JP2000088022A - 形状記憶性金属コイルおよびその製造方法 - Google Patents
形状記憶性金属コイルおよびその製造方法Info
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- JP2000088022A JP2000088022A JP10258895A JP25889598A JP2000088022A JP 2000088022 A JP2000088022 A JP 2000088022A JP 10258895 A JP10258895 A JP 10258895A JP 25889598 A JP25889598 A JP 25889598A JP 2000088022 A JP2000088022 A JP 2000088022A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F2224/00—Materials; Material properties
- F16F2224/02—Materials; Material properties solids
- F16F2224/0258—Shape-memory metals, e.g. Ni-Ti alloys
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- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光エネルギーの照射により、その実質的な全
長が加熱され易い形状記憶性金属コイルおよびその製造
方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 記憶形状への復元を主として光エネルギ
ーの照射に基づく加熱により行なう用途に用いられるも
のであって、形状記憶性金属線のつる巻きコイルであ
り、且つテーパ形状を有することを特徴とする。 【効果】 光エネルギーによる加熱にてコイルの伸長、
縮小の応答性に極めて優れている。
長が加熱され易い形状記憶性金属コイルおよびその製造
方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 記憶形状への復元を主として光エネルギ
ーの照射に基づく加熱により行なう用途に用いられるも
のであって、形状記憶性金属線のつる巻きコイルであ
り、且つテーパ形状を有することを特徴とする。 【効果】 光エネルギーによる加熱にてコイルの伸長、
縮小の応答性に極めて優れている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用カテーテル
の首振り機構やその他の各種アクチュエータの駆動力用
として、就中、記憶形状への復元を光エネルギーに基づ
く加熱により行なう用途に用いられる形状記憶性金属コ
イル、およびその製造方法に関する。
の首振り機構やその他の各種アクチュエータの駆動力用
として、就中、記憶形状への復元を光エネルギーに基づ
く加熱により行なう用途に用いられる形状記憶性金属コ
イル、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】形状記憶性金属コイル、特にそのマイク
ロコイルは、自体のサイズの割りに駆動力が大きく、ま
た形状記憶性に基づいて温度に対するセンサ機能をも有
するので、多方面での応用が考えられている。各種アク
チュエータ、例えば医療用カテーテルの首振り機構、の
駆動力としての用途もその一例である。
ロコイルは、自体のサイズの割りに駆動力が大きく、ま
た形状記憶性に基づいて温度に対するセンサ機能をも有
するので、多方面での応用が考えられている。各種アク
チュエータ、例えば医療用カテーテルの首振り機構、の
駆動力としての用途もその一例である。
【0003】形状記憶性金属コイル(以下、SMAコイ
ル)は、各種アクチュエータの駆動力として機能する場
合、低温度での変形状態から変態温度以上の高温度に加
熱されると記憶形状に復帰しようとし、その際に駆動力
を発揮する。即ち、SMAコイルが低温度で伸ばされた
状態にあると加熱により収縮する方向に、一方低温度で
収縮された状態にあると加熱により伸びる方向に、それ
ぞれ変形しようとする。よってSMAコイルから駆動力
を得るには、それを適当な方法で加熱する必要がある。
該コイルに直接通電して、ジュール熱にて自体を加熱す
る方法はその一例である。しかし、SMAコイルが生体
内で使用されているときにはこの通電方法は危険である
ので、光ファイバによるSMAコイルの安全な加熱が考
えられる。この場合には、光ファイバから放出される光
エネルギーにより該コイルは加熱されることになる。
ル)は、各種アクチュエータの駆動力として機能する場
合、低温度での変形状態から変態温度以上の高温度に加
熱されると記憶形状に復帰しようとし、その際に駆動力
を発揮する。即ち、SMAコイルが低温度で伸ばされた
状態にあると加熱により収縮する方向に、一方低温度で
収縮された状態にあると加熱により伸びる方向に、それ
ぞれ変形しようとする。よってSMAコイルから駆動力
を得るには、それを適当な方法で加熱する必要がある。
該コイルに直接通電して、ジュール熱にて自体を加熱す
る方法はその一例である。しかし、SMAコイルが生体
内で使用されているときにはこの通電方法は危険である
ので、光ファイバによるSMAコイルの安全な加熱が考
えられる。この場合には、光ファイバから放出される光
エネルギーにより該コイルは加熱されることになる。
【0004】図12〜図16は、いずれも従来のSMA
コイルを対象として、レーザファイバによるSMAコイ
ルの加熱の様子を示す例の概念図であって、LFはレー
ザファイバであり、NCは被加熱のSMAコイルであ
る。図13の例を除いて、レーザファイバLFとSMA
コイルNCとは互いに少し間隔を置いて縦続状態に設置
されており、図13の例ではSMAコイルNCはレーザ
ファイバLFに対して傾斜方向に設置されている。とこ
ろで図12〜図16に示すSMAコイルNCの加熱方法
では、いずれもつぎに説明する通りの問題がある。
コイルを対象として、レーザファイバによるSMAコイ
ルの加熱の様子を示す例の概念図であって、LFはレー
ザファイバであり、NCは被加熱のSMAコイルであ
る。図13の例を除いて、レーザファイバLFとSMA
コイルNCとは互いに少し間隔を置いて縦続状態に設置
されており、図13の例ではSMAコイルNCはレーザ
ファイバLFに対して傾斜方向に設置されている。とこ
ろで図12〜図16に示すSMAコイルNCの加熱方法
では、いずれもつぎに説明する通りの問題がある。
【0005】即ち、図12の例では、レーザファイバL
Fから放出されたレーザ光は、SMAコイルNCの端部
しか照射し得ないので、直接加熱されるのはかかる端部
およびその近傍のみである。端部が加熱されると熱伝導
により後続の部分も漸次温度上昇するが、温度上昇に長
時間を要したり温度上昇の途上での熱放散により所望の
温度上昇が生じないなどのために、コイル全体から設計
通りの駆動力が得られない問題がある。
Fから放出されたレーザ光は、SMAコイルNCの端部
しか照射し得ないので、直接加熱されるのはかかる端部
およびその近傍のみである。端部が加熱されると熱伝導
により後続の部分も漸次温度上昇するが、温度上昇に長
時間を要したり温度上昇の途上での熱放散により所望の
温度上昇が生じないなどのために、コイル全体から設計
通りの駆動力が得られない問題がある。
【0006】図13の例では、レーザファイバLFから
放出されたレーザ光は、SMAコイルNCを斜め方向か
ら照射するので図12の例よりも多少とも照射範囲、即
ち加熱範囲は広くなるが、コイル全体を加熱することは
できない。
放出されたレーザ光は、SMAコイルNCを斜め方向か
ら照射するので図12の例よりも多少とも照射範囲、即
ち加熱範囲は広くなるが、コイル全体を加熱することは
できない。
【0007】図14の例では、被加熱のSMAコイルN
Cは、その表面に熱伝導性の良好な材料からなるコーテ
ィング層(コーティング層は図示せず)を有する。よっ
て、レーザファイバLFから放出されたレーザ光は、図
12の場合と同じく直接的にはSMAコイルNCの端部
およびその近傍しか加熱し得ないが、伝熱によりコーテ
ィング層がその全長にわたって昇温し、この昇温により
SMAコイルNCの加熱効率が向上する。しかしこの場
合には、コーティング層がSMAコイルNCを剛直化し
てSMAコイルNCの本来の温度による記憶形状への復
帰性を阻害する問題がある。
Cは、その表面に熱伝導性の良好な材料からなるコーテ
ィング層(コーティング層は図示せず)を有する。よっ
て、レーザファイバLFから放出されたレーザ光は、図
12の場合と同じく直接的にはSMAコイルNCの端部
およびその近傍しか加熱し得ないが、伝熱によりコーテ
ィング層がその全長にわたって昇温し、この昇温により
SMAコイルNCの加熱効率が向上する。しかしこの場
合には、コーティング層がSMAコイルNCを剛直化し
てSMAコイルNCの本来の温度による記憶形状への復
帰性を阻害する問題がある。
【0008】図15の例では、SMAコイルNCの中に
伝熱棒が挿通されており、該伝熱棒をレーザファイバL
Fにてその端部を加熱し、該伝熱棒の良伝熱性を利用し
てSMAコイルNCの全体を加熱せんとする。しかしこ
の例は、SMAコイルNCの生体内への実装が困難であ
り、また伝熱棒の存在によりSMAコイルNC自体の可
撓性が阻害される。
伝熱棒が挿通されており、該伝熱棒をレーザファイバL
Fにてその端部を加熱し、該伝熱棒の良伝熱性を利用し
てSMAコイルNCの全体を加熱せんとする。しかしこ
の例は、SMAコイルNCの生体内への実装が困難であ
り、また伝熱棒の存在によりSMAコイルNC自体の可
撓性が阻害される。
【0009】また図16の例では、レーザファイバLF
の先端部が図示する通りにテーパ加工されていて、その
テーパ加工部がSMAコイルNCに挿通されている。こ
の例では、テーパ加工部の全表面からレーザ光が放出さ
れるのでSMAコイルNCの全体を加熱することができ
るが、レーザファイバLFのテーパ加工部の加工の安定
性、寿命(耐破断性)に問題がある。
の先端部が図示する通りにテーパ加工されていて、その
テーパ加工部がSMAコイルNCに挿通されている。こ
の例では、テーパ加工部の全表面からレーザ光が放出さ
れるのでSMAコイルNCの全体を加熱することができ
るが、レーザファイバLFのテーパ加工部の加工の安定
性、寿命(耐破断性)に問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、光エ
ネルギーの照射により、その実質的な全長が加熱され易
いSMAコイルおよびその製造方法を提供することを課
題とする。
ネルギーの照射により、その実質的な全長が加熱され易
いSMAコイルおよびその製造方法を提供することを課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためにつぎの手段を有する。 (1) 形状記憶性金属の線にて形成されたテーパ形状を有
するつる巻きコイルであり、且つ記憶形状への復元を主
として光エネルギーの照射に基づく加熱により行なう用
途に用いられるものであることを特徴とする形状記憶性
金属コイル。 (2) テーパ形状が、平均テーパ角にして1〜20°であ
る上記(1) 記載の形状記憶性金属コイル。 (3) 形状記憶性金属の線の断面積が10,000μm2
以下であり、平均コイル外径が500μm以下のマイク
ロコイルである上記(1) または(2) 記載の形状記憶性金
属コイル。 (4) 形状記憶性金属の線にて形成された渦巻きコイルを
該コイルの渦巻きの中心軸または疑似中心軸の方向また
はそれらに近い方向に引き延ばすことを特徴とする形状
記憶性金属コイルの製造方法。 (5) 渦巻きコイルが、形状記憶性金属板に渦巻き状に切
り目を入れて製造したものである上記(4) 記載の形状記
憶性金属コイルの製造方法。 (6) 渦巻きコイルが、形状記憶性金属の線を芯体の上に
渦巻き状に重ね巻きして製造したものである上記(4) 記
載の形状記憶金属コイルの製造方法。 (7) 形状記憶性金属の線を長手方向の断面積または平均
径が単調に変化するテーパ状の芯体の上につる巻きする
ことを特徴とする形状記憶性金属コイルの製造方法。 (8) テーパ状の芯体が、円錐体または截頭円錐体である
上記(7) 記載の形状記憶性金属コイルの製造方法。
解決するためにつぎの手段を有する。 (1) 形状記憶性金属の線にて形成されたテーパ形状を有
するつる巻きコイルであり、且つ記憶形状への復元を主
として光エネルギーの照射に基づく加熱により行なう用
途に用いられるものであることを特徴とする形状記憶性
金属コイル。 (2) テーパ形状が、平均テーパ角にして1〜20°であ
る上記(1) 記載の形状記憶性金属コイル。 (3) 形状記憶性金属の線の断面積が10,000μm2
以下であり、平均コイル外径が500μm以下のマイク
ロコイルである上記(1) または(2) 記載の形状記憶性金
属コイル。 (4) 形状記憶性金属の線にて形成された渦巻きコイルを
該コイルの渦巻きの中心軸または疑似中心軸の方向また
はそれらに近い方向に引き延ばすことを特徴とする形状
記憶性金属コイルの製造方法。 (5) 渦巻きコイルが、形状記憶性金属板に渦巻き状に切
り目を入れて製造したものである上記(4) 記載の形状記
憶性金属コイルの製造方法。 (6) 渦巻きコイルが、形状記憶性金属の線を芯体の上に
渦巻き状に重ね巻きして製造したものである上記(4) 記
載の形状記憶金属コイルの製造方法。 (7) 形状記憶性金属の線を長手方向の断面積または平均
径が単調に変化するテーパ状の芯体の上につる巻きする
ことを特徴とする形状記憶性金属コイルの製造方法。 (8) テーパ状の芯体が、円錐体または截頭円錐体である
上記(7) 記載の形状記憶性金属コイルの製造方法。
【0012】
【作用】本発明の形状記憶性金属コイル(以下、本発明
コイル)は、形状的にはつる巻きコイルであり且つテー
パ形状を有している。よって基本的には、コイルのn番
目の巻き部分と(n+1)番目の巻き部分とはそれらの
巻き径が互いに異なるので、光ファイバやレーザダイオ
ードなどの光源から該コイルの一端側から他端の方向に
放出される光エネルギーによりその実質的全長が直接照
射され得、その実質的全長を形状記憶性金属の変態温度
以上の高温度に加熱することができる。上記(4) の発明
においては、上記(5) 〜(6) の発明などにて製造した渦
巻きコイルを引き延ばすことにより、また上記(7) 〜
(8) の発明では、円錐体または截頭円錐体を芯体として
用いてその上に形状記憶性金属線をつる巻きすることに
より、それぞれ本発明コイルを製造し得る。
コイル)は、形状的にはつる巻きコイルであり且つテー
パ形状を有している。よって基本的には、コイルのn番
目の巻き部分と(n+1)番目の巻き部分とはそれらの
巻き径が互いに異なるので、光ファイバやレーザダイオ
ードなどの光源から該コイルの一端側から他端の方向に
放出される光エネルギーによりその実質的全長が直接照
射され得、その実質的全長を形状記憶性金属の変態温度
以上の高温度に加熱することができる。上記(4) の発明
においては、上記(5) 〜(6) の発明などにて製造した渦
巻きコイルを引き延ばすことにより、また上記(7) 〜
(8) の発明では、円錐体または截頭円錐体を芯体として
用いてその上に形状記憶性金属線をつる巻きすることに
より、それぞれ本発明コイルを製造し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明コイルは、該コイルの一端
側から他端側の方向に照射される光エネルギーによりコ
イルの実質的全長が該コイルを形成する形状記憶性金属
の少なくとも変態温度に加熱され得るテーパ形状を有す
る。その際のコイルの実質的全長とは、本発明コイルが
各種アクチュエータの駆動源などとして機能すべく期待
あるいは設計されている部分の全長であって、本発明コ
イルを他部に接続するための両端部などは必ずしも加熱
の対象としなくてもよい。なお本発明コイルは、基本的
には、コイルのn番目の巻き部分と(n+1)番目の巻
き部分とは巻き径が互いに異なる旨前記したが、その実
質的全長が光エネルギーにより所望の温度に加熱される
限り、局部的な巻き径の乱れは許容される。
側から他端側の方向に照射される光エネルギーによりコ
イルの実質的全長が該コイルを形成する形状記憶性金属
の少なくとも変態温度に加熱され得るテーパ形状を有す
る。その際のコイルの実質的全長とは、本発明コイルが
各種アクチュエータの駆動源などとして機能すべく期待
あるいは設計されている部分の全長であって、本発明コ
イルを他部に接続するための両端部などは必ずしも加熱
の対象としなくてもよい。なお本発明コイルは、基本的
には、コイルのn番目の巻き部分と(n+1)番目の巻
き部分とは巻き径が互いに異なる旨前記したが、その実
質的全長が光エネルギーにより所望の温度に加熱される
限り、局部的な巻き径の乱れは許容される。
【0014】本発明コイルを形成する形状記憶性金属の
線(以下、SMA線)としては、その断面形状が円形の
他、台形、正方形、長方形、三角形などの角形や楕円形
などの異形であってもよい。またSMA線の構成材料と
しては、本発明コイルを所望の用途に使用した場合に、
必要な駆動力を発生し得る機械的強度を有するものであ
ればその種類に制限はない。その若干例を示すと、N
i:49〜51at%、Ti:51〜49at%のNi
−Ti合金、Cu:10〜30重量%、Zn:3〜10
重量%、残部AIのCu−Zn−AI合金などである。
これら形状記憶性金属は、本質的に温度変化に伴う変態
特性に優れ、本発明コイルの形成材として特に好適であ
る。
線(以下、SMA線)としては、その断面形状が円形の
他、台形、正方形、長方形、三角形などの角形や楕円形
などの異形であってもよい。またSMA線の構成材料と
しては、本発明コイルを所望の用途に使用した場合に、
必要な駆動力を発生し得る機械的強度を有するものであ
ればその種類に制限はない。その若干例を示すと、N
i:49〜51at%、Ti:51〜49at%のNi
−Ti合金、Cu:10〜30重量%、Zn:3〜10
重量%、残部AIのCu−Zn−AI合金などである。
これら形状記憶性金属は、本質的に温度変化に伴う変態
特性に優れ、本発明コイルの形成材として特に好適であ
る。
【0015】本発明コイルは、記憶形状への復元を主と
して光エネルギーの照射に基づく加熱により行なう用途
に用いられる。その際の光エネルギーとしては、本発明
コイルの所望箇所、特にその実質的全長を形状記憶性金
属の少なくとも変態温度に加熱し得るものであれば特に
制限はない。光エネルギーの照射に基づく加熱により行
なう用途についても特に制限はなく、例えば人体や人体
以外の各種生体内で用いられるカテーテルやマニピュレ
ータなどの機器を作動させるためのアクチュエータ用な
どである。
して光エネルギーの照射に基づく加熱により行なう用途
に用いられる。その際の光エネルギーとしては、本発明
コイルの所望箇所、特にその実質的全長を形状記憶性金
属の少なくとも変態温度に加熱し得るものであれば特に
制限はない。光エネルギーの照射に基づく加熱により行
なう用途についても特に制限はなく、例えば人体や人体
以外の各種生体内で用いられるカテーテルやマニピュレ
ータなどの機器を作動させるためのアクチュエータ用な
どである。
【0016】以下、図例により本発明を詳細に説明す
る。図1および図2は、本発明コイルの斜視図であり、
図3は図1におけるX−X線に沿った拡大断面図であ
る。図1〜図3において、1は本発明コイル、2は本発
明コイル1を形成するSMA線、3は本発明コイル1の
大径端、4は本発明コイル1の小径端、をそれぞれ示
す。
る。図1および図2は、本発明コイルの斜視図であり、
図3は図1におけるX−X線に沿った拡大断面図であ
る。図1〜図3において、1は本発明コイル、2は本発
明コイル1を形成するSMA線、3は本発明コイル1の
大径端、4は本発明コイル1の小径端、をそれぞれ示
す。
【0017】本発明コイル1は、図示する通りテーパ形
状を有し、その大径端3から小径端4に進むにつれてコ
イル径が漸次減少している。図1では、本発明コイル1
の大径端3側を光ファイバOFの光放射端に向けて設置
し、一方、図2では、本発明コイル1の小径端4側を光
ファイバOFの光放射端に向けて設置し、それぞれ光フ
ァイバOFから放出された光エネルギーOEを浴びる様
子を示している。
状を有し、その大径端3から小径端4に進むにつれてコ
イル径が漸次減少している。図1では、本発明コイル1
の大径端3側を光ファイバOFの光放射端に向けて設置
し、一方、図2では、本発明コイル1の小径端4側を光
ファイバOFの光放射端に向けて設置し、それぞれ光フ
ァイバOFから放出された光エネルギーOEを浴びる様
子を示している。
【0018】コイル径が一定の従来のつる巻き形状記憶
性金属コイルについて、その一端から平行光を照射した
場合、コイルの先頭に存在する1番目の巻き部分は良好
に照射されるが、2番目以降の巻き部分は該1番目の巻
き部分により遮蔽されているので照射されない。あるい
は、照射されるとしてもその程度は1番目のそれと比較
して格段に低くなる。これに対して本発明コイルでは、
それがテーパ形状であるためにn番目の巻き部分とn+
1番目のそれとでは巻き径が異なるので、n+1番目の
巻き部分はn番目のそれによっては遮蔽されない部分が
存在する。そして、その部分が平行光により照射されて
形状記憶性金属の変態温度以上の高温度に加熱され得
る。上記は平行光を照射した場合であるが、非平行光を
照射した場合でも上記した巻き径の差により、一定コイ
ル径のコイルよりも一層効率よくその全長あるいは実質
的な全長を加熱することができる。
性金属コイルについて、その一端から平行光を照射した
場合、コイルの先頭に存在する1番目の巻き部分は良好
に照射されるが、2番目以降の巻き部分は該1番目の巻
き部分により遮蔽されているので照射されない。あるい
は、照射されるとしてもその程度は1番目のそれと比較
して格段に低くなる。これに対して本発明コイルでは、
それがテーパ形状であるためにn番目の巻き部分とn+
1番目のそれとでは巻き径が異なるので、n+1番目の
巻き部分はn番目のそれによっては遮蔽されない部分が
存在する。そして、その部分が平行光により照射されて
形状記憶性金属の変態温度以上の高温度に加熱され得
る。上記は平行光を照射した場合であるが、非平行光を
照射した場合でも上記した巻き径の差により、一定コイ
ル径のコイルよりも一層効率よくその全長あるいは実質
的な全長を加熱することができる。
【0019】なお本発明コイル1は、人体内に挿入して
使用される用途などにおいては、そのテーパ角が過大で
あると、その大径端3側と小径端4側とのコイル径に大
差が生じて使用に不便であったり、あるいは加熱光源と
して大口径のものが必要となる問題がある。一方、テー
パ角が過小であると、コイル径が一定の従来のつる巻き
形状記憶性金属コイルに近づいてその全長の加熱が困難
となる。よって本発明コイル1としては、記憶形状にお
けるその平均テーパ角θ(図3参照)が1〜20°、特
に2〜15°のものが好ましい。
使用される用途などにおいては、そのテーパ角が過大で
あると、その大径端3側と小径端4側とのコイル径に大
差が生じて使用に不便であったり、あるいは加熱光源と
して大口径のものが必要となる問題がある。一方、テー
パ角が過小であると、コイル径が一定の従来のつる巻き
形状記憶性金属コイルに近づいてその全長の加熱が困難
となる。よって本発明コイル1としては、記憶形状にお
けるその平均テーパ角θ(図3参照)が1〜20°、特
に2〜15°のものが好ましい。
【0020】本発明コイル1の記憶形状における全長
L、大径D1、小径D2、巻きピッチP、およびSMA
線2の外径または平均外径d(いずれも図3参照)の各
大きさは、一般的に本発明コイル1の用途により区々で
あるが、例えば本発明コイル1を医療用カテーテルの首
振り機構の駆動力用などのマイクロコイルとして使用す
る場合には、その全長Lは1〜80mm程度であり、大
径D1は300〜800μm程度であり、小径D1は2
00〜500μm程度であり、巻きピッチPは50〜3
50μm程度であり、またSMA線2の外径(または平
均外径)dは25〜200μm程度である。
L、大径D1、小径D2、巻きピッチP、およびSMA
線2の外径または平均外径d(いずれも図3参照)の各
大きさは、一般的に本発明コイル1の用途により区々で
あるが、例えば本発明コイル1を医療用カテーテルの首
振り機構の駆動力用などのマイクロコイルとして使用す
る場合には、その全長Lは1〜80mm程度であり、大
径D1は300〜800μm程度であり、小径D1は2
00〜500μm程度であり、巻きピッチPは50〜3
50μm程度であり、またSMA線2の外径(または平
均外径)dは25〜200μm程度である。
【0021】後記する図4〜図6の製造方法からは、断
面が正方形あるいは矩形のSMA線2にて形成された本
発明コイル1が製造され易い。また本発明コイル1は、
概してマイクロコイルとして特に有用であること前記の
通りであるが、マイクロコイルを形成するSMA線2
は、その断面積が10,000μm2 以下であり、平均
コイル外径(本発明コイル1の記憶形状における大径D
1と小径D2との平均値)が500μm以下のものが特
に好ましい。
面が正方形あるいは矩形のSMA線2にて形成された本
発明コイル1が製造され易い。また本発明コイル1は、
概してマイクロコイルとして特に有用であること前記の
通りであるが、マイクロコイルを形成するSMA線2
は、その断面積が10,000μm2 以下であり、平均
コイル外径(本発明コイル1の記憶形状における大径D
1と小径D2との平均値)が500μm以下のものが特
に好ましい。
【0022】本発明コイルは、上記した(4) 〜(6) の発
明、あるいは(7) 〜(8) の発明などにより製造すること
ができる。(4) 〜(6) の発明においては、まず渦巻きコ
イルを準備する。渦巻きコイルとしては、SMA線が蚊
とり線香状に巻かれ、全体として円盤状あるいはドーナ
ツ状を呈するものが代表例である。また渦巻きコイルと
しては、SMA線を実質的に唯一の渦巻き中心軸の廻り
に緻密にあるいはラフに螺旋巻きした構造のもの、ある
いは互いに近接せる複数本の渦巻き中心軸が存在するよ
うな渦巻きであって、それらの中心軸のうちの何れかの
廻りに螺旋巻きした構造のもの、などであってもよい。
明、あるいは(7) 〜(8) の発明などにより製造すること
ができる。(4) 〜(6) の発明においては、まず渦巻きコ
イルを準備する。渦巻きコイルとしては、SMA線が蚊
とり線香状に巻かれ、全体として円盤状あるいはドーナ
ツ状を呈するものが代表例である。また渦巻きコイルと
しては、SMA線を実質的に唯一の渦巻き中心軸の廻り
に緻密にあるいはラフに螺旋巻きした構造のもの、ある
いは互いに近接せる複数本の渦巻き中心軸が存在するよ
うな渦巻きであって、それらの中心軸のうちの何れかの
廻りに螺旋巻きした構造のもの、などであってもよい。
【0023】つぎに上記のような渦巻きコイルを、該コ
イルの渦巻きの中心軸または渦巻の疑似中心軸の方向ま
たはそれに近い方向に所望の長さに引き延ばし、かくし
て本発明コイルを製造する。なお上記の疑似中心軸と
は、上記した互いに近接せる複数本の中心軸のうちの何
れかの廻りに螺旋巻きした構造の例のように渦巻きの唯
一の中心軸が存在しない場合における平均的な渦巻き中
心軸である。
イルの渦巻きの中心軸または渦巻の疑似中心軸の方向ま
たはそれに近い方向に所望の長さに引き延ばし、かくし
て本発明コイルを製造する。なお上記の疑似中心軸と
は、上記した互いに近接せる複数本の中心軸のうちの何
れかの廻りに螺旋巻きした構造の例のように渦巻きの唯
一の中心軸が存在しない場合における平均的な渦巻き中
心軸である。
【0024】(7) 〜(8) の発明においては、SMA線を
テーパ状の芯体の上につる巻きすることにより本発明コ
イルを製造する。テーパ状の芯体としては、その長手方
向の断面積または平均径が単調に変化するもの、換言す
ると、断面積または平均径が長手方向での変化の過程で
極大値や極小値を取らないもの、が用いられる。したが
って断面積または平均径が直線的あるいは凸状または凹
状に曲線的に変化するものなどが例示され、さらに巻き
断面の形状も円形、楕円形、あるいはその他であっても
よい。テーパ状の芯体としては、円錐体または截頭円錐
体のものが特に好ましい。
テーパ状の芯体の上につる巻きすることにより本発明コ
イルを製造する。テーパ状の芯体としては、その長手方
向の断面積または平均径が単調に変化するもの、換言す
ると、断面積または平均径が長手方向での変化の過程で
極大値や極小値を取らないもの、が用いられる。したが
って断面積または平均径が直線的あるいは凸状または凹
状に曲線的に変化するものなどが例示され、さらに巻き
断面の形状も円形、楕円形、あるいはその他であっても
よい。テーパ状の芯体としては、円錐体または截頭円錐
体のものが特に好ましい。
【0025】以下、図例により本発明の方法を一層詳細
に説明する。図4〜図6は、(4) の発明の実施例を説明
するための説明図である。図7〜図9は、(4) の発明の
他の実施例を説明するための説明図である。また図10
は、(7) の発明の実施例を説明するための説明図であ
る。
に説明する。図4〜図6は、(4) の発明の実施例を説明
するための説明図である。図7〜図9は、(4) の発明の
他の実施例を説明するための説明図である。また図10
は、(7) の発明の実施例を説明するための説明図であ
る。
【0026】図4〜図6に示す実施例においては、まず
形状記憶性金属の平板FPを用意し、それに適当な切断
機器(図示せず)にて点Cを渦巻きの中心として一筆書
きで渦巻き状に切り目FP1を入れる。ついで切り目F
P1の両端にも各隣接の切り目に達する切り目FP2、
FP3を入れる(図4参照)と、図5に示すようなドー
ナツ状の渦巻きコイルECを平板FPから切り抜くこと
ができる。その渦巻きの中心点Cを通り、紙面に垂直な
方向に延びる線が渦巻きコイルECの渦巻きの中心軸で
あるから、かくして得た渦巻きコイルECを該中心軸の
方向またはそれに近い方向に所望の長さに引き延ばし、
かくして図6に示す本発明コイルを得ることができる。
形状記憶性金属の平板FPを用意し、それに適当な切断
機器(図示せず)にて点Cを渦巻きの中心として一筆書
きで渦巻き状に切り目FP1を入れる。ついで切り目F
P1の両端にも各隣接の切り目に達する切り目FP2、
FP3を入れる(図4参照)と、図5に示すようなドー
ナツ状の渦巻きコイルECを平板FPから切り抜くこと
ができる。その渦巻きの中心点Cを通り、紙面に垂直な
方向に延びる線が渦巻きコイルECの渦巻きの中心軸で
あるから、かくして得た渦巻きコイルECを該中心軸の
方向またはそれに近い方向に所望の長さに引き延ばし、
かくして図6に示す本発明コイルを得ることができる。
【0027】上記の切断機器としては、通常のレーザ加
工で多用されている高出力の加工用レーザ、例えば、Y
AGレーザ、炭酸ガスレーザなどが好適である。図6に
示す本発明コイルを形成するSMA線の断面寸法は、使
用する平板FPの厚みと切断機器による切り目FP1の
間隔とにより決まるので、それらを適当に選択すること
により、所望の断面寸法を有するSMA線からなる本発
明コイルを製造することができる。また、図4に示す半
径r1 およびr2 は、渦巻きの中心点Cからそれぞれ切
り目FP1の先端EC1および切り目FP2の先端EC
2までの各半径を示し、この半径r1 、r2 が図3に示
す本発明コイルのそれぞれ小径D2と大径D1とを決定
する。よって切断機器による平板FPに切り目FP1を
入れる際に、渦巻きの中心点CからのEC1、EC2ま
での各距離を所望の値とすることにより、上記の小径と
大径とを決定することができる。
工で多用されている高出力の加工用レーザ、例えば、Y
AGレーザ、炭酸ガスレーザなどが好適である。図6に
示す本発明コイルを形成するSMA線の断面寸法は、使
用する平板FPの厚みと切断機器による切り目FP1の
間隔とにより決まるので、それらを適当に選択すること
により、所望の断面寸法を有するSMA線からなる本発
明コイルを製造することができる。また、図4に示す半
径r1 およびr2 は、渦巻きの中心点Cからそれぞれ切
り目FP1の先端EC1および切り目FP2の先端EC
2までの各半径を示し、この半径r1 、r2 が図3に示
す本発明コイルのそれぞれ小径D2と大径D1とを決定
する。よって切断機器による平板FPに切り目FP1を
入れる際に、渦巻きの中心点CからのEC1、EC2ま
での各距離を所望の値とすることにより、上記の小径と
大径とを決定することができる。
【0028】図7〜図9に示す実施例において、図7は
線巻き装置の斜視図であり、図8は図7におけるX−X
線に従った巻取ドラムDの断面の一部断面図であり、図
9は本実施例にて製造された渦巻きコイルECの上面図
である。図7において、2はSMA線、TはSMA線2
を供給する線材供給装置、Dは巻取ドラム、Sはシャフ
ト、RはシャフトSを回転させるローターである。巻取
ドラムDは、シャフトSに固定されており、ローターR
の回転によりシャフトSを介して回転する。SMA線2
は、線材供給装置Tから適当なバックテンションの付与
のもとで供給されて巻取ドラムDに巻取られる。
線巻き装置の斜視図であり、図8は図7におけるX−X
線に従った巻取ドラムDの断面の一部断面図であり、図
9は本実施例にて製造された渦巻きコイルECの上面図
である。図7において、2はSMA線、TはSMA線2
を供給する線材供給装置、Dは巻取ドラム、Sはシャフ
ト、RはシャフトSを回転させるローターである。巻取
ドラムDは、シャフトSに固定されており、ローターR
の回転によりシャフトSを介して回転する。SMA線2
は、線材供給装置Tから適当なバックテンションの付与
のもとで供給されて巻取ドラムDに巻取られる。
【0029】巻取ドラムDは、図8に示すように、一対
の円盤状体D1、D2とからなり、その両者が互いに着
脱自在に篏合した構造を有する。即ち、円盤状体D1
は、その内面に回転軸と同心円の位置に形成された円筒
状の雌突起D11を有し、一方、円盤状体D2は、該雌
突起D11に着脱自在に篏合し得る雄突起D21をその
内面に有する。雌突起D11は、巻取ドラムDの巻取芯
の機能をなし、その外径r3 は図4〜図6の実施例にお
けるr1 に相当し、本実施例から得られる渦巻きコイル
ECの小径を決め得る。また、円盤状体D1、D2の各
内面同士の間の間隔は、その間に巻取られるSMA線2
の外径より僅かに大きい程度の寸法であって、このため
にSMA線2は図8に示すように重ね巻きされる。
の円盤状体D1、D2とからなり、その両者が互いに着
脱自在に篏合した構造を有する。即ち、円盤状体D1
は、その内面に回転軸と同心円の位置に形成された円筒
状の雌突起D11を有し、一方、円盤状体D2は、該雌
突起D11に着脱自在に篏合し得る雄突起D21をその
内面に有する。雌突起D11は、巻取ドラムDの巻取芯
の機能をなし、その外径r3 は図4〜図6の実施例にお
けるr1 に相当し、本実施例から得られる渦巻きコイル
ECの小径を決め得る。また、円盤状体D1、D2の各
内面同士の間の間隔は、その間に巻取られるSMA線2
の外径より僅かに大きい程度の寸法であって、このため
にSMA線2は図8に示すように重ね巻きされる。
【0030】SMA線2の所定量を巻取ドラムDに重ね
巻きした後、巻取ドラムDをシャフトSから取り外し、
ついでそれを円盤状体D1、D2に分離し、かくして図
9に示す渦巻きコイルECを得る。渦巻きコイルEC
は、その後、図5の場合と同様に引き延ばして図6に示
すものと同様の本発明コイルに成形される。
巻きした後、巻取ドラムDをシャフトSから取り外し、
ついでそれを円盤状体D1、D2に分離し、かくして図
9に示す渦巻きコイルECを得る。渦巻きコイルEC
は、その後、図5の場合と同様に引き延ばして図6に示
すものと同様の本発明コイルに成形される。
【0031】なおSMA線2は、一般的にかなりの剛性
を有するので、それを巻取ドラムDに巻取る際、ある程
度の巻き張力を付与することが必要である。一方、本発
明コイルは、前記した通り、その平均コイル外径が例え
ば、250〜500μm程度であり、その際に使用する
SMA線2も外径が25〜200μm程度であって、所
謂、マイクロコイルとしての用途に適しているものが多
いので、上記したような極細線を扱う機会が多い。かか
る極細線は切断し易いので、上記の巻き張力を過度に大
きくすることができない。よってかかる極細線の場合に
は、1.5〜300gf程度の巻き張力を付加すること
が好ましい。巻き張力は、図7の線材供給装置Tの3個
のテンションロールT1によりSMA線2に弛みを生ぜ
しめることなく安定して加えることができる。
を有するので、それを巻取ドラムDに巻取る際、ある程
度の巻き張力を付与することが必要である。一方、本発
明コイルは、前記した通り、その平均コイル外径が例え
ば、250〜500μm程度であり、その際に使用する
SMA線2も外径が25〜200μm程度であって、所
謂、マイクロコイルとしての用途に適しているものが多
いので、上記したような極細線を扱う機会が多い。かか
る極細線は切断し易いので、上記の巻き張力を過度に大
きくすることができない。よってかかる極細線の場合に
は、1.5〜300gf程度の巻き張力を付加すること
が好ましい。巻き張力は、図7の線材供給装置Tの3個
のテンションロールT1によりSMA線2に弛みを生ぜ
しめることなく安定して加えることができる。
【0032】(7) の発明の実施例を説明する図10は、
前記の図7とは、巻取ドラムDに代えて截頭円錐体から
なるテーパ状芯体TCが用いられており、且つ線材供給
装置Tから適当なバックテンションの付与のもとで供給
されたSMA線2はテーパ状芯体TCの表面に螺旋状に
巻き付けられる点が異なる。SMA線2の所定量を巻き
付けた後、テーパ状芯体TCをシャフトSから取り外
し、ついでテーパ状芯体TCからSMA線2の巻き付け
体、即ち本発明コイルを得る。
前記の図7とは、巻取ドラムDに代えて截頭円錐体から
なるテーパ状芯体TCが用いられており、且つ線材供給
装置Tから適当なバックテンションの付与のもとで供給
されたSMA線2はテーパ状芯体TCの表面に螺旋状に
巻き付けられる点が異なる。SMA線2の所定量を巻き
付けた後、テーパ状芯体TCをシャフトSから取り外
し、ついでテーパ状芯体TCからSMA線2の巻き付け
体、即ち本発明コイルを得る。
【0033】上記のようにして得た各本発明コイルは、
その後、形状記憶性を付与するために熱処理が施され
る。この熱処理は、使用したSMA線2を形成する形状
記憶性金属に周知の加熱条件で行なってよく、SMA線
2として例えばNi−Ti合金線を用いた場合は、35
0℃で1時間程度の加熱でよい。
その後、形状記憶性を付与するために熱処理が施され
る。この熱処理は、使用したSMA線2を形成する形状
記憶性金属に周知の加熱条件で行なってよく、SMA線
2として例えばNi−Ti合金線を用いた場合は、35
0℃で1時間程度の加熱でよい。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により一層詳細に説明
し、あわせて比較例をも示して本発明の顕著な効果を示
す。
し、あわせて比較例をも示して本発明の顕著な効果を示
す。
【0035】実施例1〜3 Ni:49.5at%、Ti:50.5at%のNi−
Ti形状記憶性合金からなる外径150μmの線材を用
い、図7〜図9で説明した方法により、全長Lが3.0
mm、大径D1が670μm、巻きピッチPが300μ
m、であり、平均テーパ角が1°(実施例1)、3°
(実施例2)、および5°(実施例3)の各マイクロコ
イルを製造した。
Ti形状記憶性合金からなる外径150μmの線材を用
い、図7〜図9で説明した方法により、全長Lが3.0
mm、大径D1が670μm、巻きピッチPが300μ
m、であり、平均テーパ角が1°(実施例1)、3°
(実施例2)、および5°(実施例3)の各マイクロコ
イルを製造した。
【0036】比較例 一定のコイル径500μmを有する点のみが実施例1〜
3と異なるマイクロコイルを通常の方法にて製造した。
3と異なるマイクロコイルを通常の方法にて製造した。
【0037】実施例1〜3および比較例の各マイクロコ
イルを対象として、下記の光照射による加熱試験により
マイクロコイルの各部の到達加熱温度を測定し、その結
果を図11に示す。図11において、縦軸は到達加熱温
度を示し、横軸はマイクロコイルの光源側に位置する大
径端を長さ0の位置に置き、小径端を長さ3.0mmの
位置に置いた。比較例の場合は、その光源側に位置する
一端を長さ0の位置に置き、他端の長さ3.0mmの位
置に置いた。図11から明らかな通り、実施例1〜3の
各マイクロコイル(グラフE1〜E3参照)とも、その
全長にわたって上記のNi−Ti形状記憶性合金の変態
温度(TC:15℃)以上の高温度に加熱されている
が、比較例のマイクロコイル(グラフCE参照)は、光
源側に位置する極く一部しか該変態温度以上の高温度に
加熱されていないことが判る。
イルを対象として、下記の光照射による加熱試験により
マイクロコイルの各部の到達加熱温度を測定し、その結
果を図11に示す。図11において、縦軸は到達加熱温
度を示し、横軸はマイクロコイルの光源側に位置する大
径端を長さ0の位置に置き、小径端を長さ3.0mmの
位置に置いた。比較例の場合は、その光源側に位置する
一端を長さ0の位置に置き、他端の長さ3.0mmの位
置に置いた。図11から明らかな通り、実施例1〜3の
各マイクロコイル(グラフE1〜E3参照)とも、その
全長にわたって上記のNi−Ti形状記憶性合金の変態
温度(TC:15℃)以上の高温度に加熱されている
が、比較例のマイクロコイル(グラフCE参照)は、光
源側に位置する極く一部しか該変態温度以上の高温度に
加熱されていないことが判る。
【0038】〔光照射による加熱試験方法〕各マイクロ
コイルの一端(実施例1〜3の各マイクロコイルに就い
ては大径端)を固定して吊した状態とし、その下端から
レーザファイバによりレーザ光を照射した。用いたレー
ザファイバは、波長810nm、ファイバ端出力700
mW、コア径400μm、およびクラッド径500μm
であり、CCDカメラを用いてレーザ光照射時における
該レーザファイバの先端とマイクロコイルとの下端との
間の間隔を0.4mmに設定した。なおマイクロコイル
表面の温度は、該コイル(Ni−Ti形状記憶性合金)
の放射率を0.74として、放射温度計を用いて測定し
た。
コイルの一端(実施例1〜3の各マイクロコイルに就い
ては大径端)を固定して吊した状態とし、その下端から
レーザファイバによりレーザ光を照射した。用いたレー
ザファイバは、波長810nm、ファイバ端出力700
mW、コア径400μm、およびクラッド径500μm
であり、CCDカメラを用いてレーザ光照射時における
該レーザファイバの先端とマイクロコイルとの下端との
間の間隔を0.4mmに設定した。なおマイクロコイル
表面の温度は、該コイル(Ni−Ti形状記憶性合金)
の放射率を0.74として、放射温度計を用いて測定し
た。
【0039】
【発明の効果】本発明コイルは、各種の光源から照射さ
れる光エネルギーにより、その実質的全長が効果的にそ
の形状記憶性金属の変態温度以上の温度に加熱し得るの
で、コイルの伸長や縮小の応答性に極めて優れている。
よってコイルは、マイクロマシンや多機能カテーテルな
どに組み込んだ場合、各種動作を高速で行わせることが
可能となり、より高度で高機能のマイクロマシンや多機
能カテーテルを実現することができる。
れる光エネルギーにより、その実質的全長が効果的にそ
の形状記憶性金属の変態温度以上の温度に加熱し得るの
で、コイルの伸長や縮小の応答性に極めて優れている。
よってコイルは、マイクロマシンや多機能カテーテルな
どに組み込んだ場合、各種動作を高速で行わせることが
可能となり、より高度で高機能のマイクロマシンや多機
能カテーテルを実現することができる。
【図1】本発明コイルの斜視図である。
【図2】本発明コイルの斜視図である。
【図3】図1におけるX−X線に沿った拡大断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の方法の実施例を説明するための説明図
である。
である。
【図5】本発明の方法の実施例を説明するための説明図
である。
である。
【図6】本発明の方法の実施例を説明するための説明図
である。
である。
【図7】本発明の方法の他の実施例を説明するための説
明図である。
明図である。
【図8】本発明の方法の他の実施例を説明するための説
明図である。
明図である。
【図9】本発明の方法の他の実施例を説明するための説
明図である。
明図である。
【図10】本発明の方法のさらに他の実施例を説明する
ための説明図である。
ための説明図である。
【図11】実施例1〜3および比較例の各マイクロコイ
ルを対象として、光照射による加熱試験の結果を示すグ
ラフである。
ルを対象として、光照射による加熱試験の結果を示すグ
ラフである。
【図12】従来のSMAコイルの加熱の様子を示す概念
図である。
図である。
【図13】従来のSMAコイルの他の加熱の様子を示す
概念図である。
概念図である。
【図14】従来のSMAコイルの他の加熱の様子を示す
概念図である。
概念図である。
【図15】従来のSMAコイルの他の加熱の様子を示す
概念図である。
概念図である。
【図16】従来のSMAコイルの他の加熱の様子を示す
概念図である。
概念図である。
1 本発明コイル 2 SMA線 3 本発明コイルの大径端 4 本発明コイルの小径端 FP 形状憶性金属の平板 FP1 渦巻き状の切り目 EC ドーナツ状の渦巻きコイル T 線材供給装置 D 巻取ドラム TC テーパ状芯体
Claims (8)
- 【請求項1】 形状記憶性金属の線にて形成されたテー
パ形状を有するつる巻きコイルであり、且つ記憶形状へ
の復元を主として光エネルギーの照射に基づく加熱によ
り行なう用途に用いられるものであることを特徴とする
形状記憶性金属コイル。 - 【請求項2】 テーパ形状が、平均テーパ角にして1〜
20°である請求項1記載の形状記憶性金属コイル。 - 【請求項3】 形状記憶性金属の線の断面積が10,0
00μm2 以下であり、平均コイル外径が500μm以
下のマイクロコイルである請求項1または2記載の形状
記憶性金属コイル。 - 【請求項4】 形状記憶性金属の線にて形成された渦巻
きコイルを該コイルの渦巻きの中心軸または疑似中心軸
の方向またはそれらに近い方向に引き延ばすことを特徴
とする形状記憶性金属コイルの製造方法。 - 【請求項5】 渦巻きコイルが、形状記憶性金属板に渦
巻き状に切り目を入れて製造したものである請求項4記
載の形状記憶性金属コイルの製造方法。 - 【請求項6】 渦巻きコイルが、形状記憶性金属の線を
芯体の上に渦巻き状に重ね巻きして製造したものである
請求項4記載の形状記憶金属コイルの製造方法。 - 【請求項7】 形状記憶性金属の線を長手方向の断面積
または平均径が単調に変化するテーパ状の芯体の上につ
る巻きすることを特徴とする形状記憶性金属コイルの製
造方法。 - 【請求項8】 テーパ状の芯体が、円錐体または截頭円
錐体である請求項7記載の形状記憶性金属コイルの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258895A JP2000088022A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 形状記憶性金属コイルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258895A JP2000088022A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 形状記憶性金属コイルおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000088022A true JP2000088022A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17326530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10258895A Pending JP2000088022A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 形状記憶性金属コイルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000088022A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2653129A1 (en) * | 2010-12-13 | 2013-10-23 | Keio University | Balloon catheter |
CN107314073A (zh) * | 2017-06-27 | 2017-11-03 | 西安交通大学 | 基于sma变刚度弹簧的智能减振装置及工作过程 |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP10258895A patent/JP2000088022A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2653129A1 (en) * | 2010-12-13 | 2013-10-23 | Keio University | Balloon catheter |
US9233235B2 (en) | 2010-12-13 | 2016-01-12 | Keio University | Balloon catheter |
JP5916626B2 (ja) * | 2010-12-13 | 2016-05-11 | 学校法人慶應義塾 | バルーンカテーテル |
EP2653129A4 (en) * | 2010-12-13 | 2017-05-03 | Keio University | Balloon catheter |
CN107314073A (zh) * | 2017-06-27 | 2017-11-03 | 西安交通大学 | 基于sma变刚度弹簧的智能减振装置及工作过程 |
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