に示すように、拡径工程によ
り端部内径が拡径された金属管30の端面を所定の表面
粗さに機械加工する工程である。これは、金属管30の
端面の表面粗さが粗いと、後述する拡散接合工程におい
て、接合界面が十分に密着せず、高い接合強度が得られ
ないためである。
【0051】なお、端面の加工方法は、特に限定される
ものではなく、研削加工、ラッピング加工等、各種の方
法を用いることができる。また、拡径後も金属管30の
端面の表面粗さが所定の範囲に維持されている場合に
は、端面加工工程は必ずしも必要ではなく、省略するこ
ともできる。
【0052】次に、拡散接合工程について説明する。拡
散接合工程は、拡径工程において端部内径が拡径され、
さらに端面加工工程において、端面が所定の表面粗さに
加工された金属管30を突き合わせ、金属管30、30
同士を拡散接合させる工程である。
【0053】ここで、拡散接合法には、金属管30を直
接突き合わせ、固相状態を維持しながら元素の拡散を行
わせる固相拡散接合と、接合界面にインサート材を介挿
し、インサート材を一時的に融解させながら元素の拡散
を行わせる液相拡散接合とがあるが、いずれの方法を用
いてもよい。
【0054】特に、液相拡散接合は、固相拡散接合に比
して、短時間で母材と同等の強度を有する接合体が得ら
れるので、接合方法として好適である。図1(d)に、
金属管30、30の接合界面にインサート材36を介挿
し、液相拡散接合法により接合された金属管接合体32
の一例を示す。
【0055】また、拡散接合の条件は、使用する金属管
30の材質に応じて最適な範囲を選択すればよい。具体
的には、以下の条件下で行うとよい。
【0056】まず、接合面の表面粗さRmaxは、50
μm以下が好ましい。接合面の表面粗さRmaxが50
μmを超えると、接合面において金属管30同士が十分
密着せず、高い接合強度が得られないので好ましくな
い。高い接合強度を得るという点では、表面粗さRma
xは小さい程良い。
【0057】また、使用するインサート材36は、融点
が1200℃以下であるNi系合金又はFe系合金が好
適である。インサート材36の融点が1200℃を超え
ると、高い接合温度が必要となるので、接合中に母材を
溶融させたり、あるいはインサート材36の未溶融に起
因する未接合部が発生するので好ましくない。
【0058】また、使用するインサート材36の厚さ
は、100μm以下が好ましい。インサート材36の厚
さが100μmを超えると、接合界面における元素の拡
散が十分に行われず、接合強度が低下するので好ましく
ない。
【0059】なお、インサート材36の形状は、特に限
定されるものではなく、厚さ100μm以下の箔状のイ
ンサート材36を接合界面に介挿してもよく、あるい
は、厚さが100μm以下となるように、粉末状もしく
は鱗片状のインサート材36を接合界面に散布したり、
ペースト状にして接合界面に塗布してもよい。
【0060】接合雰囲気は、非酸化性雰囲気が好まし
い。酸化性雰囲気下で拡散接合を行うと、接合界面近傍
が酸化し、接合強度が低下するので好ましくない。
【0061】接合温度は、1250℃以上1400℃以
下の範囲が好適である。接合温度が1250℃未満にな
ると、インサート材36が部分的に溶融しなかったり、
あるいは元素の拡散が十分に行われず、接合強度が低下
するので好ましくない。また、接合温度が1400℃を
超えると、母材が溶融するおそれがあるので好ましくな
い。
【0062】接合温度における保持時間は、30秒以上
300秒以下が好適である。保持時間が30秒未満であ
ると、接合界面における元素の拡散が不十分となり、接
合強度が低下するので好ましくない。また、保持時間が
300秒を超えると、作業効率が低下するので好ましく
ない。
【0063】さらに、接合界面に付与する加圧力は、
1.5MPa以上5MPa以下が好適である。加圧力が
1.5MPa未満であると、接合界面の密着が不十分と
なり、接合強度が低下するので好ましくない。
【0064】また、方法Aにおいては、金属管を接合し
た後、後述する拡管工程において金属管接合体の拡管を
行うので、接合後に接合部近傍が若干変形していてもよ
い。但し、拡径工程における内径の増分と、接合時の変
形に起因する内径の増分の総和が、後述する拡管工程に
おける拡管率を超えると、拡管後も接合界面近傍に凹凸
が残り、接合強度を低下させる原因となる。従って、方
法Aにおいては、接合部近傍が過大に変形しないよう、
加圧力は、5MPa以下とするのが好ましい。
【0065】また、拡散接合を行う際の加熱方法として
は、高周波誘導加熱、高周波直接通電加熱、抵抗加熱等
の各種の方法を用いることができる。中でも高周波誘導
加熱及び高周波直接通電加熱は、比較的大きな被接合材
であっても容易に加熱でき、加熱効率が高く、極めて短
時間に接合温度まで加熱できるので、加熱方法として特
に好適である。
【0066】ただし、高周波誘導加熱又は高周波直接通
電加熱に用いる高周波電流としては、周波数が100k
Hz以下のものを用いるのが好ましい。周波数が100
kHzを超えると、表皮効果により表面のみが加熱さ
れ、接合面全面が均一に加熱されないので好ましくな
い。
【0067】次に、このようにして得られた拡管用金属
管接合体の拡管工程について説明する。拡管工程は、上
述した拡径工程、端面加工工程及び拡散接合工程におい
て製造された金属管接合体32の拡管を行い、金属管接
合体32の内径を一様の大きさにする工程である。
【0068】具体的には、図2(a)に示すように、接
合部及び非接合部の内径が、それぞれd及びdであ
る金属管接合体32の一端からマンドレル34を挿入
し、図2(b)に示すように、金属管接合体32の他端
に向かってマンドレル34を移動させ、金属管接合体3
2の内径をdまで拡大させればよい。本発明において
は、拡管前の非接合部の内径の最小値に対する拡管後の
内径の増分を拡管率と呼び、次の数2の式で定義する。
【0069】
【数2】拡管率(%)=(d−d0min)x100
/d0min 但し、d;拡管後の非接合部の内径 d0min;拡管前の非接合部の内径の最小値
【0070】なお、方法Aの場合、拡管率は、金属管3
0の変形能や、金属管接合体32の用途等を考慮して、
任意に選択すればよい。また、接合条件が適切であれ
ば、接合部近傍の変形能を高く維持することができるの
で、端部拡径率よりも大きな拡管率で拡管することもで
きる。さらに、拡管前の非接合部の内径の最小値d0m
inとして、規格から予測される最小値を用いても良
く、実測値を用いても良い点は、数1の式と同様であ
る。
【0071】次に、方法Aの作用について説明する。所
定の長さ及び内径を有する金属管30(図1(a))の
端部を、所定の端部拡径率及び所定の拡径長さLで拡
径し(図1(b))し、端面を所定の表面粗さに機械加
工した後(図1(c))、金属管30同士を拡散接合す
ると、図1(d)に示すように、接合部の内径dが非
接合部の内径dより大きくなっている金属管接合体3
2を得ることができる。
【0072】このような金属管接合体32の一端にマン
ドレル34を挿入し、他端に向かってマンドレル34を
移動させると、金属管接合体32の内径が拡大し、図2
(b)に示すように、一定の内径dを有する金属管接
合体32を得ることができる。
【0073】この時、拡管前の接合部の内径dは、非
接合部の内径dより大きくなっているので、拡管時に
おける接合部の塑性歪は、非接合部の塑性歪より小さく
なる。そのため、拡散接合の際に熱影響部が発生し、接
合部の変形能が低下している場合であっても、拡管によ
り接合部に亀裂が発生しにくくなる。
【0074】また、接合部の内径dが非接合部の内径
より大きいために、接合部近傍の変形抵抗が小さく
なる。この変形抵抗の減少量は、接合部の内径dが大
きくなるほど、あるいは拡径長さLが長くなるほど、
大きくなる。そのため、拡管の際にマンドレル34が受
ける摩擦抵抗の総和は、一様な内径を有する金属管接合
体を拡管する場合に比較して小さくなり、拡管作業の省
動力化が図られる。
【0075】さらに、各金属管30の外径及び肉厚が寸
法公差内でばらついている場合であっても、金属管30
の端部近傍の内径を拡径し、各金属管30の内径を揃え
た後に接合すれば、金属管接合体32の接合部の内周面
側に発生する段差を小さくすることができる。そのた
め、このような金属管接合体32は、拡管を行っても、
接合部から段差に起因する亀裂が発生するおそれが少な
い。また、応力集中や、腐食物質の滞留が起こりにくく
なるので、拡管された金属管接合体32の強度、疲労特
性及び耐食性が低下することもない。
【0076】なお、上述の方法Aにおいては、接合方法
として拡散接合法を用いているが、接合方法として、ア
ーク溶接法を用いても良く、これにより同様の効果を得
ることができる(以下、これを「方法A’」という)。
この場合、拡径工程において、金属管30の端部近傍の
内径を所定の端部拡径率で拡径し、端面加工工程におい
て金属管30の端面に開先を形成し、これを突き合わせ
て開先に溶融金属を肉盛りすればよい。
【0077】次に、本発明の第2の実施の形態に係る拡
管用金属管接合体の製造方法について説明する。図3
は、本発明の第2の実施の形態に係る拡管用金属管接合
体の製造方法(以下、これを「方法B」という)を示す
工程図である。図3において、方法Bは、拡径工程と、
ねじ加工工程と、締結工程とを備えている。
【0078】拡径工程は、上述した方法Aと同様に、図
3(a)に示すような、円筒状の金属管40の内、端部
近傍の内径のみを適当な工具等を用いて拡大させること
により、図3(b)に示すように、端部近傍の内径が所
定の端部拡径率で拡径された金属管40に加工する工程
である。
【0079】但し、方法Bの場合、端部拡径率は、10
%以上が望ましい。端部拡径率が10%未満であると、
後述する拡管工程において、接合部を大きく塑性変形さ
せる必要が生じるが、ねじ接続法により締結された接合
部を塑性変形させると、ねじが弛み、気密性が低下する
ので好ましくない。
【0080】なお、金属管40として拡管に耐える変形
能を有するあらゆる材料を用いることができる点、拡径
長さLは金属管40の加工の容易性等を考慮して任意
に選択すればよい点、及び拡径方法として種々の方法を
用いることができる点は、上述した方法Aと同様であ
る。
【0081】次に、ねじ加工工程においては、図3
(c)に示すように、拡径工程により端部内径が拡径さ
れた金属管40の端部に外ねじ40aが形成される。な
お、ねじ接続法の場合、接合部で支えることができる荷
重はねじの長さLに依存するので、ねじの長さL
は、金属管接合体42に要求される特性に応じて、任
意に定めることができる。
【0082】次に、締結工程においては、拡径工程にお
いて端部内径が拡径され、さらにねじ加工工程におい
て、端部に外ねじ40aが形成された金属管40同士
が、継手44を介して、締結される工程である。継手4
4には、金属管40に形成された外ねじ40aと螺合可
能な内ねじ44aが形成されている。このようにして得
られた金属管接合体42を図3(d)に示す。
【0083】製造された金属管接合体42は、方法Aに
より得られた金属管接合体32と同様に、拡管が行わ
れ、金属管接合体42の内径が一様の大きさdに拡大
される。具体的には、図4(a)に示すように、金属管
接合体42の一端からマンドレル34を挿入し、図4
(b)に示すように、金属管接合体42の他端に向かっ
てマンドレル34を移動させることにより、金属管接合
体42の内径を所定の拡管率で拡管させる。
【0084】ここで、方法Bの場合、金属管接合体42
の拡管は、金属管40の端部拡径率以下の拡管率で行う
ことが望ましい。拡管率が端部拡径率を超えると、拡管
時に接合部が塑性変形し、ねじが緩むおそれがあるので
好ましくない。また、接合部近傍は、継手44があるた
めに肉厚となっている。そのため、端部拡径率を超える
拡管率で拡管するのは、変形抵抗の増大を招き、円滑な
拡管作業が困難となるので好ましくない。
【0085】次に、方法Bの作用について説明する。予
め端部拡径率が10%以上となるように、金属管40の
端部近傍の内径を拡径し、金属管40同士をねじ接続法
により接合すると、接合部の内径dが非接合部の内径
より大きくなっている金属管接合体42を容易に得
ることができる。
【0086】このようにして得られた金属管接合体42
を、マンドレル等を用いて拡管すれば、方法Aと同様
に、接合部近傍の変形抵抗が小さくなる。そのため、均
一な内径を有する金属管接合体を拡管する場合に比し
て、拡管作業の省動力化が図られる。しかも、端部拡径
率以下の拡管率で拡管が行われるので、ねじの塑性変形
に起因する気密性の低下という、ねじ接続法特有の問題
も解決される。
【0087】次に、本発明の第3の実施の形態に係る拡
管用金属管接合体の製造方法について説明する。図5
(a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る拡
管用金属管接合体の製造方法(以下、これを「方法C」
という)を示す工程図である。
【0088】方法Cの場合、金属管50として、拡管に
耐える変形能を有するあらゆる材料を用いることができ
る点は、方法Aと同様であるが、円筒状の金属管50の
端部を拡径することなく、そのまま拡散接合を行い、拡
散接合の際に、接合部近傍を樽型に変形させる点が異な
っている。
【0089】すなわち、図5(a)に示すような円筒状
の金属管50の端部を拡径することなく、そのまま突き
合わせて加圧し(図5(b))、熱源54を介して接合
部近傍を加熱する。なお、接合方法は、図5(b)に示
すように、接合界面にインサート材36を介挿させて接
合を行う液相拡散接合法でも良く、あるいはインサート
材36を用いない固相拡散接合を用いてもよい。
【0090】この時、接合条件が適切であると、接合界
面において拡散接合が進行すると同時に、接合界面近傍
が樽型に変形し、図5(c)に示すように、接合部の内
径d が非接合部の内径dより大きくなっている金属
管接合体52を得ることができる。本発明においては、
非接合部の金属管の内径の最小値に対する、拡散接合後
の接合部の内径の増分を横膨出率と呼び、次の数3の式
で定義する。
【0091】
【数3】横膨出率=d/d0min 但し、d;接合部の内径 d0min;非接合部の内径の最小値
【0092】方法Cの場合、横膨出率は、1.04以上
が望ましい。横膨出率が1.04未満であると、後述す
る拡管工程において、接合部を大きく塑性変形させる必
要が生じ、接合部に亀裂が発生するおそれがあるので好
ましくない。
【0093】なお、非接合部の内径の最小値d0min
として、規格から予測される最小値を用いても良く、実
測値を用いても良い点は、数1の式と同様である。ま
た、横膨出率は、拡管時における接合部の塑性歪を小さ
くし、亀裂の発生を抑制するという点では、大きい程良
い。さらに、拡散接合により内径が増加した部分の長さ
(以下、これを「膨出長さ」といい、図5(c)中、
「L」で表示。)は、拡管工程における変形抵抗を小
さくするという点では、長い程良い。
【0094】また、方法Cの場合、拡散接合時に接合界
面近傍を積極的に塑性変形させる必要があるので、拡散
接合の条件も、要求される横膨出率等が得られる条件を
選択する必要がある。具体的には、以下の条件下で接合
するとよい。
【0095】すなわち、接合温度は、1250℃以上1
400℃以下の範囲が好適である。接合温度が1250
℃未満になると、インサート材が部分的に溶融しなかっ
たり、あるいは元素の拡散が十分に行われず、接合強度
が低下するおそれがある。また、接合温度が低すぎる
と、金属管50の変形抵抗が大きくなり、所定の横膨出
率が得られないので好ましくない。さらに、接合温度が
1400℃を超えると、母材が溶融するおそれがあるの
で好ましくない。
【0096】接合温度における保持時間は、60秒以上
が好適である。保持時間が60秒未満であると、大きな
横膨出率を得ることができないのでので好ましくない。
なお、横膨出率を大きくするという点では、保持時間は
長い程良いので、所望の横膨出率が得られるように、保
持時間を調節するとよい。
【0097】また、接合界面に付与する加圧力は、2M
Pa以上が好適である。加圧力が2MPa未満である
と、大きな横膨出率を得ることができないので、好まし
くない。なお、方法Cの場合、横膨出率を大きくすると
いう点では、加圧力は大きい程良く、5MPa以上であ
っても良い。但し、横膨出率が拡管率を超えると、拡管
後も、接合界面近傍に凹凸が残り、接合強度が低下す
る。従って、加圧力は、横膨出率が拡管率以下となるよ
うに調節することが望ましい。
【0098】さらに、接合部近傍の加熱幅は、20mm
以上が好適である。加熱幅が20mm未満になると、横
膨出率が小さくなると共に、膨出長さLも短くなるの
で好ましくない。拡管時の変形抵抗をより小さくすると
いう点では、横膨出率が大きく、かつ膨出長さLも長
い方が良く、そのためには、加熱幅は長い方がよい。
【0099】なお、接合面の表面粗さRmaxは、50
μm以下が好ましい点、使用するインサート材は、融点
が1200℃以下である厚さ100μm以下のNi系合
金又はFe系合金が好ましい点、インサート材の形状
は、特に限定されるものではなく、箔状、粉末状あるい
は鱗片状のインサート材を用いることができる点は、方
法Aと同様である。
【0100】また、接合雰囲気は、非酸化性雰囲気が好
ましい点、及び拡散接合を行う際の熱源としては、周波
数100kHz以下の高周波電流を用いた高周波誘導加
熱、又は高周波直接通電加熱が好ましい点も、方法Aと
同様である。
【0101】次に、上述のようにして製造された所定の
横膨出率を有する金属管接合体52の拡管が行われる。
具体的には、図5(d)に示すように、金属管接合体5
2の一端からマンドレル34を挿入し、金属管接合体5
2の他端に向かってマンドレル34を移動させればよ
い。
【0102】なお、拡管率は、金属管50の変形能や、
金属管接合体52の用途等を考慮して、任意に選択すれ
ばよい点、及び、接合条件が適切であれば、接合部近傍
の変形能を高く維持することができるので、端部拡径率
よりも大きな拡管率で拡管することもできる点は、方法
Aと同様である。
【0103】次に、方法Cの作用について説明する。端
部内径が拡径されていない金属管50を突き合わせ、金
属管50同士を拡散接合すると同時に、接合部近傍を積
極的に塑性変形させると、接合部の内径dが非接合部
の内径dより大きくなっている金属管接合体52を容
易に得ることができる。
【0104】このようにして得られた金属管接合体52
を、マンドレル等を用いて拡管すれば、方法Aと同様
に、接合部近傍の変形抵抗が小さくなる。そのため、均
一な内径を有する金属管接合体を拡管する場合に比し
て、拡管作業を円滑に行うことができ、拡管作業の省動
力化も図られる。
【0105】また、接合部の内径が大きくなっているこ
とにより、拡管時における接合部の塑性歪を小さくする
ことができる。そのため、方法Aと同様に、接合部近傍
に熱影響部が発生し、変形能が低下している場合であっ
ても、拡管により接合部に亀裂が発生しにくくなり、強
度及び気密性に優れた金属管接合体を得ることができ
る。
【0106】(実施例1)方法Aを用いて、金属管接合
体の拡管を行った。金属管には、アメリカ石油協会グレ
ードH40(以下、これを「API H40」と表記す
る)からなる外径7インチ(178mm)、肉厚0.2
31インチ(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端
部内径を、端部拡径率が5%となるように拡径した。
【0107】次に、拡径された金属管の端面を表面粗さ
Rmaxが30μm以下となるように仕上げ、金属管の
接合界面に、JIS BNi−3相当の組成を有する融
点1050℃、厚さ50μmのNi系合金箔を介挿し、
液相拡散接合を行った。さらに、得られた金属管接合体
を、拡管率が25%となるようにマンドレルを用いて拡
管した。
【0108】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間18
0秒、加圧力4MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。
【0109】(実施例2〜3、比較例1、2)金属管3
0の端部拡径率を、それぞれ、0%(比較例1)、3%
(比較例2)、20%(実施例2)、及び25%(実施
例3)とした以外は、実施例1と同様の手順に従い、金
属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0110】実施例1〜3、及び比較例1〜2で得られ
た金属管接合体について、接合後に接合部の内周面側に
発生した段差の最大値(以下、これを単に「最大段差」
という)を測定した。また、拡管後の接合部表面につい
て浸透探傷試験を行い、割れの有無を調べた。さらに、
拡管された接合体の外周面に発生した段差のみをグライ
ンダーにより研削して0.5mm以下とした後、この接
合体から、API 1104号試験片を切り出し、引張
試験を行った。結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】端部拡径率を0%とした比較例1では、最
大段差は、4mmに達した。また、拡管後の浸透探傷試
験において、接合部に多数の亀裂が認められた。さら
に、引張強度は283MPaの低強度を示し、試験片は
接合界面から破断した。
【0113】端部拡径率を3%とした比較例2では、最
大段差は、1mmに減少した。また、拡管後の浸透探傷
試験において、接合部にはかなりの亀裂が認められた
が、亀裂の数は比較例1より少なかった。これに対応し
て、引張強度は、467MPaまで向上したが、試験片
は、接合界面から破断した。
【0114】これに対し、端部拡径率をそれぞれ、5
%、20%、及び25%とした実施例1、2及び3で
は、最大段差は、いずれも0.5mmに減少した。ま
た、拡管後の浸透探傷試験において、いずれも接合界面
には亀裂は認められなかった。さらに、接合強度は、い
ずれも母材と同等である700MPa以上を示し、試験
片は、母材側から破断した。
【0115】以上の結果から、金属管を接合する前に、
金属管の端部内径を所定の端部拡径率以上の値となるよ
うに拡径すると、最大段差を小さくすることができるこ
とがわかった。また、端部拡径率を大きくするほど、拡
管時に接合部に亀裂が発生しにくくなり、接合強度の高
い金属管接合体が得られることがわかった。
【0116】(実施例4)方法Aを用いて、金属管接合
体の拡管を行った。金属管には、API H40からな
る外径7インチ(178mm)、肉厚0.231インチ
(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端部内径を、
端部拡径率が15%となるように拡径した。
【0117】次に、拡径された金属管の端面を表面粗さ
Rmaxが30μm以下となるように仕上げ、金属管の
接合界面に、融点1200℃、厚さ40μmのFe−3
B−3Si−1C合金箔を介挿し、液相拡散接合を行っ
た。さらに、得られた金属管接合体を、拡管率が25%
となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0118】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1250℃、保持時間60
秒、加圧力4MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。
【0119】(実施例5)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する融点1140℃、厚さ
40μmのNi系合金箔を用い、1300℃に120秒
保持した以外は、実施例4と同様の手順に従い、金属管
接合体の製造及び拡管を行った。
【0120】(実施例6)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する融点1140℃、厚さ
40μmのNi系合金箔を用い、接合温度を1400
℃、保持時間を300秒とした以外は、実施例4と同様
の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0121】(比較例3)インサート材として、融点1
290℃、厚さ40μmのFe−2B−1Si合金箔を
用い、接合温度を1400℃、保持時間を300秒、加
圧力を5MPaとした以外は、実施例4と同様の手順に
従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0122】実施例4〜6、及び比較例3で得られた金
属管接合体について、実施例1と同様の手順に従い、最
大段差、浸透探傷試験、及び引張試験を行った。結果を
表2に示す。
【0123】
【表2】
【0124】融点が1290℃であるインサート材を用
いた比較例3では、保持時間を300秒としたにもかか
わらず、拡管後の浸透探傷試験において、接合部に亀裂
が認められた。また、引張強度は、417MPaであ
り、試験片は、接合界面から破断した。これは、インサ
ート材の融点が高いために、接合界面において元素の拡
散が十分に行われず、接合界面近傍の変形能が低下して
いるためと考えられる。
【0125】これに対し、融点が1200℃であるイン
サート材を用いた実施例4、並びに融点が1140℃で
あるインサート材を用いた実施例5及び6は、拡管後の
浸透探傷試験において、いずれも接合界面には亀裂が認
められなかった。また、接合強度は、いずれも母材と同
等である700MPa以上を示し、試験片は、母材側か
ら破断した。
【0126】なお、実施例3〜6及び比較例3において
は、金属管の端部拡径率をいずれも15%としているの
で、最大段差は、いずれも0.5mmであった。
【0127】以上の結果から、金属管を液相拡散接合す
る場合において、融点が1200℃以下のインサート材
を用いると、拡管後に、接合部に亀裂が発生することは
なく、接合強度の高い金属管接合体が得られることがわ
かった。
【0128】(実施例7)方法Aを用いて、金属管接合
体の拡管を行った。金属管には、API H40からな
る外径7インチ(178mm)、肉厚0.231インチ
(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端部内径を、
端部拡径率が15%となるように拡径した。
【0129】次に、拡径された金属管の端面を表面粗さ
Rmaxが30μm以下となるように仕上げ、金属管の
接合界面に、JIS BNi−5相当の組成を有する融
点1140℃の鱗片状Ni系合金を厚さ100μmとな
るように介挿し、液相拡散接合を行った。さらに、得ら
れた金属管接合体を、拡管率が25%となるようにマン
ドレルを用いて拡管した。
【0130】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間18
0秒、加圧力4MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。
【0131】(実施例8)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有するNi系合金粉末を用
い、これを厚さ30μmとなるように金属管の接合界面
に介挿し、接合温度に60秒間保持した以外は、実施例
7と同様の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡管を
行った。
【0132】(実施例9)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する厚さ40μmのNi系
合金箔を用い、接合温度を1250℃、保持時間を60
秒とした以外は、実施例7と同様の手順に従い、金属管
接合体の製造及び拡管を行った。
【0133】(比較例4)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する厚さ200μmのNi
系合金箔を用い、接合温度を1400℃、保持時間を3
00秒とした以外は、実施例7と同様の手順に従い、金
属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0134】(比較例5)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する厚さ40μmのNi系
合金箔を用い、接合温度を1450℃、保持時間を60
秒とした以外は、実施例7と同様の手順に従い、金属管
接合体の製造及び拡管を行った。
【0135】実施例7〜9、及び比較例4〜5で得られ
た金属管接合体について、実施例1と同様の手順に従
い、最大段差、浸透探傷試験、及び引張試験を行った。
結果を表3に示す。
【0136】
【表3】
【0137】インサート材の厚さを200μmとした比
較例4では、保持時間を300秒としたにもかからわ
ず、拡管後の浸透探傷試験において、接合部に亀裂が認
められた。また、引張強度は、588MPaであり、試
験片は、接合界面から破断した。これは、インサート材
が厚いために、インサート材に含まれる元素の拡散が十
分に行われず、接合界面近傍の変形能が低下したためと
考えられる。
【0138】また、接合温度を1450℃とした比較例
5では、接合部近傍に溶損が発生していた。また、拡管
後の浸透探傷試験において、接合部に亀裂が認められ
た。さらに、引張強度は、657MPaであり、試験片
は、接合界面から破断した。
【0139】これに対し、インサート材の厚さを100
μm以下とし、かつ接合温度を1400℃以下とした実
施例7、8及び9では、いずれも接合部に溶損は認めら
れず、拡管後の浸透探傷試験においても、接合界面には
亀裂が認められなかった。また、接合強度は、いずれも
母材と同等である700MPa以上を示し、試験片は、
母材側から破断した。
【0140】なお、実施例7〜9及び比較例4〜5にお
いては、金属管の端部拡径率をいずれも15%としてい
るので、最大段差は、いずれも0.5mmであった。
【0141】以上の結果から、金属管を液相拡散接合す
る場合において、インサート材の厚さを100μm以下
とすると、拡管後に接合部に亀裂が発生することはな
く、接合強度の高い金属管接合体が得られることがわか
った。また、接合部の溶損を抑制するには、接合温度を
1400℃以下とする必要があることがわかった。
【0142】(実施例10)方法Aを用いて、金属管接
合体の拡管を行った。金属管には、API H40から
なる外径7インチ(178mm)、肉厚0.231イン
チ(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端部内径
を、端部拡径率が15%となるように拡径した。
【0143】次に、拡径された金属管の端面を表面粗さ
Rmaxが30μm以下となるように仕上げ、金属管の
接合界面に、JIS BNi−5相当の組成を有する融
点1140℃、厚さ40μmのNi系合金箔を介挿し、
液相拡散接合を行った。さらに、得られた金属管接合体
を、拡管率が25%となるようにマンドレルを用いて拡
管した。
【0144】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1400℃、保持時間30
秒、加圧力5MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。
【0145】(実施例11)接合温度における保持時間
を300秒、加圧力を1.5MPaとした以外は、実施
例10と同様の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡
管を行った。
【0146】(比較例6)接合温度における保持時間を
15秒とした以外は、実施例10と同様の手順に従い、
金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0147】(比較例7)インサート材として、JIS
BNi−5相当の組成を有する厚さ30μmのNi系
合金箔を用い、接合温度における保持時間を300秒、
加圧力を1MPaとした以外は、実施例10と同様の手
順に従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0148】(比較例8)接合温度を1250℃、保持
時間を300秒、加圧力を7MPaとした以外は、実施
例10と同様の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡
管を行った。
【0149】実施例10〜11、及び比較例6〜8で得
られた金属管接合体について、実施例1と同様の手順に
従い、最大段差、浸透探傷試験、及び引張試験を行っ
た。結果を表4に示す。
【0150】
【表4】
【0151】接合温度における保持時間を15秒とした
比較例6では、拡管後の浸透探傷試験において、接合部
に亀裂が認められた。また、引張強度は、563MPa
であり、試験片は、接合界面から破断した。これは、保
持時間が短いために、接合界面における元素の拡散が十
分に行われず、接合界面近傍の変形能が低下したためと
考えられる。
【0152】また、加圧力を1MPaとした比較例7で
は、接合温度における保持時間を300秒としたにもか
かわらず、拡管後の浸透探傷試験において、接合部に亀
裂が認められた。また、引張強度は、628MPaであ
り、試験片は、接合界面から破断した。これは、加圧力
が低いために、接合界面が十分に密着せず、部分的に未
接合部が発生し、これにより接合界面全体の変形能が低
下したためと考えられる。
【0153】さらに、加圧力を7MPaとした比較例8
では、接合温度を1250℃まで下げたにもかかわら
ず、接合部近傍に過大な変形が生じた。また、拡管後の
浸透探傷試験において、接合部に亀裂が認められた。さ
らに、引張強度は、687MPaであり、試験片は、接
合界面から破断した。
【0154】これに対し、加圧力を5MPa、保持時間
を30秒とした実施例10、及び加圧力を1.5MP
a、保持時間を300秒とした実施例11では、いずれ
も拡管後の浸透探傷試験においても、接合界面には亀裂
が認められなかった。また、接合強度は、いずれも母材
と同等である700MPa以上を示し、試験片は、母材
側から破断した。
【0155】なお、実施例10〜11及び比較例6〜8
においては、金属管の端部拡径率をいずれも15%とし
ているので、最大段差は、いずれも0.5mmであっ
た。
【0156】以上の結果から、金属管を液相拡散接合す
る場合において、加圧力を1.5MPa以上5MPa以
下とすると、拡管後に接合部に亀裂が発生することはな
く、接合強度の高い金属管接合体が得られることがわか
った。
【0157】(実施例12)方法Aを用いて、金属管接
合体の拡管を行った。金属管には、マルテンサイト系ス
テンレス鋼の一種である、アメリカ石油協会グレードL
C52−1200(以下、これを「LC52−120
0」という)からなる外径10.75インチ(269m
m)、肉厚0.5インチ(13mm)の鋼管を用い、こ
の鋼管の端部内径を、端部拡径率が15%となるように
拡径した。
【0158】次に、拡径された金属管の端面を表面粗さ
Rmaxが50μm以下となるように仕上げ、金属管の
接合界面に、JIS BNi−5相当の組成を有する融
点1140℃、厚さ40μmのNi系合金箔を介挿し、
液相拡散接合を行った。さらに、得られた金属管接合体
を、拡管率が25%となるようにマンドレルを用いて拡
管した。
【0159】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間12
0秒、加圧力4MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。
【0160】(実施例13)接合温度を1350℃、保
持時間を210秒、加圧力を3.5MPaとし、誘導コ
イルに流す高周波電流の周波数を100kHzとした以
外は、実施例12と同様の手順に従い、金属管接合体の
製造及び拡管を行った。
【0161】(実施例14)接合温度を1350℃、保
持時間を210秒、加圧力を3.5MPaとし、周波数
25kHzの高周波電流を用いた高周波直接通電加熱法
により接合を行った以外は、実施例12と同様の手順に
従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0162】(比較例9)接合面の表面粗さRmaxを
100μmとし、接合温度を1400℃、保持時間を3
00秒とした以外は、実施例12と同様の手順に従い、
金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0163】(比較例10)接合温度における保持時間
を300秒、加圧力を5MPaとし、誘導コイルに流す
高周波電流の周波数を400kHzとした以外は、実施
例12と同様の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡
管を行った。
【0164】実施例12〜14、及び比較例9〜10で
得られた金属管接合体について、実施例1と同様の手順
に従い、最大段差、浸透探傷試験、及び引張試験を行っ
た。結果を表5に示す。
【0165】
【表5】
【0166】接合界面の表面粗さRmaxを100μm
とした比較例9では、相対的に高温、高圧、長時間の条
件下で拡散接合を行ったにもかかわらず、拡管後の浸透
探傷試験において、接合部に亀裂が認められた。また、
引張強度は、477MPaであり、試験片は、接合界面
から破断した。これは、表面粗さが粗いために、接合界
面に存在する凹凸を溶融したNi合金で充填することが
できず、これにより接合界面全体の変形能が低下したた
めと考えられる。
【0167】また、周波数が400MPaである高周波
電流を用いて誘導加熱した比較例10も同様に、相対的
に高温、高圧、長時間の条件下で拡散接合を行ったにも
かかわらず、拡管後の浸透探傷試験において、接合部に
亀裂が認められた。また、引張強度は、431MPaで
あり、試験片は、接合界面から破断した。これは、周波
数が高いために、接合界面全体が均一に加熱されず、金
属管の内周面側に未接合部が発生し、これにより接合界
面全体の変形能が低下したためと考えられる。
【0168】これに対し、接合界面の表面粗さRmax
を50μm以下とし、周波数が100kHz以下の高周
波電流を用いた実施例12〜14では、いずれも拡管後
の浸透探傷試験において、接合部に亀裂は認められなか
った。また、接合強度は、いずれも母材と同等である7
00MPa以上を示し、試験片は、母材側から破断し
た。
【0169】なお、実施例12〜14及び比較例9〜1
0においては、金属管の端部拡径率をいずれも15%と
しているので、最大段差は、いずれも0.5mmであっ
た。
【0170】以上の結果から、金属管を液相拡散接合す
る場合において、接合界面の表面粗さRmaxを50μ
m以下とすると、拡管後に接合部に亀裂が発生すること
はなく、接合強度の高い金属管接合体が得られることが
わかった。また、接合界面を高周波誘導加熱又は高周波
直接通電加熱する場合において、高周波電流の周波数を
100kHz以下とすると、未接合部の発生に起因する
変形能の低下を抑制できることがわかった。
【0171】(実施例15)方法Bを用いて、金属管接
合体の拡管を行った。金属管には、API 40Hから
なる外径7インチ(178mm)、肉厚0.231イン
チ(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端部内径
を、端部拡径率が10%となるように拡径した。
【0172】次に、拡径された金属管の端面に外ねじを
形成し、この外ねじと螺合可能な内ねじを有する継手を
介して、金属管同士を締結した。さらに、得られた金属
管接合体を、拡管率が10%となるようにマンドレルを
用いて拡管した。
【0173】(実施例16)金属管の端部拡径率を25
%とし、拡管率25%で金属管接合体を拡管した以外
は、実施例15と同様の手順に従い、金属管接合体の製
造及び拡管を行った。
【0174】(実施例16)金属管として、LC52−
1200からなる外径10.75インチ(273m
m)、肉厚0.5インチ(127mm)の鋼管を用い、
金属管の端部拡径率を25%とし、拡管率25%で金属
管接合体を拡管した以外は、実施例15と同様の手順に
従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0175】(比較例11)金属管の端部拡径率を0%
とした以外は、実施例15と同様の手順に従い、金属管
接合体の製造及び拡管を行った。
【0176】(比較例12)金属管として、LC52−
1200からなる外径10.75インチ(273m
m)、肉厚0.5インチ(127mm)の鋼管を用い、
金属管の端部拡径率を15%とし、拡管率25%で金属
管接合体を拡管した以外は、実施例15と同様の手順に
従い、金属管接合体の製造及び拡管を行った。
【0177】実施例15〜17、及び比較例11〜12
で得られた各金属管接合体について、水圧試験を行っ
た。結果を表6に示す。
【0178】
【表6】
【0179】端部拡径率を0%とし、金属管接合体を拡
管率10%で拡管した比較例11について、圧力210
0psiで水圧試験を行ったところ、接合部から水漏れ
が発生した。
【0180】これに対し、端部拡径率及び拡管率を共に
10%とした実施例15、並びに端部拡径率及び拡管率
を共に25%とした実施例16は、いずれも圧力210
0psiで水圧試験を行っても、接合部から水漏れが発
生することはなかった。
【0181】また、端部拡径率を15%とし、金属管接
合体を拡管率20%で拡管した比較例12について、圧
力3000psiで水圧試験を行ったところ、接合部か
ら水漏れが発生した。
【0182】これに対し、端部拡径率及び拡管率を共に
25%とした実施例17では、圧力3000psiで水
圧試験を行っても、接合部から水漏れが発生せず、良好
な金属管接合体が得られた。
【0183】以上の結果から、ねじ接続法で接合された
金属管接合体を拡管する場合において、端部拡径率以下
の拡管率で拡管を行うと、気密性に優れた金属管接合体
が得られることがわかった。
【0184】(実施例18)方法Cを用いて、金属管接
合体の拡管を行った。金属管には、STKM12B(J
IS G3445)からなる外径140mm、肉厚7m
mの鋼管を用いた。この鋼管の端面を表面粗さRmax
が30μm以下となるように仕上げ、接合界面に、JI
S BNi−3相当の組成を有する融点1050℃、厚
さ50μmのNi系合金箔を介挿し、拡散接合を行っ
た。さらに、得られた金属管接合体を、拡管率が5〜2
5%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0185】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用い、加
熱コイルには、加熱幅が20mmとなるコイルと、40
mmとなるコイルの2種類を用いた。また、接合条件
は、接合温度を1250〜1350℃、保持時間を60
〜300秒、加圧力1〜4MPaとし、Ar雰囲気中で
接合を行った。さらに、横膨出率は、接合条件を変える
ことにより調整した。
【0186】得られた金属管接合体の横膨出率、膨出長
さ、並びに拡管後の割れの有無及び引張強度を表7に示
す。なお、表7には、所定の拡管率で拡管された金属管
の非接合部の引張強度(表7中、「母材」と表記)も併
せて示した。
【0187】
【表7】
【0188】表7より、加熱幅の長い加熱コイルを用い
るほど、膨出長さが長くなることがわかる。すなわち、
加熱幅を20mmとすると、膨出長さは、40〜50m
mとなり、加熱幅を40mmとすると、膨出長さは、8
0〜90mmとなることがわかる。
【0189】また、表7より、膨出長さを40〜50m
mとした場合、横膨出率が大きくなるほど、より大きな
拡管率で拡管を行うことが可能な金属管接合体が得られ
ることがわかる。
【0190】すなわち、横膨出率が1.00の場合、拡
管率が10%の時に既に接合界面に割れが発生し、健全
な金属管接合体が得られなかった(実験番号1)。横膨
出率を1.02とすると、拡管率が15%以下の場合に
は、健全な金属管接合体が得られたが、拡管率が20%
以上になると、接合部に亀裂が発生した(実験番号
3)。
【0191】これに対し、横膨出率を1.04以上(実
験番号5、7、9、11)とすると、拡管率を20%と
しても接合部に亀裂が発生することはなく、母材と同等
の強度を有する健全な金属管接合体が得られた。
【0192】膨出長さを80〜90mmとした場合も同
様であり、横膨出率が大きくなるほど、より大きな拡管
率で拡管を行うことが可能な金属管接合体が得られてい
ることがわかる(実験番号2、4、6、8、10)。
【0193】さらに、表7より、横膨出率を同一とした
場合、膨出長さが長くなるほど、拡管率の大きな拡管に
耐えうる金属管接合体が得られる傾向があることがわか
る。すなわち、横膨出率が1.02、膨出長さが40m
mである場合には、拡管率20%で拡管とすると、接合
部に亀裂が発生した(実験番号3)。一方、膨出長さを
80mmとした場合には、拡管率20%で拡管しても、
接合部に亀裂が発生することはなく、母材と同等の強度
を有する健全な接合体が得られている(実験番号4)。
【0194】同様に、横膨出率が1.04、膨出長さが
45mmである場合には、拡管率25%で拡管すると、
接合部に亀裂が発生した(実験番号5)。一方、膨出長
さを90mmとした場合には、拡管率25%で拡管して
も、接合部に亀裂が発生することはなく、母材と同等の
強度を有する健全な接合体が得られている(実験番号
6)。
【0195】以上の結果から、端部が拡径されていない
金属管を突き合わせ、拡散接合の際に接合界面近傍を所
定の横膨出率で樽型に変形させると、高い拡管率で拡管
を行った場合であっても、接合部に亀裂が発生すること
はなく、接合強度の高い健全な金属管接合体が得られる
ことがわかった。
【0196】(実施例19)方法A’を用いて、金属管
接合体の拡管を行った。金属管には、API H40か
らなる外径7インチ(178mm)、肉厚0.231イ
ンチ(6mm)の炭素鋼管を用い、この鋼管の端部内径
を、端部拡径率が5%となるように拡径した。
【0197】次に、拡径された金属管の端面に開先を形
成し、ガスシールドアーク溶接法により金属管の溶接を
行った。さらに、得られた金属管接合体を、拡管率が2
5%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0198】なお、溶接は、溶接ワイヤとしてJIS
YGW21(φ1.2mm)を用い、シールドガスに
は、Ar+20%COの混合ガスを用い、溶接電流2
80Aの条件下で行った。
【0199】(実施例20〜21、比較例13〜14)
金属管30の端部拡径率を、それぞれ、0%(比較例1
3)、3%(比較例14)、10%(実施例20)、及
び15%(実施例21)とした以外は、実施例19と同
様の手順に従い、金属管接合体の製造及び拡管を行っ
た。
【0200】実施例19〜21、及び比較例13〜14
で得られた金属管接合体について、実施例1と同様の手
順に従い、浸透探傷試験、及び引張試験を行った。結果
を表8に示す。
【0201】
【表8】
【0202】端部拡径率を0%とした比較例13では、
拡管後の浸透探傷試験において、接合部に多数の亀裂が
認められた。さらに、引張強度は317MPaの低強度
を示し、試験片は溶接部から破断した。
【0203】端部拡径率を3%とした比較例14でも同
様に、拡管後の浸透探傷試験において、接合部にはかな
りの亀裂が認められたが、亀裂の数は比較例13より少
なかった。これに対応して、引張強度は、495MPa
まで向上したが、試験片は、溶接部から破断した。
【0204】これに対し、端部拡径率をそれぞれ、5
%、10%、及び15%とした実施例19、20及び2
1では、拡管後の浸透探傷試験において、いずれも接合
界面には亀裂は認められなかった。さらに、接合強度
は、いずれも母材と同等である700MPa以上を示
し、試験片は、母材側から破断した。
【0205】以上の結果から、金属管を溶接する前に、
金属管の端部内径を所定の端部拡径率以上の値となるよ
うに拡径すると、端部拡径率を大きくなるほど、拡管時
に接合部に亀裂が発生しにくくなり、接合強度の高い金
属管接合体が得られることがわかった。
【0206】以上、本発明の実施の形態につて詳細に説
明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。
【0207】例えば、拡管に用いるマンドレルの形状
は、特に限定されるものではなく、テーパ付のマンドレ
ルを用いてもよく、あるいは、テーパ面にローラを有す
るマンドレルを用いてもよい。
【0208】また、マンドレルの駆動手段も特に限定さ
れるものではない。例えば、マンドレルの底面に軸を固
定し、その軸を用いて、マンドレルを金属管接合体の中
に押し込んでもよく、あるいは、マンドレルの底面に液
圧を付与し、液圧により金属管接合体の中を一端から他
端に向かって移動させるようにしてもよい。
【0209】また、上記実施の形態では、拡散接合法、
ねじ接続法又は溶接法を用いて、接合部の内径が非接合
部の内径より大きくなっている金属管接合体を接合して
いるが、金属管接合体の接合方法は、これらに限定され
るものではない。例えば、予め端部近傍の内径が拡径さ
れた金属管を、摩擦圧接法により接合して金属管接合体
としても良い。
【0210】さらに、本発明に係る拡管用金属管接合体
及びその製造方法は、地中に埋設されるケーシング等の
油井管及びその製造方法として特に好適であるが、本発
明の用途は、油井管に限定されるものではなく、ガス抗
井、地熱抗井、温泉井戸、水井戸等に用いられるケーシ
ング、あるいは、地表に敷設されるラインパイプや、プ
ラント用配管及びその製造方法としても用いることがで
き、これにより上記実施の形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0211】
【発明の効果】本発明に係る拡管用金属管接合体及びそ
の製造方法は、接合部の内径が非接合部の内径より大き
くなっている金属管接合体を、マンドレル等の工具を用
いて拡管するので、金属管接合体を拡管する際の変形抵
抗が小さくなる。そのため、拡管作業を円滑に行うこと
ができ、拡管作業の省動力化も図られるという効果があ
る。
【0212】また、予め金属管の端部を所定の端部拡径
率で拡径し、このような金属管を突き合わせて拡散接合
又は溶接すれば、接合部の内径が非接合部の内径より大
きくなっている金属管接合体を容易に得ることができ
る。
【0213】また、このような金属管接合体を拡管した
場合には、非接合部の塑性歪に比して、接合部の塑性歪
を小さくすることができる。そのため、拡散接合又は溶
接した時に熱影響部が発生し、接合部近傍の変形能が低
下している場合であっても、接合部に亀裂が発生しにく
くなり、強度及び気密性に優れた金属管接合体が得られ
るという効果がある。
【0214】また、端部内径が所定の端部拡径率で拡径
された金属管をねじ接続法により接合して金属管接合体
とし、端部拡径率以下の拡管率で金属管接合体を拡管す
れば、ねじ部が塑性変形することがないので、ねじの緩
みに起因する気密性の低下が生じないという効果があ
る。
【0215】また、端部が拡径されていない金属管同士
を突き合わせ、拡散接合すると同時に接合部を所定の横
膨出率で樽型に変形させた場合であっても、接合部の内
径が非接合部の内径より大きくなっている金属管接合体
を容易に得ることができる。そのため、このような金属
管接合体を所定の拡管率で拡管すれば、強度及び気密性
に優れた金属管接合体が得られるという効果がある。
【0216】さらに、予め金属管の端部を所定の端部拡
径率で拡径し、このような金属管を突き合わせて拡散接
合した場合には、各金属管の寸法にばらつきがあって
も、接合部の内周面側に発生する段差を小さくすること
ができる。そのため、拡管を行っても、応力集中に起因
する亀裂の発生のおそれがなく、また接合部に腐食性物
質が滞留することもないので、強度、疲労特性及び耐食
性に優れた金属管接合体が得られるという効果がある。
【0217】以上のように、本発明に係る拡管用金属管
接合体及びその製造方法によれば、拡管に要する消費エ
ネルギーが少なく、気密性及び強度に優れ、しかも接合
部に発生する段差の小さい金属管接合体が容易に得られ
るので、これを例えば、油井管や、ラインパイプ等に応
用すれば、石油掘削作業やパイプ敷設作業の大幅なコス
トダウンと、信頼性の向上に寄与するものであり、産業
上その効果の極めて大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る拡管用金属管
接合体の製造方法を示す工程図である。
【図2】図1(d)に示す拡管用金属管接合体の拡管方
法を示す工程図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る拡管用金属管
接合体の製造方法を示す工程図である。
【図4】図2(d)に示す拡管用金属管接合体の拡管方
法を示す工程図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の第3の実施の
形態に係る拡管用金属管接合体の製造方法を示す工程図
であり、図5(d)は、図5(c)に示す拡管用金属管
接合体の拡管方法を示す図である。
【図6】油井の一般的な構造を示す断面図である。
【図7】ねじ接続法(メカニカルカップリング法)を示
す断面図である。
【符号の説明】
30、40、50 金属管 32、42、52 金属管接合体 34 マンドレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // E21B 17/08 E21B 17/08 (72)発明者 稲垣 繁幸 愛知県名古屋市南区天白町3−9−111 大同特殊鋼天白荘205 Fターム(参考) 3H013 BA02 GA01 4E067 AA01 AB02 AB05 AD03 AD04 AD07 BA03 BA05 BH01 BH03 DA00 DA09 DA13 DB02 DC03 DC06 DC07 EA03 EC06 4E081 AA08 BA03 BA04 BA05 BA27 CA07 DA11 DA23 DA35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属管が接合された金属管接合体
    であって、接合部の内径が、非接合部の内径より大きい
    ことを特徴とする拡管用金属管接合体。
  2. 【請求項2】 金属管の端部近傍の内径を拡径し、該金
    属管同士を接合することを特徴とする拡管用金属管接合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 端部拡径率が5%以上となるように、前
    記金属管の端部近傍の内径を拡径することを特徴とする
    請求項2に記載の拡管用金属管接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 接合方法が拡散接合法であることを特徴
    とする請求項2又は3に記載の拡管用金属管接合体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 接合方法がアーク溶接法であることを特
    徴とする請求項2又は3に記載の拡管用金属管接合体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 金属管の端部近傍の内径を拡径し、該金
    属管の端部にねじを形成し、該ねじにより前記金属管同
    士を機械的に締結することを特徴とする拡管用金属管接
    合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 端部拡径率が10%以上となるように、
    前記金属管の端部近傍の内径を拡径することを特徴とす
    る請求項6に記載の拡管用金属管接合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 端部近傍の内径が拡径されていない金属
    管を突き合わせ、接合部近傍が横膨出するような接合条
    件で拡散接合することを特徴とする拡管用金属管接合体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 接合部近傍の横膨出率が1.04以上と
    なるように拡散接合することを特徴とする請求項8に記
    載の拡管用金属管接合体。
JP10286403A 1998-10-08 1998-10-08 拡管用金属管接合体及びその製造方法 Pending JP2000107870A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286403A JP2000107870A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 拡管用金属管接合体及びその製造方法
CA002285732A CA2285732A1 (en) 1998-10-08 1999-10-07 Expandable metal-pipe bonded body and manufacturing method thereof
US09/414,534 US6405761B1 (en) 1998-10-08 1999-10-08 Expandable metal-pipe bonded body and manufacturing method thereof
NO994905A NO994905L (no) 1998-10-08 1999-10-08 Element dannet av sammenføyde metallrør og fremgangsmåte for dets fremstilling
EP99120149A EP0995533A3 (en) 1998-10-08 1999-10-08 Method of manufacturing shaped bodies from bonded metal pipes

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286403A JP2000107870A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 拡管用金属管接合体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000107870A true JP2000107870A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17703959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10286403A Pending JP2000107870A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 拡管用金属管接合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000107870A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592154B2 (en) * 2000-05-18 2003-07-15 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Metal-pipe bonded body, pipe expansion method of metal-pipe bonded body, and method for inspecting metal-pipe bonded body
JP2009154180A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Jfe Steel Corp 拡管性に優れた油井用鋼管およびその製造方法
JP2009167476A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管およびその製造方法
JP2009174658A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Jfe Steel Corp 拡管性に優れた油井用鋼管およびその製造方法
JP2009174217A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管およびその製造方法
JP2012047037A (ja) * 2011-10-24 2012-03-08 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管の製造方法
KR101805790B1 (ko) * 2016-09-01 2017-12-07 지엘테크 (주) 패킹이 구비된 파이프 이음장치
DE102017122258A1 (de) * 2017-09-26 2019-04-11 Voss Fluid Gmbh Verbinderteil mit metallischem Grundkörper zum Verschrauben von Rohren und Verfahren zu dessen Herstellung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592154B2 (en) * 2000-05-18 2003-07-15 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Metal-pipe bonded body, pipe expansion method of metal-pipe bonded body, and method for inspecting metal-pipe bonded body
JP2009154180A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Jfe Steel Corp 拡管性に優れた油井用鋼管およびその製造方法
JP2009167476A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管およびその製造方法
JP2009174658A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Jfe Steel Corp 拡管性に優れた油井用鋼管およびその製造方法
JP2009174217A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管およびその製造方法
JP2012047037A (ja) * 2011-10-24 2012-03-08 Jfe Steel Corp 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管の製造方法
KR101805790B1 (ko) * 2016-09-01 2017-12-07 지엘테크 (주) 패킹이 구비된 파이프 이음장치
DE102017122258A1 (de) * 2017-09-26 2019-04-11 Voss Fluid Gmbh Verbinderteil mit metallischem Grundkörper zum Verschrauben von Rohren und Verfahren zu dessen Herstellung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6405761B1 (en) Expandable metal-pipe bonded body and manufacturing method thereof
US7424918B2 (en) Interposed joint sealing layer method of forming a wellbore casing
EP1324855B1 (en) A method for interconnecting adjacent expandable pipes
CA2403932C (en) Method of joining metal oilfield tubulars and well provided therewith
US20090001721A1 (en) Protective sleeve for threaded connections for expandable liner hanger
US20080302539A1 (en) Method and apparatus for lengthening a pipe string and installing a pipe string in a borehole
AU2002242347A1 (en) A method for interconnecting adjacent expandable pipes
US7377326B2 (en) Magnetic impulse applied sleeve method of forming a wellbore casing
US20160039042A1 (en) Method for Friction Welding Subsea Flowline Connectors
EP0907822A1 (en) Method for expanding a steel tubing and well with such as tubing
EP3389919B1 (en) Method for connection and tubular connection assembly for improved fatigue performance of metallic risers
JP6744500B2 (ja) 加工硬化溶接及びそのための方法
JP2001058279A (ja) 拡管に適した炭素鋼管接合体の製造方法および拡管方法
US20150328712A1 (en) Coiled tubing lap welds by magnetic pulse welding
US20220049800A1 (en) Method for producing a steel underwater pipe that is able to carry a corrosive fluid
JP2000107870A (ja) 拡管用金属管接合体及びその製造方法
EP0950441A2 (en) Method of manufacturing long dual layer metal pipe
JP2000176652A (ja) 金属管の接合方法
CN113474099B (zh) 金属管以及金属管的制造方法
JP2000130649A (ja) 拡管用金属管接合体
Moe et al. Shielded active gas forge welding–from laboratory to field experiments
JP2000071029A (ja) 長尺二重金属管の製造方法
JP2001105060A (ja) 長尺管の拡管製造方法および坑井形成方法
JP2001087868A (ja) 金属管接合体の製造方法
JP2001340974A (ja) 拡管用金属管接合体及び金属管接合体の拡管方法