JP2000084947A - フランジ付き筒状成形品の成形装置 - Google Patents

フランジ付き筒状成形品の成形装置

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JP2000084947A JP27255998A JP27255998A JP2000084947A JP 2000084947 A JP2000084947 A JP 2000084947A JP 27255998 A JP27255998 A JP 27255998A JP 27255998 A JP27255998 A JP 27255998A JP 2000084947 A JP2000084947 A JP 2000084947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジに埋設するブッシュを鋳型に設けた
揺動ピンによって支持することにより、型抜き時の歪み
等を抑え、成形精度を向上させる。 【解決手段】 成形装置21を、鋳型22,23,2
4、揺動ピン27、ばね28等により構成する。そし
て、揺動ピン27にブッシュを取付けた状態で筒体鋳形
空間25、フランジ鋳形空間26に樹脂材料を注入し、
ブッシュが埋設されたフランジと筒体とを有するフラン
ジ付き筒状成形品を成形する。この場合、フランジは、
型抜き後の反り等を補償するため僅かに傾斜した状態で
成形されるが、フランジの型抜き時には、揺動ピン27
が鋳型22から進出しつつ径方向に揺動することによ
り、フランジのブッシュから揺動ピン27を容易に引抜
くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばボルト挿通
用のブッシュ等が設けられたフランジと筒体とを有する
フランジ付き筒状成形品を樹脂成形するのに好適に用い
られるフランジ付き筒状成形品の成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸線方向に延びる筒体と径方向
に延びるフランジとを有する樹脂製の筒状成形品は、例
えば自動車用エンジン等の吸入空気量を検出する流量検
出装置に用いられ、この流量検出装置のケーシングを構
成している。そして、このケーシングは、複数の鋳型等
からなる成形装置を用いて樹脂成形されるものである。
【0003】そこで、この種の従来技術による流量検出
装置及びそのケーシングの成形装置について、図7ない
し図12を参照して説明する。
【0004】1は例えば樹脂材料等により形成されたフ
ランジ付き筒状成形品としてのケーシングで、該ケーシ
ング1は、図7ないし図9に示す如く、軸線方向に延び
る筒体2と、該筒体2の一端側から径方向外向きに突出
し、一側面に環状のシール溝3Aが形成された鍔状のフ
ランジ3と、筒体2の軸方向中間部から径方向外向きに
突出した筒状の取付部4等とを一体成形することによっ
て構成されている。
【0005】ここで、フランジ3には、金属材料等によ
り形成された例えば4個のブッシュ5,5,…がインサ
ート成形等の手段によって埋設されている。また、各ブ
ッシュ5は筒体2の周方向に間隔をもって配置され、そ
の軸線O−Oは、図9に示す如く筒体2の軸線方向に沿
って延びている。
【0006】そして、ケーシング1は、例えば自動車用
エンジンの吸気通路(図示せず)等の途中に接続され、
このとき筒体2の一端側はフランジ3等を用いて前記吸
気通路を構成する配管等に取付けられる。この場合、フ
ランジ3は、前記配管側に設けられたフランジ等に衝合
され、この状態で各ブッシュ5内に挿通される取付ボル
ト等を用いて固定される。また、これらのフランジ3等
の衝合面は、シール溝3A内に装着されたOリング等に
よってシールされるものである。
【0007】6はケーシング1の取付部4内に設けられ
た素子支持部で、該素子支持部6は先端側が筒体2内に
突出し、この先端側には後述の検出素子8が設けられて
いる。また、素子支持部6の先端側には、検出素子8の
周囲に流量検出用の通路を形成する通路形成部材7が取
付けられている。
【0008】8は素子支持部6の先端側に設けられた流
量検出用の検出素子で、該検出素子8は、例えば白金等
の感温抵抗体(図示せず)を有し、この感温抵抗体はケ
ーシング1内に露出した状態で配置されている。
【0009】そして、エンジンの運転時には、その吸入
空気がケーシング1内を流通すると、吸入空気の一部は
通路形成部材7内の通路を介して検出素子8の感温抵抗
体に接触する。このとき、検出素子8は吸入空気の流
量、流速等に応じて抵抗値を変化させ、エンジン制御用
のコントローラ(図示せず)等に検出信号を出力する。
これにより、コントローラでは、検出素子8からの検出
信号を用いてエンジンの吸入空気量を検出することがで
きる。
【0010】従来技術による流量検出装置は上述の如き
構成を有するもので、そのケーシング1は、図10に示
す成形装置11を用いて樹脂成形される。ここで、この
従来技術による成形装置11は、例えば3個の鋳型1
2,13,14等からなり、鋳型12の内面側には、ブ
ッシュ5がインサート成形時に嵌合して取付けられるブ
ッシュ取付ピン12Aが固定されている。
【0011】また、ケーシング1の成形時には、図11
に示す如く、鋳型12〜14内でフランジ3が筒体2か
ら径方向に突出した形状に成形すると、その型抜き後に
は、鋳型12〜14内で樹脂材料に生じる温度等が原因
となってフランジ3が軸方向他側(筒体2側)に向けて
反ることがある。
【0012】そこで、ケーシング1の成形時には、図1
2に示す如く、例えば1〜2°程度の角度として予め定
められた傾斜角α分だけフランジ3を軸方向一側に傾け
た状態で成形し、この傾斜角αによってケーシング1の
型抜き後に生じるフランジ3の反り等を補償するように
している。
【0013】そして、ケーシング1の成形時には、まず
ブッシュ5を鋳型12のブッシュ取付ピン12Aに嵌合
して取付けた後、鋳型12〜14を衝合して樹脂材料を
注入する。また、ケーシング1を型抜きするときには、
例えば鋳型12,13を筒体2の軸線方向に沿って図1
0中の矢示A,B方向へと引離すことにより、フランジ
3の型抜きを行いつつ、ブッシュ5の内周側から鋳型1
2のブッシュ取付ピン12Aを矢示B方向へと引抜くと
共に、筒体2内の鋳型14を取出して型抜き作業を終了
する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ケーシング1の成形後に鋳型12,13を
筒体2の軸線方向に沿って図10中の矢示A,B方向へ
と引離すことにより、フランジ3を型抜きしつつ、ブッ
シュ5の内周側から鋳型12のブッシュ取付ピン12A
を矢示B方向へと引抜くようにしている。
【0015】しかし、ケーシング1の成形時には、鋳型
12,13によりフランジ3を予め傾けた状態で成形す
るため、このときフランジ3内にインサート成形された
ブッシュ5は、その軸線O′−O′が筒体2の軸線方向
(または軸線O−O)に対して傾斜角α分だけ傾斜した
状態となっている。
【0016】この結果、ケーシング1の型抜きを行うと
きには、鋳型12をフランジ3から矢示B方向に向けて
引離すと、そのブッシュ取付ピン12Aはブッシュ5か
ら軸線O′−O′に対して斜め方向に無理やり引抜かれ
ることになるため、フランジ3、ブッシュ5、ブッシュ
取付ピン12A等に径方向の大きな外力が加わったり、
ブッシュ取付ピン12Aがブッシュ5内に引掛かったり
することがある。
【0017】このため、従来技術では、ケーシング1の
成形時にフランジ3、ブッシュ5に歪み、変形等が生じ
たり、これらの部材やブッシュ取付ピン12A等が損傷
したりすることがあるため、ケーシング1を高い精度で
円滑に成形するのが難しくなるという問題がある。
【0018】しかも、この歪み、変形等が生じたケーシ
ング1をエンジンの吸気通路に取付けた場合には、吸気
通路の途中に吸入空気の漏れ等の原因となる隙間が形成
される虞れもあるため、信頼性の低下を招くという問題
もある。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、筒体とフランジとを有
するフランジ付き筒状成形品を高い精度で樹脂成形で
き、これらの筒体、フランジおよびフランジ内に設けら
れるブッシュ等を円滑に型抜きすることができると共
に、型抜き時の歪み、変形等を防止できるようにしたフ
ランジ付き筒状成形品の成形装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、軸線方向に延びる筒体と径方向に延び
るフランジとを有する樹脂製の筒状成形品を成形するフ
ランジ付き筒状成形品の成形装置に適用される。
【0021】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、少なくとも前記フランジを挟んで軸線方向の両
側に分割可能に形成され、内部に筒体鋳形空間と軸線に
対して一定の角度だけ傾斜したフランジ鋳形空間とを画
成した鋳型部材を有し、前記鋳型部材には前記フランジ
に軸方向のブッシュを設けるために前記フランジ鋳形空
間に向けて開口したピン挿通穴を設け、該ピン挿通穴内
には軸線に対して前記一定の角度だけ傾斜した状態で揺
動可能となった揺動ピンを挿入して設け、該揺動ピンに
は前記フランジ鋳形空間内に位置する先端部位に前記ブ
ッシュを嵌合して取付ける構成としたことにある。
【0022】このように構成することにより、鋳型部材
の筒体鋳形空間とフランジ鋳形空間とを用いて筒体とフ
ランジとを一体に樹脂成形でき、この成形時には、フラ
ンジに生じる型抜き後の反り等を補償するため、フラン
ジを軸線に対して予め一定の角度だけ傾斜させて形成で
きると共に、このフランジには、鋳型部材側の揺動ピン
により支持されたブッシュを設けることができる。
【0023】そして、このフランジを鋳型部材から型抜
きするときには、フランジに前記傾斜角によって補償さ
れる反りが生じると、この反りに伴ってブッシュ内の揺
動ピンを揺動させることができ、これによって筒体とフ
ランジとを鋳型部材から型抜きしつつ、フランジのブッ
シュから揺動ピンを容易に引抜くことができる。
【0024】また、請求項2の発明では、前記鋳型部材
には、前記フランジ鋳形空間に向けて開口したピン挿通
穴の開口側に位置して前記揺動ピンと当接したときに前
記揺動ピンを前記一定の角度だけ傾斜した状態に保持す
るテーパ状の傾斜面部を設けている。
【0025】これにより、フランジの成形時には、揺動
ピンを鋳型部材の傾斜面部に当接させてフランジと等し
い角度で傾斜させた状態に保持でき、この揺動ピンに嵌
合させるブッシュの軸線をフランジの板厚方向に配置で
きる。この結果、フランジが型抜き後の反りによって筒
体から径方向に突出した状態では、フランジに設けたブ
ッシュの軸線を筒体の軸線と平行に配置することができ
る。
【0026】さらに、請求項3の発明では、前記鋳型部
材のピン挿通穴内には、前記揺動ピンの先端側部位が前
記フランジ鋳形空間から後退する方向に付勢するばねを
設けている。
【0027】これにより、フランジを型抜きするときに
は、フランジと共に傾斜した状態のブッシュ内に揺動ピ
ンが引掛かると、この揺動ピンをばねに抗して鋳型部材
のピン挿通穴からフランジ鋳形空間側に進出させ、フラ
ンジに追従して変位させることができる。そして、フラ
ンジが鋳型部材から離れてフランジに反りが生じたとき
には、筒体の軸線方向に向いたブッシュから揺動ピンを
ばねによって引抜くことができ、この揺動ピンをピン挿
通穴内に後退させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
フランジ付き筒状成形品の成形装置として、流量検出装
置のケーシングを成形する成形装置を例に挙げ、図1な
いし図6を参照して詳細に説明する。
【0029】21は後述のケーシング31を樹脂成形す
る成形装置で、該成形装置21は、従来技術の成形装置
11とほぼ同様に、後述の鋳型22,23,24等によ
って構成されている。また、鋳型22には、後述の揺動
ピン27,27,…等が設けられている。
【0030】22は鋳型23との間で後述する筒体32
の軸線方向に分割可能に構成された環状の鋳型で、該鋳
型22には、図1および図2に示す如く、鋳型23との
間に後述のフランジ鋳形空間26を形成する環状の凹部
22Aと、各揺動ピン27が挿通される複数のピン挿通
穴22B,22B,…とが設けられている。
【0031】ここで、ピン挿通穴22Bは、鋳型22を
ほぼ軸方向に貫通する貫通穴として形成され、長さ方向
の一端側から他端側に向けて段付き状に縮径すると共
に、他端側がフランジ鋳形空間26内に開口している。
そして、鋳型22には、ピン挿通穴22Bの他側開口に
位置して揺動ピン27が当接したときに該揺動ピン27
を図2中の初期位置に保持するテーパ状の傾斜面部22
Cが設けられている。
【0032】23は鋳型22と同軸に配置された環状の
鋳型で、該鋳型23には、鋳型22の凹部22Aと衝合
される環状の凹部23Aと、各揺動ピン27の先端側が
嵌合される複数の嵌合穴23B,23B,…とが設けら
れている。
【0033】24は鋳型22,23の内周側に中子とし
て配置された段付き円柱状の鋳型で、該鋳型24の外周
側には、鋳型23の内周側との間に後述の筒体鋳形空間
25を形成する凹部24Aが設けられている。
【0034】25は筒体32に対応して鋳型23の内周
側と鋳型24の凹部24Aとの間に画成された筒体鋳形
空間、26は後述のフランジ33に対応して鋳型22,
23の凹部22A,23A間に画成されたフランジ鋳形
空間で、該フランジ鋳形空間26は、図2に示す如く、
筒体鋳形空間25の一端側から径方向に突出しつつ従来
技術の傾斜角αとほぼ等しい傾斜角α′(1〜2°程
度)分だけ軸方向一側に傾いた状態で形成され、フラン
ジ33に生じる型抜き後の反り等を補償する構成となっ
ている。
【0035】27,27,…は筒体鋳形空間25の周方
向に離間して鋳型22に設けられた例えば4個の揺動ピ
ン(2個のみ図示)で、該各揺動ピン27は、鋳型22
のピン挿通穴22B内に径方向の隙間をもって挿入され
る軸部27Aと、該軸部27Aの一端側(基端側)に設
けられ、後述のばね28と当接する鍔状のばね受け27
Bと、軸部27Aの他端側(先端側)に大径の円柱部と
して設けられ、後述のブッシュ34がインサート成形時
に着脱可能に嵌合して取付けられるブッシュ取付部27
Cと、該ブッシュ取付部27Cと軸部27Aとの間に設
けられたテーパ状の傾斜面部27D等とから構成されて
いる。
【0036】ここで、揺動ピン27は、軸部27Aが鋳
型22のピン挿通穴22B内に挿入され、ブッシュ取付
部27Cがフランジ鋳形空間26内に突出すると共に、
その最先端側は鋳型23の嵌合穴23B内に嵌合されて
いる。また、揺動ピン27は、図2に示す如く、傾斜面
部27Dがばね28の付勢力によって鋳型22の傾斜面
部22Cに当接した初期位置を保持し、このとき揺動ピ
ン27の軸線O1 −O1 は、筒体鋳形空間25の軸線方
向に対してフランジ鋳形空間26の傾斜角α′とほぼ等
しい角度分だけ傾斜した状態となっている。
【0037】さらに、フランジ33をフランジ鋳形空間
26から型抜きするときには、図4および図5に示す如
く、揺動ピン27がばね28に抗して鋳型22内からフ
ランジ鋳形空間26側に進出可能、かつ径方向に揺動可
能な構成となっている。
【0038】28,28,…は鋳型22と各揺動ピン2
7との間に設けられたばねで、該ばね28は、鋳型22
のピン挿通穴22B内に位置して該ピン挿通穴22B内
の段部と揺動ピン27のばね受け27Bとの間に装着さ
れている。そして、ばね28は、揺動ピン27をフラン
ジ鋳形空間26からピン挿通穴22B内に後退させる方
向に付勢し、その傾斜面部27Dを鋳型22の傾斜面部
22Cに当接させるものである。
【0039】本実施の形態によるケーシング31の成形
装置21は上述の如き構成を有するもので、次に図2な
いし図6を参照しつつ成形装置21を用いてケーシング
31を成形する方法について述べる。
【0040】ここで、ケーシング31は、従来技術のケ
ーシング1とほぼ同様に樹脂成形されるフランジ付き筒
状成形品であり、図3中の筒体32、フランジ33、ブ
ッシュ34等を有するものである。
【0041】そして、ケーシング31の成形時には、図
2に示す如く、まず鋳型22から突出する各揺動ピン2
7のブッシュ取付部27Cにブッシュ34を着脱可能に
嵌合して取付け、その後に鋳型22〜24を衝合して形
成した筒体鋳形空間25、フランジ鋳形空間26内に樹
脂材料を注入する。
【0042】これにより、鋳型22〜24内には、図3
に示す如く、筒体32と、各ブッシュ34が埋設された
フランジ33とが一体成形される。この場合、フランジ
33は筒体32の径方向に対して傾斜角α′分だけ傾い
ているが、ブッシュ34も揺動ピン27と共に軸線方向
に対して傾斜角α′分だけ傾いているので、ブッシュ3
4等の軸線はフランジ33の板厚方向に等しくなる。
【0043】次に、図4では例えば鋳型23をケーシン
グ31から予め取外した後に、ケーシング31を鋳型2
2から筒体32の軸線方向に沿って矢示C方向へと型抜
きする。この場合、ブッシュ34の軸線は、揺動ピン2
7の軸線O1 −O1 と共に矢示C方向に対して傾斜して
いるため、ケーシング31が矢示C方向に移動すると、
揺動ピン27はブッシュ34内に引掛かった状態でばね
28に抗して矢示D方向に引出され、鋳型22のピン挿
通穴22Bからフランジ鋳形空間26側に進出する。
【0044】しかし、鋳型22からの型抜き後には、図
5中の矢示Eに示す如く、フランジ33に傾斜角α′と
ほぼ等しい角度をもった反りが生じるため、フランジ3
3は筒体32から径方向に突出した状態となり、ブッシ
ュ34の軸線は筒体32の軸線とほぼ平行となる。そし
て、このとき揺動ピン27は、先端側がブッシュ34と
共に径方向に揺動し、その軸線O2 −O2 は軸線O1 −
O1 から傾いて筒体32の軸線方向とほぼ平行に配置さ
れる。
【0045】この結果、揺動ピン27はブッシュ34内
に引掛かることがなくなるので、揺動ピン27は、図6
に示す如くばね28によってブッシュ34から軸線方向
に引抜かれ、鋳型22のピン挿通穴22B内に後退して
初期位置に戻される。
【0046】かくして、本実施の形態では、ケーシング
31の成形装置21を、鋳型22,23,24、揺動ピ
ン27等によって構成したので、ケーシング31の樹脂
成形時には、鋳型22〜24内の筒体鋳形空間25とフ
ランジ鋳形空間26とを用いて筒体32とフランジ33
とを一体成形することができる。また、このときフラン
ジ33を予め一定の傾斜角α′だけ傾斜させて形成で
き、これによってフランジ33に生じる型抜き後の反り
等を確実に補償できると共に、フランジ33内には、揺
動ピン27を用いて各ブッシュ34を埋設することがで
きる。
【0047】この場合、鋳型22には、ピン挿通穴22
Bの他側開口に位置して傾斜面部22Cを設け、この傾
斜面部22Cに揺動ピン27の傾斜面部27Dをばね2
8によって当接させるようにしたので、フランジ33の
成形時には、これらの傾斜面部22C,27Dによって
揺動ピン27をフランジ33の傾斜角α′と等しい角度
分だけ傾斜させた状態に保持でき、ブッシュ34の軸線
をフランジ33の板厚方向に沿って配置できると共に、
フランジ33に型抜き後の反り等が生じたときには、ブ
ッシュ34の軸線を筒体32の軸線と平行に配置するこ
とができる。
【0048】また、ケーシング31の型抜き時には、ケ
ーシング31を筒体32の軸線方向に沿って鋳型22等
から引離すだけで、傾いた状態のブッシュ34から揺動
ピン27を円滑に引抜くことができ、このときフランジ
33、ブッシュ34、揺動ピン27等に径方向の大きな
外力が加わるのを確実に防止することができる。
【0049】即ち、揺動ピン27を鋳型22のピン挿通
穴22B内でフランジ鋳形空間26に向けて進出、後退
可能、かつ径方向に揺動可能に配置し、ばね28により
揺動ピン27を後退する方向に付勢する構成としたの
で、フランジ33を鋳型22から軸線方向に型抜きする
ときには、ブッシュ34内に引掛かった揺動ピン27を
ばね28に抗して鋳型22のピン挿通穴22Bからフラ
ンジ鋳形空間26側へと進出させ、この位置でフランジ
33に追従して揺動させることができる。
【0050】そして、このフランジ33に型抜き後の反
り等が生じたときには、揺動ピン27のブッシュ取付部
27Cをブッシュ34に追従して径方向に揺動させるこ
とができ、この揺動ピン27をばね28によってブッシ
ュ34から軸線方向へと容易に引抜くことができると共
に、鋳型22のピン挿通穴22B内へと後退させること
ができる。
【0051】この結果、従来技術のようにブッシュ取付
ピン等がブッシュから斜め方向に無理やり引抜かれるこ
とがなくなり、フランジ33、ブッシュ34、揺動ピン
27等を型抜き時の外力から確実に保護することができ
る。従って、筒体32、フランジ33、ブッシュ34の
歪み、変形等を抑えてこれらを円滑に型抜きすることが
でき、ケーシング31を高い精度で一体成形できると共
に、流量検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0052】なお、前記実施の形態では、成形装置21
を用いて成形するフランジ付き筒状成形品として流量検
出装置のケーシング31を例に挙げて述べたが、本発明
はこれに限らず、筒体とフランジとを樹脂成形してなる
任意のフランジ付き筒状成形品、例えばスロットルバル
ブ装置、エアクリーナ等を成形する成形装置に適用し得
るものである。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、鋳型部材のピン挿通穴内には、フランジ鋳形空間
に対応した一定の角度だけ傾斜した状態で揺動可能とな
った揺動ピンを挿入して設ける構成としたので、フラン
ジ付き筒状成形品の樹脂成形時には、フランジを筒体の
軸線に対して予め傾斜させた状態で形成でき、このとき
ブッシュも揺動ピンを用いて傾斜させた状態でフランジ
に設けることができる。これにより、成形品の型抜き後
には、フランジに生じる反り等を確実に補償でき、ブッ
シュの軸線を筒体の軸線と平行に配置することができ
る。しかも、フランジを型抜きするときには、フランジ
が反ることによってブッシュの軸線が変位する場合で
も、このブッシュに追従して揺動ピンを揺動させ、フラ
ンジを型抜しつつ揺動ピンをブッシュから容易に引抜く
ことができる。この結果、成形品の型抜き時には、揺動
ピンがブッシュから斜め方向に無理やり引抜かれること
がなくなり、フランジ、ブッシュ、揺動ピン等に大きな
外力が加わるのを防止できると共に、これらの歪み、変
形等を抑えて型抜きを円滑に行うことができ、成形品を
高い精度で樹脂成形することができる。
【0054】また、請求項2の発明によれば、鋳型部材
には、揺動ピンが当接したときに揺動ピンを一定の角度
だけ傾斜した状態に保持する傾斜面部を設ける構成とし
たので、フランジ等の成形時には、この傾斜面部によっ
て揺動ピンをフランジの傾斜角と等しい角度分だけ傾斜
させた状態に保持でき、これによってフランジの型抜き
後には、ブッシュの軸線を筒体の軸線と平行に配置でき
ると共に、成形品の寸法精度を高めることができる。
【0055】さらに、請求項3の発明によれば、鋳型部
材のピン挿通穴内には揺動ピンの先端側部位がフランジ
鋳形空間から後退する方向に付勢するばねを設ける構成
としたので、フランジ等を型抜きするときには、ブッシ
ュ内に引掛かった揺動ピンをばねに抗してピン挿通穴か
らフランジ鋳形空間側へと進出させ、この位置でフラン
ジに追従して揺動させることができると共に、その後に
は揺動ピンをばねによってブッシュから容易に引抜き、
ピン挿通穴内へと後退させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるケーシングの成形装
置を示す部分断面図である。
【図2】揺動ピンにブッシュを取付けた状態で示す図1
中の要部拡大断面図である。
【図3】鋳型内に樹脂材料を注入してケーシングを成形
した状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】フランジを型抜きするときにブッシュ内に引掛
かった揺動ピンが鋳型のピン挿通穴から引出された状態
を示す要部拡大断面図である。
【図5】フランジの反りに伴って揺動ピンが径方向に揺
動した状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】揺動ピンがフランジのブッシュから抜けて鋳型
のピン挿通穴内に後退した状態を示す成形装置の部分断
面図である。
【図7】従来技術の成形装置を用いてケーシングが成形
される流量検出装置を示す正面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向からみた流量検出
装置の断面図である。
【図9】図7中の矢示IX−IX方向からみたケーシングの
断面図である。
【図10】従来技術の成形装置を用いてケーシングを樹
脂成形する状態を示す鋳型等の拡大図である。
【図11】フランジに型抜き後の反りが生じる状態を示
す説明図である。
【図12】フランジを予め傾斜させて成形することによ
り型抜き後の反りを補償する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
21 成形装置 22,23,24 鋳型(鋳型部材) 22B ピン挿通穴 22C 傾斜面部 25 筒体鋳形空間 26 フランジ鋳形空間 27 揺動ピン 28 ばね 31 ケーシング(フランジ付き筒状成形品) 32 筒体 33 フランジ 34 ブッシュ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に延びる筒体と径方向に延びる
    フランジとを有する樹脂製の筒状成形品を成形するフラ
    ンジ付き筒状成形品の成形装置において、 少なくとも前記フランジを挟んで軸線方向の両側に分割
    可能に形成され、内部に筒体鋳形空間と軸線に対して一
    定の角度だけ傾斜したフランジ鋳形空間とを画成した鋳
    型部材を有し、 前記鋳型部材には前記フランジに軸方向のブッシュを設
    けるために前記フランジ鋳形空間に向けて開口したピン
    挿通穴を設け、 該ピン挿通穴内には軸線に対して前記一定の角度だけ傾
    斜した状態で揺動可能となった揺動ピンを挿入して設
    け、 該揺動ピンには前記フランジ鋳形空間内に位置する先端
    部位に前記ブッシュを嵌合して取付ける構成としたこと
    を特徴とするフランジ付き筒状成形品の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記鋳型部材には、前記フランジ鋳形空
    間に向けて開口したピン挿通穴の開口側に位置して前記
    揺動ピンと当接したときに前記揺動ピンを前記一定の角
    度だけ傾斜した状態に保持するテーパ状の傾斜面部を設
    けてなる請求項1に記載のフランジ付き筒状成形品の成
    形装置。
  3. 【請求項3】 前記鋳型部材のピン挿通穴内には、前記
    揺動ピンの先端側部位が前記フランジ鋳形空間から後退
    する方向に付勢するばねを設けてなる請求項1または2
    に記載のフランジ付き筒状成形品の成形装置。
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