JP2000089488A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体および画像形成装置

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JP2000089488A
JP2000089488A JP10253566A JP25356698A JP2000089488A JP 2000089488 A JP2000089488 A JP 2000089488A JP 10253566 A JP10253566 A JP 10253566A JP 25356698 A JP25356698 A JP 25356698A JP 2000089488 A JP2000089488 A JP 2000089488A
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JP10253566A
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English (en)
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Kiyokazu Mashita
清和 真下
Fumio Kojima
文夫 小嶋
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】繰り返し使用において、耐摩耗性が優れ、残留
電位の上昇がなく、表面保護層と感光層との間で剥離が
発生することのない耐刷性に優れた電子写真感光体およ
びそれを備えた接触帯電方式を利用する画像形成装置を
提供する。 【解決手段】導電性支持体上に感光層及び表面保護層を
この順に有する電子写真感光体であって、感光層が式
(I−1)および/または式(I−2)で示される繰り
返し単位よりなるポリカーボネート樹脂を含有し、表面
保護層が下記式(II)で表わされる化合物を含有する。 (式中、R1 〜R4 は、水素、ハロゲン、アルキル基な
どを、R5 〜R12は水素、アルキル基、アリール基など
を、R13及びR14は、一方がアリール基などを、他方が
水素、アルキル基などを表す。) G−D−F (II) (Gは無機ガラス質ネットワークサブグループ、Dは可
とう性有機サブユニット、Fは光電特性サブユニット)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等、広い分野に適用される電子写真感
光体、その製造方法、およびそれを用いた電子写真画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置例えば普通紙複写機
(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンター、
液晶プリンター等は、回転ドラム型等の感光体に帯電、
露光、現像の作像プロセスを適用して像形成し、転写材
に転写した後、定着して複写物を得ている。これらに用
いられる感光体には、セレン、ヒ素−セレン、硫化カド
ミウム、酸化亜鉛、a−Si等の無機系感光体が用いら
れているが、安価で製造性および廃棄性の点で優れた有
機感光体(OPC)の研究開発が活発化しており、中で
も電荷発生層と電荷輸送層を積層した、いわゆる機能分
離型積層感光体が、感度、帯電性およびその繰り返し安
定性等の電子写真特性の点で優れており、実用化されて
いる。
【0003】しかしながら、電子写真感光体に要求され
る耐久性は年々高まって来ており、繰り返し使用による
表面層の摩耗および傷、特に接触帯電下の使用で著しく
増長される表面層の摩耗および傷、あるいはコロナ帯電
器から発生するオゾン等の酸化性ガスによる表面層の酸
化劣化等の問題に対して、耐久性向上に必要な技術の検
討が続けられている。近年、酸化性ガス発生の抑制およ
び電源の低コスト化等の利点から、接触帯電方式を用い
た複写機およびプリンターが種々提案されている。しか
しながら、感光体に対する帯電の均一化をはかる目的で
直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加する直流/
交流帯電方式を用いた場合、感光体表面の摩耗が著しく
増大するという新たな問題が生じ、その場合についての
感光体表面の摩耗低減の要求が一段と高まって来てい
る。
【0004】従来より、感光体の摩耗を低減させる方法
として、感光体表面に機械的強度の高い表面保護層を施
す手段が提案されている。特に、硬化性樹脂を表面保護
層に用いることにより機械的強度を高めることが可能で
あるが、硬化性樹脂のみで表面保護層を構成した場合に
は、表面保護層が絶縁層となり、感光体としての光電特
性を損なうことにならざるを得ない。具体的には、露光
時の明部電位が上昇することにより、現像電位マージン
が狭くなるという問題、および除電後の残留電位が上昇
することにより、複写機等の中での長期の繰り返し使用
を行なった場合に十分な静電コントラストを得ることが
出来なくなるという問題等がある。
【0005】他方、表面保護層に光電特性を付与する手
段についても種々提案されており、例えば、導電性の金
属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面保護層中に分散
する方法が報告されている(特開昭57−128344
号公報)。この方法によって感光体の光電特性の低下を
改善することは可能になるが、一般に導電性微粉末とし
て用いる金属酸化物の表面は吸水性が高く、結果的に表
面保護層の抵抗値も環境の湿度に大きく依存して変化す
るという問題を抱えている。そのため、特に高温高湿下
において感光体の表面抵抗が低下し、静電潜像がぼやけ
ることによって画像品位が大きく低下するという本質的
な問題があった。
【0006】光電特性を改良する他の手段として、結着
樹脂中に電荷輸送化合物を分散し、その後結着樹脂を硬
化させて表面保護層を形成する方法が報告されている
(特開平4−15659号公報)。この方法によれば、
感光体の表面抵抗が湿度に大きく依存する傾向が改善さ
れる。しかしながら、電荷輸送化合物という低分子量成
分を結着樹脂中に添加/分散させたことによって結着樹
脂の硬化反応が阻害され、表面保護層としての機械的強
度が十分に向上せず、摩耗低減のための改善効果が満足
なレベルまで至らないという問題を有している。
【0007】このような観点から、機械的強度と光電特
性を両立させる手段として、ヒドロキシル基を有する電
荷輸送化合物を用いて、その電荷輸送化合物と熱可塑性
結着樹脂との間で相互作用によって水素結合を形成され
る方式が提案されている。(特開平6−202354号
公報)。この方法によれば、感光体の光電特性を低下さ
せずに、十分な機械的強度を初期的には得ることができ
る。しかしながら直流/交流帯電方式による接触帯電下
で長期間繰り返し使用した場合、機械的強度の急激な低
下が起こるという問題点があった。この原因としては、
やはり接触帯電における交流電圧印加により、熱可塑性
結着樹脂の結合が切断されるという強い外的ストレスに
よるものであると考えられており、クリーニングブレー
ド等の機械的クリーニングを用いている場合には、摩耗
が非常に増大してしまう。
【0008】これらの問題を改良する他の手法として、
硬化性高分子と官能基を有する電荷輸送化合物とを組み
合わせることによって、機械的強度と光電特性の両立を
はかる手段が考案されている(特開平9−190004
号公報)。特にシロキサン結合を有するケイ素系硬化性
高分子と官能基を有するケイ素系電荷輸送化合物とを硬
化することによって得られる表面保護層は、初期的な光
電特性を何ら低下させることなく、緻密な3次元架橋構
造を形成して膜としての硬度を増大させ、接触帯電下で
の長期繰り返し使用においても、優れた機械的強度を発
現し得るものと考えられる。
【0009】しかしながら、これらのケイ素系保護層を
従来の電荷輸送層上に積層して感光体を作製した場合、
複写機およびレーザープリンター等の中での長期の繰り
返し使用において、初期的には良好であった光電特性が
繰り返し使用により悪化して行く傾向がある。特に初期
的に良好であった残留電位が徐々に上昇し、画像品位を
保つために必要な静電コントラストを得ることが出来な
くなってしまう。さらに長期の繰り返し使用において
は、その表面保護層と電荷輸送層の間で塗膜の剥離が生
じ、表面保護層としての機能を果たすことが出来なくな
るという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑みてなされたものであって、その目的は、複写機およ
びレーザープリンター等による長期の繰り返し使用にお
いて、感光体の摩耗に対する優れた機械的強度を保ちな
がら、同時に残留電位の上昇を抑制し、さらに表面保護
層と下層である感光層、例えば電荷輸送層との間での塗
膜の剥離を発生することのない耐刷性に優れた電子写真
感光体を提供することにある。本発明の他の目的は、上
記の電子写真感光体を備えた接触帯電方式を利用する画
像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、導電性支
持体上に感光層および表面保護層をこの順に有する電子
写真感光体において、前記感光層に特定のポリカーボネ
ート樹脂を用い、また、表面保護層に特定の化合物を含
有させることによって、上記の問題が解決できることを
見出した。特に、この感光体を接触帯電方式と機械的ク
リーニング手段を有する電子写真画像形成装置に用いた
場合に、耐刷性を飛躍的に向上させることができること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層および
表面保護層をこの順に有するものであって、その感光層
が、下記式(I−1)で示される繰り返し単位よりなる
ポリカーボネート樹脂、下記式(I−2)で示される繰
り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂または下記式
(I−1)および式(I−2)で示される繰り返し単位
よりなる共重合ポリカーボネート樹脂を含有し、さらに
前記表面保護層が下記式(II)で表わされる化合物を含
有することを特徴とする。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリール
置換アルキル基またはシクロヘキシル基を表し、R5
12はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数6〜12のアリール基、またはアリール置換アル
キル基を表し、R13およびR14は、一方が炭素数6〜1
2のアリール基またはアリール置換アルキル基を表し、
他方が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6
〜12のアリール基またはアリール置換アルキル基を表
し、ただし、R5 〜R12のいずれかがt−ブチル基を表
す場合、R13およびR14は、それぞれ水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ま
たはアリール置換アルキル基を表すか、またはR13とR
14が一緒になって脂環式炭素環若しくはラクトン環を形
成するのに必要な原子団を表す。)
【0014】G−D−F (II) (式中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを
表し、Dは可とう性有機サブユニットを表し、Fは光電
特性サブユニットを表す。)
【0015】本発明の好ましい態様は、前記式(II)で
表わされる化合物が表面保護層中で架橋構造を形成して
いるものであり、さらに前記式(II)で表わされる化合
物が下記式(III )で表わされる場合である。
【0016】
【化4】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ置換または未置換
のアリール基を表し、Ar5 は、kが0の場合は置換ま
たは未置換のアリール基を表し、kが1の場合は置換ま
たは未置換のアリーレン基を表し、かつAr1 〜Ar5
のうち1〜4個は、G−D−で表される置換基を有し、
kは0または1を表す。)
【0017】また、前記式(II)における基G−D−が
下記式(IV)で表わされる場合が好ましい。 −Y−Si(R15(3-a) (OR16a (IV) (式中、R15は水素原子、アルキル基、置換または未置
換のアリール基を表し、R16は水素原子、アルキル基ま
たはトリアルキルシリル基を表わし、aは1〜3の整数
を表し、Yは2価の基を示す。)
【0018】また、前記式(IV)中のYが、メチレン
基、−Cx 2x−、−Cx 2x-2−、−Cx 2x-4
(ただし、xは2〜15の整数を表す。)、置換または
未置換の2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香脂肪族炭
化水素基、−CH=N−、−O−、および−COO−か
らなる群より選ばれた1種以上を含有する2価の基であ
るのが好ましい。
【0019】本発明の電子写真画像形成装置は、電子写
真感光体、その帯電手段および機械的なクリーニング手
段を有するものであって、電子写真感光体が上記の電子
写真感光体よりなり、かつ帯電手段が接触帯電器である
ことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体に
ついて詳細に説明する。本発明の電子写真感光体は、導
電性支持体上に感光層および表面保護層をこの順に有
し、必要に応じて下引き層、その他の層を有する。
【0021】(導電性支持体)本発明に用い得る導電性
支持体としては、一般に電子写真感光体の導電性支持体
として用いられているものであれば特に制限はなく、例
えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼
等の金属類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化イン
ジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィル
ム、導電性付与剤を塗布または含浸させた紙およびプラ
スチックフィルム等が挙げられる。
【0022】前記導電性支持体には、画質に影響のない
範囲で必要に応じて各種の処理を行うことができる。こ
のような処理としては、例えば、導電性支持体の表面の
陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理、着色処
理、砂目立て等の乱反射処理等があげられる。前記導電
性支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、例えば、ドラム状、シート
状、プレート状等があげられる。
【0023】(下引き層)前記導電性支持体の一方の表
面には感光層が設けられるが、本発明においては、導電
性支持体と感光層との間に下引き層を好適に設けること
ができる。電子写真感光体に下引き層が設けられている
と、下引き層が感光層の帯電時において、導電性支持体
から感光層への電荷の注入を阻止するとともに、感光層
を導電性支持体に対して一体的に接着させ、保持させる
接着層としての作用および場合によっては導電性支持体
の光の反射光防止作用を示すことができる等の利点を有
する。下引き層としては、一般に電子写真感光体の下引
き層に用いられている材質で形成することができ、例え
ば、少なくとも結着樹脂を含み、更に必要に応じて微粒
子等を含ませることができる。
【0024】前記結着樹脂としては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポ
リアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、
ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミ
ン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウムキレート
化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシ
ド化合物、有機チタニル化合物、シランカップリング剤
等があげられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0025】前記微粒子としては、例えば、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、
チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等があげられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0026】下引層を形成する際の塗布方法としては、
特に制限はないが、例えば、ブレードコーティング法、
マイヤーバーコティング法、スプレーコーティング法、
浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナ
イフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常
の塗布方法が用いられる。下引層の厚みとしては、通
常、0.01〜10μmの範囲であり、0.05〜2μ
mの範囲が好ましい。
【0027】(感光層)本発明の電子写真感光体におけ
る該感光層は、単層型であってもよいし、電荷発生層と
電荷輸送層の順に積層して機能分離された積層型であっ
てもよい。感光層が積層型の場合には、前記式(I−
1)で示される繰り返し単位よりなるポリカーボネート
樹脂、前記式(I−2)で示される繰り返し単位よりな
るポリカーボネート樹脂または前記式(I−1)および
式(I−2)で示される繰り返し単位よりなる共重合ポ
リカーボネート樹脂が電荷輸送層中に含有される。感光
層が積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層の積層順
序はいずれが上層であってもよいが、以下の説明におい
ては、電荷輸送層を上層とした場合について主として述
べる。
【0028】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着に
より形成するか、または有機溶剤中の結着樹脂に電荷発
生材料を分散させ、塗布することにより形成することが
できる。本発明において使用される電荷発生材料として
は、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合金、セレン
−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレン合金、粒
状セレン、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材
料、フタロシアニン系、スクアリウム系、アントアント
ロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレ
ン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料お
よび染料が用いられる。これ等の中でもフタロシアニン
顔料、特に無金属フタロシアニン、チタニルフタロシア
ニン、ガリウムフタロシアニンを用いた感光体は、近赤
外線の半導体レーザー波長(780〜830nm)で感
度が高く、長期にわたって安定な電気特性を示すので好
ましい。
【0029】具体的には、CuKαによるX線回折スペ
クトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少
なくとも6.8°、12.8°、15.8°、および2
6.0°に強い回折ピークを有するガリウムフタロシア
ニン、CuKαによるX線回折スペクトルのブラッグ角
度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、
9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、2
5.1°、および28.3°に強い回折ピークを有する
ヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKαによるX
線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)に
おいて、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°
および28.3°に強い回折ピークを有するクロロガリ
ウムフタロシアニンを好ましいものとしてあげることが
できる。
【0030】また可視光波長領域においては、アントア
ントロン系顔料が長期にわたって安定な電気特性を示
し、粒状セレン、特に粒状三方晶系セレンにおいては長
期にわたって安定な電気特性を示すほかに、さらに高感
度の特性を示す。
【0031】電荷発生層における結着樹脂としては、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、
ブチラールの一部がホルマールまたはアセトアセタール
等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール
樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレ
ン等があげられる。
【0032】これ等の中で特にポリビニルアセタール系
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノキシ
樹脂および変性エーテル型ポリエステル樹脂が好まし
い。これらの樹脂は、前記フタロシアニン系またはアン
トアントロン系顔料および粒状三方晶セレンをよく分散
させ、顔料が凝集せず長期にわたり分散塗工液が安定
で、その塗工液を用いることで均一な被膜を形成し、そ
の結果、電気特性を良くし画質欠陥を少なくすることが
できる。しかしながら、通常の状態で被膜を形成し得る
樹脂であれば、こららに限定されるものではない。これ
らの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、
体積比で、5:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0033】電荷発生層の塗工液を調製する際に用いら
れる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸
メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常塗工
液に使用される有機溶剤を単独あるいは2種以上混合し
て用いることができる。
【0034】塗工液の塗布方法としては、ブレードコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコ
ーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティン
グ法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティ
ング法等の通常使用される方法を用いることができる。
電荷発生層の厚みは一般的に0.01〜5μm、好まし
くは0.1〜2.0μmの範囲が適当である。この厚さ
が0.01μmよりも薄いと、電荷発生層を均一に形成
することが困難になり、5μmを越えると電子写真特性
が著しく低下する傾向がある。また電荷発生層には、必
要に応じて、レベリング剤(表面の平滑化)、カップリ
ング剤(密着性向上)、等公知の添加剤を添加してもよ
い。
【0035】電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送材料と
前記式(I−1)で示される繰り返し単位よりなるポリ
カーボネート樹脂、前記式(I−2)で示される繰り返
し単位よりなるポリカーボネート樹脂または前記式(I
−1)および前記式(I−2)で示される繰り返し単位
よりなる共重合ポリカーボネート樹脂をを含有して形成
される。
【0036】本発明において、式(I−1)で示される
繰り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂、式(I−
2)で示される繰り返し単位よりなるポリカーボネート
樹脂および式(I−1)および式(I−2)で示される
繰り返し単位よりなる共重合ポリカーボネート樹脂は、
その粘度平均分子量が1万〜20万の範囲にあるものを
用いることができ、分子量分布の比較的揃ったポリカー
ボネート樹脂であれば、2万〜10万の範囲にあるもの
が好ましい。粘度平均分子量が1万未満では塗布液粘度
が低く、必要とする膜厚が得られず、浸漬塗布した場合
の膜厚ムラを生ずる。また1万〜2万の場合にも、形成
された塗膜は機械的強度が低く、耐摩耗性が悪い。20
万より大きい場合には、逆に塗布液粘度が高すぎて、必
要とする膜厚の制御が難しくなるという問題がある。し
かしながら、これらの問題は、粘度平均分子量が1万〜
20万のポリカーボネート樹脂または共重合ポリカーボ
ネート樹脂を適度に混合して用いることにより改善され
るため、異種の粘度平均分子量を有するポリカーボネー
ト樹脂または共重合ポリカーボネート樹脂を混合して用
いてもよい。また前記ポリカーボネート樹脂または共重
合ポリカーボネート樹脂が奏する作用、効果を損なわな
い範囲内で、他の異種のポリカーボネート樹脂と混合し
て用いることもできる。
【0037】本発明で用いるポリカーボネート樹脂を構
成する繰り返し単位の具体例を、表1および表2に記載
する。表1は式(I−1)で示される繰り返し単位を示
し、表2は式(I−2)で示される繰り返し単位を示す
が、これに限定されるものではない。また、共重合ポリ
カーボネート樹脂の場合、式(I−1)で示される繰り
返し単位および式(I−2)で示される単位の共重合比
は20:80〜80:20の範囲が好ましい。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】また、式(I−2)で示される繰り返し単
位よりなるポリカーボネート樹脂として、その範疇に含
まれる下記式(I−3)で示される繰り返し単位よりな
るポリカーボネート樹脂の例を表3に示す。
【化5】 (式中、t−Buはtert−ブチル基を表し、hは1
または2の整数を意味し、R13およびR14は前記したと
同意義を有する。)
【0041】
【表3】
【0042】電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノ
ン、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキ
ノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、
2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン
化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子
吸引性物質、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン
系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エ
チレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系
化合物、ヒドラゾン系化合物等があげられる。これらの
電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いること
ができる。
【0043】これらの電荷輸送材料の中でも、下記式
(V)で示されるトリアリールアミン系化合物および/
または下記式(VI)で示されるベンジジン系化合物を用
いることが特に好ましい。
【化6】
【0044】(式中、R17は、水素原子またはメチル基
を示す。また、pは1または2を意味する。Ar6 およ
びAr7 は、それぞれ置換または未置換のアリール基を
示し、置換基としては水素原子、ハロゲン原子、炭素数
が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲の
アルコキシ基、または炭素数が1〜3の範囲のアルキル
基で置換された置換アミノ基を示す。R18およびR19
同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン
原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基または炭素数
が1〜5の範囲のアルコキシ基を示し、R20〜R23は同
一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜
5の範囲のアルコキシ基、または炭素数が1〜3の範囲
のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。また
q、r、sおよびtは、それぞれ1または2を意味す
る。)
【0045】ここで、式(V)で示されるトリアリール
アミン系化合物の具体例を表4および表5に、また式
(VI)で示されるベンジジン系化合物の具体例を表6に
それぞれ記載するが、これらに限定されるものではな
い。なおこれらの電荷輸送材料は単独でも、2種以上を
混合して用いてもよく、トリアリールアミン系化合物と
ベンジジン系化合物を混合して用いてもよい。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】電荷輸送層には、帯電器で発生するオゾン
等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止
剤を添加してもよい。電荷輸送層は最表層ではないので
酸化性ガスに直接触れることはないが、これら酸化性ガ
スが表面保護層を透過して電荷輸送層まで浸入すること
があり、これによる酸化劣化を防止するためのものであ
る。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系また
はヒンダードアミン系の化合物が望ましく、有機イオウ
系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカ
ルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、
ベンズイミダゾール系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤
を用いてもよい。酸化防止剤の添加量は、電荷輸送層の
15重量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望
ましい。
【0050】これらの酸化防止剤の中でも以下の式(VI
I )、(VIII)、(IX)で示される化合物が特に望まし
い。
【化7】
【0051】(R24は水素原子または分岐状のアルキル
基を表し、R25〜R27は水素原子、炭素数1〜5の直鎖
または分岐状アルキル基、ヒドロキシ基、リン酸エステ
ル基、アミノ基またはエステル基を表し、R28は水素原
子または炭素数1〜5の直鎖または分岐状アルキル基を
表す。R29は水素原子またはカルボニル基を表し、R30
およびR34は分岐状のアルキル基を表し、R31〜R33
よびR35〜R37は水素原子または炭素数1〜5の直鎖ま
たは分岐状のアルキル基を表し、Wは直接結合または連
絡基を表し、nは正の整数であり、m+nは2〜4であ
る。R38〜R41は、それぞれ水素原子、アルキル基また
はアリール基を示し、Zは含窒素脂肪族炭化水素環を構
成するのに必要な原子団を示す。)
【0052】電荷輸送層を設ける時に用いる溶剤として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等
の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケト
ン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エ
チルエーテル、ジオキサン等の環状もしくは直鎖状のエ
ーテル類等の通常使用される有機溶剤を単独あるいは2
種以上混合して用いることができる。電荷輸送層の塗布
方法は、電荷発生層の場合と同様の方法を用いることが
できる。電荷輸送層の膜厚は5乃至50μmであり、好
ましくは10〜40μmである。
【0053】本発明において、感光層が単層型感光層の
場合には、電荷発生材料と結着樹脂とを含有し、必要に
応じて電荷輸送材料も含有させて形成される。電荷発生
材料としては、前記電荷発生層に用いられる電荷発生材
料と同様のものを用いることができる。結着樹脂として
は、前記電荷輸送層に用いられる前記式(I−1)で示
される繰り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂、前
記式(I−2)で示される繰り返し単位よりなるポリカ
ーボネート樹脂または前記式(I−1)および式(I−
2)で示される繰り返し構造単位よりなる共重合ポリカ
ーボネート樹脂を用いることができる。また、溶剤とし
ては、電荷発生層および電荷輸送層に用いられる溶剤と
同様のものを用いることができる。
【0054】本発明の単層型感光層中の電荷発生材料の
含有量は、10〜85重量%程度、好ましくは20〜5
0重量%に設定される。本発明において、単層型感光層
には、必要に応じて電荷輸送材料を添加してもよい。電
荷輸送材料としては、電荷輸送層に用いられる電荷輸送
材料と同様のものを用いることができが、その添加量は
5〜50重量%とすることが好ましい。さらに単層型感
光層には、必要に応じて電荷輸送層の場合と同様の理由
から酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤として
は、前記にあげたものと同様のものを用いることができ
るが、その添加量は15重量%以下、好ましくは10重
量%以下に設定される。
【0055】単層型感光層を形成する場合の塗布方法
は、電荷発生層や電荷輸送層に関して述べたものと同様
のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度
であり、10〜40μmの範囲にするのがさらに好まし
い。
【0056】(表面保護層)表面保護層は、前記式(I
I)で表わされる化合物を含有するが、式(II)におい
て、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを表
す。無機ガラス質ネットワークサブグループとは、金属
酸化物の結合を有するものであり、末端の反応基によっ
て、他の無機ガラス質ネットワークサブグループと結合
を繰り返し、無機ガラス質ネットワークを形成し得るも
のである。
【0057】具体的には、アルコキシド、酸、塩化物等
の加水分解および縮合を受け得る任意の無機物質から得
ることができが、好ましくは、Si、Al、Ti、C
u、Fe、As、Se、Te等の原子に炭素数1〜20
程度のアルコキシ基またはアリールオキシ基が結合した
化合物を用いることにより導入することができる。
【0058】また、式(II)で表される化合物中のGで
表される無機ガラス質ネットワークサブグループを介し
て結合し得る化合物は、式(II)で表される化合物から
選択されたものであってもよいし、単に式(II)で表さ
れる化合物中のGで表される無機ガラス質ネットワーク
サブグループと結合し得る他の化合物であってもよい。
ここで結合し得る他の化合物としては、公知の有機金属
化合物を用いることができ、ジルコニウムキレート化合
物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカ
ップリング剤等の有機ジルコニウム化合物、チタンキレ
ート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカ
ップリング剤等の有機チタン化合物、アルミニウムキレ
ート化合物、アルミニウムカップリング剤等の有機アル
ミニウム化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド、
アルミニウムチタンアルコキシド等があげられる。ま
た、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、γ−グリシドシキプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン等のシランカップリン
グ剤も好ましく使用でき、これらは所望の感光層の特性
を得るために適宜選択し得る。
【0059】表面保護層においては、式(II)で表され
る化合物同士がGで表される無機ガラス質ネットワーク
サブグループを介して感光層中で架橋構造の少なくとも
一部を形成していることにより、単位体積中の結合エネ
ルギーが大きくなり、放電や機械的接触などの強いスト
レスに対する耐性が高くなる。さらに、万一これらのス
トレスにより結合の一部が切断されたとしても、架橋構
造を形成しているため直ちに低分子量化することはな
く、したがって機械的強度がすぐに失われることもな
い。
【0060】式(II)において、Dは可とう性有機サブ
ユニットを表す。可とう性有機サブユニットとは、架橋
構造を形成するGで表される無機ガラス質ネットワーク
サブグループとFで表される光電特性サブユニットとを
結合させるための連結部であり、具体的には、メチレン
基、−Cx 2x−、−Cx 2x-2−、−Cx 2x-4
(ただし、xは2〜15の整数を表す。)、−COO
−、−S−、−O−、−CH2 −、−C6 4 −、−C
2 −C6 4 −、−CH=N−、−(C6 4 )−
(C6 4 )−、またはこれらの組み合わせや置換基を
導入したもの等があげられる。
【0061】式(II)において、Fは光電特性サブユニ
ットを表す。光電特性サブユニットとは、前述のように
光キャリア輸送特性を有するユニットであり、従来、電
荷輸送物質として知られている構造をそのまま用いるこ
とができる。具体的には、トリアリールアミン系化合
物、ベンジン系化合物、アリールアルカン系化合物、ア
リール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、ア
ントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送
性を有する化合物の骨格、およびキノン系化合物、フル
オレノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物
等の電子輸送性を有する化合物の骨格を用いることがで
きる。
【0062】本発明の感光体において、式(II)で示さ
れる化合物は、Fで表される光電特性サブユニットを有
しており、且つ、好ましくはこれがGで表される無機ガ
ラス質ネットワークサブグループを介して、架橋構造の
少なくとも1部に直接結合しているため、架橋構造の機
械的強度特性を失うことなく、光電特性を付与すること
が可能となる。つまり、式(II)で示される化合物を含
む層は、その機械的特性から感光体表面の表面保護層と
して使用可能なだけでなく、積層型感光体の電荷輸送層
としても機能することができる。
【0063】本発明において、表面保護層に用いられる
式(II)で表される化合物が、下記式(III )で表され
る化合物であることが好ましい。
【化8】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ置換または未置換
のアリール基を表し、Ar5 は、kが0の場合は置換ま
たは未置換のアリール基を表し、kが1の場合は置換ま
たは未置換のアリーレン基を表し、かつAr1 〜Ar5
のうち1〜4個は、G−D−で表される置換基を有し、
kは0または1を表す。)
【0064】式(III )において、Ar1 〜Ar4 は、
それぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示し、
具体的には、下記構造群1に示す基が挙げられる。 構造群1
【化9】
【0065】構造群1の構造式中、Ar8 は、アリーレ
ン基を表し、R42は、水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4
のアルコキシ基で置換されたフェニル基または未置換の
フェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、R
43は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、bお
よびcは0または1を表し、dは1から3の整数を表
す。Z1 は、下記構造群2に示す基から選択される。
【0066】構造群2
【化10】 構造群1の構造式中、Xは、G−D−で表される置換基
であり、下記式(IV)で表される置換基が好ましい。
(以下構造群におけるXは同意義を有する。) −Y−Si(R15(3-a) (OR16a (IV) (式中、R15は水素原子、アルキル基、置換または未置
換のアリール基を表し、R16は水素原子、アルキル基ま
たはトリアルキルシリル基を表わし、aは1〜3の整数
を表し、Yは2価の基を示す。)
【0067】Yの具体例としては、下記構造群3に示す
基があげられる。 構造群3
【化11】 構造群3の構造式中、x′は1〜10の整数、x″は2
〜15の整数、yおよびzはそれぞれ1〜5の整数を表
す。この中でも特に、下記構造群4に示す基が好まし
い。
【0068】構造群4
【化12】
【0069】式(IV)で示される基を有する式(III )
で示される化合物において、Ar5は、置換もしくは未
置換のアリール基またはアリーレン基を表し、k=0の
場合、具体例としては下記構造群5に示す基があげられ
る。 構造群5
【化13】 (式中、eは0または1を表す。)
【0070】また、k=1の場合、Ar5 の具体例とし
ては下記構造群6に示す基があげられる。 構造群6
【化14】
【0071】構造群5および6の構造式中、Arは下記
構造群7に示す基から選択され、 構造群7
【化15】
【0072】また、Z2 は下記構造群8に示す基から選
択される。 構造群8
【化16】
【0073】構造群8の構造式中、R44は、水素、炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、
ハロゲンから選択される。またfおよびgはそれぞれ1
〜10の整数、vは1または2の整数を示し、Vは下記
構造群9に示す基から選択される。 構造群9
【化17】 構造群9の構造式中、s′は0〜3の整数を表す。
【0074】以下の表7〜45に、式(III )の例示化
合物を「化合物1〜化合物256」として、具体的な官
能基を示すことにより例示するが、しかし、本発明は、
これらに限られるものではない。なお表中、Xは、基:
G−D−を意味する。
【0075】(1官能トリフェニルアミン)
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】
【表11】
【0080】
【表12】
【0081】
【表13】
【0082】
【表14】
【0083】
【表15】
【0084】
【表16】
【0085】
【表17】
【0086】(1官能ベンジジン)
【表18】
【0087】
【表19】
【0088】
【表20】
【0089】(2官能トリフェニルアミン)
【表21】
【0090】
【表22】
【0091】
【表23】
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
【表26】
【0095】
【表27】
【0096】
【表28】
【0097】(2官能ベンジジン)
【表29】
【0098】
【表30】
【0099】
【表31】
【0100】
【表32】
【0101】
【表33】
【0102】
【表34】
【0103】
【表35】
【0104】
【表36】
【0105】
【表37】
【0106】(3官能トリフェニルアミン)
【表38】
【0107】
【表39】
【0108】
【表40】
【0109】
【表41】
【0110】
【表42】
【0111】(4官能ベンジジン)
【表43】
【0112】
【表44】
【0113】
【表45】
【0114】本発明の表面保護層に用いられる前記式
(III )表される化合物の含有量は1〜100重量%の
範囲で使用できるが、好ましくは10〜90重量%、さ
らに好ましくは40〜60重量%とするのが好ましい。
【0115】本発明において、感光層に用いられる酸化
防止剤は、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによ
る劣化を防止する目的で添加される。感光体表面の機械
的強度を高めると感光体が酸化性ガスにより長い間接触
することになるため、従来より強い耐性が要求される。
そこで、本発明の電子写真感光体では、式(II)で表さ
れる化合物におけるFで表される光電特性サブユニット
の構造として耐酸化性のあるものを用いることに加え
て、酸化防止剤を添加することによって高い耐酸化性を
持つものとなる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェ
ノール系あるいはヒンダードアミン系化合物が好ましい
が、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防
止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア
系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤等の公
知の酸化防止剤を用いてもよい。これらの酸化防止剤の
中でも前記式(VII )、(VIII)および(IX)で示され
る化合物が特に望ましい。
【0116】本発明の表面保護層に用いられる酸化防止
剤の添加量としては、表面保護層の15重量%以下が好
ましく、10重量%以下がさらに好ましい。添加量が1
5重量%を超えると、機械的強度の低下、光電特性の低
下等の弊害が生じてしまう。
【0117】前記式(II)表される化合物を含有して架
橋膜を形成する場合、前記式(II)表される化合物は単
独で架橋反応可能であり、架橋硬化膜を形成することが
できる。しかしながら、表面性および機械的強度等の膜
特性をさらに良好にするためには、前記式(II)で表さ
れる化合物におけるGで表される無機ガラス質ネットワ
ークサブグループを介して結合し得る他の硬化性化合物
を同時に用いることが望ましく、具体的硬化性化合物と
しては、シリコンハードコート等として公知の硬化性シ
ロキサン樹脂を用いることができる。さらに具体的に
は、複数のシラノール基を有する有機系シロキサン樹
脂、アルコキシシラン、シランカップリング剤、および
それらの混合物等を用いることができる。本発明におい
ては、必要に応じて表面保護層中に、所望の特性を得る
ために前記必須成分の他、公知の添加剤例えばシリコン
オイル等のレベリング剤等を含有させてもよい。
【0118】本発明において、感光層上に表面保護層を
設ける場合、前記式(II)で表される化合物を表面保護
層に含有するのは前述の通りであるが、表面保護層を形
成するには、前記式(II)で表される化合物と共に、必
要に応じて、前記の硬化性化合物である硬化性シロキサ
ン樹脂等に、溶剤等を必要に応じて混合した塗液を調製
し、感光層上に塗布した後、加熱することにより架橋硬
化させるのが、表面強度の観点から好ましい。
【0119】本発明において表面保護層の形成に用いら
れる溶剤は、液粘度調整等のために添加されるものであ
り、用い得る溶剤としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機溶剤が
あげられ、これらを単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。
【0120】本発明の表面保護層の形成において、架橋
硬化反応を行う際には、無触媒で行なってもよいが、適
切な触媒を用いることもできる。触媒としては、塩酸、
硫酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸触媒、アン
モニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等
の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テト
ライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機
カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、
ジルコニウム塩等があげられる。また、硬化反応の際の
温度は特に制限はないが、好ましくは、室温〜150℃
に設定する。
【0121】本発明において、式(II)で表される化合
物を含有する表面保護層の塗布方法としては、ブレード
コーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレ
ーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーテ
ィング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコー
ティング法等の通常の方法を用いることができる。表面
保護層の膜厚は、1〜10μm程度とするのが好まし
い。
【0122】(画像形成装置)本発明において、画像形
成装置は、少なくとも、前述した電子写真感光体、その
帯電手段および機械的なクリーニング手段を有する電子
写真方式の画像形成装置であり、かつ帯電手段が接触帯
電方式を採用する接触帯電器であることを特徴とするも
のである。レーザー光学系やLEDアレイなどの露光手
段、トナー等を用いて像を形成する現像手段、トナー像
を紙等の媒体に写し取る転写手段、トナー像を紙等の媒
体に定着させる定着手段、感光体表面に残留している静
電潜像を除去する除電手段、機械的なクリーニング手段
等も必要に応じて公知の手段を備えていてもよい。機械
的なクリーニング手段とは、感光体表面に直接接触し、
表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミ等を除去するも
のであり、ブレード、ブラシ、ロール等公知のものを用
いることができる。
【0123】図1は本発明の画像形成装置の一例を示す
概略構成図である。本発明の画像形成装置は、感光体1
0、帯電ロール12よりなる接触帯電器、レーザー露光
光学系14、粉体トナーを用いた現像器16、転写用ベ
ルト18、クリーニングブレード20、定着用ロール2
2を有している。また、転写用ベルト18とクリーニン
グブレード20との間には、除電用の光源を配置しても
よい。
【0124】本発明の画像形成装置において、接触帯電
方式を採用する接触帯電器は、感光体表面に接触させた
導電性部材に電圧を印加することにより感光体表面を帯
電させるものである。導電性部材の形状はブラシ状、ブ
レード状、ピン電極状、あるいはローラー状等何れでも
よいが、特にローラー状の部材が好ましい。通常、ロー
ラー状の部材は外側から抵抗層とそれらを支持する弾性
層と芯材から構成される。さらに必要に応じて抵抗層の
外側に保護層を設けることができる。
【0125】本発明の接触帯電器を構成する導電性部材
において、芯材の材質としては、導電性を有するもの
で、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケル等が用いられる。またその他導電性粒子等
を分散した樹脂成形品等を用いることができる。本発明
の導電性部材において、弾性層の材質としては、導電性
または半導電性を有するもので、一般にはゴム材に導電
性粒子または半導電性粒子を分散したものである。ゴム
材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリ
イソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコンゴム、
ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可
塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコー
ンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。導電性
粒子または半導電性粒子としては、カーボンブラック、
亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタ
ニウム等の金属、ZnO−Al2 3 、SnO2 −Sb
2 3 、In2 3 −SnO2 、ZnO−TiO2 、M
gO−Al2 3 、FeO−TiO2 、TiO2 、Sn
2 、Sb2 3 、In2 3 、ZnO、MgO等の金
属酸化物が用いることができ、これらの材料は単独ある
いは2種以上混合して用いてもよい。
【0126】本発明における導電性部材において、抵抗
層および保護層の材質としては結着樹脂に導電性粒子ま
たは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したもの
で、抵抗率としては103 〜1014Ωcm、好ましくは
105 〜1012Ωcm、さらに好ましくは107 〜10
12Ωcmの範囲である。また膜厚としては、0.01〜
1000μm、好ましくは0.1〜500μm、さらに
好ましくは0.5〜100μmの範囲である。結着樹脂
としてはアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹
脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイ
ロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FE
P、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエ
ン樹脂等が用いられる。導電性粒子または半導電性粒子
としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金
属酸化物が用いられる。また必要に応じてヒンダードフ
ェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、
カオリン等の充填剤やシリコーンオイル等の潤滑剤を添
加することができる。
【0127】本発明における導電性部材を構成する上記
の各層を形成する手段としては、ブレードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
を用いることができる。
【0128】これらの導電性部材より構成される接触帯
電器を用いて感光体を帯電させる方法としては、接触帯
電器の導電性部材に電圧を印加するが、印加電圧は直流
電圧、または直流電圧に交流電圧を重畳したものが好ま
しい。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光
体帯電電位に応じて正または負の50〜2000Vが好
ましく、特に100〜1500Vの範囲が好ましい。交
流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400〜18
00V、好ましくは800〜1600V、さらに好まし
くは1200〜1600Vの範囲である。交流電圧の周
波数は50〜20,000Hz、好ましくは100〜
5,000Hzの範囲である。
【0129】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以
下の実施例及び比較例における「部」は、重量部を意味
する。 実施例1 <下引き層の形成>ホーニング処理を施したアルミニウ
ムパイプ(外径30mm)基体上に、ジルコニウム化合
物(オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)1
0部、シラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)
1部、イソプロパノール40部およびブタノール20部
からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃
において10分間加熱乾燥して、膜厚0.1μmの下引
層を形成した。
【0130】<電荷発生層の形成>X線回折スペクトル
におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、
16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピーク
を持つクロロガリウムフタロシアニンの1部を、ポリビ
ニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)
1部および酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビ
ーズと共にペイントシェーカーで1時間処理して分散し
た後、得られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コーテイ
ング法で塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して、膜
厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0131】<電荷輸送層の形成>前記例示化合物(VI
−1)のベンジジン化合物2部および前記例示した繰り
返し単位(I−1−2)よりなるポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量38,000)3部をクロロベンゼン
20部に溶解させて得られた塗布液を、前記電荷発生層
上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間
加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0132】<表面保護層の形成>例示化合物(化合物
151)10部、硬化性シロキサン樹脂(X−40−2
239、信越シリコン社製)20部、フェニルトリエト
キシシラン3部、フッ素含有シランカップリング剤(K
BM−7803、信越シリコン社製)2部、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤(MDP−S、スミライザー社
製)1部および酢酸1部を混合して得られた塗布液を、
前記電荷輸送層上にスプレー塗布し、30分の指触乾燥
の後、120℃で60分間加熱処理を行ない、膜厚5μ
mの表面保護層を形成した。以上のようにして、電子写
真感光体を作製した。
【0133】実施例2〜7 実施例1の電荷輸送層において、繰り返し単位(I−1
−2)よりなるポリカーボネート樹脂の代わりに、表4
6で示されるポリカーボネート樹脂を用いた以外は、実
施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【表46】
【0134】実施例8 実施例1の電荷輸送層において、繰り返し単位(I−1
−2)よりなるポリカーボネート樹脂の代わりに、繰り
返し単位(I−1−11/I−3−4)(共重合比:7
0/30)よりなる共重合ポリカーボネート樹脂(粘度
平均分子量42,000)を用い、表面保護層の例示化
合物(化合物151)の代わりに、例示化合物(化合物
73)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0135】実施例9〜12 実施例8の電荷輸送層において、繰り返し単位(I−1
−2)よりなるポリカーボネート樹脂の代わりに、表4
7で示される共重合ポリカーボネート樹脂を用いた以外
は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【表47】
【0136】実施例13〜16 実施例1の電荷輸送層において、繰り返し単位(I−1
−2)よりなるポリカーボネート樹脂の代わりに、表4
8で示されるポリカーボネート樹脂を用いた以外は、実
施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【表48】
【0137】実施例17〜20 実施例1の電荷輸送層において、繰り返し単位(I−1
−2)よりなるポリカーボネート樹脂の代わりに、表4
9で示されるポリカーボネート樹脂を用い、表面保護層
の例示化合物(化合物151)の代わりに、例示化合物
(化合物73)を用いた以外は、実施例1と全く同様に
して電子写真感光体を作製した。
【表49】
【0138】比較例1 実施例1の電子写真感光体の電荷輸送層の形成におい
て、結着樹脂として下記構造式Aで示される繰り返し単
位よりなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量3
8,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして
比較用の電子写真感光体を作製した。
【化18】
【0139】比較例2 実施例1の電子写真感光体の電荷輸送層の形成におい
て、結着樹脂として下記構造式Bで示される繰り返し単
位よりなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量3
9,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして
比較用の電子写真感光体を作製した。
【化19】
【0140】上記のようにして得られた実施例1〜20
及び比較例1〜2の電子写真感光体を、デジタルフルカ
ラープリンター(Color Laser Wind
3320PSの改造機、富士ゼロックス製)に装着し、
耐刷性テストを行なった。この 「Color Las
er Wind 3320PS改造機」は、接触帯電用
の帯電ロール、レーザー露光光学系、トナー現像器、転
写ベルト、クリーニングブレード、定着ロールを有する
ものであった。
【0141】耐刷性については、10万枚の印刷を行っ
た場合の、摩耗による感光体の膜厚減少量(摩耗量)、
残留電位の上昇、感光層または電荷輸送層と表面保護層
の間の塗膜の剥離の有無、およびそれに起因する画質欠
陥発生の有無を測定または観察することにより評価し
た。評価結果を表50に示す。
【0142】
【表50】
【0143】表50より、実施例1〜20の電子写真感
光体を用いた場合は、長期の繰り返し使用による試験に
おいて良好な耐摩耗性を示し、同時に残留電位の上昇が
少なく、且つ表面保護層と電荷輸送層との間での塗膜の
剥離は観察されなかった。これに対して、比較例1の電
子写真感光体は、同様の試験後の残留電位の上昇が大き
く、同時に表面保護層と電荷輸送層との間での塗膜の剥
離による筋状の画質欠陥および残留電位の上昇による画
像濃度ムラが発生した。また、比較例2の電子写真感光
体を用いた場合にも、同様に残留電位の上昇が大きく、
同時に表面保護層と電荷輸送層との間での塗膜の剥離に
よる筋状の画質欠陥および残留電位の上昇による画像濃
度ムラが発生した。
【0144】
【発明の効果】以上のように、本発明は、摩耗に対する
機械的強度に優れ、且つ残留電位の上昇が少なく同時に
長期の繰り返し使用においても、表面保護層と該表面保
護層と感光層あるいは電荷輸送層との間での塗膜の剥離
を生じる事のない電子写真感光体、並びにそれを用いた
画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光体を組み込んだ画像形成装置の
一態様を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…感光体、12…帯電ロール、14…レーザー露光
光学系、16…現像器、18…転写用ベルト、20…ク
リーニングブレード、22…定着用ロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 DD03 EE11 2H068 AA04 AA13 AA20 AA21 BA11 BA14 BA16 BA58 BB26 4J029 AA10 AB07 AC01 AC02 AD01 AE04 BB12B BB12C BB16A BB16B BB16C JC712

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層および表面保護
    層をこの順に有する電子写真感光体において、前記感光
    層が下記式(I−1)で示される繰り返し単位よりなる
    ポリカーボネート樹脂、下記式(I−2)で示される繰
    り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂または下記式
    (I−1)および式(I−2)で示される繰り返し単位
    よりなる共重合ポリカーボネート樹脂を含有し、さらに
    前記表面保護層が下記式(II)で表わされる化合物を含
    有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基
    またはシクロヘキシル基を表し、R5 〜R12はそれぞれ
    水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12
    のアリール基、またはアリール置換アルキル基を表し、
    13およびR14は、一方が炭素数6〜12のアリール基
    またはアリール置換アルキル基を表し、他方が水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
    ール基またはアリール置換アルキル基を表し、ただし、
    5 〜R12のいずれかがt−ブチル基を表す場合、R13
    およびR14は、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基、炭素数6〜12のアリール基、またはアリール
    置換アルキル基を表すか、またはR13とR14が一緒にな
    って脂環式炭素環若しくはラクトン環を形成するのに必
    要な原子団を表す。) G−D−F (II) (式中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを
    表し、Dは可とう性有機サブユニットを表し、Fは光電
    特性サブユニットを表す。)
  2. 【請求項2】 前記式(II)で表わされる化合物が表面
    保護層中で架橋構造を形成していることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記式(II)で表わされる化合物が下記
    式(III )で表わされることを特徴とする請求項1およ
    び請求項2のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ置換または未置換
    のアリール基を表し、Ar5 は、kが0の場合は置換ま
    たは未置換のアリール基を表し、kが1の場合は置換ま
    たは未置換のアリーレン基を表し、かつAr1 〜Ar5
    のうち1〜4個は、G−D−で表される置換基を有し、
    kは0または1を表す。)
  4. 【請求項4】 基G−D−が下記式(IV)で表わされる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の電子写真感光体。 −Y−Si(R15(3-a) (OR16a (IV) (式中、R15は水素原子、アルキル基、置換または未置
    換のアリール基を表し、R16は水素原子、アルキル基ま
    たはトリアルキルシリル基を表わし、aは1〜3の整数
    を表し、Yは2価の基を示す。)
  5. 【請求項5】 前記式(IV)中のYが、メチレン基、−
    x 2x−、−Cx2x-2−、−Cx 2x-4−(ただ
    し、xは2〜15の整数を表す。)、置換または未置換
    の2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香脂肪族炭化水素
    基、−CH=N−、−O−、および−COO−からなる
    群より選ばれた1種以上を含有する2価の基であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体、帯電手段および機械的
    なクリーニング手段を有する電子写真画像形成装置にお
    いて、該電子写真感光体が請求項1乃至請求項5のいず
    れかに記載の電子写真感光体であり、かつ帯電手段が接
    触帯電器であることを特徴とする電子写真画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 交流成分を有する帯電電圧を印加する接
    触帯電器を用いることを特徴とする請求項6に記載の電
    子写真画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6800551B2 (en) 2001-12-03 2004-10-05 Nec Electronics Corporation Chemical amplification type photoresist composition, method for producing a semiconductor device using the composition, and semiconductor substrate

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