JP2000094337A - 希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその製造方法 - Google Patents
希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその製造方法Info
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- JP2000094337A JP2000094337A JP10264273A JP26427398A JP2000094337A JP 2000094337 A JP2000094337 A JP 2000094337A JP 10264273 A JP10264273 A JP 10264273A JP 26427398 A JP26427398 A JP 26427398A JP 2000094337 A JP2000094337 A JP 2000094337A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 変形が少なく、切断精度が高く、切断加工代
が小さく、かつ超砥粒砥石刃を構成する台板のリサイク
ルが可能な希土類磁石切断用の超砥粒砥石刃およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン合金製の台板と、この台板の外周
または内周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合
してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃であって、前記
台板が引張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金か
らなり、かつ前記砥石層が超砥粒を体積率で10〜80
%含有することを特徴とする希土類磁石切断用超砥粒砥
石刃。
が小さく、かつ超砥粒砥石刃を構成する台板のリサイク
ルが可能な希土類磁石切断用の超砥粒砥石刃およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン合金製の台板と、この台板の外周
または内周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合
してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃であって、前記
台板が引張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金か
らなり、かつ前記砥石層が超砥粒を体積率で10〜80
%含有することを特徴とする希土類磁石切断用超砥粒砥
石刃。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類磁石を切断す
るのに有効な希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその
製造方法に関する。
るのに有効な希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の希土類焼結磁石の切断刃として
は、図1に示すような中空円板の内周部分に超砥粒(ダ
イヤモンドやCBN等の超硬質の砥粒)を固着した超砥
粒砥石内周刃や、図2に示すような円板を台板としてそ
の外周部分に超砥粒を固着した超砥粒砥石外周刃がある
が、最近では超砥粒砥石外周刃が生産性の点から主流と
なってきている。
は、図1に示すような中空円板の内周部分に超砥粒(ダ
イヤモンドやCBN等の超硬質の砥粒)を固着した超砥
粒砥石内周刃や、図2に示すような円板を台板としてそ
の外周部分に超砥粒を固着した超砥粒砥石外周刃がある
が、最近では超砥粒砥石外周刃が生産性の点から主流と
なってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】切断砥石を使用して希
土類焼結磁石を切断加工する場合、切断砥石の刃厚と被
切断物(希土類焼結磁石)の切断加工歩留りとの関係が
重要なコスト要因であり、極力薄い刃を使用し、かつ切
断加工精度を良くして、切断加工に供する希土類焼結磁
石素材から所定寸法の切断品(ワーク)に至る切断歩留
りを示す切断単重率を上げることが肝要である。(切断
単重率)=(切断品の総重量)÷(切断に要する希土類
焼結磁石素材の総重量)×100% で定義される値で
ある。薄い切断刃にするには、図1、図2に示す砥石台
板6,26を薄くする必要がある。図1の内周刃10で
は比較的薄い回転切断刃の製作が可能であり、例えば厚
みt1=0.1mm程度のステンレス鋼製の台板を用い
て厚みT1=0.25〜0.5mm程度の切れ刃をもつ
内周刃が製作されている。しかし、チタン合金製の台板
6を用いた図1の内周刃10において、厚みt1,T1
を小さくして行くと、切断品に曲がりやうねり等を発生
させる問題がある。次に、図2の外周刃20の場合、例
えばチタン合金を無作為に選択してその厚みt2を1m
m以下にした薄板形状の台板26を採用すると機械強度
が不足し、切断に際し曲がりやうねり等の変形を発生さ
せるという問題がある。この場合は、希土類焼結磁石の
切断品(ワーク)の寸法精度が失われてしまう他、被切
断物の希土類焼結磁石は硬くて脆いため、その切り屑が
台板26と被切断物(図示省略)との間に挟まって排除
されにくく台板26を傷つけ外周刃20の寿命を低下さ
せたり、台板26の曲がりやうねりを増大させるという
問題がある。このため、切断単重率を改善する障害とな
っていた。また、従来の超砥粒砥石刃は所定の期間切断
加工に使用した後廃棄されている。よって、台板を構成
する金属資源の浪費、使用済み回転砥石刃の廃棄による
環境汚染、コストダウンの障害となる等の問題を有す
る。したがって、本発明の課題は、変形が少なく、切断
精度が高く、切断加工代が小さく、かつ超砥粒砥石刃を
構成する台板のリサイクルが可能な希土類磁石切断用の
超砥粒砥石刃およびその製造方法を提供することであ
る。
土類焼結磁石を切断加工する場合、切断砥石の刃厚と被
切断物(希土類焼結磁石)の切断加工歩留りとの関係が
重要なコスト要因であり、極力薄い刃を使用し、かつ切
断加工精度を良くして、切断加工に供する希土類焼結磁
石素材から所定寸法の切断品(ワーク)に至る切断歩留
りを示す切断単重率を上げることが肝要である。(切断
単重率)=(切断品の総重量)÷(切断に要する希土類
焼結磁石素材の総重量)×100% で定義される値で
ある。薄い切断刃にするには、図1、図2に示す砥石台
板6,26を薄くする必要がある。図1の内周刃10で
は比較的薄い回転切断刃の製作が可能であり、例えば厚
みt1=0.1mm程度のステンレス鋼製の台板を用い
て厚みT1=0.25〜0.5mm程度の切れ刃をもつ
内周刃が製作されている。しかし、チタン合金製の台板
6を用いた図1の内周刃10において、厚みt1,T1
を小さくして行くと、切断品に曲がりやうねり等を発生
させる問題がある。次に、図2の外周刃20の場合、例
えばチタン合金を無作為に選択してその厚みt2を1m
m以下にした薄板形状の台板26を採用すると機械強度
が不足し、切断に際し曲がりやうねり等の変形を発生さ
せるという問題がある。この場合は、希土類焼結磁石の
切断品(ワーク)の寸法精度が失われてしまう他、被切
断物の希土類焼結磁石は硬くて脆いため、その切り屑が
台板26と被切断物(図示省略)との間に挟まって排除
されにくく台板26を傷つけ外周刃20の寿命を低下さ
せたり、台板26の曲がりやうねりを増大させるという
問題がある。このため、切断単重率を改善する障害とな
っていた。また、従来の超砥粒砥石刃は所定の期間切断
加工に使用した後廃棄されている。よって、台板を構成
する金属資源の浪費、使用済み回転砥石刃の廃棄による
環境汚染、コストダウンの障害となる等の問題を有す
る。したがって、本発明の課題は、変形が少なく、切断
精度が高く、切断加工代が小さく、かつ超砥粒砥石刃を
構成する台板のリサイクルが可能な希土類磁石切断用の
超砥粒砥石刃およびその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明は、チタン合金製の台板と、この台板の外周または内
周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合してなる
希土類磁石切断用超砥粒砥石刃であって、前記台板が引
張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金からなり、
かつ前記砥石層が超砥粒を体積率で10〜80%含有す
る希土類磁石切断用超砥粒砥石刃である。
明は、チタン合金製の台板と、この台板の外周または内
周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合してなる
希土類磁石切断用超砥粒砥石刃であって、前記台板が引
張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金からなり、
かつ前記砥石層が超砥粒を体積率で10〜80%含有す
る希土類磁石切断用超砥粒砥石刃である。
【0005】また、本発明は、チタン合金製の台板と、
この台板の外周または内周の切り刃部に超砥粒を含有す
る砥石層を接合してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃
の製造方法において、この希土類磁石切断用超砥粒砥石
刃の使用済みのもののチタン合金製の台板に溶体化処理
と時効処理または熱処理を施した後、必要に応じて所定
の機械加工を行い、その後前記台板の外周または内周の
切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合する希土類磁
石切断用超砥粒砥石刃の製造方法である。溶体化処理と
時効処理または熱処理は加工による内部歪みを除去し、
室温における引張強さを95kgf/mm2以上とする
ために必要である。溶体化処理は通常大気中で700〜
1000℃×0.5〜10時間保持する加熱条件で行う
が、必要により真空やArガス雰囲気中で処理してもよ
い。時効処理は溶体化処理に続けて行われ、通常大気中
で350〜700℃×0.5〜10時間保持する加熱条
件で行う。必要により真空やArガス雰囲気中で熱処理
してもよい。時効処理は1段時効や2段以上の多段時効
を採用することができる。熱処理は通常大気中で500
〜700℃×0.5〜10時間保持する加熱条件で行
う。一般的に、前記の(溶体化処理+時効処理)を施し
た場合に比べて引張強さがやや低下する傾向にある。
この台板の外周または内周の切り刃部に超砥粒を含有す
る砥石層を接合してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃
の製造方法において、この希土類磁石切断用超砥粒砥石
刃の使用済みのもののチタン合金製の台板に溶体化処理
と時効処理または熱処理を施した後、必要に応じて所定
の機械加工を行い、その後前記台板の外周または内周の
切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合する希土類磁
石切断用超砥粒砥石刃の製造方法である。溶体化処理と
時効処理または熱処理は加工による内部歪みを除去し、
室温における引張強さを95kgf/mm2以上とする
ために必要である。溶体化処理は通常大気中で700〜
1000℃×0.5〜10時間保持する加熱条件で行う
が、必要により真空やArガス雰囲気中で処理してもよ
い。時効処理は溶体化処理に続けて行われ、通常大気中
で350〜700℃×0.5〜10時間保持する加熱条
件で行う。必要により真空やArガス雰囲気中で熱処理
してもよい。時効処理は1段時効や2段以上の多段時効
を採用することができる。熱処理は通常大気中で500
〜700℃×0.5〜10時間保持する加熱条件で行
う。一般的に、前記の(溶体化処理+時効処理)を施し
た場合に比べて引張強さがやや低下する傾向にある。
【0006】前記超砥粒は天然または合成工業用ダイヤ
モンドの粉末、CBN粉末およびこれらの混合物からな
り、その平均粉末粒径が10〜500μmであることが
好ましい。切断に際し曲がりやうねり等の変形を抑えて
良好な寸法精度の切断品が得られる超砥粒砥石外周刃で
あって、そのチタン合金製の台板の寸法を外径250m
m以下としかつ厚みを1〜0.1mmの薄板とするため
に、前記チタン合金製の台板の引張強度を95kgf/
mm2以上にすることが必要である。また、切断に際し
曲がりやうねり等の変形を抑えて良好な寸法精度の切断
品が得られる超砥粒砥石内周刃であって、そのチタン合
金製の台板の厚みを0.1〜0.5mm、より好ましく
は0.1〜0.2mmとするために、前記チタン合金製
の台板の引張強度を95kgf/mm2以上にすること
が必要である。
モンドの粉末、CBN粉末およびこれらの混合物からな
り、その平均粉末粒径が10〜500μmであることが
好ましい。切断に際し曲がりやうねり等の変形を抑えて
良好な寸法精度の切断品が得られる超砥粒砥石外周刃で
あって、そのチタン合金製の台板の寸法を外径250m
m以下としかつ厚みを1〜0.1mmの薄板とするため
に、前記チタン合金製の台板の引張強度を95kgf/
mm2以上にすることが必要である。また、切断に際し
曲がりやうねり等の変形を抑えて良好な寸法精度の切断
品が得られる超砥粒砥石内周刃であって、そのチタン合
金製の台板の厚みを0.1〜0.5mm、より好ましく
は0.1〜0.2mmとするために、前記チタン合金製
の台板の引張強度を95kgf/mm2以上にすること
が必要である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
特長は硬くて脆い硬質材料である希土類焼結磁石に代表
される希土類磁石の切断加工に好適な薄い回転切断刃の
台板材質として引張強さ95kgf/mm2以上のチタ
ン合金を採用し、さらにこのチタン合金の台板の外周ま
たは内周の切り刃部に超砥粒を体積率で10〜80%含
有する砥粒層を固着させることにある。また、本発明
は、(溶体化処理+時効処理)または熱処理後、必要に
応じて冷間圧延等の機械加工を施し、さらに砥石層を固
着後一定期間切断加工に使用することを1サイクルとし
て、多サイクルの繰り返しの使用が可能なチタン合金製
台板を用いることを特長としている。希土類磁石を薄い
外周刃または内周刃で切断する場合、その構造上台板の
材質が非常に重要である。切断時に力を受けても曲がり
やうねりが非常に小さくかつ薄い超砥粒砥石刃の台板に
なるとともに、リサイクルが可能な台板材料を種々検討
した結果、本発明者らは引張強さ95kgf/mm2以
上のチタン合金を採用することにより前記課題を克服で
きることを見出した。引張強さからいえばアルミナ等の
セラミックスの方が大きいが靭性に乏しく、特に被加工
物が希土類焼結磁石の場合、切断中に衝撃で割れてしま
うこともしばしばあり非常に危険で、薄い希土類磁石切
断用超砥粒砥石刃の台板には適さない。
特長は硬くて脆い硬質材料である希土類焼結磁石に代表
される希土類磁石の切断加工に好適な薄い回転切断刃の
台板材質として引張強さ95kgf/mm2以上のチタ
ン合金を採用し、さらにこのチタン合金の台板の外周ま
たは内周の切り刃部に超砥粒を体積率で10〜80%含
有する砥粒層を固着させることにある。また、本発明
は、(溶体化処理+時効処理)または熱処理後、必要に
応じて冷間圧延等の機械加工を施し、さらに砥石層を固
着後一定期間切断加工に使用することを1サイクルとし
て、多サイクルの繰り返しの使用が可能なチタン合金製
台板を用いることを特長としている。希土類磁石を薄い
外周刃または内周刃で切断する場合、その構造上台板の
材質が非常に重要である。切断時に力を受けても曲がり
やうねりが非常に小さくかつ薄い超砥粒砥石刃の台板に
なるとともに、リサイクルが可能な台板材料を種々検討
した結果、本発明者らは引張強さ95kgf/mm2以
上のチタン合金を採用することにより前記課題を克服で
きることを見出した。引張強さからいえばアルミナ等の
セラミックスの方が大きいが靭性に乏しく、特に被加工
物が希土類焼結磁石の場合、切断中に衝撃で割れてしま
うこともしばしばあり非常に危険で、薄い希土類磁石切
断用超砥粒砥石刃の台板には適さない。
【0008】例えば図2により説明すると、切り刃部は
前記チタン合金製台板26の外周部分に超砥粒粉末を結
合剤を用いて固着させて砥石層23を形成し外周切断刃
20とする。結合剤についてはメタルボンド、レジンボ
ンド、ビトリファイドボンド、電着ボンド等のいずれの
方法でもよい。ただし、砥石層23に含まれる超砥粒の
体積率が10%未満では切断に寄与する超砥粒が少なす
ぎて切れ味が悪くなり切断速度を極端に遅くせざるを得
なくなり切断効率が低下する。また80%を越えると逆
に結合剤が少なすぎて超砥粒を固着する力が減少し、希
土類焼結磁石のような硬い被切断物では砥粒が切断に十
分寄与せずに脱粒してしまう。したがって、希土類磁石
切断用超砥粒砥石外周刃または内周刃の砥石層部におけ
る超砥粒の体積率は10〜80%の範囲が好ましい。
前記チタン合金製台板26の外周部分に超砥粒粉末を結
合剤を用いて固着させて砥石層23を形成し外周切断刃
20とする。結合剤についてはメタルボンド、レジンボ
ンド、ビトリファイドボンド、電着ボンド等のいずれの
方法でもよい。ただし、砥石層23に含まれる超砥粒の
体積率が10%未満では切断に寄与する超砥粒が少なす
ぎて切れ味が悪くなり切断速度を極端に遅くせざるを得
なくなり切断効率が低下する。また80%を越えると逆
に結合剤が少なすぎて超砥粒を固着する力が減少し、希
土類焼結磁石のような硬い被切断物では砥粒が切断に十
分寄与せずに脱粒してしまう。したがって、希土類磁石
切断用超砥粒砥石外周刃または内周刃の砥石層部におけ
る超砥粒の体積率は10〜80%の範囲が好ましい。
【0009】また、超砥粒は天然または合成工業用ダイ
ヤモンド粉末以外に、CBN(立方晶窒化ホウ素)粉
末、天然または合成工業用ダイヤモンド粉末−CBN粉
末の混合物でもよい。CBNはダイヤモンドに次いで硬
い物質である。このCBN粉末をダイヤモンド粉末の一
部または全てと置き換えても希土類磁石の外周切断刃ま
たは内周切断刃としてダイヤモンド砥粒の場合と同じ性
能を示すことができる。
ヤモンド粉末以外に、CBN(立方晶窒化ホウ素)粉
末、天然または合成工業用ダイヤモンド粉末−CBN粉
末の混合物でもよい。CBNはダイヤモンドに次いで硬
い物質である。このCBN粉末をダイヤモンド粉末の一
部または全てと置き換えても希土類磁石の外周切断刃ま
たは内周切断刃としてダイヤモンド砥粒の場合と同じ性
能を示すことができる。
【0010】さらに、砥粒の種類以外に砥粒粒度につい
ても検討した結果、ダイヤモンド粉末、CBN粉末、そ
れらの混合物の砥粒の平均粉末粒度が10〜500μm
の範囲が好ましいことがわかった。希土類磁石を切断す
るに際し、平均粉末粒度が10μm未満の砥粒を用いる
と砥粒の突き出しが悪いため目詰まりし易く切断能率が
低下する。また平均粉末粒度が500μmを越えると切
断能率は高いものの、希土類磁石の切断面粗さが荒くな
ったり、台板を薄くしても砥石層部の厚みが厚くなり結
果として薄い外周刃または内周刃が得られない等の不具
合を生じるためである。
ても検討した結果、ダイヤモンド粉末、CBN粉末、そ
れらの混合物の砥粒の平均粉末粒度が10〜500μm
の範囲が好ましいことがわかった。希土類磁石を切断す
るに際し、平均粉末粒度が10μm未満の砥粒を用いる
と砥粒の突き出しが悪いため目詰まりし易く切断能率が
低下する。また平均粉末粒度が500μmを越えると切
断能率は高いものの、希土類磁石の切断面粗さが荒くな
ったり、台板を薄くしても砥石層部の厚みが厚くなり結
果として薄い外周刃または内周刃が得られない等の不具
合を生じるためである。
【0011】台板自体に反りやうねりがあり寸法精度が
良くない場合、それを反映して切断後の希土類磁石の寸
法精度が悪くなり結果的に切断加工代が大きくなるとい
う問題もある。台板の反りやうねりは台板が薄くなるほ
ど、直径が大きくなるほど発生し易くなる。本発明の外
周刃に用いる前記チタン合金製台板の好適な寸法につい
て種々検討した結果、外径が250mm以下でありかつ
厚みが0.1〜1mmの場合でも十分に良好な切断性能
が得られることを見出した。すなわち外径が250mm
を越えると、あるいは外径が250mm以下であっても
その厚みが0.1mm未満の場合、大きな反りが発生し
寸法精度の良好なワークが得られない。外径を250m
m以下としたのは、一般的に台板内径(中心孔直径)が
通常40mm以上であることによるが、被切断物の大き
さによっては台板内径を40mm未満にする場合もあり
この場合は比例的に20〜30mmの外径寸法にまで小
さくなる場合がある。
良くない場合、それを反映して切断後の希土類磁石の寸
法精度が悪くなり結果的に切断加工代が大きくなるとい
う問題もある。台板の反りやうねりは台板が薄くなるほ
ど、直径が大きくなるほど発生し易くなる。本発明の外
周刃に用いる前記チタン合金製台板の好適な寸法につい
て種々検討した結果、外径が250mm以下でありかつ
厚みが0.1〜1mmの場合でも十分に良好な切断性能
が得られることを見出した。すなわち外径が250mm
を越えると、あるいは外径が250mm以下であっても
その厚みが0.1mm未満の場合、大きな反りが発生し
寸法精度の良好なワークが得られない。外径を250m
m以下としたのは、一般的に台板内径(中心孔直径)が
通常40mm以上であることによるが、被切断物の大き
さによっては台板内径を40mm未満にする場合もあり
この場合は比例的に20〜30mmの外径寸法にまで小
さくなる場合がある。
【0012】本発明の希土類磁石切断用超砥粒砥石外周
刃または内周刃を用いて、RCo5系、R2Co17系
(RはSmを必須とし、Yを含む希土類元素の1種また
は2種以上)またはR−Fe−B系(RはYを含む希土
類元素のうちの1種または2種以上)の希土類磁石(特
に焼結磁石)を切断すると、良好な切断寸法精度と高い
切断単重率とが得られ、好ましい。RCo5系希土類焼
結磁石は、通常、重量%で30〜40%のR、残部Co
および不可避不純物からなる。R2Co17系希土類焼
結磁石は、通常、重量%で20〜28%のR、5〜30
%のFe、3〜10%のCu、1〜5%のZrおよび/
またはHf、残部Coおよび不可避不純物からなる。こ
れらは、例えば、先ず、原料金属を秤量して溶解、鋳造
および/またはR/D法により得られた合金を平均粉末
粒径1〜20μmまで微粉砕し、RCo5系、R2Co
17系磁石粉末を得る。その後磁場中で成形し、さらに
1100〜1250℃で0.5〜5時間の焼結、次いで
真空中または不活性ガス雰囲気中においてRCo5系の
場合は850〜1050℃に0.5〜5時間保持後75
0〜900℃まで0.1〜5℃/minの冷却速度で冷
却後、室温まで急冷する。R2Co17系の場合は焼結
温度よりも0〜50℃低い温度域で0.5〜5時間溶体
化処理した後、時効処理を施す。時効処理は通常初段時
効として700〜950℃で一定の時間保持し、その後
連続冷却または多段時効を行う。
刃または内周刃を用いて、RCo5系、R2Co17系
(RはSmを必須とし、Yを含む希土類元素の1種また
は2種以上)またはR−Fe−B系(RはYを含む希土
類元素のうちの1種または2種以上)の希土類磁石(特
に焼結磁石)を切断すると、良好な切断寸法精度と高い
切断単重率とが得られ、好ましい。RCo5系希土類焼
結磁石は、通常、重量%で30〜40%のR、残部Co
および不可避不純物からなる。R2Co17系希土類焼
結磁石は、通常、重量%で20〜28%のR、5〜30
%のFe、3〜10%のCu、1〜5%のZrおよび/
またはHf、残部Coおよび不可避不純物からなる。こ
れらは、例えば、先ず、原料金属を秤量して溶解、鋳造
および/またはR/D法により得られた合金を平均粉末
粒径1〜20μmまで微粉砕し、RCo5系、R2Co
17系磁石粉末を得る。その後磁場中で成形し、さらに
1100〜1250℃で0.5〜5時間の焼結、次いで
真空中または不活性ガス雰囲気中においてRCo5系の
場合は850〜1050℃に0.5〜5時間保持後75
0〜900℃まで0.1〜5℃/minの冷却速度で冷
却後、室温まで急冷する。R2Co17系の場合は焼結
温度よりも0〜50℃低い温度域で0.5〜5時間溶体
化処理した後、時効処理を施す。時効処理は通常初段時
効として700〜950℃で一定の時間保持し、その後
連続冷却または多段時効を行う。
【0013】R−Fe−B系希土類焼結磁石は、通常、
重量%で5〜40%のR、残部Fe、0.2〜8%のB
および不可避不純物からなり、磁気特性や耐食性を改善
するためにC、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Sn、Hf、Ta、W等の添加元素の
1種または2種以上を含むことができる。前記添加元素
の含有量は、Coの場合30重量%以下、その他の添加
元素の場合は合計で8重量%以下とするのがよい。前記
含有量を超えると逆に磁気特性が劣化する。R−Fe−
B系希土類焼結磁石の製造方法は、先ず、原料金属を秤
量して溶解、鋳造/および/またはR/D法により得ら
れた合金を平均粉末粒径1〜20μmまで微粉砕し、R
−Fe−B系磁石粉末を得る。その後磁場中で成形し、
1000〜1200℃で0.5〜5時間の焼結を行い、
さらに400〜1000℃で1段または2段の熱処理を
施して製造される。
重量%で5〜40%のR、残部Fe、0.2〜8%のB
および不可避不純物からなり、磁気特性や耐食性を改善
するためにC、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Sn、Hf、Ta、W等の添加元素の
1種または2種以上を含むことができる。前記添加元素
の含有量は、Coの場合30重量%以下、その他の添加
元素の場合は合計で8重量%以下とするのがよい。前記
含有量を超えると逆に磁気特性が劣化する。R−Fe−
B系希土類焼結磁石の製造方法は、先ず、原料金属を秤
量して溶解、鋳造/および/またはR/D法により得ら
れた合金を平均粉末粒径1〜20μmまで微粉砕し、R
−Fe−B系磁石粉末を得る。その後磁場中で成形し、
1000〜1200℃で0.5〜5時間の焼結を行い、
さらに400〜1000℃で1段または2段の熱処理を
施して製造される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明によれば、希土類磁石切断
用超砥粒砥石刃の台板を引張強さ95kgf/mm2以
上のチタン合金からなる薄板円板に形成し、さらに外周
切れ刃部分または内周切れ刃部分に超砥粒粉末による砥
石層を設けることによって、薄い外周刃または内周刃で
も希土類磁石を精度よくかつ長期にわたって安定して切
断加工でき、切断加工のコストダウン、切断歩留まりの
向上に寄与することができる。また、本発明によれば、
台板のリサイクルによるコストダウン、環境汚染の抑制
等に寄与することができる。
用超砥粒砥石刃の台板を引張強さ95kgf/mm2以
上のチタン合金からなる薄板円板に形成し、さらに外周
切れ刃部分または内周切れ刃部分に超砥粒粉末による砥
石層を設けることによって、薄い外周刃または内周刃で
も希土類磁石を精度よくかつ長期にわたって安定して切
断加工でき、切断加工のコストダウン、切断歩留まりの
向上に寄与することができる。また、本発明によれば、
台板のリサイクルによるコストダウン、環境汚染の抑制
等に寄与することができる。
【0015】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。 (実施例1〜3、比較例1)表1に示すように、引張強
さの異なる4種のTi合金素材を用いて外径125mm
×内径40mm×厚み(図2のt2)を0.1〜1mm
にした中空薄板円板に加工し、外周刃用台板26とし
た。加工済みの各台板の両側面の平面度はいずれも0.
02mm以内、平行度(厚みのばらつき)は0.005
mm以内であり、良好である。次いで、台板26の外周
部に結合剤にレジンを使用するレジンボンド法によりダ
イヤモンド砥粒を固着し、外周切断刃を作製した。すな
わち、円板砥石形状の金型キャビティに前記チタン合金
製の各台板を順次セットし、各外周部分に熱硬化性フェ
ノール樹脂をバインダーとし、平均粉末粒径150μm
の人工ダイヤモンドを体積率で25%(砥粒25%、レ
ジン75%)に混合した粉末を充填し、プレスにより砥
石形状に成形した。その後、金型にセットしたまま12
0〜180℃で2時間加熱硬化させ、冷却後ラップ盤に
て刃厚(図2のT2)が0.2〜1.1mmになるよう
に仕上げ加工し、希土類磁石切断用超砥粒砥石外周刃と
した。
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。 (実施例1〜3、比較例1)表1に示すように、引張強
さの異なる4種のTi合金素材を用いて外径125mm
×内径40mm×厚み(図2のt2)を0.1〜1mm
にした中空薄板円板に加工し、外周刃用台板26とし
た。加工済みの各台板の両側面の平面度はいずれも0.
02mm以内、平行度(厚みのばらつき)は0.005
mm以内であり、良好である。次いで、台板26の外周
部に結合剤にレジンを使用するレジンボンド法によりダ
イヤモンド砥粒を固着し、外周切断刃を作製した。すな
わち、円板砥石形状の金型キャビティに前記チタン合金
製の各台板を順次セットし、各外周部分に熱硬化性フェ
ノール樹脂をバインダーとし、平均粉末粒径150μm
の人工ダイヤモンドを体積率で25%(砥粒25%、レ
ジン75%)に混合した粉末を充填し、プレスにより砥
石形状に成形した。その後、金型にセットしたまま12
0〜180℃で2時間加熱硬化させ、冷却後ラップ盤に
て刃厚(図2のT2)が0.2〜1.1mmになるよう
に仕上げ加工し、希土類磁石切断用超砥粒砥石外周刃と
した。
【0016】実施例1〜3および比較例1で作製した外
周刃をそれぞれ用いて、(Nd,Dy)2Fe14Bを
主相とするR−Fe−B系希土類焼結磁石の直方体ブロ
ックを被切断物として下記の条件で切断試験を行なっ
た。表1の各例において、それぞれ外周刃2枚を1.5
mm間隔で回転切断機(図示省略)にセットし、回転数
5000rpm、切断速度12mm/minで被切断物
を切断した。切削油として水溶性切削油剤を使用した。
被切断物である前記直方体ブロックの切断面積は幅40
mm×高さ20mmである。切断を始めてから1000
枚までの切断品について、10枚毎に各々前記2枚の外
周刃で切断されたワーク(希土類焼結磁石)の中央部1
点と両端部の2点の計3点の厚みをマイクロメーターで
測定し、3点の平均値をその切断された希土類磁石の厚
み寸法とみなし、また3点の最大値と最小値の差を平行
度すなわち切断精度として評価した。この切断試験のワ
ークの目標切断寸法を厚み1.4mmに設定した。ま
た、切断を始めてから1000枚までの切断品について
の切断単重率をもとめた。これらの結果を表1に示す。
表1から、R−Fe−B系希土類焼結磁石の切断に、引
張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金製台板を用
いた超砥粒砥石外周刃を用いることによって、刃厚が薄
くても切断精度よくかつ切断歩留まりがよく、長期にわ
たって安定して切断できることがわかる。
周刃をそれぞれ用いて、(Nd,Dy)2Fe14Bを
主相とするR−Fe−B系希土類焼結磁石の直方体ブロ
ックを被切断物として下記の条件で切断試験を行なっ
た。表1の各例において、それぞれ外周刃2枚を1.5
mm間隔で回転切断機(図示省略)にセットし、回転数
5000rpm、切断速度12mm/minで被切断物
を切断した。切削油として水溶性切削油剤を使用した。
被切断物である前記直方体ブロックの切断面積は幅40
mm×高さ20mmである。切断を始めてから1000
枚までの切断品について、10枚毎に各々前記2枚の外
周刃で切断されたワーク(希土類焼結磁石)の中央部1
点と両端部の2点の計3点の厚みをマイクロメーターで
測定し、3点の平均値をその切断された希土類磁石の厚
み寸法とみなし、また3点の最大値と最小値の差を平行
度すなわち切断精度として評価した。この切断試験のワ
ークの目標切断寸法を厚み1.4mmに設定した。ま
た、切断を始めてから1000枚までの切断品について
の切断単重率をもとめた。これらの結果を表1に示す。
表1から、R−Fe−B系希土類焼結磁石の切断に、引
張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金製台板を用
いた超砥粒砥石外周刃を用いることによって、刃厚が薄
くても切断精度よくかつ切断歩留まりがよく、長期にわ
たって安定して切断できることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例4)表1の実施例1の外周刃を一
定期間切断作業に使用して廃棄される状態のものを準備
した。次に、この廃棄状態の外周刃に対して表2の実施
例4に示す条件の(溶体化処理+時効処理)を施した。
続いて、得られたものの変形を是正しかつ外周に付着す
る砥石層の残さを除去するために、圧延、研削、研磨加
工等を施した。この結果、得られた台板は所定の寸法を
有し両側面の平面度はいずれも0.02mm以内、平行
度(厚みのばらつき)は0.005mm以内であり、良
好である。次に、前記台板の外周部に結合剤にメタルを
使用するメタルボンド法によりダイヤモンド砥粒を固着
し、外周切断刃を作製した。製作工程は略実施例1と同
様であるが、バインターとして重量%でCu70%−S
n30%の組成の粉末を用い、砥粒として平均粉末粒径
100μmの人工ダイヤモンドおよびCBNを重量比で
1:1に混合した粉末を体積率で15%(砥粒15%、
メタルバインダー85%)になるように配合した。な
お、プレス後の加熱焼成は700〜800℃×2時間行
ない、次いで仕上げ加工を施し、刃厚1.0mmの希土
類磁石用超砥粒砥石外周刃を作製した。作製した外周刃
を用いた以外は実施例1と同様な切断試験を行なったと
ころ、実施例1と略同様の良好な切断性能を有すること
を確認した。
定期間切断作業に使用して廃棄される状態のものを準備
した。次に、この廃棄状態の外周刃に対して表2の実施
例4に示す条件の(溶体化処理+時効処理)を施した。
続いて、得られたものの変形を是正しかつ外周に付着す
る砥石層の残さを除去するために、圧延、研削、研磨加
工等を施した。この結果、得られた台板は所定の寸法を
有し両側面の平面度はいずれも0.02mm以内、平行
度(厚みのばらつき)は0.005mm以内であり、良
好である。次に、前記台板の外周部に結合剤にメタルを
使用するメタルボンド法によりダイヤモンド砥粒を固着
し、外周切断刃を作製した。製作工程は略実施例1と同
様であるが、バインターとして重量%でCu70%−S
n30%の組成の粉末を用い、砥粒として平均粉末粒径
100μmの人工ダイヤモンドおよびCBNを重量比で
1:1に混合した粉末を体積率で15%(砥粒15%、
メタルバインダー85%)になるように配合した。な
お、プレス後の加熱焼成は700〜800℃×2時間行
ない、次いで仕上げ加工を施し、刃厚1.0mmの希土
類磁石用超砥粒砥石外周刃を作製した。作製した外周刃
を用いた以外は実施例1と同様な切断試験を行なったと
ころ、実施例1と略同様の良好な切断性能を有すること
を確認した。
【0019】(比較例2)実施例4で準備した廃却され
る状態の外周刃を用いて、その外周刃の摩減した砥石層
を機械加工により除去した後、以後は実施例4と同様に
して外周部分にメタルボンド法によりダイヤモンド砥粒
を固着し、外周刃を作製した。この外周刃の台板の両側
面の平面度は0.02mmを大きく超えて変形してお
り、前記ブロックの切断に使用することができなかっ
た。
る状態の外周刃を用いて、その外周刃の摩減した砥石層
を機械加工により除去した後、以後は実施例4と同様に
して外周部分にメタルボンド法によりダイヤモンド砥粒
を固着し、外周刃を作製した。この外周刃の台板の両側
面の平面度は0.02mmを大きく超えて変形してお
り、前記ブロックの切断に使用することができなかっ
た。
【0020】
【表2】
【0021】表2より、廃棄後の外周刃に(溶体化処理
+時効処理)を施すことにより、台板のリサイクルが可
能であり、かつ切断特性も良好であることがわかる
+時効処理)を施すことにより、台板のリサイクルが可
能であり、かつ切断特性も良好であることがわかる
【0022】上記実施例では外周刃の場合を記載した
が、本発明においては、長期にわたり切断精度を維持し
ながら切断可能であり、切断加工代を極力小さくできる
とともに、リサイクルが可能な内周刃であって、そのチ
タン合金製の台板の厚みを0.1〜0.5mm、より好
ましくは0.1〜0.2mmにすることができる。
が、本発明においては、長期にわたり切断精度を維持し
ながら切断可能であり、切断加工代を極力小さくできる
とともに、リサイクルが可能な内周刃であって、そのチ
タン合金製の台板の厚みを0.1〜0.5mm、より好
ましくは0.1〜0.2mmにすることができる。
【0023】本発明の砥石刃においては台板に各種の表
面処理を施すことができる。例えば、図1、2の台板6,
26の側面にアルミナ溶射被膜(図示省略)を設けて耐
摩耗性を向上することができる。また、メタルボンド法
による場合は台板6と砥石層3との接触界面または台板
26と砥石層23との接触界面に、銅被膜(図示省略)
を設けることが台板と砥石層との密着性を向上するため
に好ましい。銅被膜は、シュー酸等で複数回該当する台
板表面をエッチングした後、その表面にハロゲン化銅を
塗布し、これを熱分解させることで得られる。また、台
板にCrめっきや化成処理(リン酸塩被膜等)、窒化処
理、硬化肉盛、TiNのイオンプレーティング等を施し
てもよい。
面処理を施すことができる。例えば、図1、2の台板6,
26の側面にアルミナ溶射被膜(図示省略)を設けて耐
摩耗性を向上することができる。また、メタルボンド法
による場合は台板6と砥石層3との接触界面または台板
26と砥石層23との接触界面に、銅被膜(図示省略)
を設けることが台板と砥石層との密着性を向上するため
に好ましい。銅被膜は、シュー酸等で複数回該当する台
板表面をエッチングした後、その表面にハロゲン化銅を
塗布し、これを熱分解させることで得られる。また、台
板にCrめっきや化成処理(リン酸塩被膜等)、窒化処
理、硬化肉盛、TiNのイオンプレーティング等を施し
てもよい。
【0024】本発明は希土類焼結磁石のみならず、公知
の永久磁石材料に適用可能である。例えば、R−Fe−
B系の鋳造、熱間加工磁石や、超急冷法により得られた
薄片を用いて高密度化することで得られる温間加工磁石
(MQ2、MQ3)等にも適用できる。さらには希土類
ボンド磁石の切断にも好適である。
の永久磁石材料に適用可能である。例えば、R−Fe−
B系の鋳造、熱間加工磁石や、超急冷法により得られた
薄片を用いて高密度化することで得られる温間加工磁石
(MQ2、MQ3)等にも適用できる。さらには希土類
ボンド磁石の切断にも好適である。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、長期にわたり切断精度
を維持しながら希土類磁石を切断可能であり、かつ切断
加工代を極力小さくできるとともに、台板をリサイクル
でき、産業上の利用価値は極めて高い。
を維持しながら希土類磁石を切断可能であり、かつ切断
加工代を極力小さくできるとともに、台板をリサイクル
でき、産業上の利用価値は極めて高い。
【図1】内周刃の構造を示す図面であり、(a)は上面
図、(b)はA−A線矢視断面図である。
図、(b)はA−A線矢視断面図である。
【図2】外周刃の構造を示す図面であり、(a)は上面
図、(b)はB−B線矢視断面図である。
図、(b)はB−B線矢視断面図である。
10 内周刃、20 外周刃、6,26 砥石台板、
3,23 砥石層、t1,t2 台板の厚み、T1,T
2 刃厚または切断加工代。
3,23 砥石層、t1,t2 台板の厚み、T1,T
2 刃厚または切断加工代。
Claims (2)
- 【請求項1】 チタン合金製の台板と、この台板の外周
または内周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合
してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃であって、前記
台板が引張強さ95kgf/mm2以上のチタン合金か
らなり、かつ前記砥石層が超砥粒を体積率で10〜80
%含有することを特徴とする希土類磁石切断用超砥粒砥
石刃。 - 【請求項2】 チタン合金製の台板と、この台板の外周
または内周の切り刃部に超砥粒を含有する砥石層を接合
してなる希土類磁石切断用超砥粒砥石刃の製造方法にお
いて、この希土類磁石切断用超砥粒砥石刃の使用済みの
もののチタン合金製の台板に溶体化処理と時効処理また
は熱処理を施した後、必要に応じて所定の機械加工を行
い、その後前記台板の外周または内周の切り刃部に超砥
粒を含有する砥石層を接合することを特徴とする希土類
磁石切断用超砥粒砥石刃の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264273A JP2000094337A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264273A JP2000094337A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000094337A true JP2000094337A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17400887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10264273A Pending JP2000094337A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 希土類磁石切断用超砥粒砥石刃およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000094337A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010149240A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Jtekt Corp | 砥石車 |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP10264273A patent/JP2000094337A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010149240A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Jtekt Corp | 砥石車 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20040525 |