JP2000102883A - 棒状体の接合工法 - Google Patents

棒状体の接合工法

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JP2000102883A
JP2000102883A JP10277099A JP27709998A JP2000102883A JP 2000102883 A JP2000102883 A JP 2000102883A JP 10277099 A JP10277099 A JP 10277099A JP 27709998 A JP27709998 A JP 27709998A JP 2000102883 A JP2000102883 A JP 2000102883A
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heating
frequency induction
induction heating
joining
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Mineichi Iwamoto
峰一 岩本
Akira Sato
佐藤  明
Noboru Nishiyama
昇 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張特性および曲げ特性に優れた棒状継手を
安価で安定して製作できる棒状体の接合工法を提供す
る。 【解決手段】 棒状体の端面同士を突き合わせて形成し
た突合わせ部を加熱しつつ、棒状体を互いに加圧して圧
接接合するとともに、少なくとも突合わせ部表層に溶融
層を形成させる。加熱は、棒状体の外径よりわずかに大
きい一定内径の筒状モールドで突合わせ部を囲い、さら
に筒状モールドの周囲に高周波誘導加熱コイルを配し通
電して、突合わせ部を加熱する高周波誘導加熱とするの
が好ましい。また、棒状体の外径よりわずかに大きい一
定内径の筒状モールドで突合わせ部を囲い、ガス加熱し
てもよい。ガス加熱時の筒状モールドはスリット、穴あ
きを有するものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築等のコ
ンクリート構造物に使用される鉄筋等の棒状体を長手方
向に接合し棒状継手を作製する棒状体の接合工法に関
し、とくに曲げ特性に優れた棒状継手を作製できる棒状
体の接合工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄筋は、長手方向に接合され
鉄筋継手を形成してコンクリート構造物等に使用されて
きた。鉄筋継手としては、従来からネジ等による機械式
継手、あるいはガス圧接継手、フラッシュバット溶接継
手などが使用されてきたが、機械式継手は高価であり経
済的に不利となる問題点があり、またガス圧接継手やフ
ラッシュバット溶接継手は作業者の技能により、仕上が
り強度等が不均一で強度不足となるなど品質のばらつき
が大きいという問題があった。
【0003】ガス圧接による鉄筋の接合は、鉄筋端面同
士を突き合わせ、長手方向に圧縮力を加えながら、突合
わせ部分を酸素アセチレン炎で加熱し、接合端面を溶か
すことなく、赤熱状態にし、圧接して膨らませる接合で
ある。加熱時、接合部の最高温度は融点未満の1200〜13
00℃となる。通常、突合わせ部分は、1.4 〜1.6 D
(D:公称直径)の膨らみ部を形成するように施工され
ている。
【0004】ガス圧接は、まず、ガス圧接直前に端面の
研削を行う。鉄筋の端面は通常酸化しており、接合強度
を確保するため、この表面の酸化膜を削除する必要があ
る。さらに、ガス圧接では、中心部付近の接合端面の空
洞をなくすとともに、接合面に残った介在物等を外周部
へ排出し、中心部付近の接合面を強固な接合面とするた
め、鉄筋の長手方向に圧縮力を加え膨らみ部を形成して
いる。これにより、要求される引張特性を満足させてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらガス圧接
は、作業現場で大気中で行われ、雨天での施工が非常に
困難である。またさらに、ガス圧接継手の接合面の外周
部には、空洞が残存し、介在物等の不純物が濃縮される
うえ、ガス圧接接合面の外周部は、未接合の端面が残り
切欠き(ノッチ)状となっている。長手方向の引張に対
しては、膨らみ部があり中央部の接合強度が十分であれ
ば所望の引張強度を満足し何の問題もないが、曲げ加工
が加えられる場合には、外周部のノッチを起点として割
れが伝播し、曲げ特性が劣化するという問題があった。
また、ガス圧接接合面の外周部には、粗大化した介在物
が多数存在し延性が劣化し、曲げ特性の劣化を促進して
いる。
【0006】また、接合端面は脱炭している場合もあ
り、ガス圧接継手では、接合面に薄くフェライトバンド
を形成する場合がある。このような場合には、接合面の
強度が低下し、さらに曲げ加工で折損しやすくなり曲げ
特性が劣化するという問題を残していた。本発明は、上
記した従来技術の問題を有利に解決し、とくに曲げ特性
を改善し、引張特性および曲げ特性に優れた棒状継手
を、晴雨にかかわらず施工でき、かつ技能の属人性を排
除し、安価で安定して施工できる棒状体の接合工法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、鋭意検討し、ガス加熱に代えて、
高周波誘導加熱を採用して圧接することにより、技能の
属人性を排除し、安価で安定して鉄筋継手等の棒状継手
を製作できることに思い至った。さらに、高周波誘導加
熱に際し棒状体を囲むように筒状モールドを配置し、膨
らみ部外周の表層が溶融するまで加熱することにより、
膨らみ部が一定となり、接合面外周表面が切欠きもなく
滑らかで、かつ接合面外周表層の組織が微細となり、粗
大介在物等の偏析をなくなり、しかも硬化組織の形成も
なく曲げ特性が著しく改善されるという新規な知見を得
た。
【0008】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討を加え完成されたものである。すなわち、本発明
は、棒状体の端面同士を突き合わせて形成した突合わせ
部を加熱しつつ、該棒状体を互いに加圧して圧接接合す
る棒状体の接合工法において、前記加熱が、少なくとも
前記突合わせ部の表層に溶融層を形成させる加熱である
ことを特徴とする棒状体の接合工法であり、前記加熱
を、ガス加熱あるいは高周波誘導加熱とするのが好まし
い。
【0009】また、本発明は、棒状体の端面同士を突き
合わせて形成した突合わせ部を加熱しつつ、該棒状体を
互いに加圧して圧接接合する棒状体の接合工法におい
て、前記加熱が、前記棒状体の外径よりわずかに大きい
一定内径の筒状モールドで前記突合わせ部を囲い、さら
に該筒状モールドの周囲に高周波誘導加熱コイルを配し
通電して、前記突合わせ部を加熱する高周波誘導加熱で
あり、少なくとも前記棒状体の突合わせ部表層に溶融層
を形成させることを特徴とする棒状体の接合工法であ
る。
【0010】また、本発明は、棒状体の端面同士を突き
合わせて形成した突合わせ部を加熱しつつ、該棒状体を
互いに加圧して圧接接合する棒状体の接合工法におい
て、前記加熱が、前記棒状体の外径よりわずかに大きい
一定内径の筒状モールドで前記突合わせ部を囲い、前記
突合わせ部を加熱するガス加熱であり、少なくとも前記
棒状体の突合わせ部表層に溶融層を形成させることを特
徴とする棒状体の接合工法であり、前記筒状モールド
は、前記棒状体の外形よりわずかに大きく一定内径をな
し、かつ棒状体の突合せ部に直接ガス炎が届くように、
スリット部、あるいは穴あき部を有する筒状モールドと
するのが好ましい。また、本発明では、前記筒状モール
ドを前記棒状体の軸方向に2分割可能な筒状モールドと
するのが好ましい。また、スリット部あるいは穴あき部
を有しかつ軸方向に2分割可能とした筒状モールドでも
よい。
【0011】また、本発明では高周波誘導加熱の場合に
は、前記筒状モールドを耐熱性を有する絶縁体とするの
が好ましく、より好ましくはセラミックスであり、なか
でもアルミナ−珪酸塩を主体とするものが好適である。
ガス加熱の場合には、セラミック、黒鉛等耐熱性のある
ものが好ましい。また、本発明では前記加圧を、初期加
圧と主加圧の2段階加圧とするのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の棒状体の接合工法は、棒
状体の端面同士を突き合わせて形成した突合わせ部を加
熱しつつ、該棒状体を互いに加圧して圧接接合する。本
発明における加熱は、少なくとも棒状体の突合わせ部表
層に溶融層を形成させる加熱とする。加熱手段は特に限
定されないが、ガス炎による加熱(ガス加熱)、高周波
誘導加熱が好適である。
【0013】本発明の棒状体の接合工法により作製され
た棒状継手の接合面近傍のスケッチ図を図1に示す。鉄
筋等の棒状体1a、1bの端面同士を突き合わせて該端
面を接合面2とする。接合面2は圧接により接合され、
少なくとも接合面2の外周表層には溶融層3を有する。
溶融層3の深さはとくに限定する必要はないが、外周部
のノッチを無くし、さらに外周部に残存する空洞を消滅
できる程度の深さまでとするのが好ましい。この深さは
ほぼ膨らみ部の厚み程度でよい。溶融層は、組織が微細
化され、介在物も微細に分布し、外周部に切欠きがない
ことと相まって曲げ特性を著しく改善する作用を有す
る。また、溶融層が形成されても極端な硬化領域はみら
れない。
【0014】本発明における加熱は、とくに限定されな
いが、棒状体の外径よりわずかに大きい一定内径の筒状
モールドで突合わせ部を囲み、棒状体の突合わせ部を加
熱するのが好適である。加熱方法としては、前記筒状モ
ールドの周囲に高周波誘導加熱コイルを配し通電して、
棒状体の突合わせ部を加熱する高周波誘導加熱とするの
が好ましい。また、高周波誘導加熱に代えて、前記筒状
モールドを配しガス加熱としてもよい。これら加熱によ
り、突合わせ部端面同士を圧接するとともに、少なくと
も棒状体の突合わせ部表層に溶融層を形成させる。ま
た、筒状モールドを配置することにより、圧接接合後の
冷却が徐冷となり、溶融層を形成しても、硬化領域の形
成がないという特徴がある。また、加圧は、初期加圧と
主加圧からなる2段加圧とするのが望ましい。
【0015】まず、この接合工法に好適に使用できる棒
状体の圧接接合装置の一例を概略的に図2に示す。この
圧接接合装置は、棒状体(鉄筋)の端面同士を突き合わ
せて形成された突合わせ部を囲む一定内径の筒状モール
ド10と、この筒状モールド10の外周に配設される高周波
誘導加熱コイル11と、この高周波誘導加熱コイル11に通
電する高周波誘導加熱装置12と、棒状体を固定し芯出し
し加圧圧着する加圧圧着装置14と、加熱および加圧圧着
を制御する制御装置13とを有する。この他、高周波誘導
加熱コイルに冷却水を供給する水循環装置を有するのは
言うまでもない。
【0016】筒状モールド10は、接合する棒状体の外径
よりわずかに大きい一定内径とし、突合わせ部を囲み、
接合端面を圧接接合に適した温度に昇温できる長さとす
るのが好ましい。筒状モールド10は、棒状体1a、1b
と高周波誘導加熱コイル11との接触を妨げ、電気的短絡
を防止するとともに棒状体1a、1bからの熱放散を抑
制し棒状体の徐冷効果を高める作用を有する。さらに溶
融した金属のだれ発生と膨らみ部の表層に切欠きが発生
するのを防止し膨らみ部の形状を一定に調整する。
【0017】筒状モールド10の外周には高周波誘導加熱
コイル11が組込み可能なようにスパイラル状の溝を設け
るのが好ましい。また、筒状モールド10は、一体型のも
のでも、縦軸方向あるいは軸に直角方向に2つ以上の部
材に分割した分割型ものでもよく、分割型のものは使用
時に緊締用帯体等で一体化して使用するのが望ましい。
この筒状モールドは棒状体を接合後取り外される。一体
型のものは使用後破壊される。筒状モールドの材質は、
耐熱性を有する絶縁体とするのが好ましく、セラミック
ス、なかでもアルミナ−珪酸塩質のセラミックスとする
のがより好ましい。筒状モールドが絶縁体でない場合に
は、誘導加熱コイルを絶縁するのが望ましい。
【0018】高周波誘導加熱コイル11は、筒状モールド
10の外周に、好ましくは一体に組み込まれて、配置され
る。高周波誘導加熱コイル11のピッチ、長さは、加熱す
る棒状体1a、1bの直径に応じて所定の温度まで加熱で
きるように適宜決定する。このコイルに高周波誘導電流
を通電し、棒状体を所定の温度まで加熱する。このコイ
ルは、導電性の中空パイプ(銅製が好ましい)で内部か
ら冷却水により冷却される。なお、加熱コイルを絶縁テ
ープ等で巻き、棒状体との電気的短絡を防止してもよ
い。
【0019】高周波誘導加熱装置12は、高周波誘導加熱
電源12a 、トランス12b を有し、高周波誘導加熱コイル
11に棒状体を加熱する高周波電流を通電する。これによ
り、高周波誘導加熱コイル11内に置かれた棒状体に誘導
電流(うず電流)が生じ、そのジュール熱により棒状体
が加熱される。高周波誘導加熱装置12は、制御装置13に
より通電を制御される。
【0020】加圧圧着装置14は、棒状体の固定と芯出し
および加圧圧着の機能を有し、クランプ治具14a 、およ
び加圧手段からから構成される。加圧手段は、油圧シリ
ンダー14b 、油圧ポンプ14c とするのが望ましいが、油
圧ポンプ、油圧シリンダーに限定されるものではない。
圧縮空気、エアシリンダでもよいのは言うまでもない。
【0021】クランプ治具14a の一例を図3に示す。棒
状体1aを固定ボルト24C によって棒状体1aを固定・
開放可能とする位置固定支持体24a と、固定ボルト24d
によって棒状体1bを固定・開放可能とする移動支持体
24b とで、棒状体1a、1bを固定、芯出ししたのち、
移動支持体24b に対し、図示されない油圧ポンプに連結
された油圧シリンダー(図示せず)により棒状体1a、
1bに加圧し、接合端面を圧着する。なお、図示されて
いないが、棒状体の芯出しのため、偏心調整機構を備え
るのが望ましい。加圧圧着装置14は、制御装置13により
加圧タインミング等を制御されるのが望ましい。
【0022】図2に1例を示す圧接接合装置を用いて施
工する、本発明において好適な棒状体の接合工法の概略
を図4に示す。まず、鉄筋(棒状体)1a、1bの端面
をグラインダー研削等で清掃する。ついで、鉄筋(棒状
体)1a、1bを、外周に高周波誘導加熱コイル11を巻
いた筒状モールド10(図4では筒状モールドにコイルが
一体に組み込まれた例を示す)内に装入し、端面同士を
突き合わせクランプ治具(図示せず)で固定・芯出しを
行い保持する(図4(a))。ついで、望ましくは、加
圧手段により、所定の圧力(初期圧)を鉄筋(棒状体)
の長手方向に加えながら、高周波誘導加熱装置により高
周波誘導加熱コイル11に通電し、鉄筋(棒状体)の突合
わせ部を加熱する。接合面での圧着を容易にし接合面の
強度増加を図るため、鉄筋(棒状体)へ初期圧を負荷し
ながら加熱するのが望ましい。
【0023】鉄筋(棒状体)(接合部)の温度が所定の
温度に達したのち、さらに高周波誘導加熱コイル11に通
電し鉄筋(棒状体)1a、1bを加熱しながら、接合の
ための主加圧を行う。この主加圧により、接合面近傍の
外径が膨らみ、膨らみ部を形成する(図4(b))。こ
の主加圧を開始する所定の温度は、接合する鉄筋(棒状
体)の組成により異なるが、変形抵抗が低くなり、膨ら
み部に横割れの発生がない温度域、すなわち、通常の鋼
種(普通鋼)であれば、700 〜900 ℃の範囲とするのが
好ましい。
【0024】さらに、加熱と主加圧を継続することによ
り、膨らみ部はさらに膨張し、高周波誘導加熱コイルと
の隙間が狭くなる。そのため、誘導加熱効率が高まり、
急速に温度上昇し膨らみ部の表層が融点以上となり溶融
層を形成する。溶融層は筒状モールドと接し一定の形状
となり、表面が平滑となる(図4(c))。溶融層が形
成されることにより、外周部に残存する空洞が消滅し、
外周表面も平滑となり、ガス圧接継手等に見られた切欠
きは形成されない。さらに、溶融層は、組織が微細化さ
れ、介在物も微細に分布し、外周部に切欠きがないこと
と相まって曲げ特性を著しく改善する。
【0025】このような溶融層が形成されない場合に
は、膨らみ部表層に切欠きが存在し、しかも接合面に不
純物が偏析し、さらに接合面に沿うように鉄筋(棒状
体)の中心に向かいフェライト組織が生成する。このよ
うな表層における切欠きの存在と、接合面への不純物の
偏析により曲げ特性が著しく劣化する。加熱条件、加圧
条件を調整し、棒状体の突合わせ部(膨らみ部)表層に
溶融層を形成させる。加熱は、高周波誘導装置の出力、
加熱時間(通電時間)を調整することにより行う。高周
波誘導装置の出力、加熱時間(通電時間)は、接合する
鉄筋(棒状体)の鋼種、寸法等により予め実験により決
定しておくのが望ましい。予め設定された高周波誘導装
置の出力、加熱時間(通電時間)に従い加熱するのが望
ましい。あるいは、鉄筋(棒状体)の温度を実測しなが
ら自動制御してもよい。
【0026】加圧は、初期加圧、および主加圧の2段加
圧とするのが望ましい。主加圧の加圧力、加圧時間は、
接合する鉄筋(棒状体)の鋼種、寸法等により予め実験
により決定しておくのが望ましい。予め設定された主加
圧の加圧力、加圧時間に従い予め設定されたプログラム
で加圧するのが望ましい。あるいは、鉄筋(棒状体)の
応力を実測しながら自動制御してもよい。
【0027】ついで、加熱および加圧を停止し、鉄筋
(棒状体)を冷却する。冷却後、筒状モールド、高周波
誘導加熱コイルを取り外し、鉄筋(棒状体)の接合を完
了する(図4(d))。なお、著しく異なる外径を有す
る棒状体同士を高周波誘導加熱コイルを用いて加熱し、
圧接する場合には、細径の棒状体側に加熱状態を調整す
る治具(カラー)を取り付けるのが望ましい。
【0028】また、本発明では、高周波誘導加熱に代え
て、ガス加熱としてもよい。ガス加熱による棒状体の接
合工法について説明する。鉄筋(棒状体)を、筒状モー
ルド内に装入し、端面同士を突き合わせクランプ治具で
固定・芯出しを行い保持する。ついで、加圧手段によ
り、所定の圧力(初期圧)を鉄筋(棒状体)の長手方向
に加えながら、突合わせ部の周囲に複数の火口を配設
し、アセチレン炎等のガス加熱により筒状モールドを介
し、鉄筋(棒状体)の突合わせ部を加熱する。なお、接
合面での圧着を容易にし接合面の強度増加を図るため、
鉄筋(棒状体)へ初期圧を負荷しながら加熱するのが望
ましい。
【0029】ガス加熱時に使用する筒状モールドは、棒
状体の外径よりわずかに大きい一定内径で、ガス炎が直
接突合せ部に届くように、スリット部あるいは穴あき部
を有する筒状モールドとするのが好ましい。また、軸方
向に2分割できる筒状モールドとしてもよい。スリット
部あるいは穴あき部を有し、かつ、軸方向に2分割でき
る筒状モールドとしてもよい。スリット部あるいは穴あ
き部を有する筒状モールドとすることにより棒状体の突
合せ部を直接加熱できる。
【0030】なお、溶融層の溶けおちがなければ筒状モ
ールドを用いなくてもよいのは言うまでもない。鉄筋
(棒状体)(接合部)の温度が所定の温度に達したの
ち、さらに加熱しながら、接合のための主加圧を行う。
この主加圧により、接合面近傍の外径が膨らみ、膨らみ
部を形成する。この主加圧を開始する所定の温度は、高
周波誘導加熱の場合と同様に接合する鉄筋(棒状体)の
組成により異なるが、変形抵抗が低くなり、膨らみ部に
横割れの発生がない温度域、すなわち、通常の鋼種(普
通鋼)であれば、700 〜900 ℃の範囲とするのが好まし
い。
【0031】さらに、加熱と主加圧を継続することによ
り、膨らみ部はさらに膨張するとともに、ガス炎により
高温に加熱され、膨らみ部の表層が融点以上となり溶融
層を形成する。溶融層は筒状モールドと接し一定の形状
となり、表面が平滑となる。少なくとも突合わせ部外周
表層に溶融層が形成されることにより、外周部に残存す
る空洞が消滅し、外周表面も平滑となり、切欠き消滅す
る。ガス加熱の場合には、筒状モールドは黒鉛、セラミ
ックス、等耐熱性の高い材質が好適である。
【0032】上記した本発明の棒状体の接合工法の説明
では、棒状体の加熱は、例として高周波誘導加熱、ガス
加熱を用いて説明したが、本発明における加熱は、これ
に限定されるものではない。突合わせ部外周表層に溶融
層を形成できる加熱であればよい。例えば、TIG溶接
による加熱が好適に適用できる。また、突合わせ部をガ
スで加熱しつつ加圧して接合面を圧接接合したのち、突
合わせ部の膨らみ部をガスによる加熱、TIG溶接によ
る加熱、および他の溶接方法による加熱により加熱し表
層を溶融させるという方法でもよい。
【0033】
【実施例】(実施例1)図2に示す圧接接合装置を用
い、誘導加熱と加圧を施し、JIS SD345 の鉄筋(D35)
同士を圧接接合した。まず、鉄筋(D35)を、鉄筋外径
よりわずかに大きい一定内径(42.4mmφ)の筒状モール
ド(材質:セラミックス、Al2O3-SiO2)内に、装入し、
図3に示すクランプ治具で固定・芯出しし、突き合わせ
たのち、加圧手段(油圧シリンダーと油圧ポンプ)によ
り初期加圧(加圧力:0.5 kgf/mm2)を加え高周波誘導
加熱コイルに一定出力で通電し、鉄筋の突合わせ部を加
熱した。なお、高周波誘導加熱の出力、通電時間は、膨
らみ部表層が溶融するように予め設定した。
【0034】なお、突合わせ部を囲みかつ長手方向にも
所定の長さを有し、外周には、スパイラル状の溝が設け
られ加熱コイルが一体として組み込まれた筒状モールド
を使用した。通電開始から、75sec 経過後、すなわち、
鉄筋の接合面が900 ℃以上となったのち、通電を継続し
たまま、主加圧(加圧力:2.2 kgf/mm2 )を25sec 間施
し、接合面を圧接接合し、膨らみ部を形成するととも
に、表層を溶融させた。通電開始から100sec経過後、通
電および加圧を停止し、鉄筋を冷却した。なお、主加圧
の加圧は、加圧速度が一定となるように油圧ポンプを調
整した。
【0035】このようにして、作製した鉄筋継手を本発
明例1として、外観検査、接合面近傍の組織観察、引張
試験、曲げ試験を実施し継手特性を評価した。なお、曲
げ試験は、曲げ半径:70mm(2D)、曲げ角度:90°と
し、曲げ加工後の表面の割れ発生を目視検査した。ま
た、本発明例2として、JIS SD345 の鉄筋D38と鉄筋D
51を、通電開始から280sec経過後、すなわち、鉄筋の接
合面が900 ℃以上となったのち、通電を継続したまま、
主加圧( 加圧力2.2kgf/m2 )を22sec 間施し、接合面を
圧接接合し、膨らみ部を形成するとともに、表層を溶融
させた。通電開始から302sec経過後、通電および加圧を
停止し、鉄筋を冷却した。なお、鉄筋の細径の鉄筋に
は、誘導加熱効率を同一とするためのカラーを装着し
た。作製した鉄筋継手について、本発明例1と同称の試
験を実施し、継手特性を評価した。
【0036】また、比較例として、JIS SD345 の鉄筋D
35と鉄筋D35を高周波誘導加熱の通電時間と加圧時間
を、それぞれ本発明例1より10sec 短い90sec と15sec
として膨らみ部表層に、溶融層を形成しない鉄筋継手を
製作した。なお、初期加圧と主加圧の開始時間は本発明
例1と同一とした。また、高周波誘導加熱の出力は本発
明例1と同一とした。この比較例の鉄筋継手についても
本発明例と同様な試験を実施した。
【0037】また、従来例として、JIS SD345 の鉄筋
(D35)同士をガス圧接により圧接接合して鉄筋継手を
作製した。鉄筋端面同士を突き合わせ、酸素アセチレン
炎で加熱し接合端面を溶かすことなく、赤熱状態にしな
がら、長手方向に加圧(加圧力: 2.2kgf/mm2 )を加
え、圧接した。この従来例のガス圧接継手についても、
実施例と同様な試験を実施した。
【0038】これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から本発明例は、引張特性はもちろ
ん、曲げ特性に優れた鉄筋継手となっている。鉄筋の外
径が異なる鉄筋同士を圧接接合した場合でも、優れた特
性を有している。これに対し、本発明の範囲を外れる比
較例、および従来例では、引張特性は十分所望の強度を
保持しているが、曲げ試験において割れが発生し、曲げ
特性が劣化している。
【0041】(実施例2)図2の圧接接合装置の高周波
誘導加熱コイルに代えて、8ヵ所の火口を突合せ部の周
囲に配設した、アセチレン炎によるガス加熱と加圧を施
し、JIS SD345 の鉄筋(D29 )同士を圧接接合した。ま
ず、鉄筋(D29 )を、鉄筋外形よりわずかに大きい一定
内径(36.1mmφ)の筒状モールド内に装入し、図3に示
すクランプ治具で固定・芯出しし、突き合わせたのち、
加圧手段により初期加工(加圧力 0.5kgf/mm2 )を加
え、突合せ部を酸素アセチレン炎で加熱した。鉄筋の接
合面が 900℃以上となったのち、主加圧(加圧力 2.2kg
f/mm2 )を加えガス加熱しながら、接合面を圧接接合
し、膨らみ部を形成するとともに、表層を溶融させた。
その後、ガス加熱、加圧を停止し、鉄筋を冷却した。な
お、ガス加熱のアセチレンガス圧力、酸素ガス圧、加熱
時間は膨らみ部表層が溶融するように予め設定した。
【0042】このように作製した鉄筋継手を本発明例3
として、実施例1と同様に、外観検査、接合面近傍の組
織観察、引張試験、曲げ試験を実施し、継手特性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から、本発明例3は、高周波誘導加熱
による本発明例1、2と同様、曲げ特性に優れた鉄筋継
手となっている。このように、高周波誘導加熱によれ
ば、晴雨にかかわらず施工でき、作業も簡単であり、属
人性を排除でき、引張特性および曲げ特性に優れた棒状
継手が作製でき、コンクリート構造物の安全性が向上す
る。
【0045】また、高周波誘導加熱に代えて、好ましく
は、スリット部あるいは穴あき部を有する筒状モールド
により棒状体突合わせ部を囲み、直接突合せ部をガス加
熱する工法によれば、作業も簡単であり、属人性を排除
でき、引張特性および曲げ特性に優れた棒状継手が作製
でき、コンクリート構造物の安全性が向上する。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、引張強度に加え曲げ特
性に優れた棒状継手を、安価でしかも安定して製造で
き、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合工法による鉄筋継手接合面近傍の
スケッチ図である。
【図2】本発明の実施に好適な棒状体の圧接接合装置の
1例を示す概略説明図である。
【図3】加圧圧着装置のクランプ治具の1例を示す概略
説明図である。
【図4】本発明の棒状体の接合工法の概略を示す説明図
である。
【符合の説明】
1a、1b 棒状体(鉄筋) 2 接合面 3 溶融層 4 外周面 10 筒状モールド 11 高周波誘導加熱コイル 12 高周波誘導加熱装置 12a 高周波誘導加熱電源 12b トランス 13 制御装置 14 加圧圧着装置 14a クランプ治具 14b 油圧シリンダー 14c 油圧ポンプ 15 水冷却装置 24a 位置固定支持体 24b 移動支持体 24c 固定ボルト 24d 固定ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E067 AA02 BC00 BH00 CA04 DA17 DC01 DC04 EC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状体の端面同士を突き合わせて形成し
    た突合わせ部を加熱しつつ、該棒状体を互いに加圧して
    圧接接合する棒状体の接合工法において、前記加熱が、
    少なくとも前記突合わせ部の表層に溶融層を形成させる
    加熱であることを特徴とする棒状体の接合工法。
  2. 【請求項2】 前記加熱が、ガス加熱または高周波誘導
    加熱であることを特徴とする請求項1に記載の棒状体の
    接合工法。
  3. 【請求項3】 棒状体の端面同士を突き合わせて形成し
    た突合わせ部を加熱しつつ、該棒状体を互いに加圧して
    圧接接合する棒状体の接合工法において、前記加熱が、
    前記棒状体の外径よりわずかに大きい一定内径の筒状モ
    ールドで前記突合わせ部を囲い、さらに該筒状モールド
    の周囲に高周波誘導加熱コイルを配し通電して、前記突
    合わせ部を加熱する高周波誘導加熱であり、少なくとも
    前記棒状体の突合わせ部表層に溶融層を形成させること
    を特徴とする棒状体の接合工法。
  4. 【請求項4】 棒状体の端面同士を突き合わせて形成し
    た突合わせ部を加熱しつつ、該棒状体を互いに加圧して
    圧接接合する棒状体の接合工法において、前記加熱が、
    前記棒状体の外径よりわずかに大きい一定内径の筒状モ
    ールドで前記突合わせ部を囲い、前記突合わせ部を加熱
    するガス加熱であり、少なくとも前記棒状体の突合わせ
    部表層に溶融層を形成させることを特徴とする棒状体の
    接合工法。
  5. 【請求項5】 前記筒状モールドが、スリット部あるい
    は穴あき部を有する筒状モールドまたは棒状体の軸方向
    に2分割可能な筒状モールドである請求項4に記載の棒
    状体の接合方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013066927A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Shigeyuki Hayashi 鉄筋の圧接方法
JP2017094349A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 株式会社 徳武製作所 ガス圧接用カバーと該カバーを用いたガス圧接方法
CN110666330A (zh) * 2019-11-15 2020-01-10 莫崇规 钢筋高频压力焊机及高频压力焊接工艺

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JP2017094349A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 株式会社 徳武製作所 ガス圧接用カバーと該カバーを用いたガス圧接方法
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