JP2000106276A - フルカラー発光デバイス - Google Patents

フルカラー発光デバイス

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JP2000106276A
JP2000106276A JP10273744A JP27374498A JP2000106276A JP 2000106276 A JP2000106276 A JP 2000106276A JP 10273744 A JP10273744 A JP 10273744A JP 27374498 A JP27374498 A JP 27374498A JP 2000106276 A JP2000106276 A JP 2000106276A
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magenta
color
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JP10273744A
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Tatsuya Igarashi
達也 五十嵐
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギーロスの少ないB,G,R発光方式
を用い、色純度及び色再現が簡易な方法で改善されたフ
ルカラー発光デバイスを提供すること。 【解決手段】 エレクトロルミネッセンス素子とマゼン
タ色カラーフィルターを有するフルカラー発光デバイス
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルカラー発光デバ
イス、詳しくはB、G、R発光方式を用いたフルカラー
発光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子を含有する発光デバイス
(有機ELディスプレイ)は、自発光、高輝度、視野角
が広い等の優れた特性を有し、次世代のフルカラーディ
スプレイとして期待されている。現在、最も広範に研究
されている有機ELディスプレイは、アプライドフィジ
ックスレターズ,51巻,913頁,1987年等に記
載の素子を基本構成とする緑色発光デバイスであり、発
光輝度、色純度、耐久性の点で良好なものが作製されて
いる。
【0003】有機ELディスプレイをフルカラー化する
手法はいくつかあるが、例えば日経エレクトロニクス、
1996.1.29,p.101に記載の(a)3色の
発光層を設ける方法(B、G、R発光方式)(b)色変
換層を使う方法,(c)カラーフィルターを用いる方法
がある。上記(b),(c)の方法は、エネルギーロス
が大きく、非効率であるのに対して、(a)の方法は各
色を独立に発するので、エネルギーロスは小さい。しか
しながら、(a)の手法を用いるためには、青、赤、緑
それぞれに高輝度発光する色純度の高い素子開発が必要
である。特に、B,G,Rの色純度は、ディスプレイの
色再現に大きな影響を与え、色純度の低い発光素子を用
いると、そのディスプレイの商品価値はなくなってしま
う。緑色に発光する発光素子は色純度も高く、かつ充分
に輝度が高い素子が開発されているが、赤、青色の色純
度の高い高輝度発光EL素子は無く、それを解決する素
材開発が望まれている。
【0004】(a)の手法を用い、更にマイクロカラー
フィルターを設ければ色純度の高い有機ELデバイスを
作製可能であるが、マイクロカラーフィルターは製造コ
ストが高く、また、発光デバイスとカラーフィルターの
位置あわせが困難等欠点が多く、改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エネ
ルギーロスの少ないB,G,R発光方式を用い、色純度
及び色再現が簡易な方法で改善されたフルカラー発光デ
バイスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(1)〜(5)の発光デバイスが提供され、本発明の上
記目的が達成される。 (1)エレクトロルミネッセンス素子とマゼンタ色カラ
ーフィルターを有することを特徴とするフルカラー発光
デバイス。 (2)エレクトロルミネッセンス素子からの発光が青、
緑、及び赤のモザイクもしくはストライプの発光パター
ンを有することを特徴とする上記(1)に記載のフルカ
ラー発光デバイス。 (3)マゼンタ色カラーフィルターの吸収極大波長が5
00〜600nmであることを特徴とする上記(1)又
は(2)に記載のフルカラー発光デバイス。 (4)マゼンタ色カラーフィルターの吸収極大濃度AB
Sが1.0以下であることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のフルカラー発光デバイス。 (5)マゼンタ色カラーフィルターの吸収スペクトル半
値幅が5nm〜100nmであることを特徴とする上記
(1)〜(4)のいずれかにに記載のフルカラー発光デ
バイス。
【0007】
【発明の実施の形態】まず本発明のフルカラー発光デバ
イスの典型的な構造を図1の概略的な見取り図により説
明する。しかし、本発明のフルカラー発光デバイスの構
造は、これに制限されない。本発明のフルカラー発光デ
バイスは、有機EL素子の発光面上にマゼンタフィルタ
ー層を設けたデバイスであり、その代表的な素子の概略
図が図1である。図1に記載の保護層、陰極層、IT
O、透明基板に関しては後で説明する。マゼンタフィル
ター層は図1に示すように、発光面上に設けるのが好ま
しいが、また、透明基板中にマゼンタ色素をマゼンタ色
素を分散して透明基板とマゼンタフィルターを兼用して
もよい。また、マゼンタ色素をITOまたは発光層に分
散してもよい。また、本発明の発光デバイスは、パッシ
ブマトリックス駆動、アクティブマトリックス駆動など
公知の種々の駆動方法で作動させることができる。
【0008】本発明のフルカラー発光デバイスに用いら
れるマゼンタ色カラーフィルターについて説明する。上
記マゼンタ色カラーフィルターは、青色発光EL素子及
び赤色発光EL素子の色純度を向上するものである。マ
ゼンタ色カラーフィルター設置により、緑色発光素子の
発光輝度は低下するが、緑色発光素子は赤・青色発光素
子に比べて著しく輝度が高い素子が開発されており(1
0000cd/m2 以上、例えばProceedings of the
international conference on electroluminescence
ofmolecular materials and related phenomen
a,Fukuoka,Japan,21-24 May1997,J.Kido発表)、フル
カラーディスプレイ作製時は、マゼンタフィルター設置
による緑色部輝度低下は実用上問題にならない。
【0009】本発明の発光デバイスのマゼンタ色カラー
フィルターは、設置により青及び赤の色純度が改善され
るものであれば特に限定されないが、好ましくは、マゼ
ンタ色カラーフィルター設置により発光デバイスの色純
度がB(0.15,0.24)以上(CIE色度)、R
(0.62,0.37)以上、特に好ましくはB(0.
14,0.08)以上、R(0.64,0.33)以上
に向上するのが好ましい。
【0010】本発明の発光デバイスに用いられるマゼン
タ色カラーフィルターの吸収極大波長は、500〜60
0nmであることが好ましく、さらに好ましくは520
〜570nmであり、特に好ましくは530〜560n
mである。
【0011】本発明の発光デバイスに用いられるマゼン
タ色カラーフィルターの吸収極大濃度ABSは、1.0
以下が好ましく、さらに好ましく0.5以下であり、特
に好ましくは0.2以下である。
【0012】本発明の発光デバイスに用いられるマゼン
タ色カラーフィルターの吸収スペクトル半値幅は、5n
m〜100nmが好ましく、10nm〜80nmがさら
に好ましい。特に好ましくは20nm〜50nmであ
る。
【0013】上記マゼンタ色カラーフィルター用いる色
素は、特に限定されないが、例えば、「色素ハンドブッ
ク」大河原信著講談社に記載の代表的な色素群を用いる
ことができる。例えば、アゾ色素、アゾメチン色素、ア
クリジン色素、アジン色素、アゾイック色素、アニリン
色素、アリザリン色素、アントラキノン色素、イソイン
ドリン色素、イングレイン色素、インジゴ色素、オキソ
ノール色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、キ
ノン色素、キノンイミン色素、クマリン色素、ピリリウ
ム塩色素、トリアリールメタン色素、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、フルオラン色素、ペリレン色素等が挙
げられる。なかでも、アゾ色素、アゾメチン色素、シア
ニン色素、アントラキノン色素、アジン色素が好まし
く、アゾ色素、アゾメチン色素、アジン色素が特に好ま
しい。
【0014】マゼンタ色カラーフィルターの基板は特に
限定されないが、ガラス、ポリマーフィルム等の基板を
用いることができる。ポリマーフィルム基板を用いるの
が好ましい。マゼンタ色カラーフィルターの種類、作製
方法は、マゼンタ色の色素を含有する物であれば特に限
定されず、一般的な製造法を用いることができる。例え
ばゼラチン等のバインダーに染料を着色する染色法、顔
料分散物を塗設する顔料分散法、顔料を電着する電着
法、色素含有物を基板に印刷する印刷法、また、特開平
10−48788に記載のハロゲン化銀写真利用した手
法でも作製することができる。
【0015】次に、本発明のフルカラー発光デバイスに
用いられるエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)
に関して説明する。本発明のEL素子の有機層の形成方
法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、
電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティン
グ法等の方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸
着、コーティング法が好ましい。特に抵抗加熱蒸着法が
好ましい。
【0016】EL素子は、陽極、陰極の一対の電極間に
発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形
成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送
層、電子注入層、電子輸送層、保護層等を有してもよ
く、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたもの
であってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を
用いることができる。
【0017】陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層
等に正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化
物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物等を用いる
ことができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料で
ある。具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化イン
ジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属
酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、
さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は
積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリア
ニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性
材料、及びこれらとITOとの積層物等が挙げられ、好
ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高
導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜
厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜
5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50n
m〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500
nmである。
【0018】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アル
カリガラス、透明樹脂基板等の上に層形成したものが用
いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、
ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリ
ガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガ
ラスを用いる場合、シリカ等のバリアコートを施したも
のを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強
度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを
用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.
7mm以上のものを用いる。陽極の作製には材料によっ
て種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電
子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学
反応法(ゾルーゲル法等)、酸化インジウムスズの分散
物の塗布等の方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の
処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高
めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オ
ゾン処理、プラズマ処理等が効果的である。
【0019】陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層等
に電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送
層、発光層等の負極と隣接する層との密着性やイオン化
ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材
料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化
物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いるこ
とができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、
Na、K等)及びそのフッ化物、アルカリ土類金属(例
えばMg、Ca等)及びそのフッ化物、金、銀、鉛、ア
ルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混
合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合
金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、イ
ンジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げら
れ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、よ
り好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合
金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそ
れらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合
物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む
積層構造を取ることもできる。陰極の膜厚は材料により
適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲の
ものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであ
り、更に好ましくは100nm〜1μmである。陰極の
作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸
着法、コーティング法等の方法が用いられ、金属を単体
で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することも
できる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極
を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した
合金を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は
低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0020】発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正
孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができる
と共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入
することができる機能や、注入された電荷を移動させる
機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機
能を有する層を形成することができるものであれば何で
もよい。例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミ
ダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベ
ンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジ
エン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタ
ルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペ
リノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘
導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、
ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導
体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導
体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導
体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘
導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体
等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレン
ビニレン等のポリマー化合物等が挙げられる。発光層の
膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5
μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜
1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmで
ある。発光層の形成方法は、特に限定されるものではな
いが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分
子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト
法、ディップコート法等)、LB法等の方法が用いら
れ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
【0021】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリー
ルアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化
合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系
化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、
ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共
重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導
電性高分子オリゴマー等が挙げられる。正孔注入層、正
孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常
1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましく
は5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜5
00nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材
料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよい
し、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造で
あってもよい。正孔注入層、正孔輸送層の形成方法とし
ては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒
に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコ
ート法、キャスト法、ディップコート法等)が用いられ
る。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分
散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエス
テル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブ
タジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素
樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチ
ルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0022】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極か
ら電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘
導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、
フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ア
ントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピラン
ジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニ
リデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフ
タレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フ
タロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯
体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベン
ゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種
金属錯体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜
厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μ
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1
μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmであ
る。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は
2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成
又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよ
い。電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空
蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解又は
分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キ
ャスト法、ディップコート法等)等が用いられる。コー
ティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散するこ
とができ、樹脂成分としては、例えば正孔注入輸送層の
場合に例示したものが適用できる。
【0023】保護層の材料としては水分や酸素等の素子
劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能
を有しているものであればよい。その具体例としては、
In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、N
i等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al2 3
GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2 3 、Y2
3 、TiO2 等の金属酸化物、MgF2 、LiF、Al
3 、CaF2 等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、
ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロ
エチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少な
くとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重
合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有
する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、
吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。保護
層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸
着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、M
BE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム
法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波
励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レ
ーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コ
ーティング法を適用できる。
【0024】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲は以下の実施例によって限定され
ることはない。
【0025】実施例 (エレクトロルミネッセンス素子の作製)図2に示すよ
うにストライプ状にパターニングされたITO基板(I
TOの厚み:100nm)を洗浄した後、TPD(N,
N'−ジフェニル−N,N'−ジ(m−トリル)ベンジジ
ン)を40nm蒸着した。これに、図3に示すようにマ
スクを設置し、下記に示す化合物1をITO部1に厚さ
60nmに蒸着した。
【0026】
【化1】
【0027】次に、図4に示すようにマスクを設置し、
Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニ
ウム錯体)とクマリン6を100対0.1の比率をIT
O部2に厚さ60nmに共蒸着した。次に、図5に示す
ようにマスクを設置しAlqとDCM(4−(ジシアノ
メチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノス
チリル)−4H−ピラン)を100対0.1の比率でI
TO部3に厚さ60nmに共蒸着した。次に、図6に示
すようなマスクを設置し、銀とマグネシウムを1対10
の比率で厚さ100nmに共蒸着し、この上に銀を厚さ
200nmに蒸着した。このようにして、B,G,Rに
それぞれ発色するエレクトロルミネッセンス素子を作製
した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400
型を用いて、直流定電圧をこのEL素子に印加し発光さ
せ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長
を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA
−11を用いて測定した。その結果、このEL素子に1
0Vの電圧を印加したところ、B:(0.20,0.2
4)2240cd/m2、G:(0.20,0.57)
6200cd/m2、R:(0.55,0.44)32
30cd/m2の結果を得、B,Rの色純度が低く、ま
た、Gの発光輝度が高いことがわかった。
【0028】(マゼンタ色カラーフィルターの作製と発
光デバイスの作製)下記構造の化合物2を用い、特開平
10−48788号公報等に記載のハロゲン化銀感光材
料を用いた手法を用い、図7に示す吸収スペクトルを有
する、吸収極大波長547nm、吸収極大濃度ABS:
0.1(547nm)、吸収スペクトル半値幅82nm
のマゼンタ色カラーフィルターを作製した。このフィル
ターを上記で作製したEL素子に図1に示される概略図
のような構造となるように設置して、本発明の発光デバ
イスを作製した。エレクトロルミネッセンス素子の場合
と同様にして、10Vの電圧を印加したところ、B:
(0.15,0.15)2240cd/m2、G:
(0.17,0.55)4400cd/m2、R:
(0.61,0.35)2630cd/m2の結果を
得、B,Rの色純度が向上していた。G部の発光輝度
は、低下するものの、充分な輝度を有している。その
他、種々のマゼンタ色カラーフィルターを用いても同様
な結果が得られた。
【0029】
【化2】
【0030】
【発明の効果】本発明のエネルギーロスの少ないB,
G,R発光方式を用いたフルカラー発光デバイスは、エ
レクトロルミネッセンス素子とマゼンタ色カラーフィル
ターから構成されているので、色純度及び色再現が簡易
な方法で改善されている。また、緑色部の発光輝度も青
色、赤色に比べて充分な輝度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフルカラー発光デバイスの代表的な構
造を概略的に示す見取り図である。
【図2】実施例で作製するエレクトロルミネッセンス素
子のITO基板を模式的に示す平面図である。
【図3】実施例でエレクトロルミネッセンス素子を作製
する過程におけるマスキングの状態を模式的に示す断面
図(a)と平面図(b)である。
【図4】実施例でエレクトロルミネッセンス素子を作製
する過程におけるマスキングの状態を模式的に示す断面
図である。
【図5】実施例でエレクトロルミネッセンス素子を作製
する過程におけるマスキングの状態を模式的に示す断面
図である。
【図6】実施例でエレクトロルミネッセンス素子を作製
する過程におけるマスキングの状態を模式的に示す断面
【図7】実施例で作製したマゼンタ色カラーフィルター
の吸収スペクトルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトロルミネッセンス素子とマゼン
    タ色カラーフィルターを有することを特徴とするフルカ
    ラー発光デバイス。
  2. 【請求項2】 エレクトロルミネッセンス素子からの発
    光が青、緑、及び赤のモザイクもしくはストライプの発
    光パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の
    フルカラー発光デバイス。
  3. 【請求項3】 マゼンタ色カラーフィルターの吸収極大
    波長が500〜600nmであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のフルカラー発光デバイス。
  4. 【請求項4】 マゼンタ色カラーフィルターの吸収極大
    濃度ABSが1.0以下であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のフルカラー発光デバイス。
  5. 【請求項5】 マゼンタ色カラーフィルターの吸収スペ
    クトル半値幅が5nm〜100nmであることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかにに記載のフルカラー発光
    デバイス。
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