JP2000093044A - タモ網 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流水抵抗を低減させて水中動かし易いタモ網
を提供する。 【解決手段】 このタモ網の枠部１は、ステンレス合金
やチタン合金等からなる金属製線状部材を環状に折り曲
げて形成したものである。枠部１は、断面が水滴形に形
成された枠本体部１１と、枠本体部１１の外周面に形成
され外周方向に開口した溝部１２と、前記溝部１２を締
め付け可能な締付部１３とを有している。枠本体部１１
は、断面が網部２の開口方向に向かって鋭角に形成され
た流線形である。特に、このような流線形の中で流水抵
抗が最も小さい形状の１つである水滴形を採用してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はタモ網、特に、魚釣
りに用いるタモ網に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のタモ網は、環状の枠部と、枠部の
溝部に固定された袋状の網部と、枠部に連結されたハン
ドルとを有している。このタモ網では、網部の開口側縁
部に芯線を挿通し、芯線を溝部に配置した後に芯線の両
端部を引張して溝部に芯線を嵌め込んでいる。そして、
このように芯線を溝部に嵌め込むことによって網部を枠
部に固定している。

【０００３】この枠部はステンレス合金等の金属製部材
であり、この金属製部材を環状に折り曲げて形成したも
のである。金属製部材は断面が円形の棒状部材をそのま
ま用いて形成しているので枠部を容易に製造できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のタモ網を使用す
るには、まずハンドルを把持し、枠部を網部とともに魚
に向けて水中で移動させる。そして、魚を網部の中に捕
らえた後に魚を包み込むようにして水中から持ち上げ、
網部の中の魚を取り出す。ここで、水中においてタモ網
を移動させる場合、枠部の開口側縁部が流水を受けて流
水抵抗が発生する。この流水抵抗は、タモ網の水中での
移動を重たく感じさせる一因となっている。

【０００５】本発明の課題は、流水抵抗を低減させて使
いやすいタモ網を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明１に係るタモ網は、
魚釣りに用いるタモ網であって、断面が流線形に形成さ
れている枠部と、枠部に固定されている袋状の網部と、
枠部に連結されたハンドルとを備えている。この場合に
は、タモ網を水中で移動させる際に、断面が流線形に形
成されている枠部が流水を受ける。ここで、枠部は流水
を流線形に沿って受け流して流水抵抗を低減する。この
結果、大きな力を要せずにタモ網をスムーズに水中で移
動させることができる。

【０００７】発明２に係るタモ網は、発明１のタモ網で
あって、枠部に形成された溝部と、溝部に嵌入された可
撓性を有する芯線とをさらに備えている。そして、網部
は芯材によって開口縁を係止されている。この場合に
は、芯線はその可撓性により溝部に十分に嵌め込まれて
いるので、網部が周方向にずれたり枠部から不用意に外
れてしまうことがない。また、網部の開口側縁部が枠部
を直接覆っていないので、網部が摩耗しにくい。さら
に、タモ網を水中で使用するときには、枠部の外周面が
直接流水を受けて流水抵抗を低減する。

【０００８】発明３に係るタモ網は、発明１又は２のタ
モ網であって、枠部の断面は網部の開口方向に向かって
鋭角に形成されている。この場合には、枠部の断面が、
網部の開口方法、即ち、水中でタモ編みを移動させる際
の移動方向に向けて滑らかな流線形状になっているの
で、流水抵抗がさらに低減される。

【０００９】発明４に係るタモ網は、発明３に記載のタ
モ網であって、枠部の断面は水滴形に形成されている。
発明５に係るタモ網は、発明３のタモ網であって、枠部
の断面はラグビーボール形に形成されている。

【００１０】

【発明の実施の形態】［第１実施形態］以下、本発明の
第１実施形態について図面を参照しつつ説明する。本発
明の第１実施形態を採用したタモ網は、図１に示すよう
に、環状の枠部１と、枠部１に取り付けられた網部２
と、枠部１に連結部材２０を介して連結されたハンドル
３とを有している。

【００１１】枠部１は、ステンレス合金やチタン合金等
からなる金属製線状部材を環状に折り曲げて形成したも
のである。そして、両端部はそれぞれ外周方向に折り曲
げられており、この折り曲げられた両端部が連結部１５
となっている（図３参照）。また、枠部１は、図２に示
すように、断面が水滴形に形成された枠本体部１１と、
枠本体部１１の外周面に形成され外周方向に開口した溝
部１２と、前記溝部１２を締め付け可能な締付部１３と
を有している。枠本体部１１は、断面が網部２の開口方
向（図２の上方）に向かって鋭角に形成された流線形で
ある。特に、このような流線形の中で流水抵抗が最も小
さい形状の１つである水滴形を採用している。そして、
溝部１２には網部２が係止されている芯線５が嵌入さ
れ、締付部１３がこの溝部１２内の芯線５を締め付けて
固定している。

【００１２】また、網部２は、ナイロン繊維等からなる
袋状の部材である。網部２の開口側縁部には縁部に沿っ
て芯線５が縫合されて係止されており、図２に示すよう
に、網部２を係止した芯線５が枠部１の周溝１２に嵌入
されることによって、網部２は枠部１に固定されてい
る。なお、この芯線５は可撓性を有するナイロン製の部
材である。

【００１３】連結部材２０は、図３及び図４に示すよう
に、内部に中空部１００を有するパイプ状のパイプ部２
１と、枠部１の連結部１５を挟み込んで固定しつつパイ
プ部２１に網先側から嵌入され固定される第１固定部材
２２及び第２固定部材２３とを有している。また、連結
部材２０の手元側にはハンドル３が嵌入されビス等で固
定されている。この連結部材２０は、たとえば、接着剤
によって接着してもよく、ネジ式に螺合させて固定して
もよい。

【００１４】パイプ部２１はプラスチック又は金属製の
部材であって、内周面に第１固定部材２２及び第２固定
部材２３を案内する複数のガイド２１ａと、外周面から
中空部１００に貫通し内周面に雌ネジが形成されている
孔２１ｂとを有している。この孔２１ｂには先端にぬけ
止め２４ａが固定された固定ボルト２４が配置されてい
る。そして、この固定ボルト２４をねじ込むことによっ
て、第１固定部材２２及び第２固定部材２３を中空部１
００内の所定の位置に固定する。

【００１５】第１固定部材２２及び第２固定部材２３
は、開口側から枠部１の連結部１５を挟み込んで固定可
能な一組の部材である。第１ボルト２５及び第２ボルト
２７をそれぞれ所定の位置に貫通させ第１、第２ナット
２６、２８に螺合することによって、連結部１５を挟み
込みつつ固定される。また、連結部１５には、芯線５の
両端をそれぞれ係止する係止部（図示せず）が形成され
ている。

【００１６】このように構成されたタモ網では、タモ網
を水中で移動させる際に、断面が流線形に形成されてい
る枠部１が流水を受ける。ここで、枠部本体１１は流水
を流線形に沿って受け流して流水抵抗を低減するので、
大きな力を要せずにタモ網をスムーズに水中で移動させ
ることができる。さらに、芯線５は、溝部１２内に収納
されており、網部２の開口側縁部が枠部１を直接被って
いないので、さらに流水抵抗が軽減されるとともに、タ
モ網の使用中に網部２の開口縁部が摩耗しにくく、網部
２が破損しにくい。

【００１７】［第２実施形態］以下、本発明の第２実施
形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の第２
実施形態を採用したタモ網は、枠部５１と、枠部５１に
取り付けられた網部５２と、枠部５１に連結部材６０を
介して連結されたハンドル５３とを有している。

【００１８】枠部５１は、ステンレス合金やチタン合金
等からなる金属製線状部材を環状に折り曲げて形成した
ものである。そして、両端部はそれぞれ外周方向に折り
曲げられており、この折り曲げられた両端部が連結部
（図示せず）となっている。また、枠部５１は断面が水
滴形に形成されている。一方、網部５２は、ナイロン繊
維等からなる袋状の部材である。網部５２の開口側縁部
が枠部５１を覆うように折り返されて縫合されることに
よって、網部５２は枠部５１に固定されている。

【００１９】なお、その他の構成は第１実施形態と同様
であり、説明を省略する。このように構成されたタモ網
では、タモ網を水中で移動させる際に、断面が流線形に
形成されている枠部５１が流水を受ける。この枠部５１
は流水を流線形に沿って受け流して流水抵抗を低減する
ので、大きな力を要せずにタモ網をスムーズに水中で移
動させることができる。

【００２０】［他の実施形態］ （ａ）前記実施形態では、枠部１の断面は水滴形であっ
たが、これに限定されるものではない。たとえば、図６
に示すように、断面がラグビーボール形であってもよ
い。このときは前記実施形態同様に流線形であるので流
水抵抗を低減することができる。 （ｂ）前記実施形態において、溝部１２は枠部１の側面
に沿って形成されていたが、枠部１の下面に下方に開口
するように形成してもよい。 （ｃ）枠部１の断面は、図７に示すように、ハンドル３
方向に向かって鋭角に形成されていてもよい。例えば、
船釣り等において用いるタモ網は、魚をひきあげる際
に、船から水中にタモ網を差し込み水中でハンドル３を
引き寄せる場合がある。このような場合に、ハンドル３
方向に向かって鋭角な流線形に枠部１の断面が形成され
ていると、水中での流水抵抗が軽減され取扱が容易にな
る。この場合、枠部１の断面の流線形はハンドル３との
連結部付近にのみ形成されていてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明にかかるタモ編みによれば、枠部
の断面が流線形になっているので、水中での使用時の流
水抵抗を軽減させることができ取扱が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を採用したタモ網の全体
図。

【図２】図１の枠部１の拡大断面図。

【図３】図１の連結部材２０付近の上面図。

【図４】図１の連結部材２０付近の断面図。

【図５】本発明の第２実施形態を採用したタモ網の枠部
の断面図。

【図６】本発明の他の実施形態を採用したタモ網の枠部
の断面図。

【図７】本発明のさらに他の実施形態を採用したタモ網
の枠部の断面図。

【符号の説明】

１，５１ 枠部 ２，５２ 網部 ３，５３ハンドル ５ 芯線 １１ 枠本体部 １２ 溝部 １３ 締付部 １４ 縁部 １５ 連結部 ２０ 連結部材 ２１ パイプ部 ２２ 第１固定部 ２３ 第２固定部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】魚釣りに用いるタモ網であって、 断面が流線形に形成されている枠部と、 前記枠部に固定されている袋状の網部と、 前記枠部に連結されたハンドルと、を備えたタモ網。
2. 【請求項２】前記枠部に形成された溝部と、 前記溝部に嵌入された可撓性を有する芯線とをさらに備
   え、 前記網部は前記芯材によって開口縁を係止されている、
   請求項１に記載のタモ網。
3. 【請求項３】前記枠部の断面は前記網部の開口方向に向
   かって鋭角に形成された流線形である、請求項１又は２
   に記載のタモ網。
4. 【請求項４】前記枠部の断面は水滴形である、請求項３
   に記載のタモ網。
5. 【請求項５】前記枠部の断面はラグビーボール形であ
   る、請求項３に記載のタモ網。