JP2000100834A - 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置 - Google Patents

太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置

Info

Publication number
JP2000100834A
JP2000100834A JP10266573A JP26657398A JP2000100834A JP 2000100834 A JP2000100834 A JP 2000100834A JP 10266573 A JP10266573 A JP 10266573A JP 26657398 A JP26657398 A JP 26657398A JP 2000100834 A JP2000100834 A JP 2000100834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mist
substrate
cadmium telluride
heating
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10266573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3465872B2 (ja
Inventor
Tetsuya Niimoto
哲也 新本
Hideaki Oyama
秀明 大山
Kuniyoshi Omura
邦嘉 尾村
Mikio Murozono
幹夫 室園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Battery Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Battery Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Battery Industrial Co Ltd
Priority to JP26657398A priority Critical patent/JP3465872B2/ja
Publication of JP2000100834A publication Critical patent/JP2000100834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3465872B2 publication Critical patent/JP3465872B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/543Solar cells from Group II-VI materials

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CdTe膜のハロゲン化合物による熱処理工
程における、処理の均一性、迅速性の向上と材料ロスの
削減および不純物混入の防止を計り、高性能のCdTe
系太陽電池を低コストで提供することを目的とする。 【解決手段】 CdTe膜を形成した熱処理用基板にハ
ロゲン化合物溶液のミストを熱処理用基板上に噴霧塗布
する塗布工程、酸素を含む不活性ガス中で所定の温度に
加熱する加熱工程、これを洗浄する工程を連続して行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用テルル
化カドミウム膜の処理方法およびその処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】種々の半導体材料の中でもテルル化カド
ミウム(以下、CdTeという)は禁制帯幅が1.44
eVと太陽光スペクトルとの整合性が高いために、従来
より太陽電池のp型半導体として広く用いられている。
CdTe膜の形成方法としては、印刷焼結法、電解法、
蒸着法、近接昇華法等が一般に用いられている。
【0003】図4に代表的なCdTe系太陽電池であ
り、通常スーパーストレートタイプまたはフロントウオ
ールタイプと呼ばれている太陽電池の模式断面図を示
す。この太陽電池は、ガラス基板などの耐熱性の透光性
基板52上に酸化錫、酸化インジウム錫などの透明導電
膜53、及び硫化カドミウム(以下、CdSという)膜
54、CdTe膜55を順次形成し、これにカーボンも
しくはニッケル等の材料でオーミック電極56を形成
し、さらにアルミニウム、あるいは銀とインジウムの混
合物等の金属電極57を形成して構成されている。この
タイプの太陽電池には、光の入射方向に対して表面側に
透光性基板52があるために、屋外で使用する場合に透
光性基板52が保護層の役割を果たして耐候性を高める
利点がある。
【0004】また、上記以外にサブストレートタイプま
たはバックウオールタイプと呼ばれる構造のCdTe系
太陽電池も検討されており、その模式断面図を図5に示
す。一般的には、セラミック、金属などの耐熱性基板6
2上にカーボン膜などのオーミック電極63、CdTe
膜64、CdS膜65を順次形成し、これに酸化錫など
の透明導電膜66を形成する。この後に金属電極67を
形成して太陽電池を構成する。この構造の利点は、Cd
S膜65や透明導電膜66をCdTe膜64よりも先に
製膜するので、これらの膜がCdTe製膜時の高温下で
損傷する心配がないことにある。また、CdTe系太陽
電池には、n型半導体膜として上記のCdS膜以外に、
CdZnS、InO、In(OH)2等などの膜を用い
た太陽電池もある。
【0005】一般的に上記のいずれのCdTe系太陽電
池を構成する場合にも、CdTe膜を形成した後、この
CdTe膜をハロゲン又はハロゲン化合物と接触させた
状態で熱処理することが必要とされている。この熱処理
は、CdTe膜を構成するCdTeの結晶粒を適度に粒
成長させると共に、結晶内の格子欠陥を減少させること
を主目的に行うものである。また同時に、塩素等のドー
パントとして有効な元素をCdTe膜内に拡散させてp
n接合の形成を容易にする効果もある。したがって、こ
の熱処理の成否は、CdTe膜を用いた太陽電池の性能
を左右する重要な事柄である。以下、便宜上、上記の熱
処理に供するCdTe膜形成済みの耐熱性基板を全て包
含して熱処理用基板という。
【0006】これまで、上記CdTe膜の熱処理に関し
て、下記の方法が提案されている。第1の方法として、
熱処理用基板のCdTe膜表面に、浸漬塗布、ロールコ
ーター塗布、スピンコーティング、スプレー等の方法で
ハロゲン化合物溶液を塗布して乾燥させた後、加熱する
方法(特開平10−4205号公報)がある。しかし、
上記の塗布方法により前記溶液を塗布する場合には、塗
膜が乾燥される際にハロゲン化合物がCdTe膜上に不
均一に偏析し、熱処理の効果にムラができて太陽電池の
性能を低下させる問題があった。
【0007】また、熱処理に必要なハロゲン化合物は極
少量であるに拘わらず、CdTe膜上に濃く析出してい
る部分には不要なハロゲン化合物が過剰に塗布されてい
ることになる。そのため、塗布成分の利用率が悪く、材
料コストが高くなると同時に、過剰な塗布成分を加熱後
に洗浄除去するために長時間を要し、作業コストが高く
なる問題があった。さらに従来は、溶液の塗布工程と加
熱工程、あるいは加熱工程と洗浄工程が非連続的に行わ
れていたために、熱処理用基板を各工程に移動させる過
程での有害な不純物の混入防止、及び製造時間短縮が困
難であった。
【0008】第2の方法としては、熱処理用基板をハロ
ゲンガスを含む雰囲気中、例えば塩素ガスを導入した加
熱チャンバー内などで熱処理を行う方法(Proceeding o
f 1st world conference on photovoltaic energy conv
ersion, pp103-106,1994)が報告されている。しかしこ
の方法は、製造工程中にハロゲンガスを導入するに際し
ての安全管理が困難であった。
【0009】これらの問題を解決するため、第3の方法
として、近接昇華法によるCdTe膜の形成材料中にハ
ロゲン化合物を予め混合することによって、CdTe膜
の形成と上記熱処理を実質的に同時に行う試みが検討さ
れている。しかしこの方法では、熱処理によるCdTe
の結晶成長効果が、現在のところ十分には得られていな
い。ちなみに、近接昇華法とはガラス、セラミック、金
属などの耐熱性基板と、主としてCdTe粉末からなる
CdTe膜形成用材料層とを、近接させて配置し、前記
材料を加熱してこれを気化し、気化した材料より低い温
度の製膜用基板の表面にCdTeを析出させて膜形成す
る方法である。
【0010】第4の方法として、耐熱性基板上に近接昇
華法などでCdTe膜を形成後、引き続き、同一炉内で
シャッターを介して設けられたハロゲン化合物溶液のミ
ストを導入した雰囲気中で熱処理する方法(特願平9−
360492号)等がある。しかし、この方法では炉内
でミストの供給が行われ、排気口が炉の出口に設置され
ているため、炉内に溶媒蒸気が充満してハロゲン化合物
による処理が阻害される問題があった。また、単にダク
トで炉内にミストを導入する方法では、大面積の熱処理
用基板を処理する場合のミストの均一な噴霧塗布が困難
であった。また、CdTe膜の形成と熱処理の処理速度
に差があるために、CdTe膜の形成と熱処理を連続し
て行うためには、各装置間に時間調整用ダム等を設ける
必要があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽電池用
CdTe膜の結晶性改善のためのハロゲン化合物による
熱処理における上記の問題点を解決し、高性能のCdT
e系太陽電池を効率的に得ることを目的とする。そのた
め、上記処理工程中に有害な不純物が混入せず、大面積
でも均一な処理が可能で、しかも材料ロスの削減や処理
時間の短縮が可能な処理方法と処理装置を提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の太陽電池用CdTe膜の処理方法は、耐熱
性の基板上に形成されたテルル化カドミウム膜の表面に
ハロゲン化合物溶液のミストを噴霧することにより、前
記溶液を前記テルル化カドミウム膜上に塗布する工程、
前記溶液が塗布された前記基板を酸素を含む不活性ガス
雰囲気中で350℃以上、500℃以下の温度範囲で加
熱する工程、及び加熱後の前記基板を洗浄する工程を有
し、これらの工程を連続して行うものである。
【0013】また、本発明の太陽電池用CdTe膜の処
理装置は、ハロゲン化合物溶液を霧化してミストを発生
させ、前記ミストを輸送ガス中に混合する霧化部、前記
輸送ガスと混合された前記ミストを、テルル化カドミウ
ム膜が形成された耐熱性の基板(熱処理用基板)のテル
ル化カドミウム膜の表面に噴霧する塗布部、前記塗布部
に連なり、前記ミストが噴霧された前記基板を酸素を含
む不活性ガス雰囲気中で加熱する加熱部、前記加熱部に
連なり、加熱後の前記基板を洗浄し、この基板に付着し
た液滴を除去する洗浄部、および前記基板を前記塗布部
から前記加熱部を経由して前記洗浄部へ搬送する搬送装
置を具備するものである。
【0014】上記の本発明の処理方法または処理装置に
より、太陽電池用CdTe膜の結晶性改善のためのハロ
ゲン化合物処理を、不純物を混入させることなく均一に
行うことができ、同時に材料ロスの削減と迅速な処理が
可能となる。その結果、高性能、低コストのCdTe系
太陽電池を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のCdTe膜の処理方法
は、熱処理用基板のCdTe膜の表面にハロゲン化合物
溶液のミストを噴霧することにより、前記溶液を塗布す
る工程、この熱処理用基板を酸素を含む不活性ガス雰囲
気中で所定の温度範囲で加熱する工程、および加熱後の
熱処理用基板を洗浄する工程を連続して行うものであ
る。本発明は、先に記述したフロントウオールタイプお
よびバックウオールタイプなどの各種CdTe系太陽電
池のCdTe膜を熱処理する場合に共通して適用でき
る。即ち、本発明で熱処理の対象とするCdTe膜は、
各種耐熱性基板上に直接形成される場合や前記基板上の
下地の膜上に形成される場合が包含される。
【0016】本発明によれば、スプレー法、浸漬塗布法
等の従来の塗布方法のように多量の溶液を塗布して熱処
理する場合とは異なり、例えば超音波振動などで発生さ
せたミストを噴霧することにより、必要最少量の溶液を
CdTe膜表面に均一に塗布することが可能となる。こ
の塗膜を直ちに加熱して乾燥することにより、必要最少
量のハロゲン化合物をCdTe膜上に均一に析出させる
ことができ、最小限度の塗布材料により均一な熱処理効
果を得ることができる。
【0017】本発明に用いるハロゲン化合物としては塩
化カドミウムが代表的であるが、ヨウ化カドミウム、フ
ッ化カドミウム、塩化亜鉛、及び四塩化テルル等を用い
ることもできる。上記のハロゲン化合物は、主としてC
dTeの結晶性改善に寄与する融点降下剤として作用す
るが、これらを主体とし、微量の塩化銅、塩化カリウ
ム、フッ化銅などをドーピング材として混合して用いる
こともできる。
【0018】また、上記ハロゲン化合物を溶解させる溶
媒としては、水、あるいはメタノール、エタノールなど
のアルコールが適している。水はハロゲン化合物の溶解
度が高いので溶液濃度を適宜調整することが可能で、さ
らに安価で取り扱いが容易な利点がある。一方、メタノ
ールあるいはエタノール中のハロゲン化合物の飽和溶解
度は約0.1mol/dm3であり、この濃度が熱処理
に用いる溶液の通常の適正濃度とほぼ一致するため、こ
れらの飽和溶液を用いることにより、溶液濃度を常に一
定に保ちながらミストを発生できる利点がある。
【0019】なお、上記加熱工程は、通常、窒素などの
不活性ガス中に10,000ppm前後の酸素を含有さ
せた350〜500℃の雰囲気中で行うことが好まし
い。酸素濃度が不足したり、加熱温度が低い場合は、C
dTeの結晶性改善効果が不十分となり、酸素濃度が過
剰な場合や加熱温度が高い場合には、CdTe膜が酸化
されて特性が劣化する傾向がある。
【0020】本発明のCdTe膜の処理装置は、ハロゲ
ン化合物溶液を、例えば超音波振動などにより霧化して
ミストを発生させ、このミストを窒素、空気などの輸送
ガス中に混合する霧化部、輸送ガス中に混合されたミス
トを熱処理用基板のCdTe膜の表面に噴霧することに
よって、溶液を塗布する塗布部、前記塗布部に連なり、
溶液が塗布された前記熱処理用基板を所定濃度の酸素を
含む不活性ガス雰囲気中で所定温度範囲に加熱する加熱
部、前記加熱部に連なり、加熱された前記熱処理用基板
を洗浄し、洗浄後に前記熱処理用基板に付着している液
滴を、例えば空気又は窒素ガスを吹き付けることにより
除去する洗浄部、および前記熱処理用基板を前記塗布部
から前記加熱部を経由して前記洗浄部へ、例えばローラ
ー、あるいはベルトコンベアなどにより搬送する搬送装
置を具備するものである。
【0021】図1に上記処理装置の好ましい構成例の概
略図を示し、本発明をより詳細に説明する。霧化部1内
の超音波振動方式ミスト発生装置10で発生させたハロ
ゲン化合物溶液のミストは、輸送ガス導入管2から同装
置10内に導入された輸送ガスと混合され、ミスト供給
管3から塗布部18内の塗布ノズル11に供給される。
熱処理用基板4は、CdTe膜形成工程あるいは基板供
給庫9から搬送ローラー8により塗布部18に搬送され
る。塗布部18内に搬送された熱処理用基板4のCdT
e膜の表面に、塗布ノズル11に供給された前記ミスト
が塗布ノズル11内の噴射口5から輸送ガスと共に噴射
され、熱処理用基板4のCdTe膜表面に前記ミストが
噴霧されることにより溶液層となって塗布される。噴霧
された後の残余のミストと輸送ガスとは噴射口5の近傍
に設けた排気用ノズル6の排気口26から排気管7を通
して、あるいは塗布部18を囲う函体21内に設けた排
気口22より排気される。
【0022】ミストが噴霧された熱処理用基板4は、搬
送ローラー8によりトンネル状マッフル13とヒーター
12を備えた加熱部19に移され、温度と酸素濃度を制
御した不活性雰囲気のマッフル13内をメッシュベルト
式搬送機構16により搬送されながら加熱される。加熱
後の前記熱処理用基板4は、搬送ローラー8により洗浄
部20に搬送され、洗浄用ノズル14から吹き出したイ
オン交換水により洗浄され、次いでエアナイフ15によ
って液滴が除去される。さらに、この熱処理用基板4
は、搬送ローラー8により、次工程もしくは基板収納庫
21に移される。
【0023】この処理装置により、塗布、加熱、洗浄の
各工程を連続して行うことができるので、有害な不純物
の混入と製造時間のロスを同時に防げる。また、ミスト
の噴霧による溶液塗布工程と加熱工程が隔離された箇所
で行われるので、加熱炉内に溶媒蒸気が充満してハロゲ
ン化合物による処理を阻害するといった問題もない。
又、超音波振動によりハロゲン化合物溶液の微細化され
たミストを噴霧して塗布するので均一な塗布が可能とな
り、CdTe膜の品質を向上させることができる。
【0024】さらに、上記の本発明による処理装置の塗
布部18は以下のように構成することが好適である。即
ち、前記CdTe膜の表面に前記溶液のミストを噴霧す
るノズルと排気口を備え、前記ノズル内の噴射口から前
記ミストを噴射する方向が、前記熱処理用基板のCdT
e膜面に対して垂直方向から20〜50°の角度で排気
口22側に傾いた方向になるよう前記ノズルを設置する
ものである。これにより、熱処理用基板上にミストを噴
霧する場合、ミストを効率良く熱処理用基板4上に塗布
し、且つ塗布されなかった噴射ミストと輸送ガスを円滑
に排気させることができる。
【0025】図2にその好ましい構成例の主要部の概略
図を示し、具体的に説明する。霧化部1からミスト供給
管3を経由して、塗布部18内のフレキシブルホース2
3から塗布ノズル11に供給された輸送ガスとミスト
は、塗布ノズル11内のミスト充填ボックス27内に入
り、塗布ノズル11内の吹き出しノズル25に供給され
て噴射口5から噴射され、熱処理用基板4に噴霧され
る。ミスト充填ボックス27の内壁に露結したミストは
ドレン45に溜まり、ドレンバルブ24から排出され
る。
【0026】噴射口5から噴射されたミストは、熱処理
用基板4の表面に吹き付けられた後、残余のミストと輸
送ガスは熱処理用基板4の表面上を流れて排気用ノズル
6の排気口26に吸い込まれ、フレキシブルホース23
を経由して排気管7から排出される。同時にこの排出は
函体21内に設けた排気口22からも行われる。吹き出
しノズル25は、噴射口5からのミストの吹き出し方向
が熱処理用基板4に対して垂直方向から20゜〜50゜
の範囲で排気口22および排気用ノズル6側に傾いた角
度になるように設置する。なお、前記フレキシブルホー
ス23の柔軟性を利用して、塗布ノズル11と排気ノズ
ル6の設置角度や熱処理用基板4との距離を、適宜調節
できる構造になっている。
【0027】本発明は、ミストの均一な塗布と円滑な排
気ができる条件を種々検討した結果、噴射口5からミス
トが吹き出される角度が熱処理用基板4の表面に対して
上記のように20゜〜50゜傾いた構造とすることが好
ましいことを見出したことに基づくものである。上記角
度範囲外の20゜未満の場合には、排気口22あるいは
排気用ノズル6の反対側方向にもミスト流が巻き上が
り、函体21の内部全体に散乱してミストの均一な塗布
を阻害し、同時に円滑な排気が行われ難い。また、50
゜を越える角度の場合には、熱処理用基板4へのミスト
の接触が少なくなり、塗布されずに排気されるミストが
多くなり、効率的に塗布し難くなる。
【0028】また、上記装置の塗布ノズル11及びその
周辺を囲う函体21の構成部材の少なくとも一部を、塩
化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ガラス等の透明部材で構
成することが好ましい。これにより、ミストの噴射状態
や塗布状態と排気の状況などを目視で確認しながら、ノ
ズルの噴射角度や熱処理用基板からの高さを調整して、
塗布条件をより適正に管理できるので、最小限の材料で
熱処理用基板上にハロゲン化合物溶液を均一に塗布する
ことが容易になる。
【0029】本発明の処理装置における霧化部1として
は、超音波振動により発生させたミストを、ミスト中の
溶媒と同一の溶媒の蒸気を含んだ輸送ガスとともに、塗
布部18に導入する機能を具備したものが有効である。
これにより、ミスト中の溶質成分がミスト発生装置10
の容器中に析出して汚れることが防止でき、ミストの溶
液濃度やミストの発生率の変化を防止できる。
【0030】次に、上記霧化部1の好ましい構成例を、
図3に示す概略図により説明する。輸送ガス40を輸送
ガス導入管28を通して液タンク31中に収納された溶
媒29中に送気して輸送ガス40の泡39を前記溶媒2
9中を通過させ、前記溶媒29の蒸気を含んだ輸送ガス
41を生成させる。この輸送ガス41は、輸送ガス搬送
管42からミストトラップ32に入り、前記溶媒29の
液滴が取り除かれる。ミストトラップ32の底部に溜ま
った溶媒はネット33により飛散が防止される。
【0031】ミストトラップ32を通過した輸送ガス4
3は、輸送ガス搬送管を通ってミスト発生部36に入
り、前記溶媒29と同一の溶媒にハロゲン化合物を溶解
した溶液34を超音波振動子35で霧化したミスト38
と混合されて噴霧用ガス37となる。この噴霧用ガス3
7はミスト供給管44を通して塗布部に供給される。液
タンク31、ミストトラップ32、ミスト発生部36に
は各々液抜き用のドレンバルブ30が設けてある。
【0032】ミストの輸送ガスとして、通常はコンプレ
ッサーにより発生させた圧縮空気や、工業用の窒素ガス
等を用いるが、ミスト中の溶媒成分が前記輸送ガス中に
蒸発することにより、ミストに溶解していた溶質成分
(ハロゲン化合物)が過飽和状態となり、ミスト発生部
の容器中に析出する場合が多い。これにより容器内が汚
れるだけでなく、ミストの溶液濃度変化や、ミスト化す
る溶液の濃度変化によるミスト発生率変化のために、一
定条件でミストを塗布部に供給できず、均一な熱処理が
できないという問題を生じる。これらの問題は、上記の
ように輸送ガス中にミスト中の溶媒と同じ溶媒成分を飽
和蒸気圧に近い濃度で含ませて、ミスト中の溶媒が輸送
ガス中に蒸発することを阻止することにより解決され
る。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明により、不純物を
混入させることなく、太陽電池用CdTe膜の結晶性改
善のためのハロゲン化合物処理を大面積でも均一に行う
ことが可能となり、同時に材料ロスの削減と迅速な処理
ができる。これにより、低コスト、高性能のCdTe系
太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるCdTe膜の処理装置
の構成を示す縦断面略図である。
【図2】同装置の塗布部内の主要部の構成を示す縦断面
略図である。
【図3】同素うちの霧化部の構成を示す縦断面略図であ
る。
【図4】CdS/CdTe太陽電池素子の構造例の模式
断面図である。
【図5】CdS/CdTe太陽電池素子の他の構造例の
模式断面図である。
【符号の説明】
1 霧化部 2、28 輸送ガス導入管 3、44 ミスト供給管 4 熱処理用基板 5 噴射口 6 排気用ノズル 7 排気管 8 搬送ローラー 9 基板供給庫 10 ミスト発生装置 11 塗布ノズル 12 ヒーター 13 マッフル 14 洗浄用ノズル 15 エアナイフ 16 メッシュベルト式搬送機構 17 基板収納庫 18 塗布部 19 加熱部 20 洗浄部 21 函体 22 函体の排気口 23 フレキシブルホース 24 ドレンバルブ 25 吹き出しノズル 26 排気用ノズルの排気口 27 ミスト充填ボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾村 邦嘉 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 (72)発明者 室園 幹夫 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA09 BA14 CB11 CB29 CB30 DA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の基板上に形成されたテルル化カ
    ドミウム膜の表面にハロゲン化合物溶液のミストを噴霧
    することにより、前記溶液を前記テルル化カドミウム膜
    上に塗布する工程、前記溶液が塗布された前記基板を酸
    素を含む不活性ガス雰囲気中で350℃以上、500℃
    以下の温度範囲で加熱する工程、及び加熱後の前記基板
    を洗浄する工程を有し、これらの工程を連続して行うこ
    とを特徴とする太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化合物溶液を霧化してミストを
    発生させ、前記ミストを輸送ガス中に混合する霧化部、
    前記輸送ガスと混合された前記ミストを、テルル化カド
    ミウム膜が形成された耐熱性の基板の前記テルル化カド
    ミウム膜の表面に噴霧する塗布部、前記塗布部に連な
    り、前記ミストが噴霧された前記基板を酸素を含む不活
    性ガス雰囲気中で加熱する加熱部、前記加熱部に連な
    り、加熱後の前記基板を洗浄し、この基板に付着した液
    滴を除去する洗浄部、および前記基板を前記塗布部から
    前記加熱部を経由して前記洗浄部へ搬送する搬送装置を
    具備することを特徴とする太陽電池用テルル化カドミウ
    ム膜の処理装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布部が、前記テルル化カドミウム
    膜の表面に前記溶液のミストを噴霧するノズルと排気口
    を具備しており、前記ノズルから前記ミストを噴射する
    方向が、前記テルル化カドミウム膜の表面に対して垂直
    方向から20°〜50°の角度で前記排気口側に傾いた
    方向に設置されている請求項2に記載の太陽電池用テル
    ル化カドミウム膜の処理装置。
  4. 【請求項4】 前記塗布部が、前記テルル化カドミウム
    膜の表面に前記溶液のミストを噴霧するノズルおよびそ
    の周辺を囲う函体を備え、前記ノズルおよび前記函体が
    透明性の材料から構成されている請求項2に記載の太陽
    電池用テルル化カドミウム膜の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記霧化部が、前記ミスト中の溶媒と同
    一の溶媒の蒸気を含んだ輸送ガスを発生させる機構、前
    記溶液のミストを超音波振動により発生させる機構、及
    び前記輸送ガス中に前記ミストを混合する機構を具備し
    た請求項2に記載の太陽電池用テルル化カドミウム膜の
    処理装置。
JP26657398A 1998-09-21 1998-09-21 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置 Expired - Fee Related JP3465872B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26657398A JP3465872B2 (ja) 1998-09-21 1998-09-21 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26657398A JP3465872B2 (ja) 1998-09-21 1998-09-21 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000100834A true JP2000100834A (ja) 2000-04-07
JP3465872B2 JP3465872B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=17432700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26657398A Expired - Fee Related JP3465872B2 (ja) 1998-09-21 1998-09-21 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3465872B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002111020A (ja) * 2000-07-26 2002-04-12 Antec Solar Gmbh CdTe薄フィルム太陽電池の活性化方法
JP2008536669A (ja) * 2005-04-22 2008-09-11 シュミット テクノロジー システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 均等な薄い液体層を基板に塗布する装置および方法
WO2016051559A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
WO2017068625A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
JP2018114504A (ja) * 2018-04-17 2018-07-26 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
JP2021509222A (ja) * 2017-12-07 2021-03-18 ファースト・ソーラー・インコーポレーテッド 光起電力素子および第v族ドーパントを備える半導体層、ならびにそれを形成する方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002111020A (ja) * 2000-07-26 2002-04-12 Antec Solar Gmbh CdTe薄フィルム太陽電池の活性化方法
JP2008536669A (ja) * 2005-04-22 2008-09-11 シュミット テクノロジー システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 均等な薄い液体層を基板に塗布する装置および方法
CN107073487A (zh) * 2014-10-01 2017-08-18 东芝三菱电机产业系统株式会社 成膜装置
JPWO2016051559A1 (ja) * 2014-10-01 2017-04-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
KR20170053659A (ko) * 2014-10-01 2017-05-16 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 성막 장치
WO2016051559A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
US10118191B2 (en) 2014-10-01 2018-11-06 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation Film forming apparatus
KR101958122B1 (ko) * 2014-10-01 2019-03-13 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 성막 장치
WO2017068625A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
JPWO2017068625A1 (ja) * 2015-10-19 2018-03-01 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置
JP2021509222A (ja) * 2017-12-07 2021-03-18 ファースト・ソーラー・インコーポレーテッド 光起電力素子および第v族ドーパントを備える半導体層、ならびにそれを形成する方法
JP7046184B2 (ja) 2017-12-07 2022-04-01 ファースト・ソーラー・インコーポレーテッド 光起電力素子および第v族ドーパントを備える半導体層、ならびにそれを形成する方法
US11502212B2 (en) 2017-12-07 2022-11-15 First Solar, Inc. Photovoltaic devices and semiconductor layers with group V dopants and methods for forming the same
JP2018114504A (ja) * 2018-04-17 2018-07-26 東芝三菱電機産業システム株式会社 成膜装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3465872B2 (ja) 2003-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4680183B2 (ja) カルコパイライト型薄膜太陽電池の製造方法
JP4680182B2 (ja) カルコパイライト型薄膜太陽電池用光吸収層の製造方法
JP4012957B2 (ja) 化合物薄膜太陽電池の製造方法
US20130224901A1 (en) Production Line to Fabricate CIGS Thin Film Solar Cells via Roll-to-Roll Processes
CN102194925B (zh) 制造薄膜光吸收层的方法及使用其制造薄膜太阳能电池的方法
EP2257970A2 (en) Buffer layer deposition for thin-film solar cells
JP4110515B2 (ja) 薄膜太陽電池およびその製造方法
CN113471367B (zh) 制备钙钛矿膜层的系统和方法及其应用
JP2023515477A (ja) 蒸気搬送堆積によるペロブスカイトデバイス加工の方法
KR20120095311A (ko) 도포 장치
JP3465872B2 (ja) 太陽電池用テルル化カドミウム膜の処理方法と処理装置
JP3795103B2 (ja) リンを含む酸化チタン膜の形成方法および太陽電池の製造装置
JP2004140307A (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
JP2001023907A (ja) 成膜装置
JP2000044238A (ja) 二酸化錫膜の製造方法および太陽電池
US20110124149A1 (en) Method and device for coating a carrier for thin-film solar cells
KR20120122369A (ko) 인라인 타입의 태양전지 제조장치 및 이에 의하여 제조된 태양전지
CN113451516A (zh) 制备钙钛矿吸收层的设备和方法及其应用
CN113571599B (zh) 碲化镉薄膜太阳能电池、制备方法及活化处理设备
CN117529195A (zh) 一种涂布大面积钙钛矿层的方法及钙钛矿太阳能电池
JP2003158277A (ja) 太陽電池セルの製造方法
CN116266617A (zh) 使用高温水气溶胶激活薄膜太阳能电池吸收层的方法
CN115915881A (zh) 钙钛矿薄膜及其制备方法和应用
CN117320527A (zh) 一种调控钙钛矿形核与结晶的方法及系统
CN110957393A (zh) 薄膜太阳能电池的光吸收层的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees