JP2000096213A - 樹脂基材表面への金属膜形成方法 - Google Patents
樹脂基材表面への金属膜形成方法Info
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Abstract
金属膜以外の材料をプリコートしたりすることなく、平
滑な樹脂基材の表面に十分に密着力高く金属膜を形成す
ることができる樹脂基材表面への金属膜形成方法を提供
することにある。 【解決手段】 樹脂基材表面にOH基またはCOOH基
を付与する処理を施し、この樹脂基材表面にポルフィリ
ンを固定化する処理を施し、その後、この樹脂基材表面
に湿式めっきあるいは気相成長法にて金属膜を形成す
る。
Description
金属膜形成方法に関し、具体的には、樹脂基材表面に密
着力の高い金属膜を形成する樹脂基材表面への金属膜形
成方法に関するものである。
膜形成技術は、装飾品、フレキシブルプリント基板など
の電子機器部品、包装用フィルムをはじめ、幅広く利用
される技術である。しかしながら、樹脂基材表面への気
相成長法による金属膜形成技術における大きな問題点と
して、樹脂基材と金属膜との密着性が挙げられ、樹脂基
材表面に強固に密着した金属膜を得ることは非常に難し
い。
法がとられている。一つには酸、アルカリ等による表面
処理を行って樹脂基材表面に凹凸を形成し、アンカー効
果等により、金属膜の密着性を高める方法が行われてい
る。しかし、この方法では、金属膜表面に凹凸が生じる
ため、金属光沢が得られず、高周波用回路基板に使う場
合には凹凸による表皮抵抗が生じて電気特性に悪影響が
あり、凹凸形成のために工程が複雑になるなどの問題が
あった。
面にチタンまたはクロム等をプリコートすることによ
り、金属膜の密着性を高める方法も行われている。しか
し、この方法では、回路基板として金属膜をパターンエ
ッチングして使用する際のエッチング性に問題が生じ
る。つまり、上層となる金属膜をパターンエッチングし
て使用する際に、下層となるチタンまたはクロム等のプ
リコート層が残るという問題が生じるのであった。
は、アルゴンガス等の不活性ガスまたは酸素、窒素、一
酸化炭素、二酸化炭素などの活性ガスを用いて、これら
の単独または混合ガスのプラズマで表面処理を行った
後、金属膜を形成する方法が提案されている。このよう
な表面処理では、樹脂基材表面を活性化させるととも
に、−OH等の官能基形成が行われる。そして、この−
OH等の官能基は金属との親和性が高く、金属膜の密着
性を高める働きをするというのである。
プラズマによる前処理によっても、十分に良好な樹脂基
材と金属膜との密着性が得られるというまでには至らな
かった。
れたものであって、その目的とするところは、樹脂基材
の表面に凹凸を形成したり、所望の金属膜以外の材料を
プリコートしたりすることなく、平滑な樹脂基材の表面
に十分に密着力高く金属膜を形成することができる樹脂
基材表面への金属膜形成方法を提供することにある。
樹脂基材表面への金属膜形成方法は、樹脂基材表面にO
H基またはCOOH基を付与する処理を施し、この樹脂
基材表面にポルフィリンを固定化する処理を施し、その
後、この樹脂基材表面に湿式めっきあるいは気相成長法
にて金属膜を形成することを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記ポルフィリンを固定化する処理
が、COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含む溶液
を塗布するものであることを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記COOH基を側鎖に有するポル
フィリンを含む溶液を塗布した後、熱処理を行うことを
特徴とする。
金属膜形成方法は、上記ポルフィリンを固定化する処理
が、脂肪族ジアミンを塗布した後、COOH基を側鎖に
有するポルフィリンを含む溶液を塗布して、脂肪族ジア
ミンとポルフィリンを反応させるものであることを特徴
とする。
金属膜形成方法は、上記OH基またはCOOH基を付与
する処理が、樹脂基材をアルカリ溶液に浸漬するもので
あることを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記OH基またはCOOH基を付与
する処理が、樹脂基材を酸素あるいは酸素を含むプラズ
マに曝すことで行われるものであることを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記OH基またはCOOH基を付与
する処理が、金属膜を形成する箇所にのみ局部的に施さ
れるものであることを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記金属膜を形成する箇所にのみ局
部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素
あるいは酸素を含む雰囲気中においてレーザ照射を施す
ものであることを特徴とする。
金属膜形成方法は、上記金属膜を形成する箇所にのみ局
部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素
イオンビーム照射あるいは酸素を含む雰囲気中でイオン
ビーム照射を施すものであることを特徴とする。
の金属膜形成方法は、上記金属膜を形成する箇所にのみ
局部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸
素あるいは酸素を含むプラズマジェット照射を施すもの
であることを特徴とする。
て詳しく説明する。
は、樹脂基材表面にOH基またはCOOH基を付与する
処理を施し、この樹脂基材表面にポルフィリンを固定化
する処理を施し、その後、この樹脂基材表面に湿式めっ
きあるいは気相成長法にて金属膜を形成するものであ
る。
法によれば、樹脂基材表面に固定化されたポルフィリン
が金属との反応性に優れているので、この樹脂基材表面
に湿式めっきあるいは気相成長法により形成した金属膜
が強く密着することになる。
例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、PET樹脂な
どの様々な合成樹脂材料を挙げることができ、板状、フ
ィルム状のものなど様々な形状のものを使用することが
できるものである。
グ法や真空蒸着法などを代表的に例示することができる
ものである。金属膜としては、銅膜が代表的なものであ
るが、特定の金属膜に限らないことは言うまでもない。
金属膜の厚みも特に制限されないが、0.01〜数十μ
m程度の一般的な厚みに形成することができるものであ
る。
が、COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含む溶液
を塗布するものであると、樹脂基材に付与されたOH基
やCOOH基とポルフィリン側鎖のCOOH基との間で
脱水縮合反応が起こり、その結果ポルフィリンが樹脂基
材表面に強固に固定化され、金属膜が強く密着すること
になる。
ば、メソポルフィリン、プロトポルフィリン、ジューテ
ロポルフィリンなどの側鎖にCOOH基を有するポルフ
ィリンを挙げることができるものである。
ては、例えば、水、クロロホルム、メタノール、エタノ
ールなどのアルコールなどを用いることができるもので
ある。
いが、メタノールに溶かして用いる場合には、上記溶液
の濃度が0.1重量%以上のメタノール溶液に樹脂基材
を浸漬して、ポルフィリンを付着させるのが好ましいも
のである。
ルフィリンを含む溶液を塗布した後、熱処理を行うもの
であると、COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含
む溶液を塗布したのち熱処理を行うことによって、樹脂
基材に付与されたOH基やCOOH基とポルフィリン側
鎖のCOOH基との間で起こる脱水縮合反応が促進さ
れ、その結果ポルフィリンが樹脂基材表面にさらに強固
に固定化され、金属膜が強く密着することになる。
00℃、時間0.5〜2時間程度の条件が特に好ましい
ものである。
が、脂肪族ジアミンを塗布した後、COOH基を側鎖に
有するポルフィリンを含む溶液を塗布して、脂肪族ジア
ミンとポルフィリンを反応させるものであると、樹脂基
材表面のOH基やCOOH基と脂肪族ジアミンのNH2
基がまず反応し、その後ポルフィリン側鎖のCOOHと
脂肪族ジアミンのNH2 基が反応することで脂肪族鎖を
介したポルフィリンの固定化が可能となり、樹脂表面の
低応力化が図られることとなり、金属膜がより強く密着
することになる。
えば、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプ
タン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノ
ナン、1,10−ジアミノデカンなどを挙げることがで
きるものである。
理が、樹脂基材をアルカリ溶液に浸漬するものである
と、樹脂基材表面の加水分解反応により樹脂基材表面に
OH基またはCOOH基を付与することができるもので
ある。
ば、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液などを
挙げることができるものである。
する処理が、樹脂基材を酸素あるいは酸素を含むプラズ
マに曝すことで行われるものであると、プラズマ中の酸
素イオンや酸素ラジカルが基材樹脂表面の有機結合を断
ち、そこに再結合する形でOH基またはCOOH基が形
成される。酸素イオンや酸素ラジカルの有するエネルギ
ーが高いため、前述のアルカリ溶液処理に比較して更に
OH基またはCOOH基の形成能力に優れている。
ては、例えば、マイクロ波放電プラズマ、高周波放電プ
ラズマ、ECRプラズマ等を用いることができるもので
ある。
する処理が、金属膜を形成する箇所にのみ局部的に施さ
れるものであると、樹脂基材表面の金属膜を形成する箇
所にのみ局部的に施すことにより、その部分にポルフィ
リンが固定化され金属との密着性が向上する。それ以外
の所はエッチング等の処理による金属膜の除去が容易と
なる。
部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素
あるいは酸素を含む雰囲気中においてレーザ照射を施す
ものであると、請求項7記載の発明を具現化するための
手段についての発明となり、樹脂基材表面にレーザを照
射することにより、レーザの光エネルギーにより基材樹
脂表面の有機結合が断たれ、雰囲気中の酸素との再結合
が起こりOH基やCOOH基が形成される。その部分に
ポルフィリンが固定化され金属との密着性が向上する。
それ以外の所エッチング等の処理による金属膜の除去が
容易となる。
えば、エキシマレーザ、CO2 レーザ、ArFレーザ、
KrFレーザ、XeClレーザなどを挙げることができ
るものである。
局部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸
素イオンビーム照射あるいは酸素を含む雰囲気中でイオ
ンビーム照射を施すものであると、請求項7記載の発明
を具現化するための手段についての発明となり、樹脂基
材表面にイオンビームを照射することにより、イオンの
運動エネルギーにより基材樹脂表面の有機結合が断た
れ、照射された酸素イオンあるいは雰囲気中の酸素との
再結合が起こりOH基やCOOH基が形成される。その
部分にポルフィリンが固定化され金属との密着性が向上
する。それ以外の所はエッチング等の処理による金属膜
の除去が容易となる。
は、例えば、イオン銃として熱陰極型、電子サイクロト
ロン型、デュオプラズマトロン型のイオン銃を用いて生
成されたイオンビームを挙げることができるものであ
る。
局部的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸
素あるいは酸素を含むプラズマジェット照射を施すもの
であると、請求項7記載の発明を具現化するための手段
についての発明となり、樹脂基材表面に酸素あるいは酸
素を含むプラズマジェットを局部的に照射することによ
り、プラズマ中の酸素イオンや酸素ラジカルが照射部分
の基材樹脂表面の有機結合を断ち、そこに再結合する形
でOH基またはCOOH基が形成される。その部分にポ
ルフィリンが固定化され金属との密着性が向上する。そ
れ以外の所はエッチング等の処理による金属膜の除去が
容易となる。
しては、例えば、電磁プラズマ加速型などのプラズマジ
ェットを挙げることができるものである。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、真空チャンバー内に配置した。この真空チャンバー
内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気した。アル
ゴンガスを導入し、プラズマを発生させ、ポリイミド板
の表面処理を行った。
(側鎖がエチル基とメチル基のもの)の0.5重量%ク
ロロホルム溶液に浸漬させ、室温のまま、1時間放置し
溶媒を揮発除去させた。その後、ガス成分アルゴン、ガ
ス圧2.0×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電
圧500Vの条件によるマグネトロンスパッタリング法
でポリイミド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成し
た。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、真空チャンバー内に配置した。この真空チャンバー
内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気した。アル
ゴンガスを導入し、プラズマを発生させ、ポリイミド板
の表面処理を行った。
がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)の0.5重
量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上げ、1時間
放置し溶媒を揮発除去した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、真空チャンバー内に配置した。この真空チャンバー
内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気した。アル
ゴンガスを導入し、プラズマを発生させ、ポリイミド板
の表面処理を行った。
(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)の
0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、真空チャンバー内に配置した。この真空チャンバー
内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気した。アル
ゴンガスを導入し、プラズマを発生させ、ポリイミド板
の表面処理を行った。
ミンの0.5重量%メタノール溶液に浸漬させた後引き
上げ、恒温チャンバー内で50℃、30分加熱した。そ
の後メソポルフィリン(側鎖がメチル基、エチル基およ
び酢酸基のもの)の0.5重量%メタノール溶液に浸漬
させて引き上げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加
熱し室温まで冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、濃度1MのNaOH溶液に1時間浸漬したのち純水
で洗浄し、ポリイミド板の表面処理を行った。
(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)の
0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーにポリイミド板を取り付
け、真空チャンバー内に配置した。この真空チャンバー
内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気した。酸素
ガスを導入し、プラズマを発生させ、ポリイミド板の表
面処理を行った。
(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)の
0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーに10cm×10cmの大
きさのポリイミド板を取り付け、この樹脂基材の表面
に、この樹脂基材と同じサイズで中央部に5cm×5c
mの穴の開いた粘着シートを張り付け真空チャンバー内
に配置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以
下になるまで真空排気した。酸素ガスを導入し、プラズ
マを発生させ、ポリイミド板の表面処理を行った。
し、この樹脂基材をメソポルフィリン(側鎖がメチル
基、エチル基および酢酸基のもの)の0.5重量%メタ
ノール溶液に浸漬させたのち引き上げ、恒温チャンバー
内で80℃、1時間加熱し室温まで冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーに10cm×10cmの大
きさのポリイミド板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した後、ハロゲンヒーターでポリイミ
ド板を100℃に予備加熱し、吸着した水分等を除去し
た。
をポリイミド板表面の中央部の5cm×5cmの範囲内
を走査させて照射した。
リン(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)
の0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
施例を行った。基板ホルダーに10cm×10cmの大
きさのポリイミド板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した後、ハロゲンヒーターでポリイミ
ド板を100℃に予備加熱し、吸着した水分等を除去し
た。
圧2kV、ビーム電流0.5μA、酸素ガス導入量1×
10-7Torrで酸素ガスを導入しイオンビームを生成
させ、ポリイミド板表面の中央部の5cm×5cmの範
囲内を走査させて照射した。
リン(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)
の0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
る実施例を行った。基板ホルダーに10cm×10cm
の大きさのポリイミド板を取り付け、真空チャンバー内
に配置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以
下になるまで真空排気した後、ハロゲンヒーターでポリ
イミド板を100℃に予備加熱し、吸着した水分等を除
去した。
ットを用いて高周波電力2kW、酸素ガス導入量0.1
L/分で酸素ガスを導入しプラズマジェットを生成さ
せ、ポリイミド板表面の中央部の5cm×5cmの範囲
を走査させて照射した。
リン(側鎖がメチル基、エチル基および酢酸基のもの)
の0.5重量%メタノール溶液に浸漬させたのち引き上
げ、恒温チャンバー内で80℃、1時間加熱し室温まで
冷却した。
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧500V
の条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイミ
ド板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
従来発明による比較実験を行った。基板ホルダーにポリ
イミド板を取り付け、真空チャンバー内に配置した。こ
の真空チャンバー内を1×10-3Pa以下になるまで真
空排気した。アルゴンガスを導入し、プラズマを発生さ
せ、ポリイミド板の表面処理を行った。その後、ガス成
分アルゴン、ガス圧2.0×10-1Pa、基板温度室
温、ターゲット電圧500Vの条件によるマグネトロン
スパッタリング法でポリイミド板の表面に厚み0.2μ
mの銅膜を形成した。
べた方法によって、樹脂基材の表面に形成した銅膜につ
いて、密着性を評価するために碁盤目試験を行った。
切り目をナイフで入れた後、この表面にセロハンテープ
を貼って剥がすことによって行い、銅膜が剥離しなけれ
ば「○」と評価し、また碁盤目状の切り目を入れなくと
も剥離すれば「×」と評価し、碁盤目状の切り目を入れ
た場合のみ剥離すれば「△」と評価した。この結果を下
記の表1に示しておいた。
部の5cm×5cmの範囲内の銅膜の評価、Bがそれ以
外の部分の銅膜の評価結果を示しているものである。
対比するとわかるように、本発明による各実施例のもの
は、いずれも比較例1に比べて銅膜の密着性が高いこと
がいえるものであり、本発明による金属膜の密着性の向
上の効果が確認されるものである。
の金属膜形成方法によると、樹脂基材表面にOH基ある
いはCOOH基を付与する活性化処理を施し、この樹脂
基材表面にポルフィリンを固定化する処理によって、金
属膜を強く樹脂基材に密着させることができる。このよ
うな前処理は、従来の微細な凹凸形成による前処理に比
較して工程が簡単であって、容易に行うことができるも
のである。
要がないので、形成した金属膜に金属光沢が得られ、装
飾用、反射鏡用などの用途に有用である。また、高周波
用回路基板に使う場合を想定すると、凹凸による表皮抵
抗が生じる心配がなく、電気特性の良好な高周波用回路
基板を製造することができる。
クロム等のプリコート層を存在させる必要がないもので
ある。したがって、電子材料用途の回路基板などに用い
る場合、導体回路となる金属層のエッチングに悪影響を
与えることがなく、回路形成が容易であって、樹脂基材
をベースとした回路板の製造に好適に用いられる金属膜
形成方法になっている。
金属膜形成方法によると、請求項1記載の場合に加え
て、樹脂基材表面にポルフィリンを固定化する方法とし
て、COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含む溶液
を塗布する処理により、樹脂基材に付与されたOH基や
COOH基とポルフィリン側鎖のCOOH基との間で脱
水縮合反応が起こり、その結果ポルフィリンが樹脂基材
表面に強固に固定化され、金属膜がより強く密着する。
金属膜形成方法によると、請求項2記載の場合に加え
て、COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含む溶液
を塗布したのち熱処理を行うことによって、樹脂基材に
付与されたOH基やCOOH基とポルフィリン側鎖のC
OOH基との間で起こる脱水縮合反応が促進され、その
結果ポルフィリンが樹脂基材表面にさらに強固に固定化
され、金属膜が強く密着する。
金属膜形成方法によると、請求項1記載の場合に加え
て、樹脂基材表面にポルフィリンを固定化する処理が、
脂肪族ジアミンを塗布したのちCOOH基を側鎖に有す
るポルフィリンを含む溶液を塗布して、脂肪族ジアミン
とポルフィリンを反応させることによって、脂肪族鎖を
介したポルフィリンの固定化が可能となり、樹脂表面の
低応力化が図られることとなり、金属膜がより強く密着
する。
脂基材表面への金属膜形成方法によると、請求項1ない
し請求項4何れか記載の場合に加えて、比較的容易な方
法でポルフィリン固定化の前処理を行うことができ、金
属膜が強く密着する。
樹脂基材表面への金属膜形成方法によると、請求項1な
いし請求項4何れか記載の場合に加えて、樹脂基材表面
にOH基またはCOOH基を付与する処理が、金属膜を
形成する箇所にのみ局部的に施されるので、その部分に
ポルフィリンが固定化され部分的に金属との密着性を向
上させることができ、プリント配線板のように回路パタ
ーン以外の所が不要な場合に、エッチング等の処理によ
る金属膜の除去が容易である。
Claims (10)
- 【請求項1】 樹脂基材表面にOH基またはCOOH基
を付与する処理を施し、この樹脂基材表面にポルフィリ
ンを固定化する処理を施し、その後、この樹脂基材表面
に湿式めっきあるいは気相成長法にて金属膜を形成する
ことを特徴とする樹脂基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項2】 上記ポルフィリンを固定化する処理が、
COOH基を側鎖に有するポルフィリンを含む溶液を塗
布するものであることを特徴とする請求項1記載の樹脂
基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項3】 上記COOH基を側鎖に有するポルフィ
リンを含む溶液を塗布した後、熱処理を行うことを特徴
とする請求項2記載の樹脂基材表面への金属膜形成方
法。 - 【請求項4】 上記ポルフィリンを固定化する処理が、
脂肪族ジアミンを塗布した後、COOH基を側鎖に有す
るポルフィリンを含む溶液を塗布して、脂肪族ジアミン
とポルフィリンを反応させるものであることを特徴とす
る請求項1記載の樹脂基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項5】 上記OH基またはCOOH基を付与する
処理が、樹脂基材をアルカリ溶液に浸漬するものである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4何れか記載の
樹脂基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項6】 上記OH基またはCOOH基を付与する
処理が、樹脂基材を酸素あるいは酸素を含むプラズマに
曝すことで行われるものであることを特徴とする請求項
1ないし請求項4何れか記載の樹脂基材表面への金属膜
形成方法。 - 【請求項7】 上記OH基またはCOOH基を付与する
処理が、金属膜を形成する箇所にのみ局部的に施される
ものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4何
れか記載の樹脂基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項8】 上記金属膜を形成する箇所にのみ局部的
にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素ある
いは酸素を含む雰囲気中においてレーザ照射を施すもの
であることを特徴とする請求項7記載の樹脂基材表面へ
の金属膜形成方法。 - 【請求項9】 上記金属膜を形成する箇所にのみ局部的
にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素イオ
ンビーム照射あるいは酸素を含む雰囲気中でイオンビー
ム照射を施すものであることを特徴とする請求項7記載
の樹脂基材表面への金属膜形成方法。 - 【請求項10】 上記金属膜を形成する箇所にのみ局部
的にOH基またはCOOH基を付与する処理が、酸素あ
るいは酸素を含むプラズマジェット照射を施すものであ
ることを特徴とする請求項7記載の樹脂基材表面への金
属膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26934798A JP4013352B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 樹脂基材表面への金属膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26934798A JP4013352B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 樹脂基材表面への金属膜形成方法 |
Publications (2)
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