JP2001058279A - 拡管に適した炭素鋼管接合体の製造方法および拡管方法 - Google Patents

拡管に適した炭素鋼管接合体の製造方法および拡管方法

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JP2001058279A
JP2001058279A JP11272888A JP27288899A JP2001058279A JP 2001058279 A JP2001058279 A JP 2001058279A JP 11272888 A JP11272888 A JP 11272888A JP 27288899 A JP27288899 A JP 27288899A JP 2001058279 A JP2001058279 A JP 2001058279A
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Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
Kazunari Kito
一成 鬼頭
Shigeyuki Inagaki
繁幸 稲垣
Ryuzo Yamada
龍三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡管にともなう接合部の割れ等欠陥の発生
を防止でき、拡管後の機械的性質の優れた炭素鋼管接合
体の製造方法および炭素鋼管接合体の拡管方法を提供す
ること。 【解決手段】炭素鋼管30、30どうしを、インサート
材として融点1200℃未満で厚さ80μm以下のNi
基合金またはFe基合金を用い、該炭素鋼管接合面の面
粗さRmax.20μm以下、接合温度1250℃以上
1330℃以下、接合温度における保持時間30秒以
上、加圧力2MPa以上4MPa以下なる条件で、非酸
化性雰囲気中で接合し、接合部の最大段差が該炭素鋼管
の厚さの25%以下で、かつ、25%以下の拡管率で拡
管する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼管の接合に
関し、更に詳しくは、油井、ガス井で用いられるケーシ
ングチューブ、プロダクションチューブ、コイルドチュ
ーブ等の油井管、あるいは、化学工業、石油化学工業等
で用いられるプラント用配管、ラインパイプの接合、お
よび、それら炭素鋼管接合体の内径を拡大する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、油井、ガス井で用いられるケ
ーシングチューブ、プロダクションチューブ等の油井管
は、一定長さ(10m〜15m程度)の炭素鋼管を多数
接合して使用されている。
【0003】例えば、油井、ガス井を掘削するに際して
は、地中に掘削された坑道の保護や原油、ガスの漏洩防
止等のため、坑道の中にケーシングチューブと呼ばれる
鋼管が埋設される。油田、ガス田は、通常、地下あるい
は海底下数千mの位置にあるので、ケーシングチューブ
も数千mの長さを有するものが必要とされる。また、油
井、ガス井から汲み上げられた原油、ガス等は、分離装
置を介して、貯槽あるいは精油設備に輸送されるが、そ
の場合、全長数kmに及ぶフローライン、パイプライン
等が用いられる。
【0004】このような用途に用いられる炭素鋼管の接
合方法としては、ねじ締結法(メカニカルカップリング
法)、溶接法(オービタル・ウェルディング法)、摩擦
圧接法、拡散接合法などが知られている。
【0005】ねじ締結法は、炭素鋼管の端部に形成され
たねじを螺合させることにより、炭素鋼管どうしを接続
する方法である。ねじ締結法は、一継手当たりの接続時
間が5分〜10分程度と短く、作業能率が高いという利
点があるが、締結部から油やガスが漏洩し易いという欠
点がある。そのため、炭素鋼管に形成されるねじには高
精度が要求され、しかも、ねじの螺合作業には高度の熟
練が要求される。また、高精度に加工されたねじ部の損
傷をさけるため、その輸送、取り扱いには細心の注意が
要求される。さらに、引張応力が作用する場合には締結
部の気密性は確保できるものの、圧縮応力が作用する場
合には、ねじ締結部は半径方向に拡大し、油やガスの漏
洩を助長するという欠点がある。
【0006】一方、溶接法は、炭素鋼管の端面に開先を
設けて突き合わせ、開先内を溶接金属で充填することに
より、炭素鋼管どうしを接続する方法である。溶接法
は、溶接部に融合不良や気孔等の欠陥がない限り、溶接
部から油やガスが漏洩することはなく、また、健全な溶
接部は引張応力のみならず圧縮応力に対しても母材と同
等の特性が得られるという利点がある。しかしながら、
溶接法は、その能率に限界があり、特に、大径厚肉管の
場合には、多層溶接を行う必要があるので、一継手当た
りの作業時間が1時間〜2時間を要してしまう。さら
に、現地での溶接施工においては、天候、風等、環境の
影響を受けるばかりでなく、熟練した溶接技能を要する
という欠点がある。
【0007】摩擦圧接法は、圧力を加えつつ、突き合わ
せた炭素鋼管どうしを相対的に回転、あるいは、摺動さ
せ、発生した摩擦熱により軟化した炭素鋼管端部を圧接
する方法である。他の接合法に比べて、熟練を必要とし
ない、短時間で接合できる、作業環境の影響をほとんど
受けない等の利点はあるものの、炭素鋼管圧接部内外表
面のバリ発生が避けられず、その除去、特に、内面に発
生したバリ、に多大の時間を要するという欠点がある。
その欠点を解決する方法として、一対の炭素鋼管端面ど
うしの間に楔状断面を有するリングを介挿し、一対の炭
素鋼管は固定したままで、そのリングを回転させながら
炭素鋼管の中心方向に押し込むことにより圧接を行うラ
ジアル摩擦圧接法が開発されているが、圧接継手の特性
は、必ずしも十分ではなく、油井管等の接合に適用され
た例は報告されていない。
【0008】拡散接合法は、適正な条件で接合されれ
ば、接合部から油やガスが漏洩することはなく、圧縮応
力に対する抵抗は、上述の溶接法と同様手あるが、一継
手当たりの接合時間は、溶接法の1/3〜1/2程度と
短く、高品質の継手を高能率に製造することができると
いう利点がある。そのため、拡散接合法は、油井管やラ
インパイプ等の接合方法として特に優れている。
【0009】一方、石油、ガス生産コストの大幅な低減
を目的として、従来よりも小径の坑道を掘削し、そこに
挿入した長さ数百mのケーシングチューブを現地で拡管
する方法が開発されている。(World Oil:
P.31,April,1999)
【0010】これは、長さ数百mに及ぶケーシングチュ
ーブ内に挿入したチューブ外径よりも大きい外径を有す
る工具を水圧等を用いてチューブ内を移動させ、チュー
ブ内径を連続的に拡大する方法であり、坑道の小径化に
よる掘削コストの低減、坑道とケーシングチューブの間
隔を狭隘化することによるセメンティングコストの低
減、使用するケーシングチューブの削減等により、大幅
な石油、ガスの生産コスト低減が期待されている。
【0011】しかし、前述したように、長さ数百mに及
ぶケーシングチューブを一本の炭素鋼管で製造すること
は不可能であり、一定長さの炭素鋼管を多数接続した炭
素鋼管接合体の拡管を行うことになる。その炭素鋼管接
合体の接続方法としては、前述したねじ締結法(メカニ
カルカップリング法)、溶接法(オービタルウェルディ
ング法)、摩擦圧接法、および、拡散接合法が用いられ
る。これら炭素鋼管接合体の接続部も炭素鋼管母材と同
様に拡管されるので、接続部には炭素鋼管母材と同等の
拡管性能が要求される。
【0012】ねじ締結法を用いて接続された炭素鋼管接
合体を拡管する場合、接続部が変形することにより緊締
したねじに緩みが生じ、石油、ガス等が漏洩し易いとい
う欠点があるので、高精度な特殊形状のねじを適用して
いるが、必ずしも十分な特性が得られていない。また、
そのような特殊なねじの加工には多大のコストを要す
る、ねじ部の損傷を避けるため、その輸送あるいは取り
扱いには細心の注意を要するという欠点があるため、そ
の適用範囲が制約されている。
【0013】溶接法により接合された炭素鋼管接合体
は、溶接部に融合不良や気孔等の欠陥がなければ、溶接
部の機械的性質は母材同等となる。しかし、一般的に
は、溶接部の機械的性質を確保するため、炭素鋼管溶接
部の外側表面には余盛と呼ばれる凸部が、炭素鋼管溶接
部の内側表面には裏波ビードと呼ばれる凸部が形成され
ているので、溶接法により接合された炭素鋼管接合体を
拡管工具を用いて拡管する場合、少なくとも、拡管工具
通過の妨げとなる炭素鋼管溶接部内側の裏波ビードを除
去する必要がある。しかし、油井、ガス井の掘削現場で
炭素鋼管溶接部内側の裏波ビードを除去することは多大
のコストを要するばかりでなく、非常に困難である。さ
らに、拡管工程における溶接部の割れ等の欠陥発生防止
の観点からは、応力集中源となる炭素鋼管溶接部外側表
面の溶接ビード端部を滑らかに加工する、あるいは、炭
素鋼管溶接部外側表面の余盛を削除する必要があるが、
それら加工にも多大のコストを要するという欠点があ
る。
【0014】摩擦圧接法を用いて圧接された炭素鋼管接
合体は、圧接部内外表面にバリが発生するので、摩擦圧
接法により圧接された炭素鋼管接合体を拡管工具を用い
て拡管する場合、少なくとも、拡管工具通過の妨げとな
る炭素鋼管圧接部内側のバリを除去する必要がある。し
かし、油井、ガス井の掘削現場で炭素鋼管圧接部内側の
バリを除去することは多大のコストを要するばかりでな
く、非常に困難である。さらに、拡管工程における圧接
部の割れ等の欠陥発生防止の観点からは、応力集中源と
なる炭素鋼管圧接部外側表面のバリを滑らかに加工す
る、あるいは、炭素鋼管圧接部外側表面のバリを削除す
る必要があるが、それら加工にも多大のコストを要する
という欠点がある。
【0015】一方、拡散接合法を用いて接合された炭素
鋼管接合体は、溶接法を用いた場合のような炭素鋼管溶
接部外表面の余盛および内表面の裏波ビード、あるい
は、摩擦圧接法を用いた場合のような炭素鋼管圧接部内
外側表面のバリが発生することはない。したがって、拡
散接合法により接合された炭素鋼管接合体を拡管工具を
用いて拡管する場合、溶接法あるいは摩擦圧接法を用い
た場合のように、拡管工具通過の妨げとなる炭素鋼管接
合部内側の凸部を除去する必要はない。さらに、拡管工
程における接合部における割れ等の欠陥発生防止を目的
として、応力集中源となる炭素鋼管接合部外側表面の凸
部を滑らかに加工する、あるいは、炭素鋼管接合部外側
表面の凸部を削除する必要もないので、極めて能率的に
拡管作業を実施できるという利点がある。
【0016】一般的に、拡散接合法を用いて炭素鋼管接
合体を製造する場合、予め接合のままの状態の炭素鋼管
接合継手の引張強さ、疲労強度等の特性に及ぼす接合温
度、接合温度における保持時間、接合面への加圧力等接
合条件の影響を調べ、要求特性を満たす接合条件範囲を
求め、その条件範囲内で炭素鋼管接合体の製造を行う。
【0017】しかし、炭素鋼管接合体の内径よりも大き
な外径を有する工具を接合体内部に挿入して炭素鋼管接
合体を拡管する場合、接合のままの状態の炭素鋼管接合
継手の特性に及ぼす接合条件の影響調査結果から得られ
た接合条件範囲内で接合された炭素鋼管接合体では、拡
管中に接合部に割れ等の欠陥が発生する危険性のみなら
ず、拡管後の炭素鋼管接合体の特性が不十分となる危険
性がある。
【0018】特に、拡管中に、深さ数百mの坑道中に挿
入された長さ数百mの炭素鋼管接合体の接合部に割れが
発生すると、発生した割れから加圧用液体が漏洩するこ
とにより、拡管工具を推進させる圧力が低下して、割れ
が発生した部位より先に拡管用工具が進行しなくなり、
拡管作業の継続が不可能となる。この場合、その復旧は
非常に困難で、最悪の場合には、油井、ガス井を放棄す
ることとなり、その損失は膨大となる。
【0019】さらに、拡管中に、深さ数百mの坑道中に
挿入された長さ数百mの炭素鋼管接合体の接合部に割れ
が発生し、割れが発生した部位より先の炭素鋼管接合体
が脱落してしまうと、拡管作業の継続が不可能となるば
かりでなく、その衝撃により坑道が崩落したり、坑道と
拡管された炭素鋼管接合体の隙間から加圧用液体が噴出
して極めて危険である。この場合、その復旧は非常に困
難で、最悪の場合には、油井、ガス井を放棄することと
なり、その損失は膨大となる
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、適正
な接合条件範囲で炭素鋼管を接合することにより、炭素
鋼管接合体の内径よりも大きな外径を有する工具を接合
体内部に挿入して炭素鋼管接合体を拡管する加工方法に
適した炭素鋼管接合体の製造方法を提供することにあ
る。さらにもう一つの目的は、拡管中に接合部に割れ等
の欠陥が発生する危険性の少ない炭素鋼管接合体の拡管
方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決しようとする手段】上記課題を解決する本
発明の炭素鋼管接合体の製造方法は、図1に示すよう
に、炭素鋼管(30,30)を突き合わせ、該炭素鋼管
母材の融点(Tb)よりも低い融点(Ti)を有するイ
ンサート材(31)を該炭素鋼管接合面間に挿入し、少
なくとも接合部近傍をTi<T<Tbなる温度(T)に
加熱し、両炭素鋼管(30,30)を加圧保持して拡散
接合する炭素鋼管接合体の製造方法において、インサー
ト材(31)として融点1200℃未満で厚さ80μm
以下のNi基合金またはFe基合金を用い、該炭素鋼管
接合面の面粗さRmax.20μm以下、接合温度12
50℃以上1330℃以下、接合温度における保持時間
30秒以上、加圧力2MPa以上4MPa以下なる条件
で、非酸化性雰囲気中で接合することを特徴とする。
【0022】さらに、本発明の炭素鋼管接合体の拡管方
法は、図2に示すように、炭素鋼管を複数接合して構成
される接合体(32)の内部に挿入した工具(33)を
用いて該炭素鋼管接合体(32)を拡管する方法におい
て、接合部の最大段差が炭素鋼管の厚さの25%以下の
炭素鋼管接合体(32)を用い、該炭素鋼管接合体内径
の拡大率((拡大後の炭素鋼管内径(d1)−拡大前の
炭素鋼管内径(d0))/拡大前の炭素鋼管内径(d
0)×100%)を25%以下にすることを特徴とす
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明の第一の実施の形態に係わる炭素鋼管接合体の製造方
法を示す工程である。図1において、本発明に係わる炭
素鋼管接合体の製造方法は、炭素鋼管の接合工程を備え
ている。
【0024】炭素鋼管の接合工程について説明する。接
合工程は、図1(a)に示すよう、端面が所定の表面粗
さに加工された炭素鋼管30,30を突き合わせ、それ
ら端面の間に炭素鋼管30よりも低い融点を有するイン
サート材31を介挿し、炭素鋼管30、30どうしを液
相拡散接合させる工程である。
【0025】図1(b)に、炭素鋼管30、30の接合
面の間にインサート材31を介挿して炭素鋼管30、3
0を液相拡散接合する一例を示す。端面を所定の表面粗
さに加工された炭素鋼管30,30を把持装置40,4
0を用いて把持し、炭素鋼管30,30の端面の間にイ
ンサート材31を介挿してから、炭素鋼管30,30の
端面に所定の加圧力を負荷する。
【0026】次に、炭素鋼管30,30の突き合わせ部
を非酸化性雰囲気42として、高周波誘導加熱コイル4
1を用いて、インサート材31の融点よりも高く、か
つ、炭素鋼管30の融点よりも低い温度に加熱し、その
温度で所定の時間保持することにり、インサート材に含
有されている元素を炭素鋼管30,30中に拡散させて
強固に接合された炭素鋼管接合体32を能率的に得る。
【0027】上記方法で製造された炭素鋼管接合体32
は、後述するように、炭素鋼管接合体32の内径よりも
大きい外径を有する工具を用いて、その内径を拡大(拡
管)するという加工に供される。したがって、炭素鋼管
接合体32の接合部には拡管に耐える特性が要求される
ので、炭素鋼管30,30の接合は適正な条件範囲で行
う必要がある。具体的には、以下の条件で行うよい。
【0028】まず、使用するインサート材31は、融点
が1200℃より低いNi系合金またはFe系合金が好
適である。インサート材31の融点が1200℃以上に
なると、高い接合温度が必要となるので、接合中に炭素
鋼管30母材を溶融させたり、あるいは、接合部が過大
に変形する原因となり、拡管工程における接合部の割れ
発生を招来する。また、インサート材31の未溶融に起
因する未接合部が発生し易くなるので好ましくない。
【0029】また、使用するインサート材31の厚さは
80μm以下が好ましい。インサート材31の厚さが8
0μmを超えると、接合界面における元素の拡散が十分
に行われず、接合強度が低下し、拡管工程における接合
部の割れ発生を招来するので好ましくない。
【0030】なお、インサート材31の形態は、特に限
定されるものではなく、厚さは80μm以下の箔状のイ
ンサート材31を接合界面に介挿してもよく、あるい
は、厚さが80μm以下となるように、粉末状もしくは
鱗片状のインサート材31を接合界面に散布したり、ペ
ースト状にして接合界面に塗布してもよい。
【0031】接合面の表面粗さRmaxは、20μm以
下が好ましい。接合面の表面粗さRmaxが20μmを
超えると、接合面において炭素鋼管30どうしが十分密
着せず、十分な接合部の強度および延性が得られず、拡
管工程における接合部の割れ発生を招来するので好まし
くない。十分な接合部の機械的性質を得るという点で
は、表面粗さRmaxは小さい程好ましい。
【0032】接合温度は、1250℃以上1330℃以
下の範囲が゛好適である。接合温度が1250℃未満に
なると、インサート材31が部分的に溶融しなかった
り、あるいは、元素の拡散が十分に行われず、接合部の
強度および延性が低下して拡管工程における接合部の割
れ発生を招来するので好ましくない。また、接合温度が
1330℃を超えると、接合部が過大に変形したり、場
合によっては接合部が溶融して、拡管工程における接合
部の割れ発生を招来するので好ましくない。
【0033】接合温度における保持時間は、30秒以上
が好適である。保持時間が30秒未満では、接合界面に
おける元素の拡散が不十分となり、接合部の強度および
延性が低下して拡管工程における接合部の割れ発生を招
来するので好ましくない。また、保持時間の上限はない
ものの、不必要に長時間にわたり保持することは経済的
ではないので、保持時間は300秒程度以下とするのが
好ましい。
【0034】さらに、接合面の付与する加圧力は、2M
Pa以上4MPa以下が好適である。加圧力が2MPa
未満であると、接合面の密着が不十分となり、接後部の
強度および延性が低下して拡管工程における接合部の割
れ発生を招来するので好ましくない。また、加圧力が4
MPaを超えると、接合部が過大に変形し、接後部の強
度および延性が低下して拡管工程における接合部の割れ
発生を招来するので好ましくない。
【0035】接合雰囲気は、非酸化性雰囲気が好まし
い。酸化性雰囲気下で接合を行うと、接合面界面近傍、
および、インサート材が酸化し、接後部の強度および延
性が低下して拡管工程における接合部の割れ発生を招来
するので好ましくない。
【0036】また、接合を行う際の加熱方法としては、
高周波誘導加熱、高周波直接通電加熱、抵抗加熱等の各
種方法を用いることができる。とりわけ高周波誘導加熱
および高周波直接通電加熱は、比較的大きな被接合炭素
鋼管であっても容易に加熱でき、加熱効率が高く、極め
て短時間に接合温度まで加熱できるので、加熱方法とし
て特に好適である。
【0037】ただし、高周波誘導加熱または高周波直接
通電加熱に用いる高周波電流としては、周波数が100
kHz以下のものを用いるのが好ましい。周波数が10
0kHzを超えると、表皮効果により表面のみが加熱さ
れ、接合面全面が均一に加熱されなくなるので好ましく
ない。
【0038】次に、このようにして得られた拡管用炭素
鋼管接合体の拡管工程について説明する。拡管工程は、
上述した接合工程において製造された炭素鋼管接合体3
2の拡管を行い、炭素鋼管接合体32の内径を一様の大
きさにする工程である。
【0039】具体的には、図2(a)に示すように、非
接合部の内径d0である炭素鋼管接合体32の一端から
マンドレル33を挿入し後方から水圧をかけることによ
り、図2(b)に示すように、炭素鋼管接合体32の他
端に向かってマンドレル33を移動させ、炭素鋼管接合
体32の内径をd1まで拡大させればよい。本発明にお
いては、拡管前の非接合部の内径の最小値に対する拡管
後の内径の増分を拡管率と呼び、次式で定義する。
【0040】 拡管率(%)=(d1−d0)×100/d0 ただし、d1;拡管後の非接合部の内径 d0;拡管前の非接合部の内径
【0041】炭素鋼管そのものの拡管率は、拡管される
炭素鋼管の寸法・形状、炭素鋼管の機械的性質、炭素鋼
管内側の表面状態、および、拡管に用いるマンドレルの
寸法・形状、表面状態、潤滑方法、拡管速度等により異
なるものの、最大25%〜30%程度である。
【0042】一般的に、工業製品として製造されている
炭素鋼管には、その外径および厚さに対してそれぞれの
許容差が定められている。例えば、日本工業規格の圧力
配管用炭素鋼鋼管(JIS G3454)の熱間仕上継
目無鋼管の呼び径5B(スケジュール40)の炭素鋼管
では、外径(139.8mm)に対して±1%(1.4
0mm)、厚さ(6.6mm)に対して+15%(0.
99mm),−12.5%(0.83mm)の許容差が
規定されている。
【0043】したがって、このような寸法許容範囲内に
ある炭素鋼管30どうしを接合した炭素鋼管接合体32
の接合部には、接合工程における接合面どうしの位置合
わせの精度とあいまって、段差と呼ばれる形状的不連続
部が不回避的に発生する。
【0044】炭素鋼管接合体32の拡管工程において、
接合部を拡管工具が通過する場合、このような形状的不
連続部が応力集中源となり、炭素鋼管接合体32の接合
部に割れが発生することがある。接合部に発生した割れ
は、拡管した炭素鋼管接合体32の機械的性質を劣化さ
せるばかりでなく、使用環境によっては、接合部に発生
した割れを起点として疲労亀裂が伸展したり、腐食が進
行して、拡管した炭素鋼管接合体32接合部の板厚を貫
通することにより、原油、ガス等が漏洩することがあ
る。
【0045】さらに、油圧、水圧等の液圧を用いてマン
ドレル33を移動させて炭素鋼管接合体32を拡管する
場合、炭素鋼管接合体32の接合部に発生した割れを起
点として、液圧により接合部が破裂することがあり、マ
ンドレル33がその位置で停止してしまい、それ以降の
拡管を行うことが不可能となることがある。また、深さ
数百mの坑道中に挿入された長さ数百mの炭素鋼管接合
体32の接合部に割れが発生し、割れが発生した部位よ
り先の炭素鋼管接合体が脱落してしまうと、拡管作業の
継続が不可能となるばかりでなく、その衝撃により坑道
が崩落したり、坑道と拡管された炭素鋼管接合体32の
隙間から加圧用液体が噴出して極めて危険である。この
場合、その復旧は非常に困難で、最悪の場合には、油
井、ガス井を放棄することとなり、その損失は膨大とな
る。
【0046】これらの壊滅的な損傷の原因となる炭素鋼
管接合体32の接合部の割れ発生を抑制するためには、
炭素鋼管接合体32の接合部における内外周両面の段差
の最大値を、接合される炭素鋼管30の規格値厚さの2
5%以下にすることが好適である。以下、炭素鋼管30
の規格厚さに対する炭素鋼管接合体32の接合部におけ
る内外周両面の段差の最大値の比率(%)を、最大段差
と云う。この最大段差が接合される炭素鋼管30の規格
値厚さの25%を超えると、炭素鋼管接合体32の接合
部に割れが発生し易くなるので好ましくない。
【0047】また、炭素鋼管30の拡管率は最大25%
〜30%程度であるが、炭素鋼管接合体32の接合部に
発生する段差を皆無とすることは不可能なので、炭素鋼
管接合体32の拡管率は25%以下とすることが好まし
い。炭素鋼管接合体32の拡管率が25%を超えると、
炭素鋼管接合体32の接合部に割れが発生し易くなるの
で好ましくない。
【0048】
【発明の作用】以下に本発明の作用について説明する。
炭素鋼管接合体の内径よりも大きな外径を有する工具を
炭素鋼管接合体内部に挿入して炭素鋼管接合体を拡管す
る加工方法において、炭素鋼管どうしを適正な条件範囲
で接合し、接合部の最大段差が25%以下である炭素鋼
管接合体を、25%以下の拡管率で拡管することによ
り、拡管工程において、炭素鋼管接合体の接合部に割れ
等の欠陥が発生することなく、良好な特性の拡管された
炭素鋼管接合体を得ることができる。
【0049】ここで、拡管に適した炭素鋼管の適正な接
合条件としては、インサート材として融点<1200℃
で、厚さ≦80μmのNi基合金またはFe基合金を用
い、炭素鋼管接合面の面粗さ≦Rmax.20μm、1
250℃≦接合温度≦1330℃、30s≦接合温度に
おける保持時間、2MPa≦加圧力≦4MPaなる条件
で、非酸化性雰囲気中で接合することである。
【0050】このような条件範囲で炭素鋼管どうしを接
合することにより製造された炭素鋼管接合体は、接合部
における最大段差が25%以下で、拡管率25%以下の
拡管において、拡管中に炭素鋼管接合体の接合部に割れ
等の欠陥が発生することはなく、特性の優れた拡管され
た炭素鋼管接合体を得ることができる。
【0051】〔実施例1〕以下の手順により、炭素鋼管
接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の高
圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS41
0)の外径139.8mm、厚さ6.6mmの鋼管を用
い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように加
工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッケ
ルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を
有する融点1050℃、厚さ50μmのNi系合金箔を
介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接合
した。
【0052】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間60
秒、加圧力3MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0053】〔実施例2〜3、比較例1〜2〕インサー
ト材として、銅ろう箔BCu−1(JIS Z326
2:融点1080℃、比較例1)、Ni基合金箔(Ni
−1.5%B、融点1250℃、比較例2)、Fe合金
箔(Fe−3%Si−3%B、融点1190℃、実施例
2)、ニッケルろう箔BNi−5(JIS Z326
5:融点1140℃、実施例3)とした以外は、実施例
1と同様の条件で、炭素鋼管接合体の製造および拡管を
行った。
【0054】〔実施例4〕インサート材としてニッケル
ろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を有
する融点1050℃、厚さ80μmのNi基合金箔を介
挿し、他の条件は実施例1と同様として炭素鋼管接合体
の製造および拡管を行った。
【0055】〔実施例5〜6〕実施例5では、インサー
ト材としてニッケルろうBNi−3(JIS Z326
5)相当の組成を有する融点1050℃のNi基合金粉
末を、厚さ50μmとなるように介挿し、実施例6で
は、実施例5と同一組成の鱗片状ニッケルろうを、厚さ
50μmとなるように介挿した以外は、実施例1と同様
の条件で炭素鋼管接合体の製造および拡管を行った。
【0056】〔比較例3〕比較例3では、インサート材
としてニッケルろうBNi−3(JIS Z3265)
相当の組成を有する融点1050℃、厚さ100μmの
Ni基合金箔を介挿した以外は、実施例1と同様の条件
で炭素鋼管接合体の製造および拡管を実施した。
【0057】実施例1〜6、および比較例1〜3で得ら
れた炭素鋼管接合体について、接合後に接合部の内外周
両面に発生した段差の最大値(以下「最大段差」とい
う)を測定した。また、拡管後の接合部表面について浸
透探傷試験を行い、割れの有無を調べた。さらに、拡管
した炭素鋼管接合体をアムスラー式万能試験機(200
Tonf)を用いて引張試験を実施した。結果を表1お
よび表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】インサート材として融点1080℃、厚さ
50μmの銅ろう箔を用いた比較例1では、拡管後の浸
透探傷試験において、接合部の内外表面に開口した割れ
が観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強
度は、394MPaであり、接合界面で破断した。これ
は、銅ろう箔をインサート材として用いた場合、その融
点が1200℃以下であるにもかかわらず、接合界面の
機械的性質が十分ではなく、接合界面が拡管による変形
に耐えることができず、接合界面に割れが発生したこと
に起因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が低下
したと考えられる。
【0061】インサート材として融点1230℃、厚さ
50μmのNi基合金箔を用いた比較例2では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に開口した
割れが観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引
張強度は、457MPaであり、接合界面で破断した。
これは、Ni基合金箔をインサート材として用いたもの
の、その融点が1230℃と高く、接合界面において、
溶融したインサート材中の元素の拡散が不十分で、良好
な接合部の機械的性質が得られず、拡管中に接合界面に
割れが発生したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合
体の引張強度が低下したと考えられる。
【0062】インサート材として融点1050℃、厚さ
50μmのNi基合金箔を用いた実施例1では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に割れは観
察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、562MPaであり、接合界面以外の母材で破
断した。これは、インサート材として用いたNi基合金
箔が完全に溶融し、含有される元素が十分拡散して、良
好な接合部の機械的性質が得られ、拡管中に接合界面に
割れ等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管し
た炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等とな
ったと考えられる。
【0063】インサート材として融点1190℃、厚さ
50μmのFe基合金箔を用いた実施例2では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に割れは観
察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、561MPaであり、接合界面以外の母材で破
断した。これは、インサート材として用いたFe基合金
箔が完全に溶融し、含有される元素が十分拡散して、良
好な接合部の機械的性質が得られ、拡管中に接合界面に
割れ等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管し
た炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等とな
ったと考えられる。
【0064】インサート材として融点1140℃、厚さ
50μmのNi基合金箔を用いた実施例3では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に割れは観
察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、563MPaであり、接合界面以外の母材で破
断した。これは、インサート材として用いたNi基合金
箔が完全に溶融し、含有される元素が十分拡散して、良
好な接合部の機械的性質が得られ、拡管中に接合界面に
割れ等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管し
た炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等とな
ったと考えられる。
【0065】インサート材として融点1050℃、厚さ
80μmのNi基合金箔を用いた実施例4では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に割れは観
察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、561MPaであり、接合界面以外の母材で破
断した。これは、インサート材として用いた厚さ80μ
mのNi基合金箔が完全に溶融し、含有される元素が十
分拡散して、良好な接合部の機械的性質が得られ、拡管
中に接合界面に割れ等の欠陥が発生しなかったことに起
因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管
母材と同等となったと考えられる。
【0066】インサート材として融点1050℃、厚さ
100μmのNi基合金箔を用いた比較例3では、拡管
後の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に開口し
た割れが観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の
引張強度は、409MPaであり、接合界面で破断し
た。これは、インサート材として用いた厚さ100μm
のNi基合金箔は溶融したものの、含有される元素の拡
散は不十分で、良好な接合部の機械的性質が得られず、
拡管中に接合界面に割れが発生したことに起因して、拡
管した炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管が低下した
と考えられる。
【0067】粉末状の融点1050℃のNi基合金を、
厚さ50μmのインサート材として介挿した実施例5で
は、拡管後の浸透探傷試験において、接合部の内外表面
に割れは観察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接
合体の引張強度は、562MPaであり、接合界面以外
の母材で破断した。これは、インサート材として用いた
厚さ50μmのNi基合金粉末が完全に溶融し、含有さ
れる元素が十分拡散して、良好な接合部の機械的性質が
得られ、拡管中に接合界面に割れ等の欠陥が発生しなか
ったことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強
度が炭素鋼管母材と同等となったと考えられる。
【0068】鱗片状の融点1050℃のNi基合金を、
厚さ50μmのインサート材として介挿した実施例6で
は、拡管後の浸透探傷試験において、接合部の内外表面
に割れは観察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接
合体の引張強度は、559MPaであり、接合界面以外
の母材で破断した。これは、インサート材として用いた
厚さ50μmの鱗片状Ni基合金が完全に溶融し、含有
される元素が十分拡散して、良好な接合部の機械的性質
が得られ、拡管中に接合界面に割れ等の欠陥が発生しな
かったことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度が炭素鋼管母材と同等となったと考えられる。
【0069】以上の結果から、インサート材として、融
点が1200℃より低く、厚さが80μm以下のNi基
合金またはFe基合金を用いて接合した炭素鋼管接合体
は、拡管工程において割れ等の欠陥が発生することなく
拡管できることがわかった。また、拡管した炭素鋼管接
合体は、炭素鋼管母材と同等の機械的性質を有している
ことがわかった。
【0070】〔実施例7〕以下の手順により、炭素鋼管
接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の高
圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS41
0)の外径139.8mm、厚さ6.6mmの鋼管を用
い、端面を表面粗さRmax.20μmとなるように加
工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッケ
ルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を
有する融点1050℃、厚さ50μmのNi系合金箔を
介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接合
した。
【0071】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間60
秒、加圧力3MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0072】〔比較例4〕端面を表面粗さRmax.2
5μmとなるように加工した炭素鋼管を用いた以外は、
実施例7と同様の条件で炭素鋼管接合体の製造および拡
管を行った。
【0073】〔比較例5〕端面を表面粗さRmax.5
0μmとなるように加工した炭素鋼管を用いた以外は、
実施例7と同様の条件で炭素鋼管接合体の製造および拡
管を行った。
【0074】実施例7、および比較例4〜5で得られた
炭素鋼管接合体について、接合後に接合部の内外周両面
に発生した最大段差を測定した。また、拡管後の接合部
表面について浸透探傷試験を行い、割れの有無を調べ
た。さらに、拡管した炭素鋼管接合体をアムスラー式万
能試験機(200Tonf)を用いて引張試験を実施し
た。結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】接合面の表面粗さRmax.20μmの炭
素鋼管を用いた実施例7では、拡管後の浸透探傷試験に
おいて、接合部の内外表面に割れは観察されなかった。
また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、560M
Paであり、接合界面以外の母材で破断した。これは、
接合面の表面粗さRmax.20μmの炭素鋼管を用い
た場合、溶融したインサート材が接合面全体に行き渡
り、かつ、接合界面において溶融したインサート材に含
有される元素が十分拡散したことにより、接合界面の機
械的性質が母材と同程度となり、拡管中に接合界面に割
れ等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管した
炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等になっ
たと考えられる。
【0077】接合面の表面粗さRmax.25μmの炭
素鋼管を用いた比較例4では、拡管後の浸透探傷試験に
おいて、接合部の内外表面に開口した割れが観察され
た。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、53
8MPaであり、接合界面で破断した。これは、溶融し
たインサート材が接合面全体に行き渡らなかったことに
より、接合界面の機械的性質が不十分となり、拡管中に
接合界面に割れが発生したことに起因して、拡管した炭
素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管が低下したと考えら
れる。
【0078】接合面の表面粗さRmax.50μmの炭
素鋼管を用いた比較例5では、拡管後の浸透探傷試験に
おいて、接合部の内外表面に開口した割れが観察され
た。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、比較
例4よりも低い372MPaであり、接合界面で破断し
た。これは、溶融したインサート材が接合面の凹部の隅
々までは行き渡らなかったことにより、接合界面の機械
的性質が不十分となり、拡管中に接合界面に割れが発生
したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強
度が炭素鋼管が低下したと考えられる。
【0079】以上の結果から、接合面の表面粗さRma
x.20μm以下の炭素鋼管を用いて接合した炭素鋼管
接合体は、拡管工程において割れ等の欠陥が発生するこ
となく拡管できることがわかった。また、拡管した炭素
鋼管接合体は、炭素鋼管母材と同等の機械的性質を有し
ていることがわかった。
【0080】〔実施例8〕以下の手順により、炭素鋼管
接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の高
圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS41
0)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を用
い、端面を表面粗さRmax.20μmとなるように加
工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッケ
ルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を
有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔を
介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接合
した。
【0081】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1250℃、保持時間30
秒、加圧力3MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0082】〔比較例6〕比較例6は、接合温度120
0℃、保持時間300秒とした以外は実施例8と同様の
条件で炭素鋼管接合体の製造および拡管を実施した。
【0083】〔実施例9〜10、比較例7〕実施例9、
実施例10、および、比較例7は、それぞれ、接合温度
1300℃、接合温度1330℃、および、接合温度1
350℃とした以外は、実施例8と同様の条件で炭素鋼
管接合体の製造および拡管を実施した。
【0084】実施例8〜10、および比較例6〜7で得
られた炭素鋼管接合体について、接合後に接合部の内外
周両面に発生した最大段差を測定した。また、拡管後の
接合部表面について浸透探傷試験を行い、割れの有無を
調べた。さらに、拡管した炭素鋼管接合体をアムスラー
式万能試験機(200Tonf)を用いて引張試験を実
施した。結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】接合温度1200℃、保持時間300秒と
した比較例6て゛は、拡管後の浸透探傷試験において、
接合部の外側表面には開口した割れは観察されなかった
ものの、内側表面には開口した割れが観察された。ま
た、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、539MP
aであり、接合界面で破断した。これは、保持時間を3
00秒と長くしたにもかかわらず、接合温度1200℃
て゛は、インサート材は溶融したものの、炭素鋼管接合
部の内外表面間に生じた温度差により、接合部内側表面
部では、溶融したインサート材中の元素の拡散が不十分
となり、機械的性質が低下し、拡管中に接合界面に割れ
が発生したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の
引張強度が低下したと考えられる。
【0087】それぞれ、接合温を1250℃、1300
℃、および、1330℃として接合した実施例8、9、
および、10では、保持時間が30秒と短いにもかかわ
らず、いずれも拡管後の浸透探傷試験において、接合部
の内外表面には開口した割れは観察されなかった。ま
た、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、それぞれ5
60MPa、563MPa、および、561MPaであ
り、いずれも接合界面以外の母材で破断した。これは、
保持時間が30秒と短いにもかかわらず、接合温度12
50℃、1300℃、および、1330℃とした場合、
溶融したインサート材中の元素が十分拡散して、良好な
接合部の機械的性質が得られ、拡管中に接合界面に割れ
等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管した炭
素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等となった
と考えられる。
【0088】接合温度1350℃、保持時間30秒とし
た比較例7て゛は、拡管後の浸透探傷試験において、接
合部の内側表面には開口した割れは観察されなかったも
のの、外側表面には開口した割れが観察された。また、
拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、522MPaで
あり、接合界面で破断した。これは、接合温度1350
℃て゛は、溶融したインサート材中の元素は十分拡散し
たものの、接合部が過熱され、外表面部に部分的な溶損
が発生して応力集中源となり、拡管中に接合界面に割れ
が発生したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の
引張強度が低下したと考えられる。
【0089】以上の結果から、接合温度を1250℃以
上1330℃以下として接合した炭素鋼管接合体は、拡
管工程において割れ等の欠陥が発生することなく拡管で
きることがわかった。また、拡管した炭素鋼管接合体
は、炭素鋼管母材と同等の機械的性質を有していること
がわかった。
【0090】〔比較例8〕以下の手順により、炭素鋼管
接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の高
圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS41
0)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を用
い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように加
工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッケ
ルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を
有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔を
介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接合
した。
【0091】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1330℃、保持時間10
秒、加圧力4MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0092】〔実施例11〕実施例11は、接合温度1
250℃、保持時間30秒、加圧力3MPaとした以外
は、比較例8と同様の条件で炭素鋼管接合体の製造およ
び拡管を実施した。
【0093】比較例8および実施例11で得られた炭素
鋼管接合体について、接合後に接合部の内外周両面に発
生した最大段差を測定した。また、拡管後の接合部表面
について浸透探傷試験を行い、割れの有無を調べた。さ
らに、拡管した炭素鋼管接合体をアムスラー式万能試験
機(200Tonf)を用いて引張試験を実施した。結
果を表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】接合温度1330℃、保持時間15秒、加
圧力4MPaとした比較例8て゛は、拡管後の浸透探傷
試験において、接合部の内外表面に開口した割れが観察
された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、
427MPaであり、接合界面で破断した。これは、接
合温度および加圧力を、それぞれ1330℃および4M
Paと高くしたにもかかわらず、保持時間が15秒と短
いので、溶融したインサート材中の元素の拡散が不十分
で、良好な接合部の機械的性質が得られず、拡管中に接
合界面に割れが発生したことに起因して、拡管した炭素
鋼管接合体の引張強度が低下したと考えられる。
【0096】接合温度1250℃、保持時間30秒、加
圧力2MPaとした実施例11て゛は、拡管後の浸透探
傷試験において、接合部の内外表面に開口した割れは観
察されなかった。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、558MPaであり、接合界面以外の母材で破
断した。これは、接合温度および加圧力を、それぞれ1
250℃および2MPaと低くしたにもかかわらず、保
持時間30秒であったので、溶融したインサート材中の
元素が十分拡散され、良好な接合部の機械的性質が得ら
れ、拡管中に接合界面に割れ等の欠陥が発生しなかった
ことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が
炭素鋼管母材と同等となったと考えられる。
【0097】以上の結果から、接合温度における保持時
間を30秒以上として接合した炭素鋼管接合体は、拡管
工程において割れ等の欠陥が発生することなく拡管でき
ることがわかった。また、拡管した炭素鋼管接合体は、
炭素鋼管母材と同等の機械的性質を有していることがわ
かった。
【0098】〔比較例9〕以下の手順により、炭素鋼管
接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の高
圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS41
0)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を用
い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように加
工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッケ
ルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成を
有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔を
介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接合
した。
【0099】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1330℃、保持時間30
0秒、加圧力1MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0100】〔実施例12〜13、比較例10〕実施例
12は、接合温度1250℃、保持時間30秒、および
加圧力2MPa、実施例13は、接合温度1300℃、
保持時間60秒、および加圧力4MPa、および、比較
例10は、接合温度1330℃、保持時間30秒、およ
び加圧力5MPaとした以外は、比較例9と同様の条件
で炭素鋼管接合体の製造および拡管を実施した。
【0101】比較例9、実施例12、実施例13、およ
び比較例10で得られた炭素鋼管接合体について、接合
後に接合部の内外周両面に発生した最大段差を測定し
た。また、拡管後の接合部表面について浸透探傷試験を
行い、割れの有無を調べた。さらに、拡管した炭素鋼管
接合体をアムスラー式万能試験機(200Tonf)を
用いて引張試験を実施した。結果を表6に示す。
【0102】
【表6】
【0103】接合温度1330℃、保持時間300秒、
加圧力1MPaとして接合した比較例9では、拡管後の
浸透探傷試験において、接合部の内外表面に開口した割
れが観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、384MPaであり、接合界面で破断した。こ
れは、接合温度1330℃と高く、保持時間を300秒
と長くしたにもかかわらず、加圧力が1MPaと低い場
合には、溶融したインサート材が接合面の凹凸を十分に
は充填できなかったことにより、接合界面の機械的性質
が不十分となり、接合界面が拡管による変形に耐えるこ
とができず、接合界面に割れが発生したことに起因し
て、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が低下したと考
えられる。
【0104】接合温度1250℃、保持時間30秒、加
圧力2MPaとして接合した実施例12、および、接合
温度1300℃、保持時間60秒、加圧力4MPaとし
て接合した実施例13では、拡管後の浸透探傷試験にお
いて、接合部の内外表面に開口した割れは観察されなか
った。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、そ
れぞれ、561MPaおよび563MPaであり、いず
れも接合界面以外の母材で破断した。これは、加圧力を
2MPa〜4MPaとしたことにより、溶融したインサ
ート材が接合面の凹凸を十分に充填して拡散したことに
より、良好な接合界面の機械的性質が得られ、拡管中に
接合界面に割れ等の欠陥が発生しなかったことに起因し
て、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材
と同等になったと考えられる。
【0105】接合温度1330℃、保持時間30秒、加
圧力5MPaとして接合した比較例10では、拡管後の
浸透探傷試験において、接合部の内外表面に開口した割
れが観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張
強度は、439MPaであり、接合界面で破断した。こ
れは、加圧力が5MPaと過大であったことにより、接
合部が過大に変形して応力集中源となったことにより、
拡管中に接合界面に割れが発生したことに起因して、拡
管した炭素鋼管接合体の引張強度が低下したと考えられ
る。
【0106】以上の結果から、加圧力を2MPa〜4M
Paとして接合した炭素鋼管接合体は、拡管工程におい
て割れ等の欠陥が発生することなく拡管できることがわ
かった。また、拡管した炭素鋼管接合体は、炭素鋼管母
材と同等の機械的性質を有していることがわかった。
【0107】〔比較例11〕以下の手順により、炭素鋼
管接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の
高圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS4
10)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を
用い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように
加工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッ
ケルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成
を有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔
を介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接
合した。
【0108】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間60
秒、加圧力3MPaとし、大気中で接合を行った。さら
に、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が20%となる
ようにマンドレルを用いて拡管した。
【0109】〔実施例14〜15〕実施例14および実
施例15は、それぞれ接合雰囲気をHeおよび真空中
(<10−3mmHg)とした以外は、比較例11と同
様の条件で炭素鋼管接合体の製造および拡管を実施し
た。
【0110】比較例11、実施例14、および実施例1
5で得られた炭素鋼管接合体について、接合後に接合部
の内外周両面に発生した最大段差を測定した。また、拡
管後の接合部表面について浸透探傷試験を行い、割れの
有無を調べた。さらに、拡管した炭素鋼管接合体をアム
スラー式万能試験機(200Tonf)を用いて引張試
験を実施した。結果を表7に示す。
【0111】
【表7】
【0112】大気中で接合した比較例11では、拡管後
の浸透探傷試験において、接合部の内外表面に開口した
割れが観察された。また、拡管した炭素鋼管接合体の引
張強度は、311MPaであり、接合界面で破断した。
これは、大気中で接合したため、接合界面に酸化物が形
成され、接合界面の機械的性質が不十分となり、接合界
面が拡管による変形に耐えることができず、接合界面に
割れが発生したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合
体の引張強度が低下したと考えられる。
【0113】接合雰囲気をHeとして接合した実施例1
4、および、接合雰囲気を真空中とした実施例15で
は、拡管後の浸透探傷試験において、いずれも接合部の
内外表面に開口した割れは観察されなかった。また、拡
管した炭素鋼管接合体の引張強度は、それぞれ、560
MPaおよび564MPaであり、いずれも接合界面以
外の母材で破断した。これは、接合雰囲気を非酸化性と
したことにより、溶融したインサート材の元素の拡散に
悪影響を及ぼす酸化物が接合界面に形成されなかったこ
とにより、良好な接合界面の機械的性質が得られ、拡管
中に接合界面に割れ等の欠陥が発生しなかったことに起
因して、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管
母材と同等になったと考えられる。
【0114】以上の結果から、接合雰囲気を非酸化性と
して接合した炭素鋼管接合体は、拡管工程において割れ
等の欠陥が発生することなく拡管できることがわかっ
た。また、拡管した炭素鋼管接合体は、炭素鋼管母材と
同等の機械的性質を有していることがわかった。
【0115】〔比較例12〕以下の手順により、炭素鋼
管接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の
高圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS4
10)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を
用い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように
加工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッ
ケルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成
を有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔
を介挿し、炭素鋼管どうしを最大段差5%で液相拡散接
合した。
【0116】なお、接合部の加熱方法には、周波数20
0kHzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用い
た。また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間
60秒、加圧力3MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行
った。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が2
0%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0117】〔実施例16〜17〕実施例16および実
施例17は、それぞれ周波数100kHzの高周波誘導
加熱法および25kHzの高周波通電加熱法とした以外
は、比較例12と同様の条件で炭素鋼管接合体の製造お
よび拡管を実施した。
【0118】比較例12、実施例16、および実施例1
7で得られた炭素鋼管接合体について、接合後に接合部
の内外周両面に発生した最大段差を測定した。また、拡
管後の接合部表面について浸透探傷試験を行い、割れの
有無を調べた。さらに、拡管した炭素鋼管接合体をアム
スラー式万能試験機(200Tonf)を用いて引張試
験を実施した。結果を表8に示す。
【0119】
【表8】
【0120】周波数200kHzの高周波誘導加熱法を
用いて接合した比較例12では、拡管後の浸透探傷試験
において、接合部の内外表面に開口した割れが観察され
た。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、33
7MPaであり、接合界面で破断した。これは、200
kHzと高い周波数の高周波誘導加熱法を用いて接合し
たため、表皮効果により接合部の内外表面に温度差が生
じたことにより、接合界面の機械的性質が不十分とな
り、接合界面が拡管による変形に耐えることができず、
接合界面に割れが発生したことに起因して、拡管した炭
素鋼管接合体の引張強度が低下したと考えられる。
【0121】周波数100kHzの高周波誘導加熱法を
用いて接合した実施例15、および、周波数25kHz
の高周波通電加熱法を用いて接合した実施例16では、
拡管後の浸透探傷試験において、いずれも接合部の内外
表面に開口した割れは観察されなかった。また、拡管し
た炭素鋼管接合体の引張強度は、それぞれ、559MP
aおよび561MPaであり、いずれも接合界面以外の
母材で破断した。これは、周波数100kHz以下の高
周波誘導加熱法あるいは高周波通電加熱法を用いて接合
したことにより、表皮効果の悪影響が抑制され、良好な
接合界面の機械的性質が得られ、拡管中に接合界面に割
れ等の欠陥が発生しなかったことに起因して、拡管した
炭素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等になっ
たと考えられる。
【0122】以上の結果から、周波数100kHz以下
の高周波誘導加熱法あるいは高周波通電加熱法を用いて
接合した炭素鋼管接合体は、拡管工程において割れ等の
欠陥が発生することなく拡管できることがわかった。ま
た、拡管した炭素鋼管接合体は、炭素鋼管母材と同等の
機械的性質を有していることがわかった。
【0123】〔比較例13〕以下の手順により、炭素鋼
管接合体を製造した。炭素鋼管として、日本工業規格の
高圧配管用炭素鋼鋼管(JIS G3455,STS4
10)の外径165.2mm、厚さ7.1mmの鋼管を
用い、端面を表面粗さRmax.12μmとなるように
加工し、炭素鋼管の接合界面にインサート材としてニッ
ケルろうBNi−3(JIS Z3265)相当の組成
を有する融点1050℃、厚さ50μmのNi基合金箔
を介挿し、炭素鋼管どうしを30%の最大段差が生じる
ように液相拡散接合した。
【0124】なお、接合部の加熱方法には、周波数3k
Hzの高周波電流を用いた高周波誘導加熱法を用いた。
また、接合条件は、接合温度1300℃、保持時間30
秒、加圧力3MPaとし、Ar雰囲気中で接合を行っ
た。さらに、得られた炭素鋼管接合体を、拡管率が25
%となるようにマンドレルを用いて拡管した。
【0125】〔実施例18〜19〕実施例18および実
施例19は、それぞれ、最大段差を25%および10%
とした以外は比較13と同様の条件で炭素鋼管接合体の
製造および拡管を実施した。
【0126】〔比較例14〕比較例14は、最大段差を
5%、拡管率を30%した以外は、比較例13と同様の
条件で炭素鋼管接合体の製造および拡管を実施した。
【0127】実施例18〜19、および比較例13〜1
4で得られた炭素鋼管接合体について、拡管後の接合部
表面について浸透探傷試験を行い、割れの有無を調べ
た。さらに、拡管した炭素鋼管接合体をアムスラー式万
能試験機(200Tonf)を用いて引張試験を実施し
た。結果を表9に示す。
【0128】
【表9】
【0129】最大段差30%として拡管率25%で拡管
した比較例13て゛は、拡管中に炭素鋼管接合体が接合
界面から分離してしまったので、拡管した炭素鋼管接合
体の引張試験は実施できなかった。
【0130】それぞれ、最大段差25%および10%と
して拡管率25%で拡管した実施例例18および実施例
19て゛は、拡管後の浸透探傷試験において、いずれも
接合部の内外表面には開口した割れは観察されなかっ
た。また、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、それ
ぞれ559MPaおよび561MPaであり、いずれも
接合界面以外の母材で破断した。これは、接合界面の段
差による応力集中はあるものの、拡管率25%以下で
は、拡管中に割れを発生させるには至らず、拡管した炭
素鋼管接合体の引張強度が炭素鋼管母材と同等となった
と考えられる。
【0131】最大段差5%として拡管率30%で拡管し
た比較例14て゛は、拡管後の浸透探傷試験において、
接合部の内外表面には開口した割れが観察された。ま
た、拡管した炭素鋼管接合体の引張強度は、521MP
aであり、接合界面で破断した。これは、接合面の最大
段差は5%と小さかったにもかかわらず、拡管率が30
%と大きいため、拡管中に応力集中による割れが接合界
面に発生したことに起因して、拡管した炭素鋼管接合体
の引張強度が低下したと考えられる。
【0132】以上の結果から、最大段差を25%以下と
して接合した炭素鋼管接合体を、拡管率25%以下で拡
管した炭素鋼管接合体は、拡管工程において割れ等の欠
陥が発生することなく拡管できることがわかった。ま
た、拡管した炭素鋼管接合体は、炭素鋼管母材と同等の
機械的性質を有していることがわかった。
【0133】
【発明の効果】本発明は、インサート材として融点12
00℃未満で厚さ80μm以下のNi基合金またはFe
基合金を用い、該炭素鋼管接合面の面粗さRmax.2
0μm以下、接合温度1250℃以上1330℃以下、
接合温度における保持時間30秒以上、加圧力2MPa
以上4MPa以下なる条件で、非酸化性雰囲気中で炭素
鋼管を突き合わせて接合することにより、最大段差が該
炭素鋼管の厚さの25%以下、拡管率25%以下の範囲
内で、拡管中に割れ等の欠陥が発生しない、機械的性質
が良好で該炭素鋼管母材と同等である炭素鋼管接合体が
得られるという効果がある。
【0134】以上のように、本発明に係わる炭素鋼管接
合体の製造方法および拡管方法によれば、接合部に割れ
等の欠陥が発生することなく炭素鋼管接合体の拡管が可
能となり、拡管後の機械的特性に優れた炭素鋼管接合体
が得られるものであり、これを例えば、油井、ガス井で
用いられるケーシングチューブ、プロダクションチュー
ブ、コイルドチューブ等に応用すれば、石油、ガス掘削
作業の大幅なコストダウンや、信頼性の向上に寄与する
ものであり、産業上その効果は極めて大きい発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる炭素鋼管接合体
の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる炭素鋼管接合体
の拡管方法を示す工程図である。
【符号の説明】
30 炭素鋼管 31 インサート材 32 炭素鋼管接合体 33 拡管工具 40 把持装置 41 高周波誘導加熱コイル 42 非酸化性雰囲気 d0 拡管前の非接合部の内径 d1 拡管後の非接合部の内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 繁幸 愛知県名古屋市南区天白町3−9−111 大同特殊 鋼天白荘205 (72)発明者 山田 龍三 愛知県知多市大草四方田48番地の1 大同 特殊鋼臨 海荘A−301 Fターム(参考) 4E067 AA02 AB02 AB05 AD02 BH01 BH03 BM00 DA09 DB02 DC03 DC06 DC07 EA03 EC06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼管を突き合わせ、該炭素鋼管母材
    の融点(Tb)よりも低い融点(Ti)を有するインサ
    ート材を該炭素鋼管接合面間に挿入し、少なくとも接合
    部近傍をTi<T<Tbなる温度(T)に加熱し、両炭
    素鋼管を加圧保持して拡散接合する炭素鋼管接合体の製
    造方法において、インサート材として融点1200℃未
    満で厚さ80μm以下のNi基合金またはFe基合金を
    用い、該炭素鋼管接合面の面粗さRmax.20μm以
    下、接合温度1250℃以上1330℃以下、接合温度
    における保持時間30秒以上、加圧力2MPa以上4M
    Pa以下なる条件で、非酸化性雰囲気中で接合すること
    を特徴とする拡管に適した炭素鋼管接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 接合部の加熱方法が周波数100kHz
    以下の高周波電流を用いた高周波誘導加熱法、または、
    高周波通電加熱法を用いた請求項1の炭素鋼管接合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 接合部の最大段差を炭素鋼管の厚さの2
    5%以下とする請求項1または2の炭素鋼管接合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 炭素鋼管を複数接合して構成される接合
    体の内部に挿入した工具を用いて該炭素鋼管接合体を拡
    管する方法において、接合部の最大段差が炭素鋼管の厚
    さの25%以下の炭素鋼管接合体を用い、該炭素鋼管接
    合体内径の拡大率((拡大後の炭素鋼管内径−拡大前の
    炭素鋼管内径)/拡大前の炭素鋼管内径×100%)を
    25%以下にすることを特徴とする炭素鋼管接合体の拡
    管方法。
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