JP2000101547A - スペクトル拡散通信波の受信装置 - Google Patents

スペクトル拡散通信波の受信装置

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JP2000101547A
JP2000101547A JP26417398A JP26417398A JP2000101547A JP 2000101547 A JP2000101547 A JP 2000101547A JP 26417398 A JP26417398 A JP 26417398A JP 26417398 A JP26417398 A JP 26417398A JP 2000101547 A JP2000101547 A JP 2000101547A
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correlation
spread spectrum
spread
converting
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JP26417398A
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Atsushi Fujimoto
敦 藤本
Masaru Shinohara
勝 篠原
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Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】符号多重により生じる相互相関を相関抑圧フィ
ルタを用いて低減して高品質な高速伝送を実現可能とす
るスペクトル拡散通信波の受信装置を提供する。 【解決手段】時間シフト多重されたスペクトル拡散信号
を受信するスペクトル拡散通信波の受信のために、マッ
チドフィルタから出力される逆拡散信号を相関抑圧フィ
ルタに通して、相互相関を低減したのちに検波および復
号を行うことにより、符号多重により生じる相互相関が
低減され高品質な高速伝送が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一の拡散符号で
拡散された複数のスペクトル拡散信号を拡散符号の位相
が互いに異なるように時間的にずらして多重化し伝送す
るスペクトル拡散通信波の受信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、2.4GHz帯スペクトル拡散通
信による無線LANが実用化されているが、その伝送速
度は2Mbps 以下のものが大部分である。しかし、端末
のCPU性能の向上もあり、今後は画像やグラフィック
等のイメージ情報を含むアプリケーションの使用も増加
していくものと予想され、伝送速度のさらなる高速化が
求められている。国内においては、電波法により2.4
GHz帯スペクトル拡散通信の占有帯域幅は26MHz
以下、また拡散率は10以上と定められている。このた
め、符号多重を行わない場合の伝送速度は、原理的に4
値変調を用いた場合で5.2Mbps 以下,16値変調を
用いた場合で10.4Mbps 以下となる。これらの伝送
速度の上限は理想フィルタで帯域制限した場合での値で
あり、実際の伝送速度は、帯域制限に用いるフィルタの
性能,ベースバンド部のリニアリティ等により制限さ
れ、現状では4値変調を用いた場合で約2Mbps 、16
値変調を用いた場合で約4Mbps が上限である。
【0003】変調の多数値を増大すると伝送速度も増大
するが、フェージングに対する性能が劣化するため、フ
ェージング環境下においては変調の多値数を16からさ
らに増大することは現実的ではない。従って、伝送速度
を4Mbps 以上に高速化するためには符号多重を行う必
要がある。符号多重にはいくつかの方式があるが、その
一つに同一の拡散符号で拡散された複数の拡散信号を拡
散符号の位相が互いに異なるように時間的にずらして多
重化する方式(以下では、時間シフト多重方式と称す
る)がある。この方式によると、4値変調を用いた場合
においても、符号多重数が5の場合で10Mbps 程度、
符号多重数が10の場合には20Mbps 程度の高速伝送
を実現することができる。
【0004】図8は、符号多重数が11の場合の時間シ
フト多重方式の伝送信号の構成を示す概念図である。図
8において、Aは符号長11の拡散符号を表すベクトル
であり、Dk (k=…−10,−9,…0,1,2,…
25)はk番目の送信シンボルによる情報変調信号表
す。伝送信号は無線周波数帯の信号であるが、以下では
等価低域系の信号を用いて説明する。等価低域系におい
ては、Dk はk番目の送信シンボルによる変調信号を表
す複素数となる。簡単のため情報変調をBPSK(Bina
ry Phase-Shift Keying )とすると、Dk はk番目の送
信データと等しくなる。この場合には、送信データDk
が+1のシンボルの拡散信号はAであり、Dk が−1の
シンボルの拡散信号はバーAとなる。ただし、バーAは
拡散符号Aの各成分の符号を反転したものである。拡散
符号としてバーカー符号を用いる場合には、A=〔1−
111−1111−1−1−1〕である。このとき、バ
ーA=〔−11−1−11−1−1−1111〕とな
る。
【0005】拡散信号1〜11はすべて拡散符号Aで拡
散された拡散信号であり、かつその拡散符号の位相は互
いに異なっている。時間シフト多重方式の伝送信号は、
これらの11個の拡散信号をすべて加算した信号であ
る。なお、図8における伝送データはD1 ,D2 ,…で
あり、D0 〜D-10 は伝送データに依らない初期値であ
る。
【0006】従来のスペクトル拡散通信波の受信機を用
いて時間シフト多重方式のスペクトル拡散信号の復調を
行う場合の復調動作について図9を用いて説明する。図
9は従来のスペクトル拡散通信波の受信機のブロック構
成図である。受信アンテナ1で受信された時間シフト多
重されたスペクトル拡散信号50は、ダウンコンバータ
2において送信周波数とほぼ等しい周波数でダウンコン
バートされ、ベースバンドI(In-Phase)信号51,ベ
ースバンドQ(Quadrature)信号52(以下、I信号と
Q信号をまとめてIQ信号という)に周波数変換され
る。ベースバンドIQ信号51,52はAD変換回路3
においてAD変換され、ディジタルIQ信号53,54
となる。ディジタルIQ信号53,54はマッチドフィ
ルタ4において逆拡散され、マッチドフィルタ4からは
逆拡散IQ信号55,56が出力される。逆拡散IQ信
号55,56には1シンボル長の期間に符号多重数と同
じ個数の相関ピークが現れる。検波回路5において各々
の相関ピークの検波を行って検波信号のI成分57とQ
成分58をとり出し、復号回路6において検波された各
相関ピークの復号を行って復調データのI成分59とQ
成分60とをとり出し、これらからパラレル/シリアル
変換器7により受信データ61を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】時間シフト多重方式に
おいては、通常、偶相関サイドローブと奇相関サイドロ
ーブの両方が十分に小さな拡散符号が用いられる。これ
は、拡散符号の自己相関サイドローブが0でない場合に
は、相関ピークに他の相関ピークのサイドローブが重畳
され、相互相関により通信品質が劣化するためである。
時間シフト多重方式における相互相関による通信品質の
劣化について、図8を用いて説明する。図8に図示した
信号は時間シフト多重方式の伝送信号であるが、ここで
は受信機において伝送信号をベースバンド帯域に周波数
変換した信号、すなわちディジタルIQ信号を表すもの
とする。このとき、Dk はk番目の送信シンボルに対す
る複素変調信号と伝送路特性を表す複素包絡線の積であ
る。以下では簡単のため情報変調はBPSKとし、また
伝送路特性が1である場合について考える。この場合に
は、Dk はk番目の送信データと等しくなる。以下にお
いては、図8における拡散信号(11)の最初のシンボ
ル、すなわちD11の相関ピークにおける相互相関につい
て調べる。
【0008】受信機のマッチドフィルタにおいて、ディ
ジタルIQ信号と拡散符号との1シンボル期間での内積
が計算され出力されるが、D11のシンボルの相関ピーク
は、時刻tA から時刻tB までの1シンボル期間のディ
ジタルIQ信号と拡散符号との内積である。時刻tA
ら時刻tB までの1シンボル期間の拡散信号i(i=
1,2,…11)をSi と表記するものとすると、D11
のシンボルの相関ピークPeak11は次式(1)で表現され
る。
【数1】 ただし、上式において・印はベクトル間の内積を表すも
のとする。
【0009】(1)式の右辺の11個の項のうち拡散信
号(11)に関する項は、S11=D 11・Aであるから、
11・A=D11・A・A=11・D11となる。この項は
11に応じて+11または−11の値をとる。(1)式
の右辺の残りの項により、D11のシンボルに対する相互
相関が発生する。拡散信号(1)に関する項S1 ・A
は、図8よりD1 とD12の両方で決まることが分かる。
特にバーカー符号を用いる場合には、S1 =〔−D12
1212−D12121212−D12−D12−D121 〕で
あるから、S1 ・A=−D1 となる。この場合には、S
1 ・AはD1 だけで決定されD12には依らない。拡散信
号(2)に関する項S2 ・Aは、図8よりD2 とD13
両方で決まることが分かる。特にバーカー符号を用いる
場合には、S2 =〔D1313−D13131313−D13
−D132 −D2 〕であるから、S2 ・A=−D13とな
る。この場合には、S2 ・AはD13だけで決定されD2
には依らない。
【0010】拡散信号(3)〜(10)に関する項につ
いても同様であり、結局、次式(2)が得られる。
【数2】 ここで、fi (D11+i)はDi に起因する相互相関を表
す。特に、バーカー符号を用いる場合には、Peak11は次
式(3)で与えられる。
【数3】
【0011】以上においては、D11のシンボルの相関ピ
ークにおける相互相関に着目したが、同様の議論は任意
のDN (N≧11)に対して成り立つことから、次式
(4),(5)が得られる。
【数4】
【0012】(4)式において第2項以降の項がすべて
0であるような拡散符号、すなわち偶相関サイドローブ
および奇相関サイドローブがすべて0であるような拡散
符号があれば、相互相関による劣化を受けることなく時
間シフト多重を行うことができる。ところが、実際には
このような符号は知られておらず、実用的には、偶相関
サイドローブと奇相関サイドローブの両方が0ではない
が小さな値をとるバーカー符号が用いられている。バー
カー符号の偶相関および奇相関サイドローブの振幅はす
べて1であるので、バーカー符号は2値符号の中では最
も時間シフト多重に適した符号といえる。ところが、こ
の時間シフト多重に最適なバーカー符号を用いる場合に
おいても、多重数を拡散率と同程度にまで大きくする
と、相互相関による劣化が非常に大きくなってしまう。
【0013】符号長11のバーカー符号を用いる場合の
最大多重数は11であるが、このときの相関ピーク振幅
は伝送データに応じて1以上21以下となる。バーカー
符号を用いて時間シフト11多重を行ったときの信号点
間距離の劣化の様子を図10に示す。ただし、図10で
は情報変調としてQPSK〔Quadratur Phase-ShiftKey
ing〕変調を用いる場合について示してある。図10
(a)に多重を行わない場合の信号点配置を、図10
(b)に11多重したときの信号点の位置を示してい
る。図10(b)において黒丸で示した4つの信号点は
無歪みの信号点であり、それ以外の白丸で示した信号点
はすべて相互相関の影響を受けた信号点である。相互相
関によりI軸およびQ軸を越える信号点は存在しない
が、最悪の信号点では多重を行わない場合と比較して信
号点距離が1/11に劣化している。これは、S/Nに
換算すると20.8dBの劣化に相当する。また、11
多重することにより、1信号当たりの信号電力は1/1
1となるが、これはS/Nに換算すると10.4dBの
劣化に相当する。
【0014】すなわち、図9に示した構成のスペクトル
拡散通信波の受信機を用いて符号長11のバーカー符号
を時間シフト11多重したスペクトル拡散信号の復調を
行う場合には、最悪の信号点における誤り率特性が多重
を行わない場合と比較してS/N換算で31.2dBだ
け劣化してしまう。このように、時間シフト多重された
スペクトル拡散信号を伝送するシステムにおいて、図9
に示した従来のスペクトル拡散通信波の受信機で復調を
行う場合には、符号多重を行うと誤り率特性が大きく劣
化するため、符号多重数を大きくできないという問題点
があった。
【0015】本発明は、上記事情に鑑みて、符号多重に
より生じる相互相関を相関抑圧フィルタを用いて低減し
て高品質な高速伝送を実現可能とするスペクトル拡散通
信波の受信装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のスペクトル拡散通信波の受信装置は、伝送
信号を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナで受
信した受信信号を送信周波数とほぼ等しい周波数でダウ
ンコンバートしてベースバンドIQ信号に周波数変換す
るダウンコンバート手段と、前記ベースバンドIQ信号
をAD変換するAD変換手段と、前記AD変換手段から
出力されるディジタルIQ信号の逆拡散信号を得るため
のマッチドフィルタ手段と、前記マッチドフィルタ手段
から出力される逆拡散信号における相互相関を抑圧する
ための相関抑圧フィルタ手段と、前記相関抑圧フィルタ
手段から出力される相互相関抑圧逆拡散信号を検波する
ための検波手段と、前記検波手段から出力される検波信
号を復号するための復号手段を備えた構成を有してい
る。また、本発明のスペクトル拡散通信波の受信装置
は、伝送信号を受信する受信アンテナと、前記受信アン
テナで受信した受信信号を送信周波数とほぼ等しい周波
数でダウンコンバートしてベースバンドIQ信号に周波
数変換するダウンコンバート手段と、前記ベースバンド
IQ信号をAD変換するAD変換手段と、前記AD変換
手段から出力されるディジタルIQ信号の逆拡散信号を
得るためのマッチドフィルタ手段と、前記マッチドフィ
ルタ手段から出力される逆拡散信号を検波するための検
波手段と、前記検波手段からの検波出力における相互相
関を抑圧するための相関抑圧フィルタ手段と、前記相関
抑圧フィルタ手段から出力される相互相関抑圧検波信号
を復号するための復号手段とを備えた構成を有してい
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による時間シフト多重され
たスペクトル拡散信号を受信するスペクトル拡散通信波
の受信装置は、マッチドフィルタから出力される逆拡散
信号を相関抑圧フィルタに通して、相互相関を低減した
のちに検波および復号を行うことにより、符号多重によ
り生じる相互相関が低減され高品質な高速伝送が実現さ
れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の一実施例におけるスペクトル拡散通信波
の受信装置のブロック構成図である。図1において、受
信アンテナ1で受信された時間シフト多重されたスペク
トル拡散信号50はダウンコンバータ2において送信周
波数とほぼ等しい周波数でダウンコンバートされ、ベー
スバンドIQ信号51,52に周波数変換される。ベー
スバンドIQ信号51,52はAD変換回路3において
AD変換され、ディジタルIQ信号53,54となる。
ディジタルIQ信号53,54はマッチドフィルタ4に
おいて逆拡散され、マッチドフィルタ4からは逆拡散信
号55,56が出力される。逆拡散信号55,56には
1シンボル長の期間に符号多重数と同じ個数の相互相関
を含んだ相関ピークが現れる。逆拡散信号55,56
は、相関抑圧フィルタ8を通すことによりその相互相関
が低減される。相関抑圧フィルタ8から出力される相互
相関抑圧逆拡散信号62,63は検波回路5に印加さ
れ、各々の相関ピークの検波が行われる。検波回路5か
ら出力される検波信号57,58は復号回路6において
復号され、復調データI成分59,復調データQ成分6
0が出力され、パラレル/シリアル変換回路7により受
信データ61となる。
【0019】図1において、検波回路5としては同期検
波のようなリニアな検波を用いることもできるが、遅延
検波のようなリニアでない検波を用いることもできる。
検波回路5としてリニアな検波を用いる場合には、図2
に示したように相関抑圧フィルタ8を検波回路5の出力
側に挿入することもできる。図2に示した別の実施例に
おいては、マッチドフィルタ4から出力される逆拡散I
Q信号55,56は検波回路5に印加されて相関ピーク
の検波が行われる。検波回路5から出力される検波信号
のI成分57とQ成分58には相互相関が含まれるが、
相関抑圧フィルタ8を通すことによりその相互相関は低
減される。相関抑圧フィルタ8から出力される相互相関
抑圧検波信号のI成分64とQ成分65は復調回路6に
おいて復号され、復調データのI成分59とQ成分60
とが出力され、パラレル/シリアル変換回路7により受
信データ61となる。
【0020】以下では、相関抑圧フィルタ8による相互
相関の抑圧について、さらに詳細に説明する。(4)式
において、D11+iに起因する相互相関f1 (D11+i)は
11+iに比例することから、次式(6)が得られる。
【数5】 (6)式より、相関ピークPeakk は、送信データDk
タップ数が21のFIRフィルタに通したときの出力信
号と等価であることが分かる。すわなち、Peak k は、送
信データDk をiチップ後のタップ係数がci であるF
IRフィルタに通したときの出力に等しい。ただし、c
0 =11とする。
【0021】符号多重による相互相関は上述のFIRフ
ィルタによる符号間干渉と等しいので、逆拡散信号を上
述のFIRフィルタの逆フィルタに通すことにより相互
相関を抑圧することができる。拡散符号としてバーカー
符号を用いる場合のFIRフィルタのタップ係数は
(5)式より求まる。すなわち、
【数6】 である。(7)式をタップ係数とするFIRフィルタの
周波数特性を図4に実線で示す。
【0022】(7)式のFIRフィルタの逆フィルタを
タップ数129のFIRフィルタで近似したときのイン
パルス応答を図3に示す。また、得られた逆フィルタの
周波数特性を図4に破線で示す。符号多重による相互相
関と等価なFIRフィルタのインパルス応答は拡散符号
の自己相関関数であるから、その周波数特性は拡散符号
のパワースペクトルとなる。従って、拡散符号のパワー
スペクトルの逆数となる周波数特性を有するフィルタを
逆フィルタとし、逆拡散信号をこの逆フィルタに通すこ
とにより、相互相関が抑圧される。拡散符号としてバー
カー符号を用いる場合には、図3に示したインパルス応
答を有するFIRフィルタにより相関抑圧フィルタ8が
実現される。符号長11のバーカー符号を用いて11符
号多重を行った場合の逆拡散信号のコンスタレーション
および相関抑圧フィルタにより相互相関を抑圧した後の
コンスタレーションを図5(a)および(b)に各々示
す。図5より、タップ数が129段のFIRフィルタで
構成された逆フィルタを通すことにより相互相関が精度
よく抑圧されていることが分かる。
【0023】相関抑圧フィルタ8の回路構成の具体例を
図6に示す。図6においてmビットレジスタ9,10,
…11およびmビットレジスタ12,13,…,14は
各々mビット×N段のタップ付きシフトレジスタを構成
している。ここで、mは逆拡散信号の量子化ビット数で
あり、Nは逆フィルタを実現するFIRフィルタの段数
から1を差し引いた数である。上述の例では、タップ数
129のFIRフィルタで逆フィルタを実現しているの
で、N=128である。これらの2つのシフトレジスタ
には逆拡散信号のI成分およびQ成分が印加されてお
り、過去Nチップ分の逆拡散信号の相関ピーク値が記憶
されている。記憶された逆拡散信号I成分の各タップ出
力には乗算器15,16,…,18において各々タップ
係数ki (i=1,2,…N)が掛け合わされる。一
方、記憶された逆拡散信号Q成分の各タップ出力には乗
算器19,20,…,22において各々タップ係数ki
が掛け合わされる。タップ係数ki の値は、I成分とQ
成分で共通である。記憶された逆拡散信号I成分とタッ
プ係数との積の総和は加算器23において求められて、
相互相関抑圧逆拡散信号I成分62として出力される。
記憶された逆拡散信号Q成分とタップ係数との積の総和
は加算器24において求められて、相互相関抑圧逆拡散
信号Q成分63として出力される。
【0024】図7は、本発明によるスペクトル拡散通信
波の受信装置を用いた場合のビット誤り率特性の改善に
関する計算機シミュレーション結果である。図7には、
符号長11のバーカー符号を用いて11符号多重を行っ
た場合のシミュレーション結果を示している。図7で、
は符号多重なしの場合、は11符号多重で本発明に
より相互抑圧を行った場合、は11符号多重で相関抑
圧を行わない場合である。11符号多重された受信信号
を図9に示した従来のスペクトル拡散通信波の受信装置
を用いて復調したの場合には、ビット誤り率(BE
R)が10-3となるCNRは、符号多重を行わないの
場合と比較して約16.5dBだけ劣化している。11
符号多重による1信号当たりの信号電力の減少は10.
4dBであるので、約6dBだけ余計に劣化している。
この余分の劣化は、多重された符号間での相互相関に起
因している。一方、本発明によるスペクトル拡散通信波
の受信装置を用いて復調したの場合には、ビット誤り
率が10-3となるCNRは符号多重を行わないの場合
と比較して約12.5dBだけ劣化している。この場合
の相互相関による劣化は約2dBであり、相関抑圧フィ
ルタを使用しないの場合と比較して約4dBの改善が
ある。すなわち、ビット誤り率が10-3程度の領域で
は、本発明によるスペクトル拡散通信波の受信装置を用
いることにより、符号多重時の相互相関に起因する劣化
を大幅に改善することができる。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、同一の拡散
符号で拡散された複数のスペクトル拡散信号を拡散符号
の位相が互いに異なるように時間的にずらして多重し伝
送するスペクトル拡散通信において、本発明によるスペ
クトル拡散通信波の受信装置を用いると、符号多重によ
り生じる相互相関を相関抑圧フィルタにより低減した後
に復調を行うので、相互相関に起因する品質劣化を大幅
に軽減できるため、高品質の高速伝送を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明に用いるFIRフィルタのインパルス応
答を示す特性図である。
【図4】本発明に用いるFIRフィルタの周波数特性例
図である。
【図5】本発明に用いる相関抑圧フィルタの前後におけ
る逆拡散信号のコンステレーション(a)(b)であ
る。
【図6】本発明に用いる相関抑圧フィルタの回路構成例
を示すブロック図である。
【図7】本発明装置によるビット誤り率の改善度を示す
シミュレーション結果特性図である。
【図8】本発明を適用する時間シフト多重方式の伝送信
号例を示す図である。
【図9】従来のスペクトル拡散通信波の受信機例を示す
ブロック図である。
【図10】時間シフト11多重を行わないとき(a)と
行ったとき(b)の信号点間距離の劣化の様子を示す図
である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 ダウンコンバータ 3 AD変換回路 4 マッチドフィルタ 5 検波回路 6 復号回路 7 パラレル/シリアル変換回路 8 相関抑圧フィルタ 9,10,11,12,13,14 mビットレジスタ 15,16,17,18,19,20,21,22 乗
算器 23,24 加算器 50 受信信号 51 ベースバンドI信号 52 ベースバンドQ信号 53 ディジタルI信号 54 ディジタルQ信号 55 逆拡散信号I成分 56 逆拡散信号Q成分 57 検波信号I成分 58 検波信号Q成分 59 復調データI成分 60 復調データQ成分 61 受信データ 62 相互相関抑圧逆拡散信号I成分 63 相互相関抑圧逆拡散信号Q成分 64 相互相関抑圧検波信号I成分 65 相互相関抑圧検波信号Q成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の拡散符号で拡散された複数のスペ
    クトル拡散信号を拡散符号の位相が互いに異なるように
    時間的にずらして多重化し伝送するスペクトル拡散通信
    波の受信装置において、 伝送信号を受信する受信アンテナと、 前記受信アンテナで受信した受信信号を送信周波数とほ
    ぼ等しい周波数でダウンコンバートしてベースバンドI
    Q信号に周波数変換するダウンコンバート手段と、 前記ベースバンドIQ信号をAD変換するAD変換手段
    と、 前記AD変換手段から出力されるディジタルIQ信号の
    逆拡散信号を得るためのマッチドフィルタ手段と、 前記拡散符号のパワースペクトルの逆数となる周波数特
    性を有し、前記マッチドフィルタ手段から出力される逆
    拡散信号における相互相関を抑圧するための相関抑圧フ
    ィルタ手段と、 前記相関抑圧フィルタ手段から出力される相互相関抑圧
    逆拡散信号を検波するための検波手段と、 前記検波手段から出力される検波信号を復号するための
    復号手段とを備えたスペクトル拡散通信波の受信装置。
  2. 【請求項2】 同一の拡散符号で拡散された複数のスペ
    クトル拡散信号を拡散符号の位相が互いに異なるように
    時間的にずらして多重化し伝送するスペクトル拡散通信
    波の受信装置において、 伝送信号を受信する受信アンテナと、 前記受信アンテナで受信した受信信号を送信周波数とほ
    ぼ等しい周波数でダウンコンバートしてベースバンドI
    Q信号に周波数変換するダウンコンバート手段と、 前記ベースバンドIQ信号をAD変換するAD変換手段
    と、 前記AD変換手段から出力されるディジタルIQ信号の
    逆拡散信号を得るためのマッチドフィルタ手段と、 前記マッチドフィルタ手段から出力される逆拡散信号を
    検波するための検波手段と、 前記検波手段からの検波出力における相互相関を抑圧す
    るための相関抑圧フィルタ手段と、 前記相関抑圧フィルタ手段から出力される相互相関抑圧
    検波信号を復号するための復号手段とを備えたスペクト
    ル拡散通信波の受信装置。
  3. 【請求項3】 前記相関抑圧フィルタ手段は、タップ数
    21のFIRフィルタであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のスペクトル拡散通信波の受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007082133A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Samsung Electronics Co Ltd 無線送信機および無線受信機
US7430233B2 (en) 2002-12-04 2008-09-30 Nippon Telephone And Telegraph Corporation Spread-spectrum demodulator
US8018986B2 (en) 2005-10-03 2011-09-13 Nec Corporation Signal receiving apparatus including equalizer, terminal apparatus, signal receiving method, and signal receiving program

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