JP2000097001A - タービンの最適運転制御方法及び最適運転制御装置 - Google Patents
タービンの最適運転制御方法及び最適運転制御装置Info
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Abstract
のリアルタイムな最適運用を可能にするタービンの最適
運転制御方法及び装置を提供する。 【解決手段】 ボイラ、タービン等の構成機器から入力
されたプロセス量と構成機器に対して設定された制約条
件とを用い、構成機器の物質収支と熱収支等を表わすと
共にタービン蒸気加減弁の通過蒸気量による圧力損失特
性を考慮した物理モデルからなる発電プラントモデルに
基いて、プラント全体の効率を最大にする各タービンの
最適運転条件を演算により求め、その条件に従って各タ
ービンを運転制御することを特徴とする。
Description
量が異なるような複数台のタービンを備えた発電プラン
トにおいて、発電プラント全体の効率を最大にする各タ
ービンの最適運転制御方法及び最適運転制御装置に関す
る。
ントにおいては、従来各タービンを最も効率良く運転し
て蒸気消費量を最小にし、ボイラでの燃料消費量を最小
化するために、タービン出力やタービン蒸気流量を測
定して運転員の経験則によって各タービン毎に効率を最
大にして運転する方法、あるいは、各タービンの蒸気
加減弁開度を測定し全ての加減弁が最も効率良い状態
(弁点)になるように運転員が調整する方法、あるい
は、タービン通過蒸気量とタービン出力が図1に示す
ような特性(タービン出力特性)を持つことを考慮に入
れて、発電プラント全体として最も効率良いタービンの
運転条件を計算機を利用して逐次計算することによりタ
ービンの運転を制御する方法等が提案されている(特公
平8−14241号公報参照)。
ービン、多段抽気復水タービン等様々な形式のタービン
があり、特に産業用タービンでは時々刻々と変化する電
力需要、蒸気需要の両方を満足しながら運転しなければ
ならない。しかし電力需要と蒸気需要を同時に満足しな
がら運転することは非常に困難なことであり、、の
方法においては、容量の大きいタービンから順に弁点近
傍の運転を行い、容量の小さいタービンに関しては電
力、蒸気需要により決まり、中間開度近傍の運転となっ
ていた。
の効率が最高となるタービン運転条件を、図3に示すよ
うな蒸気流量に対するタービン出力特性も考慮した上
で、計算機を利用して逐次計算し、タービンの運転を制
御しようとするものであるが、次に挙げる2つの問題点
があった。
合、予めある特定の蒸気温度、圧力条件で作成されたタ
ービン出力特性を利用している。このため、温度、圧力
等タービンの運転条件がタービン出力特性作成時と同じ
場合は最適な運転条件を計算できるが、温度、圧力の運
転条件がタービン特性作成時の温度、圧力から変わった
場合はタービン出力特性が作成時のタービン特性とは異
なった形となり、タービン出力特性作成時の温度、圧力
ではタービンの最も効率良い運転条件となるはずが、実
際の温度、圧力では最も効率良い運転条件とはならなく
なる。特に産業用蒸気タービンにおいては、発電所の運
転条件変化による蒸気の温度、圧力変化がタービン出力
特性に大きく影響を及ぼすため、常に最も効率的に運転
することは不可能であった。
イラ等発電プラントに存在する他の機器を考慮せずにタ
ービンだけの情報に基づいた効率良い運転条件を計算し
ようとしていた。しかし、通常タービンのみの最適化に
よりタービンでの消費蒸気量が削減されるとボイラでの
発生蒸気量も連動して削減されることとなる。このため
ボイラへの給水量が減少し、給水予熱系での給水加熱用
蒸気消費量の減少等発電プラント内の他の機器における
蒸気量削減も発生する。従ってタービンだけを考慮して
計算した場合の各タービンでの最も効率良い抽気蒸気量
と比較して、実際には更にタービン抽気蒸気量が減少す
ることとなる。その結果タービンだけを考慮して計算さ
れた効率良い運転条件は、実際にはリアルタイムでは最
も効率良い運転条件とはならなかった。
の技術では複数台のタービンを時々刻々と変化する電
力、蒸気需要を満足しながらまた、発電所の運転条件に
より変化する蒸気の温度、圧力変化に対応し、常に最高
の効率で運転することは不可能であった。またタービン
のみの最適化では発電プラントのタービン以外の機器で
の蒸気消費量変化を考慮していなかったために、リアル
タイムに各タービンを効率が最大となる運転条件で運転
することができなかった。本発明は、このような従来の
技術の問題点を解消し、複数台のタービンからなる発電
プラント全体の効率を最大にするタービンの最適運転制
御方法及び最適運転制御装置を提供することを目的とす
るものである。
め、本発明によるタービンの最適運転制御方法及び最適
運転制御装置は、次のように実現される。
トにおけるタービンの最適運転制御方法であって、発電
プラント内のボイラ、タービン等の各構成機器から入力
された温度、圧力、流量等のプロセス量と各構成機器に
対して設定された制約条件とを用い、各構成機器の物質
収支と熱収支等を表わすとともにタービン蒸気加減弁の
通過蒸気量による圧力損失特性を考慮した物理モデルか
らなる発電プラントモデルに基づいて、発電プラント全
体の効率を最大にする各タービンの最適運転条件を演算
により求め、該求めた各タービンの最適運転条件にした
がって各タービンを運転制御するように構成した。
制御装置により制御される発電プラントにおけるタービ
ンの最適運転制御装置であって、発電プラント内のボイ
ラ、タービン等の各構成機器の温度、圧力、流量等のプ
ロセス量を入力するプラントデータ入力部と、上記各構
成機器の物質収支と熱収支等を表わすとともに、タービ
ン蒸気加減弁の通過蒸気量による圧力損失特性を考慮し
た物理モデルからなる発電プラントモデルと、上記各構
成機器に対する制約条件を設定する制約条件設定部と、
上記プラントデータ入力部に入力されたプロセス量と、
上記制約条件設定部に設定された制約条件とにしたが
い、上記発電プラントモデルに基づいて、発電プラント
全体の効率を最大にする各タービンの最適運転条件を演
算により求める最適解演算部と、上記最適解演算部から
出力される各タービンの最適運転条件を上記プラント制
御装置に設定する最適条件設定部とを備えるように構成
した。
を加味したタービン及びボイラ、ボイラ給水予熱系等発
電プラント構成機器の物質収支、熱収支等の物理モデル
を利用することにより、蒸気加減弁の圧力損失特性を考
慮した最適運転条件を理論的に決定しているので、運転
員の能力に左右されることなく発電プラント全体の最適
運用が可能となる。
明する。図1は、本発明の一実施例を示すタービン最適
運転制御装置の構成図で、同図においてタービン最適運
転制御装置1はデータ入力部2、制約条件設定部3、発
電プラントモデル4、最適解演算部5、最適条件設定部
6、を備えて構成されている。
制御装置7を介して発電プラント21内の構成機器を制
御する。図示された発電プラント21内には、構成機器
の例としてボイラ22、蒸気加減弁23a,23b,2
3c、タービン24a,24b,24cが示されてい
る。タービン最適運転制御装置1において、データ入力
部2は、入力群8から各タービン蒸気流量、温度、圧
力、発電電力量、ボイラ給水流量、温度、圧力、ボイラ
燃料流量、温度、圧力等発電プラント構成機器の温度、
圧力、流量等のデータを入力するためのもので、このデ
ータ入力部2に入力されたデータは最適解演算部5に供
給される。
件(たとえばタービン抽気流量の上下限値、タービン出
力の上下限値等)、ボイラの制約条件(ボイラでの発生
蒸気流量の上下限値、ボイラ燃料流量の上下限値等)等
を設定するためのもので、この制約条件設定部で設定さ
れた制約条件は発電プラントモデル4に供給される。
減弁、タービン各段、ボイラ、ボイラ給水予熱系等の発
電プラント各構成機器の物質収支式および熱収支式等の
物理モデルから構成されるものであり、発電プラント各
構成機器の温度、圧力、流量等のプラント測定データの
値の間において満足すべき関係式を表しており、制約条
件設定部3で設定された制約条件とともに最適解演算部
5でのタービン最適運転条件の計算に利用される。
データを受け取り、発電プラントモデル4で設定された
発電プラント各構成機器の温度、圧力、流量の間におい
て成立する関係式および各機器制約条件を満足しなが
ら、発電プラント全体としての効率が最大となる、つま
り発電プラントモデル4により計算される運転コストが
最小となる各タービンの運転条件を演算するためのもの
で、この最適解演算部5で得られた演算結果は最適条件
設定部6に供給される。
の出力を受け取り、プラント制御装置7の設定を変更す
るためのものである。図2は、図1に示したタービン最
適運転制御装置を1台のボイラ、2台の抽気タービンか
らなる発電プラントへ適用した場合の構成例を示す図で
ある。同図において9はボイラ、10はボイラ給水予熱
用熱交換器、11a〜11eは蒸気加減弁駆動部、12
a〜12eは蒸気加減弁、13a〜13eはタービン、
14は高圧蒸気母管、15は中圧蒸気母管、16は低圧
蒸気母管である。
について説明する。図2に示すような構成によると、各
タービンの発電電力量は電力検出器17a〜17bにお
いて検出され、また各タービン流入、抽気蒸気の温度、
圧力、流量は、検出端18a〜18gにおいてそれぞれ
の検出端で温度、圧力、流量が検出される。検出された
結果は、図1に示すタービン最適運転制御装置1のデー
タ入力部2に入力される。またボイラ給水予熱用熱交換
器周りの給水、蒸気の温度、圧力、流量は検出端19a
〜19dにおいてそれぞれの検出端で温度、圧力、流量
が検出され、またボイラへの燃料供給温度、圧力、流量
は検出端20で検出され、図1に示すタービン最適運転
制御装置1のデータ入力部2に入力される。このデータ
入力部2では入力された検出データをプロセスデータと
して最適解演算部5へ出力する。最適解演算部5ではデ
ータ入力部2から入力されたプロセスデータを基に以下
に説明する処理により発電プラント全体で効率が最大と
なる各タービンの運転条件を計算する。
に説明する発電プラントモデルで構築された物理モデル
による発電プラントを構成する各機器の温度、圧力、流
量の値間の関係式と制約条件設定部3において設定され
た各機器の制約条件を同時に満足した上で発電プラント
全体として効率最大となる各タービンの運転条件が計算
される。発電プラントモデル4では、ボイラ、タービン
等の各構成機器について物質収支、熱収支等で構成され
た、特にタービン蒸気加減弁に関しては弁の通過蒸気量
による圧力損失特性を考慮した物理モデルが定義されて
いる。ここでは本発明の特徴である蒸気加減弁における
物質収支、熱収支方程式について説明し、その他の機器
に関しては例としてタービン、ボイラ給水予熱系の熱交
換器について説明する。蒸気加減弁については次の
(1)〜(3)式に示す方程式が定義できる。
の圧力損失特性関数であり、蒸気加減弁通過時の蒸気の
圧力損失を表す。Hvin 、Hvoutはそれぞれ蒸気加減弁
入口蒸気エンタルピ、蒸気出口エンタルピであり、Pvi
n 、Pvoutは入口、出口蒸気圧力、Fvin 、Fvoutは蒸
気加減弁入口、出口蒸気流量を表す。また各タービン段
に関しては次の(4)〜(6)に示す方程式が定義でき
る。
圧力差であり、Pin、Pout はそれぞれ入口、出口蒸気
圧力、Hin、Hout はタービン段入口、出口蒸気エンタ
ルピ、Powはタービン段出力、ηはタービン段の効率、
Finは入口蒸気流量、Fout1、Fout2はそれぞれ抽気蒸
気流量、次のタービン段への蒸気流量を表す。
次の(7)〜(11)に示す方程式が定義できる。 Pinc =Poutc + ΔPc (7) Pinh =Pouth + ΔPh (8) Finc =Foutc (9) Finh =Fouth (10) Finc*Cpc*(Toutc−Tinc)=Finh*Cph*(Tinh −Touth) (11)
損失、ΔPh は蒸気入口、出口間の圧力損失、Tinc 、
Pinc 、Finc は検出器19bで検出されるボイラ給水
入口の温度、圧力、流量、Toutc、Poutc、Foutcは検
出器19dで検出されるボイラ給水出口の温度、圧力、
流量であり、Tinh 、Pinh 、Finh は検出器19aで
検出される蒸気入口の温度、圧力、流量、Touth、Pou
th、Fouthは検出器19cで検出される蒸気出口の温
度、圧力、流量、Cpc、Cphはそれぞれ給水、蒸気の比
熱を表す。
支、熱収支に基づいた方程式を構築する。またボイラで
の発生蒸気がタービンへ流入する等の発電プラント各構
成機器間の結合状態についても定義する。以上説明した
ように発電プラントモデル4では発電プラントの各機器
の蒸気温度、圧力、流量等のプラント測定データ値間に
成立する温度、圧力も考慮した物理的な関係式を定義し
ているため、温度、圧力が変動した場合にも対応できる
こととなる。
運転条件を算出する為に以上説明した発電プラントモデ
ル4における各構成機器の物質収支、熱収支方程式、各
機器制約条件、蒸気需要、電力需要を満足し、発電プラ
ント全体として運転コストを最小にする各タービンの運
転条件を決定する。そして最適解演算部5で得られた蒸
気加減弁12a〜12eの設定値は最適条件設定部6に
入力される。従って、最適条件設定部6では、最適解演
算部5で得られた蒸気加減弁12a〜12eの設定値に
基づいてプラント制御装置7への設定出力に変更する。
プラント制御装置7は、最適条件設定部6からの設定出
力とプロセス量とに基づいて多変数制御演算を行い、発
電プラントに対する制御量を出力する。
弁を含めた発電プラント各構成機器の物質収支、熱収支
等で構成された物理モデルを利用してタービンの最適な
運転条件を決定しているので、温度、圧力などの条件が
変化しても常に発電プラント全体としての最適運転が可
能となる。なお本発明のタービン最適運転制御装置は図
4に示した発電プラント以外についても適用できること
は勿論である。
弁の圧力損失特性を含む発電プラントの各構成機器につ
いて物質収支式、熱収支式等の物理モデルを利用するこ
とにより、リアルタイムな発電プラント全体の最適運転
が可能となり、発電プラントの高効率化および省エネル
ギ化が図れる。
装置の構成図である。
装置の発電プラントへの適用例を示す構成図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数台のタービンを含む発電プラントに
おいて、 発電プラント内のボイラ、タービン等の各構成機器から
入力された温度、圧力、流量等のプロセス量と各構成機
器に対して設定された制約条件とを用い、各構成機器の
物質収支と熱収支等を表わすとともにタービン蒸気加減
弁の通過蒸気量による圧力損失特性を考慮した物理モデ
ルからなる発電プラントモデルに基づいて、発電プラン
ト全体の効率を最大にする各タービンの最適運転条件を
演算により求め、該求めた各タービンの最適運転条件に
したがって各タービンを運転制御することを特徴とする
タービンの最適運転制御方法。 - 【請求項2】 複数台のタービンを含み、プラント制御
装置により制御される発電プラントにおいて、 発電プラント内のボイラ、タービン等の各構成機器の温
度、圧力、流量等のプロセス量を入力するプラントデー
タ入力部と、 上記各構成機器の物質収支と熱収支等を表わすととも
に、タービン蒸気加減弁の通過蒸気量による圧力損失特
性を考慮した物理モデルからなる発電プラントモデル
と、 上記各構成機器に対する制約条件を設定する制約条件設
定部と、 上記プラントデータ入力部に入力されたプロセス量と、
上記制約条件設定部に設定された制約条件とにしたが
い、上記発電プラントモデルに基づいて、発電プラント
全体の効率を最大にする各タービンの最適運転条件を演
算により求める最適解演算部と、 上記最適解演算部から出力される各タービンの最適運転
条件を上記プラント制御装置に設定する最適条件設定部
とを備えていることを特徴とするタービンの最適運転制
御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10282089A JP2000097001A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | タービンの最適運転制御方法及び最適運転制御装置 |
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