JP2000104008A - 耐候性に優れた被覆組成物 - Google Patents

耐候性に優れた被覆組成物

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JP2000104008A
JP2000104008A JP10275228A JP27522898A JP2000104008A JP 2000104008 A JP2000104008 A JP 2000104008A JP 10275228 A JP10275228 A JP 10275228A JP 27522898 A JP27522898 A JP 27522898A JP 2000104008 A JP2000104008 A JP 2000104008A
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acrylate
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Akira Nakabayashi
亮 中林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐久性に優れた塗膜を形成し得る高
耐久性の被覆組成物を提供する。 【解決手段】 ヒドラジン残基を有する光安定剤および
/又はヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤と、ポリカ
ルボニル化合物及び/又はポリエポキシ化合物を含有す
る被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れた被
覆組成物に関し、該被覆組成物は、塗料、建材の下地処
理材又は仕上げ材、接着剤、紙加工剤、または織布、不
織布の仕上げ剤等として有用である。さらに、具体的に
は、ヒドラジン残基を有する光安定剤および/又はヒド
ラジン残基を有する紫外線吸収剤とポリカルボニル化合
物及び/又はポリエポキシ化合物を含有する被覆組成物
を用いたクリアーコート剤、トップコート剤、塗料、ア
ンダーコート剤、布や紙の含浸剤、接着剤等として各種
用途に利用することができる優れた被覆組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コーティング分野においてメンテ
ナンスフリーを目的とした塗膜の耐候性の向上が強く望
まれている。例えば、乳化重合により得られるアクリル
系エマルジョンは、常温あるいは加熱下で乾燥形成した
被膜が比較的良好な耐久性を示すことから、水性塗料用
の樹脂として多く用いられているが、屋外や紫外線に長
期間曝露された場合には、艶の低下、変色、膨れなど変
質の問題があり、その改良が強く望まれている。
【0003】この課題に対し、耐久性を改善する手段と
してアクリル系エマルジョンに紫外線吸収剤や光安定剤
を用いる方法が提案されている。例えば特開平3−37
288号公報と特開平4−298573号公報にはアク
リル系エマルジョンに紫外線吸収剤および/または光安
定剤を後添加する方法、特開昭64−20201号公報
と特開平7−292009号公報には紫外線吸収剤を乳
化重合中に添加する方法等が提案されているが、このよ
うな方法を使用した場合、長期間の屋外曝露では雨水や
結露水により紫外線吸収剤と光安定剤が流出してしまう
ためか、耐久性や耐水性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決が解決しようとする課題】本発明は、耐候
性、耐久性に優れた塗膜を形成し得る高耐久性の被覆組
成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本
発明は、ヒドラジン残基を有する光安定剤および/又は
ヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤とポリカルボニル
化合物及び/又はポリエポキシ化合物を含有する被覆組
成物である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいてヒドラジン残基とは、式(1)で表される基を意
味する。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜2
0のアルキル基を表す。)本発明における上記ヒドラジ
ン残基を有する光安定剤としては、ヒドラジン残基を有
するヒンダードフェノール誘導体、ヒドラジン残基を有
するヒンダードアミン誘導体等が挙げられる。また、本
発明における上記ヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤
としては、ヒドラジン残基を有するベンゾフェノン誘導
体、ヒドラジン残基を有するベンゾトリアゾール誘導
体、ヒドラジン残基を有するトリアジン誘導体等が挙げ
られる。
【0009】これらヒドラジン残基を有する光安定剤お
よびヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤の中で、耐候
性の向上効果の点からヒドラジン残基を有するヒンダー
ドフェノール誘導体および/又はヒドラジン残基を有す
るヒンダードアミン誘導体が好ましい。上記ヒドラジン
残基を有するヒンダードフェノール誘導体としては、例
えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼン
プロピオン酸ヒドラジド、3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンゼン酢酸ヒドラジド等が挙げ
られる。
【0010】また、上記ヒドラジン残基を有するヒンダ
ードアミン誘導体しては、N−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)−N’−アミノオキサミ
ド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジニル)−N’−アミノオキサミド、N−(1−ベ
ンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)−N’−アミノオキサミド、N−(1−ベンゾイ
ル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)−N’−アミノオキサミド、N−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジニル)−N’−アミノテ
レフタルアミド、N−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)−N’−アミノグルタルアミド、
N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)−N’−アミノアジパミド、N−(1−アセチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−
N’−アミノオキサミド、N−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)−N’−アミノマロンア
ミド、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジニル)−N−ブチル−N’−アミノオキサミド、
N,N’−ヘキサメチレンビス(N−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジニル)オキサミド酸ヒド
ラジド)、N,N’−ヘキサメチレンビス(N−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)スクシ
ンアミド酸ヒドラジド)、N,N’−ヘキサメチレンビ
ス(N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)マロンアミド酸ヒドラジド)、N,N’−ヘキ
サメチレンビス(N−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)アジパミド酸ヒドラジド)等が挙
げられる。
【0011】本発明のヒドラジン誘導体組成物は、水性
媒体中への分散安定性や溶解性を補助する目的で、界面
活性剤を併用しても良い。上記界面活性剤としては、例
えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸
エステル、高級アルキルスルフォン酸、スルフォン酸ア
ルキルアリル、スルフォン化ひまし油、スルフォこはく
酸エステル、アルケニルコハク酸等の塩に代表されるア
ニオン性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長
鎖脂肪アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公
知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4
級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤、
(部分鹸化)ポリビニルアルコール等の高分子分散安定
剤等やそれらの併用が挙げられる。
【0012】本発明の被覆組成物は、上記ヒドラジン残
基を有する光安定剤および/又はヒドラジン残基を有す
る紫外線吸収剤と、ポリカルボニル化合物及び/又はポ
リエポキシ化合物を含んでなる。ヒドラジン残基を有す
る光安定剤および/又はヒドラジン残基を有する紫外線
吸収剤とポリカルボニル化合物との被覆組成物では、ヒ
ドラジン残基とカルボニル基の脱水縮合反応により、光
安定剤および/又は紫外線吸収剤がポリカルボニル化合
物に化学的に固定され優れた耐候性を発揮する。
【0013】ヒドラジン残基を有する光安定剤および/
又はヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤とポリエポキ
シ化合物との被覆組成物では、ヒドラジン残基とエポキ
シ基の付加反応により、光安定剤および/又は紫外線吸
収剤がポリエポキシ化合物に化学的に固定され優れた耐
候性を発揮する。該被覆組成物のうち、ヒドラジン残基
を有する光安定剤および/又はヒドラジン残基を有する
紫外線吸収剤とポリカルボニル化合物との組み合わせ
は、ヒドラジン残基とカルボニル基の反応制御が容易で
あり、貯蔵安定性が非常に優れる上、耐候性に優れた皮
膜を比較的低温で与えることができるため特に好まし
い。
【0014】上記ポリカルボニル化合物としては、例え
ばカルボニル基を含有する共重合体、特開平2−238
015号公報に記載されているがごときヒドロキシアセ
トン等のカルボニル基のあるモノまたはポリアルコール
を原料とするカルボニル基含有ポリウレタン類、アセト
アセチル化ポリビニルアルコール、特開平9−3240
95号公報に記載されているがごとき側鎖にジアセトン
基を有するポリビニルアルコール系樹脂、アセトアセチ
ル化ヒドロキシアルキルセルロース等、及びこれらの併
用が挙げられる。
【0015】これらの中で好ましいポリカルボニル化合
物は、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体(イ)
と、該単量体(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単
量体(ロ)とを共重合することによって得られるカルボ
ニル基を含有する共重合体であり、さらに好ましくはポ
リカルボニル化合物が、カルボニル基含有エチレン性不
飽和単量体(イ)0.1〜30重量%と、該単量体
(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)7
0〜99.9重量%とを共重合することによって得られ
るカルボニル基を含有する共重合体である。
【0016】カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体
(イ)としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダイア
セトンメタクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチル
ケトン、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセ
トアセトキシエチルアクリレート、ホルミルスチロール
等や、その併用が挙げられる。単量体(イ)と共重合可
能なエチレン性不飽和単量体(ロ)としては、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、カルボキシル基を
持つエチレン性不飽和単量体類、エポキシ基を持つエチ
レン性不飽和単量体類、アクリルアミド系単量体、メタ
クリルアミド系単量体、シアン化ビニル類等が挙げら
れ、(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アルキ
ル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキサ
イド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド基の数が
1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アク
リレート、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙
げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシ
クロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げら
れる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。(ポリ)
オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例として
は、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ
(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アク
リル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリ
ル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラ
エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テト
ラエチレングリコール等が挙げられる。(ポリ)オキシ
プロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、
(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ
(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)ア
クリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)ア
クリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸
テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリ
ル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。(ポ
リ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例と
しては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ
(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)
アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
【0017】カルボキシル基を持つエチレン性不飽和単
量体類として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸の半
エステル、クロトン酸などがあり、(メタ)アクリルア
ミド系単量体類としては、例えば(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミドなどがあり、シアン
化ビニル類としては、例えば(メタ)アクリロニトリル
などがある。
【0018】エポキシ基を持つエチレン性不飽和単量体
類として具体的には、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイ
ド、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。また上
記以外の具体例としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジ
エン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィ
ン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビ
ニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イ
ソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル
類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合
物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル
類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等
のアリルエーテル類、さらにγ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,
6,6,−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メ
タ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
【0019】ポリカルボニル化合物は、懸濁重合、乳化
重合又は溶液重合により得られることが好ましく、乳化
重合によって得られるラテックスであることはさらに好
ましい。ポリカルボニル化合物は、スルホン酸基又はス
ルホネート基を有するエチレン性不飽和単量体、硫酸エ
ステル基を有するエチレン性不飽和単量体、およびそれ
らの混合物よりなる群から選ばれるアニオン型エチレン
性不飽和単量体(ハ)の存在下、共重合することによっ
て得られることが好ましい。
【0020】スルホン酸基又はスルホネート基を有する
エチレン性不飽和単量体は、ラジカル重合性の二重結合
を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウ
ム塩またはカリウム塩である基により一部が置換され
た、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアル
キルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル
基、炭素数6または10のアリール基及びコハク酸基か
らなる群より選ばれる置換基を有する化合物であるか、
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩またはカ
リウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニ
ルスルホネート化合物である。
【0021】硫酸エステル基を有するエチレン性不飽和
単量体は、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸
エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリ
ウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜2
0のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、
炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6ま
たは10のアリール基からなる群より選ばれる置換基を
有する化合物である。
【0022】スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウ
ム塩またはカリウム塩である基により一部が置換された
コハク酸基を有する化合物の具体例として、アリルスル
ホコハク酸塩、たとえば、式(2)、(3)、(4)、
(5)で表される化合物が挙げられる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】{式(2)〜(5)中、R1'は水素または
メチル基であり、R2'は炭素数5〜12のシクロアルキ
ル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19の
アラルキル基等の炭化水素基、又はその1部が水酸基、
カルボン酸基等で置換されたもの、もしくはポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数
が0〜20、アルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリ
オキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキ
ル部分の炭素数が0〜20、アルキレン部分の炭素数が
2〜4)等のアルキレンオキサイド部分を含む有機基で
ある。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置
換されたアルキレン基である。nは0〜200の整数で
ある。Mはアンモニウム、ナトリウム、またはカリウム
である。}上記式(2)及び(3)を含むものとして、
例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成
(株)製)があり、上記式(4)及び(5)を含むもの
として、例えば、ラテムルS−120、S−180Aま
たはS−180(商品名)(花王(株)製)等がある。
【0028】またスルホン酸基のアンモニウム塩、ナト
リウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換され
た、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜
4のポリアルキルエーテル基を有する化合物の例とし
て、式(6)または(7)で表される化合物が挙げられ
る。
【0029】
【化6】
【0030】(式中R3'、R4'の各々は、それぞれ独立
に、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基又はア
ラルキル基であり、R5'は水素またはプロペニル基であ
る。Aは炭素数2〜4のアルキレン基である。nは1〜
200の整数である。Mはアンモニウム、ナトリウム又
はカリウムである。)
【0031】
【化7】
【0032】(式中、R6'は水素またはメチル基であ
り、R7'は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基
である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基である。mは
0〜20の整数であり、nは0〜50の整数である。M
はアンモニウム、ナトリウム又はカリウムである。) 上記式(6)で表されるアルキルフェノールエーテル系
化合物として、例えばアクアロンHS−10(商品名)
(第一工業製薬(株)製)があり、上記式(7)で表さ
れる化合物として、例えばアデカリアソープSE−10
25N(商品名)(旭電化工業(株)製)がある。
【0033】その他、スルホネート基により一部が置換
されたアリール基を有する化合物の具体例として、p−
スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩お
よびカリウム塩、が挙げられる。スルホン酸基のアンモ
ニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合
しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物と
して例えば、2−スルホエチルアクリレート等のアルキ
ルスルホン酸(メタ)アクリレートやメチルプロパンス
ルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸等
のアンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙
げられる。
【0034】硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリ
ウム塩またはカリウム塩により一部が置換された炭素数
2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリア
ルキルエーテル基を有する化合物としては、例えば上記
の式(6)と(7)で表される、スルホネート基により
一部が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物が
ある。
【0035】これらのアニオン型エチレン性不飽和単量
体(ハ)は、エマルジョン中に エマルジョン粒子にラジカル重合した共重合物とし
て存在しているか、 未反応物としてエマルジョン粒子へ吸着、あるいは
エマルジョン水相中に存在しているか、又は 水溶性単量体との共重合物あるいは単量体同士の共
重合物としてエマルジョン粒子へ吸着、あるいはエマル
ジョン水相中に存在している。
【0036】とくにの状態の比率を高めることによっ
て、エマルジョンより得られるフィルムの耐水性を良好
なものとすることができる。またアニオン型エチレン性
不飽和単量体(ハ)は、エマルジョンより得られるフィ
ルムの熱分解ガスクロマトグラム質量分析(Py−GC
−MS)、又は熱分解質量分析(Py−MS)により同
定することができる。他の方法として、エマルジョンの
水相成分を分離した後、高速原子衝撃質量分析(FAB
マススペクトル)によって同定することも可能である。
【0037】本発明では、アニオン型エチレン性不飽和
単量体(ハ)以外に通常の界面活性剤を併用することが
できる。例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩
等のアニオン性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クコポリマー等の非反応性ノニオン型界面活性剤、α−
〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェ
ノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン
(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、
NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:ア
クアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−
50等、第一製薬工業(株)製)等の反応性ノニオン型
界面剤といわれるエチレン性不飽和単量体と共重合なノ
ニオン型界面活性剤等が用いられる。
【0038】本発明において、ポリカルボニル化合物を
得るに当たって、ラジカル重合触媒として、熱または還
元性物質などによってラジカル分解してエチレン性不飽
和単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性または
油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用
される。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライ
ド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等があり、その量としてはエチレン性不飽和単量体
に対して通常0.1〜1重量%配合される。通常は常圧
下、65〜90℃の重合温度で実施されるのが好ましい
が、モノマーの重合温度における蒸気圧等の特性に合わ
せ、高圧下でも実施することができる。なお、重合速度
の促進、及び70℃以下での低温の重合を望まれるとき
には、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコ
ルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触
媒と組み合わせて用いると有利である。さらに分子量を
調節するために、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤
を任意に添加することも可能である。
【0039】本発明において、ポリカルボニル化合物を
長期に安定に保つため、pH5〜10の範囲に調整する
ことが好ましく、必要に応じてアンモニア、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ジメチルアミノエタノール等
のアミン類、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸等の酸類を添加す
ることも可能である。また、本発明の被覆組成物に用い
ることができるポリエポキシ化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有エチ
レン性不飽和単量体を必須成分として他の不飽和単量体
と塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法な
どによって共重合させることにより得られるエポキシ基
を含有する共重合体や、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、環式脂肪族系エ
ポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ
樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ化
合物を水に分散させたもの、及びこれらの併用が挙げら
れる。
【0040】本発明の(A)ヒドラジン残基を有する光
安定剤および/又はヒドラジン残基を有する紫外線吸収
剤と、(B)ポリカルボニル化合物及び/又は(C)ポ
リエポキシ化合物を含んでなる被覆組成物は、その固形
分重量比が(A)/((B)+(C))=0.01/9
9.99〜50/50の範囲内であることが好ましい。
これにより耐候性に優れた皮膜を与えることができる。
この比率が0.01/99.99未満である場合は、耐
候性の性能が出現しないので好ましくない。50/50
を超えると、得られる皮膜が非常に脆いものとなり好ま
しくない。
【0041】また、本発明の被覆組成物には、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の公
知のカルボニル基を有さない紫外線吸収剤や、ヒンダー
ドフェノール系、ヒンダードアミン系等の公知のヒドラ
ジン残基を有さない光安定剤を併用しても良い。本発明
の被覆組成物には、必要により通常塗料等に添加配合さ
れる成分、例えば顔料、充填剤、分散剤、湿潤剤、増粘
剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜
助剤、防錆剤、染料、防腐剤等がそれぞれの目的に応じ
て選択、組み合わせて配合することができる。
【0042】本発明の被覆組成物は、クリアーコート
剤、トップコート剤、塗料、アンダーコート剤、布や紙
の含浸剤、各種接着剤等として各種用途に利用すること
ができる。具体的には、塗料、建材の下地処理材又は仕
上げ材、接着剤、粘着剤、紙加工剤または織布、不織布
の仕上げ材として有用となる。塗料、建材の下地処理材
又は仕上げ材としては、例えばコンクリート、セメント
モルタル、スレート板、ケイカル板、石膏ボード、押し
出し成形板、発泡性コンクリート等の無機建材、織布あ
るいは不織布を基材とした建材、金属建材等の各種下地
に対する塗料又は建築仕上げ材、さらには複層仕上げ塗
材用の主材およびトップコート、薄付け仕上塗材、厚付
け仕上塗材、石材調仕上げ材、グロスペイント等の合成
樹脂エマルジョンペイント、金属用塗料、木部塗料、瓦
用塗料等が挙げられる。
【0043】接着剤としては、例えば自動車内装用接着
剤、建築部材用接着剤、各種フィルムのラミネート接着
剤等として用いられる、金属、プラスチック、木材、ス
レート、紙、布等に対するウエット接着剤及びコンタク
ト接着剤等が挙げられる。粘着剤としては、例えば片面
テープ、両面テープ、ラベル、アルバム等に使用され
る、永久粘着剤、再剥離型粘着剤等が挙げられる。
【0044】
【発明の実施の形態】実施例中の部は重量部を意味す
る。また、実施例および比較例で得られた被覆組成物の
物性試験については、該被覆組成物を用いて下記に示す
配合組成で塗料を調整し、以下に示す試験方法に従って
試験を実施した。 <塗料配合組成> エナメル塗料配合物の調整 顔料ディスパージョン 水 82.5部 分散剤:ポイズ530(商品名、花王(株)製) 7.5部 トリポリリン酸ナトリウムの5%水溶液 7.5部 増粘剤:ダイセルHEC SP−600(商品名、 ダイセル化学工業(株)製)の3%水溶液 25.0部 消泡剤:ノプコ1497VD(商品名、サンノプコ (株)製) 2.5部 ルチル型酸化チタン:タイピュアR−900(商品名、デュポン(株)製) 375.0部 レットダウン成分 各実施例、比較例の被覆組成物(固形分換算) 460.0部 エチレングリコールモノブチルエーテル 45.0部 水 30.0部 消泡剤:ノプコ1497VD(商品名、サンノプコ(株)製) 1.0部 <試験方法> 初期光沢値、光沢保持率 エナメル塗料配合物をワイヤーコーターNo.50を用
いて、硫酸アルマイト板に塗布し、室温にて30日間乾
燥させた。その直後の60°−60°鏡面反射率を初期
光沢値として測定した(これを光沢保持率の試験開始時
間、即ちゼロ時間とする)。
【0045】引き続きサンシャイン型ウエザオメーター
(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−DC)を使用
して曝露試験(降雨サイクル;12分/時間、ブラック
パネル温度60〜66℃)を行った。曝露3000時間
後の60°−60°鏡面反射率を最終的な光沢値として
測定し、これを初期光沢値で割り、この値を光沢保持率
として算出した。
【0046】
【参考例1】ポリカルボニル化合物の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水218部、界面活性剤(商品名:
アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)
製)の25%水溶液3.7部を投入し、反応容器中の温
度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸9部、スチ
レン4.5部、アクリル酸ブチル234部、ダイアセト
ンアクリルアミド13.5部、メタクリル酸メチル18
9部、イオン交換水225部、アデカリアソープSE−
1025Nを14.4部、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花王
(株)製)の25%水溶液10部、過硫酸アンモニウム
1部の混合液を反応容器中へ滴下槽より3時間かけて流
入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保っ
た。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして2時
間保った。その後室温まで冷却し、25%アンモニア水
溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュ
の金網で濾過し、固形分46.8%、平均粒径106n
mのカルボニル基含有共重合体水性エマルジョンを得
た。
【0047】
【実施例1】参考例1で合成したカルボニル基含有共重
合体水性エマルジョン100部(水を含む。以下同じ)
にN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)−N’−アミノオキサミド0.7部を添加し、混
合することにより被覆組成物を得た。得られた被覆組成
物を用いて塗料を調整し、各試験に供した。その結果を
表1に示す。
【0048】
【実施例2】参考例1で合成したカルボニル基含有共重
合体水性エマルジョン100部に3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸ヒドラジド
0.9部を添加し、混合することにより被覆組成物を得
た。得られた被覆組成物を用いて塗料を調整し、各試験
に供した。その結果を表1に示す。
【0049】
【実施例3】参考例1で合成したカルボニル基含有共重
合体水性エマルジョン100部に3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸ヒドラジド
0.47部、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジニル)−N’−アミノオキサミド0.7部を
添加し、混合することにより被覆組成物を得た。得られ
た被覆組成物を用いて塗料を調整し、各試験に供した。
その結果を表1に示す。
【0050】
【比較例1】参考例1で合成したカルボニル基含有共重
合体水性エマルジョン単独で塗料を調整し、各試験に供
した。その結果を表1に示す。
【0051】
【比較例2】参考例1で合成したカルボニル基含有共重
合体水性エマルジョン100部に2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジン0.7部を添加し、混合する
ことにより被覆組成物を得た。得られた被覆組成物を用
いて塗料を調整し、各試験に供した。その結果を表1に
示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の被覆組成物は、それを用いて塗
膜等を形成した場合に、初期光沢および光沢維持率に優
れた皮膜が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドラジン残基を有する光安定剤および
    /又はヒドラジン残基を有する紫外線吸収剤と、ポリカ
    ルボニル化合物及び/又はポリエポキシ化合物を含有す
    る被覆組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドラジン残基を有する光安定剤が、ヒ
    ドラジン残基を有するヒンダードアミン誘導体及び/又
    はヒドラジン残基を有するヒンダードフェノール誘導体
    であることを特徴とする請求項1記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 ポリカルボニル化合物がカルボニル基含
    有アクリル系共重合体水分散液であることを特徴とする
    請求項1または2記載の被覆組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエポキシ化合物がエポキシ基含有ア
    クリル系共重合体水分散液であることを特徴とする請求
    項1または2記載の被覆組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105155338A (zh) * 2015-09-10 2015-12-16 上海晶华胶粘新材料股份有限公司 抗uv水性纸张浸渍剂及其制备方法

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