JP2000093127A - 加工水産物及びその製造装置 - Google Patents

加工水産物及びその製造装置

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JP2000093127A
JP2000093127A JP11115829A JP11582999A JP2000093127A JP 2000093127 A JP2000093127 A JP 2000093127A JP 11115829 A JP11115829 A JP 11115829A JP 11582999 A JP11582999 A JP 11582999A JP 2000093127 A JP2000093127 A JP 2000093127A
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lactic acid
seasoning liquid
laver
acid bacteria
marine product
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JP11115829A
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Kiyohisa Hirakawa
清久 平川
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YAMAMOTO NORITEN CO Ltd
YAMAMOTO NORITEN KK
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YAMAMOTO NORITEN CO Ltd
YAMAMOTO NORITEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の食事において海苔を食すことにより、
乳酸菌の機能性を保持したまま乳酸菌を摂取し、体内で
有効に作用するような乳酸菌入り味付海苔及びその製造
装置を提供すること。 【解決手段】 乳酸菌として有胞子性乳酸菌を用い、味
付海苔3の製造段階で有胞子性乳酸菌を添加した調味液
9をシート状の海苔に塗布、乾燥させ、海苔1の一方の
面に有胞子性乳酸菌を有する調味液からなる味付層2を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工水産物(例え
ば、調味液で味付けされた味付海苔)及びその製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水産物としての海苔は、豊富なタンパク
質や炭水化物及び多くのビタミン類とカルシウム、鉄、
リン等の無機物を含み、栄養的に見ても食品価値の高い
食物として、特に我が国では古くから食されている。そ
して、例えば味付海苔は、焼き上げた海苔に、メーカー
独自の調味液を機械的に塗り、乾燥させて製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまでの
味付海苔は、上記した機能又は特性は有しているもの
の、それ以上の有用な付加的価値を付与することに成功
してはいないのが実情である。
【0004】本発明の目的は、通常の食事において、各
種のビタミンやミネラル等を含んでいる自然食材である
海苔の如き水産物を食することにより、その機能に加え
て他の有用な付加的機能を体内で有効に発揮させること
のできる加工水産物及びその製造装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、味付海苔の如
き加工水産物において乳酸菌(特に有胞子性乳酸菌)な
どの機能性添加物の利用に着目し、本発明に到達したも
のである。
【0006】即ち、本発明は、乳酸菌の如き機能性添加
物が少なくとも表面に保持され、或いは混合されている
加工海苔などの加工水産物に係るものである。ここで、
「機能性添加物」とは、乳酸菌、カルシウムや鉄、マグ
ネシウム、リンなどの無機物(又は金属)及びビタミン
類から選ばれたものであり、また「加工水産物」とは、
海洋、河川、湖沼などで産出又は採取されるものであっ
て、味付海苔をはじめ、シート状等のワカメなどの海藻
類やカツオブシなどの魚類等であり、その形態はシート
状、粒状その他であってよい(以下、同様)。
【0007】本発明の加工水産物によれば、乳酸菌など
の機能性添加物が少なくとも表面に保持され、若しくは
混合されているので、シート状等に加工した海苔などの
水産物の表面にこの機能性添加物を添加し又は混入し、
これを通常の食事において食して自然に機能性添加物を
効果的に摂取することができる。即ち、水産物が本来有
している栄養価値に加え、これを損なうことなしに機能
性添加物による優れた生理的効果を十分に発揮できるこ
とから、これまでの機能に有用な付加的価値を付与した
商品価値の高い水産物を提供できることになる。
【0008】本発明の加工水産物、特に加工海苔では、
乳酸菌が表面に保持若しくは混合されているので、特に
乳酸菌の有効特性を保持したまま摂取できる有胞子性乳
酸菌を用いれば、シート状等に加工した海苔の表面にこ
の乳酸菌を添加し又は乳酸菌を混入し、これを通常の食
事において食して自然に乳酸菌を効果的に摂取すること
ができる。即ち、海苔が本来有しているビタミン類等の
栄養価値に加え、これを損なうことなしに乳酸菌による
整腸作用などの優れた生理的効果を十分に発揮できるこ
とから、これまでの機能に有用な付加的価値を付与した
商品価値の高い海苔を提供できることになる。
【0009】本発明に使用可能な乳酸菌は、腸内常在菌
の一つであり、有用微生物として人間の健康維持に有効
とされ、早くからその機能が知られている菌類ではあ
る。特に整腸作用の如き保健効果があるため、整腸剤等
の医薬品として使用され、近年は感染症等の予防に免疫
を強化させる素材としても注目されている。
【0010】そして、食品に対しては、(1)乳酸醗酵
により食品の保存性を高める、(2)食品の風味を改善
する、(3)乳酸菌の機能性を利用できる、などの作用
を有し、一般食品では、乳酸菌飲料やヨーグルトなどに
代表される乳製品に使用されている。また、健康食品と
して菌末をカプセル化する等により、単体での体内摂取
を目的としたものもある。
【0011】人体の腸内においては、雑多な菌が作る腐
敗物質等の毒素が絶えず吸収され、これが体調不良の要
因ともなる。そこで、それを予防するためには、乳酸菌
の摂取が非常に効果的であることは知られている。
【0012】乳酸菌は炭水化物を分解して乳酸を生成す
ることによりエネルギーを獲得する細菌の総称であり、
ビフィズス菌属をも含め多種の菌が存在する。従って、
乳酸菌を摂取することにより、腸内のビフィズス菌を増
やし、有害菌の生成を抑制することができる。
【0013】本発明は、このように健康維持のために非
常に有用な乳酸菌などの機能性添加物を栄養価値の高い
自然食品である海苔などの水産物に添加して、更にその
商品価値を高めた加工水産物をはじめて提供するもので
ある。この加工水産物は前記機能性添加物を添加した調
味液が塗布又は混合され、或いは前記機能性添加物から
なる粒状物が混合され、味付海苔などのシート状態又は
ふりかけなどの混合物の形態をなしてよい。そして、乳
酸菌はそのままでもよいが、カプセルに内包されて体内
摂取をより有効に行えるようにしてもよい。
【0014】殆どの種類の乳酸菌は熱や乾燥に弱く、酸
にも弱い。従って、体内に摂取しても胃酸等の影響によ
って腸に到達するまでに大部分が死滅してしまうもので
ある。しかし、上記のように摂取した乳酸菌を機能させ
るためには、摂取した乳酸菌が人体の腸に届くことが重
要であり、これを解決することが重要である。
【0015】しかし、海苔の製造過程には、乳酸菌の耐
熱性、耐乾燥性等を維持させる条件に不利な要素が多
く、また、これを満足させ得るような製造装置も存在せ
ず、この条件をクリアするような加工技術の進展を見る
には至っていない。
【0016】そこで、本発明は、乳酸菌の如き機能性添
加物を調味液に添加混合する攪拌部と、この攪拌部から
の前記調味液を吐出する吐出部と、この調味液吐出部か
ら吐出された調味液を海苔などの水産物に塗布する塗布
部とを有する、加工海苔などの加工水産物の製造装置も
提供するものである。
【0017】本発明の製造装置によれば、調味液に添加
され攪拌して混合された機能性添加物が、調味液吐出部
から水産物に塗布されるので、機能性添加物をその有効
特性を保持したまま調味液に添加して、上記した乳酸菌
入り海苔の如き加工水産物を再現性良く得ることができ
る。
【0018】上記の加工水産物としては、前記乳酸菌と
して有胞子性乳酸菌を添加した調味液が塗布された味付
海苔の如きシート状のものであることが望ましい。しか
し、味付海苔に限らず、味付けされていないシート状の
海苔に上記機能性添加物が添加若しくは塗布されたもの
であってもよい。また、シート状以外にも、機能性添加
物を粒状にし、海苔片やゴマ、カツオブシなどと混合し
た「ふりかけ」の如き加工水産物であってよい。また水
産物の種類としては、海で採取される海苔に限らず、ワ
カメなどの海藻類やカツオブシをシート状にしたもの等
でもよく、或いは岩海苔や川海苔であってもよい。
【0019】また、上記の製造装置としては、前記乳酸
菌としての有胞子性乳酸菌が前記調味液に添加混合され
た後、前記塗布部に送り込まれる前記水産物の検出情報
を受けて前記調味液が前記吐出部へ送出されるように構
成することが望ましい。
【0020】そして、前記攪拌部に、貫通孔付きの上下
可動式攪拌板を底部に設けることによって、短時間にし
て十二分に乳酸菌などの機能性添加物を拡散、混合し、
均質な濃度にして、吐出部へ効率良く供給することがで
きる。
【0021】以下、本発明の好ましい実施の形態を説明
する。
【0022】図1は味付海苔を示し、(a)はその斜視
図、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【0023】即ち、図1(a)は、例えば8切りにされ
た味付海苔3を示し、図1(b)に示すように、シート
状の海苔1の一方の面に乳酸菌を添加した調味液の塗布
によって味付層2が形成された状態を示している。
【0024】本実施の形態においては、添加する乳酸菌
として、胞子を形成する食品用の乳酸菌であって腸内で
発芽、増殖する有胞子性乳酸菌“Bacillus Coagulans”
(三共株式会社製:寄託No. SANK70258)を用
いて、味付海苔3を作製した。
【0025】この有胞子性乳酸菌は、発芽前の胞子状態
では耐熱性、耐乾燥性、耐酸性、耐糖性、耐塩性があ
り、乾燥すれば半永久的に保存可能な乳酸菌である。そ
して、胞子は摂取後、腸管内で発芽して活発な生活細胞
となり、長時間にわたり増加し続け、その結果、腸内は
常在菌のビフィズス菌をはじめとする乳酸菌が増加しや
すい状態になり、整腸作用を促す機能を有している。
【0026】従って、摂取するまでは胞子状態を保つ必
要があり、味付海苔への加工段階において、これを活性
化させないことが最も重要である。しかも、海苔特有の
風味を損なわず、栄養を保持しつつ乳酸菌の効果を発揮
させ、海苔本来の商品価値を維持し、更にこれを高める
ためには、有胞子性乳酸菌の添加量(濃度)及び添加の
タイミングも重要な要素である。
【0027】まず、添加量は次のようにした。即ち、整
腸薬としての通常の医薬品の場合は、有胞子性乳酸菌の
1日当りの摂取量は1〜5億個とされている。しかし、
本実施の形態の味付海苔3は食品であり、医薬品の場合
の半分程度を目安として、味付海苔8切り5枚で乳酸菌
5千万個以上の摂取が可能となるように設定した。
【0028】有胞子性乳酸菌の製品規格では、1g当り
の菌数50億個以上となっているので、この50億個を
基準とし、下記の製造条件を前提とした計算値に基づい
て添加量を決定した。
【0029】即ち、(1)調味液は比重が1.3g/c
cである。(2)製造ラインは全型(切断前の海苔)1
枚当り、平均0.825g(0.635cc)の調味液
を塗布する。従って、8切り5枚に塗布する調味液の量
は、 (0.825/8切)×5枚=0.516g(0.39
7cc) である。
【0030】つまり、本実施の形態における5千万個以
上となる有胞子性乳酸菌の量は、有胞子性乳酸菌の製品
規格である1g:50億個(以上)の100分の1、即
ち、5千万個(以上):0.01gとなる。従って、8
切り5枚(調味液0.397cc)に0.01gの有胞
子性乳酸菌を添加すればよい。この添加量には望ましい
範囲があり、8切り5枚当たり0.005〜0.03g
とするのが望ましい。0.005gより少ないと添加効
果が乏しく、また多いと調味液中で分離又は沈澱し易く
なり、均一に混合され難くなる。この添加量は更に0.
01g〜0.02gとするのがよい。
【0031】製造ラインにおける味付海苔の乾燥工程の
加熱温度は130℃であるが、乾燥時間は12秒と短い
ので、この有胞子性乳酸菌への影響は少ないと考えられ
る。乾燥工程中における菌数ロスを考慮し、結論的には
10リットル当り300gの添加量とした。
【0032】なお、有胞子性乳酸菌は、水分を含んだ状
態でこの菌の増殖の適温(35℃〜)に置かれると、1
日〜2日で活性化(発芽)してしまう性質があるので、
添加するタイミングは可能な限り調味液の塗布直前が望
ましく、残った調味液は後日に再使用することを避け、
その日の必要量にのみ添加することが望ましい。
【0033】また、有胞子性乳酸菌は、80℃以下では
耐熱性は高いが、80℃以上で長時間さらすと徐々に乳
酸菌が減少する。従って、味付加工時の乾燥は短時間で
可能な限り早く極乾状態にすることが望ましい。
【0034】図2は、このような乳酸菌入りの乾燥味付
海苔3の製造装置の一例10を示す概略図である。
【0035】図2に示すように、この製造装置10の調
味液タンク11の蓋11a上には、ブラケット12を介
してエアシリンダ13が設けられ、このロッド14がタ
ンク11の内部に延設され、その下端に攪拌板15が設
けられている。そして、エアシリンダ13の駆動によ
り、図示の如くロッド14が上下動し、攪拌板15及び
これに設けた穴15aによって調味液9を十分に攪拌、
混合させる。
【0036】有胞子性乳酸菌はこの調味液タンク11の
中の調味液9に添加し、攪拌する。そして、調味液タン
ク11の中の調味液9は搬送装置17により配管16を
経由して調味液滞留部20へ送り込まれる。また、海苔
5の一対の搬送ラインにはそれぞれセンサー25(一方
のみに簡略図示)が設けられ、海苔5の通過をセンサー
25が感知して搬送装置17を制御し、必要に応じて一
定量ずつの調味液9を調味液滞留部20に送り込むよう
になっている。
【0037】調味液滞留部20では、搬送装置17によ
って送り込まれた調味液9の液面が所定量を超えれば、
調味液滞留部20の側面に設けた複数のバルブ21から
なる吐出部19から、調味液9が吐出、滴下し、この下
部に設けた塗布部18のローラー22、23に付着す
る。そして、ローラー23を介して、ローラー23とロ
ーラー24に挟まれて搬送される海苔5の一方の面に調
味液9が塗布される。そして、調味液9を塗布された海
苔5は乾燥機(図示省略)の中へ自動的に搬送され、味
付加工工程は終了する。
【0038】従って、上記のセンサー25による調味液
9の定量的吐出、塗布が可能であるため、乳酸菌の劣化
を可能な限り防止しつつ、一定量で均一な濃度で必要量
を確実に海苔5に塗布することができる。しかる後に、
塗布後の乾燥を上述した条件で行うことにより、乳酸菌
の性能を保持して乾燥海苔に作製することができ、更に
所定寸法(8切りなど)に裁断し、製品化される。
【0039】図3は、調味液タンク11を示し、一部分
を破断して図示した拡大斜視図である。
【0040】図示の如く、ロッド14の下端に設けた円
形の攪拌板15には穴15aが設けられ、このロッド1
4はエアシリンダ13の中のピストン(図示省略)に連
結されており、送気管(図示省略)からの送気によりピ
ストンが作動し、攪拌板15を例えば300mmのスト
ロークで上下動させるようになっている。これにより、
攪拌板15による攪拌のみならず、穴15aを通しての
液の流動、攪乱流により、液の攪拌、混合がタンク内の
液全体に生じ、粉末状の有胞子性乳酸菌がタンク11の
底11bに沈澱することなしに調味液9と十分かつ均一
に混合されることになる。
【0041】上記した製造装置によって、本実施の形態
の味付海苔は製造されるので、海苔特有の風味や栄養を
保った状態で製品化され、更に調味液9と共に添加され
る有胞子乳酸菌が既述した機能性を発揮するため、乳酸
菌入り味付海苔としてその商品価値を高めることができ
る。
【0042】また、製品化後は、乳酸菌飲料やヨーグル
トなどの乳製品のように、保冷状態で保存したり、消費
期限に制約されることもなく、乾燥密封状態にさえして
おけば、携帯性にも優れ、常温にて、加工後少なくとも
1年間は賞味可能である。
【0043】上記したように、本実施の形態に用いる有
胞子性乳酸菌は、これを摂取することにより、乳酸菌が
胞子状態のまま人体の腸に届いて腸内で有効に作用する
ものであるが、この有効性は、1997年の Progress
in Medicine 12月号の別刷に記載の研究報告「有胞子
性乳酸菌(Bacillus Coagulans)による便性改善効果に
ついての研究」により証明できる。
【0044】この研究報告によれば、有胞子性乳酸菌の
乾燥粉末を1.0億個/gになるように乳糖で調整して
分包包装し、健康な被験者に1日当り1包を摂取させ、
摂取前、摂取中、摂取後をそれぞれ2週間設けて比較
し、有胞子性乳酸菌の排便性への影響を調べたものであ
る。
【0045】その結果、有胞子性乳酸菌を健康な人が摂
取した場合でも便性状(色、形)が改善された。従っ
て、有胞子性乳酸菌の摂取は、急性腸炎、慢性腸炎、急
性大腸炎などの患者における整腸効果だけでなく、健康
な人の腸内環境改善にも寄与でき、健康維持を目的とし
た健康食品への利用が期待できるというものである。
【0046】本発明者は、実際に、上記した有胞子性乳
酸菌入りの味付海苔の摂取による便性改善効果について
種々のテストを行った。その結果を次に説明する。
【0047】健康な男女14名を対象に、有胞子性乳酸
菌入りの味付海苔を摂取することにより便性にどのよう
な影響を及ぼすかについて、便色、便形状、排便回数、
排便感、便臭の変化について調査し、その改善効果につ
いて考察を行った。
【0048】<供資資料と摂取方法>供資資料として、
有胞子性乳酸菌の添加量をそれぞれ変えた味付海苔を3
種類用意し、被験者にそれぞれ摂取させた。摂取量は各
種とも1日当たり2食分(8切5枚入り銘々袋×2)を
摂取し、また1日の中での摂取時間は特に指定せず、摂
取による効果をみるため、摂取前、中、後の期間をそれ
ぞれ2週間ずつ設けて比較した。つまり、1種類につき
6週間とし、3種類あるため合計18週間かけて調査し
た。
【0049】<有胞子性乳酸菌の添加量> クラス「A」・・・8切5枚(味タレ0.397cc)
当たり0.005gの乳酸菌を添加、よって味タレ10
リットル当たり126gの乳酸菌を添加 クラス「B」・・・8切5枚(味タレ0.397cc)
当たり0.01gの乳酸菌を添加、よって味タレ10リ
ットル当たり252gの乳酸菌を添加 クラス「C」・・・8切5枚(味タレ0.397cc)
当たり0.02gの乳酸菌を添加、よって味タレ10リ
ットル当たり504gの乳酸菌を添加
【0050】<アンケート実施方法>被験者にアンケー
ト用紙を事前配付し、排便のあった時点ごとに自記方式
で記入させた。記入項目は、排便日時、便性状(形状、
色、匂い)、排便感(体感的な便の硬さ、排便時の爽快
感)、消化器症状、体調、薬剤の使用状況であり、記入
に際しては全て数値化した。便の色、形に関しては個人
差をなくすため、色カラーガイド第14版(大日本イン
キ化学工業社)記載の569、242、341、355
および347に相当する黄色から黒褐色までの6色に分
け、形状をコロコロ状、カチカチ状、バナナ状、半練
状、泥状、水状に分類して、図示した便性状指標カード
を配布し、参照するようにした。
【0051】<結果> (1)便の色 健康なヒトの便の色は山吹色から茶色(指標カードで
(下痢)黄色〜山吹色〜黄土色〜茶色〜黒褐色〜灰褐色
(便秘)の6色を参照)の範囲と考えられているが、腸
内環境不良、便秘傾向ならびに薬物摂取などにより便の
色は山吹色〜茶色の範囲外になる場合がある。そこで、
乳酸菌入り味付海苔を摂取することによる通常色(山吹
色、黄土色、茶色)便の出現率の変化を上記したクラス
A、B、Cのそれぞれについて調査したところ、下記及
び表−1に示す通りの結果となった。 有効率の順位・・・クラス「B」60%、クラス「A」
50%、クラス「C」40%
【0052】(2)便の形状 通常、便の形状(指標カードで(便秘)コロコロ状〜カ
チカチ状〜バナナ状〜半練状〜泥状〜水状(下痢)の6
段階を参照)はバナナ状または半練状が良いとされる。
しかし、便秘傾向のヒトの便はコロコロ状またはカチカ
チ状(便秘)となり、下痢傾向のヒトの便は泥状もしく
は水状(下痢)になる。そこで、乳酸菌入り味付海苔を
摂取することによる通常形状便の出現率を調査したとこ
ろ、下記及び表−2に示す結果となった。 有効率の順位・・・クラス「C」66.7%、クラス
「A」36.4%、クラス「B」10%
【0053】(3)排便感 被験者に排便ごとの体感を5段階(スッキリした、おお
むねスッキリした、特になし、一分便が残った感じがあ
る、不快感がある)で表現させ、後者2つの表現回数を
排便回数で割って不快感率を算出し、排便時不快感の解
消効果を調査したところ、下記及び表−3に示す結果と
なった。 有効率の順位・・・クラス「C」58.3%、クラス
「A」46.2%、クラス「B」30%
【0054】(4)便の匂い 被験者の便の匂いを3段階(薄い、普通、強い)で集計
し、乳酸菌入り味付海苔を摂取することにより、匂いの
薄い便の出現率を調査したところ、下記及び表−4に示
す結果となった。 有効率の順位・・・クラス「C」35.7%、クラス
「A」35.7%、クラス「B」21.4%
【0055】(5)排便回数 腸内に老廃物を滞留させておくことは、腹痛や張腹の原
因となるばかりでなく、体調不良や皮膚病の要因にもな
り得る。乳酸菌入り味付海苔を摂取することによる排便
回数の増加を調査したところ、下記及び表−5に示す結
果となった。 有効率の順位・・・クラス「B」57.1%、クラス
「A」42.9%、クラス「C」35.7%
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】本実施の形態によれば、使用する有胞子性
乳酸菌は耐熱性、耐酸性にも優れているので、乳酸菌は
劣化することなく味付海苔に添加でき、しかも海苔の風
味等を損なわせることがない。しかも腸内で発芽増殖す
るので、乳酸生成能力が高く、保健効果の優れた味付海
苔を作ることができる。
【0062】そして、これにより自然食品である“海
苔”の健康イメージを更に高めることができる。
【0063】また、本実施の形態の製造装置は、既存の
調味液タンクに代えて上記の調味液タンク11を設置す
ればよく、かつ、センサー25を配線26により搬送装
置17に接続して調味液9の供給を一定量に効果的に制
御できるようにしたものである。
【0064】なお、上記した本実施の形態は、本発明の
技術的思想に基づいて種々に変形することができる。
【0065】例えば、有胞子性乳酸菌を添加する対象
は、味付海苔に限らず、通常の焼き海苔でもよく、或い
は海苔片などとの混合物からなるふりかけ、その他の海
苔製品であってもよく、更に岩海苔や川海苔からなる製
品や、ワカメなどの海藻類、カツオブシなども対象にす
ることができる。その添加形態は、調味液への添加→塗
布だけでなく、粒状での混合、カプセル化など、様々で
あってよい。また、本発明は、乳酸菌も上記の有胞子性
のもの以外であってよいし、乳酸菌に代えて、或いは加
えて、カルシウム、マグネシウム、鉄、リンなどの無機
物、ビタミン類など、骨形成や血液成分の補給などとい
った生理機能を発揮できる種々の添加成分を含む味付海
苔などの加工水産物であってよい。
【0066】また、製造装置10の調味液タンク11の
攪拌機構は上記に限らず、例えばロッド14をねじ式で
回動させながら上下動させることもでき、回動しながら
上下動するロッド14の先端に攪拌板15に代えて攪拌
羽根を設けてもよく、これ以外にも公知の攪拌機構を採
用することができる。調味液の吐出及び塗布機構も変更
可能である。
【0067】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明は、乳酸菌な
どの機能性添加物が少なくとも表面に保持され、若しく
は混合されているので、シート状等に加工した海苔など
の水産物の表面にこの機能性添加物を添加し又は混入
し、これを通常の食事において食して自然に機能性添加
物を効果的に摂取することができる。即ち、水産物が本
来有している栄養価値に加え、これを損なうことなしに
機能性添加物による優れた生理的効果を十分に発揮でき
ることから、これまでの機能に有用な付加的価値を付与
した商品価値の高い水産物を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による味付海苔を示し、
(a)はその斜視図、(b)は(a)のb−b線断面図
である。
【図2】同、製造装置を示す概略図である。
【図3】同、製造装置における調味液タンクの詳細を示
し、一部分を破断図示した斜視図である。
【符号の説明】
1・・・海苔 2・・・味付層 3・・・味付海苔 5・・・シート状海苔 9・・・調味液 10・・・製造装置 11・・・調味液タンク 11a・・・蓋 11b・・・底板 12・・・ブラケット 13・・・エアシリンダ 14・・・ロッド 15・・・攪拌板 15a・・・穴 16・・・配管 17・・・ポンプ 18・・・塗布部 19・・・吐出部 20・・・調味液滞留部 21・・・バルブ 22、23、24・・・ローラー 25・・・センサー 26・・・配線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸菌、無機物及びビタミン類から選ば
    れた機能性添加物が少なくとも表面に保持され、或いは
    混合されている加工水産物。
  2. 【請求項2】 前記乳酸菌として有胞子性乳酸菌が添加
    されている、請求項1に記載した加工水産物。
  3. 【請求項3】 前記機能性添加物を添加した調味液が塗
    布又は混合され、或いは前記機能性添加物からなる粒状
    物が混合され、シート状態又は混合物の形態をなす、請
    求項1に記載した加工水産物。
  4. 【請求項4】 前記シート状体が味付海苔である、請求
    項3に記載した加工水産物。
  5. 【請求項5】 乳酸菌、無機物及びビタミン類から選ば
    れた機能性添加物を調味液に添加混合する攪拌部と、こ
    の攪拌部からの前記調味液を吐出する吐出部と、この調
    味液吐出部から吐出された調味液を水産物に塗布する塗
    布部とを有する、加工水産物の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記乳酸菌としての有胞子性乳酸菌が前
    記調味液に添加混合された後、前記塗布部に送り込まれ
    る前記水産物の検出情報を受けて前記調味液が前記吐出
    部へ送出される、請求項5に記載した加工水産物の製造
    装置。
  7. 【請求項7】 前記攪拌部が、貫通孔付きの上下可動式
    攪拌板を有している、請求項5に記載した加工海苔の製
    造装置。
  8. 【請求項8】 前記水産物として海苔を用い、味付海苔
    を製造する、請求項5に記載した加工水産物の製造装
    置。
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