JP2000094784A - プリンタ、プリンタの駆動方法および印刷媒体の不正使用判定方法 - Google Patents

プリンタ、プリンタの駆動方法および印刷媒体の不正使用判定方法

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JP2000094784A
JP2000094784A JP26712598A JP26712598A JP2000094784A JP 2000094784 A JP2000094784 A JP 2000094784A JP 26712598 A JP26712598 A JP 26712598A JP 26712598 A JP26712598 A JP 26712598A JP 2000094784 A JP2000094784 A JP 2000094784A
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Naoto Yamaguchi
尚登 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷媒体が単葉のものであっても、複葉のも
のであっても、印刷のスループットを向上させることが
できるプリンタ、プリンタの駆動方法を提供し、また印
刷媒体の不正使用を簡易に判定することができる印刷媒
体の不正使用判定方法を提供する。 【解決手段】 本発明のプリンタ11は、プラテンギャ
ップ調整手段14を有するプリンタ11において、プラ
テンギャップの大きさを媒体情報Mに対応して複数記憶
する不揮発性メモリ13を有する。特に、複葉からなる
帳合い式印刷媒体(通帳B)を、見開き状態で印刷する
プリンタ11では、媒体情報が、帳合い式印刷媒体の、
各見開き状態における一方側または両側の媒体情報であ
り、見開き一方側の実測媒体厚に基づき、見開き他方側
の媒体厚を実測することなく取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラテンギャップ
調整手段を有するプリンタおよびプリンタの駆動方法、
ならびに印刷媒体の不正使用判定方法に関し、具体的に
は、印刷媒体ごとに行われる、印刷開始前のプリントヘ
ッドの退避や、媒体厚の実測を極力省略することで、印
刷のスループットを向上させることができる上記プリン
タおよびプリンタの駆動方法、あるいは不正な通帳につ
いての記帳が上記記帳用プリンタ等により行われたとき
に、印刷媒体の不正使用を簡易に判定する上記不正使用
判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用プリンタには、種々の厚さの印刷媒
体に対応できるように、プラテンギャップを、印刷媒体
の厚さに応じて調整できるものがある。従来のこの種の
プリンタの構成を図11((A)は全体概要図、(B)
はキャリッジ近傍の部分図)に示し、その典型的な動作
を図12のフローチャートにより説明する。まず、プロ
セッサ81が、たとえば図示しない外部装置から、プリ
ントジョブファイルFを受け取ると、プラテンギャップ
調整手段82は、媒体厚が厚い場合を考慮し、プリント
ヘッド94(キャリッジ91に取り付けられている)を
プラテンギャップPG(すなわち、プラテン95とプリ
ントヘッド94との距離)が最大となる安全位置まで退
避させ(S101)、この後、媒体搬送手段83は印刷
媒体Mの搬送を開始し(S102)、先端エッジ検出セ
ンサ92が印刷媒体Mの先端エッジを検出すると、媒体
搬送手段83は印刷媒体Mの搬送を停止し(S10
3)、媒体厚測定手段84が媒体厚を実測する(S10
4)。
【0003】なお、一般には、先端エッジ検出センサ9
2は、キャリッジ91の先端に取り付けれたホルダ93
に設けられた光学センサである。媒体厚測定手段84
は、先端エッジ検出センサ92が、媒体厚を正確に測定
する必要がある。媒体厚測定手段84は、ホルダ93を
印刷媒体Mに押接することで媒体厚を測定する機構を持
ち、ホルダ93の先端面全体が印刷媒体Mに接していな
いと、測定誤差が大きくなる。このことから、S104
のステップにおける媒体厚の測定に際して、媒体搬送手
段83は、印刷媒体Mをさらに所定距離だけ前進させ、
媒体厚実測後に所定距離だけ印刷媒体Mを後退させる。
プラテンギャップ調整手段82は、プラテンギャップP
Gが、S104のステップで媒体厚測定手段84が実測
した媒体厚に対応する大きさとなるように、その調整を
行う(S105)。そして、媒体搬送手段83は、印刷
媒体Mを所定位置に搬送し、印刷が行われる(S10
6)。
【0004】また、特殊用途のプリンタとして、たとえ
ば、金融機関の店舗等に設置される、記帳用プリンタ
(貯金通帳等に入出金の履歴を印刷するためのプリン
タ)がある。この種のプリンタは、通帳を見開き状態で
印刷できるように構成されるものであり、その構成は基
本的に図11に示したものと同じである。また、この種
のプリンタでは、図13のフローチャートに示すよう
に、まず見開き先端頁側に印刷データがあるか否かを判
断し(S200)、印刷データがあるときには、図12
のS101〜S106と同様のステップが実行される。
すなわち、プリントヘッドのプラテンギャップ最大位置
までの退避(S201)、通帳の所定位置(プラテンギ
ャップ実測位置)への搬送開始(S202)、先端エッ
ジ検出による通帳の搬送停止(S203)、先端頁側の
媒体厚の実測(S204)、プラテンギャップの調整
(S205)、通帳の所定位置への搬送/先端頁側の印
刷(S206)が行われる。
【0005】先端頁側に印刷データが終了したとき、ま
たは先端頁側に印刷データがないとき(S200)に
は、後端頁側に印刷データがあるか否かが判断され(S
207)、後端頁側について、プリントヘッドのプラテ
ンギャップ最大位置までの退避(S208)、通帳の所
定位置(プラテンギャップ実測位置)への搬送開始(S
209)、先端頁側の先端エッジ検出による通帳の搬送
停止(S210)、先端頁側の媒体厚の実測(S21
1)、プラテンギャップの調整(S212)、通帳の所
定位置への搬送および後端頁側の印刷(S213)が行
われる。後端頁側の印刷が終了したとき、または後端頁
側に印刷データがないとき(S207)には、通帳は排
出される(S214)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図12で説明した汎用
プリンタでは、S101のステップにおいて、プリント
ヘッドをプラテンギャップが最大となる位置まで退避さ
せている理由は、前述したように、印刷媒体が厚い場合
を考慮し、紙詰まり等のトラブルを回避するためであ
る。しかし、連続して同一仕様の印刷媒体の印刷を行う
場合において、すでに印刷媒体の媒体厚がわかっている
ときでも、各印刷媒体について上記S101のステップ
(プリントヘッドの退避)は実行される。また、先端エ
ッジ検出センサ92が印刷媒体Mの先端エッジを検出
し、媒体搬送手段83が印刷媒体Mの搬送を停止するス
テップ(S103)、媒体厚測定手段83が媒体厚を実
測するステップ(S104)、および印刷媒体Mを所定
位置まで後退させる動作は、媒体厚を実測するために必
須である。
【0007】しかし、連続して同一仕様の印刷媒体にプ
リントを行う場合おいて、最初(1枚目)の印刷媒体に
ついて、媒体厚を実測したにもかかわらず、2枚目以降
の印刷媒体についても、重複して媒体厚を実測すること
(すなわち、重複した上記ステップS103,S104
等の実行)は、印刷のスループット向上の観点から好ま
しくない。
【0008】上記の汎用プリンタにおいて、1つのプリ
ントジョブを実行する場合に、最初(1枚目)の印刷媒
体についてのみ媒体厚を実測し、2枚目以降の印刷媒体
については媒体厚を実測せずに、最初の印刷媒体につい
て実測した媒体厚を用いてプラテンギャップを調整する
ことも考えられる。しかし、最初の媒体厚の実測に誤差
が生じると、最初の印刷媒体の印刷に際してはもちろ
ん、2枚目以降の印刷媒体の印刷に際してもプラテンギ
ャップの調整が不正確となる。
【0009】また、図13で説明した記帳用プリンタで
も、媒体厚が厚い場合を考慮して、印刷媒体の先端頁側
および後端頁側の印刷に際して、図12で説明した汎用
プリンタと同様、プリントヘッドのプラテンギャップ最
大位置までの退避は、先端頁側および後端頁側それぞれ
について行っており(S201、S210)、図11,
図12で説明した汎用プリンタにおけると同様、印刷の
スループット向上の観点からの問題があった。
【0010】加えて、印刷媒体のなかには、部分的に厚
みが異なるもの(たとえば、一部にテープが貼着されて
いるものや、一部が折り曲げられているもの)がある。
このため、上記の従来プリンタでは、本来の媒体厚とさ
れるべきではない厚み部分が、媒体厚として測定されて
しまい、プラテンギャップが不正確なまま、印刷がされ
てしまうこともある。
【0011】本発明の目的は、上記汎用プリンタ等、単
葉からなる印刷媒体を印刷するプリンタにおいて、印刷
媒体ごとに行われる、印刷開始前のプリントヘッドの退
避や、媒体厚の実測を極力省略することで、印刷のスル
ープットを向上させることである。
【0012】本発明の他の目的は、上記記帳用プリンタ
等、複葉からなる帳合い式印刷媒体を、見開き状態で印
刷するプリンタにおいて、印刷媒体の先端頁側および後
端頁側についてそれぞれ行われる、印刷開始前のプリン
トヘッドの退避や、媒体厚の実測を極力省略すること
で、印刷のスループットを向上させることである。
【0013】本発明のさらに他の目的は、不正な通帳の
記帳が上記記帳用プリンタ等により行われたときに、印
刷媒体の不正使用を簡易に判定することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】従来のプリンタでは、印
刷媒体の媒体厚は、印刷のスループット向上の観点から
は、さほど重要視されていない。発明者はこの点に着目
し、媒体厚(あるいは、プラテンギャップ)をプリンタ
に記憶させておけば、印刷開始から印刷終了に至る一連
の処理におけるステップ数を少なくでき、結果として印
刷のスループットを向上できる、との知見を得て本発明
をなすに至った。
【0015】すなわち、本発明のプリンタは、プラテン
ギャップ調整手段を有するプリンタにおいて、プラテン
ギャップの大きさを媒体情報に対応して複数記憶する不
揮発性メモリを有することを特徴とする。本発明におい
て、「プラテンギャップ」とは、プリントヘッドのプラ
テンとの距離を意味する。プラテンギャップ調整手段
は、印刷媒体の厚さに応じてプラテンギャップを調整す
ることができる。また、本発明において、「プリントヘ
ッド」は、広義に解釈され、インクジェット式プリンタ
やドットインパクト式プリンタにおけるプリントヘッド
を含むことはもちろん、レーザプリンタにおける感光ド
ラムも含む。
【0016】プラテンギャップは、媒体情報に対応して
複数記憶されるが、記憶形態は、通常、テーブルであ
る。ただし、複葉からなる帳合い式印刷媒体では、プラ
テンギャップは、ある頁の媒体厚から他の頁の媒体厚を
算出する演算式の形態で記憶されていてもよい。不揮発
性メモリへの媒体情報の書き込みは、ユーザがユーザイ
ンタフェースを介して行うこともできる。ここで、たと
えばプリンタが、金融機関の事業所等に設置された通帳
記帳用プリンタである場合においては、ユーザは金融機
関である。なお、このユーザインタフェースは、プリン
タ自体に設けることもできるし、プリンタ外部の装置
(たとえば、プリンタに接続されたコンピュータ)に設
けることもできる。
【0017】本発明のプリンタが、単葉からなる印刷媒
体を印刷するものである場合には、媒体情報は「単葉情
報」であり、この単葉情報は典型的には、「官製はが
き」,「通常コピー用紙」等の印刷媒体の種類について
の情報、あるいは印刷媒体の厚さ自体についての情報で
ある。
【0018】当該印刷媒体の媒体厚が予め分かっていれ
ば(すなわち、プリンタが媒体厚を予め知っていれ
ば)、プラテンギャップ調整手段により、プラテンギャ
ップを、媒体厚の実測なしに印刷媒体の媒体厚に調整で
きる。すなわち、印刷媒体の媒体厚を実測するステッ
プ、プラテンギャップを最大にするステップ(印刷媒体
の詰まり防止等のために安全を考慮して行われる)を省
くことができるので、印刷のスループットを向上させる
ことができる。たとえば、コンビニエンスストア等の店
舗等において使用されているプリンタ(たとえば、印刷
媒体として、単票の帳票のような、通常のブランク用紙
以外の用紙が使用されるプリンタ)に本発明を適用する
と効果的である。印刷媒体が帳票等である場合には、帳
票等に、媒体厚の情報を予め書き込んでおいても、印刷
媒体の取り扱いの上で問題が生じることはない。なお、
単葉の印刷媒体には、封筒等の袋状印刷媒体が含まれる
し、閉じた状態の帳合い式印刷媒体も含まれる。
【0019】本発明のプリンタが、前述した通帳のよう
な、複葉からなる帳合い式印刷媒体を、見開き状態で印
刷するものである場合にも、各見開き状態における両側
(すなわち、先端頁側および後端頁側)の媒体厚が予め
分かっていれば、後述するように、先端頁側についての
み媒体厚を実測するだけで(すなわち、後端頁側につい
て、媒体厚を実測することなく)、後端頁側のプラテン
ギャップを最適な大きさに調整できる。したがって、こ
の場合にも印刷のスループットを向上させることができ
る。
【0020】本発明のプリンタには、媒体情報取得手段
を設けることができる。媒体情報は、印刷媒体の記載か
ら直接読み取ることができる。印刷媒体が単葉である場
合、前述したように媒体情報は「官製はがき」,「通常
コピー用紙」等、印刷媒体の種類であることもあるし、
印刷媒体の厚さ自体であることもある。媒体情報は、印
刷媒体にバーコード、磁気コード等の形で書き込まれて
いることもある。この場合には、媒体情報取得手段はバ
ーコードリーダや、磁気コードリーダである。印刷媒体
が帳合い式の場合、媒体情報には、各頁に記載されるバ
ーコード,頁ナンバ等を含むことができる。
【0021】また、媒体情報は、ユーザインタフェース
(プリンタ自体に設けることもできるし、または外部装
置に設けることもできる)を介してユーザにより入力さ
れることもある。この場合には、媒体情報取得手段は、
当該ユーザインタフェースである。さらに、媒体情報が
媒体厚である場合には、当該媒体厚を実測することもで
き、この場合には、媒体情報取得手段は媒体厚測定手段
である。
【0022】単葉の印刷媒体を印刷する場合、または見
開き式印刷媒体の後端頁側を印刷する場合においては、
媒体情報取得手段により取得した媒体情報に対応するプ
ラテンギャップの大きさは、不揮発性メモリを参照して
決定される。このプラテンギャップの大きさ決定は、通
常プリンタに設けられた処理装置(プロセッサ)が行
う。
【0023】本発明のプリンタでは、上記したように印
刷のスループットを向上させるために用いられる他、通
帳等の印刷媒体が正当であるか否かを判定するためにも
用いられる。この場合には、不揮発性メモリには、印刷
媒体の媒体厚が記憶され、通常、プリンタの制御を行う
プロセッサが、媒体厚測定手段により実測された媒体厚
と、不揮発性メモリに記憶された媒体厚とを比較するこ
とで、前記印刷媒体が正当であるか否かの判定を行う。
これにより、たとえは途中頁が破り取られた通帳の記帳
が行われた場合、当該通帳は不正と判断される。
【0024】単葉からなる印刷媒体を印刷するプリンタ
に適用される、本発明のプリンタの駆動方法では、プリ
ンタは、プラテンギャップ調整手段、プラテンギャップ
を媒体情報に対応して複数記憶する不揮発性メモリ、お
よび前記印刷媒体の媒体情報を取得する媒体情報取得手
段を有しており、その実行ステップは、(1−a)前記
媒体情報取得手段により印刷媒体の媒体情報を取得する
ステップ、(1−b)前記媒体情報取得手段により取得
された媒体情報に対応するプラテンギャップの大きさ
を、前記不揮発性メモリを参照して決定するステップ、
(1−c)前記プラテンギャップ調整手段により、プラ
テンギャップを、前記(1−b)のステップで決定され
た大きさに調整するステップ、(1−d)前記印刷媒体
を初期位置にフィードするステップ、を含んでいる。
【0025】通常、(1−d)のステップにおいて、プ
ラテンギャップを(1−a)のステップで決定された大
きさ、またはこれに近い大きさにして前記印刷媒体を初
期位置にフィードすることができる。
【0026】また、複葉からなる帳合い式印刷媒体を印
刷するプリンタに適用される、本発明のプリンタの駆動
方法では、プリンタは、プラテンギャップを媒体情報に
対応して複数記憶する不揮発性メモリ、および前記印刷
媒体の媒体厚を実測する媒体厚取得手段を有しており、
その実行ステップは、(2−a)前記印刷媒体を見開き
状態における先端頁側の媒体厚測定のための位置にフィ
ードするステップ、(2−b)前記媒体厚取得手段によ
り前記先端頁側の媒体厚を実測するステップ、(2−
c)前記プラテンギャップ調整手段により、プラテンギ
ャップを、前記(2−b)のステップにおいて実測した
大きさに基づいて調整するステップ、(2−d)前記後
端頁側を印刷するに際してのプラテンギャップの大きさ
を、前記印刷媒体の前記先端頁側の媒体厚を基に、前記
不揮発性メモリを参照して決定するステップ、(2−
e)前記印刷媒体を後端頁側印刷のための初期位置にフ
ィードするステップ、(2−f)前記プラテンギャップ
調整手段により、プラテンギャップを、前記(2−d)
のステップで決定された大きさに調整するステップ、を
含んでいる。
【0027】通常、(2−a)のステップにおいて、前
記印刷媒体は、プラテンギャップが最大とされた状態で
先端頁側の媒体厚測定のための位置にフィードされる。
また、(2−f)のステップにおいて、前記印刷媒体
は、プラテンギャップが前記(2−d)のステップで決
定された大きさ、またはこれに近い大きさにされた状態
で、後端頁側印刷のための初期位置にフィードされる。
【0028】なお、前記媒体情報は、1種類または複数
種類の印刷媒体についての媒体情報であってもよい。
【0029】本発明の印刷媒体の不正使用判定方法は、
プラテンギャップ調整手段、プラテンギャップを媒体情
報に対応して複数記憶する不揮発性メモリ、および前記
印刷媒体の媒体厚を実測する媒体厚測定手段を有する、
複葉からなる帳合い式印刷媒体を印刷するプリンタに適
用される印刷媒体の不正判定方法において、(3−a)
前記印刷媒体を見開き状態における先端頁側の媒体厚測
定のための位置にフィードするステップ、(3−b)前
記媒体厚測定手段により前記先端頁側の媒体厚を実測す
るステップ、(3−c)前記媒体厚測定手段により実測
された、前記先端頁側の媒体厚から、見開き状態におけ
る後端頁側の媒体厚を、前記不揮発性メモリを参照して
予測するステップ、(3−d)前記印刷媒体を後端頁側
の媒体厚測定のための位置にフィードするステップ、
(3−e)前記媒体厚測定手段により前記後端頁側の媒
体厚を実測するステップ、(3−f)(3−e)におい
て実測した媒体厚と、(3−c)において予測した媒体
厚とを比較するステップ、(3−g)(3−f)におけ
る媒体厚の比較において、誤差が所定の閾値を超えたと
きに前記印刷媒体が不正であると判定する、ことを特徴
とする。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例に用いる
プリンタの説明図(機能ブロックを含む)である。本実
施例では、プリンタ11は、プロセッサ12、不揮発性
メモリ13、プラテンギャップ調整手段14、印刷媒体
搬送手段15、媒体厚測定手段16、ユーザインタフェ
ース17、入出力インタフェース18を有している。ま
た、図2は、プラテンギャップ調整手段14および媒体
厚測定手段16の機構部分の拡大説明図である。
【0031】プロセッサ12は、プリンタ11の全体的
な制御を行うとともに、入出力インタフェース18を介
して外部装置(図1では、コンピュータ21)とのアク
セスを行うことができる。不揮発性メモリ13には、プ
ラテンギャップ(以下、不揮発性メモリ13に記憶され
たプラテンギャップの値を「プラテンギャップ値」と言
う)が媒体情報に対応して複数記憶されている(図3お
よび図6参照)。不揮発性メモリ13は、CMOSトラ
ンジスタ等からなる書き込み/読み出しが可能な記憶媒
体であり、プリンタ制御プログラム等のファームウェア
を記憶するためのメモリと共用することができる。
【0032】プラテンギャップ調整手段14は、プリン
トヘッド31とプラテン32との距離(すなわち、プラ
テンギャップPG)の調整を行うもので、図2に示すよ
うに、パルスモータ61の回転力を、回転力変換手段6
2を介して、直線方向の力(プリントヘッド31がプラ
テン32に対して近接/乖離する方向の力)に変換する
手段を有している。パルスモータ61には、エンコーダ
63が設けられており、プリントヘッド31が取り付け
られるキャリッジ33の上方(プラテンギャップPGが
最大となる位置)にはリミットスイッチ64が設けられ
ている。
【0033】印刷媒体搬送手段15は、ユーザインタフ
ェース17を介したユーザからの指示、または入出力イ
ンタフェース18を介したコンピュータ21からの指示
により、印刷媒体Mのフィードを開始することもできる
し、プリンタ11のフィーダ経路(印刷媒体の挿入口近
傍)に設けられた光学式の媒体有無検知センサ19(図
1参照)により印刷媒体Mのフィードを開始することも
できる。なお、ユーザインタフェース17や入出力イン
タフェース18は、本発明における媒体情報取得手段で
あり、ユーザインタフェース17のディスプレイ17
1、コンピュータ21のプリント指示画面22において
は、不揮発性メモリ13に記憶されたプラテンギャップ
テーブルの内容を表示することができる。媒体厚測定手
段16は、その機構をプラテンギャップ調整手段14と
は独立したもの(たとえば、押動子,触針等を用いた厚
みセンサ等)とすることもできるが、図2では、その機
構をプラテンギャップ調整手段14と共用している。
【0034】すなわち、図2に示すように、媒体厚測定
手段16は、パルスモータ61,回転力変換手段62,
エンコーダ63,ホルダ34(キャリッジ33の先端に
取り付けられている)を機構部分に含んでいる。印刷媒
体Mをプリントヘッド31とプラテン32との間に介在
させた状態で、キャリッジ33の先端に取り付けられた
ホルダ34を印刷媒体Mに当接させることで、印刷媒体
Mの媒体厚を実測することができる。すなわち、媒体M
をプリントヘッド31とプラテン32との間に介在させ
た状態で測定したエンコーダ63の読みと、媒体Mをプ
リントヘッド31をプラテン32に当接させて(両者間
に何も介在させない状態で)測定したエンコーダ63の
読みとの差分が、媒体Mの媒体厚の実測値となる。
【0035】なお、ホルダ34には、先端エッジ検出セ
ンサ35が取り付けられている(図1には示されている
が、図2には示されていない)。この先端エッジ検出セ
ンサ35は、印刷媒体Mの印刷開始初期位置の基準位置
を定めるために使用されるほか、後述するように(図7
のステップS24,図8のステップS44参照)、印刷
媒体Mの媒体厚の実測に際しても用いられる。
【0036】図1および図2に示すプリンタを用いて単
葉の印刷媒体を印刷する場合の動作を、図3のプラテン
ギャップテーブル、および図4のフローチャートを参照
して説明する。本実施例では、不揮発性メモリ13に
は、図3に示すプラテンギャップテーブルが書き込まれ
ている。
【0037】図3において、コラムには、媒体情報(こ
こでは、媒体情報Q1,Q2,・・・,Qm)に対応し
たプラテンギャップ値t1,t2,・・・,tmが書き
込まれている。いま、ユーザが、たとえば官製はがきに
所望イメージの印刷するものとする。コンピュータ21
に備えられているアプリケーションソフトウェアは、プ
リント指示画面22に、たとえば「印刷媒体種」につい
ての欄を表示することができる。この「印刷媒体種」の
欄には、たとえば「超薄」,「極薄」,・・・,「極
厚」、または「0.3mm」,「0.5mm」,・・
・,「4.0mm」といったような複数段階の厚さ指定
メニューが表示されてもよいし「官製はがき」,「通常
コピー紙」,「OHP用紙」等、媒体厚を直接は意味し
ない指定メニューが表示されてもよい。ここでは、ユー
ザはこのような欄の中から「官製はがき」を指定したも
のとする。
【0038】この指定の後、印刷開始がユーザにより指
示されると、コンピュータ21は、プリントジョブファ
イルFに、媒体情報としての「官製はがき」を意味する
コードを含めて、当該プリントジョブファイルFをプリ
ンタ11に送出する。プリンタ11のプロセッサ12
は、媒体情報取得手段としても機能し、コンピュータ2
1からプリントジョブファイルFをダウンロードするこ
とで、媒体情報を取得することできる(S11)。
【0039】プリンタ11に、プリントジョブファイル
Fがダウンロードされると、媒体搬送手段15は、印刷
媒体Mの搬送を開始する(S12)。一方、プロセッサ
12は、媒体情報に対応するプラテンギャップPGを、
不揮発性メモリ13に記憶したプラテンギャップテーブ
ルを参照して決定する(S13)。たとえば、プロセッ
サ12は媒体情報Q1,Q2,・・・,Qmの中から、
「官製はがき」に対応する情報を見つけ出す。たとえ
ば、Q2が「官製はがき」に対応する場合には、プロセ
ッサ12は、t2の値をプラテンギャップ値としてプラ
テンギャップ調整手段14に出力する。プラテンギャッ
プ調整手段14は、プラテンギャップPGを、プラテン
ギャップ値t2が示す大きさ、またはこれに近い大きさ
に調整し(S14)、プロセッサ12は、この後プリン
トジョブファイルFに含まれているイメージ(印刷デー
タ)の印刷を、印刷データがなくなるまで実行する(S
15,S16)。なお、ステップS15は、印刷実行の
ステップS15aと印刷データの有無判断のステップS
15bからなっている。
【0040】本実施例では、印刷媒体Mを印刷する場合
において、媒体厚を実測しないので、従来のプリンタに
よる印刷に比べて、印刷のスループットが向上する。従
来のプリンタによる印刷では、図12および図13に示
したように、印刷媒体Mの媒体厚を、各印刷媒体ごとに
実測している。このため、媒体厚の実測のたびに、印刷
媒体Mの先端エッジを先端エッジ検出センサ92により
検出し、印刷媒体Mをやや前進させ、媒体厚測定後に印
刷媒体を印刷開始位置まで後退させる、といった動作が
必要となる。これに対して、本実施例では印刷媒体Mの
前進や後退を行う必要がないので、この点からも印刷の
スループットが向上する。
【0041】先端エッジ検出センサ35は、通常、プラ
テンギャップPGの大きさが大きい状態での検出感度
と、小さい状態での検出感度が異なる。従来、先端エッ
ジ検出センサによる測定は、プラテンギャップPGを最
大にした状態で行われる。このため、媒体厚実測時にお
ける印刷媒体Mの停止位置(言い換えるなら、印刷媒体
Mの印刷開始初期位置)にバラツキ(誤差)が生じるこ
とがある。これに対して、本発明では、先端エッジ検出
センサ35は、プラテンギャップPGが最大とはならな
い状態で媒体Mの先端エッジの検出を行うことができる
ので、上記の誤差が生じることはない。なお、図1のホ
ルダ34には、先端エッジ検出センサ35が設けられて
いるが、本実施例では、先端エッジ検出センサ34は使
用していない。
【0042】図1および図2に示すプリンタ11を用い
て通帳B(すなわち、複葉の帳合い式印刷媒体)を印刷
する場合の動作を、図5(A)の通帳Bのフィードの様
子(プリンタ11はディスプレイ171を持つユーザイ
ンタフェース17が備えられている)を示す説明図、図
5(B)の通帳Bの外観図、図6のプラテンギャップテ
ーブル、および図7,図8のフローチャートを参照して
説明する。
【0043】本実施例では、図5(A)に示すように通
帳Bは見開き状態でプリンタ11にフィードされる。通
帳Bの裏表紙面には、図5(B)に示すように、磁気コ
ードテープMTが貼着されている。この磁気コードテー
プMTには、通帳番号,通帳の仕様等を示す情報が書き
込まれている。図5(A)では、プリンタ11はいわゆ
るパーソナルタイプのもので示してある。国や地域によ
っては、このようなタイプのプリンタを、金融機関の顧
客が使用することもある。もちろん、金融機関で一般に
用いられる、比較的大型のタッチパネル式のユーザイン
タフェースを持つプリンタについても、本発明を適用す
ることができる。また、図示はしないが、プリンタ11
には、磁気コードリーダが設けられている。この磁気コ
ードリーダは、通帳Bのセットの際ないしは先端エッジ
検出センサ35が通帳Bの先端エッジを検出する際に、
磁気コードテープMTの情報を読み込むことができる。
【0044】不揮発性メモリ13には、図6に示すプラ
テンギャップテーブルの内容が記憶されている。図6に
おいて、ある仕様(第1の仕様)の通帳のための媒体情
報Qaに対応したプラテンギャップ値、他の仕様(第2
の仕様)の通帳のための媒体情報Qbに対応したプラテ
ンギャップ値とが示されている。図6において、プラテ
ンギャップテーブルは第1コラム〜第4コラムからな
る。
【0045】第1コラムは、第1の仕様の通帳のための
媒体情報群(Qa)と、第2の仕様の通帳のための媒体
情報群(Qb)とを区別している。第2コラムには見開
き面ナンバが記載されている。見開き面ナンバは、表紙
側から1葉めくると「1」、2葉めくると「2」という
ように定められた数値であり、第1の仕様の通帳につい
ては、1,2,・・・,Naまでの数値が、第2の仕様
の通帳については、1,2,・・・,Nbまでの数値が
記載されている。また、第3コラムには頁ナンバが記載
されている。この頁ナンバは、表紙面および裏表紙面を
数えないで、最初の見開きの先端頁側面(すなわち、右
側面)を「1」、後端頁側面(すなわち、左側面)を
「2」として、順次、最終の見開き面の後端頁側面ま
で、割り振った数値であり、第1の仕様の通帳について
は、1,2,・・・,2Naまでの頁が、第2の仕様の
通帳については、1,2,・・・,2Nbまでの頁が記
載されている。
【0046】さらに、第4コラムには、各頁ごとにプラ
テンギャップ値が記載されている。このプラテンギャッ
プ値は、第1の仕様の通帳については、ta,t
,・・・,ta2Naであり、第2の仕様の通帳に
ついては、tb,tb,・・・,tb2Nbであ
る。
【0047】以下、図7および図8のフローチャートを
参照して、プリンタ11の動作を説明する。プリンタ1
1が待機状態(通帳のセット待ち状態)にある場合にお
いて(S21)、ユーザが通帳Bをセットすると、媒体
有無検知センサ19がこれを検知し、媒体搬送手段15
は通帳Bの搬送を開始する(S22)。一方、プラテン
ギャップ調整手段14は、プラテンギャップPGを最大
にして、通帳Bが搬送されてくるのを待つ。また、先端
エッジ検出センサ35は、通帳Bの先端エッジを検知し
ており、これを検出したときには、プロセッサ12に当
該検知信号を出力する(S23)。プロセッサ12は、
上記検知信号を受け取ると、印刷媒体搬送手段15に、
通帳Bを所定距離だけさらに前進させて停止させる旨の
指示を行う(S24)。
【0048】この後に、媒体厚測定手段16は通帳Bの
先端頁側の媒体厚の実測を行い、実測結果をプロセッサ
に出力する(S25)。一方、磁気コードリーダは、通
帳Bの裏表紙面の磁気コードテープMTの情報を読み込
んで、読込みデータをプロセッサ12に出力し(S2
6)、プロセッサ12は、当該読込みデータに含まれて
いる通帳番号に対応するプリントジョブファイルFをコ
ンピュータ21からダウンロードする(S27)。ま
た、プロセッサ12は、コンピュータ21に通帳Bの通
帳番号に対応するプリントジョブファイルFが存在する
か否かを判断しており(S28)、プリントジョブファ
イルFが存在しないときには印刷媒体搬送手段15に通
帳Bを排出させ(S32)、プリントジョブファイルF
が存在するときには、通帳Bの仕様を判定するステップ
に処理を移す。なお、ステップ32の通帳Bの排出に代
えて、または排出とともに、通帳の異常を喚起する警告
音等を所定の手段(スピーカ等)から出力させることも
できる。
【0049】プロセッサ12は、磁気コードテープMT
の読込みデータに基づき、通帳Bの仕様を以下の手順に
したがって判定する。まず、プロセッサ12は、通帳B
が第1の仕様であるかを判断し(S29)、第1の仕様
である場合には後述するプラテンギャップPGを調整す
るステップ(S31)に処理を移すが、第1の仕様でな
い場合には、通帳Bが第2の仕様であるかをさらに判断
する(S30)。ステップS30において、通帳Bが第
2の仕様でない場合には、印刷媒体搬送手段15に通帳
Bを排出させ(S32)、通帳Bが第2の仕様である場
合には、次のプラテンギャップPGを調整するステップ
(S31)に処理を移す。なお、第1,第2の仕様は、
本発明における媒体情報であり、またプロセッサ12
は、ここでは本発明における媒体情報取得手段として機
能している。
【0050】プラテンギャップ調整手段14は、通帳B
が第1または第2の仕様の何れかである場合に、ステッ
プS25における媒体厚の実測値に基づき、プラテンギ
ャップPGを、その大きさが当該実測値と等しくなるよ
うに調整する(S31)。
【0051】プロセッサ12は、プリントジョブファイ
ルFに、先端頁側の印刷データがあるか否かを判断し
(S33)、当該印刷データがある場合にはその印刷を
実行し(S34)、当該印刷データがない場合には先端
頁側の印刷データがある否かを判断するステップ(S3
5)に処理を移す。なお、S34の印刷実行のステップ
は、印刷開始のステップS34aと印刷データの有無判
断のステップS34bからなっている。
【0052】プロセッサ12は、ステップS35におい
て、印刷データがある場合には、プラテンギャップ調整
手段14にプラテンギャップPGを最大にする動作を行
わせ(S36)、印刷データがない場合には印刷媒体搬
送手段15に通帳Bを排出させる(S32)。つぎにプ
ロセッサ12は、通帳Bの後端頁側についてプラテンギ
ャップPGを、不揮発性メモリ13のプラテンギャップ
テーブルを参照して決定する(S37)。プロセッサ1
2は、すでにステップS29,S30において、通帳B
が第1の仕様のものか、第2の仕様のものかを知ってい
るし、ステップS25において、通帳Bの先端頁側の実
測結果を得ている。したがって、プロセッサ12は、ス
テップS25において実測した先端頁が、どの仕様の何
頁目であるかを、プラテンギャップテーブルを参照して
知ることができる。
【0053】たとえば、通帳Bが第1の仕様であること
がわかっている場合において、通帳Bの先端頁側の実測
値Tが、プラテンギャップ値taに等しかったとする
と、現在の見開き面の先端頁側は3頁であることがわか
る。したがって、後端頁側(4頁)のプラテンギャップ
PGの大きさは、媒体情報群Qa中に示されているta
であることがわかる。
【0054】ゆえに、プラテンギャップ調整手段14
は、プラテンギャップPGを、プラテンギャップ値(上
記の例ではta4)が示す大きさに調整し(S38)、
プロセッサ12は、この後、プリントジョブファイルF
に含まれている後端頁側の印刷データの印刷を開始する
(S39)。なお、ステップS39は、印刷実行のステ
ップS39aと印刷データの有無判断のステップS39
bからなっている。印刷媒体Mの後端頁側の印刷が終了
すると、プロセッサ12は印刷媒体搬送手段15に通帳
Bを排出させ(S32)、処理を待機状態(S21)に
戻す。
【0055】ところで、プロセッサ12は、印刷データ
が後端頁側から前端頁側にわたっているか否かをプリン
トジョブファイルFから知ることができる。印刷データ
が後端頁側から前端頁側場合にわたる場合には、ユーザ
インタフェース17のディスプレイ171に「次頁を開
き、セットしなおし」を表示し、ユーザ(操作者)に、
当該通帳Bのセットのしなおしを要求することができ
る。プロセッサ12は、セットしなおされた通帳Bの、
次の見開き面の先端頁側のプラテンギャップPGの値
を、不揮発性メモリ13のプラテンギャップテーブルを
参照して知ることができる。すなわち、この場合にも、
媒体厚の実測をすることなく、当該見開き面の先端頁側
についての印刷を開始することができることになる。
【0056】上記の実施例では、通帳(複葉の見開き式
印刷媒体)Bを印刷する場合において、後端頁側につい
ては媒体厚を実測しないので、従来のプリンタによる印
刷に比べて、印刷のスループットが向上する。なお、上
記実施例では、通帳Bの後端頁側の印刷に際しても、プ
ラテンギャップPGを最大にしているが(S36)、後
端頁側のプラテンギャップ値は、先端頁側の印刷終了前
に決定することができる。したがって、必ずしもプラテ
ンギャップPGを最大にする必要はなく、たとえばステ
ップS36において調整するプラテンギャップPGを、
後端頁側を印刷するときのプラテンギャップPGの大き
さまたはこれに近い大きさとすることができる。
【0057】なお、図7,図8に示した駆動方法を応用
して通帳Bの不正使用を判定することもできる。この場
合には、プラテンギャップ調整手段14によりプラテン
ギャップPGを適正な値に調整する際に(図8のステッ
プS38参照)、プラテンギャップエラー(プラテンギ
ャップPGの実際が、目標値から許容範囲外れることに
起因するエラー)が生じたときには、通帳Bの不正使用
を疑うことができる。しかし、より高い精度で通帳Bの
不正使用を判定しようとする場合には、次に述べる方法
によることが好適である。
【0058】以下、図1および図2に示すプリンタを用
いて通帳Bの不正使用を高精度で判定するための動作
を、図5(A),(B)、図6、ならびに図9および図
10のフローチャートを参照して説明する。本実施例に
おいて使用されるテーブルも、図6に示したものと内容
は同一である。ただし、図7,図8のフローチャートに
より示した実施例では、図6の第4コラムに記載された
ta,ta,・・・,ta2Na、tb,t
,・・・,tb2Nbを、「プラテンギャップ値」
と称した。本実施例では、これらの値を、プラテンギャ
ップの大きさを調整するために用いてはおらず、後述す
るように、媒体厚実測値の比較データとして用いてい
る。したがって、本実施例では、第4コラムに記載され
た値を「媒体厚予測値」と称する。また、同様の事情か
ら、不揮発性メモリ13に記憶されているテーブルを
「媒体厚予測値テーブル」と称する。
【0059】図9,図10のS41〜S54までのステ
ップは、図7,図8のS21〜S34までのステップと
実質的に同一であるので、プリンタ11が待機状態とな
るステップS41から、プラテンギャップ調整手段14
が、通帳Bの先端頁側について印刷実行を行うステップ
S54までの説明は省略する。
【0060】本実施例では、プロセッサ12は、ステッ
プS54の後に、プラテンギャップ調整手段14にプラ
テンギャップPGを最大にする動作を行わせ(S5
5)、印刷媒体搬送手段15により、印刷初期位置とな
る位置よりもやや通帳Bを前進させる。そして、媒体厚
測定手段16は、プリントジョブファイルFに後端頁側
の印刷データが含まれているか否かによらず、後端頁側
の媒体厚の実測を行い、実測結果をプロセッサ12に出
力し(S56)、プロセッサ12はこの実測値が後端頁
側の媒体厚の予測値に等しいか否かを判断する(S5
7)。
【0061】プロセッサ12は、すでにステップS4
9,S50において、通帳Bが第1の仕様のものか、第
2の仕様のものかを知っているし、ステップS45にお
いて、通帳Bの先端頁側の実測結果を得ている。したが
って、プロセッサ12は、ステップS45において実測
した先端頁が、どの仕様の何頁目のものであるかを、不
揮発性メモリ13の媒体厚予測値テーブルを参照して知
ることができる。たとえば、通帳Bの先端頁側の実測値
Tが、プラテンギャップ値taに等しかったとする
と、現在の見開き面の先端頁側は3頁であることがわか
る。したがって、後端頁側(4頁)の媒体厚はta
あることが予想される。
【0062】ステップS57において、媒体厚実測値と
媒体厚予測値との差が所定の閾値以下であるときは、通
帳Bは正当であるので、プロセッサ12は、媒体厚実測
値に基づき、プラテンギャップPGを調整し、通帳Bの
後端頁側について印刷データがあるか否かを判断(S5
8)する。ステップS57において、媒体厚実測値と媒
体厚予測値との差が所定の閾値を超えるときには、通帳
Bは不正であると判断し、スピーカから警告音を発する
等の警告を行う(S60)。ステップS58において、
後端頁側について印刷データがあるときは、プロセッサ
12は、当該印刷データについて印刷を実行し(S5
9)た後、印刷媒体搬送手段15に通帳Bを排出させ
(S52)、また後端頁側について印刷データがないと
きにも、印刷媒体搬送手段15に通帳Bを排出させる
(S52)。
【0063】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、印
刷媒体が単葉のものであっても、複葉のものであって
も、印刷のスループットを向上させることができる、ま
た印刷媒体の不正使用を簡易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いるプリンタの一実施例を
示すブロック図である。
【図2】本発明の、プラテンギャップ調整手段およびプ
ラテンギャップ調整手段の機構部分を示す図である。
【図3】単葉の印刷媒体を印刷する場合に用いるプラテ
ンギャップテーブルの一例を示す図である。
【図4】単葉の印刷媒体を印刷する場合の動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】(A)は通帳を印刷する場合における、通帳フ
ィードの様子を示す説明図、(B)は通帳の概略を示す
図である。
【図6】通帳を印刷する場合に用いるプラテンギャップ
テーブルの一例を示す図である。
【図7】通帳を印刷する場合の動作を示すフローチャー
ト(S21〜S30,S32)である。
【図8】通帳を印刷する場合の動作を示すフローチャー
ト(S31,S33〜S39)である。
【図9】通帳の不正使用を判定する場合の動作を示すフ
ローチャート(S41〜S50,S52)である。
【図10】通帳の不正使用を判定する場合の動作を示す
フローチャート(S51,S53〜S60)である。
【図11】従来のプリンタの構成を示す説明図であり、
(A)は全体概要図、(B)はキャリッジ近傍の部分図
である。
【図12】単葉の印刷媒体を印刷する場合に用いる従来
のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図13】複葉の見開き式印刷媒体を印刷する場合に用
いる従来のプリンタの動作を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
11 プリンタ 12 プロセッサ 13 不揮発性メモリ 14 プラテンギャップ調整手段 15 印刷媒体搬送手段 16 媒体厚測定手段 17 ユーザインタフェース 171 ディスプレイ 18 入出力インタフェース 19 媒体有無検知センサ 21 コンピュータ 22 プリント指示画面 32 プラテン 33 キャリッジ 34 ホルダ 35 先端エッジ検出センサ M 印刷媒体 F プリントジョブファイル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテンギャップ調整手段を有するプリ
    ンタにおいて、 プラテンギャップの大きさを媒体情報に対応して複数記
    憶する不揮発性メモリを有することを特徴とするプリン
    タ。
  2. 【請求項2】 単葉からなる印刷媒体を印刷するプリン
    タであって、 前記媒体情報が、前記印刷媒体の単葉情報であることを
    特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 【請求項3】 複葉からなる帳合い式印刷媒体を、見開
    き状態で印刷するプリンタであって、 前記媒体情報が、前記帳合い式印刷媒体の、各見開き状
    態における一方側または両側の媒体情報であることを特
    徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記媒体情報が1種類または複数種類の
    印刷媒体についての媒体情報であることを特徴とする請
    求項3に記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記印刷媒体に書き込まれた媒体情報を
    読み取ることで、またはユーザにユーザインタフェース
    を介して媒体情報を入力させることで、当該媒体情報を
    取得する媒体情報取得手段、および、 前記媒体情報取得手段により取得した媒体情報に対応す
    るプラテンギャップを、前記不揮発性メモリを参照して
    決定する手段、を有することを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載のプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記媒体厚情報を実測により取得する媒
    体厚測定手段、および、 前記媒体厚測定手段により取得した媒体厚から、前記帳
    合い式印刷媒体の見開き面ナンバを、前記不揮発性メモ
    リを参照して決定する手段、を有することを特徴とする
    請求項3〜5の何れかに記載のプリンタ。
  7. 【請求項7】 プラテンギャップ調整手段、 プラテンギャップを媒体情報に対応して複数記憶する不
    揮発性メモリ、および、 前記印刷媒体の媒体情報を取得する媒体情報取得手段、
    を有する、単葉からなる印刷媒体を印刷するプリンタの
    駆動方法において、 (1−a)前記媒体情報取得手段により印刷媒体の媒体
    情報を取得するステップ、 (1−b)前記媒体情報取得手段により取得された媒体
    情報に対応するプラテンギャップの大きさを、前記不揮
    発性メモリを参照して決定するステップ、 (1−c)前記プラテンギャップ調整手段により、プラ
    テンギャップを、前記(1−b)のステップで決定され
    た大きさに調整するステップ、 (1−d)前記印刷媒体を初期位置にフィードするステ
    ップ、を含むことを特徴とするプリンタの駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記(1−d)のステップにおいて、プ
    ラテンギャップをステップ(1−a)で決定された大き
    さ、またはこれに近い大きさにして前記印刷媒体を初期
    位置にフィードすることを特徴とする請求項7に記載の
    プリンタの駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記(1−a)のステップにおける媒体
    情報の取得が、 前記印刷媒体に書き込まれた媒体情報を読み取ること、
    または、 ユーザにユーザインタフェースを介して媒体情報を入力
    させること、により行われることを特徴とする請求項7
    または8に記載のプリンタの駆動方法。
  10. 【請求項10】 プラテンギャップ調整手段、 プラテンギャップを媒体情報に対応して複数記憶する不
    揮発性メモリ、および、 前記印刷媒体の媒体厚を実測する媒体厚取得手段、を有
    する、複葉からなる帳合い式印刷媒体を印刷するプリン
    タの駆動方法において、 (2−a)前記印刷媒体を見開き状態における先端頁側
    の媒体厚測定のための位置にフィードするステップ、 (2−b)前記媒体厚取得手段により前記先端頁側の媒
    体厚を実測するステップ、 (2−c)前記プラテンギャップ調整手段により、プラ
    テンギャップを、前記(2−b)のステップにおいて実
    測した大きさに基づいて調整するステップ、 (2−d)前記後端頁側を印刷するに際してのプラテン
    ギャップの大きさを、前記印刷媒体の前記先端頁側の媒
    体厚を基に、前記不揮発性メモリを参照して決定するス
    テップ、 (2−e)前記印刷媒体を後端頁側印刷のための初期位
    置にフィードするステップ、 (2−f)前記プラテンギャップ調整手段により、プラ
    テンギャップを、前記(2−d)のステップで決定され
    た大きさに調整するステップ、を含むことを特徴とする
    プリンタの駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記(2−a)のステップにおいて、
    プラテンギャップを最大にして前記印刷媒体を先端頁側
    の媒体厚測定のための位置にフィードし、 前記(2−e)のステップにおいて、プラテンギャップ
    を前記(2−d)のステップで決定された大きさ、また
    はこれに近い大きさにして前記印刷媒体を後端頁側印刷
    のための初期位置にフィードする、ことを特徴とする請
    求項10に記載のプリンタの駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記媒体情報が1種類または複数種類
    の印刷媒体についての媒体情報であることを特徴とする
    請求項10または11に記載のプリンタの駆動方法。
  13. 【請求項13】 プラテンギャップ調整手段、 プラテンギャップを媒体情報に対応して複数記憶する不
    揮発性メモリ、および、 前記印刷媒体の媒体厚を実測する媒体厚測定手段、を有
    する、複葉からなる帳合い式印刷媒体を印刷するプリン
    タに適用される印刷媒体の不正判定方法において、 (3−a)前記印刷媒体を見開き状態における先端頁側
    の媒体厚測定のための位置にフィードするステップ、 (3−b)前記媒体厚測定手段により前記先端頁側の媒
    体厚を実測するステップ、 (3−c)前記媒体厚測定手段により実測された、前記
    先端頁側の媒体厚から、見開き状態における後端頁側の
    媒体厚を、前記不揮発性メモリを参照して予測するステ
    ップ、 (3−d)前記印刷媒体を後端頁側の媒体厚測定のため
    の位置にフィードするステップ、 (3−e)前記媒体厚測定手段により前記後端頁側の媒
    体厚を実測するステップ、 (3−f)(3−e)において実測した媒体厚と、(3
    −c)において予測した媒体厚とを比較するステップ、 (3−g)(3−f)における媒体厚の比較において、
    誤差が所定の閾値を超えたときに前記印刷媒体が不正で
    あると判定する、ことを特徴とする印刷媒体の不正使用
    判定方法。
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