JP2001340974A - 拡管用金属管接合体及び金属管接合体の拡管方法 - Google Patents

拡管用金属管接合体及び金属管接合体の拡管方法

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JP2001340974A JP2000160167A JP2000160167A JP2001340974A JP 2001340974 A JP2001340974 A JP 2001340974A JP 2000160167 A JP2000160167 A JP 2000160167A JP 2000160167 A JP2000160167 A JP 2000160167A JP 2001340974 A JP2001340974 A JP 2001340974A
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metal pipe
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Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
Kazunari Kito
一成 鬼頭
Shigeyuki Inagaki
繁幸 稲垣
Ryuzo Yamada
龍三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い拡管率で拡管を行う場合であっても、接
合面に亀裂が発生するおそれの少ない拡管用金属管接合
体及び金属管接合体の拡管方法を提供すること。 【解決手段】 金属管12eと金属管14eとを端部に
形成された接合面16eを介して拡散接合する場合にお
いて、接合面16eの少なくとも一部に、金属管12
e、14eの半径方向に対して傾斜している部分を設け
る。この場合、接合面16eの傾斜角度φと、拡管工具
30の先端角度2θとの間に、0<φ≦θ+60゜の関
係があることが望ましい。このような金属管接合体10
eを拡管するに際しては、接合面16eの傾斜している
部分が凸型に形成された金属管12eから、接合面16
eの傾斜している部分が凹型に形成された金属管14e
に向かって、拡管工具30を移動させる。さらに、金属
管接合体の接合面近傍の内径は、接合面から離れた位置
の内径より大きくしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡管用金属管接合
体及び金属管接合体の拡管方法に関し、更に詳しくは、
化学工業、石油化学工業等で用いられるプラント用配
管、ラインパイプ、あるいは油井で用いられるケーシン
グチューブ、プロダクションチューブ、コイルドチュー
ブ等の油井管として好適な拡管用金属管接合体及び金属
管接合体の拡管方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、化学工業、石油化学工業等の
分野においては、種々の環境下での化学反応を利用して
目的生成物を得たり、化学反応の原料、中間生成物、目
的生成物等の腐食性の流体を長距離に亘って輸送するた
めに、長尺の金属管が使用されている。
【0003】腐食環境に曝される金属管には、耐食性に
優れた継目無鋼管が一般に用いられるが、工業的に量産
されている継目無鋼管の長さは、10〜15mであり、
製造可能な長さの上限は100m程度である。そのた
め、このような場合には、長さ10〜15mの継目無鋼
管を複数個接合した接合体(以下、これを「金属管接合
体」という。)が用いられている。
【0004】金属管の接合方法としては、ねじ接続法
(メカニカルカップ法)、溶接法(オービタルウェルデ
ィング法)、摩擦圧接法、拡散接合法などが知られてい
る。これらの中で、拡散接合法は、気密性が高く、母材
強度と同等の接合強度を有する継手が得られ、しかも、
溶接法に比して作業時間が短いという利点がある。その
ため、拡散接合法は、油井管やラインパイプ等の接合方
法としての応用が期待されているものである。
【0005】また、一般に、金属管接合体は、接合され
た状態でそのまま使用されるが、用途によっては、接合
後に金属管接合体の内径を拡大させる加工(以下、これ
を「拡管」という。)を行う場合がある。例えば、近
年、油井管の分野では、油井の掘削コストを削減するた
めに、金属管接合体を地中に埋設した後、拡管を行う方
法が提案されている。
【0006】例えば、特表平7−507610号公報に
は、地中に掘削されたボアホールに可鍛材料製ケーシン
グを埋設し、液圧膨張ツールをケーシング内で膨張させ
ることにより、ケーシングをボアホール壁に対して半径
方向に膨張させる方法が開示されている。
【0007】また、特許協力条約に基づく国際公開第W
O98/0062号には、ネッキングや延性破壊するこ
となく歪硬化を生ずる可鍛性の鋼種からなる鋼管を坑
道、あるいは先に埋設されたケーシング内に挿入し、非
金属材料からなるテーパ面を有するマンドレルを用いて
ケーシングを拡管する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】金属管接合体の拡管を
油井管に適用する場合、油井の掘削コストを削減するた
めには、拡管前後の内径の拡大率(以下、これを「拡管
率」という。)は、少なくとも5%は必要であり、さら
に好ましくは、20%以上である。一方、拡散接合法
は、上述したように、高品質の金属管接合体を高能率で
製造することが可能な接合方法である。そのため、拡散
接合法と拡管とを組み合わせ、これを油井管に適用すれ
ば、油井掘削コストの大幅な削減が期待できる。
【0009】しかしながら、金属管を拡散接合する場
合、その端面を軸方向に対して直角に加工して接合面と
し、突き合わせ接合するのが一般的である。そのため、
このような金属管接合体に対してそのまま拡管を行う
と、拡管率が大きくなるに伴い、拡管時に接合面に作用
する剪断力が増大し、接合面に亀裂が発生するおそれが
あるという問題がある。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、高い拡
管率で拡管を行う場合であっても、接合面に亀裂が発生
するおそれの少ない拡管用金属管接合体を提供すること
にある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、
接合面に亀裂を発生させることなく、高い拡管率で拡管
を行うことが可能な金属管接合体の拡管方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る拡管用金属管接合体は、複数の金属管
が、その端部に形成された接合面を介して拡散接合され
たものであって、前記接合面の少なくとも一部が、前記
金属管の半径方向に対して傾斜していることを要旨とす
るものである。
【0012】本発明に係る拡管用金属管接合体は、拡散
接合された接合面の少なくとも一部が金属管の半径方向
に対して傾斜しているので、拡管を行う際に、接合面の
内、傾斜している部分が凸型に形成された一方の金属管
から、接合面の内、傾斜している部分が凹型に形成され
た他方の金属管に向かって、拡管工具を移動させれば、
接合面に発生する剪断力を軽減することができる。その
ため、接合面に亀裂を発生させることなく、金属管接合
体の拡管を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態に係る
拡管用金属管接合体は、複数の金属管が、その端部に形
成された接合面を介して拡散接合されたものであって、
接合面の少なくとも一部が、金属管の半径方向に対して
傾斜していることを特徴とするものである。
【0014】図1(a)に、従来の金属管接合体の断面
図を示す。また、図1(b)〜図1(f)に、本実施の
形態に係る金属管接合体の断面図の一例を示す。従来の
金属管接合体10aは、図1(a)に示すように、金属
管12a、14aを端面において接合したものであり、
接合面16aは、金属管12a、14aの軸方向に対し
て垂直になっている。
【0015】これに対し、図1(b)に示す金属管接合
体10bは、金属管12b、14bを端面において接合
したものであり、接合面16bは、金属管12b、14
bの半径方向に対して傾斜しているテーパ部18bと、
金属管12b、14bの外周面側に形成された第1平坦
部20bからなっている。
【0016】また、図1(c)に示す金属管接合体10
cは、金属管12c、14cを端面において接合したも
のであり、接合面16cは、金属管12c、14cの半
径方向に対して傾斜しているテーパ部18cと、金属管
12c、14cの内周面側に形成された第2平坦部22
cからなっている。
【0017】また、図1(d)に示す金属管接合体10
dは、金属管12d、14dを端面において接合したも
のであり、接合面16dは、金属管12d、14dの半
径方向に対して傾斜しているテーパ部18dと、金属管
12d、14dの外周面側及び内周面側にそれぞれ形成
された第1平坦部20d及び第2平坦部22dからなっ
ている。
【0018】また、図1(e)に示す金属管接合体10
eは、金属管12e、14eを端面において接合したも
のであり、接合面16eは、金属管12e、14eの半
径方向に対して傾斜しているテーパ部のみからなってい
る。
【0019】さらに、図1(f)に示す金属管接合体1
0fは、金属管12f、14fを端面において接合した
ものであり、接合面16fは、金属管12f、14fの
半径方向に対して傾斜している部分の角度が連続的に変
化している曲面部からなっている。
【0020】金属管の半径方向に対するテーパ部の角度
(φ)(以下、これを「傾斜角度」という。)は、少な
くとも0より大きいことが必要である。傾斜角度φが大
きいほど、接合面に亀裂が発生しにくくなるが、傾斜角
度φが大きすぎると加工が困難となる。従って、拡管工
具の先端角度を2θとすると、傾斜角度φは、次の数1
の式で表される範囲にあることが望ましい。
【0021】
【数1】0<φ≦θ+60゜
【0022】但し、図1(f)に示すように、接合面の
内、金属管の半径方向に対して傾斜している部分が曲面
部である場合には、「傾斜角度(φ)」とは、曲面部の
両端を直線で結んだ平面と、金属管の半径方向との為す
角度で近似された値をいう。
【0023】なお、拡散接合法には、固相状態を維持し
ながら元素の拡散を行わせる固相拡散接合法と、接合界
面にインサート材を介挿し、インサート材を溶融させる
と共に、その成分の一部を金属管側に拡散させる液相拡
散接合法があるが、本発明に係る金属管接合体は、いず
れの方法により接合されたものであっても良い。
【0024】次に、本実施の形態に係る金属管接合体の
製造方法について説明する。図2は、図1(e)に例示
した金属管接合体10eの製造方法の一例を示す工程図
である。まず、図2(a)に示すように、金属管12e
及び金属管14eの端面に、それぞれ、凸型のテーパ部
及び凹型のテーパ部を形成し、インサート材40を介し
て、これらを突き合わせる。
【0025】次に、図2(b)に示すように、金属管1
2e及び14eを、それぞれ、クランプ42、44で固
定すると共に、接合面に所定の圧力を加える。また、接
合面の周囲にコイル46を配置し、コイル46の周囲を
シールド48で密閉する。次いで、シールド48内部を
非酸化雰囲気に保持したまま、コイル46に高周波電流
を印加する。そして、接合面近傍を接合温度まで加熱
し、所定時間保持した後に冷却すれば、接合面16eが
テーパ部のみからなる金属管接合体10eが得られる。
【0026】なお、接合面の一部に平坦部を有する金属
管接合体、あるいは、接合面の一部が所定の曲率半径を
有する曲面部である金属管接合体も同様の手順により製
造することができる。また、固相拡散接合法により接合
する場合には、インサート材40を介挿することなく、
直接、金属管を突き合わせて、加熱すればよい。
【0027】次に、本実施の形態に係る金属管接合体の
作用について説明する。金属管接合体の内部に先端角度
が2θである拡管工具を挿入し、金属管接合体の一方か
ら他方に向かって拡管工具を移動させると、拡管工具に
よって、金属管接合体の内径を一様に拡大させることが
できる。
【0028】しかしながら、拡管工具を移動させる際、
拡管工具に作用する力の一部が金属管接合体の半径方向
に作用する。そのため、接合面が金属管の半径方向に対
して平行(すなわち、傾斜角度φ=0)であると、半径
方向に作用する力が接合面にそのまま剪断力として作用
するので、特に、拡管率が大きい場合には、接合面に亀
裂が発生する場合がある。
【0029】これに対し、図3に示すように、例えば、
接合面16eがテーパ部のみからなる金属管接合体10
eの内部に、先端角度が2θである拡管工具30を挿入
し、その端面が凸型になっている金属管12eから、そ
の端面が凹型になっている金属管14eに向かって拡管
工具30を移動させると、半径方向に作用する力の内の
一部が接合面16eに作用する。そのため、拡管時に接
合面16eに作用する剪断力が軽減され、接合面におけ
る亀裂の発生が抑制される。接合面の一部に平坦部を有
する場合、あるいは、接合面の一部が所定の曲率半径を
有する曲面部である場合も同様である。
【0030】次に、本発明の第2の実施の形態に係る金
属管接合体について説明する。本実施の形態に係る金属
管接合体は、接合面の少なくとも一部が、金属管の半径
方向に対して傾斜していることに加え、接合面近傍の内
径が、接合面から離れた位置の内径より大きいことを特
徴とするものである。
【0031】ここで、接合面から離れた位置の内径に対
する接合面近傍の内径の増分(以下、これを「拡径率」
という。)は、金属管の材質、接合後における接合面近
傍の変形能、拡管工具による拡管率等に応じて、定める
と良い。一般に、拡径率が拡管率に近いほど、拡管時に
おける亀裂の発生を抑制できるので好ましい。
【0032】図4は、本実施の形態に係る金属管接合体
の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図4
(a)に示すように、内径が一様である金属管12g、
14gを用意する。次に、図4(b)に示すように、適
当な工具を用いて、所定の拡径率で、金属管12g、1
4gの端部の拡径加工を行う。
【0033】さらに、図4(c)に示すように、拡径が
行われた金属管12g及び金属管14gの端面に、テー
パ部を形成する。図4(c)においては、金属管12g
の端面に、凸型のテーパ部を有する接合面16gを形成
し、金属管14gの端面に、凹型のテーパ部を有する接
合面16g’を形成した例が示されている。得られた金
属管12g、14gは、上述した第1の実施の形態と同
様に、直接又はインサート材を介挿して突き合わせ、拡
散接合を行えば、接合面近傍の内径が拡大された金属管
接合体が得られる。
【0034】本実施の形態に係る金属管接合体は、接合
面の少なくとも一部が、金属管の半径方向に対して傾斜
していることに加え、接合面近傍の内径が、接合面から
離れた位置の内径より大きくなっているので、端部の拡
径を行わない場合に比して、拡管工具が接合面近傍を通
過する際に半径方向に作用する力がさらに小さくなる。
そのため、拡管時に接合面に作用する剪断力がさらに軽
減され、接合面における亀裂の発生が抑制される。
【0035】
【実施例】(実施例1)接合面の形状の異なる金属管を
用いて液相拡散接合を行った。金属管には、外径17
7.8mm、板厚9.19mm、長さ5mのL80炭素
鋼管(API 5CT)を用いた。また、接合面の形状
は、図1(a)〜図1(e)に示す形状とし、端部の拡
径を行うことなく液相拡散接合を行った。接合条件は、
以下の通りである。 インサート材:BNi−3(t40μm、JISZ32
65) 接合温度 :1250℃ 保持時間 :180s 加圧力 :3MPa 接合雰囲気 :Ar
【0036】上記の接合条件で、接合面の形状の異なる
金属管接合体をそれぞれ5本づつ作製し、拡管を行っ
た。拡管は、先端角度2θが30゜である拡管工具を金
属管接合体内部に挿入し、水圧を用いて、移動速度10
m/minで移動させた。なお、本実施例の場合、拡管
工具は、いずれも、端面が凸型に形成された金属管か
ら、端面が凹型に形成された金属管に向かって移動させ
た(以下、この移動方向を「上→下」といい、これとは
逆の移動方向を「下→上」という。)。また、本実施例
の場合、拡管率は、いずれも20%とした。次に、拡管
が行われた金属管接合体の接合部内外表面について、浸
透探傷試験を行った。さらに、万能試験機(500To
nf)を用いて引張試験を行い、引張特性の安定性を評
価した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】図1(a)に示すように、接合面を金属管
の軸方向に対して垂直に加工した実験No.1の場合、
作製した5本の試料の内の4本については、浸透探傷試
験において接合面近傍に亀裂は確認されなかった。ま
た、引張強度は、780〜790MPaを示し、試験片
はいずれも母材側で判断した。しかしながら、5本の試
料の内の1本は、接合部の内面側に微小亀裂が認められ
た。また、引張試験の際、試料は、接合面から破断し、
引張強度も約740MPaまで低下した。
【0039】これに対し、図1(b)〜図1(e)に示
すように、接合面の少なくとも一部にテーパ部(傾斜角
度φ=30゜)を設けた実験No.2〜実験No.5の
場合、作製した5本のすべてについて、接合面近傍に亀
裂は確認されなかった。また、引張強度は、いずれも7
80〜790MPaの値が安定して得られ、試験片は、
いずれも母材側で破断した。
【0040】(実施例2)接合面の形状の異なる金属管
を用いて液相拡散接合を行った。金属管には、実施例1
と同一のものを用い、この金属管を、それぞれ、拡径率
10〜20%で端部の拡径加工を行った。次に、接合面
を、図1(b)〜図1(f)に示す形状に加工した後、
液相拡散接合を行った。なお、接合条件は、実施例1と
同一とした。
【0041】上記の接合条件で、接合面の形状の異なる
金属管接合体をそれぞれ5本づつ作製し、拡管を行っ
た。拡管は、先端角度2θが30゜である拡管工具を金
属管接合体内部に挿入し、水圧を用いて、移動速度10
m/minで移動させた。なお、本実施例の場合、工具
の移動方向は、「上→下」とした。また、本実施例の場
合、拡管率は、いずれも25%とした。次に、拡管が行
われた金属管接合体の接合部内外表面について、浸透探
傷試験を行った。さらに、万能試験機(500Ton
f)を用いて引張試験を行い、引張特性の安定性を評価
した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】本実施例においては、図1(b)〜図1
(f)に示すように、接合面の少なくとも一部にテーパ
部(傾斜角度φ=30゜)を設けているので、作製した
5本のすべてについて、接合面近傍に亀裂は確認されな
かった。また、引張強度は、いずれも810〜820M
Paの値が安定して得られ、試験片は、いずれも母材側
で破断した。
【0044】(実施例3)接合面の形状の異なる金属管
を用いて液相拡散接合を行った。金属管には、外径13
9.7mm、板厚6.99mm、長さ5mのASTM
A106炭素鋼管を用いた。また、接合面の形状は、図
1(b)、図1(d)及び図1(e)に示す形状とし、
接合面の形状を図1(b)の形状とした試料について
は、端部の拡径を行うことなく液相拡散接合を行った。
一方、接合面の形状を図1(d)又は図1(e)の形状
とした試料については、まず、拡径率10%で端部の拡
径を行い、次いで接合面を所定の形状に仕上げた後、液
相拡散接合を行った。接合条件は、以下の通りである。 インサート材:BNi−5(t50μm、JISZ32
65) 接合温度 :1300℃ 保持時間 :180s 加圧力 :3MPa 接合雰囲気 :N
【0045】上記の接合条件で、接合面の形状の異なる
金属管接合体をそれぞれ5本づつ作製し、拡管を行っ
た。拡管は、先端角度2θが30゜である拡管工具を金
属管接合体内部に挿入し、水圧を用いて、移動速度10
m/minで移動させた。なお、本実施例の場合、工具
の移動方向は、実験No.15のみ「下→上」とし、他
は、「上→下」とした。また、本実施例の場合、拡管率
は、いずれも15%とした。次に、拡管が行われた金属
管接合体の接合部内外表面について、浸透探傷試験を行
った。さらに、万能試験機(500Tonf)を用いて
引張試験を行い、引張特性の安定性を評価した。結果を
表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】接合面の形状を図1(b)に示す形状と
し、傾斜角度φ=80゜とした実験No.11は、作製
した5本の試料の内の3本については、浸透探傷試験に
おいて接合面近傍に亀裂は確認されなかった。また、引
張強度は、約470MPaを示し、試験片はいずれも母
材側で判断した。しかしながら、5本の試料の内の2本
については、接合部の内面側に微小亀裂が認められた。
また、引張試験の際、試料は、接合面から破断し、引張
強度も若干低下した。
【0048】これに対し、接合面の形状を図1(b)に
示す形状とし、傾斜角度φ=60゜とした実験No.1
2は、作製した5本のすべてについて、接合面近傍に亀
裂は確認されなかった。また、引張強度は、いずれも4
70〜480MPaの値が安定して得られ、試験片は、
いずれも母材側で破断した。
【0049】また、金属管端部を拡径率10%で拡径し
た後、接合面の形状を図1(d)又は図1(e)に示す
形状とした実験No.13又は実験No.14は、作製
した5本の試料すべてについて、接合面近傍に亀裂は確
認されなかった。また、引張強度は、いずれも470〜
480MPaの値が安定して得られ、試験片は、いずれ
も母材側で破断した。
【0050】一方、工具の移動方向を「下→上」とした
実験No.15は、作製した5本の試料の内の4本につ
いては、浸透探傷試験において接合面近傍に亀裂は確認
されなかった。また、引張強度は、約470MPaを示
し、試験片はいずれも母材側で判断した。しかしなが
ら、5本の試料の内の1本は、接合部の内面側に微小亀
裂が認められた。また、引張試験の際、試料は、接合面
から破断した。
【0051】以上、本発明の実施の形態につて詳細に説
明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。
【0052】例えば、上記実施例においては、炭素鋼管
について本発明を適用した例について説明したが、本発
明に用いられる金属管は、炭素鋼管に限定されるもので
はなく、あらゆる材質の金属管に対して本発明を適用す
ることができる。また、本発明は、特に、油井管に好適
であるが、本発明の用途は、油井管に限定されるもので
はなく、ラインパイプ、各種プラント用配管にも適用で
きる。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る拡管用金属管接合体は、複
数の金属管が、その端部に形成された接合面を介して拡
散接合されたものであって、接合面の少なくとも一部
が、金属管の半径方向に対して傾斜しているので、高い
拡管率で拡管を行う場合であっても、接合面における亀
裂の発生が抑制されという効果がある。
【0054】接合面近傍の内径が、接合面から離れた位
置の内径より大きい場合には、拡管を行う際に接合面に
作用する剪断力がさらに軽減されるので、高い拡管率で
拡管を行う場合であっても、接合面における亀裂の発生
が抑制されという効果がある。
【0055】また、本発明に係る金属管接合体の拡管方
法は、拡管用の金属管接合体として、接合面の少なくと
も一部を金属管の半径方向に対して傾斜しているものを
用い、接合面の内、傾斜している部分が凸型に形成され
た一方の金属管から、接合面の内、傾斜している部分が
凹型に形成された他方の金属管に向かって、拡管工具を
移動させるので、高い拡管率で拡管を行う場合であって
も、接合面における亀裂の発生が抑制されという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、従来の金属管接合体の接合面
近傍の断面図であり、図1(b)〜図1(f)は、本発
明の第1の実施の形態に係る金属管接合体の接合面近傍
の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る金属管接合
体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】 傾斜角度φと先端角度2θの関係を説明する
図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係る金属管接合
体の製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
10b〜10g 金属管接合体 12b〜12g 金属管 14b〜14g 金属管 16b〜16g 接合面 18b〜18d テーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 繁幸 愛知県名古屋市南区天白町3−9−47 (72)発明者 山田 龍三 愛知県知多市大草四方田48番地の1 スタ ーハイツ臨海A−301 Fターム(参考) 4E067 AA02 AB05 AD03 BA05 DA13 DB02 DC03 DC06 DD00 EA03 EC06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属管が、その端部に形成された
    接合面を介して拡散接合された拡管用金属管接合体であ
    って、 前記接合面の少なくとも一部が、前記金属管の半径方向
    に対して傾斜していることを特徴とする拡管用金属管接
    合体。
  2. 【請求項2】 前記接合面の内、傾斜している部分の傾
    斜角度(φ)と、拡管に用いられる工具の先端角度(2
    θ)との間に、 0<φ≦θ+60゜ の関係があることを特徴とする請求項1に記載の拡管用
    金属管接合体。
  3. 【請求項3】 前記接合面近傍の内径が、前記接合面か
    ら離れた位置の内径より大きいことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の拡管用金属管接合体。
  4. 【請求項4】 複数の金属管が、その端部に形成された
    接合面を介して拡散接合された金属管接合体の内部に拡
    管工具を挿入し、内径を拡大させる金属管接合体の拡管
    方法において、 前記金属管接合体は、前記接合面の少なくとも一部が、
    前記金属管の半径方向に対して傾斜しているものであ
    り、 前記接合面の内、傾斜している部分が凸型に形成された
    一方の金属管から、前記接合面の内、傾斜している部分
    が凹型に形成された他方の金属管に向かって、前記拡管
    工具を移動させることを特徴とする金属管接合体の拡管
    方法。
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