JP2000086655A - トリアゾール化合物、その製造法および用途 - Google Patents

トリアゾール化合物、その製造法および用途

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JP2000086655A
JP2000086655A JP10261224A JP26122498A JP2000086655A JP 2000086655 A JP2000086655 A JP 2000086655A JP 10261224 A JP10261224 A JP 10261224A JP 26122498 A JP26122498 A JP 26122498A JP 2000086655 A JP2000086655 A JP 2000086655A
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Katsumi Ito
克己 伊藤
Tomoyuki Kitazaki
智幸 北崎
Takashi Ichikawa
隆史 一川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水に対する溶解性が高く注射剤として用いるの
に適しており、しかも高い治療効果を発現するための体
内吸収性の改善された新規化合物、それを含んでなる医
薬組成物およびその製造法を提供する。 【解決手段】式: 【化1】 (式中、R0は水素原子またはそれぞれ置換されていて
もよい炭化水素基もしくは複素環基を、R1およびR2
同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基または低級
アルコキシカルボニル基を、X1およびX2は同一または
異なってハロゲン原子を、Azはアゾリル基を、Y-
陰イオンを示し、(R)は立体配置を示す。)で表され
る化合物またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗真菌作用を有する
新規トリアゾール化合物,その製造法および用途に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに抗真菌作用を有するアゾリル
フェニルイミダゾロン核を有するトリアゾール化合物が
知られている。たとえば、WO9625410A1(特
開平9-183769号公報に対応)には、式:
【化5】 〔式中、Arは置換されていてもよいフェニル基を、R
1’およびR2’は同一または異なって、水素原子または
低級アルキル基を、あるいはR1’とR2’とが相合わさ
って低級アルキレン基を、R3’は水素原子またはアシ
ル基を、X’は窒素原子またはメチン基を、AはY’=
Z’(Y’およびZ’は同一または異なって、窒素原子
または低級アルキル基で置換されていてもよいメチン基
を示す)または低級アルキル基で置換されていてもよい
エチレン基を、nは0〜2の整数を、Az’は置換され
ていてもよいアゾリル基を示す〕で表される化合物また
はその塩が記載されており、その中にX’がNであり、
nが0でありかつAがエチレン基である一群の化合物が
例示されている。
【0003】一方、これまでに酵素的および/または非
酵素的に加水分解されるアゾール(イミダゾール、トリ
アゾール)化合物の4級アンモニウム塩型誘導体とし
て、ソフトドラッグと呼ばれる一群の化合物が知られて
いる。例えば、1−メチルイミダゾールの4級塩誘導体
がジャーナル オブ メディシナル ケミストリー 2
3巻 469頁 1980年(抗細菌作用)、同23巻
566頁 1980年(抗腫瘍作用)、同23巻 4
74頁 1980年(抗コリン作用)及び同32巻 4
93頁 1989年(アセチルコリンエステラーゼ再活
性化作用)に報告されているが、これらは4級塩自身
が、生物活性を有するものであり、その加水分解がすみ
やかに起ることが特徴の一つとされている。一方、プロ
ドラックの一種としてのアゾール化合物の4級アンモニ
ウム塩型誘導体としては、ファーマシューティカル リ
サーチ 9巻 372頁 1992年(抗緑内障薬)及
びエントモロジア エクスペリメンタリス エト アプ
リカタ 44巻 295頁 1987年(殺虫薬)が報
告されているのみである。さらに、容易に加水分解され
ることを利用したイミダゾールの4級アンモニウム型誘
導体の合成中間体としての使用例が、ジャーナル オブ
ケミカル ソサエティ パーキンI 1341頁 1
979年及びニュージャーナル オブ ケミストリー
16巻 107頁1992年に報告されている。また米
国特許4,061,722,4,160,099に一連の4
級アンモニウム塩型誘導体が記載されている。また抗真
菌作用を有するアゾール化合物の水溶性プロドラッグと
してN−ベンジルアゾリウム型誘導体が特開平10−1
14758号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記抗真菌作用を有す
るアゾリルフェニルイミダゾロン核を有するトリアゾー
ル化合物は、たとえば注射剤として用いるための水に対
する溶解性が必ずしも十分でなく、また高い治療効果を
発現するための体内吸収性の面で十分満足されていると
は言い難く、水に対する溶解性の改善および体内吸収性
の改善が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
点に鑑み種々研究した結果、アゾリルフェニルイミダゾ
ロン核を有するトリアゾール化合物の1H−1,2,4−
トリアゾール−1−イル基に含まれる窒素原子を置換ベ
ンジル基で4級化した誘導体は水に対する溶解性が向上
し、しかも生体内で酵素的および/または非酵素的に加
水分解されて1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル
基とアゾリルフェニルイミダゾロン核を有し抗真菌活性
を有する化合物を生成することを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成した。すなわち本発明は、トリア
ゾール環を構成する窒素原子の一つが生体内で脱離する
置換ベンジル基で4級化されており、生体内で該置換基
が脱離して抗真菌性のアゾリルフェニルイミダゾロン核
を有するトリアゾール化合物に変換し得る含4級化窒素
1,2,4−トリアゾール−1−イル化合物,その製造法
および該化合物を含有してなる医薬に関する。
【0006】さらに詳しくは、本発明は、(1)式:
【化6】 (式中、R0は水素原子またはそれぞれ置換されていて
もよい炭化水素基もしくは複素環基を、R1およびR2
同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基または低級
アルコキシカルボニル基を、X1およびX2は同一または
異なってハロゲン原子を、Azはアゾリル基を、Y-
陰イオンを示し、(R)は立体配置を示す。)で表され
る化合物またはその塩[以下化合物(I)ということも
ある]、(2)上記(1)記載の化合物を含有してなる
医薬、および(3)式:
【化7】 (式中、各記号は前記と同意義である)で表される化合
物[以下化合物(II)ということもある]と式:
【化8】 (式中、Y1は脱離基を示し、他の記号は前記と同意義
である。)で表される化合物[以下化合物(III)とい
うこともある]とを反応させ、必要により脱保護反応ま
たは/および陰イオン交換することを特徴とする式
(I)で表される化合物またはその塩の製造法に関す
る。
【0007】R0で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の「炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素
基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基が挙げら
れる。該脂肪族炭化水素基としては、たとえばアルキル
基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基があげられ、該アルキル基と
しては、例えばたとえばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、
オクチル、ノニル、デシル、ドデシルなど直鎖もしくは
分枝状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、とり
わけ炭素数1〜6の低級アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec-フ゛チル、tert−ブチル)が好ましい。該シクロア
ルキル基としては、たとえばシクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル、アダマンチルなど炭素数3〜10
のシクロアルキル基が挙げられ、とりわけ炭素数3〜6
のシクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル)が好ましい。該
シクロアルキルアルキル基としては、たとえばシクロプ
ロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル
メチルなど炭素数4〜12のものが挙げられ、とりわけ
炭素数6〜8のシクロアルキルアルキル基(例:シクロ
ペンチルメチル、シクロヘキシルメチル)が好ましい。
該アルケニル基としては、たとえばビニル、プロペニ
ル、ブテニルなど炭素数2〜4のものが挙げられ、とり
わけ炭素数2〜3のアルケニル(例、ビニル、プロペニ
ル)が好ましい。該アルキニル基としては、たとえばエ
チニル、プロピニル、ブチニルなど炭素数2〜4のもの
が挙げられ、とりわけ炭素数2〜3のアルキニル(例、
エチニル、プロピニル)が好ましい。該芳香族炭化水素
基としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アンス
リル、インデニルなど炭素数6〜14のものが挙げら
れ、とりわけ炭素数6〜10のアリール基(例、フェニ
ル、ナフチル)が好ましい。
【0008】該芳香脂肪族炭化水素基としては、炭素数
7−15のアラルキル基たとえばベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、インダニル、
インダニルメチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルメチル等が挙
げられ、とりわけ炭素数7−11のアラルキル基(例:
ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等)が好まし
い。R0で示される「置換されていてもよい複素環基」
の「複素環基」は複素環に結合している水素原子を1個
とりのぞいてできる基を表し、そのような複素環はたと
えば、窒素原子(オキシド化されていてもよい)、酸素
原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数個、好ましく
は1〜4個含む5〜8員環またはその縮合環を示す。こ
のような複素環基としては具体的には、ピロリル、ピラ
ゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニ
ル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−オキサ
ジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−
オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チア
ゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、ピロリジニル、ピリジ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリ
ジニル、ピペラジニル、インドリル、ピラニル、チオピ
ラニル、ジオキシニル、ジオキソリル、キノリル、ピリ
ド〔2,3−d〕ピリミジル、1,5−,1,6−,1,7
−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジニル、
チエノ〔2,3−d〕ピリジル、ベンゾピラニル、テト
ラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキソラニ
ル、ジオキサニルなどが挙げられ、中でもピロリジニル
が好ましい。
【0009】R0で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」に
おける該置換基としてはたとえば、複素環基、オキソ
基、水酸基、C1-6アルコキシ基、C3-10シクロアルキ
ルオキシ基、C6-10アリールオキシ基、C7-19アラルキ
ルオキシ基、複素環オキシ基、メルカプト基、C1-6
ルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよ
い)、C3-10シクロアルキルチオ基(該硫黄原子がオキ
シド化されていてもよい)、C6-10アリールチオ基(該
硫黄原子がオキシド化されていてもよい)、C7-19アラ
ルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよ
い)、複素環チオ基、複素環スルフィニル基、複素環ス
ルホニル基、アミノ基、グアニジノ基、モノC1-6アル
キルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、トリC1-6
ルキルアンモニオ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、
6-10アリールアミノ基、C7-19アラルキルアミノ基、
複素環アミノ基、環状アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原
子、シアノ基、カルボキシル基、C1-10アルコキシ−カ
ルボニル基、C6-10アリールオキシ−カルボニル基、C
7-19アラルキルオキシ−カルボニル基、C6-10アリール
−カルボニル基、C1-6アルカノイル基、C3-5アルケノ
イル基、C6-10アリール−カルボニルオキシ基、C2-6
アルカノイルオキシ基、C3-5アルケノイルオキシ基、
置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていて
もよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいカル
バモイルオキシ基、C1-6アルカノイルアミノ基、C
6-10アリール−カルボニルアミノ基、C1-10アルコキシ
−カルボキサミド基、C6-10アリールオキシ−カルボキ
サミド基、C7-19アラルキルオキシ−カルボキサミド
基、C1-10アルコキシ−カルボニルオキシ基、C6-10
リールオキシ−カルボニルオキシ基、C7-19アラルキル
オキシ−カルボニルオキシ基、C3-10シクロアルキルオ
キシ−カルボニルオキシ基、置換されていてもよいウレ
イド基などが挙げられ、同一または異なって1ないし4
個存在していてもよい。「C1-6アルコキシ基」として
はたとえば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペ
ンチルオキシ、n−ヘキシルオキシなどが、「C3-10
クロアルキルオキシ基」としてはたとえば、シクロプロ
ピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが、「C6-10
リールオキシ基」としてはたとえば、フェノキシ、ナフ
チルオキシなどが、「C7-19アラルキルオキシ基」とし
てはたとえば、ベンジルオキシ、1−フェニルエチルオ
キシ、2−フェニルエチルオキシ、ベンズヒドリルオキ
シなどが、「C1-6アルキルチオ基(該硫黄原子がオキ
シド化されていてもよい)」としてはたとえば、メチル
チオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチ
オ、メチルスルフィニル、メチルスルホニルなどが、
「C3-10シクロアルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド
化されていてもよい)」としてはたとえば、シクロプロ
ピルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロペンチルスルフ
ィニル、シクロヘキシルスルホニルなどが、「C6-10
リールチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよ
い)」としてはたとえば、フェニルチオ、ナフチルチ
オ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニルなど
が、「C7-19アラルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド
化されていてもよい)」としてはたとえば、ベンジルチ
オ、フェニルエチルチオ、ベンズヒドリルチオ、ベンジ
ルスルフィニル、ベンジルスルホニルなどが、「モノC
1-6アルキルアミノ基」としてはたとえば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピル
アミノ、n−ブチルアミノなどが、「ジC1-6アルキル
アミノ基」としてはたとえば、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(n−プロピル)
アミノ、ジ−(n−ブチル)アミノなどが、「トリC
1-6アルキルアンモニオ基」としてはたとえば、トリメ
チルアンモニオなどが、「C3-10シクロアルキルアミノ
基」としてはたとえば、シクロプロピルアミノ、シクロ
ペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが、「C
6-10アリールアミノ基」としてはたとえば、アニリノ、
N−メチルアニリノなどが、「C7-19アラルキルアミノ
基」としてはたとえば、ベンジルアミノ、1−フェニル
エチルアミノ、2−フェニルエチルアミノ、ベンズヒド
リルアミノなどが、「環状アミノ基」としてはたとえ
ば、1−ピロリジニル、ピペリジノ、1−ピペラジニ
ル、モルホリノ、チオモルホリノなどが、「ハロゲン原
子」としてはたとえば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
どが、「C1-10アルコキシ−カルボニル基」としてはた
とえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n
−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、
n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、te
rt−ブトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボ
ニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ノルボルニル
オキシカルボニルなどが、「C6-10アリールオキシ−カ
ルボニル基」としてはたとえば、フェノキシカルボニ
ル、ナフチルオキシカルボニルなどが、「C7-19アラル
キルオキシ−カルボニル基」としてはたとえば、ベンジ
ルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル
などが、「C6-10アリール−カルボニル基」としてはた
とえば、ベンゾイル、ナフトイル、フェニルアセチルな
どが、「C1-6アルカノイル基」としてはたとえば、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリ
ル、ピバロイルなどが、「C3-5アルケノイル基」とし
てはたとえば、アクリロイル、クロトノイルなどが、
「C6-10アリール−カルボニルオキシ基」としてはたと
えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ、フェニル
アセトキシなどが、「C2-6アルカノイルオキシ基」と
してはたとえば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブ
チリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシなど
が、「C3-5アルケノイルオキシ基」としてはたとえ
ば、アクリロイルオキシ、クロトノイルオキシなどが、
「置換されていてもよいカルバモイル基」としてはたと
えば、C1-4アルキル基(例、メチル、エチル等)、フ
ェニル基、C1-7アシル基(例、アセチル、プロピオニ
ル、ベンゾイル等)、C1-4アルコキシ−フェニル基
(例、メトキシフェニル等)などから選ばれた1または
2個の置換基で置換されていてもよいカルバモイル基、
および環状アミノカルボニル基などが用いられ、具体的
にはたとえば、カルバモイル、N−メチルカルバモイ
ル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−フェニル
カルバモイル、N−アセチルカルバモイル、N−ベンゾ
イルカルバモイル、N−(p−メトキシフェニル)カル
バモイル、1−ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカ
ルボニル、1−ピペラジニルカルボニル、モルホリノカ
ルボニルなどが、「置換されていてもよいチオカルバモ
イル基」としてはたとえば、C1-4アルキル基(例、メ
チル、エチル等)、フェニル基などから選ばれた1また
は2個の置換基で置換されていてもよいチオカルバモイ
ル基が用いられ、たとえば、チオカルバモイル、N−メ
チルチオカルバモイル、N−フェニルチオカルバモイル
などが、「置換されていてもよいカルバモイルオキシ
基」はたとえば、C1-4アルキル基(例、メチル、エチ
ル等)、フェニル基などから選ばれた1または2個の置
換基で置換されていてもよいカルバモイルオキシ基が用
いられ、具体的にはたとえば、カルバモイルオキシ、N
−メチルカルバモイルオキシ、N,N−ジメチルカルバ
モイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ、N−フ
ェニルカルバモイルオキシなどが、「C1-6アルカノイ
ルアミノ基」としてはたとえば、アセトアミド、プロピ
オンアミド、ブチロアミド、バレロアミド、ピバロアミ
ドなどが、「C6-10アリール−カルボニルアミノ基」と
してはたとえば、ベンズアミド、ナフトアミド、フタル
イミドなどが、「C1-10アルコキシ−カルボキサミド
基」としてはたとえば、メトキシカルボキサミド(CH
3OCONH−)、エトキシカルボキサミド、tert−ブ
トキシカルボキサミドなどが、「C6-10アリールオキシ
−カルボキサミド基」としてはたとえば、フェノキシカ
ルボキサミド(C65OCONH−)などが、「C7-10
アラルキルオキシ−カルボキサミド基」としてはたとえ
ば、ベンジルオキシカルボキサミド(C65CH2OC
ONH−)、ベンズヒドリルオキシカルボキサミドなど
が、「C1-10アルコキシ−カルボニルオキシ基」として
はたとえば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカル
ボニルオキシ、n−プロポキシカルボニルオキシ、イソ
プロポキシカルボニルオキシ、n−ブトキシカルボニル
オキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシ、n−ペンチ
ルオキシカルボニルオキシ、n−ヘキシルオキシカルボ
ニルオキシなどが、「C6-10アリールオキシ−カルボニ
ルオキシ基」としてはたとえば、フェノキシカルボニル
オキシ、ナフチルオキシカルボニルオキシなどが、「C
7-19アラルキルオキシ−カルボニルオキシ基」としては
たとえば、ベンジルオキシカルボニルオキシ、1−フェ
ニルエチルオキシカルボニルオキシ、2−フェニルエチ
ルオキシカルボニルオキシ、ベンズヒドリルオキシカル
ボニルオキシなどが、「C3-10シクロアルキルオキシ−
カルボニルオキシ基」としてはたとえば、シクロプロピ
ルオキシカルボニルオキシ、シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシなどが、「置換されていてもよいウレイド
基」としてはたとえば、C1-4アルキル基(例、メチ
ル、エチル等)、フェニル基などから選ばれた1ないし
3個の置換基で置換されていてもよいウレイド基が用い
られ、たとえばウレイド、1−メチルウレイド、3−メ
チルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジメ
チルウレイド、3−フェニルウレイドなどがあげられ
る。
【0010】R0で示される「置換されていてもよい複
素環基」の置換基としては、上記したものに加えてたと
えばC1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C4-7
シクロアルキルアルキル基、C2-3アルケニル基、C2-3
アルキニル基、C6-10アリール基、7-11アラルキル基な
どが用いられ、「C1-6アルキル基」としてはたとえ
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルな
どが、「C3-6シクロアルキル基」としてはたとえば、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシルなどが、「C4-7シクロアルキルアルキル
基」としては、たとえばシクロプロピルメチル、シクロ
ペンチルメチルなどが、「C2-3アルケニル基」として
は、たとえばビニル、プロペニルなどが、「C2-3アル
キニル基」としては、たとえばエチニル、プロピニルな
どが、「C6-10アリール基」としてはフェニル、ナフチ
ルなどが、「C7-11アラルキル基」としてはたとえばベ
ンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどがあげられ
る。R1で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」および「置換されていてもよい複素環基」における
これらの置換基は1個に限定されず、同一または異なっ
て複数個(2〜4個)あってもよい。
【0011】「炭化水素基」および「複素環基」の置換
基における複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、
複素環スルフィニル基、複素環スルホニル基および複素
環アミノ基における複素環基は複素環に結合している水
素原子を1個とりのぞいてできる基を表し、そのような
複素環は、たとえば窒素原子(オキシド化されていても
よい)、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数
個、好ましくは1〜4個含む5〜8員環またはその縮合
環を示す。このような複素環基としては、たとえばピロ
リル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾ
リル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、フリ
ル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,
3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、
1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−チアジ
アゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チア
ジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピロリジニ
ル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリル、ピラニ
ル、チオピラニル、ジオキシニル、ジオキソリル、キノ
リル、ピリド〔2,3−d〕ピリミジル、1,5−,1,
6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチ
リジニル、チエノ〔2,3−d〕ピリジル、ベンゾピラ
ニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジ
オキソラニル、ジオキサニルなどが挙げられ、これら複
素環基はC1-4アルキル基(例、メチル、エチルな
ど)、水酸基、オキソ基、C1-4アルコキシ基(例、メ
トキシ、エトキシなど)などから選ばれた1〜3個の置
換基によって置換されていてもよい。
【0012】R0で示されるそれぞれ置換されていても
よい炭化水素基または複素環基において、「置換されて
いてもよい炭化水素基」としては、複素環基(置換され
ていてもよい)、水酸基、C1-6アルコキシ基、C7-19
アラルキルオキシ基、メルカプト基、C1-6アルキルチ
オ基、C1-6アルキルスルホニル、アミノ基、グアニジ
ノ基、モノC1-6アルキルアミノ基、C3-10シクロアル
キルアミノ基、C6-10アリールアミノ基、C7-19アラル
キルアミノ基、複素環アミノ基、カルボキシル基、C
1-10アルコキシ−カルボニル基、C7-19アラルキルオキ
シ−カルボニル基、C1-6アルカノイルアミノ基、置換
されていてもよいカルバモイル基、C1-10アルコキシ−
カルボキサミド基、C7-10アラルキルオキシ−カルボキ
サミド基などから選ばれた1ないし3個の置換基で置換
されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、tert-ブチルなど)、C6-10アリール基(例、フ
ェニルなど)および7-11アラルキル基(例、フェネチル
など)が好ましく、それらの具体例としてはメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、tert−ブチル、フェニル、1−アミノ−2−
(2−イミダゾリル)エチル、1−アミノ−2−(3−
インドリル)エチル、2−フリルメチル、2−テトラヒ
ドロフルフリルメチル、1−アミノ−2−(4−ヒドロ
キシフェニル)エチル、1−アミノ−2−ヒドロキシエ
チル、1−アミノ−2−ヒドロキシプロピル、1−アミ
ノ−3−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチル、1−
ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、1−
ヒドロキシ−2−カルボキシエチル、4−ヒドロキシフ
ェニル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキ
シプロピル、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル、メ
トキシメチル、エトキシメチル、1−メトキシエチル、
2−メトキシエチル、1−エトキシエチル、2−エトキ
シエチル、2−ベンジルオキシエチル、3−ベンジルオ
キシプロピル、1,3−ジベンジルオキシ−2−プロピ
ル、1−アミノ−2−メルカプトエチル、1−アミノ−
3−メルカプトプロピル、1−アミノ−3−メチルチオ
プロピル、メチルチオメチル、メチルスルホニルエチ
ル、1−アミノ−3−メチルスルホニルプロピル、1−
アミノ−2−カルボキシエチル、2−アミノ−2−カル
ボキシエチル、1−アミノ−3−カルボキシプロピル、
3−アミノ−3−カルボキシプロピル、アミノメチル、
1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノ−2
−メチルブチル、1−アミノ−3−メチルブチル、1,
5−ジアミノペンチル、1−アミノペンチル、1−アミ
ノブチル、1,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−
メチルプロピル、1−アミノ−2−カルバモイルエチ
ル、1−アミノ−3−カルバモイルプロピル、2−アミ
ノフェニル、4−アミノフェニル、1−アミノ−4−グ
アニジノブチル、メチルアミノメチル、メチルアミノエ
チル、シクロペンチルアミノメチル、アニリノメチル、
ベンジルアミノメチル、2−フリルアミノメチル、2−
カルボキシエチル、4−カルボキシベンジル、4−カル
ボキシフェニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシ
カルボニルメチル、2−エトキシカルボニルエチル、2
−ベンジルオキシカルボニルエチル、1−アセトアミド
−2−エトキシカルボニルエチル、1−アセトアミド−
3−エトキシカルボニルプロピル、2−アセトアミド−
2−エトキシカルボニルエチル、3−アセトアミド−3
−エトキシカルボニルプロピル、1−アセトアミド−2
−tert−ブトキシカルボニルエチル、1−アセトア
ミド−2−ベンジルオキシカルボニルエチル、アセトア
ミドメチル、1−アセトアミドエチル、2−アセトアミ
ドエチル、1−アセトアミド−2−カルバモイルエチ
ル、1−アセトアミド−3−カルバモイルプロピル、カ
ルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチ
ル、メトキシカルボキサミドメチル、エトキシカルボキ
サミドメチル、tert−ブトキシカルボキサミドメチ
ル、N−tert−ブトキシカルボキサミド−1−アミ
ノエチル、N−tert−ブトキシカルボキサミドメチ
ルアミノメチル、ベンジルオキシカルボキサミドメチ
ル、2−エトキシカルボキサミドエチルなどが挙げられ
る。
【0013】前記1ないし3個の置換基で置換されてい
てもよい、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、7-11
アラルキル基としては、1ないし3個の置換基で置換さ
れていてもよいC1-4アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピルなど)およびフェニル基がより好まし
く、さらにアミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ、エチルアミノなど)、C1-10アル
コキシカルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、
エトキシカルボキサミド、tert−ブトキシカルボキ
サミドなど)から選ばれた1ないし2個の置換基で置換
されていてもよいC1-4アルキル基およびフェニル基が
とりわけ好ましい。その具体例としては、メチル、フェ
ニル、アミノメチル、tert−ブトキシカルボキサミ
ドメチル、メチルアミノメチル、N−tert−ブトキ
シカルボキサミドメチルアミノメチル、1−アミノエチ
ル、N−tert−ブトキシカルボキサミド−1−アミ
ノエチルが好ましく、中でもアミノメチル、メチルアミ
ノメチル、1−アミノエチルが好ましい。R0で示され
るそれぞれ置換されていてもよい炭化水素基または複素
環基において、「置換されていてもよい複素環基」とし
ては、オキソ基、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アル
コキシ基、C1-6アルコキシ−カルボニル基などから選ば
れた1〜2個の置換基で置換された複素環基が好まし
く、その具体例としてはフリル、チエニル、ピラニル、
チオピラニル、ジオキシニル、ベンゾピラニル、テトラ
ヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキソラニ
ル、ジオキサニル、メチルフリル、ヒドロキシフリル、
メチルチエニル、メトキシフリル、2−オキソ−1,3
−ジオキソラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラニル、2−オキソ−1,3−ジオキサニル、2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキサニル、tert−ブトキシカ
ルボニルピロリジニル、ピロリジニル、ヒドロキシピロ
リジニルなどがあげられ、中でもピロリジニルが特に好
ましい。
【0014】R1およびR2で示される「ハロゲン原子」
としては、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
が、「低級アルキル基」としてはたとえばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチルなどのC1-4
アルキル基が、「低級アルコキシ基」としてはたとえば
メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキ
シ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのC1-4
ルコキシ基などが、「低級アルコキシカルボニル」とし
てはたとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニルなどのC1-4アルコキシカルボニル基が挙げら
れる。R1およびR2としては水素原子、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素など)、C1-4アルキル基(例、メ
チル基など)、C1-4アルコキシ基(例、メトキシな
ど)が好ましく、中でも水素原子、C1-4アルキル基が
より好ましく、水素原子およびメチルがとりわけ好まし
い。X1およびX2で示される「ハロゲン原子」としては
たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、
中でもフッ素、塩素が好ましく、とりわけフッ素が好ま
しい。Y1で示される脱離基としてはたとえば塩素、臭
素、ヨウ素ハロゲン原子などが挙げられ、中でも臭素が
好ましい。
【0015】Y-で示される陰イオンは有機酸あるいは
無機酸からプロトン1個を除いたものであり、該有機酸
の例としては、例えば酢酸、プロピオン酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ト
リフルオメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げ
られ、無機酸の例としては、塩酸、硫酸、りん酸、フッ
化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、水等が挙げられ
る。Y-としては無機酸からプロトン1個を除いた陰イ
オンが好ましく、中でも塩酸、フッ化水素酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸からプロトン1
個を除いた陰イオンが好ましく、特に塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸からプロトン1個を除いた陰イオンが
好ましい。Y-は陰電荷を有する基として定義すること
もでき、その好ましい例としては、例えばCl-、F-
Br-、I-、HSO3 -、HSO4 -、H2PO4 -、OH-
が挙げられ、中でもCl-、F-、Br-、I-が好まし
く、特にCl-、Br-が好ましい。Azで表される「ア
ゾリル基」としては、1〜4個の窒素原子を環構成原子
として含有し、さらに硫黄原子および酸素原子から選ば
れるヘテロ原子を環構成原子として含有していてもよい
5員環芳香族複素環基が挙げられ、その具体例として
は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3
−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾ
リル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イ
ソオキサゾリル、フラザニル、1,3,4−チアジアゾ
リル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,5−チア
ジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルなどが挙げら
れる。該アゾリル基としては、ピラゾリル、イミダゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾ
リル、およびテトラゾリルなどが好ましく、たとえば1
H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−1−
イル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル、2
H−1,2,3−トリアゾール−1−イル、1H−1,
2,4−トリアゾール−1−イル、1H−テトラゾール
−2−イル、2H−テトラゾール−2−イルなどが挙げ
られ、中でも1H−ピラゾール−1−イル、1H−1,
2,3−トリアゾール−1−イル、1H−1,2,4−
トリアゾール−1−イル、1H−テトラゾール−1−イ
ルが好ましく、とりわけ1H−テトラゾール−1−イル
が好ましい。
【0016】具体的に、Azとしては、
【化9】 などのジアゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルな
どが好ましく、中でも
【化10】 が好ましく、とりわけ
【化11】 が好ましい。またAzで示される「アゾリル基」に窒素
原子などの反応性原子が存在する場合には、該原子に
式:
【化12】 (式中、各記号は前記と同意義である)で示される基が
結合していてもよい。上記した式(I)で表される化合
物としては式:
【化13】 (式中、各記号は前記と同意義である。)で表される化
合物またはその塩が好ましい。化合物(I)がR0で示
される基中に不斉炭素原子を1個以上含有している場合
には2個以上の立体異性体が存在するが、その立体異性
体ならびにそれらの混合物のいずれも本発明に包含され
るものである。
【0017】式(I)は式:
【化14】 (式中、各記号は前記と同意義である)として、また式
(I’)は式:
【化15】 (式中、各記号は前記と同意義である)として表すこと
もできる。本発明の化合物(I)は水和物および非水和
物のいずれであってもよい。
【0018】以下に本発明の化合物の具体例を表1に示
すが、例示された化合物に限定されるものではない。
【表1】
【0019】前記一般式(I)で表される化合物は、例
えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との
塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等
にすることができる。無機塩基との塩としては、例え
ば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;
カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。有機塩基との塩としては、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエ
チレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩
としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン
酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩としては、例
えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュ
ウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミ
ノ酸との塩としては、例えば、アルギニン、リジン、オ
ルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩と
しては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などと
の塩が挙げられる。化合物(II)と化合物(III)の反
応は、通常無溶媒もしくは反応を阻害しない溶媒中で行
われる。反応を阻害しない溶媒としては、例えばケトン
類(例、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニ
トリル等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン
等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アミド類
(例、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチル
アセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン等)、ウ
レイレン等(例、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等)等が用いられる。これらは一種のみで用いて
も、二種以上適当な割合で混合して用いてもよい。化合
物(III)は、化合物(II)に対して約1ないし100
当量、好ましくは約1ないし50当量用いられる。反応
温度は特に限定されないが、通常約0ないし150℃、
好ましくは約20ないし120℃である。反応時間は数
分ないし数百時間程度(例えば5分ないし100時間
等)である。このようにして得られた化合物は、必要に
より陰イオン交換によって所望の陰イオン(Y-)を有
する化合物(I)に導くことができる。該陰イオン交換
は、水または水と有機溶媒(例、アセトン、アセトニト
リル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールな
ど)の混合溶媒あるいは有機溶媒の存在下、陰イオン型
イオン交換樹脂、あるいはY-について前記した有機酸
もしくは無機酸のアルカリ金属(例、ナトリウム、カリ
ウムなど)塩で処理することによって行うことができ
る。
【0020】化合物(I)において、R0がアミノ基、カ
ルボキシル基、水酸基で置換された炭化水素基または複
素環基である化合物はたとえば、式:
【化16】 (式中、R0aはそれぞれ、保護されたアミノ基、保護
されたカルボキシル基、保護された水酸基で置換された
炭化水素基または複素環基を示し、他の記号は前記と同
意義を有する)で表される化合物を脱保護反応に付すこ
とにより製造することができる。保護されたアミノ基に
おけるの保護基としては、例えばホルミル基、C1-6
ルキルカルボニル基(例えば、アセチル、エチルカルボ
ニルなど)、ベンジル基、tert−ブチルオキシカルボニ
ル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニル
メチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基、ベンゾイル基、C1-6アルキルオキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルな
ど)、C7-10アラルキルカルボニル基(例えば、ベンジ
ルカルボニルなど)、トリチル基などが用いられる。こ
れらの基は1ないし3個のハロゲン原子(例えば、フッ
素、塩素、臭素など)、ニトロ基、メトキシ基などで置
換されていてもよい。保護されたカルボキシル基におけ
る保護基としては、例えばC1-6アルキル基(例えば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、te
rt−ブチルなど)、フェニル基、シリル基、ベンジル
基、アリル基などが用いられる。これらの基は1ないし
3個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素な
ど)、ニトロ基、メトキシ基などで置換されていてもよ
い。
【0021】保護された水酸基における保護基として
は、例えばメトキシメチル基、アリル基、tert−ブチル
基、C7-10アラルキル基(例えば、ベンジルなど)、ホ
ルミル基、C1-6アルキルカルボニル基(例えば、アセ
チル、エチルカルボニルなど)、ベンゾイル基、C7-10
アラルキルカルボニル基(例えば、ベンジルカルボニル
など)、テトラヒドロピラニル基、フラニル基、トリア
ルキルシリル基などが用いられる。これらの基は、1な
いし3個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素
など)、C1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルな
ど)、フェニル基、C7-10アラルキル基(例えば、ベン
ジルなど)、ニトロ基、メトキシ基などで置換されてい
てもよい。これらの保護基の除去方法すなわち脱保護反
応は保護基の種類によって異なるが、通常知られている
手段たとえば「プロテクティブ グループス イン オ
ーガニック シンセシス、ア ウィリー インター サ
イエンス パブリケーション」に記載されている方法に
よって行うことができる。また必要により、この脱保護
反応に先立って、またはこの脱保護反応の後で、化合物
(I)は上記した陰イオン交換手段によって所望の陰イ
オン(Y-)を有する化合物(I)に導くことができ
る。本発明の化合物(I)が分子内に不斉炭素原子を1
個以上有している場合は2個以上の立体異性体が存在す
るが、所望によりそれらの異性体を個別に製造すること
もできる。例えば、原料化合物(III)および(Ib)が
分子内に不斉炭素を有している場合はその単一の異性体
を用いて、上記の反応を行うことにより本発明の化合物
(I)の単一の異性体を得ることができる。また、生成
物が二種類以上の異性体混合物の場合には、これを通常
の分離方法、例えば各種クロマトグラフィー、分別再結
晶等の分離手段によって、それぞれの異性体に分離する
こともできる。化合物(I)はたとえば化合物(II)と
化合物(III)とを反応させ、必要により陰イオン交換
させることにより製造することができる。このようにし
て得られる本発明の化合物(I)は反応混合物から自体
公知の手段、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、再結晶、
クロマトグラフィー等の手段を用いることによって単
離、精製することができる。本発明の原料化合物(II)
は抗真菌薬として有用な一群の化合物として自体公知で
あり、その製造法は例えば特開平9−183769に記
載されている。さらにもう一つの原料化合物(III)の
製造法も公知であり、たとえば特開平10−11475
8に記載されている。
【0022】本発明の化合物(I)は、抗真菌剤として
用いることができる。すなわち、化合物(I)は種々の
真菌類例えばカンジダ属菌[例、カンジダ アルビカン
ス、カンジダ ウティリス、カンジダ グラブラタ、カ
ンジダ クルセイ、カンジダトロピカリス、カンジダ
パラプシロシス等]、トリコスポロン属菌[例、トリコ
スポロン アサヒ等]、ヒストプラズマ属菌[例、ヒス
トプラズマ カプスラツム等]、アスペルギルス属菌
[例、アスペルギルス ニガー、アスペルギルス フミ
ガータス、アスペルギルス フラバス等]、ペニシリウ
ム属菌[例、ペニシリウム マルネッフェイ等]、クリ
プトコッカス属菌[例、クリプトコッカス ネオフォル
マンス等]、トリコフィトン属菌[例、トリコフィトン
ルブルム、トリコフィトン メンタグロフィテス
等]、ミクロスポルム属菌[例、ミクロスポルム ギプ
セウム、ミクロスポルム カニス等]、マラセチア属菌
[例、マラセチア ファーファ等]、スポロトリックス
属菌[例、スポロトリックスシェンキ等]、クラドスポ
リウム属菌[例、クラドスポリウム カリオニ等]、ホ
ンセカエア属菌[例、ホンセカエア コンパクタ、ホン
セカエア ペドロソイ等]、フィアロホーラ属菌[例、
フィアロホーラ ベルコサ等]、リノクラジエラ属菌
[例、リノクラジエラ アクアスペルサ等]、エクソフ
ィアラ属菌[例、エクソフィアラ ジェアンセルメイ
等]、ワンギエラ属菌[例、ワンギエラ デルマティテ
ィデス等]、コクシジオイデス属菌[例、コクシジオイ
デス イミティス等]、エピデルモフィトン属菌[例、
エピデルモフィトン フロコサム等]、パラコクシジオ
イデス属菌[例、パラコクシジオイデス ブラシリエン
シス等]、ブラストミセス属菌[例、ブラストミセス
デルマティティデス等]、フサリウム属菌[例、フサリ
ウム ジメルム等]等による哺乳動物(ヒト、家畜、家
禽等)の真菌感染症、中でも、AIDS患者、臓器移植
患者、骨髄移植患者を含むヒト(イムノコンプロマイズ
ド患者および非イムノコンプロマイズド患者)の真菌感
染症[例、内臓真菌症(深在性真菌症):真菌血症、呼
吸器真菌症(例、肺真菌症等)、消化器真菌症、尿路真
菌症、真菌髄膜炎等;深在性皮膚真菌症:スポロトリコ
ーシス、クロモミコーシス等;表在性皮膚真菌症:白癬
(体部白癬、股部白癬、手白癬、足白癬、頭部白癬、ケ
ルスス禿瘡、白癬性毛瘡等)、皮膚糸状菌による変色落
屑、角質増殖等;カンジダ症(口腔カンジダ症、皮膚カ
ンジダ症、カンジダ性毛瘡、慢性皮膚粘膜カンジダ症
等);癜風;マラセチア毛包炎;爪真菌症;真菌性角膜
炎;全身性真菌症;希少熱帯真菌症等]の予防、治療に
用いることができる。
【0023】さらに詳しくは、化合物(I)は局所およ
び/または全身的投与によって、例えば、カンジダ属菌
による粘膜カンジダ症(口腔カンジダ症、食道カンジダ
症、非侵襲性気管支カンジダ症、鵞口瘡、口角炎、膣カ
ンジダ症、陰茎カンジダ症等)、皮膚カンジダ症(カン
ジダ性指間び爛症、カンジダ性間擦疹、肛囲カンジダ
症、湿疹状皮膚酵母菌症、カンジダ爪炎、カンジダ爪囲
炎、カンジダ外聴道炎、カンジダ敗血症の皮膚病変、汎
発性表在性カンジダ症、カンジダ肉芽腫、先天性皮膚カ
ンジダ症、カンジジド、カンジダ性毛瘡、乳児寄生菌性
紅斑等)、慢性粘膜皮膚カンジダ症、播種性カンジダ症
および内臓カンジダ症[呼吸器カンジダ症(気管支カン
ジダ症、肺カンジダ症、肺炎等)、消化器カンジダ症、
カンジダ敗血症、カンジダ血症、カンジダ心内膜炎、カ
ンジダ性心筋炎、泌尿器カンジダ症、眼カンジダ症、中
枢神経系カンジダ症、関節および骨カンジダ症、カンジ
ダ腹膜炎、肝カンジダ症、子宮内カンジダ症等]等;ト
リコスポロン属菌によるトリコスポロン症;ヒストプラ
ズマ属菌による急性肺ヒストプラズマ症、慢性肺ヒスト
プラズマ症および播種性ヒストプラズマ症等;ペニシリ
ウム属菌によるペニシリウム症;アスペルギルス属菌に
よる呼吸器アスペルギルス症[アレルギー性アスペルギ
ルス症、気管支アスペルギルス症、アスペルギルス菌球
症、肺アスペルギルス症(急性侵襲性アスペルギルス
症、慢性壊死性肺アスペルギルス症)、アスペルギルス
膿胸等]、播種性アスペルギルス症、中枢神経アスペル
ギルス症、アスペルギルス心内膜炎、アスペルギルス心
筋炎、アスペルギルス心膜炎、アスペルギルス菌腫症、
外耳道アスペルギルス症、アスペルギルス爪炎、アスペ
ルギルス爪廓炎、アスペルギルス角膜炎、アスペルギル
ス眼内炎、皮膚アスペルギルス症および副鼻腔眼窩アス
ペルギルス症等;クリプトコッカス属菌による肺クリプ
トコッカス症、中枢神経クリプトコッカス症、クリプト
コッカス髄膜炎、皮膚および粘膜クリプトコッカス症、
骨および関節クリプトコッカス症、リンパ節クリプトコ
ッカス症、全身性クリプトコッカス症および造血器クリ
プトコッカス症等;トリコフィトン属菌、ミクロスポル
ム属菌、エピデルモフィトン属菌等による頭部白癬、黄
癬、ケルスス禿瘡、白癬性毛瘡、斑状小水泡性白癬、輸
状湿疹性白癬、渦状癬、汗疱状白癬、爪白癬、白癬疹お
よび白癬性肉芽腫等;マラセチア属菌による癜風、マラ
セチア毛包炎、毛嚢炎、間擦診、指漏性皮膚炎、涙嚢炎
等;スポロトリックス属菌によるスポロトリコーシス
等;クラドスポリウム属菌、ホンセカエア属菌、フィア
ロホーラ属菌、リノクラジエラ属菌等によるクロモ菌症
(黒色分芽菌症等);エクソフィアラ属菌、ワンギエラ
属菌等によるクロモ菌症(黒色菌糸症等);コクシジオ
イデス属菌によるコクシジオイデス症、パラコクシジオ
イデス属菌によるパラコクシジオイデス症;ブラストミ
セス属菌によるブラストミセス症;フサリウム属菌によ
るフサリウム症等の予防、治療に用いることができ、さ
らにはアトピー性皮膚炎の予防、治療に用いることがで
きる。さらに化合物(I)は2種以上を併用して抗真菌
剤として用いることができ、また化合物(I)以外の抗
真菌剤と併用することもできる。化合物(I)は、農業
用抗真菌剤としても用いることができる。
【0024】本発明の化合物(I)をヒトに投与する場
合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担
体、賦形剤、希釈剤等と混合し、経口投与剤(例、散
剤、顆粒、錠剤、カプセル剤等)、非経口投与剤[例:
注射剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤等)、坐
剤(例、直腸坐剤、膣坐剤等)等]等の医薬組成物とし
て経口的または非経口的に安全に投与することができ
る。これらの製剤は、製造工程において通常一般に用い
られる自体公知の方式により製造することができる。製
剤中の本発明の化合物(I)の配合割合は、その形態に
も異なるが、抗真菌剤一般に用いられる割合でよく、た
とえば上記した経口投与剤においては約10ないし95
重量%であり、たとえば上記した非経口投与剤では約
0.001ないし95重量%である。例えば注射剤は、
本発明の化合物(I)を分散剤[例:ツイーン(Tween)
80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日
光ケミカルズ製)、カルボキシメチルセルロース、アル
ギン酸ナトリウム等]、保存剤(例、メチルパラベン、
プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノ
ール等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリ
ン、ソルビトール、ブドウ糖等)等とともに水性注射剤
に、あるいは植物油(例、オリーブ油、ゴマ油、ラッカ
セイ油、綿実油、コーン油等)、プロピレングリコール
等に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形する
ことにより製造される。
【0025】経口投与製剤は、本発明の化合物(I)
に、例えば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン等)、崩
壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム)、結合剤(例、
デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム、ポリエチレングリコール6000等)等を添加し
て圧縮成形し、次いで必要に応じての味のマスキング、
腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコ
ーティングすることにより製造することができる。コー
ティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエ
チレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セ
ルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロー
スアセテートサクシネート、オイドラギッド(ローム社
製、西ドイツ、メタアクリル酸、アクリル酸共重合)お
よび酸化チタン、ベンガラ等の色素等が用いられる。
【0026】本発明の化合物(I)は、固状、半固状ま
たは液状の外用剤としても用いることができる。例えば
固状の外用剤は、本発明の化合物(I)をそのまま、あ
るいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプ
ン、微結晶セルロース等)、増粘剤(例、天然ガム類、
セルロース誘導体、アクリル酸重合体等)等を添加、混
合して粉状の組成物とすることにより製造される。半固
状の外用剤の場合には、水性または油性のゲル剤、ある
いは軟膏状として用いることが好ましい。液状の外用剤
は、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは水性
懸濁剤とすることにより製造される。上記した固状、半
固状または液状の外用剤に、pH調節剤(例、炭酸、リ
ン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム等)、防腐剤
(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、塩化ベンザルコニウム等)等を加えてもよい。具体
的には、例えばワセリン、ラノリン等を基剤として、1
gあたり本発明の化合物(I)を通常約0.1ないし100mg
含有する軟膏剤として、皮膚あるいは粘膜等の殺菌、消
毒に用いることができる。本発明の化合物(I)は、油
性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とする
こともできる。坐剤を製造する際の油性基剤としては、
例えば高級脂肪酸のグリセライド[例:カカオ脂、ウィ
テップゾール類(ダイナマイトノーベル社製)等]、中
級脂肪酸[例:ミグリオール酸(ダイナマイトノーベル
社製)等]、あるいは植物油[例:ゴマ油、大豆油、綿
実油等]等が挙げられる。また水性基剤としては、例え
ばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール等
が挙げられ、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム
類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重
合体等が挙げられる。
【0027】本発明の化合物(I)の投与量は感染の状
態、投与ルートによっても異なるが、例えばカンディダ
感染症の治療の目的で成人(体重50kg)患者に投与す
る場合、経口投与では、約0.01ないし100mg/kg
/日、好ましくは約0.1ないし50mg/kg/日であ
る。さらに好ましくは約0.5ないし10mg/kg/日で
ある。また、本発明の製剤において、化合物(I)は2
種以上を併用してよい。また化合物(I)以外の抗真菌
性化合物と併用してもよい。本発明の化合物(I)を農
業用抗真菌剤として用いる場合には、本発明の化合物
(I)を適当な液体担体(例えば溶媒)に溶解するか、
あるいは分散させ、また適当な固体担体(例えば希釈
剤、増量剤)と混合するかあるいはこれに吸着させ、所
要の場合はさらにこれに乳化剤、懸濁剤、展着剤、浸透
剤、湿潤剤、粘しょう剤、安定剤等を添加し、乳剤、水
和剤、粉剤、粒剤等の剤型として使用すればよい。これ
らの製剤は自体公知の方法で調整することができる。本
発明の化合物(I)の使用量は、例えば、稲いもち病の
防除に際しては、水田1アールあたり約25ないし150
g、より好ましくは約40ないし80gである。また、
本発明の化合物(I)は2種以上を併用してよく、他の
農業用抗真菌性化合物と併用してもよい。
【0028】上記液体担体としては、例えば水、アルコ
ール類(例、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチ
レングリコール等)、エーテル類(例、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例、ケロシ
ン、灯油、燃料油等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼ
ン、トルエン類)、ハロゲン化炭化水素類(例、メチレ
ンクロリド、クロロホルム等)、酸アミド類(例、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等が用い
られ、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合
して使用することができる。上記固体担体としては、植
物性粉末(例、大豆粉、たばこ粉、小麦粉等)、鉱物性
粉末(例、カオリン、ベントナイト等)、アルミナ、硫
黄粉末、活性炭等が用いられ、これらは1種または2種
以上を適当な割合で混合して使用することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施例、製剤例および実験
例を記載し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されない。1H−NMRスペクトルは、内部
基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンジェミ
ニ200(200MHz)型スペクトルメーターで測定
し、全δ値をppmで示した。混合溶媒において( )内
に示した数値は、各溶媒の容量混合比である。%は、特
記しない限り重量パーセントを意味する。また、シリカ
ゲルクロマトグラフィーにおける溶媒の比は、混合する
溶媒の容量比を示す。実施例中の記号は次のような意味
を有する。 s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレッ
ト、q:クワルテット、dd:ダブルダブレット、t
t:トリプルトリプレット、m:マルチプレット、b
r:幅広い、J:カップリング定数
【0030】
【実施例】実施例1 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(1g)、4-アセトキシベンジルブロミド(1.1
g)及びアセトニトリル(5ml)の混合物を80℃で15時間撹
拌した。溶媒を減圧下留去して得られた残留物をシリカ
ゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢
酸エチル→ジクロロメタン/メタノール=20/1→ジクロロ
メタン/メタノール=10/1)に付して精製した後、ジイソ
プロピルエーテルから結晶化すると4-アセトキシベンジ
ル-1-[(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロ
キシ-3-[2-オキソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェ
ニル]-1-イミダゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾ
リウム ブロミド(化合物, 210mg)が白色粉末として得
られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J = 7.0Hz), 2.27
(3H, s), 3.54-3.67 (1H, m), 3.88-3.98 (3H, m), 4.7
0 (1H, q, J = 7.0Hz), 4.85 (1H, d, J = 14.2Hz), 4.
95 (1H, d, J = 14.2Hz), 5.49 (2H, s), 6.40 (1H,
s), 6.93-7.00 (1H,m), 7.17-7.36 (2H, m), 7.19 (2H,
d, J = 8.4Hz), 7.38 (2H, d, J = 8.4Hz), 7.89 (4H,
s), 9.07 (1H, s), 10.05 (1H, s), 10.17 (1H, s).
【0031】実施例2 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(1g)、4-[(S)-1-tert-ブトキシカルボニル
-2-ピロリジニルカルボニルオキシ]-3,5-ジメチルベン
ジルブロミド(1.1g)及びアセトニトリル(5ml)の混合物
を80℃で15時間撹拌した。溶媒を減圧下留去して得られ
た残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:酢酸エチル→ジクロロメタン/メタノール
=20/1→ジクロロメタン/メタノール=10/1)に付して精製
した後、ジイソプロピルエーテルから結晶化すると4-[4
-[(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジニルカル
ボニルオキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)-2-
(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-
3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾ
リジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウムブロミド
(化合物, 210mg)が白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J = 7.0Hz), 1.38,
1.40 (9H, s), 1.90-1.99 (2H, m), 2.10 (6H, s), 2.
34-2.50 (2H, m), 3.31-3.51 (2H, m), 3.60-3.70 (1H,
m), 3.88-4.08 (3H, m), 4.49 (1H, dd, J = 8.2, 3.0
Hz), 4.67 (1H, q, J = 7.0Hz), 4.92 (1H, d, J = 15.
0Hz), 4.95 (1H, d, J = 15.0Hz), 5.40 (2H, s), 6.41
(1H, s), 6.89-6.98 (1H, m), 7.09 (2H, s), 7.15-7.
34 (2H, m), 7.89 (4H, s), 9.05 (1H, s), 10.05 (1H,
s), 10.16 (1H, s).
【0032】実施例3 4N塩化水素-酢酸エチル溶液(5ml)に実施例2で得た4-[4
-[(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジニルカル
ボニルオキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)-2-
(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-
3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾ
リジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム ブロミド
(化合物, 150mg)のテトラヒドロフラン-ジクロロメタ
ン(1/1, 4ml)溶液を加え、得られた混液を室温で1時間
撹拌した。溶媒を減圧下留去して得られた残留物をAmbe
rlyst A-27(Cl-型)(溶出液:メタノール)に付した後、
ジイソプロピルエーテルから結晶化すると1-[(2R,3R)-2
-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ
-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾ
リジニル]ブチル]-4-[4-[(S)-2-ピロリジニルカルボニ
ルオキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1H-1,2,4-トリアゾ
リウム クロリド・塩酸塩(化合物, 105mg)が白色粉末
として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J= 6.8Hz), 1.91-
2.25 (4H, m), 2.13 (6H,s), 3.17-3.34 (2H, m), 3.60
-3.65 (1H, m), 3.90-4.10 (3H, m), 4.69-4.80(2H,
m), 4.87 (1H, d, J= 14.2Hz), 5.09 (1H, d, J= 14.2H
z), 5.45 (2H, s),6.76 (1H, s), 6.87-6.95 (1H, m),
7.14 (2H, s), 7.22-7.30 (2H, m), 7.89(4H, s), 9.05
(1H, s), 9.76 (2H, brs), 10.07 (1H, s), 10.46 (1
H, s).
【0033】実施例4 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(0.53g)、4-(N-tert-ブトキシカルボニル-
N-メチルアミノアセトキシ)-3,5-ジメチルベンジルブロ
ミド(0.65g)及びアセトニトリル(10ml)の混合物を80℃
で20時間、続いて90℃で18時間撹拌した後、反応液を減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出液:酢酸エチル→ジクロロメタン/メタノール=20
/1→ジクロロメタン/メタノール=10/1)に付して精製す
ると、4-[4-(N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチルアミ
ノアセトキシ)-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)-2-
(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-
3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾ
リジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム ブロミド
(化合物, 600mg)が白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ:0.98 (3H, d, J=7Hz), 1.38, 1.40
(9H, s), 2.10 (6H, s),2.89, 2.95 (3H,s), 3.65-4.02
(4H, m), 4.31, 4.38 (2H, s), 4.65-4.75 (1H, m),
4.85 (1H, d, J=14Hz), 4.94 (1H, d, J=14Hz), 5.40
(2H, s), 6.42 (1H, br), 6.89-6.98 (1H, m), 7.11 (2
H,s), 7.17-7.37 (2H, m), 7.89 (4H, s),9.05 (1H,
s), 10.06 (1H, s), 10.15 (1H, s).
【0034】実施例5 実施例4で得た4-[4-(N-tert-ブトキシカルボニル-N-メ
チルアミノアセトキシ)-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2
R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2
-オキソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-
イミダゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム
ブロミド(化合物, 290mg)のテトラヒドロフラン(6ml)
溶液に4N塩化水素-酢酸エチル溶液(4.9ml)を氷冷下で
加えた。室温で5時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し
た。残留物をAmberlyst A-27(Cl-型)(溶出液:メタノー
ル)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物をテトラ
ヒドロフランで洗浄すると、1-[(2R,3R)-2-(2,4-ジフル
オロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-3-[4-(1H-テ
トラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾリジニル]ブ
チル]-4-[3,5-ジメチル-4-(メチルアミノアセトキシ)ベ
ンジル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム クロリド・塩酸塩
(化合物, 180mg)が白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ:0.98 (3H, d, J=7Hz), 2.13 (6H,
s), 2.65 (3H,s), 3.94-4.04 (4H,m), 4.42(2H,s), 4.6
1 (1H,q,J=7Hz), 4.86 (1H,d,J=14Hz), 5.07 (1H, d, J
=14Hz), 5.44 (2H, s), 6.73 (1H, s), 6.87-6.97 (1H,
m), 7.15 (2H,s), 7.21-7.35 (2H,m), 7.89 (4H, s),
9.06 (1H,s), 9.48 (2H,brs), 10.08 (1H,s), 10.43(1
H,s). SIMS:687(M-Cl)+.
【0035】実施例6 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(0.83g)、4-[(S)-2-(tert-ブトキシカルボ
ニルアミノ)プロパノイルオキシ]-3,5-ジメチルベンジ
ルブロミド(1.0g)及びアセトニトリル(16ml)の混合物を
90℃で48時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留
物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロ
メタン→ジクロロメタン/メタノール=20/1→ジクロロ
メタン/メタノール=15/1)に付して精製すると、4-[4-
[(S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル
オキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)-2-(2,4-ジ
フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-3-[4-(1
H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾリジニ
ル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム ブロミド(化合物
, 720mg)が白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J=7Hz), 1.38 (9H,
s), 1.44 (3H, d, J=7Hz), 2.08 (6H,s), 3.67-4.01 (4
H, m), 4.22-4.36 (1H, m), 4.70 (1H, q, J=7Hz), 4.8
5 (1H, d, J=14Hz), 4.94 (1H, d, J=14Hz), 5.40 (2H,
s), 6.40 (1H, brs), 6.88-6.98 (1H, m), 7.09 (2H,
s), 7.16-7.36 (2H, m), 7.55 (1H, d, J=7Hz), 7.89
(4H, s), 9.05 (1H, s), 10.06 (1H, s), 10.14 (1H,
s).
【0036】実施例7 実施例6で得た4-[4-[(S)-2-(tert-ブトキシカルボニル
アミノ)プロパノイルオキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1
-[(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-
3-[2-オキソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]
-1-イミダゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウ
ム ブロミド(化合物, 350mg)のテトラヒドロフラン(7
ml)溶液に4N塩化水素-酢酸エチル溶液(6ml)を氷冷下で
加えた。室温で35時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し
た。残留物をAmberlyst A-27(Cl-型)(溶出液:メタノー
ル)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物をジイソ
プロピルエーテルで洗浄すると、4-[4-[(S)-2-アミノプ
ロパノイルオキシ]-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)
-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキ
ソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダ
ゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム クロリ
ド・塩酸塩(化合物, 280mg)が白色粉末として得られ
た。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.97 (3H, d, J=6.6Hz), 1.63(3
H, d, J=7.2Hz), 2.11 (6H, s), 3.96-4.06 (4H, m),
4.49(1H, q, J=7.2Hz), 4.64-4.76 (1H,m), 4.86 (1H,
d, J=14Hz), 5.06 (1H, d, J=14Hz), 5.44 (2H ,s), 6.
72 (1H, s), 6.87-6.96( 1H, m), 7.13 (2H, s), 7.20-
7.36 (2H, m), 7.89 (4H, s), 8.62 (3H, brs), 9.05
(1H,s), 10.07 (1H, s), 10.41 (1H, s). SIMS:687(M-Cl)+.
【0037】実施例8 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(0.50g)、4-(tert-ブトキシカルボニルア
ミノアセトキシ)-3,5-ジメチルベンジルブロミド(0.58
g)及びアセトニトリル(10ml)の混合物を90℃で50時間撹
拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
クロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン→ジクロ
ロメタン/メタノール=20/1→ジクロロメタン/メタノー
ル=15/1)に付して精製すると、4-[4-(tert-ブトキシカ
ルボニルアミノアセトキシ)-3,5-ジメチルベンジル]-1-
[(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3
-[2-オキソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-
1-イミダゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム
ブロミド(化合物, 450mg)が白色粉末として得られ
た。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J=7Hz), 1.38 (9H,
s), 2.08 (6H, s), 3.62-4.02 (6H, m), 4.65-4.75 (1
H, m), 4.84 (1H, d, J=14Hz), 4.94 (1H, d, J=14Hz),
5.39 (2H, s), 6.40 (1H, brs), 6.88-6.98 (1H, m),
7.09 (2H, s), 7.16-7.49 (3H, m), 7.89 (4H,s), 9.05
(1H, s), 10.06 (1H, s), 10.14 (1H, s).
【0038】実施例9 実施例8で得た4-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ
アセトキシ)-3,5-ジメチルベンジル]-1-[(2R,3R)-2-(2,
4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-3-
[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾリ
ジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム ブロミド(化
合物, 230mg)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に4N塩
化水素-酢酸エチル溶液(3.9ml)を氷冷下で加えた。室温
で40時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留物を
Amberlyst A-27(Cl-型)(溶出液:メタノール)に付し、
目的画分を減圧濃縮した。残留物をイソプロピルエーテ
ルで洗浄すると、4-(4-アミノアセトキシ-3,5-ジメチル
ベンジル)-1-[(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-
ヒドロキシ-3-[2-オキソ-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イ
ル)フェニル]-1-イミダゾリジニル]ブチル]-1H-1,2,4-
トリアゾリウム クロリド・塩酸塩(化合物, 190mg)が
白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J=7Hz), 2.12(6H,
s), 3.91-4.06 (4H, m),4.25 (2H, s),4.66-4.77 (1H,
m), 4.86 (1H, d, J=14Hz), 5.07 (1H, d, J=14Hz), 5.
44 (2H, s), 6.74 (1H, s), 6.86-6.95 (1H, m), 7.14
(2H, s), 7.21-7.34 (2H, m), 7.89 (4H, s), 8.60 (3
H, br), 9.05 (1H, s), 10.07 (1H, s), 10.43 (1H,
s). SIMS:673(M-Cl)+.
【0039】実施例10 1-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ
-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピ
ル]-3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-2-イミ
ダゾリジノン(0.50g)、4-ベンゾイルオキシ-3,5-ジメチ
ルベンジルブロミド(0.60g)及びアセトニトリル(8ml)の
混合物を80℃で25時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:
ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール=15/1)に
付して精製した後、Amberlyst A-27(Cl-型)(溶出液:メ
タノール)に付した。目的画分を減圧濃縮すると4-(4-ベ
ンゾイルオキシ-3,5-ジメチルベンジル)-1-[(2R,3R)-2-
(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-[2-オキソ-
3-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]-1-イミダゾ
リジニル]ブチル]-1H-1,2,4-トリアゾリウム クロリド
(化合物10, 350mg)が白色粉末として得られた。1 H-NMR (d6-DMSO)δ: 0.98 (3H, d, J=7Hz), 2.12 (6H,
s), 3.62-4.01 (4H, m), 4.66-4.78 (1H, m), 4.87 (1
H, d, J=14Hz), 5.05 (1H, d, J=14Hz), 5.45 (2H, s),
6.68 (1H, s), 6.91-7.01 (1H, m), 7.10-7.38 (2H,
m), 7.17 (2H, s),7.60-7.83 (3H, m), 7.90 (4H, s),
8.16-8.20 (2H, m), 9.07 (1H, s), 10.07(1H, s), 10.
36 (1H, s). SIMS:720(M-Cl)+.
【0040】製剤例1 上記実施例5によって得られた化合物を用いて、下記
の組成を有する注射剤を製造した。 実施例5の化合物 100mg 注射用5%グルコース水溶液 100ml 製剤例2 上記実施例7によって得られた化合物を用いて、下記
に示す処方の全成分を混和し、ゼラチンカプセルに充填
し、カプセル1個当たり、50mgの化合物を含有する
カプセル剤を製造した。 実施例7の化合物 50mg 乳糖 100mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 合計 200mg 製剤例3 上記実施例3によって得られた化合物とステアリン酸
マグネシウムを可溶性デンプンの水溶液で顆粒化し、乾
燥後、乳糖及びコーンスターチと混合した。混合物を圧
縮成型し、下記に示す処方の錠剤を製造した。 実施例3の化合物 50mg 乳糖 65mg コーンスターチ 30mg 可溶性デンプン 35mg ステアリン酸マグネシウム 20mg 合計 200mg
【0041】実験例1 方法:5週齢のCrj:CDF1 マウスに最小致死量の
カンジダ アルビカンスTAを静脈内に接種した。本発
明の化合物を5%グルコース水溶液に溶解し、感染直後
に1回、1.04μmol/kgを静脈内(i. v.)投与し
た。感染防御効果として、感染4日後までのマウス(各
群5例)の生残数を観察した。 結果:本発明の化合物の実験的マウス感染症における静
脈内投与での感染防御効果を〔表2〕に示す。
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の化合物は、水に対する溶解性が
高く注射剤として用いるのに適しており、しかも体内吸
収性に優れており、高い治療効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一川 隆史 大阪府大阪市淀川区十三本町3丁目4番24 −1103 Fターム(参考) 4C063 AA03 AA05 BB06 CC41 CC42 CC47 DD23 EE01 EE03 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC60 BC62 GA07 GA12 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA33 ZA34 ZA59 ZA66 ZA67 ZA81 ZA82 ZA90 ZA96 ZB35 ZC55

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 【化1】 (式中、R0は水素原子またはそれぞれ置換されていて
    もよい炭化水素基もしくは複素環基を、R1およびR2
    同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基または低級
    アルコキシカルボニル基を、X1およびX2は同一または
    異なってハロゲン原子を、Azはアゾリル基を、Y-
    陰イオンを示し、(R)は立体配置を示す。)で表され
    る化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】X1およびX2が共にフッ素原子である請求
    項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Azで示されるアゾリル基がトリアゾリル
    基またはテトラゾリル基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】X1およびX2が共にフッ素原子であり、A
    zで示されるアゾリル基が1H−テトラゾール−1−イ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の化合物を含有してなる医
    薬。
  6. 【請求項6】抗真菌剤である請求項5記載の医薬。
  7. 【請求項7】式: 【化2】 (式中、X1およびX2は同一または異なってハロゲン原
    子を、Azはアゾリル基を示し、(R)は立体配置を示
    す。)で表される化合物と式: 【化3】 (式中、R0は水素原子、またはそれぞれ置換されてい
    てもよい炭化水素基もしくは複素環基を、R1およびR2
    は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級ア
    ルキル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基または低
    級アルコキシカルボニル基を、Y1は脱離基を示す。)
    で表される化合物とを反応させ、必要により脱保護反応
    または/および陰イオン交換することを特徴とする式: 【化4】 (式中、Y-は陰イオンを示し、その他の記号は前記と
    同意義である。)で表される化合物またはその塩の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100285A (ja) * 2011-06-22 2018-06-28 ビョーメ バイオサイエンシズ ピーブイティー.リミテッド コンジュゲートベースの抗真菌性および抗菌性プロドラッグ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018100285A (ja) * 2011-06-22 2018-06-28 ビョーメ バイオサイエンシズ ピーブイティー.リミテッド コンジュゲートベースの抗真菌性および抗菌性プロドラッグ

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