JP2000086323A - 石膏ボード及びその製造方法 - Google Patents

石膏ボード及びその製造方法

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JP2000086323A
JP2000086323A JP25891198A JP25891198A JP2000086323A JP 2000086323 A JP2000086323 A JP 2000086323A JP 25891198 A JP25891198 A JP 25891198A JP 25891198 A JP25891198 A JP 25891198A JP 2000086323 A JP2000086323 A JP 2000086323A
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gypsum
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group
gypsum board
aqueous
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JP25891198A
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Hiroyoshi Nagai
廣義 長井
Koji Abe
孝司 阿部
Tadashi Yoshino
正 芳野
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボード原紙と石膏芯材との接着性、ボ
ードの強度アップ、生産性の向上。 【解決手段】 石膏に水系反応性有機物質を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石膏と水系反応性有
機物を用い、極めてボード原紙との接着性にすぐれ、高
強度を有し、生産性の高い石膏ボード及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードは、安価で不燃性に優れる等
の性質が評価されて建材として多用されており、一般に
石膏を主体とする板状の無機芯材に両面からボード用原
紙を積層した構成である。これを製造するには、焼石膏
を起泡剤、減水剤、澱粉等の添加剤と共にミキサーで水
と混合して原料スラリーを製造し、その原料スラリーを
ボード用原紙上に層状に流すと共に上から別のボード用
原紙で挟んで板状に展圧し、石膏スラリーを凝結・硬化
させた後に乾燥させる方法が一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の石膏ボードは、実用的には、なお改良されるべき点
も残されている。例えば、石膏芯材とボード原紙の接着
性が必ずしも十分とは言い難い。又、石膏基材の軽量化
と基材強度の向上がある。この解決方法として、デンプ
ンの種類や添加量、乾燥温度と時間等に関して種々検討
がなされているが、いずれも以下に記す様な問題点を抱
えている。例えば、原料コスト、製造設備、乾燥時間等
の総生産コストの上昇や、デンプン等の接着助剤添加に
よるボード製品へのカビ、吸湿によるタワミ等が挙げら
れる。
【0004】ボード原紙との接着性の改良方法として石
膏芯板を結合接着剤、たとえば澱粉の助けを借りて表面
シートに結合されたボード及びその製造方法(特開平5
−148001号公報)、あるいは、ボード用原紙に石
膏を含む原料スラリーを積層状態に流して無機芯材を構
成したものであって、その無機芯材のうち、ボード原紙
に接する部分はその石膏の含有量が高くされていること
を特長とする方法(特開平6−321659号公報)が
提唱されているが、いずれも満足する結果が得られてお
らず、かつ製造方法が複雑であり、作業性が悪く、よっ
て生産性が低い等の問題が残されている。
【0005】一方、用いられる原料石膏の種類には実製
造面に於いてある程度制約されているのが現実である。
例えば、湿式燐酸製造時に副生するα半水石膏は凝結時
間、水和速度、ボード原紙との接着性、製品のソリ、タ
ワミ等の問題から、安価ではあるが、使用されているの
は極限られた条件範囲である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、石膏に水系反
応性有機物質を含むバインダーを添加することにより、
極めてボード原紙と石膏芯材との接着性にすぐれ、高強
度を有し、生産性の高い石膏ボードが得られるのであ
る。
【0007】即ち、本発明は、石膏に水系反応性有機物
質を含むバインダーを用いる石膏ボード及び石膏に水系
反応性有機物質を含むバインダーを添加し、得られた石
膏スラリーを下部用ボード原紙上に流し込み、上部用ボ
ード原紙と一体化することを特長とする石膏ボードの製
造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明に用いる石膏は、β半水石膏、またはβ半水
石膏とα半水石膏との混合物であっても特に限定するも
のではない。しかし、α半水石膏は、その製造方法によ
っては非常に製造コストが高くなり実用的ではない。例
えば、天然石膏や排煙脱硫酸石膏等の二水石膏をオート
クレイブを用いた加圧水溶液法、あるいは加圧水蒸気法
で低反応温度・短反応時間の条件下において脱水して製
造するα型半水石膏等であり、一般的な石膏ボードの製
造には用いられていない。
【0009】しかしながら、湿式燐酸製造時に副生する
α半水石膏は、一般的なα半水石膏に比し、混水量がや
や高く、凝結時間の不安定さという欠点はあるものの、
凝結時間の安定化や水和促進を目的にアルカリを添加す
ることによりボードへの使用が可能である。例えば、特
願平8−347435号公報では、β半水石膏と50重
量%まで混合が可能であると提唱されているが、本発明
による水系反応性有機物質を含むバインダーを添加し反
応固化させる方法を用いることにより、α半水石膏の混
合割合を上げることが可能となる。即ち、β半水石膏と
混合に用いる場合の湿式燐酸製造時に副生するα半水石
膏の割合は、70重量%まで可能となる。α半水石膏の
混合割合が70重量%を越えると接着性の問題を生じる
ので好ましくない。水系反応性有機物質を含むバインダ
ーを用いるα半水石膏は、水和促進としてアルカリが添
加された場合でも、又無添加の場合でもよい。
【0010】本発明の水系反応性有機物質とは、反応性
有機物質の水溶液および/または水を分散媒とする分散
体である。非水系の物質では、前述のような取扱い上の
問題を生じたり、使用設備の制約を受け好ましくない。
また、非反応性物質では、充分な強度が得られにくく、
石膏ボードの寸法変化が大きくなり、問題がある。
【0011】本発明の水系反応性有機物質は、ホルムア
ルデヒド系樹脂およびホルムアルデヒド系樹脂と反応可
能な官能基(F1)を有する共重合体エマルジョンが好
ましい。
【0012】ホルムアルデヒド系樹脂としては、アミノ
系物質とホルムアルデヒドとの反応生成オリゴマーやフ
ェノール類とホルムアルデヒドとの反応生成オリゴマー
等を主成分とするホルムアルデヒド系樹脂類が例示でき
る。これらの物質は、適度な硬化剤を用いたり加熱する
事により反応し、硬化物を得ることができる。 ホルム
アルデヒド樹脂類を単独でバインダーとして用いると、
硬化後にも未反応のホルムアルデヒドが残存する可能性
があり、石膏ボードを使用する環境でホルムアルデヒド
の残存が支障となる場合は好適ではない。また、樹脂の
製造上酸類やアルカリ類を多量に使用する場合は、酸や
アルカリ類あるいは生成した塩がボード中に残存し、石
膏ボードを高湿度下に長時間放置するような場合、吸湿
しやすく重量や寸法の変化が大きくなりやすい。
【0013】このような支障を解消する方法として、ホ
ルムアルデヒド系樹脂と反応可能な官能基(F1)を有
する共重合体エマルジョンをホルムアルデヒド系樹脂と
混合して使用することができる。本発明のホルムアルデ
ヒド系樹脂と反応可能な官能基(F1)としてはアミド
基、N−メチロールアミド基、N−アルコキシメチルア
ミド基、水酸基が特に好ましい。共重合エマルジョンに
よる該支障物質の希釈効果のみならず、これら官能基
は、ホルムアルデヒド系樹脂の末端メチロール基や遊離
のホルムアルデヒドと反応し、よりホルムアルデヒドの
残存量を低減する効果を有している。
【0014】共重合エマルジョンとホルムアルデヒド系
樹脂の混合比率や共重合エマルジョン中の官能基導入率
については特に限定するものではない。また、本発明の
水系反応性有機物質は、同一分子内に2以上のイソシア
ネート基を有する化合物の乳化物とイソシアネート基と
反応する活性水素基を有する化合物の水溶液および/ま
たは水性エマルジョンの混合物が好ましい。
【0015】同一分子内に2以上のイソシアネート基を
有し水に乳化分散可能なイソシアネート系化合物とは、
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4−
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシレ
ンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネート(ポリメリックMDI)等のイソシアネー
ト化合物と単官能アルコールにアルキレンオキサイドを
付加せしめた化合物を作用させ易乳化性としたイソシア
ネート化合物が例示される。揮散しやすいイソシアネー
ト化合物は、作業環境を汚染し易いためポリメリックM
DIなどの低蒸気圧の化合物が望ましい。
【0016】これらのイソシアネート化合物は単独でバ
インダーとして用いてもよいが、無機含泡粒子との接着
性向上や石膏ボードの脆性改善のため、イソシアネート
基と反応する活性水素基を有する化合物の水溶液および
/または水性エマルジョンと混合物して用いるのが望ま
しい。反応性官能基を有するビニル重合体エマルジョン
や、同一分子内に2以上のイソシアネート基を有し水に
乳化分散可能なイソシアネート系化合物を乳化したもの
等が例示できる。
【0017】さらに本発明の水系反応性有機物質は、反
応性官能基(F2)を有する共重合体粒子と、反応性官
能基(F2)と反応可能な官能基(F3)を有する共重
合体粒子の混合エマルジョンが好ましい。反応性官能基
(F2)を有する共重合体粒子とは、分子内に反応性の
官能基を有するビニルモノマー類を共重合させたビニル
重合体エマルジョンであり、互いに反応性を有する官能
基が、異なる粒子に共重合されていてもよいし、同一粒
子内の異なる層に共重合されていてもよい。
【0018】同一粒子の同一層に互いに反応性を有する
官能基を共重合させた場合、重合中または製品の貯蔵中
に官能基が反応してしまい、無機含泡粒子を接着し軽量
成型体を得る際のバインダーの塗布性に支障を生じるば
かりか、バインダー層が不均一で不充分な反応物とな
り、石膏ボードの強度低下を招いたり、寸法変化増加の
原因となる可能性が大きい。
【0019】異なる粒子に異なる官能基を共重合させる
場合の方法としては、2種類以上の共重合エマルジョン
の混合法がある。また、混合作業の煩雑さを解消する手
法として、同一粒子の異なる層に互いに反応性を有する
異なる官能基を共重合させる方法がある。同一粒子に異
なる反応性官能基を含む層が互いに隣接している場合
は、製品の貯蔵中に一部の官能基が反応する可能性があ
り、貯蔵安定性が低下する場合がある。官能基を含む2
層間に、それぞれの官能基と反応しない不活性な層を介
在させることで安定性を改良でき、より望ましい方法で
ある。
【0020】本発明にいう反応性官能基(F2)とは、
反応性と得られた石膏ボードの強度、寸法安定性等の物
性の面からグリシジル基が望ましい。グリシジル基を導
入する方法として、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル等の1
種または2種以上のモノマーとグリシジル基と反応する
官能基を有しないビニルモノマー類とを共重合させる方
法がある。
【0021】F2と反応可能な官能基(F3)とは、カ
ルボキシル基および/またはアミノ基および/またはア
ミド基および/またはN−メチロールアミド基および/
またはN−アルコキシメチルアミド基である。このよう
な官能基を導入する方法として、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキル
エステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル
等のエチレン性不飽和カルボン酸類、アクリルアミド、
メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−アルコキシメチルアクリルアミド、N−メチルアミ
ノエチルアクリレートのようなアミド基類を含むビニル
モノマー類の一種またはの2種以上のモノマーとこれら
の官能基と反応するような官能基を有しないビニルモノ
マーとを共重合させる方法がある。F2に対するF3の
モル比は、強固な反応物を得るためには、0.5〜1.
5が望ましい。
【0022】反応性官能基を有するビニル重合体エマル
ジョンやイソシアネート化合物の乳化物は、反応性官能
基と反応する官能基を有するエマルジョンや水溶性物質
と混合し、必要な加熱等を行うことにより反応させう
る。また、同一粒子内の異なる層に互いに反応する官能
基を有する共重合エマルジョンは、加熱により各層を流
動混和する事によって反応をおこさせうる。
【0023】水系反応性有機物質は、石膏100重量部
に対し、1〜30重量部添加することが必要である。1
重量%未満では、得られる石膏ボードの強度が弱くな
り、30重量%を越えると、石膏スラリーの流動性が低
下し、製造上大きな支障を来たすとともに求める軽量性
がそこなわれる。更に、石膏ボードに難燃性を付与させ
るような場合は10重量%未満が望ましい。
【0024】バインダー中には、上述の水系反応性有機
物質の他に、接着性等機能性を上げるための澱粉、他水
溶性高分子類や、硬化触媒、難燃剤、防黴剤、防腐剤等
の薬剤が含まれていても良い。また、軽量化を目的とし
た場合従来技術である、軽量骨材、泡剤の使用は特に限
定するものではなく、パーライトやバーミキューライ
ト、シラスバルーン等を用いることができる。本発明に
おいて、石膏へのバインダーの添加方法に関しては、特
に限定するものではない。本スラリーとボード用原紙と
の強固な接着性を得るためには、乾燥工程に於いてバイ
ンダーが反応するのに必要な温度や時間等の条件下で、
バインダーを反応させることが必要である。
【0025】即ち、乾燥工程中において石膏ボードの品
温は60℃以上、120℃以下が望ましく、さらに好ま
しくは、70℃〜110℃である。乾燥時間は、一般的
な熱風循環式乾燥機であれば、例えば、乾燥機内の熱風
温度が140〜160℃であれば20分〜60分か望ま
しく、さらに好ましくは30分〜50分である。品温が
60℃以下となる乾燥条件の場合、乾燥時間が長くな
り、生産性に大きく支障を来すとともに、石膏ボードの
品質低下の原因となる。また、品温が120℃以上とな
る条件下では、本スラリー中の半水石膏が水和し二水化
した結晶により、ボード原紙との接着を保っていた状態
から、再び半水石膏から無水石膏へ転位し、石膏ボード
芯材とボード原紙との接着不良の原因となる。
【0026】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、
部、%は特にことわりのない時は重量基準を表す。 参考例1 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、純水370部、ドデシルベンゼンス
ルフォン酸ソーダ(以下、DBSと略す)1部をいれ、
窒素雰囲気中撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム2.
3部を添加した。予め、純水180部、メチルメタアク
リレート380部、ブチルアクリレート20部、グリシ
ジルメタアクリレート50部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.5部、DBS1.0部を乳化した乳化モノマーを
反応器に滴下し、7時間熟成したのち冷却して、アンモ
ニア水でpHを7.4に調整し、エマルジョン1(以下
AE1と略す)を得た。不揮発分は44.7%であっ
た。
【0027】参考例2 乳化モノマーとして、純水180部、メチルメタアクリ
レート400部、ブチルアクリレート20部、メタアク
リル酸30部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、D
BS1.0部を乳化した乳化モノマーを用いた以外は、
参考例1と同様の操作を行い、エマルジョン2(以下A
E2と略す)を得た。不揮発分は44.8%であった。
【0028】参考例3 乳化モノマーとして、純水180部、メチルメタアクリ
レート395部、ブチルアクリレート20部、メタアク
リルアマイド30部、t−ドデシルメルカプタン0.5
部、DBS1.0部を乳化した乳化モノマーを用いた以
外は、参考例1と同様の操作を行い、エマルジョン3
(以下AE3と略す)を得た。不揮発分は44.3%で
あった.
【0029】参考例4 乳化モノマーとして、純水180部、メチルメタアクリ
レート390部、ブチルアクリレート20部、Nメチロ
ールアクリルアマイド35部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.5部、DBS1.0部を乳化した乳化モノマーを
用いた以外は、参考例1と同様の操作を行い、エマルジ
ョン4(以下AE4と略す)を得た。不揮発分は44.
6%であった。
【0030】参考例5 乳化モノマーとして、純水180部、メチルメタアクリ
レート390部、ブチルアクリレート20部、Nメトキ
シメチルメタアクリルアマイド40部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.5部、DBS1.0部を乳化した乳化モ
ノマーを用いた以外は、参考例1と同様の操作を行い、
エマルジョン5(以下AE5と略す)を得た。不揮発分
は44.8%であった。
【0031】参考例6 乳化モノマーとして、純水180部、メチルメタアクリ
レート385部、ブチルアクリレート20部、ヒドキシ
エチルメタアクリレート45部、t−ドデシルメルカプ
タン0.5部、DBS1.0部を乳化した乳化モノマー
を用いた以外は、参考例1と同様の操作を行い、エマル
ジョン6(以下AE6と略す)を得た。不揮発分は4
4.8%であった。
【0032】参考例7 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、純水370部、DBS1部をいれ、
窒素雰囲気中撹拌下、温度70℃で、過硫酸カリウム
2.3部を添加した。予め、純水90部、メチルメタア
クリレート190部、ブチルアクリレート10部、グリ
シジルメタアクリレート25部、t−ドデシルメルカプ
タン0.25部、DBS0.5部を乳化した乳化モノマ
ーを反応器に滴下し、3時間熟成したのち、純水90
部、メチルメタアクリレート200部、ブチルアクリレ
ート10部、メタアクリル酸15部、t−ドデシルメル
カプタン0.25部、DBS0.5部を乳化した乳化モ
ノマーを反応器に滴下し、4時間熟成し冷却して、アン
モニア水でpHを7.4に調整し、エマルジョン8(以
下AE8と略す)を得た。不揮発分は44.9%であっ
た。
【0033】参考例8 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、純水370部、DBS1部をいれ、
窒素雰囲気中撹拌下、温度70℃で、過硫酸カリウム
2.3部を添加した。予め、純水70部、メチルメタア
クリレート147部、ブチルアクリレート8部、グリシ
ジルメタアクリレート25部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.25部、DBS0.4部を乳化した乳化モノマー
を、反応器に滴下し、3時間熟成したのち、純水40
部、メチルメタアクリレート88部、ブチルアクリレー
ト2部、DBS0.2部を乳化した乳化モノマーを、反
応器に滴下し、3時間熟成したのち、更に、純水70
部、メチルメタアクリレート155部、ブチルアクリレ
ート10部、メタアクリル酸15部、t−ドデシルメル
カプタン0.2部、DBS0.4部を乳化した乳化モノ
マーを、反応器に滴下し、4時間熟成し冷却して、アン
モニア水でpHを7.4に調整し、エマルジョン9(以
下AE9と略す)を得た。不揮発分は44.5%であっ
た。
【0034】実施例1 β半水石膏100部に、デキストリン0.3部、泡剤
(花王製 D−3D)0.8部、減水剤(日本製紙製
ビスパーズ215G)1.5部、水60部を混合攪拌し
て得られた原料スラリーに、参考例3で得られた共重合
エマルジョン(AE3)11gとメラミンホルムアルデ
ヒド樹脂(三井化学(株)製ユーロイド811、不揮発
分65%)5gを予め混合したものを原料スラリーへ添
加し本スラリーを得た。本スラリーを上下に配した石膏
ボード用原紙の間に流し込み板状に成型し、スラリーを
水和させ二水石膏にして硬化させ、熱風循環式乾燥機で
乾燥し石膏ボードを得た。乾燥条件は150℃にて30
分間とし、取り出し後、40℃熱風循環式乾燥機内にて
付着水を十分に除去した後物性評価した。
【0035】評価項目と方法 <ボード密度>試験片(300×400mm)を乾燥工
程終了後、40℃熱風循環式乾燥機内にて付着水を十分
に除去した後に測定。 <スランプ>直径55mm、高さ50mmの筒(フロー
コーン)の中へ、本スラリーを15秒間混練後、直ちに
筒が満量となるまで流し込む。混練開始から30秒後に
筒を垂直に引き上げ、円形に広がったスラリーの直径を
3〜4個所測定し平均値を記録する(流動性を判定)。 <曲げ強度>JIS R 9112に準拠して行った。
試験片(300×400mm)を曲げ強度用試験機(丸
菱科学機械製作所GBL−500)の支持部(幅350
mm)に置き、ボードの中心部に架橋部を合わせ、架橋
部を250N/分で加圧する。ボードが割れた時の力を
曲げ強度とする。 <接着性>試験片(120mm×50mm)を、端から
20mmの個所に切り込みをいれボードを折り曲げ、接
着試験機へセットする。2kgの荷重を掛け、接着面を
剥離させ、接着判定部分面積(50mm×60mm)に
対する原紙の接着面積を百分率で表す。
【0036】実施例2〜8 表1に示す石膏スラリー、水系反応性有機物質を用い実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。なお、実施
例に使用した水に乳化分散可能なイソシアネート系化合
物は、三井化学(株)製ユーロイドUR−4000(有
効成分99%)である。用いた半水石膏(βおよびα)
は、湿式燐酸製造時に副生する石膏をである。
【0037】比較例1〜5 表2に示す石膏スラリー、水系反応性有機物質を用い実
施例1と同様に行った。結果を表2に示す。なお、比較
例に使用した酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、コニシ
(株)製ボンドCH18(不揮発分41%)であり、エ
ポキシ樹脂はセメダイン(株)製を用いた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、石膏に特定の物質を用いるこ
とにより、従来技術では達成されなかった、建築用とし
て使用される石膏ボードの高強度化、ボード原紙との接
着性の向上、耐水性向上等、生産性の高い、高品質の石
膏ボードを得ることを可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AE06A AK25A AK25J AK32A AK51A AL01A BA03 BA06 BA10B BA10C DG10B DG10C GB07 JB06 JK01 JL11 4G012 PB11 PB14 PE07 4G058 GA01 GC01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏と水系反応性有機物質からなるこ
    とを特徴とする石膏ボード。
  2. 【請求項2】 石膏が、β半水石膏が100〜30重
    量%、α半水石膏が0〜70重量%の割合である請求項
    1記載の石膏ボ−ド。
  3. 【請求項3】 石膏100重量部に対し、水系反応性
    有機物質1〜30重量部を添加してなる請求項1記載の
    石膏ボード。
  4. 【請求項4】 水系反応性有機物質が、ホルムアルデ
    ヒド系樹脂およびホルムアルデヒド系樹脂と反応可能な
    官能基(F1)を有する共重合体エマルジョンからなる
    請求項1記載の石膏ボード。
  5. 【請求項5】 水系反応性有機物質が、同一分子内に
    2以上のイソシアネート基を有する化合物の乳化物とイ
    ソシアネート基と反応する活性水素基を有する化合物の
    水溶液および/または水性エマルジョンの混合物である
    請求項1記載の石膏ボード。
  6. 【請求項6】 水系反応性有機物質が、反応性官能基
    (F2)を有する共重合体粒子と、反応性官能基(F
    2)と反応可能な官能基(F3)を有する共重合体粒子
    の混合エマルジョンである請求項1記載の石膏ボード。
  7. 【請求項7】 水系反応性有機物質が、同一粒子内に反
    応性官能基(F2)を有する共重合体層と、同一粒子内
    に反応性官能基(F2)と反応可能な官能基(F3)を
    有する共重合層との2層を少なくとも含む多層構成粒子
    のエマルジョンである請求項1記載の石膏ボード。
  8. 【請求項8】 水系反応性有機物質が、同一粒子内に反
    応性官能基(F2)を有する共重合体層と、反応性官能
    基(F2)と反応可能な官能基(F3)を有する共重合
    層との2層を少なくとも含み、該2層間に反応性官能基
    (F2)および反応可能な官能基(F3)と反応しない
    共重合層を有する多層構成粒子のエマルジョンである請
    求項1記載の石膏ボード。
  9. 【請求項9】 ホルムアルデヒド系樹脂およびホルム
    アルデヒド系樹脂と反応可能な官能基(F1)が、アミ
    ド基および/またはN−メチロールアミド基および/ま
    たはN−アルコキシメチルアミド基および/または水酸
    基である請求項4記載の石膏ボード。
  10. 【請求項10】 反応性官能基(F2)がグリシジル
    基であり、反応可能な官能基(F3)がカボキシル基お
    よび/またはアミノ基および/またはアミド基および/
    またはN−メチロールアミド基および/またはN−アル
    コキシメチルアミド基である請求項6〜8項のいずれか
    1項に記載の石膏ボード。
  11. 【請求項11】 石膏に水系反応性有機物質を含むバ
    インダーを添加混合し、得られた石膏スラリーを下部用
    ボード原紙上に流し込み、上部用原紙と一体化し、該バ
    インダーが反応するに必要な乾燥条件下で行うことを特
    徴とする石膏ボードの製造方法。
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JP2016508110A (ja) * 2012-12-21 2016-03-17 サン−ゴバン・プラソ 硫酸カルシウムベースの製品

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