JP2000095703A - Htlv―1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤 - Google Patents
Htlv―1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤Info
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Abstract
のHTLV−1関連疾患に著効を示す経口治療剤及び/
又は予防剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明は、有効成分としてインターフェ
ロン−γを含有してなるHTLV−1関連疾患用経口治
療剤及び/又は予防剤を提供することにより、上記課題
を解決する。
Description
uman T−cell Lymphotropic
Virus Type 1)関連疾患用経口治療剤及び
/又は予防剤、とりわけ、有効成分としてインターフェ
ロン−γ(以下、「IFN−γ」と略記する。)を含有
してなるHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び/又は
予防剤(以下、「本発明の経口薬剤」と略記することも
ある。)に関する。
略記する)は、1976年、高月清等によって発見さ
れ、報告された特異な病像を呈するT細胞性の白血病疾
患で、一部は悪性リンパ腫様の病像を呈する難治性の疾
患である。我が国に於いては、南西日本(九州、沖縄、
四国地方)に多発し、また、海外に於いては、カリブ海
地域、南インドなどの熱帯地方に多発するという地域特
異性のある病気である。ATLに由来する白血病細胞の
多くは、CD4陽性CD8陰性のヘルパーT細胞の表現
型を持ち、特異な核変形を伴う。ATLは、C型レトロ
ウイルスであるHTLV−1(当初は、ATLVと呼ば
れていた。)が、原因ウイルスであることが究明されて
いる。
ア)は、ATLだけでなく、悪性腫瘍の発生頻度が高い
こと、更には、HAM(HTLV−1−Associa
ted Myelopathy)と呼ばれる神経疾患及
び免疫疾患を引き起こすことが疫学的な調査によって明
らかにされ、HTLV−1はATLのみならず、他の疾
患にも関与していることが明らかにされつつある。この
他、リウマチ様の慢性関節炎やシェーグレン症候群、全
身性エリテマトーデス(SLE)、目の葡萄膜炎などへ
の関与も指摘されている。
出や、HTLV−1 proviral DNAの証明
により、容易に診断することができる。HTLV−1感
染による病像や経過は多様で、その発症年齢は50歳代
である。病理学的には、頸髄上部から腰髄にかけて髄鞘
の脱落と軸索の消失、血管周囲性の単核細胞(リンパ球
やマクロファージ)の浸潤、及びアストグロリアの増殖
が、更には、脳幹部及び大脳・小脳の白質には、軽度の
血管周囲性の単核細胞浸潤が観察される。
の発症率は低いものの、一旦発症すると、病状は急激に
悪化し、その治療は困難を極めているのが現状である。
従来の治療法としては、副腎皮質ステロイド剤の大量投
与、悪性リンパ腫に準じた化学療法或いは放射線療法な
どがあるが、それらは一時的な対症療法に過ぎず、残念
ながら本質的な治療法とはなっていない。他に、HTL
V−1関連疾患であるATLの臨床試験的な治療法とし
て、石原一之、「スキン・キャンサー(Skin Ca
ncer)」、第12巻、第2号、301乃至314頁
(1997年)には、IFN−γを筋肉内注射すること
が開示されている。その治療法は、一日当たり数百万単
位という大量のIFN−γを、8週間以上に亘って連
日、患者に注射投与するものである。斯かる注射投与に
よる治療の場合、患者は、入院乃至頻繁な通院を余儀な
くされることとなり、肉体的精神的な苦痛に加え、経済
的な問題も生じるとの欠点がある。殊に、通院の場合に
は、患者が投薬日に来院できないなどの不都合により、
薬剤投与管理が不十分となり易く、所期の治療効果が十
分に発揮できないとの欠点がある。又、IFN−γは、
大量投与しても副作用の比較的少ない安全な薬剤である
が、従来技術のように、一日当たり数百万単位もの大量
のIFN−γを注射投与することから、患者によって
は、著しい肝機能低下、白血球減少、好中球減少、カル
シウム低下、発熱などの副作用が見られ、重篤な場合
は、投薬を中止せざるを得ないとの欠点があった。
本的かつ効果的に治療及び/又は予防し得る安全な薬剤
であって、患者への精神的、肉体的、経済的負担をも軽
減し得る薬剤の確立が希求されている。
1関連疾患を根本的かつ効果的に治療及び/又は予防し
得る安全な薬剤を提供することを課題とする。
−1関連疾患を効果的に治療及び/又は予防し得る薬剤
に着目して鋭意研究すると共に、その投与形態について
も鋭意研究することにより、有効成分として、インター
フェロン−γ(以下、「IFN−γ」と略記する。)を
含有してなるHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び/
又は予防剤により前記課題を解決した。本発明の特徴と
して、有効成分としてのインターフェロン−γを経口投
与すると、他の投与形態の場合と比べて著しく低い投与
量で、HTLV−1関連疾患を効果的に治療及び/又は
予防できる。
説明するに、本発明のHTLV−1関連疾患用経口治療
剤及び/又は予防剤が有効成分として含有するIFN−
γとは、例えば、IFN−γ産生能を有するヒトの白血
球や培養株化細胞から産生される天然型IFN−γ、及
び、前記白血球や特定の培養株化細胞由来のIFN−γ
をコードする遺伝子を組換えDNA技術により動物細胞
や大腸菌などの微生物に組み込んで得られる組換え型I
FN−γなどを意味し、その何れも有利に用いることが
できる。本発明に於いては、比活性1×107単位/m
g蛋白質以上にまで高度に精製した高純度IFN−γは
言うに及ばず、所期の目的を達成し得る限り、医薬とし
て許容し得る程度の不純物を含む粗な状態のIFN−γ
も好適に使用できる。又、本発明の経口薬剤は経口的に
投与されることから、筋肉内注射や静脈内注射のよう
に、必ずしも最高純度のIFN−γを用いる必要性はな
く、比較的低純度のIFN−γであっても不都合なく使
用することができる。このようなIFN−γを用いる場
合には、より低コストで本発明の薬剤を製造できること
となる。また、当該IFN−γとして、2種以上のIF
N−γ混合物を用いることも可能である。尚、当該IF
N−γは、抗原性の面から見て、ヒト由来のIFN−
γ、殊に、天然由来のIFN−γが有利に使用できる。
口治療剤及び/又は予防剤は、その有効成分であるIF
N−γに加えて、医薬として許容し得る増量剤、賦形
剤、安定化剤及びpH調節剤、更には、生理活性物質を
1種又は2種以上適宜配合することができる。
得る薬剤を意味し、例えば、グルコース、ガラクトー
ス、キシロース、フラクトース、スクロース、マルトー
ス、トレハロース、ネオトレハロース、イソトレハロー
ス、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラク
チトール、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、及び多
糖類などの糖類及び糖アルコール、シクロデキストリ
ン、ヒドロキシエチル澱粉、デキストリン及びデキスト
ラン、グルクロン酸ナトリウム、リン酸塩及び金属塩な
どの塩類、血清アルブミン、ゼラチン、アミノ酸及び非
イオン界面活性剤などから選ばれる1種又は2種以上を
使用することができる。前記安定化剤の内、マルトース
及びトレハロースは、本発明の有効成分の活性をより長
期間に亘って安定に保持し得る。
いが、非イオン界面活性剤を除き、通常、本発明の経口
薬剤重量当たり、約0.01w/w%以上100w/w
%未満、好ましくは、約0.1w/w%以上100w/
w%未満、より好ましくは、約1w/w%以上100w
/w%未満とするのが好適である。非イオン界面活性剤
の配合割合は、IFN−γを含有する本発明の経口薬剤
グラム当たり、1μg乃至1mg、より好ましくは、1
0μg乃至1mgが望ましい。本発明の経口薬剤の形態
にもよるが、上記安定化剤を上記割合で添加した場合
は、IFN−γの活性は、4℃の温度条件下で、通常、
36カ月以上に亘って安定に保たれ、また、室温下に於
いても、通常、6ヶ月以上安定である。殊に、マルトー
ス及び/又はトレハロースを安定剤として使用した場
合、室温下に於いても、当該IFN−γは、通常、12
ヶ月以上に亘って安定に保たれる。尚、他の安定化剤
は、マルトース及びトレハロースと比べ劣る傾向を示し
た。
剤及び/又は予防剤の有効成分であるIFN−γの配合
量は、HTLV−1ウイルス量及び抗体価を効果的に低
減し得る量であればよく、通常、IFN−γは、本発明
の経口薬剤グラム当たり、約0.1〜109単位、好ま
しくは、約1〜107単位、より好ましくは、約10〜
105単位、更に好ましくは、約102〜104単位配
合するのが好ましい。また、本発明の経口薬剤が単位投
与形態の薬剤の場合は、一薬剤当たり、IFN−γを約
0.1乃至106単位、好ましくは、約10乃至105
単位配合するのが望ましい。
ペースト剤、トローチ剤、カプセル化剤、粉末剤、顆粒
剤、錠剤、腸溶剤などの経口投与可能な形状から適宜選
ばれる。本発明の薬剤を液剤及びペースト剤とする場合
には、本発明の経口薬剤の有効成分であるIFN−γが
失活しないpH、即ち、pH約4〜9、望ましくは、p
H6〜8に調整する。本発明の薬剤はその形状、形態に
拘わらず、4℃以下の冷暗所で保存するのが活性及び品
質を安定に保つ上で望ましい。また、IFN−γは、強
酸性下で不安定であることから、経口投与後、胃酸で失
活するのを防止する意味で、本発明の経口薬剤の剤形と
しては、顆粒剤、糖衣剤、カプセル剤、又は腸溶剤が好
適である。特に、本発明の経口薬剤の剤形としては、腸
溶剤が最適である。尚、本発明の経口薬剤を種々の剤形
に加工する方法は特に制限されず、公知の方法を適宜選
択することができる。
口治療剤及び/又は予防剤の投与量について説明する
に、本発明の経口薬剤の有効成分であるIFN−γはヒ
ト成人に対し、約1乃至1×104単位/体重kg/
日、望ましくは、約1×10乃至1×104単位/体重
kg/日、より望ましくは、約1×102乃至1×10
3単位/体重kg/日の投与量で、1乃至4回/日又は
1乃至7回/週の投与量で、1週間乃至1年間に亘って
経口投与すればよい。IFN−γを単位投与量含有する
単位投与形態の薬剤の場合、上記用量の範囲で投与すれ
ばよい。投与期間は特に限定されず、本発明の経口薬剤
に配合した有効成分の種類と含有量、患者への投与量、
患者の症状等に応じて適宜設定すればよく、通常、1〜
24ヶ月、望ましくは、3〜18ヶ月、更に望ましく
は、6〜12ヶ月が好ましい。
細に説明する。
に感染してはいるが、ATL未発症の患者(HTLV−
1キャリア)8人を、A群(3人)、B群(3人)及び
C群(2人)の3グループに分けた。A群には、後述す
る実施例1の方法で得た1,000単位のIFN−γを
含有する本発明の経口薬剤(1錠200mg)を、B群
には、後述する実施例2の方法で得た10,000単位
のIFN−γを含有する本発明の経口薬剤(1錠200
mg)を、一人当たり1日3回の投与量で12ヶ月間経
口投与した。C群(対照)には、後述する実施例1の方
法で得た、IFN−γ未含有の基剤のみからなる経口薬
剤(1錠200mg)を同様に経口投与した。各群の患
者それぞれにつき、投与開始前、投与開始後3ヶ月目、
6ヶ月目、9ヶ月目及び12ヶ月目(投与終了時)に採
血し、血液中のHTLV−1ウイルス量量とHTLV−
1に対する抗体量を測定した。HTLV−1ウイルス量
は、公知のハイブリダイゼーション法で、HTLV−1
に対する抗体量はEIA法で測定した。HTLV−1ウ
イルス量は、投与前の測定値を100%として相対値
(%)で示した。HTLV−1に対する抗体量は、抗体
量の高いものを「++」、低いものを「+」、検出限界
以下のものを「−」で表示した。結果は、表1に示し
た。
B群に於いては、IFN−γの濃度依存的にHTLV−
1ウイルス量が減少した。殊に、A群のNo.2及びB
群のNo.1とNo.2に於いては、投与試験終了後に
HTLV−1は検出されず、また、投与終了後、6ヶ月
経過した後もHTLV−1は全く検出されなかった。こ
の結果は、HTLV−1が体内から完全に排除されたこ
とを強く示唆するものである。また、IFN−γ経口薬
剤投与群であるA群及びB群に於いて、IFN−γに起
因すると思われる白血球数の減少を呈した患者がいた
が、IFN−γ経口薬剤投与終了後、何れも短期間で正
常化した。IFN−γ投与群に於いて、発熱、倦怠感、
食欲不振などの副作用を訴えた患者はいなかった。
連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤の有効性と安全性
を示すものである。
的な皮膚紅斑の認められた成人T細胞白血病患者3人
に、後述する実施例1で得たIFN−γを1,000単
位含有する本願発明のIFN−γ経口薬剤(1錠200
mg)を1日3回の投与量で6ヶ月間経口投与した。対
照として、ATLに特徴的な皮膚紅斑の認められた成人
T細胞白血病患者2人に、IFN−γ未含有の基剤のみ
からなる経口薬剤(1錠200mg)を、後述する実施
例1に準じて調製し経口投与した。各患者につき、投与
開始前、投与開始後2ヶ月目、4ヶ月目及び6ヶ月目
(投与終了時)に、患者の皮膚紅斑を肉眼観察すると共
に、血液中のHTLV−1ウイルス量、HTLV−1に
対する抗体量、白血球数、及び、正常リンパ球数に対す
る異常リンパ球数の割合(%)を調べた。IFN−γに
起因すると思われる発熱、倦怠感、食欲不振などの副作
用は医師が問診して調べた。HTLV−1ウイルス量、
HTLV−1に対する抗体量の測定方法、及び抗体量の
評価は実験例1と同様にして行った。紅斑度(皮膚紅斑
の程度)の評価は、紅斑の程度が高いものを「++」、
低いものを「+」、紅斑が消失したものを「−」で表示
した。結果は、表2に示した。
与群に於いては、IFN−γの投与期間依存的にHTL
V−1ウイルス量、抗体量、皮膚紅斑の程度、異常リン
パ球が減少又は低減した。また、IFN−γ経口薬剤投
与群に於いては、IFN−γに起因すると思われる白血
球数に若干の減少を認めたが、IFN−γ経口薬剤投与
終了後には、何れも比較的短期間の内に正常化した。I
FN−γ経口薬剤投与群に於いて、発熱、倦怠感、食欲
不振などの副作用を訴えた患者はいなかった。
LV−1関連疾患を治療及び/又は予防するための経口
投与剤としての有効性と安全性を示すものである。
ン症候群の患者8人を4人ずつの2群に分け、1群には
後述する実施例1の方法で得たIFN−γを1,000
単位含有する本発明の経口薬剤(1錠200mg)を1
日3回の投与量で6ヶ月間経口投与した。他の1群は対
照とし、IFN−γ未含有の基剤のみからなる経口薬剤
(1錠200mg)を同様に調製し、患者に経口投与し
た。シェーグレン症候群の患者に特有の唾液分泌量の低
減を指標に、経口薬剤の投与前後の唾液分泌量をサクソ
ン法により測定し、本発明の経口薬剤の有効性を評価し
た。結果は、表3に示した。
IFN−γ経口薬剤投与群に於いては、有意に唾液分泌
量が増加した。対照に於いては、唾液分泌量の増加は認
められなかった。
患用経口治療剤及び/又は予防剤が、シェーグレン症候
群に極めて有効であることを示すものである。
ア(男女各二人)を、男女1人ずつ2群に分け、1群
(ボランティアNo.1、2)には、後述する実施例1
の方法に準じて調製したIFN−γを100単位含有す
る本発明の経口薬剤(1錠200mg)を1日3回の投
与量で6ヶ月間経口投与した。他の1群は対照(ボラン
ティアNo.3、4)とし、IFN−γ未含有の基剤の
みからなる経口薬剤(1錠200mg)を同様に調製
し、経口投与した。各投与群とも、投与開始前と投与終
了後(2週間目)に採血し、NK細胞活性と単球の殺腫
瘍活性とを測定した。
球を分離し、ヒト慢性骨髄性白血病細胞(K−562細
胞(ATCC CCL 243))に対する細胞傷害反
応に基づいて測定した。即ち、末梢血リンパ球(eff
ector)と51Cr標識K−562細胞(targ
et)とを、そのeffector/target比
(E/T比)を変えて混合し、4時間培養した後に、上
清中に遊離した51Crの放射活性を測定することによ
り、NK細胞活性を求めた。結果は、表4に示した。
尚、放射活性の上昇は、本発明の経口薬剤により、免疫
担当細胞であるNK細胞が賦活化されたことを意味して
いる。
いては、NK細胞活性の上昇は全く見られなかったのに
対し、本発明のHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び
/又は予防剤としてのIFN−γ経口薬剤投与群では、
NK細胞活性が顕著に上昇した。
ンティアの血液から単球を分離し、ヒト悪性黒色腫細胞
(A375.S2細胞(ATCC CRL−187
2))に対する細胞傷害反応に基づいて測定した。即
ち、単球(effector)と[ 125]uridi
ne標識A375.S2細胞(target)とを、e
ffector/target比(E/T比)が20と
なるように混合して72時間インキュベートした後、残
存標的細胞の放射活性を測定することにより、単球の殺
腫瘍活性を求めた。結果は、表5に示した。尚、放射活
性の上昇は、本発明の経口薬剤により、免疫担当細胞で
ある単球の殺腫瘍活性が賦活化されたことを意味してい
る。
いては、ヒト単球の殺腫瘍活性の上昇は全く見られなか
ったのに対し、本発明のHTLV−1関連疾患用経口治
療剤及び/又は予防剤としてのIFN−γ経口薬剤投与
群では、ヒト単球の殺腫瘍活性に顕著な上昇が見られ
た。
具体的に説明する。
g蛋白質を有する天然由来のヒトIFN−γ(株式会社
林原生物化学研究所製)を、株式会社林原商事販売のト
レハロース(登録商標「トレハオース」)と混合した
後、常法に従って打錠してヒトIFN−γを1錠当たり
1×103単位含有する素錠(1素錠180mg)を得
た。一方、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ
ート(HPMCP)100g、エタノール500ml、
及び精製水100mlからなる腸溶性コーティング基剤
を調製し、この基剤を用いて前記素錠を常法に従ってコ
ーティングすることにより、本発明の経口薬剤としての
腸溶剤(1錠200mg)を得た。
レハロースにより安定化されていると共に、腸溶コーテ
ィングを施していることから、胃酸によるIFN−γの
分解が抑制された経口薬剤である。また、本剤は、HT
LV−1関連疾患であるATL、リウマチ様の慢性関節
炎、シェーグレン症候群、SLE、目の葡萄膜炎、及び
免疫疾患などの治療剤及び/又は予防剤として有利に使
用でき、殊に、ATLに対して著効を発揮する。
g蛋白質を有する天然由来のヒトIFN−γ(株式会社
林原生物化学研究所製)、株式会社林原商事販売の無水
結晶マルトース(登録商標「ファイントース」)と株式
会社林原商事販売のトレハロース(登録商標「トレハオ
ース」)とを混合した後、常法に従って打錠し、1錠当
たりヒトIFN−γを1×104単位含有する素錠(1
素錠170mg)を得た。一方、酢酸フタル酸セルロー
ス(CAP)200g、エタノール500ml、及び精
製水100mlからなる腸溶コーティング基剤を調製
し、この基剤を用いて前記素錠を常法に従ってコーティ
ングすることにより、本発明の経口薬剤としての腸溶剤
(1錠200mg)を得た。
マルトースとトレハロースとにより安定化されていると
共に、腸溶コーティングを施していることから、胃酸に
よるIFN−γの分解が効果的に抑制された経口薬剤で
ある。本剤は、HTLV−1関連疾患用経口治療剤及び
/又は予防剤として、HTLV−1関連疾患であるAT
L、リウマチ様の慢性関節炎、シェーグレン症候群、S
LE、目の葡萄膜炎、及び免疫疾患などの治療剤及び/
又は予防剤として有利に使用できる。本剤は、特に、A
TLに対して著効を発揮する。
μg/ml含有するマルトースを10w/v%含有する
生理食塩水1000ml(pH7.0)に、比活性約1
×106単位/mg蛋白質を有する遺伝子組換え型ヒト
IFN−γ(日本ケミカルリサーチ株式会社製)を50
00単位を溶解し、常法にしたがって膜濾過により除菌
して、本発明の経口薬剤を得た。本剤の一回当たりの投
与量は10乃至100mlとする。
ることから、4℃保存下で36カ月以上に亙って有効成
分のヒトIFN−γの活性が安定に保たれ、HTLV−
1関連疾患であるATL、リウマチ様の慢性関節炎、シ
ェーグレン症候群、SLE、目の葡萄膜炎、及び免疫疾
患などの治療及び/又は予防に好適に使用できる。本剤
は、特に、ATLに対して著効を発揮する。
商事販売の無水結晶マルトース(登録商標「ファイント
ース」)を5w/v%、株式会社林原商事販売のトレハ
ロース(登録商標「トレハオース」)を5w/v%、及
び1w/v%ゼラチンを含む生理食塩水に、比活性約1
×107単位/mg蛋白質を有する天然由来のヒトIF
N−γ(株式会社林原生物化学研究所製)を、10単位
/mlとなるように溶解し、常法にしたがって膜濾過に
より除菌して本発明の経口薬剤を得た。
0mlである。本剤は、マルトースとトレハロースとに
より安定化されていることから、4℃保存下で、有効成
分であるIFN−γの活性が36カ月以上に亙って安定
に保たれ、HTLV−1関連疾患であるATL、リウマ
チ様の慢性関節炎、シェーグレン症候群、SLE、目の
葡萄膜炎、及び免疫疾患などの治療及び/又は予防とし
て好適に使用できる。本剤は、特に、ATLに対して著
効を発揮する。
−γをHTLV−1関連疾患患者に経口投与すると、低
投与量でATL、リウマチ様の慢性関節炎、シェーグレ
ン症候群、SLE、目の葡萄膜炎、及び免疫疾患などの
疾患を、比較的短期間の内に、効果的に治療及び/又は
予防するとの知見に基づくものである。本発明の経口薬
剤は、従来、副腎皮質ステロイド剤、化学療法、放射線
療法などによっては、治療乃至予防することが極めて困
難であった、HTLV−1関連疾患の根本的に治療及び
/又は予防するものである。本発明の経口薬剤は、殊
に、HTLV−1関連疾患であるATLに対して最も有
効であり、HTLV−1を患者体内から完全に排除し得
る薬剤である。
意義ある発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な発
明である。
Claims (6)
- 【請求項1】 有効成分として、インターフェロン−γ
を含有してなるHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び
/又は予防剤。 - 【請求項2】 インターフェロン−γが、天然由来のイ
ンターフェロン−γ、又は組換えDNA技術により得ら
れたインターフェロン−γである請求項1記載のHTL
V−1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤。 - 【請求項3】 インターフェロン−γの安定化剤とし
て、糖類、塩類、アミノ酸、血清アルブミン、ゼラチ
ン、非イオン界面活性剤、グルクロン酸、デキストラ
ン、及びヒドロキシエチル澱粉から選ばれる1種又は2
種以上の成分を含有してなる請求項1又は2記載のHT
LV−1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤。 - 【請求項4】 薬剤当たり、インターフェロン−γを約
0.1乃至106単位含有していることを特徴とする請
求項1、2又は3記載のHTLV−1関連疾患用経口治
療剤及び/又は予防剤。 - 【請求項5】 剤形が、顆粒剤、糖衣剤、トローチ剤又
は腸溶剤であることを特徴とする請求項1、2、3又は
4記載のHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び/又は
予防剤。 - 【請求項6】 HTLV−1関連疾患が、成人T細胞白
血病(ATL)、シェーグレン症候群、リウマチ様の慢
性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、目の葡
萄膜炎、及び免疫疾患である請求項1、2、3、4又は
5記載のHTLV−1関連疾患用経口治療剤及び/又は
予防剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11210030A JP2000095703A (ja) | 1998-07-24 | 1999-07-26 | Htlv―1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-209294 | 1998-07-24 | ||
JP20929498 | 1998-07-24 | ||
JP11210030A JP2000095703A (ja) | 1998-07-24 | 1999-07-26 | Htlv―1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP11210030A Withdrawn JP2000095703A (ja) | 1998-07-24 | 1999-07-26 | Htlv―1関連疾患用経口治療剤及び/又は予防剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-07-26 JP JP11210030A patent/JP2000095703A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002161038A (ja) * | 2000-09-14 | 2002-06-04 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 眼科用医薬組成物 |
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