JP2000085758A - 液体食品用紙容器 - Google Patents

液体食品用紙容器

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JP2000085758A JP25711998A JP25711998A JP2000085758A JP 2000085758 A JP2000085758 A JP 2000085758A JP 25711998 A JP25711998 A JP 25711998A JP 25711998 A JP25711998 A JP 25711998A JP 2000085758 A JP2000085758 A JP 2000085758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性、抗菌性に優れ、低価な液体食品用紙
容器の提供。 【解決手段】 少なくとも紙及び熱可塑性樹脂の積層物
からなる液体食品用紙容器において、該容器の最外層及
び/又は最内層を該熱可塑性樹脂で形成すると共に、そ
れら層には二酸化チタン粉末を含有させるか、それら層
の表面を二酸化チタンを含む薄膜層で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体食品用紙容器
に関し、より詳しく遮光性及び抗菌性に優れた液体食品
用紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】内容物であるジュース、コーヒー、牛
乳、酒類等の液体食品の容器として紙及び熱可塑性樹脂
の積層物からなる紙容器が普及している。この紙容器
は、通常その最外層(外気に触れる層、すなわち人手に
触れる層)及び最内層(液体食品に触れる層)が熱可塑
性樹脂層からなっているが、その最外層及び最内層は、
共に遮光性、抗菌性に乏しい。又、この紙容器には、液
体食品という性質上、清潔感や高級感を出すために完全
漂白された白色の高級紙が用いられている。従って、容
器がコスト高となるとという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遮光性、抗
菌性に優れた液体食品用紙容器を提供することを目的と
する。又、本発明は、完全漂白されてない低級紙での製
造を可能とする液体食品用紙容器を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
行った結果、該紙容器の最外層や最内層の熱可塑性樹脂
層に二酸化チタン粉末を含ませるか、その表面を二酸化
チタンを含む薄膜層で覆うことにより、本発明の目的を
達成し得ることを見出だして本発明を完成した。又、該
紙容器の最外層の熱可塑性樹脂層の下が印刷されている
場合、その熱可塑性樹脂層に二酸化チタン粉末が含まれ
ていると、酸化チタン粉末のために該印刷が見にくくな
ってしまうので、その場合は、該熱可塑性樹脂層の上に
二酸化チタン粉末を薄く覆うことにより、該印刷が差し
障りなく目視でき、本発明の目的を達成し得ることも見
出だした。
【0005】すなわち、本発明は、少なくとも紙及び熱
可塑性樹脂の積層物からなる液体食品用紙容器であり、
該容器の最外層及び/又は最内層が該熱可塑性樹脂から
形成されており、該最外層及び/又は該最内層は二酸化
チタン粉末を含有しているか、その表面が二酸化チタン
を含む薄膜層で覆われていることを特徴とする液体食品
用紙容器を要旨とする。又、本発明の液体食品用紙容器
は、上記最外層の上には印刷が施されていることを特徴
とする。
【0006】更に、本発明は、少なくとも紙及び熱可塑
性樹脂の積層物からなる液体食品用紙容器であり、該容
器の最外層が該熱可塑性樹脂から形成され、該最外層の
下には印刷が施されており、該最外層の上は該印刷が目
視できる程度に二酸化チタン粉末で覆われていることを
特徴とする液体食品用紙容器を要旨とする。又、本発明
の液体食品用紙容器は、上記熱可塑性樹脂がポリオレフ
ィンであることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の容器の一層を構成する紙
としては、従来紙容器に使用されている原紙ならばいず
れも使用することができるが、塩素、オゾン、アンモニ
ア等で完全漂白された白色の高級紙である必要はなく、
漂白されていない低価の色付き紙も使用することができ
る。
【0008】本発明の容器の一層を構成する熱可塑性樹
脂としては、疎水性の、ポリオレフィン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、エチ
レン−α−不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマー、
不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン、環状オレフィン
共重合体等、並びに親水性の、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、けん化度95%以上のポリビニルアルコ
ール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アセチルセ
ルロース等が挙げられ、これらは二種以上併用すること
ができる。
【0009】ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレ
ン系樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等)、ポ
リプロピレン系樹脂(ホモポリプロピレン、エチレン−
プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体等)、ポリブテン−1、ポリヘキセン−
1、ポリメチルペンテン−1等を挙げることができる。
【0010】エチレン−α−不飽和カルボン酸共重合体
としては、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸等の
α−不飽和カルボン酸若しくはそのメチル、エチル等の
低級アルキルエステルとの共重合体が挙げられる。本発
明で用いられる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン
は、上記ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸若しく
はその誘導体をグラフトさせて得たものである。不飽和
カルボン酸としては、α−不飽和カルボン酸、α,β−
不飽和ジカルボン酸、環内にシス型二重結合を有する脂
環式不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。α−不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等が、α,β−不飽和ジカルボン酸若しくはその誘
導体としては、マレイン酸、無水マレイン酸等が、環内
にシス型二重結合を有する脂環式不飽和ジカルボン酸若
しくはその誘導体としては、ナジック酸、無水ナジック
酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水
物、ヘット酸、ヘット酸無水物等が、それぞれ挙げられ
る。
【0011】環状オレフィン共重合体は、環状オレフィ
ンとエチレン若しくはα−オレフィンとの共重合体であ
る。環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−ノル
ボルネン等が、α−オレフィンとしては、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン
等が、それぞれ挙げられる。
【0012】ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロンMXD6等が挙げられる。ポリエステル
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートが挙げられる。上記の熱可塑性樹脂
の中でも、疎水性の熱可塑性樹脂が望ましく、疎水性の
熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン樹脂、特にポリ
エチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0013】本発明の容器は、少なくとも紙及び熱可塑
性樹脂の積層物からなるものであり、従ってそれら紙及
び熱可塑性樹脂以外の層が積層されていても良い。それ
ら以外の層としては、アルミニウム等の金属、バリアー
フィルム等、液体食品紙容器に従来用いられている総て
の材料からなる層が挙げられる。
【0014】それら紙層、熱可塑性樹脂層、金属層或い
はバリアーフィルムの組み合わせの具体例を示すと、熱
可塑性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層、紙層/熱可塑性
樹脂層、熱可塑性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層/熱可
塑性樹脂層、紙層/熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層、
熱可塑性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層/金属層或いは
バリアーフィルム/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/
紙層/熱可塑性樹脂層/金属層或いはバリアーフィルム
/熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が挙げられる。な
お、上記具体例において、左端は最外層、右端は最内層
をそれぞれ示す。上記具体例において、熱可塑性樹脂層
が複数ある時は、それら層の熱可塑性樹脂は同一であっ
ても良く、異種であっても良い。これら熱可塑性樹脂層
の厚さは、通常5〜100μmである。又、金属層或い
はバリアーフィルムの厚さは、通常3〜50μmであ
る。
【0015】本発明の紙容器は、該容器の最外層及び/
又は最内層である熱可塑性樹脂層が二酸化チタン粉末し
ているか、該最外層及び/又は該最内層の表面が二酸化
チタンを含む薄膜層で覆われていることを特徴とする。
二酸化チタン粉末としては、液体食品用容器に用いられ
ることから、塗料や印刷インキ等の顔料では含有が許容
される有害物質を含まないものでなければならない。該
粉末の粒子径は、通常0.2〜5μm程度であるが、上
記二酸化チタンを含む薄膜層に含ませるものはより微細
のものが望ましい。該熱可塑性樹脂層中二酸化チタン粉
末は、該容器外部からの光を遮断し、抗菌性を発揮する
程度含有されていれば良いが、その含有量は通常0.5
〜30重量%である。
【0016】上記最外層又は最内層が二酸化チタン粉末
を含有する熱可塑性樹脂層とするには、該容器又はその
素材となる積層物を押出ラミネーション法、ドライラミ
ネーション法等により製造する際に、それら最外層又は
最内層となる熱可塑性樹脂に二酸化チタン粉末を上記含
有量になるように混練したものが使用される。その際二
酸化チタン粉末を均一に分散させることが重要であり、
それには熱可塑性樹脂を溶融しながら混練する溶融混練
法を採用するのが望ましい。特に、高濃度の二酸化チタ
ン粉末含有物からなるマスターバッチを用いて、溶融混
練法により熱可塑性樹脂で希釈して所定の二酸化チタン
粉末含有量にする方法が好ましい。
【0017】本発明においては、上記最外層及び/又は
最内層は二酸化チタン粉末を含有していることに替え
て、その表面が二酸化チタンを含む薄膜層で覆われてい
る態様を採用することができる。該薄膜層は最外層及び
/又は最内層表面全体を覆う必要はなく、それら最外層
又は最内層の片面(上面又は裏面)だけを覆っても良
い。該薄膜層の厚さは、通常50オングストローム(5
nm)〜1μm程度である。該最外層及び該最内層の表
面に該薄膜層を形成する方法は、二酸化チタン超微粉末
を、水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール等に
分散させた二酸化チタンを主成分とするコーティング材
を、容器の最外層及び/又は最内層になる熱可塑性樹脂
層の表面にコーター等で塗布した後、乾燥する方法、有
機チタン化合物を化学蒸着にて反応させて、二酸化チタ
ン薄膜を形成する方法等が挙げられる。
【0018】又、本発明の容器は、容器に印刷が施され
る場合、上記最外層の上に印刷が施されていることを特
徴とする。このような構成を採ることにより、上記最外
層が二酸化チタン粉末を含有しているか、その表面に二
酸化チタンを含む薄膜層が形成されているいることか
ら、上記最外層は白色となり、二酸化チタンの強力な隠
蔽力と合わさって印刷の見栄えが非常に良くなる。
【0019】更に、本発明の容器は、該容器の最外層の
熱可塑性樹脂層の下に印刷が施されている場合、該熱可
塑性樹脂層上を該印刷が目視できる程度に二酸化チタン
粉末で覆っていることを特徴とする。このような構成に
することは、該容器に遮光性よりも抗菌性を付与するこ
とを狙いとするものである。印刷が目視できる程度に二
酸化チタン粉末で覆う方法としては、該熱可塑性樹脂層
上に、CVD(化学的蒸着法)方式等で二酸化チタン粉
末を付着させる方法が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により、詳細に説明す
る。 (実施例1)二酸化チタン粉末を5重量%含有する密度
が0.924g/cm3 の低密度ポリエチレン(LDP
E)(厚さ16μm)(最外層)/紙(坪量200g/
2)/LDPE(厚さ30μm)(最内層)からなる
積層体を用いて内容積200mlの容器を成形した。こ
の容器に紫外線(波長400nm以下)を照射したが、
紫外線は総て吸収することができた。
【0021】(比較例1)最外層に二酸化チタン粉末を
含有しないLDPE(厚さ16μm)を用いた以外は実
施例1と同様にして容器を成形した。この容器に実施例
1と同様にして紫外線を照射したが、紫外線は容器を自
由に透過した。実施例1及び比較例1の結果から、容器
の最外層に二酸化チタン粉末を含有させることにより、
400nm以下の波長の紫外線に対する遮光性が生じる
ことが判る。
【0022】(実施例2)LDPE(厚さ16μm)
(最外層)/紙(坪量200g/m2 )/LDPE(厚
さ30μm)(最内層)から形成され、該最外層の上に
は二酸化チタン粉末を主成分とするコーティング材がコ
ーターによりコート(厚さ0.5μm)されており、か
つ該最外層の下に印刷が施されている積層体を用いて内
容積200mlの容器を成形した。次に、上記二酸化チ
タン粉末コート層の上に大腸菌を塗布し、その上から紫
外線を0.1mW/cm2 の強さで、25cm2 の面積
に照射したところ、塗布直後2×104 個有った大腸菌
が、照射3時間後には0(ゼロ)になった。
【0023】(比較例2)上記二酸化チタン粉末コート
層を有しない積層体を用いた以外は実施例1と同様にし
て容器を成形した。この容器の最外層の上に実施例1と
同様にして大腸菌を塗布し、紫外線を照射したところ、
照射3時間後においても大腸菌の数は塗布直後と同じで
あった。実施例2及び比較例2の結果から、容器の最外
層の表面を二酸化チタンを含む薄膜層で覆うことによ
り、抗菌性が生じることが判る。
【0024】
【発明の効果】本発明の容器は、内容物の液体食品の充
填直前又は充填後商品陳列中に光線(紫外線)が当たれ
ば、抗菌効果を発揮する。又、光線拡散による遮断効果
により、光線(紫外線)等による液体食品の重要成分
(牛乳のビタミンD、果物ジュースのビタミンC等)の
劣化を防止できる。又、紙容器の最外層の熱可塑性樹脂
層の上に印刷がされる場合には、該熱可塑性樹脂層の表
面が白であればある程印刷の見栄えには良い。そして熱
可塑性樹脂層に含まれている二酸化チタン自身が白色の
為、未晒の白色でない低級の原紙を使用でき、従って容
器が安価となる。又、容器が白地になるので、印刷が映
える。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月18日(1998.9.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】(比較例2)上記二酸化チタン粉末コート
層を有しない積層体を用いた以外は実施例2と同様にし
て容器を成形した。この容器の最外層の上に実施例2と
同様にして大腸菌を塗布し、紫外線を照射したところ、
照射3時間後においても大腸菌の数は塗布直後と同じで
あった。実施例2及び比較例2の結果から、容器の最外
層の表面を二酸化チタンを含む薄膜層で覆うことによ
り、抗菌性が生じることが判る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも紙及び熱可塑性樹脂の積層物
    からなる液体食品用紙容器であり、該容器の最外層及び
    /又は最内層が該熱可塑性樹脂から形成されており、該
    最外層及び/又は該最内層は二酸化チタン粉末を含有し
    ているか、その表面が二酸化チタンを含む薄膜層で覆わ
    れていることを特徴とする液体食品用紙容器。
  2. 【請求項2】 上記最外層の上には印刷が施されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液体食品用紙容器。
  3. 【請求項3】 少なくとも紙及び熱可塑性樹脂の積層物
    からなる液体食品用紙容器であり、該容器の最外層が該
    熱可塑性樹脂から形成され、該最外層の下には印刷が施
    されており、該最外層の上は該印刷が目視できる程度に
    二酸化チタン粉末で覆われていることを特徴とする液体
    食品用紙容器。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂がポリオレフィンであ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の液体食品用紙容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002200708A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Nihon Tetra Pak Kk 遮光性積層包装材料および液体用紙容器
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KR100400999B1 (ko) * 2000-10-09 2003-10-10 (주) 나노팩 에프이 3가 이온이 도핑된 이산화 티탄 광촉매를 포함하는자외선 차단용 코팅제
JP2013212643A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Act:Kk 容器用多層シート、その製造方法、及び容器

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