JP2000102215A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

Info

Publication number
JP2000102215A
JP2000102215A JP10269710A JP26971098A JP2000102215A JP 2000102215 A JP2000102215 A JP 2000102215A JP 10269710 A JP10269710 A JP 10269710A JP 26971098 A JP26971098 A JP 26971098A JP 2000102215 A JP2000102215 A JP 2000102215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling fan
coil end
stator
fan
end group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10269710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3438606B2 (ja
Inventor
Atsushi Umeda
梅田  敦司
Tsutomu Shiga
志賀  孜
Arata Kusase
草瀬  新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP26971098A priority Critical patent/JP3438606B2/ja
Publication of JP2000102215A publication Critical patent/JP2000102215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3438606B2 publication Critical patent/JP3438606B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・高出力で低騒音な車両用交流発電機を
提供すること。 【解決手段】 車両用交流発電機1は、電機子として働
く固定子2と、界磁として働く回転子3とを備える。回
転子3の軸方向の両端には、フロント側の冷却ファン1
2とリア側の冷却ファン13が固定されており、これら
の冷却ファン12、13の外径ROは回転子3の外径R
1の0.9〜0.96倍である。固定子2は、固定子鉄
心32と固定子巻線とこれらの間を絶縁するインシュレ
ータ34とで構成され、固定子鉄心32の軸方向端面よ
り軸方向に伸延するコイルエンド群31a、31bにお
いて、固定子巻線の間に隙間が形成され、コイルエンド
群31a、31bの内周面の70%以上(例えば80
%)が冷却ファン12、13に対向する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用車、トラック等
に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】車両走行抵抗の低減のためのスラントノ
ーズ化や車室内居住空間の確保の二一ズからエンジンル
ームは近年ますます狭小化する中で、車両用交流発電機
の搭載スペースに余裕がなくなってきている。一方、エ
ンジンの静粛化に伴い車両用交流発電機の騒音低減が求
められている。即ち小型・高出力で低騒音の車両用交流
発電機を安価に提供することが求められている。
【0003】車両用交流発電機の小型・高出力化の手段
として、最も熱損失の大きい固定子巻線の冷却性向上が
あげられ、従来、図13に示すように冷却ファンをフレ
ーム内に配置し、冷却風を直接コイルエンドに当てて冷
却する内扇構造が一般に用いられている。ここで、図1
3の構造では冷却ファンが固定子巻線のコイルエンド群
の先端部にしか対向しておらず、冷却ファンが回転する
ことで生じる冷却風がコイルエンド群の先端にのみに吹
き付けられて排出されるため、固定子巻線の冷却効果が
低い問題点があった。これに対し、実開平5−1176
8では固定子巻線のコイルエンド群を冷却ファンに充分
対向するように軸方向に伸延させるものが提案されてい
るが、コイルエンド群の根元部が冷却ファンと対向して
いないのでこの部分の冷却効果が低く、またコイルエン
ド高さを高くしたことによる固定子巻線の抵抗値の上昇
からも出力低下を生ずるという問題があった。
【0004】一般に、冷却風の当たり面積を増やすこと
や、冷却風の量、および速さを高めることが冷却性の向
上に効果的であることは周知である。一方、内扇構造の
車両用交流発電機においては、コイルエンド群の内周面
には多相の巻線を周方向にオーバーラップさせながら配
置することによって凹凸が形成されている。よって、冷
却風とこの凹凸の衝突によって生じる周期的な圧力変動
が増大し、ファン騒音を増大させるという問題が新たに
発生する。特開平8−308190には、コイルエンド
群の軸方向高さと冷却ファンの高さがほぼ等しく、両者
が向かい合って配置されている構造が示されているが、
上記の冷却風とコイルエンド群の内周の凹凸の衝突によ
りファン騒音が増加する問題は、依然として残されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、固定子巻線の冷却性向上とファン騒音低減を両立
させ、小型・高出力で低騒音な車両用交流発電機を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記スロットに
巻装され前記固定子鉄心の軸方向両端にコイルエンド群
を形成する固定子巻線を備える固定子と、前記固定子の
内周側に対向配置される磁極爪を持つ界磁鉄心と前記界
磁鉄心の少なくとも一方の軸方向端部に配置される冷却
ファンを備える回転子を有する車両用交流発電機におい
て、前記冷却ファンの径方向外側に配置される前記コイ
ルエンド群は、その軸方向高さの70%以上が径方向に
関して前記冷却ファンと重複して配置されており、前記
コイルエンド群の内部には、前記冷却ファンによる冷却
風が通過する通風路が形成されていることを特徴として
いる。これにより、冷却ファンの回転による風はコイル
エンド群の内部を広い範囲に渡って通過するので、冷却
効率を高めることができ、且つ、コイルエンド群の内周
面と冷却ファン外周との間に生じる圧力変動が抑制され
る。よって、固定子巻線の冷却性向上とファン騒音低減
を達成できる。
【0007】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、前記コイルエンド群は一定の形状のコイルエンドを
主として繰り返して配列して形成されていることを特徴
としている。これにより、コイルエンド群の内周面の凹
凸が低減され、コイルエンド群の内周面の凹凸と冷却フ
ァン外周との間に生じる周期的な圧力変動が抑制され
る。
【0008】請求項3の発明によれば、前記冷却ファン
の外径が前記回転子の界磁鉄心の最外径に対し、90%
以上、96%以下であることを特徴としている。これに
より、冷却ファンの外径とコイルエンド群の内周との距
離が広がり、この部分での冷却風の圧力変動がさらに低
下するので、ファン騒音をより低減できる。請求項4の
発明によれば、前記コイルエンドは軸方向に対して傾斜
して延びる斜行部を有しており、前記コイルエンド群に
含まれる複数の斜行部の間に前記通風路が形成されてい
るという構成が採用される。かかる構成によると、冷却
ファンからの風を斜行部で柔らかく受け流すことがで
き、コイルエンド群の軸方向寸法のほとんどを冷却ファ
ンの径方向外側に直接に対向させて配置した構成におい
ても低騒音を実現できる。請求項5の発明では、冷却フ
ァンの羽根枚数が界磁鉄心の爪数と異なる数に設定され
ているので、界磁鉄心の爪側面の遠心ファン効果による
圧力変動と冷却ファンによる圧力変動との同期による大
きなファン騒音の発生を防止できる。
【0009】なお、請求項6の発明のように、界磁鉄心
の爪数と異なる数の羽根をもった前記冷却ファンは前記
界磁鉄心の一方の軸方向端部に設けられており、さらに
前記界磁鉄心の他方の軸方向端部に設けられた他の冷却
ファンを備えるという構成を採用することが、十分な冷
却風の風量を確保する上で望ましい。かかる構成におい
ては、界磁鉄心の両端面に2つの冷却ファンが設置され
るが、それら冷却ファンの少なくとも一方が界磁鉄心の
爪数とは異なる羽根枚数を備えることで低騒音化を図る
ことができる。なお、前記他の冷却ファンの羽根枚数
は、任意に選ぶことができる。例えば、界磁鉄心の爪数
と異なる羽根枚数として騒音防止を図る構成を採用する
ことができる。また、界磁鉄心の爪数と同じ羽根枚数と
して羽根を爪の背面に位置させ、界磁鉄心の爪と爪との
間への送風を促進する構成を採用することができる。な
お、コイルエンド群の軸方向先端と冷却ファンの軸方向
先端とをほぼ一致させて配置し、冷却ファンの比較的強
く冷却風を押し出す部位(軸方向中央部から根元部)
が、コイルエンドの軸方向中間部に配置された斜行部と
対向する構成をとることが、体格の小型化、低騒音化の
観点から望ましい。
【0010】また、コイルエンド群と冷却ファンとの対
向は、コイルエンド群の軸方向寸法の約80%以上に設
定することが、高い冷却性を実現するために望ましい。
さらに、冷却ファンのフレードの径方向外側の辺が、そ
のほぼ全体でコイルエンド群の内周面と対向する構成を
併用することが冷却ファンの送風能力を有効活用するた
めに望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】〔第一実施形態〕図1から図9は
この発明の第一実施形態を示したものである。図1は車
両用交流発電機の主要部を示した図であり、図2から図
5は本実施形態の固定子の説明図であり、図6から図9
は本実施形態の効果の説明図である。
【0012】車両用交流発電機1は、固定子として働く
固定子2、界磁として働く回転子3、前記回転子3と固
定子2を支持するハウジング4、前記固定子に直接接続
され交流電力を直流に変換する整流器5および界磁電流
量を増減し発電量を制御する電圧調整機11等から構成
されている。回転子3は、シャフト6と一体になって回
転するもので、1組のランデル型界磁鉄心7、フロント
側冷却ファン12、リア側冷却ファン13、界磁コイル
8、スリップリング9、10等によって構成されてい
る。シャフト6は、プーリ20に連結され、自動車に搭
載された走行用のエンジン(図示せず)により回転駆動
される。
【0013】回転子3の軸方向の両端には、その端面に
フロント側冷却ファン12とリア側冷却ファン13が固
定されている。フロント側冷却ファン12は、遠心ファ
ンのファンブレードと、斜流ファンのファンブレードと
が混在して構成されている。リア側冷却ファン13は、
遠心式ファンのファンブレードによって構成されてい
る。冷却ファン12、13の外径R0は界磁鉄心7の最
外径R1より小径となるように設定してある。本実施形
態においては、R0=88mm、R1=92mmに設定
されている。また、ファンブレードの枚数は、各々が配
置されている界磁鉄心7の爪数よりも少なく設定されて
いる。この実施形態では、8本の爪数において7枚のフ
ァンブレードが採用されている。ハウジング4の軸方向
端面には吸入孔41が設けられている。そして、ハウジ
ング4の外周両肩部には、固定子2の第1コイルエンド
群31aと第2コイルエンド群31bとの径方向外側に
対応して冷却風の排出孔42が設けられている。
【0014】固定子2は、固定子鉄心32と、固定子鉄
心32に形成されたスロット35内に配置された複数の
電気導体により構成される固定子巻線と、固定子鉄心3
2と電気導体との間を電気絶縁するインシュレータ34
とにより構成され、ハウジング4により支えられてい
る。図2に示すように、固定子鉄心32には、多相の固
定子巻線を収容できるように、複数のスロット35が形
成されている。本実施形態では、回転子3の磁極数に対
応して、3相の固定子巻線を収容するよう、複数個のス
ロット35が、等間隔に配置されている。また、固定子
2の第1コイルエンド群31aと第2コイルエンド群3
1bの内周面の80%がそれぞれ冷却ファン12、13
に対向するように設定されている。
【0015】固定子鉄心32のスロット35に装備され
た固定子巻線は、複数の電気導体により構成され、複数
のスロット35のそれぞれの中には、偶数本(本実施形
態では4本)の電気導体が収容されている。また、一の
スロット内の4本の電気導体は、図2に示すように固定
子鉄心32の径方向に関して内側から内端層、内中層、
外中層、外端層の順で一列に配列されている。
【0016】一のスロット内の内端層の電気導体331
aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて磁極ピッ
チ離れた他のスロット内の外端層の電気導体331bと
対をなしている。同様に、一のスロット内の内中層の電
気導体332aは固定子鉄心32の時計回り方向に向け
て1極ピッチ離れた他のスロット内の外中層の電気導体
332bと対をなしている。そして、これらの対をなす
電気導体は、固定子鉄心32の軸方向の一方の端部にお
いて連続線を用いることにより、ターン部331c、3
32cを経由することで接続される。従って固定子鉄心
32の一方の端部においては、外中層の電気導体と内中
層の電気導体とを接続する連続線を、外端層の電気導体
と内端層の電気導体とを接続する連続線が囲むこととな
る。このように、固定子鉄心32の一方の端部において
は、対をなす電気導体の接続部が、同じスロット内に収
容された他の対をなす電気導体の接続部により囲まれ
る。外中層の電気導体と内中層の電気導体との接続によ
り中層コイルエンドが形成され、外端層の電気導体と内
端層の電気導体との接続により端層コイルエンドが形成
される。
【0017】一方、一のスロット内の内中層の電気導体
332aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1
極ピッチ離れた、他のスロット内の内端層の電気導体3
31a’とも対をなしている。同様に、一のスロット内
の外端層の電気導体331b’は、固定子鉄心32の時
計回り方向に向けて1極ピッチ離れた他のスロット内の
外中層の電気導体332bと対をなしている。そして、
これらの電気導体は固定子鉄心32の軸方向の他方の端
部において接合により接続される。
【0018】従って、固定子鉄心32の他方の端部にお
いては、外端層の電気導体と外中層の電気導体とを接続
する接合部と、内端層の電気導体と内中層の電気導体と
を接続する接合部とが、径方向に並んでいる。外端層の
電気導体と外中層の電気導体との接続、および内端層の
電気導体と内中層の電気導体との接続により隣接層コイ
ルエンドが形成される。このように、固定子鉄心32の
他方の端部においては、対をなす電気導体の接続部が、
重複することなく並べて配置される。
【0019】さらに、図3に図示されるように、内端層
の電気導体と外端層の電気導体とが、一連の電気導体を
ほぼU字状に成形してなる大セグメント331により提
供される。そして、内中層の電気導体と外中層の電気導
体とが一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる小セ
グメント332により提供される。基本セグメント33
は、大セグメント331と小セグメント332によって
形成される。各セグメント331、332は、スロット
内に収容されて軸方向に沿って延びる部分331a、3
31b、332a、332bを備えるとともに、軸方向
に対して所定角度傾斜して延びる斜行部331f、33
1g、332f、332gを備える。これら斜行部は、
コイルエンドを形成しており、通風路はこれら斜行部の
間に主として形成されている。
【0020】以上の構成を、全てのスロット35のセグ
メント33について繰り返す。そして、第2コイルエン
ド群31bにおいて、外端層の接合部331e’と外中
層の接合部332e、並びに内中層の接合部332dと
内端層の接合部331d’とが溶接、超音波溶着、アー
ク溶接、ろう付け等の手段によって接合され、電気的に
接続されている。これらの接合部の互いの絶縁と保持の
ために、絶縁材によるコーティングが行われる。なお、
耐振動性、耐環境性を向上するために、複数の接合部の
間を架橋するように絶縁材が付着されてもよい。また、
絶縁材は、接合部にのみ厚く付着させることが望まし
い。
【0021】以上より製作される固定子2について、固
定子鉄心32の内周側から見た1相分のセグメントを図
4に示し、一方のコイルエンド群の斜視図を図5に示
す。第1コイルエンド群31aにおいては、中層コイル
エンドと端層コイルエンドとが基本コイルエンドとされ
ている。第2コイルエンド群31bにおいては、隣接層
コイルエンドが基本コイルエンドとされている。そし
て、複数の基本コイルエンドが、規則的に繰り返して配
置されている。全てのコイルエンドの間には隙間が確保
される。しかも、コイルエンドは、環状のコイルエンド
群内において、周方向に関してほぼ一定の密度で分布し
ている。
【0022】両コイルエンド群31a、31bにおいて
は、複数のコイルエンドの間に無数の通風路が形成され
る。しかも、それらの通風路は、環状のコイルエンド群
内において周方向に関して一様に分布している。両コイ
ルエンド群31a、31bの内周面は、固定子鉄心32
の内周面より僅かに大きい内径をもって形成されてい
る。さらに、両コイルエンド群31a、31bは、全周
にわたってほぼ一定の高さをもっている。
【0023】なお、各コイルエンド群31a、31b内
には、巻線の接続、あるいは引き出し線としての異形コ
イルエンドが、数本だけ含まれている。このような異形
コイルエンドの存在によって、コイルエンド間の通風路
としての隙間は、局所的に広くなるかあるいは狭くなる
が、コイルエンド群における周方向の分布に目立った疎
密を形成するものではない。
【0024】また、各コイルエンド群31a、31bに
は、薄く樹脂皮膜がコーティングされるが、コイルエン
ドの間の全ての隙間が完全に塞がれることはない。薄い
樹脂皮膜は、コイルエンド間の隙間の分布に大幅な疎密
を形成するものではない。また、薄い樹脂皮膜は、コイ
ルエンドの間を径方向に架橋して付着することがある
が、通風性に与える影響は小さく、大幅な疎密を形成す
るものではない。
【0025】このように、両コイルエンド群31a、3
1bは、主として一定形状のコイルエンドを配列して構
成される。しかも、周方向に関してほぼ一様の密度でコ
イルエンドを配置して構成されている。このため、周方
向に関してコイルエンドの疎密がほとんどない。両コイ
ルエンド群31a、31bの軸方向端部は、冷却ファン
12、13の軸方向端部とほぼ一致している。そして、
各コイルエンド群31a、31bの内周面の軸方向寸法
のうち約80%は、その内周に配置された冷却ファン1
2、13と径方向に関して重複して配置されている。特
に、この実施形態では、各コイルエンド群31a、31
bの内周面の軸方向寸法のうち約80%は、その内周側
に配置された冷却ファン12、13の最外径部分と、径
方向に関して直接に対向している。しかも、冷却ファン
12、13の最外径部分の辺は、そのほぼ全体がコイル
エンド群31a、31bの内周面と対向している。この
ようなコイルエンド群と冷却ファンとの対向関係は、コ
イルエンド群の全周に渡って確保されている。このた
め、各コイルエンド群31a、31bの内周面のうち約
80%の面積は、回転する冷却ファン12、13から遠
心方向外側に送られる冷却風を直接に受ける。
【0026】この実施形態では、コイルエンド群31a
の軸方向寸法L1に対して冷却ファン13の最外径部分
の軸方向寸法L2は約80%である。また、コイルエン
ド群31bの軸方向寸法L3に対して冷却ファン12の
最外径部分の軸方向寸法L4は約80%である。 〔第一実施形態の作用効果〕図6は、本実施形態の固定
子巻線の冷却性向上効果を示すグラフである。固定子巻
線のコイルエンド群の内周面の冷却ファン対向部分の割
合をパラメータとして固定子巻線の温度を抵抗法により
測定した。固定子巻線のコイルエンド群の内周面の70
%以上が冷却ファンに対向していれば、固定子巻線の温
度が低く抑えられ、良好な冷却性が得られることが分か
る。
【0027】図7は、本実施形態のファン騒音低減効果
を示すグラフである。測定は無響室にておこない、車両
用交流発電機のリア側端部から後方45度30cmの位
置にマイクを設置し、無負荷状態にてオーバーオール値
を測定した。本実施形態では、固定子巻線のコイルエン
ド群の内周面の80%が冷却ファンに対向しており、し
かもコイルエンド群の各コイルエンド間には隙間が形成
されているので、図6、図7に示すように、冷却性向上
とファン騒音低減の両立を図ることができる。
【0028】また、図8、図9は、コイルエンド群の各
導体間に隙間が形成されている固定子2を組み込んで、
回転子3の界磁鉄心7の最外径R1を一定とし、冷却フ
ァン12、13の外径R0を変化させた時の12000
rpmでのファン騒音の変化と、定格回転での出力の変
化を示している。比率(R0/R1)が0.9以上で
0.96以下であれば、ファン騒音の低減効果を確保し
つつ、大幅な出力低下も抑止できる。
【0029】なお、耐振動性の観点から、厚い樹脂皮膜
がコイルエンド群にコーティングされた場合には、コイ
ルエンド間の隙間は失われる。しかし、厚い樹脂皮膜
を、コイルエンド群の軸方向先端部のみに付着させるこ
とにより、コイルエンド群の根元には、上述のごとき無
数の隙間を残すことができる。かかる構成にあっては、
無数の隙間を残した範囲が、冷却ファンに対して上記の
関係をもって対向することが重要となる。
【0030】また、冷却ファン12、13は、シュラウ
ドとの関係を考慮して外側に露出する部分が、コイルエ
ンド群と所定の関係をもって対向していることが重要で
ある。また、冷却ファン12、13の最外径部分の縁
が、斜辺で形成される場合には、その斜辺が各コイルエ
ンド群の内周面と上記の関係をもって対向することが重
要である。
【0031】〔第二実施形態〕第一実施形態では、ター
ン部が多重になるように形成したセグメントを用いた
が、図10、図11に示すように、異なるスロットに内
層と外層として配置されたセグメント33を使って、こ
れを複数対配置してもよい。なお、図10では基本とな
る1対について示してあり、第一実施形態と同じくスロ
ットあたりの電気導体数を4本とするためには、2対と
して直列に電気接続すればよい。この実施形態において
も、コイルエンド群の各セグメント間には隙間を形成す
ることができる。
【0032】〔その他の実施形態〕第一実施形態では、
スロットあたりの電気導体数を4本とした固定子巻線の
構造を示したが、発電機に要求される出力仕様に応じ
て、セグメントの構成変更により電気導体数を変更して
もよい。第一実施形態では、回転子の界磁鉄心の軸方向
両端に冷却ファンを配置したが、車両に搭載された場合
の周囲温度の環境や、要求発電力などの面から冷却性能
に余裕のある場合は、少なくとも一方にのみ冷却ファン
を設ける構成を採用することができる。例えば発電機の
周囲温度がリア側よりフロント側が一般的に低いので、
フロント側冷却ファン12を廃止して、リア側冷却ファ
ン13のみとすることができる。
【0033】また、界磁鉄心の両端に設けられた2つの
冷却ファンのうち、いずれか一方のみを界磁鉄心の爪数
と異なる羽根枚数をもった冷却ファンとし、他方を界磁
鉄心の爪数と同じ羽根枚数をもった冷却ファンとしても
よい。なお、冷却ファンの羽根枚数は、界磁鉄心の爪数
と異なるという条件の下で、冷却風量の要求などに応じ
て選ぶことができる。例えば、爪数が8本の場合には、
6枚、7枚、9枚、10枚などを採用できる。なお、冷
却ファンの羽根枚数は界磁鉄心の爪数と同じかそれ以下
とすることができる。例えば、爪数が8本の場合には、
リア側冷却ファン13の羽根枚数を7枚とし、フロント
側冷却ファン12の羽根枚数を8枚とする組合せを選ぶ
ことができる。このような組合せは、フロント側冷却フ
ァン12が、爪と爪の間の隙間への通風を促進する冷却
ファンである場合に好適である。フロント側冷却ファン
12の羽根枚数を爪数と同じとし、界磁鉄心の爪の背面
に羽根を位置させることで、爪と爪の間の隙間への通風
が妨げられることが防止できる。第一実施形態では、フ
ロント側冷却ファン12は、遠心ファンのファンブレー
ドと、斜流ファンのファンブレードとが混在して構成さ
れ、リア側冷却ファン13は、遠心ファンのファンブレ
ードによって構成されている。これに対し、車両に搭載
された場合の周囲温度の環境などに応じて、全て遠心フ
ァンのファンブレードとしてもよいし、全て斜流ファン
のファンブレードとしてもよい。図12(A)、図12
(B)は、第1実施形態で用いられたフロント側冷却フ
ァン12と、リア側冷却ファン13とを示している。こ
のフロント側冷却ファン12は、2枚の遠心ファンブレ
ードと、5枚の斜流ファンブレードとを有する。また、
リア側冷却ファン13は、7枚の軸流ファンブレードを
有している。
【0034】さらに、図12(C)は、変形例のフロン
ト側冷却ファン120を示している。このフロント側冷
却ファン120は、8枚の斜流ファンブレードを有して
いる。それぞれのファンブレードは、界磁鉄心の爪の背
面に対応して位置している。この図12(C)のフロン
ト側冷却ファン120を、図12(B)のリア側冷却フ
ァン13と組み合わせて用いることができる。第一実施
形態では、第1コイルエンド群にセグメントのターン部
側を配置し、第2コイルエンド群にセグメントの接合部
側を配置したが、逆の配置でもよい。
【0035】第一実施形態では、界磁鉄心の最外径R1
が92mmの場合を示したが、同じ通風冷却構造であれ
ば、最外径R1が70〜110mmにおいて同様の設定
範囲が有効である。また、ファンには補強リブを形成し
ない方が、軸方向から吸い込まれた冷却風を羽根の根本
部にて、より滑らかに方向変更させ、径方向外側へ送り
出すことができる。これが通風路の形成されたコイルエ
ンド群に進む。よって、円滑な通風が可能となるので風
切音を低減できる。
【0036】また、コイルエンド間に形成される隙間
は、径方向に関して内側から外側へ、コイルエンド群内
を完全に貫通する通風路を形成することが望ましいが、
径方向に関して所定角度をなして延びる斜めの通風路を
形成してもよい。また、コイルエンド群の内部に樹脂皮
膜によって膜を形成し、コイルエンド群の内周面にの
み、各コイルエンドの間に溝状の通風路を形成してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の車両用交流発電機の主
要部を示した図である。
【図2】第一実施形態の固定子の部分的な断面図であ
る。
【図3】第一実施形態のセグメントの模式的斜視図であ
る。
【図4】第一実施形態のセグメントの固定子鉄心への装
着状態を示す模式図である。
【図5】第一実施形態のセグメントの固定子鉄心への装
着状態を示す斜視図である。
【図6】第一実施形態の固定子巻線の冷却性向上効果を
示す図である。
【図7】第一実施形態のファン騒音低減効果を示す図で
ある。
【図8】第一実施形態のファン騒音変化を示す図であ
る。
【図9】第一実施形態の出力変化を示す図である。
【図10】第二実施形態のセグメントの模式的斜視図で
ある。
【図11】第二実施形態のセグメントの固定子鉄心への
装着状態を示す模式図である。
【図12】冷却ファンの羽根配置を示す模式図であっ
て、(A)、(B)は第一実施形態の冷却ファンを示
し、(C)は変形例の冷却ファンを示している。
【図13】従来の車両用交流発電機を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 固定子 3 回転子 6 シャフト 7 界磁鉄心 8 界磁コイル 9、10 スリップリング 12 フロント側冷却ファン 13 リア側冷却ファン 31a 第1コイルエンド群 31b 第2コイルエンド群 32 固定子鉄心 33 セグメント 34 インシュレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草瀬 新 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H609 BB05 PP02 PP06 PP09 QQ02 QQ12 QQ13 RR03 RR11 RR16 RR18 RR23 RR27 RR39 RR42 RR44 RR69 RR73

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記
    スロットに巻装され前記固定子鉄心の軸方向両端にコイ
    ルエンド群を形成する固定子巻線を備える固定子と、前
    記固定子の内周側に対向配置される磁極爪を持つ界磁鉄
    心と前記界磁鉄心の少なくとも一方の軸方向端部に配置
    される冷却ファンを備える回転子を有する車両用交流発
    電機において、 前記冷却ファンの径方向外側に配置される前記コイルエ
    ンド群は、その軸方向高さの70%以上が径方向に関し
    て前記冷却ファンと重複して配置されており、 前記コイルエンド群の内部には、前記冷却ファンによる
    冷却風が通過する通風路が形成されていることを特徴と
    する車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記コイルエンド群は一定の形状のコイルエンドを主と
    して繰り返して配列して形成されていることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかにおいて、 前記冷却ファンの外径が前記回転子の界磁鉄心の最外径
    に対し、90%以上、96%以下であることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかにおいて、 前記コイルエンドは軸方向に対して傾斜して延びる斜行
    部を有しており、前記コイルエンド群に含まれる複数の
    斜行部の間に前記通風路が形成されていることを特徴と
    する車両用交流発電機。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかにおいて、 前記冷却ファンの羽根枚数は前記冷却ファンが配置され
    た界磁鉄心の爪数と異なることを特徴とする車両用交流
    発電機。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記冷却ファンは前記界磁鉄心の一方の軸方向端部に設
    けられており、さらに前記界磁鉄心の他方の軸方向端部
    に設けられた他の冷却ファンを備えることを特徴とする
    車両用交流発電機。
JP26971098A 1997-09-26 1998-09-24 車両用交流発電機 Expired - Lifetime JP3438606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26971098A JP3438606B2 (ja) 1997-09-26 1998-09-24 車両用交流発電機

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26222997 1997-09-26
JP9-262229 1997-09-26
JP35347397 1997-12-22
JP20818998 1998-07-23
JP9-353473 1998-07-23
JP10-208189 1998-07-23
JP26971098A JP3438606B2 (ja) 1997-09-26 1998-09-24 車両用交流発電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000102215A true JP2000102215A (ja) 2000-04-07
JP3438606B2 JP3438606B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=27476396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26971098A Expired - Lifetime JP3438606B2 (ja) 1997-09-26 1998-09-24 車両用交流発電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3438606B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100489291B1 (ko) * 2002-01-21 2005-05-11 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 교류발전기
KR100591664B1 (ko) * 2001-01-16 2006-06-19 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 차량용 교류발전기
JP2007228677A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Hitachi Ltd 発電装置及び回転電機
JP2007318901A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Denso Corp 交流発電機
JP2009532009A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 多相の電気機械に用いられるステータおよび該ステータを製作するための方法
JP2017212874A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール 巻線ヘッドを有する回転電気機械

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100591664B1 (ko) * 2001-01-16 2006-06-19 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 차량용 교류발전기
KR100489291B1 (ko) * 2002-01-21 2005-05-11 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 교류발전기
JP2007228677A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Hitachi Ltd 発電装置及び回転電機
JP2009532009A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 多相の電気機械に用いられるステータおよび該ステータを製作するための方法
US8344580B2 (en) 2006-03-31 2013-01-01 Robert Bosch Gmbh Stator for a polyphase electric machine and method for manufacturing same
JP2007318901A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Denso Corp 交流発電機
JP2017212874A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール 巻線ヘッドを有する回転電気機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP3438606B2 (ja) 2003-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0917278B1 (en) Alternator for vehicle
JP3905300B2 (ja) 車両用交流発電機
US6268678B1 (en) Alternator
KR100367031B1 (ko) 차량용 교류발전기
US6252326B1 (en) Stator of vehicle AC generator with circumferentially offset coil ends
JP3438581B2 (ja) 車両用交流発電機
US6690099B2 (en) Automotive alternator
US8810101B2 (en) Electric rotary machine having claw magnetic poles with flanges having centrifugal force resistance
JP3456140B2 (ja) 車両用交流発電機
KR20010039538A (ko) 차량용 교류 발전기
US6366000B1 (en) Alternator
JP2002010555A (ja) 車両用回転電機
US6424071B1 (en) Automotive alternator
JP3633498B2 (ja) 回転電機
EP1225677B1 (en) Automotive alternator
JP3438569B2 (ja) 車両用交流発電機
JP2000102215A (ja) 車両用交流発電機
JP2002051490A (ja) 車両用交流発電機
JP2007014104A (ja) 車両用交流発電機
EP1109295B1 (en) Winding heads for the stator of an alternator
JP3041867B2 (ja) 車両用交流発電機及びその製造方法
JPH11164500A (ja) 車両用交流発電機
JP2002142425A (ja) 車両用交流発電機
EP1465321B1 (en) Stator winding arrangement of alternator for vehicle
JPH0127406Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030513

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140613

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term