JP2000089042A - 光ファイバセンサとそれを用いた情報検出方法 - Google Patents

光ファイバセンサとそれを用いた情報検出方法

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JP2000089042A
JP2000089042A JP10261879A JP26187998A JP2000089042A JP 2000089042 A JP2000089042 A JP 2000089042A JP 10261879 A JP10261879 A JP 10261879A JP 26187998 A JP26187998 A JP 26187998A JP 2000089042 A JP2000089042 A JP 2000089042A
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Naotaka Uchino
直孝 内野
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 C重油等の液体の漏洩を検出できない。 【解決手段】 樹脂が被覆された光ファイバ1の長手方
向途中の1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光
と、コアからクラッド層内に漏れ出して同クラッド層と
その外側の被覆樹脂層4との界面で反射された漏洩反射
光及び/又はコアからクラッド層を経て被覆樹脂層内に
漏れ出して同被覆樹脂層4とその外界との界面で反射さ
れた漏洩反射光とが干渉可能となるような湾曲部2を設
けてなる光ファイバセンサを用い、樹脂被覆層4外部の
媒質の屈折率の変化に伴う前記干渉条件の変化及び/又
は樹脂被覆層4外部の媒質を吸収した同樹脂被覆層4の
屈折率の変化に伴う前記干渉条件の変化を、コアに伝搬
させた光の強度変化やスペクトルの変化として検出する
ことにより、クラッド層外部の物理的状態の変化を検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体や気体の漏洩を
検出可能な光ファイバセンサに関するものであり、これ
までの光ファイバセンサでは検出が難しいC重油等の液
漏れをも検出可能にしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来から油、薬品等の貯蔵運搬施設で
は、施設の劣化、作業ミス、その他による貯蔵液体の漏
洩が問題となっている。油、薬品等の漏洩は不経済であ
る以上に、環境汚染や災害の誘発といった重大な問題を
引き起こしかねないことから、様々な液体の漏洩を早期
に検出できる技術が切望されている。液体の漏洩を検出
する技術には様々なものがあるが、大規模なパイプライ
ンを有するような施設でも効率良く監視できるものとし
て光ファイバ液体センサが期待されている。
【0003】液体を検出する光ファイバ液体センサとし
ては、以下に説明する曲げ損失発生型液体センサ、偏心
コアファイバ型液体センサ、PCF 型液体センサがある。
【0004】曲げ損失発生型液体センサは液体吸収膨潤
性樹脂に液体が浸透すると同樹脂の膨潤圧で光ファイバ
に応力が加わる構造を有する。この構造は様々なものが
提案されているが、例えば、図8(a)に示す様に樹脂
Aが被覆された光ファイバBの外周に液体吸収膨潤性樹
脂Cを被覆し、液体吸収膨潤性樹脂Cの周りにファイバ
の軸方向に螺旋状に拘束ワイヤDを巻き付けて、液体吸
収膨潤性樹脂Cの膨潤が光ファイバBに応力を発生する
ようにしたものや、図8(b)に示す様にケーブル状に
作製した液体吸収膨潤性樹脂Cの外周にその軸方向に沿
って樹脂Aが被覆された光ファイバBを配置し、この液
体吸収膨潤性樹脂Cと光ファイバBとを拘束ワイヤDで
螺旋状に巻いて、液体吸収膨潤性樹脂Cの膨潤が光ファ
イバBに応力を発生するようにしたものがある。この曲
げ損失発生型液体センサでは、液漏れが発生して液体吸
収膨潤性樹脂Cに液体が吸収されると、同樹脂Cの膨潤
で光ファイバBに応力が生じ、光ファイバBに新たな損
失が発生する。光ファイバBの損失分布はOTDR装置によ
り計測可能なため、この曲げ損失発生型液体センサは長
尺な液体センサとして活用することができる。
【0005】偏心コアファイバ型液体センサは図9に示
す様に、偏心光ファイバGを液体吸収性樹脂Hで被覆し
てなり、コアEからクラッドF中に進出するエバネッセ
ント波を液体吸収性樹脂H中にも伝搬可能とし、同樹脂
Hに液体が付着して吸収されると、エバネッセント波と
液体の相互作用で偏心光ファイバGに新たな損失を発生
する様にしたものである。この場合も、OTDR装置と組み
合わせて偏心光ファイバG全体を長尺な液体センサとし
て活用することができる。
【0006】PCF 型液体センサは図10に示す様に、ガ
ラス製のコアIと液体吸収性樹脂のクラッドJで光ファ
イバKを構成してなり、クラッドJに液体が付着して吸
収されると、同クラッドJの屈折率が変化して放射モー
ドによる新たな損失が発生する様にしたものである。こ
の場合も、OTDR装置と組み合わせて光ファイバK全体を
長尺な液体センサとして活用することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8の曲げ損失発生型
液体センサに使われる液体吸収膨潤性樹脂Cや図9、1
0のセンサに使われる液体吸収性樹脂H、Jを含め、樹
脂にはC重油などの重質油を吸収するものが存在しない
ため、何れのセンサも重質油の検出は不可能である。
【0008】また、図9の偏心コアファイバ型液体セン
サや図10のPCF 型液体センサでは、特定波長での吸収
と屈折率変化による放射モードを比較した場合、放射モ
ードによる損失の方が大きく検出が容易となるが、放射
モードでは、ガラスの屈折率より高い屈折率の液体しか
検出することができないという課題がある。特定波長で
の吸収を利用する場合は、ガラスより低い屈折率の液体
でも検知可能となるが、光源の波長が限定されるとか、
検知感度が非常に低くなるといった課題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の光ファイバセンサは、光ファイバの長手方向途中の
1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光と、コアか
らクラッド層内に漏れ出して同クラッド層とその外界と
の界面で反射された漏洩反射光とが干渉可能となるよう
な湾曲部を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】本発明のうち請求項2記載の光ファイバセ
ンサは、樹脂が被覆された光ファイバの長手方向途中の
1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光と、コアか
らクラッド層内に漏れ出して同クラッド層とその外側の
被覆樹脂層との界面で反射された漏洩反射光及び/又は
コアからクラッド層を経て被覆樹脂層内に漏れ出して同
被覆樹脂層とその外界との界面で反射された漏洩反射光
とが干渉可能となるような湾曲部を設けてなることを特
徴とするものである。
【0011】本発明のうち請求項3記載の光ファイバセ
ンサによる情報検出方法は、光ファイバの長手方向途中
の1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光と、コア
からクラッド層内に漏れ出して同クラッド層とその外界
との界面で反射された漏洩反射光とが干渉可能となるよ
うな湾曲部を設けてなる光ファイバセンサを用い、クラ
ッド層外部の媒質の屈折率の変化に伴う前記干渉条件の
変化をコアに伝搬させた光の強度変化やスペクトルの変
化として検出することにより、クラッド層外部の物理的
状態の変化を検出するようにしたことを特徴とするもの
である。
【0012】本発明のうち請求項4記載の光ファイバセ
ンサによる情報検出方法は、樹脂が被覆された光ファイ
バの長手方向途中の1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬
させた光と、コアからクラッド層内に漏れ出して同クラ
ッド層とその外側の被覆樹脂層との界面で反射された漏
洩反射光及び/又はコアからクラッド層を経て被覆樹脂
層内に漏れ出して同被覆樹脂層とその外界との界面で反
射された漏洩反射光とが干渉可能となるような湾曲部を
設けてなる光ファイバセンサにおいて、樹脂被覆層外部
の媒質の屈折率の変化に伴う前記干渉条件の変化及び/
又は樹脂被覆層外部の媒質を吸収した同樹脂被覆層の屈
折率の変化に伴う前記干渉条件の変化を、コアに伝搬さ
せた光の強度変化やスペクトルの変化として検出するこ
とにより、クラッド層外部の物理的状態の変化を検出す
るようにしたことを特徴とするものである。
【0013】本発明のうち請求項5記載の光ファイバセ
ンサによる情報検出方法は、コアに伝搬させた光の強度
変化やスペクトルの変化に、媒質の光吸収による漏洩反
射光の強度変化が含まれることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明のうち請求項6記載の光ファイバセ
ンサによる情報検出方法は、光ファイバセンサのコアに
OTDR装置から光信号を入力し、同光ファイバセンサのコ
アに伝搬した光信号の後方散乱光をOTDR装置で受光して
湾曲部における物理的状態の変化を検出するようにした
ことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】(光ファイバセンサの実施形態
1)本発明の光ファイバセンサは図1に示す様に長尺な
光ファイバ1の長手方向途中箇所を略U字型に曲げてセ
ンサとなる湾曲部2を設けてなる。この光ファイバ1は
コアとクラッド層からなる素ファイバ3をUV樹脂(被覆
樹脂層をなすもの)4で被覆してなる通信用のシングル
モードファイバであり、外径が250 μm のものである。
前記湾曲部2の曲げ半径は5.0mm にしてあり、図2に示
す様に1.55μm 帯のASE(Amplified Spontaneous Emissi
on)光源3から同ファイバ1のコアにASE を入力する
と、コアを伝搬するASE 光の一部が湾曲部2においてク
ラッド層内に漏れ出し、漏れ出た光の一部がクラッド層
と被覆樹脂層4との界面や、被覆樹脂層4とその外界
(空気)との界面で反射し、この反射された光の一部が
再びコアに結合して同コア内を伝搬する光と干渉できる
様にしてある。
【0016】以下にこの光ファイバセンサでの干渉(曲
げ干渉)について説明する。このセンサはクラッド層と
被覆樹脂層4との界面で反射する光、被覆樹脂層4と空
気との界面で反射する光のどちらか一方、又は双方をセ
ンシングに利用することができる。
【0017】(1)クラッド層と被覆樹脂層4との界面
で反射する光を利用する場合(被検知対象物が被覆樹脂
層4に吸収される場合) ・被検知対象物が被覆樹脂層4に侵入することにより同
樹脂層4の屈折率が変化し、その結果、クラッド層と被
覆樹脂層4との界面で伝搬光の反射強度が変化し、コア
を伝搬する光との干渉強度が変化する。 ・被検知対象物が被覆樹脂層4に侵入することにより同
樹脂層4の屈折率が変化し、その結果、クラッド層と被
覆樹脂層4との界面で伝搬光の位相偏移が発生し、コア
を伝搬する光との干渉スペクトルが変化する。 ・被検知対象物が光吸収性を持ち、且つコアに伝搬する
光が前記吸収波長に一致する場合、被検知対象物が被覆
樹脂層4に侵入すると、その光吸収によりクラッド層と
被覆樹脂層4との界面で反射されてコアに戻る光が減少
し、コアを伝搬する光との干渉強度が変化する。
【0018】(2)被覆樹脂層4と空気との界面で反射
する光を利用する場合(被検知対象物が被覆樹脂層4に
吸収される場合) ・被検知対象物が被覆樹脂層4に侵入することにより同
樹脂層4の屈折率が変化し、加えて被覆樹脂層4外部の
被検知対象物の屈折率が支配的になり、その結果、反射
強度は変化し、コアを伝搬する光との干渉強度が変化す
る。 ・被検知対象物が被覆樹脂層4に侵入することにより同
樹脂層4の屈折率が変化し、加えて被覆樹脂層4外部の
被検知対象物の屈折率が支配的になり、その結果、被覆
樹脂層4と空気との界面で伝搬光の位相偏移が発生し、
コアを伝搬する光との干渉スペクトルが変化する。 ・被検知対象物が光吸収性を持ち、且つコアに伝搬する
光が前記吸収波長に一致する場合、被検知対象物が被覆
樹脂層4に侵入すると、その光吸収により被覆樹脂層4
中で光が減衰し、コアに戻る光が減少し、コアを伝搬す
る光との干渉強度が変化する。
【0019】(3)被覆樹脂層4と空気との界面で反射
する光を利用する場合(被検知対象物が被覆樹脂層4に
吸収されない場合) ・被覆樹脂層4に屈折率が空気と異なる被検知対象物が
接触すると、被覆樹脂層4表面での反射強度が変化し、
その結果、コアを伝搬する光との干渉強度が変化する。
この場合、被検知対象物の屈折率が被覆樹脂層4のそれ
より大きい場合は、光は反射せず外に漏えいしてしまう
ため干渉はなくなる。 ・被検知対象物が光吸収性を持ち、且つコアに伝搬する
光が前記吸収波長に一致する場合、被覆樹脂層4表面に
到達した光の一部が吸収され、コアに戻る光が減少し、
コアを伝搬する光との干渉強度が変化する。
【0020】(情報検出方法の実施形態1)図2は図1
の光ファイバセンサを用いた情報検出方法の実施形態で
あり、図1の光ファイバセンサの一端にASE 光源5を接
続し、他端に光スペクトラムアナライザ6を接続してな
る。AES 光源5は1.55μm 帯のASE 光を発生し、このAS
E 光を光ファイバセンサのコアに入射する様にしてあ
る。一方、光スペクトラムアナライザ6は光ファイバセ
ンサのコアに伝搬された前記ASE 光を受光して、受光し
た光の波長成分(スペクトル)を観測できる様にしてあ
る。
【0021】図2の光ファイバセンサの湾曲部2に何も
滴下しない状態と、5.0ml の水を滴下した状態の双方で
光スペクトラムアナライザ6に入力される光のスペクト
ルを観測した。図3はその結果であり、実線は水滴下前
に観測されたスペクトル波形、破線は水滴下後に観測さ
れたスペクトル波形を示している。水滴下前と滴下後で
スペクトル波形に明確な違いが生じ、特に1538nm近傍で
は、水の付着により振幅が約10dB低下している。図3を
見ると滴下後に光強度が低下する部分と増大する部分と
があるが、これは干渉により強度が強められる波長光と
強度が弱められる波長光とがあるからである。即ち、光
ファイバセンサの湾曲部2に水が付着すると光の干渉条
件が変化し、この干渉条件の変化がスペクトルの変化と
いう形で検出できるため、水のような液体の漏洩を検出
することができる。
【0022】次に図2の光ファイバセンサの湾曲部2に
何も滴下しない状態と、C重油を滴下した状態の双方で
光スペクトラムアナライザ6に入力される光のスペクト
ルを観測した。図4はその結果であり、実線はC重油滴
下前に観測されたスペクトル波形、破線はC重油滴下後
に観測されたスペクトル波形を示している。C重油滴下
前と滴下後でスペクトル波形に大きな違いが生じ、滴下
後の光強度が全体的に低下している。これはC重油の屈
折率が被覆樹脂層4の屈折率より高いため、被覆樹脂層
4とC重油とが接する界面に到達した光は反射されずに
外に放射され、コア側へ戻らなくなったためである。そ
れでも少しの光が観測されるが、これはコアから漏れず
にコア内を伝搬する光と、クラッド層と被覆樹脂層4と
の界面で反射されるものがあるためである。即ち、光フ
ァイバセンサの湾曲部2にC重油が付着すると光の干渉
条件が変化し、この干渉条件の変化がスペクトルの変化
という形で検出され、C重油のような液体の漏洩を検出
することができる。
【0023】(光ファイバセンサの実施形態2)この光
ファイバセンサは図5に示す様に、全長約1170m の光フ
ァイバ1の長手方向途中箇所を略U字型に曲げてセンサ
となる湾曲部2を設けたものである。光ファイバ1は実
施形態1と同様にコアとクラッド層からなる素ファイバ
をUV樹脂(被覆樹脂層)4で被覆してなる通信用のシン
グルモードファイバであり、外径が250 μm のものであ
る。湾曲部2の半径はこの場合、10.0mmにしてあり、OT
DR装置7から光ファイバ1のコアにパルス光を入力する
と、前記湾曲部2においてコアを伝搬するパルス光の一
部がクラッド層側に漏れ出し、漏れ出た光はクラッド層
と被覆樹脂層4との界面や被覆樹脂層とその外界(空
気)との界面で反射し、反射された光の一部が再びコア
に結合してコア内を伝搬する光と干渉できる様にしてあ
る。
【0024】(情報検出方法の実施形態2)図5は前記
実施形態2の光ファイバセンサを用いた情報検出方法の
実施形態であり、光ファイバセンサの一端にOTDR装置7
を接続し、OTDR装置7からパルス光を光ファイバセンサ
のコアに入射し、その後方散乱光をOTDR装置7で検出で
きるようにしてある。なお、湾曲部2はOTDR装置7から
780mの所にある。
【0025】図5の光ファイバセンサの湾曲部2に何も
滴下しない状態と、C重油を滴下した状態の双方でOTDR
装置7に入力される後方散乱光を観測した。図6はその
結果であり、実線はC重油滴下前に観測された波形、破
線はC重油滴下後に観測された波形を示している。何れ
の波形にも大きな段差が見られるが1つ目の段差は光フ
ァイバ1に設けた湾曲部2を、2つ目の段差は光ファイ
バ1の終端を示している。また、C重油滴下前と滴下後
で波形に違いが生じ、滴下後は湾曲部2より遠方のとこ
ろで光強度が全体的に低下している。これは湾曲部2の
所で干渉条件が変化してコアを伝搬する光が弱まり、そ
れより遠方での後方散乱光が弱まったためである。即
ち、光ファイバセンサの湾曲部2にC重油が付着すると
光の干渉条件が変化し、この干渉条件の変化がOTDR装置
7で後方散乱光の強度変化という形で検出され、C重油
のような液体の漏洩を検出することができる。
【0026】(光ファイバセンサの実施形態3)本発明
の光ファイバセンサは、センサとなる湾曲部2を光ファ
イバ1の長手方向途中に2箇所以上設けることができ
る。例えば、光ファイバ1の一端からの距離が約650mの
ところと、続く約450mのところとに設けることができ
る。
【0027】(情報検出方法の実施形態3)光ファイバ
1の一端からの距離が約650mのところと、続く約450mの
ところとにセンサとなる湾曲部2を設けた光ファイバセ
ンサを用い、この光ファイバセンサの前記一端側にOTDR
装置を接続し、C重油を全く滴下しない状態、OTDR装置
に近い1つ目の湾曲部2にC重油を滴下した状態、2つ
目の湾曲部2にC重油を滴下した状態の夫々で光ファイ
バセンサにパルス光を入射してその後方散乱光を観測し
た。図7はその結果であり、図7(a)は光ファイバセ
ンサ全体を、図7(b)はOTDR装置に近い1つ目の湾曲
部2付近を、図7(c)は2つ目の湾曲部2付近を、夫
々示したものである。図7(a)には2つの大きな段差
が見られこれらは各湾曲部2の位置に対応している。OT
DR装置に近い1つ目の湾曲部2にC重油を滴下すると滴
下前より後方散乱光強度が低下し、2つ目の湾曲部2に
C重油を滴下すると滴下前より後方散乱光強度が低下し
た。このように、2以上のセンサ部を設けてもその夫々
でC重油を検知することができた。
【0028】本発明の光ファイバセンサは以上説明した
以外にも、被覆樹脂層を持たない光ファイバを湾曲して
センサ部(湾曲部)を設けたり、液体吸収性のある被覆
樹脂層を持つ光ファイバを湾曲してセンサ部(湾曲部)
を設けたりすることもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果がある。 1.光ファイバを所定の半径に曲げるだけの構造である
ため、非常に簡素でまた安価である。 2.被覆樹脂層と空気との界面での反射に起因した干渉
効果を利用する場合、液体が被覆樹脂層に浸透しなくて
も良いため、C重油等も検出できる。 3.湾曲部の曲げ半径を変えるだけでセンサの性能、機
能、感度、特性などを変えることができ、様々な用途で
適切な利用が可能である。 4.液体が樹脂に浸透する必要がないため、液体を拭き
取れば繰り返し検知が可能である。 5.屈折率の変化による干渉条件の変化で物質の検出を
行うので、液体や気体に限らず屈折率に変化を及ぼす各
種物理変化を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバセンサの実施形態を示す概
略図。
【図2】本発明の光ファイバセンサを用いた測定系の概
略図。
【図3】図2の測定系において観測される波形スペクト
ルの説明図であり、水を滴下したときとしないときの変
化を示したもの。
【図4】図2の測定系において観測される波形スペクト
ルの説明図であり、C重油を滴下したときとしないとき
の変化を示したもの。
【図5】本発明の光ファイバセンサを用いた測定系の他
の例を示した概略図。
【図6】図5の測定系で観測される波形の説明図であ
り、C重油を滴下したときとしないときの変化を示した
もの。
【図7】本発明の光ファイバセンサを用いた多点測定系
において観測される波形の説明図であり、(a)は全体
の様子を示したもの、(b)はセンサ1での様子を示し
たもの、(c)はセンサ2での様子を示したもの。
【図8】(a)、(b)は曲げ損失発生型液体センサの
異なる例を示した概略図。
【図9】偏心コアファイバ型液体センサの例を示した概
略図。
【図10】PCF型液体センサの例を示した概略図。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 湾曲部 3 素ファイバ 4 被覆樹脂層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバの長手方向途中の1箇所乃至数
    カ所に、コア内に伝搬させた光と、コアからクラッド層
    内に漏れ出して同クラッド層とその外界との界面で反射
    された漏洩反射光とが干渉可能となるような湾曲部を設
    けてなることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 【請求項2】樹脂が被覆された光ファイバの長手方向途
    中の1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光と、コ
    アからクラッド層内に漏れ出して同クラッド層とその外
    側の被覆樹脂層との界面で反射された漏洩反射光及び/
    又はコアからクラッド層を経て被覆樹脂層内に漏れ出し
    て同被覆樹脂層とその外界との界面で反射された漏洩反
    射光とが干渉可能となるような湾曲部を設けてなること
    を特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 【請求項3】光ファイバの長手方向途中の1箇所乃至数
    カ所に、コア内に伝搬させた光と、コアからクラッド層
    内に漏れ出して同クラッド層とその外界との界面で反射
    された漏洩反射光とが干渉可能となるような湾曲部を設
    けてなる光ファイバセンサを用い、クラッド層外部の媒
    質の屈折率の変化に伴う前記干渉条件の変化をコアに伝
    搬させた光の強度変化やスペクトルの変化として検出す
    ることにより、クラッド層外部の物理的状態の変化を検
    出するようにしたことを特徴とする光ファイバセンサを
    用いた情報検出方法。
  4. 【請求項4】樹脂が被覆された光ファイバの長手方向途
    中の1箇所乃至数カ所に、コア内に伝搬させた光と、コ
    アからクラッド層内に漏れ出して同クラッド層とその外
    側の被覆樹脂層との界面で反射された漏洩反射光及び/
    又はコアからクラッド層を経て被覆樹脂層内に漏れ出し
    て同被覆樹脂層とその外界との界面で反射された漏洩反
    射光とが干渉可能となるような湾曲部を設けてなる光フ
    ァイバセンサを用い、樹脂被覆層外部の媒質の屈折率の
    変化に伴う前記干渉条件の変化及び/又は樹脂被覆層外
    部の媒質を吸収した同樹脂被覆層の屈折率の変化に伴う
    前記干渉条件の変化を、コアに伝搬させた光の強度変化
    やスペクトルの変化として検出することにより、クラッ
    ド層外部の物理的状態の変化を検出するようにしたこと
    を特徴とする光ファイバセンサを用いた情報検出方法。
  5. 【請求項5】コアに伝搬させた光の強度変化やスペクト
    ルの変化に、媒質の光吸収による漏洩反射光の強度変化
    が含まれることを特徴とする請求項3又は請求項4に記
    載の光ファイバセンサを用いた情報検出方法。
  6. 【請求項6】光ファイバセンサのコアにOTDR装置から光
    信号を入力し、同光ファイバセンサのコアに伝搬した光
    信号の後方散乱光をOTDR装置で受光して湾曲部における
    物理的状態の変化を検出するようにしたことを特徴とす
    る請求項3乃至請求項5の夫々に記載の光ファイバセン
    サを用いた情報検出方法。
JP10261879A 1998-09-16 1998-09-16 光ファイバセンサとそれを用いた情報検出方法 Pending JP2000089042A (ja)

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