JP2000103818A - ビニルエステルのスルホン酸塩末端オリゴマ―およびそのビニルアルコ―ルオリゴマ―誘導体 - Google Patents

ビニルエステルのスルホン酸塩末端オリゴマ―およびそのビニルアルコ―ルオリゴマ―誘導体

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JP2000103818A JP11263328A JP26332899A JP2000103818A JP 2000103818 A JP2000103818 A JP 2000103818A JP 11263328 A JP11263328 A JP 11263328A JP 26332899 A JP26332899 A JP 26332899A JP 2000103818 A JP2000103818 A JP 2000103818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのスルホン酸塩末端基を含み、それによ
りこの生成物を表面活性剤として有用なビニルエステ
ル、好ましくは酢酸ビニルのオリゴマーを提供するもの
である。このオリゴマーは加水分解して、同じく表面活
性剤であるスルホン酸塩末端ビニルアルコールオリゴマ
ーに転換することができる。ビニルエステルオリゴマー
の数平均分子量は17,000を超えず、ビニルアルコ
ールオリゴマーでは7,500を超えない。 【解決手段】 これらは水中で、好ましくは水とメタノ
ールのような共溶媒中で、連鎖移動剤として亜硫酸水素
塩の存在下でビニルエステルの重合により合成される。
ビニルエステルは重合反応系に遅延供給され、分子量は
亜硫酸水素塩で制御され、反応系は水または水と共溶媒
で膨潤した有機相を伴う見かけ上単一相に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、スルホン酸塩末端基を有する
ビニルエステルオリゴマーおよびそのヒドロキシルを含
む誘導体に関する。さらに本発明は、かかるポリマーの
製造方法に関する。また本発明は、そのまま使用され得
る、もしくはビニルアルコール基を含むスルホン酸塩末
端基を有するオリゴマーへ変換され得る低分子量のスル
ホン酸塩末端オリゴマーを形成するためにビニルエステ
ルの重合において亜硫酸水素塩連鎖移動剤を用いる方法
に関する。
【0002】今日の工業における様々な種類の要求に適
した界面活性剤および表面活性剤を見出すことはますま
す困難となっている。これらの物質は、石けん、洗剤、
乳化剤、分散および懸濁安定剤、紙コーティング剤、イ
ンク、色素分散剤および粉末化助剤、製紙用添加剤、凝
集剤などの製品に必要である。これらのそれぞれの使用
は、その特定の応用を満たすべく特定の要求を有し、こ
れらの要求に適合させるには、遊離ラジカル開始剤によ
り水溶系で容易に重合する使用可能なモノマーから低分
子量ポリマーまたはオリゴマーを製造することが非常に
好ましい。このような系においては、しかし分子量の制
御が問題となる。というのはポリマーの分子量は例えば
界面活性剤として使用するには高くなりすぎる傾向にあ
るからである。分子量は連鎖移動剤を用いることで低く
保つことはできるが、さらに、表面活性物質においてポ
リマーに含まれる必要とされる極性および非極性成分の
両方について問題がある。このことは、適する製品を製
造するために要求される化学と製造上の工程数を制限す
る経済上の制約の観点から特にそうである。
【0003】ポリ(酢酸ビニル)およびその加水分解誘
導体であるポリ(ビニルアルコール)は、二つのよく知
られたポリマーであって、大量に市販されている。しか
し、界面活性剤の特性に適する酸性基を含むようにこれ
らの物質を修飾することは困難である。今日試みられる
最も通常の経路は、酢酸ビニルと酸性官能性を有するモ
ノマーとの共重合による。例えば、「共重合によるポリ
(ビニルアルコール)の官能性修飾:1.カルボキシル
モノマーによる修飾」、Polymer、Vol.38、No.12、2933
ページ(1997)において、森谷と梶谷は、紙および織物
業のサイズ剤として有用な多機能性ポリマーは、酢酸ビ
ニルとカルボキシル含有モノマーとの共重合した後、ポ
リ(ビニルアルコール)の製造におけるように酢酸エス
テル基のアルコールへの加水分解によって得られること
を示唆している。開始剤としてAIBNが用いられた。
酸性基をこれらのポリマーへ導入するための共重合反応
経路は、酸性官能性がポリマーを界面活性剤としてより
効果的に作用させる分子内での末端位置というよりはむ
しろ酸性基がポリマー鎖へランダムに分布する結果とな
る。
【0004】他の酸性基を低分子量のポリマー分子へ導
入する方法は、米国特許3,646,099、Dannals(1
972)に記載されている。この特許はアクリル酸のよう
な親水性モノマーを還元剤として亜硫酸水素ナトリウム
の相対的に高い比率を用いて還元的重合反応により重合
するスルホン酸ナトリウム末端ポリマーを含むオリゴマ
ーの製造を開示する。親水性基を含むモノマーは、重合
モノマー単位で疎水性基コモノマーの比率が60モル%
を超えず、好ましくは30モル%より少ないという限定
条件で疎水性基を有するコモノマーの限定量と共重合さ
せることができる。これらのポリマーは導電剤としての
使用が示唆される。酢酸ビニルは疎水性基を含む示唆さ
れたモノマーの大きな群の中に挙げられているが、記載
内容から、そのようなモノマーは用いられたとしても少
量のコモノマーとしてのみ用いられることは明らかであ
る。これは、酢酸ビニルが重合生成物よりはむしろ亜硫
酸水素塩と反応して1:1の付加物を形成する傾向があ
ることが見出されたことから理解できる。例えばMukher
jee等は、「水性媒体中における亜硫酸水素塩−開始ビ
ニル重合」, Makromolekulare Chemie, 80, 208ページ
(1964)において、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、アクリル酸メチルおよびスチレンのような特定
のビニルモノマーの水系重合反応における亜硫酸水素塩
の使用について研究した。これらの成功した生成物は、
平均してポリマー鎖につき二つのスルホン酸塩末端基を
含むといわれている。しかしながら酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、メタクリレートおよびアクリル酸の場合に
は反応は失敗した。反応はモノマー特異的であると結論
された。さらに、ポリ(ビニルアルコール)製造の標準
的工業的実施は、亜硫酸水素塩は不溶であるメタノール
溶媒中で酢酸ビニルを重合することを要する。また、Sc
hmittは、J.Org.Chem., 60, 5474ページ(1995)で、
亜硫酸水素塩とアリル基とを反応させたが、スルホン酸
塩基と亜硫酸塩基の1:1の付加物の混合物を得ただけ
であると記載されている。
【0005】一方、米国特許4,360,632において
Pinschmidt等(1982)は、開始剤系においてケトン亜硫
酸水素塩をホルムアルデヒドを含まない還元剤として用
いて酢酸ビニルの高分子量ポリマーがエマルジョン重合
反応で得られることを開示している。生成物は不織布製
品製造においてラテックスの形態で有用な高分子量ポリ
マーである。ナトリウム亜硫酸水素塩をケトン亜硫酸水
素塩のかわりに用いた二つの実施例が良くない結果を与
える比較実験として開示されている。それゆえ、どのよ
うにしてこれらのポリマーに高められた表面活性化性を
与えるようにスルホン酸塩基を酢酸ビニルとビニルアル
コールのオリゴマーに導入するのかは未解決の問題とし
て残されている。
【0006】P. Ghoshy, S. C. Chadha, A. R. Mukherj
eeおよびS. R. PalitによるJ. Polym. Sci., Pt. A, 2,
4433−4440 (1964)とW. D. Hergeth, W. Lebek, R. Ka
kuschke, K. SchmutzlerによるMakromol. Chem. 192, 2
265−2275 (1991)の二つの論文には、過硫酸塩および酢
酸ビニルを用いて陰イオン性末端基化されたポリマーま
たはオリゴマーを合成する方法であって、極めて低いモ
ノマー濃度(前者においては1%で、475,000の
nのポリマーを与え、後者において、水中で合計0.0
5から0.8%の重合酢酸ビニルとなる高希釈遅延供給
により反応の終点で3000Mnのオリゴマーを与え
る)で処理することによる非常に非現実的な合成方法を
開示している。どちらの論文でも著者は生成物を(本製
造方法における移動反応によるのではなく)停止反応に
より製造されるものと記載している。また、後者はそれ
らの鎖が鎖あたり一つの硫酸塩末端基を含むと考えられ
ているけれども、前者の著者は鎖あたり1.3から1.8
の硫酸塩末端基を測定している。硫酸塩末端基は、スル
ホン酸塩末端基に比べて加水分解的に不安定(4434
ページ)でありビニルアルコールオリゴマーを合成する
ための加水分解には耐えられないものであろうとGhoshy
等により記載されている。二番目の文献の加水分解され
ていないオリゴマーの界面活性剤としての性質は本発明
者等が測定したものとは有意に異なっているように見え
る。
【0007】A. B. Moustafa, A. A. Abd El Hakim, G.
A. Mohamedは、J. Appl. Poly. Sci. 63, 239−246(1
997)で、1:1モル比の過硫酸塩と亜硫酸水素塩を用
い、界面活性剤や共溶媒を用いずに低固体(水に対して
10%VAcのみ)での酢酸ビニルのエマルジョン重合
を報告している。彼らはモノマーについて2.8重量%
の過硫酸塩ではわずかな転換しか得られていないが、モ
ノマーについて極めて高い5.6重量%の過硫酸塩によ
り90%変換を超えることができた。生成物は安定であ
り、分散性オリゴマーというよりはむしろ高分子量のエ
マルジョンポリマーと推定された。
【0008】
【発明の概要】本発明によれば、炭素数2から18の有
機酸のビニルエステルのオリゴマーであって、前記オリ
ゴマー分子はその一末端がスルホン酸塩を末端基とする
生成物が提供される。本発明はまた、末端にスルホン酸
塩基を有するビニルアルコールオリゴマーを提供する。
そのようなオリゴマーは、ビニルエステルのエステル部
分の少なくとも一部がヒドロキシ基に加水分解されたビ
ニルエステルオリゴマーの誘導体である。本発明はま
た、酢酸ビニルまたはビニルアルコールコオリゴマーで
あって、酸または四級アミンを含み、末端にスルホン酸
塩基を有するものを提供する。これらのオリゴマーは、
一つの強酸陰イオンを分子の一端に有することを特徴と
し、オリゴマー鎖への弱又は強酸陰イオン、またはパー
マネント陽イオンのレベルを調節可能にするものであ
る。本発明者等は、特定の製造方法に従えば、水溶性お
よび部分的に水溶性媒体中で亜硫酸水素塩連鎖移動剤を
用いてビニルエステル、特に酢酸ビニルを重合し、スル
ホン酸塩を末端に含むこれらの有用なオリゴマーを形成
することを見出した。
【0009】本発明の方法においては、重合反応混合物
は、水、好ましくはメタノールのような共溶媒との水、
ビニルエステル、亜硫酸水素塩、好ましくはナトリウム
またはアンモニア亜硫酸水素塩、および遊離ラジカル開
始剤、好ましくは酸化還元開始剤の一成分として供され
得る酸化剤を含むものである。この混合物は、通常エマ
ルジョン重合の製造系で実施されるように乳化剤を添加
することなく形成し得る。乳化剤を添加することもでき
るが、使用しないことが好ましい。製造生成物が形成さ
れるにつれ、スルホン酸塩末端オリゴマーは、充分低い
分子量である場合には充分な水溶性を残し、さらに系中
において相溶剤として働く。高い分子量の貧水溶性オリ
ゴマーが望まれる場合は、亜硫酸水素塩もモノマーも充
分可溶性または混和性である一相または事実上一相混合
物を維持するために共溶媒が用いられる。このようにし
てエマルジョン重合または分散重合において典型的な分
離ミセルと相分離した疎水性粒子の形成を避けることが
可能である。
【0010】この混合物をビニルエステルが多く/亜硫
酸水素塩が欠乏する相が形成されないような速度でビニ
ルエステルを混合物へ供給する間、温度、攪拌の重合条
件下に置く。すべての水溶性または少量の共溶媒を含む
系においてこのことは、混合物中のビニルエステルの濃
度が3重量%を超えないような速度でビニルエステルを
供給する、「不足供給(starve feeding)」を伴う。ま
たこの間、鎖あたりの単一のスルホン酸塩末端基を含む
生成物オリゴマーの平均の重合度(DP)が200(酢
酸ビニルについて数平均分子量が17,280)を超え
ないように混合物中の亜硫酸水素塩連鎖移動剤のレベル
は制御される。この生成物は混合物から回収されるか、
または混合物はスルホン酸塩末端ビニルアルコールオリ
ゴマー生成物を形成するために、オリゴマーの加水分解
に適した条件に変更される。加水分解オリゴマーの製造
のためには、亜硫酸水素塩レベルを最終生成物の平均重
合度が200を超えないようにするべきである。
【0011】
【発明の詳述】本発明によれば、炭素数2から18の有
機酸のビニルエステルが連鎖移動剤としての亜硫酸水素
塩の存在下で見かけ上単一相系で重合される。亜硫酸水
素塩はまた、水、理想的には水とアルコールのような共
溶媒(好ましくはメタノール)の存在下で実施される重
合反応で使用される酸化還元開始剤の酸化剤とともに還
元剤として作用し得る。
【0012】重合反応は、反応中ビニルエステルと亜硫
酸水素塩の適切な比を実質的に維持する見かけ上単一相
で行われる。この単一相系は、亜硫酸水素塩のレベルを
制御して生成したオリゴマーまたはポリマーが相対的に
分子量において低くなるようにモノマーの遅延供給によ
り、また好ましくは重合混合物に添加する外部界面活性
剤を用いることなく適当な溶媒と溶媒混合物をうまく使
用することにより維持される。この方法においては、重
合している疎水性モノマーを水溶性亜硫酸水素塩から分
離する傾向を有するミセルは反応混合物においては形成
されないか少なくとも最小限にされる。さらに酢酸ビニ
ルおよび亜硫酸水素塩が別の相に分離することを最小限
にするために、ビニルエステルと、あるとすればコモノ
マーを、連続的に、または間欠的か半連続的に系に加
え、ビニルエステルと亜硫酸水素塩の制御比を維持す
る。モノマーの供給は、重合反応の間モノマーが亜硫酸
水素塩を含む相から亜硫酸水素塩の欠乏した有機相へ実
質的に相分離しないように制御される。炭素数2〜12
の有機酸のビニルエステル、特に酢酸、プロピオン酸お
よびtert−酪酸のビニルエステルの使用が好まし
い。重合反応が進行するにつれ、生成物であるスルホン
酸塩末端オリゴマーは、系中で疎水性共溶媒として作用
し始め、水、亜硫酸水素塩および存在するあらゆる共溶
媒で膨潤した有機相を形成する。この現象は重合系を単
一相から二相系へ変えるように見えるかもしれないが、
実際は二相系のミセル分離エマルジョン(分散)重合に
おいて通常理解されている意味で、そうではない。スル
ホン酸塩末端オリゴマーの生成により形成され、相溶化
剤として作用するどのような有機相もモノマーから亜硫
酸水素塩を除去することはない。というのはそのような
有機相は水、または水と共溶媒で十分膨潤し、水に可溶
な亜硫酸水素塩が効果的な濃度でモノマーに供され得る
からである。同様に、共溶媒と水の多い相にある溶解し
たオリゴマーは、ビニルエステルモノマーがその相から
過度に減少することを抑制する。これは、エマルジョン
系で通常存在する場合、すなわちほとんどのビニルエス
テルは塩が枯渇した疎水性相に存在して高分子のポリマ
ーとなるものとは異なっている。
【0013】本発明の製造方法により製造されるオリゴ
マーは極めて広い範囲の分子量を有するものであり、
低、中および高分子量オリゴマーとして特徴付けること
ができるが、これらのすべてが表面活性剤としての種々
の応用において用いられる。本発明を定義するために用
いる「オリゴマー」は重合した化学種を意味する。すな
わち、単なるモノマーとスルホン酸塩ラジカルとの付加
物ではなく、平均2から200モノマー単位(DP<2
00)を有するポリマーであり、酢酸ビニルについては
数平均分子量(Mn)が約17,000程度を有すること
のできるポリマーである。これらのオリゴマーの範囲
は、好ましくはダイマーおよびトリマーから、オリゴマ
ーであって、ビニルエステルオリゴマーの場合には1
5,000以下、ビニルアルコールオリゴマー(完全に
加水分解されたPVOHとして計算)の場合には7,5
00以下のMnを有するオリゴマーである。より好まし
くは、ビニルエステルのオリゴマーのMnは、350か
ら8000の範囲であり、ビニルアルコールのオリゴマ
ーのMnが175から6000の範囲である。オリゴマ
ーの分子量は、生成物の溶解性を決定し、Mnが約20
00までである非加水分解オリゴマーは加水分解前で水
に対し混和性を示し、より高分子量のオリゴマーは水に
分散性を示しアルコールには容易に混和または溶解す
る。
【0014】オリゴマーの分子量はモノマーと亜硫酸水
素塩の比を調整すること、またテトラヒドロフラン又は
イソプロパノールのような連鎖移動共溶媒を用いること
で制御可能である。分子量の制御は重合混合物中のビニ
ルエステル、開始剤、又は共溶媒の一つまたはそれ以上
のレベルを調節すること、また温度を変えることにより
なされ得る。一般的には、モノマーのレベルを増加させ
ることにより分子量は高くなり、一方開始剤、共溶媒、
または温度を増加することにより生成物の分子量は低く
なる。
【0015】ビニルエステルは30モル%までの酢酸ビ
ニルと通常共重合される種々のコモノマーと共重合され
得る。例えば、適したコモノマーにはホモ重合反応に適
した他のビニルエステル、特にC11からC16のネオ酸の
エステル;ビニルスルホン酸ナトリウム(SVS);ジ
アリルジメチルアンモニウムクロリド;無水マレイン
酸;アクリル酸、クロトン酸、アクリルアミドプロパン
スルホン酸(AMPS)、イタコン酸、メタアクリル
酸、マレイン酸またはフマル酸であって、例えばアンモ
ニアまたはアルカリ金属の水酸化物によりpHが3から
5に中和されている酸性モノマー;アクリルアミドおよ
びN−メチロールアクリルアミドのような置換されたア
クリルアミド;ビニルクロリド;エチレン;マレエート
またはフマレートエステルまたは中和された半エステ
ル;アミドまたは半アミド;アミドエステル;C1から
18のアルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エス
テル;ヒドロキシエチルおよびアクリル酸ジエチルアミ
ノエチルのような機能性(メタ)アクリル酸エステル;
アクリロニトリル;アリルエステル;N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルホルムアミド、およびN−ビニルアセ
トアミドのようなN−ビニルアミド等が含まれる。コモ
ノマーを用いた場合には、主モノマーとの関係でそれら
の比が、コモノマー対ビニルエステルでモル比で1:2
0から1:9の範囲であることが好ましい。
【0016】亜硫酸水素塩連鎖移動剤は、水系媒体中で
遊離ラジカル開始重合反応中の連鎖移動効果を有するど
のような亜硫酸水素塩化合物も使用可能である。好まし
い亜硫酸水素塩としては、容易に入手でき、また容易に
使用できるということから、亜硫酸水素アンモニウム、
亜硫酸水素ナトリウム、またはメタ亜硫酸水素塩であ
る。また、アルカリ土類塩およびアルキルアンモニウム
塩のような他の対イオンのものも好ましい。他の亜硫酸
水素塩として、亜硫酸塩を部分的に酸性化して亜硫酸水
素塩にし、また水に二酸化硫黄を溶解して部分的に中和
して使用することができる。
【0017】本発明のオリゴマーを製造する際には、重
合されるモノマーに関連して用いられる亜硫酸水素塩連
鎖移動剤の量は、望ましいオリゴマーの分子量に依存す
る。ビニルエステル対亜硫酸水素塩のモル比は少なくと
も2対1であるべきであり、50または60対1または
それ以上高いものが可能である。この比はオリゴマーの
分子量を決定する主な変数であるが、系のpHもまた考
慮の対象である。反応は平衡反応により、亜硫酸水素塩
イオンが過度にH2SO4または亜硫酸塩にならないpH
が3から7の範囲が最も進行する。系のpHを4から6
の範囲に維持することが好ましい。反応進行中のpH変
化はまた亜硫酸塩/亜硫酸水素塩の比に影響し、望まし
くは例えば緩衝剤を用いて制御される。炭酸水素ナトリ
ウムはこの目的に極めて効果的であるが、望ましい範囲
を緩衝するために使用される知られた他の緩衝系も使用
可能である。pH値8.0以上または3.0以下は低分子
量オリゴマーを達成するのに好ましくない、というのは
おそらく必要な連鎖移動機能を維持するには亜硫酸水素
塩の濃度があまりに低くなるからである。バッチ操作で
は亜硫酸水素塩は最初にまたは反応中連続的に供給する
ことができる。
【0018】本発明の製造方法において使用される開始
剤は、ラジカル反応的に重合可能なモノマーを重合する
に適しているとして本技術分野において知られた遊離ラ
ジカル重合開始剤であればよい。これには熱活性化ラジ
カル開始剤と酸化還元系が含まれる。好適な開始剤の例
としては過硫酸カリウム、アンモニウム、ナトリウムの
ような無機過酸化物;過酸化水素;アゾ−ビス−イソブ
チロニトリルのようなアゾ化合物;例えば過酢酸である
過酸のような有機過酸化物、過酸化ベンゾイルのような
過無水物、過ネオデカン酸ブチルのような過エステル、
t−ブチルヒドロペルオキシド、および酸素自体であ
る。酸化還元系は酸化剤、還元剤および痕跡量の適当な
遷移金属の組み合わせに基づいたものを含む。鉄、銅、
ニッケル、またはクロムのような金属イオン、最も好ま
しくは鉄(II)または鉄(III)塩と、過酸化水素、t
−ブチルヒドロペルオキシド、またはK228のよう
な酸化剤との組み合わせがまた適当な選択である。亜硫
酸水素塩は還元剤であるから、酸化還元系を形成するた
め追加の還元剤を加えることは冗長となるかもしれない
が場合による。過硫酸塩は好ましい開始剤である。開始
剤は特に酸化還元系の一部として操作する場合には、好
ましくは重合混合物へのモノマーの重合率を制御するの
に効果的なレベルで連続的に加えられる。好適な量は、
使用モノマーの0.01から5重量パーセントであり、
好ましくは開始剤はモノマーの0.1から1.5重量パー
セントに対応する量で加えられる。
【0019】ビニルエステルのテロ化で選択される溶媒
系は、ビニルエステルおよび亜硫酸水素塩化合物ともに
少なくともある程度は溶かすものである。水または水/
アルコール混合物は好ましい。メタノール、エタノー
ル、1−プロパノールのようなアルコール、または水混
和性溶媒かアセトニトリルやテトラヒドロフランのよう
な共溶媒もまた好ましい選択である。最も好ましい溶媒
は水のみ、またはメタノール添加の水である。この系は
主にアルコール媒体であるが、亜硫酸水素塩を溶解する
十分な水がなければならない。好ましくは水とメタノー
ルとの体積比は0.2/1から10/1の範囲である。
一般的には、水のみの使用、または5体積パーセントま
でのメタノールを含む水の使用は、例えば数平均分子量
(Mn)が1200より小さいオリゴマーのように、非
常に低い分子量オリゴマーの製造に適している。メタノ
ールのより高い比率での使用が、一般的には、より高い
分子量のオリゴマーには必要とされる;狭い範囲では、
他の条件が等しいとすると、メタノールのレベルが増加
するほどオリゴマーの分子量は低くなる。
【0020】出発反応混合物が単一相であっても、生成
物オリゴマーの限られた混和性のためにより有機物の多
い相が生じる傾向がある。これは疎水物(すなわち酢酸
ビニル)対親水物(すなわち亜硫酸水素塩イオン)の比
が増加するにつれて、単一相混合物を維持するためによ
り高いレベルのアルコールまたは他の有機共溶媒を用い
ることで相殺することができる。最終オリゴマー対溶媒
比は10重量パーセント未満から50パーセントまたは
それ以上高い範囲で変えることができ、経済的な理由か
らはより高い比が好ましく、非常に低分子量を得るため
にはより低い比が好ましい。30から55重量パーセン
トのオリゴマーレベルが好ましい。重合混合物において
単一相を維持することはより狭い重合分散性のオリゴマ
ー製造にとってさらに有利である。反応終了時に、しか
しながら、例えば冷却により混合物が二相系へ変わるこ
とはオリゴマーを溶媒から分離することを容易にする。
【0021】反応温度は広い範囲で変えることができる
が、一般的には約20℃から100℃の範囲である。操
作の容易さから好ましい温度は25℃から75℃であり
最も好ましいのは約60から70℃である。この範囲外
の温度でも操作可能である。反応時間はバッチ反応の場
合通常約1から10時間、連続操作においては反応装置
ターンオーバーは同じく1から10時間である。
【0022】本発明の方法は、末端スルホン酸塩基の効
果が失われてしまうくらいの高分子量のポリマーではな
く、むしろビニルエステルのスルホン酸塩末端オリゴマ
ーを製造することができる。理論に拘束されるわけでは
ないが、この理由としては、急速に重合している相にお
いて亜硫酸水素塩とモノマーの有効な比は本発明の方法
においては他の重合方法で見られるよりもより高く維持
されていることと考えられる。これは、系へのモノマー
の不足供給、および反応中に重合混合物の相条件を制御
することにより達成される。この条件は本発明において
は「見かけ上単一相」として定義される。この用語は、
実際の単一相と擬似的二相系であって溶媒相から分離す
るように見える有機相が十分水または水と共溶媒とによ
り膨潤し亜硫酸水素塩がその有機相にも可溶となる相の
両方を含む。それによって、そうでなければモノマーと
亜硫酸水素塩を分離させようとするであろう分離効果が
ほとんどないか全くない。反応の初期において、モノマ
ーも亜硫酸塩イオンも、水または水/アルコール混合物
溶媒に可溶である。この相互可溶性は、オリゴマー鎖が
成長する間には溶媒で膨潤した有機相で維持される。特
に酢酸ビニルは本発明のオリゴマーの合成を容易にする
べく、水溶性、ポリマー親水性、モノマーの亜硫酸水素
塩との反応速度、および自己重合速度の好ましい組み合
わせを有する。
【0023】本発明の製造方法において、モノマーと亜
硫酸水素塩との相対的溶解性は従来の酢酸ビニルエマル
ジョン重合条件すなわち、より高い濃度の酢酸ビニルが
存在し、共溶媒が存在せず、亜硫酸水素塩がより低い濃
度か全く存在しない条件とは全く異なるものである。そ
のような系においては短い成長ポリマー鎖は、すでに形
成された疎水性粒子への吸着か、またはミセルの形成に
よって有機層に分配される。この場合、水相に好ましく
溶解する亜硫酸水素塩イオンが、モノマーが多くて亜硫
酸水素塩が枯渇した条件でポリマーが成長を続ける有機
相から除かれる傾向にある。このような条件は高分子量
のポリマーを生成する。最終的な連鎖移動が新たな非ス
ルホン酸塩末端鎖を生じさせ、これはまた、高分子量に
成長する。水中のこの疎水性鎖の貧溶解性は、疎水性鎖
が亜硫酸水素塩により停止されテロマー化反応を再開し
得る水性相への逆移動を本質的に抑制する。同様に疎水
性鎖は疎水性相のモノマーに膨潤するか溶解し、亜硫酸
水素塩の多い水性相のモノマー濃度を減少させ、モノマ
ー相の亜硫酸水素塩濃度を抑制する。
【0024】本発明のスルホン酸塩末端ビニルアルコー
ルオリゴマー生成物はスルホン酸塩末端ポリ(ビニルエ
ステル)の加水分解により得られる。加水分解は望まし
い場合には部分的になされ得るが、加水分解は本質的に
適当な条件下で完全になされ得る。もしビニルアルコー
ルオリゴマー生成物が当初の目的である場合には、酢酸
ビニルのオリゴマーを用いることが合理的である。より
高級酸のビニルエステルを用いることにより得られる利
点はない。エステルの酸部分はポリマーの加水分解によ
り除かれるからである。酢酸ビニルは取り扱いが最も容
易なモノマーであるとともに、最も入手しやすいビニル
エステルである。しかしながらコモノマーも使用でき
る。これらはオリゴマー構造に加水分解では破壊されな
い官能性を導入するからである。本発明において、ポリ
(ビニルアルコール)を得るためポリ(酢酸ビニル)を
加水分解は、この分野でよく知られた方法であり、従来
の条件を適用することができる。加水分解はオリゴマー
をメタノールと混合し、場合によっては少量の固形物を
濾過して除き、酸または塩基を加水分解触媒として加え
ることで容易に制御して行われる。これにより使用する
触媒の量、加水分解時間および温度に依存して容易に水
溶性の望ましい分子量および加水分解の程度を有するス
ルホン酸塩末端ビニルアルコールオリゴマーが提供され
る。通常は生成物は固体である。生成物は良好な色、冷
水へのすみやかな溶解性を有し、非常に低い粘度の溶液
を与える。
【0025】酢酸ビニルテロマー化反応からのオリゴマ
ーの加水分解は、速度を増加し、酢酸イオン(または酸
性条件では酢酸)の副生成物を最小にするために高いア
ルコール溶液中で行うのが最も好ましい。これは例え
ば、水を最初の反応において最小量とするか、または重
合混合物の水を減圧下でほとんど除くことにより達成す
ることができる。過剰のメタノールまたは場合によって
はエタノールをオリゴマーに対して5から80重量パー
セント、好ましくは30から50重量パーセントの比で
添加する。この工程に従い有効なレベルの酸または塩基
触媒が添加される。そのような触媒はポリ(ビニル)ア
ルコールの合成技術ではよく知られている。水酸化ナト
リウムまたはカリウムまたはそれらのメトキシドは塩基
触媒の例であり、塩酸、硝酸、硫酸およびメタンスルホ
ン酸は酸触媒の例である。触媒の効果的な量は、オリゴ
マーに対し0.1モルパーセントより少ない量から10
モルパーセントより多い量まで変り得る。この量は反応
の時間と温度と同様に系に残留する水の量に依存する。
水の量としては混合物の25パーセントより多い場合も
可能であるが、好ましくは15パーセントより少ない量
であり、最も好ましくは6パセントより少ない量であ
る。通常、水のない系では時間は1から30分であり、
水を含むアルコール媒体では15分から8時間である。
温度は25℃より低い温度から100℃より高い温度ま
で変え得る。好ましくは温度は35から70℃の範囲で
ある。この条件はオリゴマーの分子量と加水分解の望ま
しい程度に依存する。アルコール溶媒を使用する場合に
は、生成物は白色またはオフホワイトの固体として沈殿
するかまたは相分離し、アルコールから分離され、酢酸
エステルおよびその他の塩を副生成し得る。加水分解の
程度は、反応条件およびオリゴマーのサイズと型に依存
して特定の応用に望ましいように広範に変えることがで
きる。加水分解の程度は約10パーセントから100パ
ーセントまで変化させることが可能である。他の可能な
転換には、酸または塩基を添加して水中で加水分解する
こと、または高い水含量/溶媒混合物中での加水分解を
含む。これらの方法は、加水分解副生成物が生成物の性
能を害さない場合や、低い加水分解の程度が望ましい場
合には好ましい。本発明の他の態様、有利な効果、およ
び特徴は、本発明について例示はするが本発明を過度に
限定するものと解釈されるべきではない次の実施例から
当業者には自明のものであろう。
【0026】実施例1 この実施例は、酢酸ビニルを連鎖移動剤としての亜硫酸
水素塩の存在下で重合する半連続重合反応を説明する。
攪拌器、窒素導入口、反応温度測定用センサーを設けた
2リットル大気圧重合反応容器に150mlの水と50ml
のメタノールを入れた。水および有機試薬を窒素で10
分間混合前にパージして脱酸素した。重合反応容器を窒
素で脱ガスし、65℃に加熱した。50mlメタノール中
の酢酸ビニル(500ml、5.4モル)を反応容器に2.
77ml/分の速度でフィードポンプで遅延供給した。水
200mlとメタノール50ml中の亜硫酸水素ナトリウム
(20g、0.19モル)を1.7ml/分の速度でフィー
ドポンプで遅延供給した。水50ml中の過硫酸カリウム
と炭酸水素ナトリウム緩衝液(4.0gおよび1.0g)
を0.7ml/分の速度でフィードポンプで遅延供給し
た。反応混合物を3時間攪拌し、その時間内にすべての
反応試薬を加えた。粗反応生成物はpH4.5でオリゴ
マーのスラリーであった。オリゴマーはグリース状ペー
ストの48重量パーセント固体として集めた。収率は9
5パーセントであった。生成物はメタノールと容易に溶
解し、水中では濁り、振り混ぜた際には泡を形成する溶
液を与えた。ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分
析により、重量平均分子量(Mw)が5210g/モル
であり、数平均分子量(Mn)が1655g/モルであ
り、多分散性(PD)が3.14であった。
【0027】実施例2〜9 実施例2〜9では、酢酸ビニル(VAc)と亜硫酸水素
塩(HSO3)との比、共溶媒の使用、および亜硫酸水
素塩の添加方法以外は実施例1の方法を繰り返した。こ
れらの変更は表1に示した通りである。亜硫酸水素塩の
バッチ添加には、遅延的に供給するというよりはむしろ
反応容器へ単純に溶液を注ぎ込むことを含めた。また、
実施例6においては、3重量パーセントのIgepal 887
(ノニルフェノールポリエトキシレート)は最初の水添
加物に界面活性剤として加えた。これらの実施例におい
て反応温度は60℃、反応時間は遅延供給で4.5時間
で終了するようにし、緩衝剤は酢酸と炭酸水素ナトリウ
ムによりpH4〜5に調節した。
【0028】このようにして形成したスルホン酸塩末端
オリゴマー生成物を真空下で水を除いて濃縮し、メタノ
ールに再溶解し、未反応の亜硫酸水素塩をろ過して除い
た。加水分解は水酸化ナトリウムを触媒として加え(オ
リゴマーを基準として0.1〜10モルパーセント)、
溶液を40℃で15分間加熱することにより行った。白
色からやや黄色の細かい粉末の最終生成物を集め、室温
で減圧下風乾した。生成物の分析は、水系/非水系GP
C、マトリックスアシストレーザー脱離/イオン化(M
ALD/I)、および13C NMRにより、分子量決
定、生成物分布、加水分解百分率、および末端基分析に
より行った。結果は表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示されるように、高いVAc:HS
3モル比でのテロマー化は最終生成物の分子量を増加
させた(実施例8と9を比較)。一方、亜硫酸水素塩に
対する酢酸ビニルの比が増加するにつれ、またオリゴマ
ーがより水に溶けにくくなるにつれ、メタノールまたは
プロパノールを添加すると数平均および重量平均分子量
および多分散性が減少した(実施例4、5と7を比
較)。同じことが界面活性剤を水のみの溶媒に加えた場
合にも当てはまる(実施例5と6参照)。このことは、
通常粘稠な油状であり低ガラス転移温度(Tg)を有す
るオリゴマーの分子量を制御する便利な方法を示す。重
量平均分子量が5000のポリマーはTgとして15℃
を示した。また注目すべきは、ポリマーの多分散性は亜
硫酸水素塩をバッチ添加して製造した場合、遅延供給を
用いた場合よりもより高ったことである。比較実験であ
る実施例2は、モノマーと亜硫酸水素塩を等モル比で用
いた場合には、酢酸ビニルと亜硫酸水素塩の1:1付加
物がオリゴマーよりもむしろ主な生成物であることを示
している。
【0031】サンプルは水またはテトラヒドロフラン中
のどちらかでGPC分析した。この分子量範囲はGPC
分析での典型的な値よりも低いが、結果はNMRによる
末端基分析およびMALD/I分析による計算値と一般
的に一致した。高分子量のオリゴマーは主に古典的なポ
リ(酢酸ビニル)の13C NMRスペクトルに小さな付
加的ピークを61、55および33.5ppmに示した。低
分子量のオリゴマーは同じピークであるが、よりブロー
ドで低分解能のポリ(酢酸ビニル)のピークを示し、ま
た前記のより小さなシグナルの比の増加を示した。低分
子量のオリゴマーはまた、少量からかなりの量までの
1:1付加物であるナトリウム酢酸イセチオン酸エステ
ル(SIA)を含む傾向があり、ある場合には、アセテ
ートとアセトアルデヒド/亜硫酸水素塩付加複合体(A
BA)を含む加水分解の生成物を含む傾向がある。非常
に低分子量オリゴマーにはしばしばこれらの物質が多く
含まれ、たいていのサンプルではビニル基シグナルはな
かった。このことは、酢酸ビニルではラジカル−ラジカ
ルの組み合わせがまれであることから、停止反応は不均
化反応によるよりはむしろ亜硫酸水素塩または溶媒から
の水素移動によるという結論を支持する。61、55、
33.5ppmの末端基ピークは同じ面積であった。このこ
とはさらに、オリゴマーは亜硫酸塩末端基(この場合に
はずっと低磁場で共鳴するであろう)というよりは主に
またはもっぱらスルホン酸塩末端基を有するという結論
を支持する。これはアリルエーテルの亜硫酸水素塩との
反応でSchmitt(上記)により報告された結果とは際立
って対照的である。
【0032】生成物の一つのMALD/I質量分析スペ
クトルは、化学構造:NaO3S−(VAc)n−Hを確
認するイオンピークの分布を与えた。SO2の欠失(亜
硫酸塩に予想される)や硫酸塩による停止反応、または
二つのスルホン酸塩末端基を生じるオリゴマーラジカル
/オリゴマーラジカルによる消滅による停止反応に対応
する有意なピークは見られなかった。スルホン酸塩末端
酢酸ビニルオリゴマーであってMwとして910、Mn
して640を有すると分析された生成物の界面活性剤と
しての効果を試験した。異なった濃度の溶液を蒸留脱イ
オン水で製造した。表面張力を25℃±0.5℃で、デ
ュヌイリング法とヒュー−メイソン補正を用いて測定し
た。結果を表2に示した。ラウリル硫酸ナトリウム(S
LS)についての3重量パーセントでの表面張力は38
ダイン/cmに等しいので、これらのデータは本発明の生
成物が表面活性剤としてより効果的であることを示す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例 この比較例は、水溶性低分子量オリゴマーを与えるため
の効果的な量の共溶媒の供給も、亜硫酸水素塩に対する
酢酸ビニルの十分低い比も用いることなく、単一相をま
たは実質的な意味で単一相を維持することなく重合反応
を行った場合には、許容できないほど高い分子量で広い
分子量分布を得る結果となることを示す。2リットル大
気圧重合反応容器に水300mlを入れた。混合物を窒素
で脱ガスし65℃に加熱した。反応容器に次の試薬をフ
ィードポンプで遅延供給した。酢酸ビニル(100ml、
1.08モル)、亜硫酸水素ナトリウム(水300ml
中、15g、0.096モル)および過硫酸カリウム/
炭酸水素ナトリウム(水250ml中、1.0g/1.0
g)。反応混合物を4.5時間攪拌、その間にすべての
試薬を添加した。粗反応生成物はpH4.5の乳濁物と
固体の凝塊物の混合物であった。メタノールに容易に溶
解した。GPC分析によると、Mn=9612g/モ
ル、Mw=535,046g/モル、PD=55.7であ
った。あるいは、15%が10,000より低く、13
%が10,000〜30,000の範囲、9%が30,0
00〜50,000の範囲、および63%が50,000
より高い分子量であるといえる。生成物の大部分はスル
ホン酸塩末端基をもっていないと考えられる。
【0035】実施例10 この実施例は亜硫酸水素ナトリウム塩の代わりに亜硫酸
水素アンモニウムを使用した例を示す。実施例1の方法
に従って、重合反応容器に150mlの水と、100mlの
45重量パーセントの亜硫酸水素アンモニウムを含む水
溶液を入れた。この混合物を酢酸で中和してpH4.5
とし、窒素で脱ガスを行った。酢酸ビニル(750g、
8.1モル)および250mlの水中の過硫酸カリウム/
炭酸水素ナトリウム(3.0g/2.8g)を実施例1で
使用した速度で遅延供給した。最終生成物相は水溶液か
ら冷却により分離し、反応容器から容易に流れ出した。
GPC分析により、Mw=17,000g/モル、Mn
1,800g/モルおよびPD=9.4であった。
【0036】実施例11 実施例1の一般的な方法を用いて、スルホン酸塩末端オ
リゴマーを酢酸ビニルとビニルスルホン酸ナトリウムの
共重合により合成した。150mlの蒸留水と50mlのメ
タノールを加えて最初の重合反応容器のpHを酢酸で
4.5に調整した。酢酸ビニル(500g、5.41モ
ル)と、125mlの水中の過硫酸カリウム/炭酸水素ナ
トリウム(5.0g/2.25g)を0.6ml/分の速度
で別々に遅延供給した。亜硫酸水素ナトリウム(60
g、0.58モル)の水/メタノール混合物(150/
50)を1.6ml/分の速度で反応容器に遅延供給し
た。別に、100mlの25重量パーセント水性硫酸ビニ
ルナトリウムを1.6ml/分の速度で遅延供給した。9.
3:87.3:3.8モル比の硫酸塩、酢酸ビニル、およ
びSVSを含む最終生成物は容易に水に溶け、振り混ぜ
た際に泡を形成する溶液を得た。MALD/I測定によ
り構造:-3S−[VAc]n−[SVS]m−Hと、Mw
1670、Mn=1300およびPD=1.28を確認し
た。
【0037】実施例12 酢酸ビニルとアクリル酸(AA)とのスルホン酸コオリ
ゴマーを実施例11に従い合成した。50mlのメタノー
ル中の酢酸ビニル(400ml、372g、4.32モ
ル)、200mlの水中の亜硫酸水素ナトリウム(30.
0g、0.29モル)、100mlの水中の過硫酸カリウ
ム/炭酸水素ナトリウム(3.4g/1.5g)を、15
0/50の水/メタノール混合物を含む反応容器中に実
施例11で使用した速度でフィードポンプにより遅延供
給した。150mlの水中の純粋なアクリル酸(20.0
g、0.28モル)をアルカリ金属水酸化物でpH4.7
に調整し、0.9ml/分で遅延供給した。反応終了の
ち、重合反応容器から溶媒を真空で除きオリゴマーのナ
トリウム塩またはカリウム塩の水溶液を得た。生成物の
MALD/I測定により構造:-3S−[VAc]n
[AA]m−H、およびMw=1860、Mn=152
0、PD=1.22を確認した。結合比は本質的に化学
量論的であった。
【0038】実施例13 実質的に実施例11と同じ方法を用いて、酢酸ビニルと
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMA
C)のスルホン酸塩末端コオリゴマーを合成した。ある
程度の高い分子量ポリマーも形成されたが、オリゴマー
は構造:-3S−[VAc]n−[DADMAC]m−Hを有
していた。
【0039】実施例14 酢酸ビニルのスルホン酸塩末端オリゴマーを、実施例1
の一般的方法において連続プロセス操作をシミュレート
するように変更して合成した。重合反応容器に水/メタ
ノール混合物を入れ、65℃に加熱し、pHを4.8か
ら5.1に維持した。酢酸ビニル/メタノール(250m
l/50ml)は2.77ml/分の速度で遅延供給を開始し
た。亜硫酸水素ナトリウム(30g)は250mlの水と
50mlのメタノールに溶解し、1.7ml/分の速度で遅
延供給した。過硫酸カリウム/炭酸水素ナトリウム
(5.0g/1.5g)を150mlの水に溶解し、0.7m
l/分の速度で遅延供給した。この添加の終点では30
重量パーセントの固体が得られ、生成物はやや濁ってい
た。この反応混合物から300gの生成物を除いた。追
加的にVAc(250ml)、水200ml中のHSO3
および過硫酸塩を連続的に添加しメタノールをさらに追
加することなくVAc:HSO3(9:1)比を同じに
維持した。この添加の最後に36重量パーセントの固体
を得た。オリゴマーを反応容器の底から3時間毎に除
き、全操作の間反応装置内に少なくとも500gのオリ
ゴマー溶液を維持した。この最後の工程を65重量%の
固体が得られるまでメタノールを追加することなく数回
繰り返した。最終生成物は極めて粘性になり、またやや
濁っていた。これは水に対して低い溶解性を示した。操
作の途中での生成物のGPC分析は、Mw=3,100,
n=1,600、PD=1.9であった。さらに操作の
最終生成物はMw=10,000g/モル、Mn=2,90
0g/モル、PD=5.5であった。
【0040】実施例15 実施例14の方法を同じ操作パラメーターを用いて繰り
返した。GPC分析は操作の間4回のカットで行った。
結果を表3に示す。より後のカットでは、オリゴマー濃
度をあまりに高く成長させることは、分子量と多分散性
に対しては負に作用することを示している。
【0041】
【表3】
【0042】実施例16〜22 これらの実施例は酢酸ビニルを主モノマーとし、ビニル
スルホン酸ナトリウム、アクリル酸、またはジアリルジ
メチルアンモニウムクロリドをコモノマーとするスルホ
ン酸塩末端コオリゴマーの合成の追加例示す。実施例1
6では酢酸ビニルのスルホン酸塩末端ホモポリマーをコ
オリゴマーとの比較のために合成した。生成物はいくら
かの高分子量ポリマーを含む低分子量オリゴマーの混合
物であった。操作手順は表4に与えられている。生成物
の性質は表5にまとめた。
【0043】
【表4】 反応条件は20から100℃、1から10時間、および
pHは3から7.0であった。
【0044】
【表5】 表5のすべてのポリマーは、表面活性剤としての機能を
示すべく振り混ぜた際泡を生じた。
【0045】実施例23 この実施例は本発明によるオリゴマー形成においてコモ
ノマーとして無水マレイン酸の使用を示すものである。
100mlのメタノールを混合した100mlの水中亜硫酸
水素ナトリウム(20.0g、0.192モル)を2リッ
トルガラス重合反応容器に入れた。実施例12で記載し
た方法に従って、100mlのメタノール中酢酸ビニル
(500ml、5.4モル)を2.77ml/分の速度で遅延
供給した。水120ml中過硫酸カリウム/炭酸水素ナト
リウム(3.4g/1.5g)を0.6ml/分の速度でフ
ィードポンプにより遅延供給した。250mlのメタノー
ル中の無水マレイン酸(20.0g、0.203モル)を
水性水酸化ナトリウムを数滴加えることによりpH4.
5に中和し、この溶液を1.3ml/分の速度で反応容器
へ遅延供給した。反応を終了し、溶媒を減圧ストリッピ
ングで分離し、オリゴマーの水溶液を得た。最終生成物
は末端がスルホン酸塩であり、モル比3:93:4で共
重合した酢酸ビニルと無水マレイン酸を含み、容易に水
に溶解し、振り混ぜると泡立った。
【0046】実施例24〜34 この実施例は高分子量を有するスルホン酸塩末端オリゴ
マーの合成を示す。分子量はモノマーに対する亜硫酸水
素塩のモル比、共溶媒として用いたメタノールに対する
水のモル比の調整、およびオリゴマー化反応を連続反応
として操作することにより制御した。 実施例24にお
いては、実施例14で示した方法を用いて試薬を100
mlの水とメタノールを含む2リットル重合反応容器へ連
続的に添加した。65℃で、pHを4.2から4.8で反
応混合物に1200mlメタノール(MeOH)中の酢酸
ビニル2000mlを4.1ml/分の速度で反応容器へ遅
延供給した。亜硫酸水素ナトリウムを水260mlに溶解
し0.33ml/分の速度で遅延供給した。過硫酸カリウ
ム/炭酸水素ナトリウム(18g/5.4g)を500m
lの水に溶解し、0.9ml/分の速度で遅延供給した。こ
の添加終了後、反応混合物は40から50重量パーセン
トの固体を含み、やや濁っていた。3時間毎にオリゴマ
ーを反応容器の底から除き、全反応操作中で反応容器中
に少なくとも最小量(500g)のオリゴマー溶液を維
持するようにした。初期の段階で300gの生成物を除
いた。
【0047】実施例25〜34では、実施例24の工程
を繰り返して行った。ただし、酢酸ビニルと亜硫酸水素
ナトリウムのモル比と、溶媒としての水とメタノールの
体積比を変化させて別の実施例とした。オリゴマー生成
物の分子量はGPC分析で決定した。得られた生成物
は、中から高分子量の範囲を有する酢酸ビニルのスルホ
ン酸塩末端オリゴマーであった。それぞれの実施例の結
果を表6にまとめた。単一相が反応で観察された際は、
溶液は粘稠で、水に分散性があり、メタノールには可溶
であった。有機相が観察された際は、この相はメタノー
ルおよび水で膨潤し粘稠であったが、水相は低粘稠であ
った。すべての実施例の反応混合物は、酢酸ビニルと亜
硫酸水素塩が相分離により分離されない、本発明で定義
する意味で見かけ上単一相であった。それにもかかわら
ず、多分散性は真の単一相の場合には、水で膨潤した二
相が観察された場合(例えば、実施例26と30を実施
例27と28との比較)よりも一般的に良好であった。
【0048】
【表6】
【0049】実施例35〜45 現在の最良の方法:低多分散性を有する、中から高分子
量のオリゴマーの合成 実施例14で概略が記載された次の方法により、MeO
H/水(150ml/50ml)を入れた2リットル重合反
応容器に試薬を連続的に添加した。65℃でpH4.2
から4.8の条件で、酢酸ビニル/MeOH(2000m
l/1200ml)を4.1ml/分の速度で遅延供給した。
亜硫酸水素ナトリウム(8〜20g)を水65ml中に溶
解し、0.33ml/分の速度で遅延供給した。過硫酸カ
リウム/炭酸水素ナトリウム(20g/6.0g)を3
00〜350mlの水に溶解し、0.4〜0.5ml/分の速
度で遅延供給した。上記反応混合物から300gの生成
物を初期段階で除いた。定常状態において、40〜50
重量%の固体が5〜10重量パーセントの未反応VAc
モノマーと共に得られた。生成物はやや濁っていた。オ
リゴマーを反応容器の底から3時間毎に除き、全反応中
で反応容器中に少なくとも500gのオリゴマー溶液と
なるように維持した。上記工程を別の実施例で酢酸ビニ
ルと亜硫酸水素ナトリウムのモル比とMeOHと水の重
量比を変えて数回繰り返し、中および高分子量のスルホ
ン酸塩末端酢酸ビニルオリゴマーを合成した。変更した
条件と最終生成物の分子量を表7にまとめた。
【0050】
【表7】
【0051】実施例46〜58 現在の最良の方法:低多分散性を有する、低から中程度
の分子量オリゴマーの合成 実施例14で概略した方法により、MeOH/水(50
ml/150ml)を入れた2リットル重合反応容器に試薬
を連続的に添加した。65℃でpH4.2から4.8の条
件で、酢酸ビニル/MeOH(2000ml/1200m
l)を4ml/分の速度で遅延供給した。亜硫酸水素ナト
リウム(30〜115g)を水65〜350ml中に溶解
し、0.33〜2.5ml/分の速度で遅延供給した。過硫
酸カリウム/炭酸水素ナトリウム(20g/6.0g)
を200〜350mlの水に溶解し、0.33〜0.9ml/
分の速度で遅延供給した。上記反応混合物から300g
の生成物を初期段階で除いた。定常状態において、40
〜50重量%の固体が5〜10重量パーセントの未反応
VAcモノマーと共に得られた。生成物はやや濁ってい
た。オリゴマーを反応容器の底から2〜3時間毎に除
き、全反応中で反応容器中に少なくとも500gのオリ
ゴマー溶液を維持した。上記合成を異なる実施例で酢酸
ビニルと亜硫酸水素ナトリウムのモル比とMeOHと水
の重量比を変えて繰り返し、スルホン酸塩末端酢酸ビニ
ル低分子量オリゴマーを合成した。変更した条件と最終
生成物の分子量を表8にまとめた。
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】比較例59 本比較例は実施例56の一般的な方法を用いて実施し
た。ただし、すべてを水(共溶媒のメタノールなし)
で、実施例3、5および6にいくぶん類似した条件で行
い、酢酸ビニルを遅延供給ではなく高速度で添加した。
この反応は分離したわずかに分散性の酢酸ビニルが多い
相を形成し、標準的な条件下で低い転化率でしかなかっ
た。
【0055】実施例60 この実施例は、前述の実施例で得られた酢酸ビニルオリ
ゴマーを加水分解して、一端がスルホン酸塩末端のビニ
ルアルコールオリゴマーを合成することを示す。この実
施例においてはスルホン酸塩末端酢酸ビニルオリゴマー
をメタノールまたはメタノール/水混合物(1〜50容
積パーセント)に再度溶解し、未反応のHSO3を除く
ためにろ過した。加水分解はNaOHまたは硝酸を触媒
として加え(オリゴマーに対して0.1〜10モルパー
セント)、40から70℃で15分から8時間溶液を加
熱して行った。白色からやや黄色の細かい粉末、または
ゲルまたは固体として最終生成物を集め、室温で、場合
により減圧下で風乾した。分析は水性/非水性GPC、
MALD/I、および13C NMRにより分子量、多分
散性、加水分解度および末端基同定を行った。ビニルア
ルコールオリゴマーは熱メタネールで2時間攪拌しつつ
洗浄し、ろ過して乾燥した。メタノール可溶生成物のG
PC分析から、分子量は600から1200g/モルで
あった。13CNMR分析は非常に低い分子量のビニルア
ルコールオリゴマーと酢酸ナトリウムが選択的に抽出さ
れたことを示した。固体のビニルアルコールオリゴマー
は顕著に多分散性が改良されていた。種々の実施例に対
するこれらの分析結果を表9に示した。
【0056】
【表10】
【0057】スルホン酸塩末端ビニルアルコールオリゴ
マーの、ビニルアルコールポリマーの粘度減少の効果を
示すため、いくつかの生成物と低分子量市販グレードの
ポリ(ビニルアルコール)(Airvol, Air Products and
Chemicals, Inc.)を選択し、種々の条件で溶液粘度を
測定した。結果を表10に与えた。
【0058】
【表11】
【0059】実施例61 本実施例は、酸加水分解によるビニルアルコールオリゴ
マーの形成を示す。反応は酢酸ビニルの湿潤スルホン酸
塩末端オリゴマーを用いて、固体35重量パーセントの
メタノール/水混合物(70/30体積比)中で70℃
で4から8時間で行った。オリゴマーの1.5重量パー
セントの量の硝酸を触媒として用いた(硫酸またはメタ
ンスルホン酸を用いた場合にも同様の結果であった)。
加水分解の程度は、反応中少量の反応混合物を水中に加
えることで評価した。濁りの消失は65パーセント以上
の加水分解を意味した。反応を終了し、過剰のメタノー
ル/酢酸メチルをロータリーエバポレーターにより蒸留
して除き、最終生成物を水で希釈し低粘度の溶液を製造
した。GPCによる分子量分析、固体分20%の水溶液
の溶液粘度、および加水分解率に関するデータを表11
に示した。実施例61〜65および61〜66は、加水
分解の反応時間を反応中に新たにメタノールを加えつ
つ、メタノール/酢酸メチルを蒸留して除くことにより
50パーセントよりも短くすることができることを示
す。また、本発見者等は酸触媒の量をオリゴマーの4重
量パーセントに増加するか、またはメタノールの水との
比を減少すると加水分解速度が増加することを見い出し
た。
【0060】
【表12】
【0061】実施例62 この実施例は酢酸ビニルと無水マレイン酸のコオリゴマ
ーの形成と、続いてオリゴマーの酢酸エステル基の水酸
基への加水分解反応の一連の実施例を示す。実施例62
−1においては、65mlの水中の亜硫酸水素ナトリウム
(8.0g、0.0769モル)を、150mlのメタノー
ルと50mlの水を入れた2リットルガラス重合反応容器
に0.33ml/分の速度で遅延供給した。300mlメタ
ノール中の酢酸ビニル(500ml、5.4モル)を4.1
ml/分の速度で遅延供給した。120mlの水中の過硫酸
カリウム/炭酸水素ナトリウム(1.7g/1.5g)を
フィードポンプにより0.33ml/分の速度で遅延供給
した。150mlメタノール中無水マレイン酸(20.0
g、0.406モル)を数滴の水性水酸化ナトリウムに
よりpH4.5に中和し、0.9ml/分の速度で遅延供給
した。全反応中試薬は連続的に添加し、生成物は繰り返
し反応容器の底から除いた。最終生成物はスルホン酸塩
末端基を含む、97/3モル比のコオリゴマー化した酢
酸ビニルと無水マレイン酸であった。生成物は容易にメ
タノールに溶解し、水中にやや分散可能であり振り混ぜ
ると泡を生じる水溶液を得た。
【0062】実施例62−2では、遅延供給する無水マ
レイン酸の濃度を倍にした以外は実施例62−1の方法
を繰り返した。生成物は得られたが転化率は低かった。
実施例62−3では、遅延供給する開始剤の濃度を倍に
した以外は実施例62−2の操作を繰り返した。結果は
実施例62−1と同様であり、最終オリゴマー生成物は
単一のスルホン酸塩末端基を含み、酢酸ビニルと無水マ
レイン酸が94対6のモル比でコポリマー化したもので
あった。この生成物はメタノールに容易に溶け、水中で
はやや分散可能であって振り混ぜると泡を形成する溶液
を与えた。実施例61で記載した酸加水分解で、3パー
セント硝酸を用いた場合には8時間未満で95パーセン
トの加水分解を示した。この加水分解物はpH6の水に
非常によく溶けるが、pH1で溶液はやや濁った。
【0063】水中での酢酸ビニルのスルホン酸塩末端オ
リゴマーは表面張力0.5重量パーセント濃度でダイン
単位で40程度、3パーセントで30程度であった。酢
酸ビニルの重合反応の実施はこれらのオリゴマーをポリ
(酢酸ビニル)を多く含むエマルジョンの唯一の安定化
剤、および共安定化剤として用いて成功した。加水分解
オリゴマーはまた、コンクリートの超可塑剤として有用
であることが証明された。加水分解および非加水分解オ
リゴマー共に、ポリ(酢酸ビニル)およびポリ(ビニル
アルコール)に比較して卓越した生分解性を示した。
【0064】実施例63 この実施例は低加水分解ビニルアルコールオリゴマーの
形成と、メタンスルホン酸の触媒としての使用を示す。
実施例35で製造した酢酸ビニルのスルホン酸塩末端オ
リゴマーを70℃で35重量パーセント固体のメタノー
ル/水混合物(70/30容積比、重量で水約25%)
中で加水分解した。メタンスルホン酸(MeSO3H、
オリゴマーの0.5重量%、最終反応混合物pH約1)
を触媒として使用した。加水分解の程度は反応中に少量
の反応混合物をアセトン、THF、または水中に加える
ことで評価した。反応中MeOH/酢酸メチルを蒸留で
除く一方、新たにMeOHを1.5〜3ml/分の速度で
添加した。1時間後部分加水分解されたオリゴマーは水
に分散可能であり、アセトン中ではやや濁り、THFや
MeOH中では完全に可溶性であった。2時間後、生成
物はアセトン中で白い塊状沈殿を形成した。THF中で
は濁るが、しかし、MeOH中では完全に可溶性であ
り、水中では泡形成を伴って分散した。3時間後、反応
混合物はアセトンに完全に不溶であり、THF中ではや
や乳濁し、水中ではやや濁り、MeOH中では完全に可
溶であった。4時間後、メタノール/酢酸メチルをロー
タリーエバポレータを用いて蒸留で除き、最終生成物を
水で希釈して42重量%固体の適度な粘度を有する無色
溶液とした。GPCから、Mw=8358、Mn=213
2およびPD=3.9であった。13C NMR分析により
42パーセント加水分解されたことを示した。生成物は
高い比(>40%、やや濁る)および低い比(<5%、
透明、泡含有溶液)で水に十分に混和するように見える
が、中間的な比では白い分散物を形成した。
【0065】実施例64 スルホン酸化オリゴマー酢酸ビニルのアクリル系エマル
ジョンにおける界面活性剤としての評価 スルホン酸化オリゴマー酢酸ビニルを、メチルメタクリ
レート/ブチルアクリレート/メタクリル酸混合モノマ
ー添加を用いた標準アクリル系エマルジョン重合反応の
主界面活性剤成分として評価した。粒径は従来のアニオ
ン性表面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩(Rhod
ocal DS-10)またはα−オレフィンスルホン酸塩(Poly
step A18)と比較した場合にはより大きかったが、エマ
ルジョンは低い粒度(Grit)レベルと沈降により示され
るように安定であった。オリゴマーの分子量が増加する
につれより大きな粒径となり、より広い分布となった。
【0066】
【表13】
【0067】本発明の他の態様、利点、および特徴は上
記ですでに開示した内容から、当業者にとっては明白で
あり、請求の範囲は本発明の本質または範囲から離れる
ことなく適宜変更可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 1/12 C11D 1/12 (72)発明者 ロバート・クランツ・ピンシュミット・ジ ュニア アメリカ合衆国ペンシルベニア州18104. アレンタウン.リバティーストリート2549 (72)発明者 ハリル・ヤークーブ アメリカ合衆国ペンシルベニア州18103. アレンタウン.イー・ケムブリッジストリ ート1815

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2から18の炭素数を有する有機酸のビ
    ニルエステルのオリゴマーであって、オリゴマー分子の
    一端がスルホン酸塩基で停止しているオリゴマー。
  2. 【請求項2】 ビニルエステルが、オリゴマーの全重合
    モノマー単位に基づいて30モルパーセントまでのコモ
    ノマーと共重合された請求項1記載のオリゴマー。
  3. 【請求項3】 ビニルエステルが酢酸ビニルであり、コ
    モノマーがビニルスルホン酸ナトリウム、アクリル酸、
    ジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよび無水マレ
    イン酸から選択される請求項2記載のオリゴマー。
  4. 【請求項4】 ビニルエステルが酢酸ビニルであり、オ
    リゴマーが酢酸ビニルのオリゴマーである請求項1記載
    のオリゴマー。
  5. 【請求項5】 ポリ(酢酸ビニル)の酢酸エステル単位
    の一部が水酸基単位に加水分解されている請求項4記載
    のオリゴマー。
  6. 【請求項6】 平均重合度が200を超えず、一末端基
    がスルホン酸塩であるビニルアルコールオリゴマー。
  7. 【請求項7】 2から18の炭素数を有する有機酸のビ
    ニルエステルのスルホン酸塩末端オリゴマーを合成する
    方法であって、 (a) 水、2から18の炭素数を有する有機酸のビニル
    エステル、遊離ラジカル重合開始剤、および亜硫酸水素
    塩化合物連鎖移動剤からなる重合混合物を製造し; (b) 混合物をある時間重合条件に供し; (c) ビニルエステルをエステルの濃度が重合反応中は
    つねに混合物の3重量パーセントを超えないように混合
    物に不足供給し; (d) 混合物をビニルエステルが重合するのに十分な時
    間温度および攪拌の重合条件下に維持する一方、オリゴ
    マーの数平均分子量が2000を超えないように混合物
    中のビニルエステルの亜硫酸水素塩連鎖移動剤に対する
    モルレベルを20:1から3:1の間に維持することか
    らなる方法。
  8. 【請求項8】 生成する反応混合物からの重合生成物の
    少なくとも一部分を反応中に連続的にまたは半連続的に
    除く、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ビニルエステルが酢酸ビニルであり、オ
    リゴマーの数平均分子量が350から2000の範囲で
    ある、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 ビニルエステルを重合単位として含む
    工程(a)から(d)で得られるオリゴマー生成物を加
    水分解するのに適する条件下に置くこと、およびオリゴ
    マー生成物を加水分解して生成物中のエステル単位の少
    なくとも一部をアルコール単位に変換させることをさら
    に含む、請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 2から18の炭素数を有する有機酸の
    ビニルエステルのスルホン酸塩末端オリゴマーを合成す
    る方法であって、 (a) 水、水混和性有機溶媒、2から18の炭素数を有
    する有機酸のビニルエステル、遊離ラジカル重合開始
    剤、および亜硫酸水素塩化合物連鎖移動剤からなる重合
    混合物を製造し; (b) 混合物をある時間重合条件に供し; (c) 水、水混和性有機溶媒、ビニルエステル、重合開
    始剤、および亜硫酸水素塩化合物を反応混合物が一相ま
    たは事実上一相となるような比で混合物に不足供給し; (d) 混合物をビニルエステルが重合するのに十分な時
    間温度および攪拌の重合条件下に維持する一方、オリゴ
    マーの数平均分子量が17,000を超えないように、
    混合物中のビニルエステルの亜硫酸水素塩連鎖移動剤に
    対するモルレベルを4:1から60:1の間に維持する
    ことからなる方法。
  12. 【請求項12】 混合物が水に加えてさらにメタノール
    を共溶媒として含む、請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 水とメタノールの比が0.25:1か
    ら1:1であり、酢酸ビニルと亜硫酸水素塩とのモル比
    が70:1から25:1である、請求項12記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 ビニルエステルを重合単位として含む
    工程(a)から(d)で得られるオリゴマー生成物を加
    水分解するのに適する条件下に置き、オリゴマー生成物
    を加水分解して生成物中のエステル単位の少なくとも一
    部をアルコール単位に変換することをさらに含む、請求
    項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 強い有機酸または鉱酸を加水分解を触
    媒するために使用し、メタノールと酢酸メチルの混合物
    を連続的に留去しつつメタノールを新たに添加して反応
    の容積を維持する、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 40から99%のエステル単位がアル
    コール単位に変換された、請求項14記載の方法。
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