JP2001105060A - 長尺管の拡管製造方法および坑井形成方法 - Google Patents

長尺管の拡管製造方法および坑井形成方法

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JP2001105060A
JP2001105060A JP29181899A JP29181899A JP2001105060A JP 2001105060 A JP2001105060 A JP 2001105060A JP 29181899 A JP29181899 A JP 29181899A JP 29181899 A JP29181899 A JP 29181899A JP 2001105060 A JP2001105060 A JP 2001105060A
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Koji Horio
浩次 堀尾
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Ryuzo Yamada
龍三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺状の金属接合管を均一な拡径寸法でスム
ーズに拡管でき、接合部の割れ(クラック)や亀裂も生
じない拡管製造技術およびこの技術を用いて石油や天然
ガスの坑井を形成する方法を提供すること。 【解決手段】 長尺状の金属接合管10の一端に該金属
接合管10の管径よりやや大径の拡径部を有する拡管工
具12を配設し、該拡管工具12を引き抜くことにより
金属接合管10を拡径するものであって、その際金属接
合管10と拡管工具12との間に潤滑剤20を供給した
り、あるいは金属接合管10の接合部を拡管工具12が
通過する際には該拡管工具12の引き抜き速度を相対的
に遅くするようにするとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺管の拡管製造
方法に関し、さらに詳しくは、プラント用鋼管や石油掘
削パイプ等の長尺状の金属接合管を拡径する拡管技術、
あるいは地層に石油掘削用や天然ガス採掘用の坑井を形
成するに際し、その地層に設けたボアホール中に金属接
合管を配設し、このボアホール内で金属接合管を拡径す
る坑井形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の金属接合管の用途として
は、例えば、プラント用鋼管、ラインパイプ、油井管等
がある。これらの用途の金属管の加工方法の一つである
拡管は、金属管内に拡散用マンドレルやプラグ等の工具
を挿入し、これらの工具を管内に移動させることにより
内径を拡大させる方法である。
【0003】ところで、油井管、パイプライン等は、そ
の全長が数千mから数十kmに達するものであり、通
常、長さ数m程度の比較的短い金属管を接合することに
より製造されている。このような金属管の接合方法とし
ては、ねじ接続法(メカニカルカップリング法)、溶接
法(オービタルウェルディング法)、拡散接合法などが
知られている。
【0004】ねじ接続法は、金属管の端部に形成された
ねじを螺合させることにより金属管どうしを接続する方
法であり、溶接法は、金属管の端面に開先を設けて突き
合わせ、開先に溶融金属を肉盛りすることにより金属管
どうしを接合する方法である。
【0005】これに対して拡散接合法には、2本の金属
管を直接突き合わせ、固相状態を維持しながら元素の拡
散を行わせる固相拡散接合法と、接合界面にインサート
材を介挿し、インサート材を溶融させると共に、その成
分の一部を金属管側に拡散させる液相拡散接合法があ
る。
【0006】拡散接合法は、ねじ接続法に比較して強度
及び気密性に優れた高品質の継手が得られ、しかも、溶
接法に比較して作業効率が高いという利点がある。その
ため、拡散接合法は、油井管やラインパイプ等、金属管
の接合方法として広く用いられているものである。
【0007】一方、地層中に石油掘削用や天然ガス採掘
用の坑井を形成する方法として、例えば、国際特許出願
公開番号:WO 98/00626や、特表平7−50
7610号公報などに開示される技術が知られている。
前者の国際公開WO 98/00626号公報に示され
る技術は、地層中に設けたボアホール内に長尺状の金属
管を配設し、拡管マンドレルをその金属管の開口上端よ
り流体圧で押し込んでいくことにより金属管を拡径して
いくものである。
【0008】また、後者の特表平7−507610号公
報に示される技術は、地層中に設けたボアホール内に長
尺状の金属管を配設し、その金属管内に設けた拡径用の
液圧膨張ツールを液圧管路を介して送給する圧液により
金属管の径方向に膨張させ、あるいはその圧液の送給を
停止することにより液圧膨張ツールを収縮させ、圧液送
給による膨張と収縮とを繰り返しながらこの液圧膨張ツ
ールを少しずつ金属管内で上方向に移動させていくこと
により金属管を拡径していくものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の拡管方法を用いて金属管を拡管製造する際に、例え
ば、前述の国際公開WO 98/00626号公報の技
術は、拡管マンドレルを流体圧で金属管内に押し込んで
いくものであるから、拡管マンドレルと金属管との間の
摩擦抵抗が増大し、拡管途中でマンドレルが止まった
り、あるいは拡管マンドレルが少し前進しては停止する
という動きを繰り返すことにより金属管の拡径寸法が一
定せず、径の小さい部分がいわゆる波打ち現象のように
周期的に生じるという問題がある。
【0010】また金属管の接合部は一般に母材管部より
も材料強度が弱いため、拡管マンドレルの通過スピード
が速過ぎるとその接合部が拡径により塑性変形する際に
微小な割れ(クラック)や亀裂が生じることがあり、特
に拡管マンドレルの押し込み方法ではマンドレルの速度
制御(コントロール)が難しく、接合部のみを遅くする
という制御が仲々出来ないという問題もあった。
【0011】また、後者の特表平7−507610号公
報の技術は、液圧膨張ツールを膨張させたり収縮させた
りして金属管を拡径していくものであるから、やはり金
属管に波打ち現象が生じて拡径寸法が一定しないという
問題があり、またこのように液圧膨張ツールの膨張収縮
を繰り返すことは液圧膨張ツールの進み具合を悪くし、
拡管作業に時間が掛かるという問題もあった。
【0012】本発明の解決しようとする課題は、長尺状
の金属接合管を拡管するに際し、スムーズな拡管作業が
行えると同時に拡径寸法も均一であって、しかも金属管
接合部に割れ(クラック)や亀裂などもない拡管製造方
法を提供することにある。
【0013】また本発明の別の解決しようとする課題
は、地層に石油や天然ガスなどの坑井を設けるに際し、
地層のボアホール内ので金属接合管の拡管作業がスムー
ズに行えて拡径寸法も均一であり、金属接合部に割れや
亀裂などのない坑井形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の請求項1記載に係る長尺管の拡管製造方法
は、長尺状の金属接合管の一端に該金属接合管の管径よ
りやや大径の拡径部を有する拡管工具を配設し、該拡管
工具を引き抜くことにより金属接合管を拡径するように
したことを要旨とするものである。
【0015】その際に請求項2に記載のように、金属接
合管と拡管工具との間に潤滑剤を供給するようにすれ
ば、拡管時の両者間の摩擦抵抗の増大は回避され、拡管
工具のスムーズな移動により速やかな拡管作業が達成さ
れると共に、拡径寸法も均一なものが得られる。
【0016】また請求項3に記載のように、前記金属接
合管の接合部を前記拡管工具が通過する際には該拡管工
具の引き抜き速度を相対的に遅くし、金属接合管の母管
部を通過する際には該拡管工具の引き抜き速度を相対的
に速くするようにするとよい。そうすれば、金属管の接
合部に割れ(クラック)や亀裂が生じるようなことは回
避され、良好な品質の拡管作業が行えることとなる。
【0017】そして本発明が適用される金属接合管とし
ては、請求項4に記載のように、ねじ接続法、溶接法、
摩擦圧接法、拡散接合法によるものなど各種のものが挙
げられるが、その中でも拡散接合法、特に液相拡散接合
法により接合されたものに適用するのが最もふさわし
い。液相拡散接合法によるものは、接合面での接合強
度、気密性、耐圧性等に優れ、パイプラインや油井管な
どに好適に用いられる。
【0018】次に本発明に係る坑井形成方法は、請求項
5に記載のように、地層に石油や天然ガスなどの坑井を
設けるに際し、該地層に設けたボアホールに長尺状の金
属接合管を配設し、該金属接合管の管径よりやや大径の
拡径部を有する拡管工具を引き抜くことにより該金属接
合管を拡径するようにしたことを要旨とするものであ
る。
【0019】上記した拡管製造技術を石油や天然ガスの
坑井に適用することにより坑井内の金属接合管の拡管作
業が速やかに行われ、また接合部の割れ(クラック)や
亀裂が生じるようなことが回避されることにより接合部
からの油漏れやガス漏れも生じるようなことはない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な一実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】初めに図1は、長尺状の金属接合管10の
拡管製造方法を概念的に示したものである。この図1で
は、金属管10aと金属管10bとを液相拡散接合によ
り接合して得られた金属接合管10の一方の開口端側に
拡管工具(マンドレル)12を配設し、この拡管工具1
2の先端中央部にロープまたは鎖のような牽引ワイヤ1
4の一端を止着し、この牽引ワイヤ14の他端はリール
または巻取ドラムのような牽引ワイヤ巻上機16に止着
されている。そして牽引ワイヤ巻上機16には牽引用モ
ータ18が連繋され、該牽引用モータ18の駆動により
牽引ワイヤ14が巻き解かれ、あるいは巻き上げられる
ようになっている。
【0022】前記拡管工具(マンドレル)12は、工具
鋼SK3(JIS G4401)のような材料によって
金属接合管10よりもやや大径の大径部13aと、その
大径部13aから上方に向けて漸次小径となる(頂端で
は金属接合管よりやや小径の)台形部13bとにより構
成されている。そして該拡管工具12の台形部13bを
金属接合管10の一方の開口端に臨設させ、該台形部1
3bの中央位置に前記牽引ワイヤ14を止着するように
している。
【0023】そして金属接合管10の内周面には、拡管
作業中潤滑剤20が連続的に注入されるようになってお
り、拡管作業中には拡管工具12の台形部13bと金属
接合管10とにより潤滑剤の溜まり部22が形成され、
その溜まり部22に潤滑剤20が貯留され、一定量ずつ
拡管工具12の台形部13bと金属接合管10との隙間
に補給されるようになっている。
【0024】そして、前記拡管工具12には、拡管時に
金属接合管10の接合部に割れ(クラック)などが生じ
たときにそれを振動によって検知するAEセンサ24、
および拡管工具12と金属接合管10との隙間に供給さ
れる潤滑剤20の摩擦温度を検知する潤滑剤温度センサ
26が備え付けられ、これらのAEセンサ24や温度セ
ンサ26の信号はモニタにより管理室(図示せず)で把
握できるようになっている。
【0025】また、牽引ワイヤ14の巻き上げ長さは牽
引用モータ18の回転駆動量と相対関係にあるため、拡
管工具12が金属接合管10内のどの位置にあるかはや
はりモニタにより管理(把握)されるようになってい
る。
【0026】しかして地層中に石油や天然ガスを産出す
るための坑井を設けるに当たっては、図2に示したよう
に、地層に設けたボアホールBに金属接合管10を配
設し、その際に拡管工具12を予め牽引ワイヤ14によ
り吊り下げた状態でボアホールB内に挿入しておく。
そして牽引用モータ18の駆動により牽引ワイヤ14を
巻き上げるが、その時に拡管工具12の台形部13bが
金属接合管10の内周面に当接し、牽引ワイヤ14によ
る巻き上げ力によって金属接合管10が径方向に押し広
げられ、拡径されていくものである。
【0027】そして拡管作業中金属接合管10の内周面
に潤滑剤20を連続して補給することにより、その潤滑
剤20は拡管工具12の台形部13bと金属接合管10
との摩擦面に供給される。そのために拡管工具12と金
属接合管10との間の摩擦抵抗の増大はほとんどなく、
小さな荷重でスムーズに拡径が行われることとなる。
【0028】また、金属接合管10の母材管部を拡管工
具12が通過する時には牽引ワイヤ巻上機16による牽
引ワイヤ14の巻き上げ速度を通常の速度とし、金属接
合管10の接合部を拡管工具12が通過する時にはそれ
よりも遅い速度で牽引ワイヤ14を巻き上げるようにす
る。そうすることにより金属接合管10の接合部での割
れ(クラック)や亀裂は回避されることとなる。
【0029】
【実施例】次に実際に試験を行ったので、それについて
説明する。初めに以下の手順により金属接合管を作製し
た。被接合管材として、日本工業規格の炭素鋼管SGP
G370材(JIS G 3452)、外径140m
m,肉厚6.6mmのものを用い、この炭素鋼管の接合
界面にインサート材としてニッケルろう合金BNi−2
(JIS Z 3265)相当の組成を有する融点10
50℃、厚さ50μmのNi系合金箔を介挿し、液相拡
散接合を行った。
【0030】その際、接合部の加熱方法には、周波数3
KHの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用い、
接合条件として、接合温度1250℃、その接合温度で
の保持時間60秒、加圧力3.0MPaとし、非酸化性
のAr雰囲気中で接合を行った。そして図3に示したよ
うに、4本の金属管10a,10b,10c,10dを
直列に接合して、母材管部が4箇所(A〜D)、接合部
が3箇所(イ〜ハ)となる全長12mの金属接合管10
を作製した。
【0031】次にこのようにして作製した金属接合管1
0について、前述の拡管工具と潤滑剤とを用いて各種の
条件において拡管試験を行った。拡管工具は工具鋼SK
3材(JIS G 4401)を用い、潤滑剤にはマシ
ン油(JIS K 2238)を用いた。
【0032】(実施例1)まず1回目の拡管試験は、各
金属管の母材部の拡管速度を20m/minとし、接合
部の拡管速度をそれよりも遅くして10m/minとし
た。また潤滑剤は最初から最後まで供給し続け、途中で
切らすことはなかった。そして拡管工具に掛かる最大荷
重を牽引ワイヤ14の牽引用モータの負荷値により検出
し、また拡管工具12に内蔵されるAEセンサ24から
の信号の有無により接合部の割れ(クラック)や亀裂の
発生の有無を確認すると共に、温度センサ26からの検
知信号により拡管工具12と金属接合管10との間に供
給される潤滑剤の摩擦温度を測定した。その結果を次の
表1(実施例1)に示す。
【0033】その結果、実施例1では拡管工具を牽引す
る荷重の最大値は84tonfでそれ程高くはならず、
拡管工具のスムーズな移動が行われた。そしてAE信号
も全くなく拡管の途中での割れ(クラック)や亀裂の発
生は認められなかった。潤滑剤の温度も最高49℃程度
でそれ程上昇することはなく、拡管工具のスムーズな移
動を裏付けるものであった。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例2)2回目の拡管試験は、各金属
管の母材部の拡管速度と接合部の拡管速度をいずれも2
0m/minと早くし、潤滑剤は最初から最後まで供給
し続けるようにした。そして実施例1の場合と同様、拡
管工具に掛かる最大荷重を牽引ワイヤ14の牽引用モー
タの負荷値により検出し、また拡管工具12に内蔵され
るAEセンサ24からの信号の有無により接合部の割れ
(クラック)や亀裂の発生の有無を確認すると共に、温
度センサ26からの検知信号により拡管工具12と金属
接合管10との間に供給される潤滑剤の摩擦温度を測定
した。その結果を表1(実施例2)に示す。
【0036】その結果、実施例2では拡管工具を牽引す
る荷重の最大値は90tonf程度でそれ程高くはなら
ず、拡管工具のスムーズな移動が行われたが、AE信号
が2本目と3本目の金属管の接合部および3本目と4本
目の接合部で認められ、その箇所において割れ(クラッ
ク)や亀裂の発生が認められた。潤滑剤の温度は最高5
4℃程度でそれ程上昇することはなく、拡管工具のスム
ーズな移動を裏付けるものであった。
【0037】(実施例3)3回目の拡管試験は、各金属
管の母材部の拡管速度を20m/minとし、接合部の
拡管速度をそれよりも遅くして10m/minとした
が、潤滑剤の補給は途中で止めて金属管の2本目からは
潤滑剤を切らす状態となった。そしてこの場合も拡管工
具に掛かる最大荷重を牽引ワイヤ14の牽引用モータの
負荷値により検出し、また拡管工具12に内蔵されるA
Eセンサ24からの信号の有無により接合部の割れ(ク
ラック)や亀裂の発生の有無を確認すると共に、温度セ
ンサ26からの検知信号により拡管工具12と金属接合
管10との間に供給される潤滑剤の摩擦温度を測定し
た。その結果を表1(実施例3)に示す。
【0038】その結果、実施例3では拡管工具を牽引す
る荷重が最初の1本目の金属管の通過時にはそれ程高く
はなかったが、潤滑剤の補充が切れた2本目あたりから
高くなり、最大130tonfまで上昇した。そのため
に拡管工具のスムーズな移動も行われなかった。またA
E信号も2本目と3本目の金属管の接合部および3本目
と4本目の接合部で認められ、その箇所において割れ
(クラック)や亀裂の発生が認められた。潤滑剤の温度
は最高170℃まで上昇し、拡管工具と金属管との間の
潤滑剤切れによる摩擦抵抗の増大を裏付けるものであっ
た。
【0039】これらの各実施例(1)〜(3)の結果を
踏まえ、いろいろと考察するに、金属接合管の接合部を
拡管工具が通過する際にその拡管工具による拡管速度を
遅くしないとたとえ潤滑剤を補給していても接合部に割
れ(クラック)や亀裂が生じるおそれがあることがわか
った。
【0040】また、金属接合管の接合部を拡管工具が通
過する際の拡管速度を遅くしても、潤滑剤の補給がなけ
れば拡管工具と金属管との摩擦抵抗が増大することによ
り拡管工具を牽引する荷重が増大し、拡管工具のスムー
ズな移動が妨げられることもわかった。
【0041】そしてこれらのことから、金属接合管を引
き抜きにより拡管するに際し、潤滑剤を拡管工具と金属
管との間に補給することは拡管工具の負荷荷重の小さい
スムーズな移動を助け、また金属接合管の接合部での拡
管工具の移動速度を押さえることは、接合部の割れ(ク
ラック)や亀裂を生じさせず、接合品質を良好に保つ上
で有効であることもわかった。
【0042】本発明は、上記した実施の形態に何ら限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、金
属接合管の材質として低カーボン炭素鋼の例を示した
が、勿論これに把われるものではなく、各種炭素鋼、マ
ルテンサイト系ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、オー
ステナイト系ステンレス鋼などのステンレス鋼、チタン
合金など各種の材料に適用される。
【0043】また金属管どうしの接合方法も液相拡散接
合によるものが最も好ましいが、固相拡散接合法による
もの、あるいはその他のねじ接合法、溶接法等によるも
のでも当然に適用できるものである。液相拡散接合によ
る場合接合界面のインサート材としては、Ni系合金あ
るいはFe系合金などが適用されるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る長尺管の拡管製造方法によ
れば、長尺状の金属接合管を拡管工具の引き抜きにより
拡径するようにしたものであるから、流体圧による拡管
工具の押込式のものに較べて拡管工具の移動がスムーズ
となり、拡径寸法も一定した精度の良いものが得られ、
また拡管工具の移動速度のコントロールも容易である。
また拡管工具の膨張収縮の繰り返しによって拡径しなが
ら拡管工具を引き上げていく方式に較べても拡径寸法が
一定し、拡管作業も速やかに行えるという利益を有す
る。
【0045】そしてその場合に、金属接合管と拡管工具
との間に潤滑剤を供給するようにすれば、摩擦抵抗の抑
制により拡管工具を小さな引き抜き力で速やかに移動さ
せることができ、拡管作業の一層の迅速化が図れると共
に、拡管工具を牽引ワイヤで引き抜くためのワイヤ巻上
げ装置もそれ程耐荷重性の大きなものでなくて済み、設
備コストを低廉にすることもできる。
【0046】また拡管工具の引き抜き速度を金属接合管
の接合部では相対的に遅くすることにより接合部での割
れ(クラック)や亀裂の発生を回避でき、拡管作業にお
ける品質保証もできるものである。
【0047】そしてこの拡管製造技術を石油や天然ガス
の坑井を形成する際に適用することは、坑井形成を速や
かに行うことができ、また金属接合管の接合部からの油
漏れやガス漏れ等も回避できるものであるから、信頼性
の高い坑井の建設並びに石油等の採掘に至るまでの期間
短縮を達成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る拡管作業を概念的に
示した図である。
【図2】本発明の拡管技術を用いて地層に石油や天然ガ
スなどの坑井を設ける状態を示した図である。
【図3】本発明の拡管技術の良否を確認するため試作し
た金属接合管を示した図である。
【符号の説明】
10 金属接合管 10a〜10d 金属管(被接合金属管) 12 拡管工具(マンドレル) 14 牽引ワイヤ 16 牽引ワイヤ巻上機 18 牽引用モータ 20 潤滑剤 24 AEセンサ 26 潤滑剤温度センサ B ボアホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 龍三 愛知県知多市大草四方田48番地の1 大同 特殊鋼臨海荘A301 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB01 AB07 BA05 BC07 DB18 EA09 GJ06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状の金属接合管の一端に該金属接合
    管の管径よりやや大径の拡径部を有する拡管工具を配設
    し、該拡管工具を引き抜くことにより金属接合管を拡径
    するようにしたことを特徴とする長尺管の拡管製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記拡管工具を引き抜く際に前記金属接
    合管と拡管工具との間に潤滑剤を供給するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載される長尺管の拡管製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記金属接合管の接合部を前記拡管工具
    が通過する際には該拡管工具の引き抜き速度を相対的に
    遅くし、金属接合管の母管部を通過する際には該拡管工
    具の引き抜き速度を相対的に速くするようにしたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載される長尺管の拡管製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属接合管の接合部は、ねじ接合、
    溶接接合、固相拡散接合、液相拡散接合のいずれかによ
    り金属管どうしが接合されているものであることを特徴
    とする請求項1ないし3に記載される長尺管の拡管製造
    方法。
  5. 【請求項5】 地層に石油や天然ガスなどの坑井を設け
    るに際し、該地層に設けたボアホールに長尺状の金属接
    合管を配設し、該金属接合管の管径よりやや大径の拡径
    部を有する拡管工具を引き抜くことにより該金属接合管
    を拡径するようにしたことを特徴とする坑井形成方法。
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