JP2000083623A - 食 品 - Google Patents

食 品

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JP2000083623A
JP2000083623A JP10296005A JP29600598A JP2000083623A JP 2000083623 A JP2000083623 A JP 2000083623A JP 10296005 A JP10296005 A JP 10296005A JP 29600598 A JP29600598 A JP 29600598A JP 2000083623 A JP2000083623 A JP 2000083623A
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arginine
diabetic
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hemorrhoids
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Nobuko Koga
信子 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖尿病合併症、特に、糖尿病性神経症、糖尿
病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善、な
らびに痔疾およびそれに伴う諸症状、例えば、患部から
の出血、痛み、かゆみ等の予防、改善に有用な食品等を
提供する。 【解決手段】 アルギニン、アルギニン塩またはアルギ
ニン組成物を食品等として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルギニン、アル
ギニン塩またはアルギニン組成物を、病気の予防あるい
は改善を目的として用いることからなる用途に関する。
さらに詳しくは、糖尿病合併症の予防、進展防止、改
善、および痔疾の予防、改善に有用なアルギニン、アル
ギニン塩またはアルギニン組成物の食品としての用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、インスリンが不足したり、イ
ンスリンの働きが悪いために、血糖値と呼ばれる血中の
ブドウ糖の濃度がふえ、体にさまざまな障害の起こる病
気である。糖尿病には、インスリンを外から補わないと
生命の危険があるインスリン依存型糖尿病と、インスリ
ンを補わなくても生命の危険がないインスリン非依存型
糖尿病に大きく分けられる。糖尿病はその高血糖が長く
続くと神経症、網膜症、腎症などの特有の合併症が生じ
る。これらの合併症の中でも、糖尿病性神経症は最も早
い段階からあらわれ、最も発症の頻度が高いと言われて
いる。糖尿病性神経症は、高血糖により知覚神経や自律
神経がおかされるために起こると考えられている。糖尿
病性神経症の最も典型的な症状は、手足のしびれや冷
感、痛みなどである。その治療は、血糖のコントロール
が基本であるが、現在の治療法ではなかなか血糖を十分
コントロールするのは難しく、従ってその予防、改善も
十分に行うことは難しい。また、食事療法や運動療法に
よっても十分にその予防、改善を行うことは困難であ
る。薬物療法としては、痛みの改善に非ステロイド系消
炎鎮痛剤、フェニトイン、カルバマゼピンやビタミンB
12製剤(メコバラミンなど)などが使われている。ま
た、糖尿病性神経症に関わる代謝異常を改善する目的で
エパルレスタットが使われている。しかしながら、糖尿
病性神経症を満足に予防、改善する治療法は現在のとこ
ろない。糖尿病性網膜症は、糖尿病合併症の中で最も深
刻なもので、ときに失明に至る。ちなみに視覚障害の原
因の第一位は糖尿病によるものと言われている。糖尿病
では、高血糖により網膜の毛細血管などの細小血管がお
かされ、血管が詰まって血液が流れなくなり、網膜が酸
素不足の状態になる。それを補うため新しい血管が生成
される。この新生血管は非常にもろく破れやすいため
に、出血しやすく、その出血が硝子体の中や網膜の黄斑
部近くで起こったとき視力低下となる。さらに、その出
血が繰り返されると網膜剥離を起こし失明に至る。糖尿
病性網膜症の治療の基本は血糖コントロールであるが、
現在の治療法ではなかなか血糖を十分コントロールする
のは難しく、従ってその予防、改善も十分に行うことは
難しい。また、食事療法や運動療法によっても十分にそ
の予防、改善を行うことは困難である。また、網膜症が
ある程度進むと上記療法を十分に行っても病状は進行し
続けついには失明に至る。現在、網膜症の有効な治療法
は光凝固法や硝子体手術等の手術療法のみである。光凝
固法は、新生血管ができるのを防いで、病変が進行する
のを予防する治療法であるが、時として視力低下等の副
作用があり、さらにこれに代わる優れた治療法が求めら
れている。現在、糖尿病性網膜症を直接予防、進展防
止、改善できる薬物は知られていない。糖尿病性腎症と
は、糖尿病が進行して腎臓にも影響がおよび、タンパク
尿を主体とする腎障害が起こった状態である。現在、人
工透析の主要な原因の一つとして糖尿病性腎症があげら
れている。糖尿病性腎症では、糸球体が障害され、濾過
機能の低下が起こるといわれている。糖尿病性腎症の治
療の基本は血糖コントロールであるが、現在の治療法で
はなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、従
ってその予防、改善も十分に行うことは難しい。また、
食事療法や運動療法によっても十分にその予防、改善を
行うことは困難である。腎症が早期のときは、血圧のコ
ントロールも腎症の進行の予防に有効である。しかし、
さらに腎症が進むとタンパク質や塩分制限以外に特に治
療法はない。さらに病気が進むと腎不全になり人工透析
が必要となる。腎症の薬物療法としては、血圧コントロ
ールのために降圧剤が使われている。
【0003】痔疾は肛門およびその近くの部分に起こる
病気を総称した名前で、痔核、痔裂、痔瘻が含まれてい
る。痔核は、肛門周囲の静脈にうっ血が起こり、それが
炎症を繰り返して、こぶ状の静脈瘤ができている状態で
ある。痔核が肛門や肛門周囲にできたものを外痔核、直
腸の周辺にできたものを内痔核という。その治療は、便
通の調整、食事に気をつける(刺激物、アルコールの禁
止など)などであるが、ひどいときは手術を行う。痔裂
は、硬い便の排泄によって、肛門皮膚が傷つき出血、痛
みを起こすものである。軽いものでは、便通の調整、入
浴等による肛門部の血行改善、坐薬等による薬物療法等
によって軽快するが、慢性化、難治化したものは手術の
必要がある。痔瘻は、肛門の周囲に炎症が起こり、その
炎症が進行して化膿すると膿瘍ができる。このとき排膿
するために開いた口が残り、そこに感染が繰り返し起こ
るものである。痔瘻は手術しないとなかなか治療が望め
ない。痔疾の薬物療法としては、経口剤と坐薬がある。
いずれも肛門患部での抗炎症、抗浮腫作用、血行改善作
用等を期待したものである。坐薬ではさらに、局所麻酔
剤や抗菌剤が配合される。薬物療法は、痔疾が軽いとき
はそれなりの有効性はあるが、慢性化、難治化するとそ
の作用は一過性であまり期待できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】糖尿病性神経症、網膜
症、腎症を含む糖尿病合併症の予防、進展防止、改善
は、血糖のコントロールが基本であるが、現在の治療法
ではなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、
また、血糖コントロールのみによって合併症の予防、改
善を十分に行うことは難しいと考えられている。また、
食事療法や運動療法は糖尿病における基本療法である
が、それのみによって十分に合併症の予防、改善をする
ことは困難である。糖尿病性神経症の薬物療法として
は、痛みの改善に非ステロイド系消炎鎮痛剤、フェニト
イン、カルバマゼピンやビタミンB12製剤(メコバラ
ミンなど)などが使われている。また、糖尿病性神経症
に関わる代謝異常を改善する目的でエパルレスタットが
使われている。しかしながら、糖尿病性神経症を満足に
予防、改善する治療法は現在のところない。一方、糖尿
病性網膜症に関しては、それを直接予防、進展防止、改
善できる薬物は知られていない。糖尿病性腎症の薬物療
法として、血圧コントロールのために降圧剤が用いられ
ているが、その効果は腎症早期に限られ、進行した腎症
ではその効果は期待できない。
【0005】痔疾は、肛門部の不潔、血行不良、便秘等
によって生じることから、その予防、改善の基本は、肛
門部を清潔に保つこと、血行改善、便通の調整等であ
る。しかし、慢性化、難治化したものでは薬物療法や手
術療法が必要になってくる。痔疾の薬物療法としては、
経口剤と坐薬がある。いずれも肛門患部での抗炎症、抗
浮腫作用、血行改善作用等を期待したものである。坐薬
ではさらに、局所麻酔剤や抗菌剤が配合される。薬物療
法は、痔疾が軽いときはそれなりの効果はあるが、慢性
化、難治化するとその作用は一過性で治癒は期待できな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、糖尿病合併
症、特に、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性
腎症の予防、進展防止、改善にアルギニン、アルギニン
塩またはアルギニン組成物の摂取が非常に有効であるこ
とを見いだし、本発明に至った。また、アルギニン、ア
ルギニン塩またはアルギニン組成物の摂取は痔疾の予
防、改善ももたらすことを見いだした。
【0007】
【発明の技術的手段】アルギニンはタンパク質中に含ま
れる塩基性アミノ酸の一種である。アルギニンは、食品
あるいは食品添加物として、栄養補助食品やかまぼこの
「あし」を補強する目的で使用されている。また、アル
ギニンのグルタミン酸塩が緑茶のうま味を出すための食
品添加物として使用されている。アルギニンの医薬とし
ての用途は、肝機能促進、下垂体機能検査等に用いられ
ている。
【0008】本発明において、アルギニン、アルギニン
塩あるいはアルギニン組成物は、食品等として摂取した
とき、病気の予防、改善、すなわち、糖尿病合併症の予
防、進展防止、改善、特に、糖尿病性神経症、糖尿病性
網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善に有用で
ある。また、痔疾の予防、改善にも有用で、特にそれに
よる出血、痛み、かゆみ等の症状の改善に有効である。
【0009】本発明で使用されるアルギニンは、動物あ
るいは植物由来の天然タンパク質の加水分解から得られ
たもの、発酵法あるいは化学合成法によって得られたも
のいずれでも良い。アルギニンは光学異性体として、D
体とL体が存在するが、本発明に使用するには、生体タ
ンパク成分であるL体(L−アルギニン、本発明中では
特に断らない限りアルギニンはL−アルギニンを表す)
を用いるのが望ましい。アルギニンはそのままあるいは
種々の塩の形で用いても良い。アルギニンの塩として
は、アルギニンが塩基性を示すために主に酸との塩が用
いられる。酸としては、無機酸、有機酸いずれでも良
い。無機酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、臭
化水素酸、ヨー化水素酸などがあげられる。有機酸の例
としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、グルタミン酸、
アスパラギン酸などがあげられる。
【0010】本発明で使用されるアルギニン組成物とし
ては、食品等として摂取されたとき生体内でアルギニン
に速やかに変換されるものなら何でも良いが、例えばそ
のようなものとしてアルギニンを構成成分とするペプチ
ド(アルギニンペプチド)があげられる。ペプチドは2
〜50個くらいのアミノ酸から構成されているが、本発
明においては活性本体であるアルギニン換算で摂取され
るため、できるだけアルギニン含量が高い方が望まし
い。例えば、ペプチド中のアルギニン含量は20〜30
%以上であることが望ましい。ペプチドの構成成分とし
て、アルギニンは活性本体であるから必須であるがそれ
以外はアミノ酸の種類は問わない。ペプチドは、化学合
成法、発酵法、天然タンパク質の加水分解、天然ペプチ
ド等種々の方法によって入手できるが、いずれでも使用
できる。天然タンパク質の例として、大豆タンパク質が
あげられるが、これを常法に従って、化学的にあるいは
酵素を用いてペプチドまで加水分解し、イオン交換樹脂
法等によって精製した、アルギニン短鎖ペプチドは、食
品等として使用するには、安価で大量に供給できるため
望ましい。また、アルギニン短鎖ペプチドは、アルギニ
ンに比較し、味、安定性、吸収性、安全性等に優れるた
めに、特に食品等として摂取するには適している。これ
らのアルギニンペプチドは食品等として摂取されたと
き、生体内で速やかに分解され、アルギニンとして作用
を示す。
【0011】アルギニン、アルギニン塩またはアルギニ
ン組成物を食品等として摂取するには、そのままの形で
もかまわないが、より摂取しやすくするために、調味
料、香味料等を加えても良い。食品等の形態としては、
粉末、顆粒、細粒、錠剤、カプセル、液体、ゼリー等通
常食品等として用いられる如何なる形態も可能である。
アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物は既
存の食品等に添加、含有させることによっても摂取でき
る。例えば、ドリンク、清涼飲料水、ヨーグルト、飴、
ゼリー、乳酸菌飲料等に添加、含有させた形で摂取する
ことができる。
【0012】本発明の病気の予防、改善のために、アル
ギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物をその有
効成分として単独で食品等として摂取してもよいが、さ
らにその効果を高めるために、アルギニン、アルギニン
塩またはアルギニン組成物の作用と相加的あるいは相乗
的に働くと考えられるシステインあるいはビタミンE等
の抗酸化剤と共に食品等として摂取することはさらに望
ましい摂取形態である。
【0013】本発明のアルギニン、アルギニン塩または
アルギニン組成物の食品等としての摂取量は、本発明の
病気の状態、病人の体重、年齢、体質、体調等によって
調整されるべきであるが、一般に1日あたり、アルギニ
ンに換算して、0.25g〜30g、好ましくは1g〜
20gの範囲で適宜選択することができる。これを病気
の状態や食品等の形態によって1日1ないし数回にわけ
て摂取することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
【実施例1】Aは長年糖尿病を患っていたが、ここ数年
手足のしびれ、冷感、痛みに悩まされてきた。医師の診
断は糖尿病性神経症であった。その治療のためにいろい
ろな薬剤を処方されたが、特に改善は見られなかった。
そこでAは、食品用のアルギニンを、1日あたり4ない
し12gを2ないし3回にわけ、3ヶ月間摂取したとこ
ろ、手足のしびれ、冷感、痛みは徐々に改善し、3ヶ月
目にはこれらはかなり改善していた。副作用は全くなか
った。
【0016】
【実施例2】Bは長年痔を患っていた。その症状は排便
時毎の出血と痛み、肛門部の持続的な痛みとかゆみで、
夜間にはその痛みとかゆみはさらに強くなった。坐薬に
よって治療していたが、その効き目は一過性で連用によ
って効き目は減弱した。医師の診断は内痔核であった。
Bはそこで、食品用のアルギニンを、1日あたり4ない
し10gを2ないし3回にわけ、3ヶ月間摂取したとこ
ろ、排便時の出血、痛み、肛門部の持続的な痛みとかゆ
みが全くなくなった。副作用は全くなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明のアルギニン、アルギニン塩また
はアルギニン組成物は、その摂取により、糖尿病合併症
の予防、進展防止、改善に有用である。特に、糖尿病性
神経症、塘尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防
止、改善に有用である。また、痔疾およびそれに伴う諸
症状、例えば、患部からの出血、痛み、かゆみ等の予
防、改善にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61K 31/00 625 27/00 627 A61K 35/78 35/78 J 38/00 37/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖尿病合併症の予防、進展防止、改善に
    有用なアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成
    物からなる食品。
  2. 【請求項2】 糖尿病合併症が神経症である請求項1記
    載の食品。
  3. 【請求項3】 糖尿病合併症が網膜症である請求項1記
    載の食品。
  4. 【請求項4】 糖尿病合併症が腎症である請求項1記載
    の食品。
  5. 【請求項5】 アルギニン組成物が、摂取したとき生体
    内で速やかにアルギニンに変換するものである請求項1
    から4記載の食品。
  6. 【請求項6】 アルギニン組成物が、ペプチドである請
    求項5記載の食品。
  7. 【請求項7】 ペプチドが大豆由来ペプチドである請求
    項6記載の食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006057346A1 (ja) * 2004-11-25 2006-06-01 Meiji Dairies Corporation 腎機能障害改善剤
JP2009209080A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Fuji Oil Co Ltd アディポネクチン分泌促進組成物
JP2017014180A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 忠興 矢内 痔瘻の治療薬

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