JP2000096459A - ポリアミド系繊維の染色方法およびその染色物 - Google Patents

ポリアミド系繊維の染色方法およびその染色物

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JP2000096459A JP10264433A JP26443398A JP2000096459A JP 2000096459 A JP2000096459 A JP 2000096459A JP 10264433 A JP10264433 A JP 10264433A JP 26443398 A JP26443398 A JP 26443398A JP 2000096459 A JP2000096459 A JP 2000096459A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿潤堅牢性に優れた共重合ポリアミド系繊維の
染色方法およびその染色物を提供する。 【解決手段】少なくとも1種以上の共重合成分が、主成
分のポリアミドに対し3重量%以上60重量%未満で共
重合されているポリアミド系繊維を反応染料により染色
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿潤堅牢性に優れた
共重合ポリアミド系繊維の染色方法およびその染色物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からホモポリマーからなるポリアミ
ド繊維(例えばナイロン6繊維やナイロン66繊維)
は、酸性染料や金属錯塩染料により染色され、次いでフ
ィックス処理を施されてきた。染料やフィックス剤の開
発が進むにつれ、得られる染色物の堅牢性は格段に向上
し、現在に至ってはこれらによって染色された染色物の
洗濯堅牢度は十分実用に耐えうるものとなっている。
【0003】また、ポリアミドに染着性がある染料とし
て従来一般的に使用される酸性染料や金属錯塩酸性染料
の他に、分散染料、酸性媒染染料、反応染料等が知られ
ている。しかし、通常のホモポリマーからなるポリアミ
ド繊維では、酸性染料と比較して洗濯堅牢性にほとんど
差が見られず、むしろ低下する場合もあったために、反
応染料による染色の優位性が見られないのでほとんど使
用されていないのが実状である。
【0004】一方、ホモポリマーからなる繊維はそれぞ
れ一長一短があり、例えばナイロン6はナイロン66に
比べ発色性が良好で特に衣料用途に好ましく用いられて
いるが、逆に耐熱性はナイロン66の方が優れている。
このようにホモポリマーの長所を組み合わせる、または
欠点を補うため、共重合成分を共重合させる試みがなさ
れている。例えば特表平9−512866号公報では、
ナイロン6の染色速度を低下させるためにナイロン66
を共重合させ、また特開平8−260241号公報で
は、ナイロン66の染色性を向上させるためにナイロン
6を共重合させている。こういった共重合によりホモポ
リマーからなるポリアミド系繊維に対し特性の向上がな
されている。
【0005】しかし染色堅牢性、特に洗濯堅牢性を評価
すると、これらの共重合されたポリアミド系繊維はいず
れも低下する傾向にあった。従ってこの堅牢性低下を補
うには、実用上堅牢性に問題がないレベルまで共重合成
分比率を下げなければならず、その結果、共重合により
得ようとする特性を十分に生かすことが出来ないという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、湿潤堅牢性が良好な共重合ポリアミ
ド系繊維の染色方法およびその染色物を提供せんとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次のような手段を採用する。
【0008】すなわち、本発明の染色方法は、主成分の
ポリアミドに対し少なくとも1種以上の共重合成分が3
重量%以上60重量%未満で共重合されてなる共重合ポ
リアミド系繊維を、反応染料により染色するものであ
る。
【0009】そして本発明のポリアミド系繊維染色物の
一態様は、上記方法により得られるポリアミド系染色物
である。また、本発明のポリアミド系繊維染色物の他の
態様は、主成分のポリアミドに対し少なくとも1種以上
の共重合成分が3重量%以上60重量%未満で共重合さ
れてなる共重合ポリアミド系繊維が反応染料で染色され
てなり、JIS L−0844 A−2法に定められる
洗濯堅牢度が4級以上であるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、共重合ポリアミ
ド系繊維とは少なくとも1種以上の共重合成分が、主成
分のポリアミドに対し3重量%以上60重量%未満で共
重合されているポリアミド系繊維である。ここで主成分
のポリアミドとは、2種あるいは3種以上からなるポリ
アミド成分の内、最も多い成分をいう。主成分のポリア
ミドは、堅牢性の点からナイロン6又はナイロン66で
あることが好ましい。共重合成分が3%未満であると、
従来の酸性染料や金属錯塩染料による染色法との堅牢性
に差がみられない。本発明の染色方法は共重合成分が3
%以上60%以下のポリアミド繊維に有用であり、好ま
しくは5%以上50%以下、より好ましくは7%以上3
5%以下の共重合ポリアミド系繊維に対して特に有用な
染色方法である。
【0011】共重合成分としては、主成分のポリアミド
に対し共重合可能な異種のモノマーであれば特に限定さ
れない。例えばナイロン66を主成分とするポリアミド
系繊維の場合、共重合成分としてナイロン4、ナイロン
6、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン6I(ヘ
キサメチレンジアミンとイソフタル酸)、ナイロン6T
(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸)等のモノマ
ーが挙げられ、この中でナイロン6のモノマー(ε−カ
プロラクタム)が製糸安定性に優れ、染色における欠点
も出にくいため好ましい。例えばナイロン6を主成分と
するポリアミド系繊維であれば、共重合成分としてナイ
ロン4、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン1
2、ナイロン6I、ナイロン6T等のモノマーが挙げら
れ、この中でナイロン66のモノマー(ヘキサメチレン
ジアミンとアジピン酸からなる縮合物)が製糸安定性に
優れ、染色における欠点も出にくいため好ましい。
【0012】本発明において用いられるポリアミド系繊
維には、前記の共重合ポリアミド系繊維の他に、通常の
ホモポリマーからなるポリアミドとのバイメタル型、芯
鞘型などを複合した糸若しくは混繊した糸も含まれ、染
色においては通常のホモポリマーからなるポリアミド系
繊維が共重合ポリアミド繊維と交織されていてもよい。
る。また、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の
他の合成繊維、羊毛、絹、セルロース等の天然繊維、レ
ーヨン、テンセル等の半合成繊維などを複合、混繊又は
交織などの形態で含んでいてもよい。
【0013】本発明の染色方法に用いられるポリアミド
系繊維の形態は、糸でもよいし、織物、編物、不織布ま
たは人工皮革等であってもよく、さらにこれらにポリエ
ステル、アクリル、ポリウレタン等の合成高分子がコー
ティングまたは含浸などにより付与されていても差し支
えない。
【0014】本発明で使用する反応染料とは一般にヒド
ロキシル基やアミノ基に対し共有結合性を有する反応基
を有する染料をいう。例えば式[I]に示すモノクロロト
リアジン基(X=Cl、Y=置換基)、モノフルオロト
リアジン基(X=F、Y=置換基)、カルボキシピリジ
ニオトリアジン基(X=式[II]、Y=置換基)、ジクロ
ロトリアジン基(X=Y=Cl)など、式[III]に示す
ビニルスルホン基、スルファトエチルスルホン基など、
式[IV]に示すフルオロクロロピリミジン基など、式[V]
に示すブロモアクリルアミド基等の公知の反応基を少な
くとも1つ以上有する染料であるが、これに限らず例え
ば『解説 染料化学』(色染社)に記載されるような公
知の反応基を適用できる。
【0015】これらの反応基を1つ以上有している染料
であれば特に限定されず、例えば式[I]のモノクロロト
リアジン基を分子内に2つ以上有している同種多官能基
型反応染料や、式[I]のモノクロロトリアジン基又はモ
ノフルオロトリアジン基と式[III]のスルファトエチル
スルホン基を同一分子内含む異種多官能基型反応染料で
もよい。例えば式[I]においてYが式[III]を含むもので
もよい。
【0016】
【化1】
【化2】
【化3】 (式中において、Zは−CH=CH2 又は −CH2
21を表しZ1は−OSO3H、−OCOCH3、−O
PO32、−Cl、などの脱離基を示す)
【化4】 (式中において、X1〜X3はClまたはF)
【化5】 こういった反応基を持つ染料としてはたとえばSumi
fix、Sumifix Supra、Remazo
l、Celmazol、Levafix、Procio
n、Cibacron、Basilen、Drimar
ene、Drimalan、Lanasol、Kaya
cion、Mikacion、Kayaceron R
eact、Verofix、Realan等の冠称名で
市販されているものを用いることができる。いずれの反
応染料も本発明に適用できるが、特に式[III]に示すス
ルファトエチルスルホン基等の保護基により活性反応基
が保護されている反応基のみを有する染料を本発明に適
用する場合、十分な固着量と湿潤堅牢性を得るには保護
基を外して反応基を活性化させる必要がある。これらの
保護基を完全に脱離させるためにはアルカリが必要であ
る場合が多く、アルカリによる脱保護が必要な染料を使
用する場合染色前のアルカリ前処理が必要になる。この
観点から本発明においては、簡便性、再現性に優れる、
モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、
カルボキシピリジニオトリアジン基、ジクロロトリアジ
ン基、フルオロクロロピリミジン基、トリクロロピリミ
ジン基、ブロモアクリルアミド基から選ばれる1つ以上
を有する反応染料を用いることが好ましい。また、より
好ましくは、ブロモアクリルアミド基、モノクロロトリ
アジン基、モノフルオロトリアジン基、カルボキシピリ
ジニオトリアジン基、フルオロクロロピリミジン基のう
ち少なくとも1つ以上を有する反応染料により染色した
ときが、均染性と堅牢度を向上させることができるので
好ましい。これらの反応基を1つ以上有していれば、そ
の他の反応基は、例えばビニルスルホン基やスルファト
エチルスルホン基との異種多官能基型であってもよい。
これらの染料は、市販されているものを適宜使用するこ
とができ、例えばSumifix Supra染料(住
友化学(株)製)、Cibacron染料(チバスペシ
ャリティケミカルズ(株)製)、Lanasol染料
(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、Proc
ion染料(三井BASF染料(株)製)、Kayac
ion染料(日本化薬(株)製)、Kayaceron
React染料(日本化薬(株)製)、Basile
n染料(三井BASF(株)製)、Drimalan
F染料(クラリアント(株)製)、Drimarene
染料(クラリアント(株)製)、Realan染料(ダ
イスター(株)製)などを使用することができる。
【0017】本発明では浸染、捺染、パディング染色等
の染色方法を適用することができ、捺染やパディング染
色の場合は反応染料と糊剤(好ましくは染料の非反応性
の水溶性高分子)で染液を調整し、適宜硫酸アンモニウ
ムや酒石酸アンモニウム等公知のpH調整剤、還元防止
剤、堅牢度向上剤等を添加する。この染液を布帛に捺染
又はパディングし、80℃〜130℃で10〜30分程
度飽和又は過熱蒸気による湿熱処理、乾熱処理、マイク
ロ波照射などを行い染色する。
【0018】本発明においては、特に浸染が好ましく適
用される。浸染の場合、染液のpHは、吸尽率を向上さ
せつつ染色物の堅牢度低下を防ぐために3以上とするこ
とが好ましく、染料の吸尽率・利用率を低下させること
なく濃色を表現できるようにするために8以下とするこ
とが好ましい。またこの範囲とすることは排水負荷や経
済性の点からも好適である。より好ましくは4以上7以
下に、さらに好ましくは4以上6以下に調整する。
【0019】かかるpH調整には、酸または緩衝液を適
宜調製して行う。ここで使用する酸や塩等は特に限定さ
れず、酸発生剤としては酢酸、蟻酸、塩酸等を使用する
ことができ、緩衝液としては、酢酸と酢酸ナトリウムに
より調製されたもの等を使用することができる。また染
料と水以外になにも添加しなくても前記pHが達成され
ていれば、本発明の効果を達成することができる。
【0020】本発明では、均染性、再現性を得るため
に、均染剤を染液に添加することが好ましく採用され
る。均染剤には、通常の繊維親和性均染剤及び/又は染
料親和性の均染剤を使用することができる。例えばアニ
オン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性
界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤や芒硝等の
無機塩など種々の物を使用することができる。 本発明
の染色法においては、染料に親和性を持つ界面活性剤が
好ましく、特に分子構造中に3級化及び/又は4級化さ
れた窒素原子を含む界面活性剤が好ましく、さらに好ま
しくはさらにアニオン性基を含む両性界面活性剤が好ま
しく用いられる。これらを使用した場合の方が染色物の
堅牢度及び/又は均染性が向上するため好ましい。両性
界面活性剤としてはカルボン酸塩型のアミノ酸型やベタ
イン型、スルホン酸塩型等を使用することができるが、
本発明においてはスルホン酸塩型及び/又はアミノ酸
型、特にアミノ酸型及び/又はその類似型、つまりアル
キルアミンのカルボン酸及び/又はその半エステル化合
物等の界面活性剤がより好ましく用いられる。例えばア
ルコキシ脂肪酸アミンのマレイン酸又はフタル酸の半エ
ステル化合物を使用することができるが、その4級アン
モニウム化合物等でもよい。かかる界面活性剤の添加量
は使用する染料の種類、分子量、添加量(濃度)により
異なるが、好ましくは0.5%〜8%owf、さらに好
ましくは1〜5%owf添加する。
【0021】またさらに両性界面活性剤の他にアニオン
性界面活性剤やノニオン界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、無機塩類などを併用して用いることもできる。好
ましくは分子構造中に3級化及び/又は4級化された窒
素原子を含む両性界面活性剤及び/又はカチオン性界面
活性剤とアニオン性界面活性剤を併用して用いることで
均染性は向上する。
【0022】本発明においては、反応染料で染色した
後、酸性染料で染色した場合と同様にタンニン酸などを
使用してフィックス処理を施すことも可能であるが、よ
り柔軟な風合いを保ち、高堅牢性を得るためには、未固
着染料を除くソーピング処理を施すことが好ましい。か
かるソーピング処理とは、染色後に未固着染料あるいは
弱い結合力で染着している脱落しやすい染料を取り除く
処理のことをいい、一部の未固着染料や弱い結合力で染
着している染料を繊維内に封じ込めるフィックス処理と
は異なるものである。ソーピング処理は、湿潤堅牢度を
よくする観点からpH6以上とすることが好ましく、変
色を防止するためpH13以下とすることが好ましい。
より好ましくはpH8〜12の範囲がより未固着染料を
除去することができ堅牢度が向上するため好ましい。上
記pHによって調整された液に界面活性剤等を適宜添加
することが洗浄効果を向上させるために好ましい。界面
活性剤としては特に限定されず、例えばアニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、又はその配合品などを
用いることが出来る。
【0023】本発明により得られる染色布帛は、染料が
繊維に強固に染着反応しているため、例えばピリジン2
0%水溶液等で100℃において連続的に6時間程度処
理しても、繊維構造物の色が残るものである。従来の酸
性染料で染色された物にこういった処理をした場合、大
部分の染料が脱落してわずかに色が確認される程度かあ
るいは染色前の状態になる。
【0024】また本発明のかかる方法によって染色され
た染色物は、色相が鮮明で風合いの硬化なく、湿潤堅牢
なポリアミド系繊維構造物である。さらにこのポリアミ
ド系繊維染色物は、JIS L−0844 A−2法に
定められる洗濯堅牢度が4級以上の優れた洗濯堅牢度を
有する。またさらに、2種以上のポリアミドからなる繊
維、例えば共重合ポリアミドと通常のホモポリマーから
なるポリアミド、特に共重合ポリアミド系繊維とナイロ
ン6及び/又はナイロン66、あるいは共重合比又は共
重合成分の異なる2種以上の共重合ポリアミドを複合し
た糸若しくは混繊した糸又はそれらの糸を交織したもの
が反応染料により染色されてなる場合は、JIS L−
0844 A−2法に定められる洗濯堅牢度が4級以上
であり、かつ濃淡異色性を有するものとなる。ここで、
濃淡異色性とはポリマー組成の異なる各繊維間に微細な
濃淡差および/または色相差がある新規な外観であり、
前記した本発明の染色方法により得ることが出来る。こ
れは従来の酸性染料などによる染色方法では得られない
効果であり、堅牢性の向上とともに本発明での特徴であ
る。このような外観を得るためには、使用する反応染料
が少なくとも、ブロモアクリルアミド基、モノクロロト
リアジン基、モノフルオロトリアジン基、カルボキシピ
リジニオトリアジン基、フルオロクロロピリミジン基を
1つ以上有するものであることが好ましい。特に濃淡異
色性を大きく生じさせるためには、さらに好ましくはモ
ノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、カ
ルボキシピリジニオトリアジン基から選ばれる少なくと
も1つ以上を有する反応染料を使用することが好まし
い。
【0025】本発明に係る染色物は、カジュアル、スポ
ーツ用途など湿潤堅牢性の要求される分野に特に好まし
く用いることができる。
【0026】
【実施例】実施例で使用した布帛、染色条件および後処
理条件は下記に示すとおりである。また実施例中の洗濯
堅牢度は、JIS L−0844 A−2法により行い
9ファイバーにて汚染を判定した。なお、実施例中の%
owfは繊維重量に対する重量%を示す。
【0027】布帛 布帛a ナイロン6糸(70デニール36フィラメン
ト)100%からなる織物 布帛b ナイロン6(80重量%)にナイロン66を2
0重量%共重合させた共重合ナイロン糸(70デニール
36フィラメント)からなる織物 染色条件 染料 1%owf 両性界面活性剤 2%owf アルベガールB(チバスペシャリティケミカルズ(株)製) pH 4.8(酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液) 浴比 1:20 温度 90℃ 時間 40分 ソーピング処理条件 グランアップINA−5(三洋化成(株)製) 2g/L 炭酸名ナトリウム 2g/L 温度 80℃ 時間 20分 フィックス処理条件 ナイロンフィックス501(センカ(株)製) 2%owf 温度 80℃ 時間 20分
【0028】実施例1 下記染料を用い布帛bを染色、ソーピング処理をして染
色布帛1を得た。この染色布帛の洗濯堅牢度を評価した
ところ、変退色4級、汚染4〜5級であり、良好な染色
布帛が得られた。
【0029】 モノフルオロトリアジン+ビニルスルホン型反応染料 Cibacron Blue FN−R(チバスペシャ
リティケミカルズ(株)製)
【0030】実施例2 下記染料を用い、実施例1同様に染色して染色布帛2を
得た。この洗濯堅牢度を評価したところ、変退色4〜5
級、汚染4〜5級であり、良好な染色布帛が得られた。
【0031】 モノクロロトリアジン+ビニルスルホン型反応染料 Sumifix Supra Blue BRF(住友
化学(株)製)
【0032】実施例3 下記染料を用い、実施例1同様に染色して染色布帛3を
得た。この洗濯堅牢度を評価したところ、変退色4級、
汚染4級であり、良好な染色布帛が得られた。
【0033】ブロモアクリルアミド型反応染料 Lanasol Blue 3G(チバスペシャリティ
ケミカルズ(株)製)
【0034】比較例1 下記染料を用い布帛a,bを染色、フィックス処理をし
て染色布帛4(布帛a:比較例)、5(布帛b:比較
例)を得た。この染色布帛の洗濯堅牢度を評価したとこ
ろ、ナイロン6からなる染色布帛4の堅牢度は変退色4
級、汚染4級であり、良好な染色布帛が得られたが、共
重合ナイロンからなる染色布帛5の堅牢度は変退色2
級、汚染1〜2級となり非常に悪いことが判った。
【0035】ミリング酸性染料 Nylosan Blue N−GFL(クラリアント
ジャパン(株)製) 以上の結果から、通常のホモポリマーからなる布帛の堅
牢性は酸性染料でも優れているが、共重合ナイロン布帛
では、堅牢性の差が大きく現れ、共重合ポリアミドに対
し本発明は効果が顕著であることが判る。
【0036】実施例4 ナイロン6(36デニール17フィラメント)とナイロ
ン6(80重量%)にナイロン66が20重量%共重合
された共重合ナイロン(36デニール17フィラメン
ト)を1:1で混繊して70デニール34フィラメント
の混繊糸とし、これにより得られた布帛を、下記染料で
染色、ソーピング処理をし染色布帛6を得た。ここで得
られた布帛の外観は微細な濃淡差のある新規な外観を呈
し、また洗濯堅牢度を評価したところ、変退色4〜5
級、汚染4〜5級となり良好な堅牢性であることが判っ
た。
【0037】カルボキシピリジニオトリアジン型反応染
料 Kayaceron React Blue CN−M
G(日本化薬(株)製)
【0038】実施例5 実施例4と同様の布帛、方法で染料を下記に変えて行
い、染色布帛7を得た。ここで得られた布帛の外観は染
色布帛6より若干濃淡差が小さいものの、穏やかな濃淡
差のある新規な外観を呈し、また洗濯堅牢度を評価した
ところ、変退色4〜5級、汚染4〜5級となり良好な堅
牢性であることが判った。
【0039】ブロモアクリルアミド型反応染料 Lanasol Blue 3G(チバスペシャリティ
ケミカルズ(株)製)
【0040】比較例2 実施例4と同じ布帛を用い、下記染料で染色しフィック
ス処理を行って染色布帛8を得た。ここで得られた布帛
は微細な濃淡差もなく、また洗濯堅牢度を評価したとこ
ろ、変退色3級、汚染2〜3級となり、非常に悪いこと
が判った。
【0041】ミリング酸性染料 Nylosan Blue N−GFL(クラリアント
ジャパン(株)製) 以上の結果から、共重合ポリアミドとホモポリマーから
なるポリアミドの混繊糸を染色することにより、本発明
の方法では洗濯堅牢性が良好で、かつ微細な濃淡差を有
する新規な外観を有しているのに対し、酸性染料による
染色物は洗濯堅牢性も悪く、また外観も微細な濃淡差を
得ることが出来ないことが判った。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、良好な湿潤堅牢性を有
し、また2種以上のポリアミド系繊維を使用することで
穏やかな濃淡差のある新規な外観を呈する共重合ポリア
ミド系繊維染色物を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H057 AA01 AA02 BA07 CA12 CB18 CC02 DA01 DA22 DA34 GA21 GA90 HA04 HA05 HA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分のポリアミドに対し少なくとも1種
    以上の共重合成分が3重量%以上60重量%未満で共重
    合されてなる共重合ポリアミド系繊維を、反応染料によ
    り染色することを特徴とするポリアミド系繊維の染色方
    法。
  2. 【請求項2】該反応染料が少なくともブロモアクリルア
    ミド基、モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリア
    ジン基、カルボキシピリジニオトリアジン基、フルオロ
    クロロピリミジン基を1つ以上有することを特徴とする
    請求項1記載のポリアミド系繊維の染色方法。
  3. 【請求項3】該共重合ポリアミド系繊維が、ナイロン6
    又はナイロン66を主成分のポリアミドであることを特
    徴とする請求項1又は2記載のポリアミド系繊維の染色
    方法。
  4. 【請求項4】該共重合ポリアミド系繊維が、ナイロン6
    が主成分のポリアミドであり、ナイロン66のモノマー
    であるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からなる化
    合物を共重合成分であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の染色方法。
  5. 【請求項5】該共重合ポリアミド系繊維が、ナイロン6
    6が主成分のポリアミドであり、ナイロン6のモノマー
    であるε−カプロラクタムを共重合成分であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の染色方法。
  6. 【請求項6】主成分のポリアミドに対し少なくとも1種
    以上の共重合成分が3重量%以上60重量%未満で共重
    合されてなる共重合ポリアミドと、ナイロン6及び/又
    はナイロン66とを複合、混繊又は交織してなるポリア
    ミド系繊維を、反応染料により染色することを特徴とす
    るポリアミド系繊維の染色方法。
  7. 【請求項7】分子構造中に3級化及び/又は4級化され
    た窒素原子を含む界面活性剤を、染色液中に添加するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリア
    ミド系繊維の染色方法。
  8. 【請求項8】該界面活性剤が両性界面活性剤であること
    を特徴とする請求項7に記載のポリアミド系繊維の染色
    方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の染色方法
    において、染色後にさらにpH6〜13でソーピング処
    理を施すことを特徴とするポリアミド系繊維の染色方
    法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の染色方
    法により得られることを特徴とするポリアミド系繊維染
    色物。
  11. 【請求項11】主成分のポリアミドに対し少なくとも1
    種以上の共重合成分が3重量%以上60重量%未満で共
    重合されてなる共重合ポリアミド系繊維が反応染料で染
    色されてなり、JIS L−0844 A−2法に定め
    られる洗濯堅牢度が4級以上であることを特徴とするポ
    リアミド系繊維染色物。
  12. 【請求項12】主成分のポリアミドに対し少なくとも1
    種以上の共重合成分が3重量%以上60重量%未満で共
    重合されてなる共重合ポリアミドとナイロン6及び/又
    はナイロン66を複合、混繊又は交織してなるポリアミ
    ド系繊維構造物が反応染料により染色されてなり、JI
    S L−0844 A−2法に定められる洗濯堅牢度が
    4級以上であり、かつ濃淡異色性を有してなることを特
    徴とするポリアミド系繊維染色物。
  13. 【請求項13】該反応染料がブロモアクリルアミド基、
    モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、
    カルボキシピリジニオトリアジン基、フルオロクロロピ
    リミジン基を1つ以上含むことを特徴とする請求項11
    又は12記載のポリアミド系繊維染色物。
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KR20040033962A (ko) * 2002-10-16 2004-04-28 주식회사 효성 높은 아민 말단 함량을 갖는 개질 폴리아미드6의 제조방법
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