JP2000098092A - 反射鏡およびその製造方法 - Google Patents

反射鏡およびその製造方法

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JP2000098092A
JP2000098092A JP10265977A JP26597798A JP2000098092A JP 2000098092 A JP2000098092 A JP 2000098092A JP 10265977 A JP10265977 A JP 10265977A JP 26597798 A JP26597798 A JP 26597798A JP 2000098092 A JP2000098092 A JP 2000098092A
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ray
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reflection
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Kuninori Shinada
邦典 品田
Hideo Takino
日出雄 瀧野
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】照射されるエネルギーの吸収による熱変形を充
分小さく抑えることのできる反射鏡とその製造方法を提
供する。 【解決手段】基板1と、基板1上に配置された反射膜2
とを有する。基板1は、インバーからなり、反射膜2
は、基板1上に直接配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟X線縮小投影露
光装置等のX線光学系に用いられる反射鏡に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路素子の微細化に伴
い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を
向上させるために、従来より用いられていた紫外線に代
えて、より波長の短いX線を使用する投影リソグラフィ
ー技術が研究されている。
【0003】この技術に使用されるX線投影露光装置
は、現在開発中ではあるが、主としてX線源、照明光学
系、マスク、結像光学系、ウェハステージ等により構成
される予定である。
【0004】X線源には、放射光光源またはレーザープ
ラズマX線源が使用可能である。照明光学系は、斜入射
ミラー、多層膜ミラー、および所定の波長のX線のみを
反射または透過させるフィルター等により構成され、マ
スク上を所望の波長のX線で照明する。
【0005】マスクとしては、透過型マスクと反射型マ
スクとが研究されている。透過型マスクは、X線を良く
透過する物質からなる薄いメンブレンの上に、X線を吸
収する物質を所定の形状に設けることによってパターン
を形成したものである。一方、反射型マスクは、例えば
X線を反射する多層膜上に反射率の低い部分を所定の形
状に設けることによってパターンを形成したものであ
る。
【0006】投影結像光学系は、複数の多層膜ミラーで
構成され、マスクを透過または反射したX線を、ウェハ
ステージ上のウェハ上に結像する。ウェハには、レジス
トが塗布されている。これによりレジストに上記マスク
のパターンが転写される。
【0007】なお、X線は大気に吸収されて減衰するた
め、X線投影露光装置のX線光路は全て所定の真空度に
維持される構成となる。
【0008】また、X線投影露光装置に用いられる軟X
線の波長域では、透明な物質は存在せず、また物質表面
での反射率も非常に低いため、X線投影露光装置にはレ
ンズやミラーなどの通常の光学素子が使用できない。そ
のため、反射面に斜め方向から入射したX線を全反射を
利用して反射させる斜入射ミラーや、多層膜の各界面で
の反射光の位相を一致させて干渉効果によって高い反射
率を得る多層膜ミラー等を用いることが考えられてい
る。
【0009】しかしながら、斜入射光学系は収差が大き
いために回折限界の解像力を得ることはできない。一
方、多層膜ミラーはX線を垂直に反射することが可能で
あり、回折限界のX線光学系を構成することが可能であ
る。このため、現在開発中の軟X線投影露光装置の結像
光学系は、すべて多層膜ミラーを用いることが考えられ
ている。また、多層膜ミラーの基板には、形状精度が高
くしかも表面粗さの小さい、溶融石英等の組成SiO2
の非晶質のガラス材料を用いることが検討されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなX線投影
露光装置では、スループットを向上させて、実用的なス
ループット(例えば、8インチウェハで30枚/1時間
程度以上)にするためには、露光時間を短縮し、X線の
照射強度を大きくする必要がある。このため、結像光学
系を構成する多層膜ミラーの表面には、ある程度の強度
のX線(例えば、10mW/cm2程度)が照射される
ことになる。
【0011】ところが、多層膜ミラーの反射率は最も高
くても70%程度であり、残りは多層膜で反射されずに
吸収、透過、散乱される。散乱による損失はわずかであ
り、多層膜を透過したX線はミラー基板によりほぼ完全
に吸収される。即ち、多層膜ミラーで反射されなかった
X線のほとんどは多層膜ミラーに吸収され、そのエネル
ギーは熱に変換される。しかも、この多層膜ミラーは真
空中で使用されるため、ミラーの表面からの放熱はほと
んどなく、多層膜ミラーの温度は上昇し、多層膜ミラー
に熱変形が生じてしまう。
【0012】一般に、光学系で回折限界の解像力を得る
ためには、使用する光の波長と比較して光学系を構成す
るミラーやレンズの形状誤差を充分小さくする必要があ
る。X線光学系では、可視光や紫外線の光学系よりも、
波長が短い分だけ形状誤差の許容範囲は狭く、X線照射
による多層膜ミラーの熱変形は、多層膜ミラーの結像特
性に大きな影響を与え、設計通りの解像力が得られなく
なる恐れがある。
【0013】現状では、基板の裏面からミラーを冷却す
ることが考えられているが、スループット向上のため
に、強いX線を照射すると、熱変形を完全に抑制するだ
けの充分な効果を得ることはむずかしい。そのため、現
在までのところ、実用的なスループットが得られる見通
しは立っていない。
【0014】また、この光学素子の熱変形の問題は、軟
X線以外の波長域の光学系についても、程度の差はあれ
生じていた。
【0015】本発明は、かかる問題点に濫みてなされた
ものであり、照射されるエネルギーの吸収による熱変形
を充分小さく抑えることのできる反射鏡とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、以下のような反射鏡が提供され
る。
【0017】すなわち、基板と、前記基板上に配置され
た反射膜とを有し、前記基板は、インバーからなり、前
記反射膜は、前記基板上に直接配置されていることを特
徴とする反射鏡である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について説
明する。
【0019】(実施の形態1)本発明の第一の実施の形
態のX線反射ミラーは、図1のようにインバーからなる
基板1を用い、直接この上にX線反射多層膜2を形成し
た構成である。しかも、基板1を構成するインバーは、
線膨張係数が0.1×10-6/K以下の単一のインバー
ブロックからなる。本実施の形態では、特に、線膨張係
数0.01×10-6/Kのインバー材料を用いる。この
ように低熱膨張係数のインバーを用いた場合には、実用
的なスループットを得るために照射X線が大きくなって
も、基板1の熱変形量が小さいため、反射ミラーの光学
特性をX線投影露光装置として必要とされる精度に収め
ることできる。また、基板1の表面は、反射ミラーとし
て極めて平滑な面が要求されるが、本実施の形態では、
基板1の表面を研削加工した後、研磨する工程を加える
ことにより、必要とされる平滑な面を得ることを可能と
した。
【0020】また、多層膜2は、多層膜2の各界面での
反射光の位相を一致させて干渉効果によって高い反射率
を得る構成となっている。
【0021】図1のX線反射ミラーの製造方法を以下説
明する。まず、インバー製のブロックを研削加工して上
面が凹面で裏面が平面のインバー製基板を作製した。こ
の基板1の上面の凹面を、粒径が微小かつ均一な砥粒を
用いて研磨加工した。これにより、直径50mm、中心
厚さ12.5mm、凹面の表面粗さが0.57nmRM
S以下の鏡面の基板1を得た。ただし、上面の凹面の曲
率半径は、500mmとした。基板1の表面の凹凸形状
を光学式非接触表面粗さ計で測定したところ、図4のよ
うな結果が得られ、表面粗さが0.57nmRMS以下
であることが確認できた。
【0022】つぎに、基板1の凹面上に、イオンビーム
スパッタリングにより、モリブデン(Mo)層とシリコ
ン(Si)層を交互に堆積し、積層数50層のX線反射
多層膜2を形成した。なお、この多層膜2の周期長(モ
リブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を1層づつ積
層した厚さ)は、6.7nmとした。
【0023】これにより、直径50mm、曲率半径50
0mm、中心厚さ約12.5mmのX線多層膜反射ミラ
ーを完成させた。ここでミラーの直径を50mmとして
いるのは、X線投影露光装置において実用的な露光領域
の寸法を確保するために必要な大きさだからである。ま
た、中心部の厚さを12.5mmにしているのは、ミラ
ーの形状を精度良く維持するために必要とされる直径の
四分の一程度の厚さを満たすためである。
【0024】つぎに、本実施の形態の図1のX線反射ミ
ラーにX線が照射された場合の基板1の熱変形の大きさ
を見積もる。なお、比較例として、基板1を溶融石英で
構成したミラーについても基板の熱変形の大きさも見積
もる。
【0025】なお、実際のミラーの変形は、ミラーの寸
法形状により大きく異なるので、正確にミラー変形を見
積もるためには有限要素法等の計算が必要であるが、こ
こでは以下のように単純化して、変形の概略値を見積も
ることとする。
【0026】まず、図2(a)に示すように、裏面が一
定温度Tの熱浴(裏面を冷却して一定温度に保つことに
相当する)に接した基板1(厚さd)の表面の一部20
1に定常的な熱流束Q(照射されたX線のうち、反射せ
ずに基板に吸収される分のエネルギー)が投入されたと
きの、投入部分201における基板1の厚さ方向(x方
向)の伸び(または縮み)△xを考える。ただし、ここ
では、横方向の熱伝導は考えず、またX線はすべて基板
1表面で吸収されると単純化とする。このとき基板の内
部には、図2(b)に示すように、x方向に一様な温度
勾配が生じるので、位置xにおける温度(熱浴との温度
差)T(x)は、
【0027】
【数1】
【0028】で与えられる。
【0029】基板内の薄い層(厚さδx)の伸び△(δ
x)は、
【0030】
【数2】
【0031】で与えられる。ここで、αは基板1の材料
の線膨張係数である。
【0032】従って、厚さdの全体の伸び△xは、
【0033】
【数3】
【0034】となる。
【0035】この(数3)を用いて、まず比較例の、基
板1を溶融石英から構成したX線反射ミラーの熱変形量
を計算する。溶融石英(SiO2)の熱伝導率は1.3
8W/m・K、線膨張係数は0.5×10-6である。ま
た、基板へ投入される熱流束Qは10mW/cm2とす
る。この10mW/cm2という値は、この反射ミラー
を軟X線投影露光装置に用いた場合に実用的なスループ
ット(例えば、8インチウェハで30枚/1時間程度以
上)を得る場合に、反射ミラーに照射されるX線の照射
強度である。また、ミラーの直径は、図1のX線反射ミ
ラーの場合50mmである。また、ミラーの厚さdに
は、図1のミラーの中心部の厚さ12.5mmを用い
る。これにより、ミラーの中心部の熱変形量を見積も
る。
【0036】これらの数値を上述の(数3)に代入し
て、溶融石英からなる基板の熱変形量を計算すると2.
83nmとなる。
【0037】つぎに、本実施の形態のインバー製の基板
1を用いた場合の基板の変形量を見積もる。本実施の形
態のインバーは、熱伝導率は12.9W/m・K、線膨
張係数は0.01×10-6/Kである。これらの数値を
式(3)に代入してインバーの熱変形量を計算すると
0.006nmとなる。また、線膨張係数0.1×10
-6/K以下のインバーであれば、他の条件が同じ場合、
熱変形量は0.06nm以下にすることができる。
【0038】つぎに、X線反射ミラーとして、許容され
る変形量(形状誤差)を見積もる。
【0039】光学系の波面収差を波長の四分の一以内と
するレイリーの条件を用いると、光学系を構成するミラ
ー一枚あたりの形状精度は、
【0040】
【数4】
【0041】以内に抑えなければならない。ここで、n
は光学系を構成するミラーの枚数であり、1/2を掛け
てあるのは反射系であるためである。例えば4枚のミラ
ーによりで構成された光学系を波長13nmで使用する
場合、1枚のミラーに許容される形状誤差(熱変形量)
は0.81nmとなる。
【0042】上述のように、溶融石英を基板に用いた場
合には、上述の条件で熱変形量は、2.83nmである
ため、許容される形状誤差0.81nmからかけはなれ
た大きな値になる。このため、溶融石英基板を用いたミ
ラーでは、上述の条件のように実用的なスループットを
得るために必要とされるX線照射量では、回折限界の解
像力を得ることはできないことがわかる。一方、本実施
の形態のインバーを用いた図1の反射ミラーの場合、熱
変形量は、0.006nmであり、許容形状誤差0.8
1nmよりも2桁小さい値となる。また、線膨張係数
0.1×10-6/K以下のインバーであれば、熱変形量
は、0.06nm以下であるため、許容形状誤差を十分
満たす。したがって、本実施の形態のインバー基板1を
用いた反射ミラーは、実用的なスループットを得るため
に必要とされるX線を照射されても、回折限界の解像力
を得ることが可能である。
【0043】ところで、X線用の多層膜反射ミラ一の基
板は、上述してきたように熱による変形量が微小である
ことの他に、表面が極めて平滑な面であることが要求さ
れる。反射ミラーの表面粗さと反射率との関係は、次式
のように表される。
【0044】
【数5】
【0045】すなわち、多層膜の構成が同じ反射ミラー
では、λ、θの条件が同じであれば、反射率は、表面粗
さに依存し、反射率の比R/R0と表面粗さとの関係は
図3のようになる(ただし、図3ではλ=13nm、θ
=90゜(垂直入射)としている)。また、反射ミラー
の表面粗さは、ほぼ基板の表面粗さに一致する。したが
って、従来より検討されている溶融石英を基板材料とし
たX線多層膜反射ミラーと同程度の反射率を得るために
は、インバー基板1の表面粗さを、従来の溶融石英基板
の表面粗さと同程度にする必要がある。従来の溶融石英
基板を用いたX線反射ミラーの基板の表面粗さは、0.
57nmRMS程度であるため、本実施の形態のインバ
ー基板1も0.57nmRMS以下にする必要がある。
【0046】これまで一般的に、インバー等の金属は微
細な結晶粒界が存在するため、その表面をナノメートル
オーダーの平滑な表面にすることは困難であると思われ
てきた。しかしながら、本実施の形態では、研削加工の
後で、微細で均一な粒径の砥粒を用いて研磨を行うこと
により、インバーからなる基板1の表面を0.57nm
RMS以下にすることができた(図4)。これにより、
インバー基板1を用いたX線反射ミラーでありながら、
従来の溶融石英基板のミラーと同様に、多層膜2を形成
した後の反射率が約70%の反射ミラーを得ることがで
きた。
【0047】上述したきたように、第1の実施の形態の
X線反射ミラーは、線膨張係数が0.1×10-6/K以
下のインバー基板1を用いているため、熱変形が十分小
さい。そのため、X線投影露光装置に用いた場合に、実
用的なスループットを得るために必要な強いX線を照射
することができる。また、基板1の表面を研磨により平
滑にしているため、反射ミラーとして十分実用的な反射
率を得ることができる。したがって、本実施の形態のX
線反射鏡をX線投影露光装置に用いることにより、高解
像力と高スループットとを両立させたX線投影露光装置
を実現することができる。
【0048】なお、上述の熱変形量の見積もりでは、多
層膜2の熱変形量を無視しているが、その理由は、多層
膜2の厚さは、0.数μmしかないため、その熱変形量
がごくわずかで無視できる範囲だからである。
【0049】なお、本実施の形態のX線反射ミラーは、
熱変形量が小さいため、X線投影露光装置に用いた場合
に、X線反射ミラーを冷却するための機構を備えなくて
も、熱変形量を許容形状誤差以内に抑制できるが、冷却
機構を備えることにより、より熱変形量を抑制すること
ができる。具体的には、反射ミラーが10mW/cm2
のエネルギーを吸収した場合にも、水冷することにより
熱変形量を0.006nm以下に抑制することができ
る。
【0050】また、本実施の形態にかかる反射ミラー
は、X線投影露光装置以外のX線光学系に用いることも
可能である。また、多層膜2の構成を照射する光の波長
に合わせたものにすることにより、X線以外の波長の光
の反射光学系にも適用可能である。
【0051】さらに、本実施の形態では、基板1の材料
として線膨張係数が0.1×10-6/K以下のインバー
を用いたが、線膨張係数がこの値を満たす材料であっ
て、表面が滑らかに研磨できる材料であればインバー以
外の材料を用いることも可能である。
【0052】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態として、第1の実施の形態のX線反射ミラーを用いた
軟X線投影露光装置について図5を用いて説明する。
【0053】図5のX線投影露光装置は、X線源11と
してレーザープラズマ光源を使用する。X線源11から
放射された光束は、2枚のX線反射ミラー12,13か
らなる照明光学系で集光され、マスクステージ14上に
保持された反射マスク15を照明する。反射マスク15
で反射した光束は、4枚のX線反射ミラー16〜19で
構成される投影光学系を通り、ウェハステージ20上に
保持されたウェハ21上に到達する。投影光学系は、反
射マスク15上に形成されている回路パターンを、1/
4に縮小した像をウェハ21上に結像する。ウェハ21
には、レジストが塗布されており、このレジストに反射
マスク15のパターンが転写される。
【0054】投影光学系を構成する4枚のミラー16〜
19の反射面の形状は、いずれもそれぞれの光軸の周り
に回転対称である。反射ミラー18には、反射ミラー1
6、17で収束されたX線が照射され、有効径が投影光
学系の絞りとなっている。
【0055】ここでは、X線反射ミラー12、13、1
6〜19として、いずれも第1の実施の形態の反射ミラ
ーを用いた。これらの反射ミラー12、13、16〜1
9には、ねじ穴が設けられ、X線投影露光装置の真空チ
ャンバー(図5では不図示)内にボルトで固定されてい
る。また、これら反射ミラー12、13、16〜19の
インバー基板1には、水等の媒体を通過させて冷却する
ための冷却溝を設けた。また、冷却溝を設けていない部
分は、基板を空洞を設けて軽量化し、本体に保持される
際の自重変形が少なくなるようにした。
【0056】反射マスク15は、モリプデン(Mo)層
/シリコン(Si)層を積層した多層膜を用いて所望の
マスクパターンを形成している。この多層膜は、波長1
3nm付近の軟X線を反射する構成となっている。
【0057】X線反射ミラー12、13、16〜19の
反射率は、いずれも70%程度であり、照射されるX線
のうちの30%はミラーに吸収されて熱になる。また、
反射マスク15においても一部が吸収される。光源11
から出射されるX線の強度は、シリコンウエハ21に到
達するX線の強度が所望の強度となるように、反射ミラ
ー12、13、16〜19および反射マスク15による
吸収を見込んだ強度に設定される。そのため、実用的な
スループットである30枚/時間を実現するためには、
光源11に近い反射ミラー12、13には、約100m
W/cm2のX線が照射されることになり、反射ミラー
12、13は、約30mW/cm2を吸収する。また、
投影光学系の反射ミラー18には、反射ミラー15、1
7によって収束されたX線が入射するために、単位面積
当たりの照射X線強度は、投影光学系を構成する4枚の
反射ミラー16〜19のなかで一番大きくなる。上述の
実用的なスループットを実現する場合には、反射ミラー
18への入射強度は約30mW/cm2に達し、そのう
ちの30%の約9mW/cm2が吸収される。
【0058】しかしながら、本実施の形態では、反射ミ
ラー12、13、18が、第1の実施の形態のインバー
基板1を用いた反射ミラーであるため、第1の実施の形
態より、これらの反射ミラー12、13、18の熱変形
量は、吸収された熱流束10mW/cm2当たり0.0
06nm(ただし、厚さ12.5mmのミラー中央部)
に抑制される。したがって、約30mW/cm2を吸収
する反射ミラー12、13の場合、熱変形量は、ミラー
の中央部で0.018nmである。同様に、約9mW/
cm2のエネルギーを吸収する反射ミラー18の場合、
熱変形量は、ミラーの中央部で0.0054nmであ
る。第1の実施の形態で述べたように、X線波長が13
nmの場合、回折限界を得るための許容形状誤差(許容
熱変形量)は、0.81nm(ただし、4枚のミラー光
学系の場合)であるので、反射ミラー12、13、18
の熱変形量は、この値よりも2桁小さく、許容形状誤差
以内であることがわかる。また、反射ミラー12、1
3、18の以外の反射ミラー16、17、19に照射さ
れるX線強度は、反射ミラー12、13、18よりも小
さいため、熱変形量は、いずれも許容形状誤差以内であ
る。このように、本実施の形態の軟X線投影露光装置の
光学系を構成する反射ミラー12等はすべて、熱変形量
が許容形状誤差以内であるため、回折限界の光学系を構
成することができる。
【0059】しかも、本実施の形態では、反射ミラー1
2、13、16〜19の基板1に冷却溝を設けて、水等
の媒体で冷却する構成であるため、熱になるのは、吸収
したエネルギーの一部のみであり、実際の熱変形量は上
述の値よりもさらに小さくなる。したがって、実際の本
実施の形態の軟X線投影露光装置は、上述のX線強度よ
りもさらに大きなX線強度を照射しても、反射ミラー1
2等の熱変形量を許容形状誤差以内に抑制することがで
きる、30枚/時間を越えるスループットを実現するこ
とができる。
【0060】このように、本実施の形態のX線投影露光
装置では、反射ミラーの熱変形量を十分に小さく抑える
ことができるため、高解像力と高スループットを両立さ
せることができる。
【0061】なお、上述してきた本実施の形態の軟X線
投影露光装置は、反射ミラー12、13、16〜19の
全てを第1の実施の形態のインバー基板1の反射ミラー
にする構成であったが、一部のみを第1の実施の形態の
反射ミラーとする構成にすることも可能である。この場
合、上述のように光源11に近い反射ミラー12、1
3、ならびに、収束されたX線光束が照射される反射ミ
ラー18は、吸収するエネルギーが大きいため、れらの
いずれかについては第1の実施の形態の反射ミラーを用
いることが望ましい。
【0062】また、本実施の形態の軟X線投影露光装置
の反射マスク15についても、第1の実施の形態の反射
ミラーと同じように、インバー基板を用いる構成にする
ことができる。この場合、反射マスクの熱変形量を小さ
くすることができるため、X線の照射強度を大きくして
も、反射マスクのパターンの形状精度を維持したまま、
ウエハ21に投影することが可能になる。
【0063】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
照射されるエネルギーの吸収による熱変形を充分小さく
抑えることのできる反射鏡とその製造方法を提供するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のX線反射ミラーの
構成を示す断面図。
【図2】(a)図1の反射ミラーの熱変形量Δxを示す
ための説明図、(b)図1の反射ミラーの厚さ方向の温
度分布を示すグラフ。
【図3】反射ミラーの表面粗さと反射率との関係を示す
グラフ。インバ−の研磨面の表面粗さの測定例を示す図
である。
【図4】図1の反射ミラーの基板の表面粗さを示すグラ
フ。
【図5】本発明の第2の実施の形態の図1の反射ミラー
を用いた軟X線投影露光装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1・・・インバー基板、2・・・多層膜、11・・・X
線光源、12、13、16、17、18、19・・・反
射ミラー、14・・・マスクステージ、15・・・反射
マスク、20・・・ウエハステージ、21・・・ウェ
ハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 AA02 AA25 DA08 DB03 DC02 DC09 DC10 DC11 DD08 2H097 CA15 GB01 5F046 AA08 BA04 CB03 GA03 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上に配置された反射膜と
    を有し、 前記基板は、インバーからなり、前記反射膜は、前記基
    板上に直接配置されていることを特徴とする反射鏡。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の反射鏡において、前記基
    板は、インバー製の単一のブロックからなることを特徴
    とする反射鏡。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の反射鏡において、前記反
    射膜は、X線を反射するための多層膜であり、前記基板
    の線膨張係数は、0.1×10-6/K以下であることを
    特徴とする反射鏡。
  4. 【請求項4】インバー製のブロックを切り出して基板の
    形状にする第1の工程と、 前記基板の上面を研磨することにより、表面粗さを滑ら
    かにする第2の工程と、 前記基板の上面に反射膜を形成する第3の工程とを有す
    ることを特徴とする反射鏡の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の反射鏡の製造方法におい
    て、前記第2の工程では、前記基板の上面を0.57n
    mRMS以下の粗さまで研磨することを特徴とする反射
    鏡の製造方法。
  6. 【請求項6】X線光源と、所望のパターンを有するマス
    クを保持するためのマスク保持部と、露光対象を保持す
    るための露光対象保持部と、前記X線光源から出射され
    前記マスクで前記パターン形状に成形されたX線光束を
    前記露光対象まで導くための1以上のX線反射鏡とを有
    し、 前記1以上のX線反射鏡のうちの少なくとも1つは、基
    板と、前記基板上に配置された反射膜とを備え、 前記基板は、インバーからなり、前記反射膜は、前記基
    板上に直接配置されていることを特徴とするX線投影露
    光装置。
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US6992306B2 (en) 2003-04-15 2006-01-31 Canon Kabushiki Kaisha Temperature adjustment apparatus, exposure apparatus having the same, and device fabricating method
US7212274B2 (en) 2003-09-30 2007-05-01 Canon Kabushiki Kaisha Cooling system, exposure apparatus having the same, and device manufacturing method

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