JP2000081714A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2000081714A
JP2000081714A JP10251159A JP25115998A JP2000081714A JP 2000081714 A JP2000081714 A JP 2000081714A JP 10251159 A JP10251159 A JP 10251159A JP 25115998 A JP25115998 A JP 25115998A JP 2000081714 A JP2000081714 A JP 2000081714A
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charge
substituent
photoreceptor
electrophotographic
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JP10251159A
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Koichi Suzuki
幸一 鈴木
Norihiro Kikuchi
憲裕 菊地
Shoji Amamiya
昇司 雨宮
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好に電荷を感光体表面に注入帯電すること
ができ、ハーフトーン画像上、ポジゴーストや黒スジ等
の感光体表面の電荷注入性に起因する欠陥の無い、非常
に高品質の画像が得られる電子写真装置を提供すること
である。 【解決手段】 電子写真感光体、電子写真感光体とニッ
プ部を形成する可撓性の帯電部材を接触配置し電圧を印
加することにより電子写真感光体を帯電する帯電手段、
露光手段、現像手段及び転写手段を備えた電子写真装置
において、電子写真感光体の表面層が特定な構造を有す
るスチリル系化合物又はヒドラゾン系化合物の電荷輸送
材料を含有し、かつ帯電部材が少なくとも電子写真感光
体との接触面に導電性を有する帯電促進粒子を100個
/mm2以上の密度で存在させて電子写真感光体表面に
注入帯電する電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置及びプ
ロセスカートリッジに関し、詳しくは特定の電子写真感
光体を用い、特定の帯電を行う電子写真装置、電子写真
プロセスカートリッジ及びファクシミリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置(複写機・
プリンタ等)や静電記録装置等の画像形成装置におい
て、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体(被
帯電体)を所定の極性・電位に一様に帯電処理(除電処
理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ
放電器)がよく使用されていた。
【0003】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極等の放電電極と放電電極を囲むシールド
電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対
向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高
圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワ
ー)に像担持体面をさらすことで、像担持体面を所定に
帯電させるものである。
【0004】近年は、中低速機種の画像形成装置にあっ
ては、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロナ
帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることか
ら接触帯電装置が多く提案され、また実用化されてい
る。接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体に、ローラ
型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブ
レード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯
電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイ
アスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電さ
せるものである。
【0005】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電系と注入帯電系の2種類の帯
電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより
各々の特性が現れる。
【0006】放電帯電系は、接触帯電部材と被帯電体と
の微小間隙に生じる放電現象により被帯電体表面が帯電
する系である。放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に
一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな
電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロ
ナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電
生成物は生じることが原理的に避けられないため、オゾ
ン等の活性イオンによる弊害は避けられない。
【0007】注入帯電系は、接触帯電部材から被帯電体
に直接に電荷が注入されることで被帯電体表面が帯電す
る系である。注入帯電あるいは直接帯電と称される。よ
り詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用
いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものであ
る。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下
の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位
に帯電することができる。
【0008】この帯電系はイオンの発生を伴わないため
放電生成物による弊害は生じない。しかし、接触帯電部
材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。
そこで接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電体と
の速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触す
る構成をとる必要がある。
【0009】代表的な接触帯電プロセスとしては、以下
の(A)〜(C)の方法等が提案され実用化等されてい
る。
【0010】(A)ローラ帯電 接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電
ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という
点で好ましく、広く用いられている。このローラ帯電の
帯電機構は、前記の放電帯電系が支配的である。帯電ロ
ーラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を
用いて作成される。更に、これらを積層して所望の特性
を得たものもある。
【0011】帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記
す)との一定の接触状態を得るために弾性を持たせてい
るが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合は感光体
に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従っ
て、直接帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や
接触性の不足やローラ状のムラや感光体の付着物による
帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電での帯
電機構は放電帯電系が支配的である。
【0012】図8は接触帯電における帯電効率例を表わ
したグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイ
アス、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位を表わす
ものである。ローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わさ
れる。すなわち、−500Vの放電閾値を過ぎてから帯
電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1
000Vの直流電圧を印加するか、あるいは−500V
直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に
持つ様にピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して
感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的であ
る。
【0013】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合
には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面
電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1
で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯
電開始電圧Vthと定義する。つまり、電子写真に必要
とされる感光体表面電位Vdを得るためには、帯電ロー
ラにはVd+Vthという必要とされる以上のDC電圧
が必要となる。この様にしてDC電圧のみを接触帯電部
材に印加して帯電を行う方法を「DC帯電方式」と称す
る。
【0014】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また感光
体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動
するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しか
った。このため、更なる帯電の均一化を図るために特開
昭63−149669号公報に開示される様に、所望の
Vdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電
圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加
する「AC帯電方式」が用いられる。これは、ACによ
る電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体
の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、
環境等の外乱には影響されることはない。
【0015】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べた様に接触
帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が必
要とされ、微量のオゾンは発生する。また、帯電均一化
のためにAC帯電を行った場合には更なるオゾンの発
生、AC電圧の電界による接触帯電部材と感光体の振動
騒音(AC帯電音)の発生、また放電による感光体表面
の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0016】(B)ファーブラシ帯電 ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維の
ブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、
その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接
触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させるものである。このファーブラ
シ帯電もその帯電機構は、前記の放電帯電系が支配的で
ある。
【0017】ファーブラシ帯電器は、固定タイプとロー
ルタイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折
り込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが
固定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付け
て形成する。繊維密度としては100本/mm2程度の
ものが比較的容易に得られるが、注入帯電により十分均
一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、注
入帯電により十分均一な帯電を行うには、感光体に対し
機械構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要が
あり、現実的ではない。
【0018】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は、図8のBに示される特性をとる。従って、
ファーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプ
どちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し、放電帯電
を用いて帯電を行っている。
【0019】(C)磁気ブラシ帯電 磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子
をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成し
た磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用
い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触
させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の
極性・電位に帯電させるものである。この磁気ブラシ帯
電の場合の帯電機構は、前記の注入帯電系が支配的であ
る。
【0020】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一な注入帯電を可能にする。図
8の帯電特性グラフのCにある様に、印加バイアスとほ
ぼ比例した帯電電位を得ることが可能になる。しかしな
がら、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成
している導電性粒子が脱落して感光体に付着する等他の
弊害もある。
【0021】また更に、上記(A)〜(C)の代表的な
接触帯電プロセスの他に、特公平7−99442号公報
に接触帯電部材に対し粉末を塗布というものが開示され
ている。これは接触帯電装置について、帯電ムラを防止
し安定した均一帯電を行うために、接触帯電部材に被帯
電体面との接触面に粉末を塗布する構成であり、接触帯
電部材が被帯電体に従動回転であり、スコロトロン等の
コロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少
なくなっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電の
場合と同様に依然として放電による放電帯電を主として
いる。特に、より安定した帯電均一性を得るためには、
DC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するために、
放電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしま
う。よって、長期に装置を使用した場合や、クリーナー
レスの画像形成装置を長期に使用した場合において、オ
ゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやすい。
【0022】一方、電子写真感光体の方からも接触注入
帯電を行えるようなアプローチが近年なされており、例
えば特開平6−3921号公報等には感光体表面にある
トラップ準位又は電荷注入層の導電粒子等の電荷保持部
材に電荷を注入して接触注入帯電を行う方法が提案され
ている。これは放電現象を用いないため、帯電に必要と
される電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オ
ゾンの発生もない。更に、AC電圧を印加しないので、
帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、オゾ
ンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0023】しかしこれらは、表面に電荷注入層として
アンチモンやインジウム等をドーピングして導電処理し
たSnO2等の導電性微粒子を含有した層を通常の感光
体の上に更にもう一層設けなければならなく、生産性が
悪くコストがかかってしまい、更には導電性微粒子を使
用するために環境の変化による抵抗変動の制御が難しい
という問題点があるのが実状である。
【0024】また近年、環境問題が大きくクローズアッ
プされてきており、電子写真装置より廃トナーを出さな
いシステムが数多く提案されている。これは通常トナー
リサイクルプロセス(クリーナーレスシステム)と呼ば
れており、例えば転写方式の画像形成装置においては、
転写後の感光体(像担持体)に残存する転写残トナーは
クリーナー(クリーニング装置)によって感光体面から
除去されて廃トナーとなるが、そこでクリーナーをなく
し、転写後の感光体上の転写残トナーは現像装置によっ
て「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し現像
装置に回収・再用する装置構成にしたトナーリサイクル
プロセスの画像形成装置等が提案されている。
【0025】この現像同時クリーニングとは、転写後に
感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時にかぶ
り取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体
の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbac
k)によって回収する方法である。この方法によれば、
転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降に再用
されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩
わせることも少なくすることができる。また、クリーナ
ーレスであることによりスペース面での利点も大きく、
画像形成装置を大幅に小型化できる様になり環境問題以
外にも大きな利点がある。
【0026】上記に記載した様に、接触帯電において、
接触帯電部材として帯電ローラやファーブラシを用いた
簡易な構成で注入帯電をすることは難しく、画像形成装
置にあっては絶対的帯電不良による画像のかぶり(反転
現像の場合には白地部が現像される)や帯電ムラ等が生
じる。
【0027】接触帯電部材の被帯電体面との接触面に粉
末を塗布し、接触帯電部材が従動で、放電帯電を主とす
る接触帯電装置構成では、長期に装置を使用した場合
や、クリーナーレスの画像形成装置を長期に使用した場
合に、オゾン生成物が蓄積することにより画像流れが生
じやすくなる。また、クリーナーレスの画像形成装置に
おいては、転写残トナーが帯電部において帯電不良を引
き起こしてしまう。更に、接触帯電においては、被帯電
体と帯電部材との接触が十分に行われる必要があるた
め、接触に係わる次のような問題点があった。
【0028】a)接触帯電部材としてファーブラシ(帯
電ブラシ)を用いた場合、帯電ブラシの毛先が図7に示
す様に分かれ、被帯電体表面に接触できないところがで
き、被帯電体表面を均一に帯電することができない。図
7において、1は被帯電体(例えば感光体)、2は帯電
ブラシ、2aは帯電ブラシの電極部、2bは導電性繊維
のファーブラシ部、S1は帯電バイアス印加電源であ
る。
【0029】b)接触帯電部材として磁気ブラシを用い
た場合、接触性を向上させるために帯電磁性粒子を小さ
くしていくと、磁性粒子が被帯電体表面に付着する欠点
があり、帯電磁性粒子を大きくして磁気拘束力を十分に
与えると、磁性粒子と被帯電体の接触機会が少なくなり
注入帯電能力が低下する。
【0030】c)接触性を向上させるために補助的な導
電性磁性微粒子を帯電部材に混入させる方法も考案され
ているが、長期的に見て磁性微粒子が被帯電体に付着し
て消費され、帯電性が低下することが指摘されている。
【0031】d)あらゆる環境(低温〜高温/低湿〜高
湿)で常に安定し均一な注入帯電を行えることが難し
く、特に低湿下での帯電性に問題がある。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
均一性に優れかつ長期に渡り安定した注入帯電を実現す
る、すなわち低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を簡易
な構成、低コストな電子写真装置を提供することであ
る。
【0033】本発明の別の目的は、良好に電荷を感光体
表面に注入帯電することができ、ハーフトーン画像上、
ポジゴーストや黒スジ等の感光体表面の電荷注入性に起
因する欠陥の無い、非常に高品質な画像が得られる電子
写真装置を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、電子写
真感光体、電子写真感光体とニップ部を形成する可撓性
の帯電部材を接触配置し電圧を印加することにより電子
写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及
び転写手段を備えた電子写真装置において、電子写真感
光体の表面層が下記一般式(1)又は(3)の電荷輸送
材料を少なくとも1種以上含有し、かつ帯電部材が少な
くとも電子写真感光体との接触面に導電性を有する帯電
促進粒子を存在させて電子写真感光体表面に注入帯電す
る電子写真装置が提供される。
【0035】
【化6】
【0036】式中、Ar1及びAr2は置換基を有しても
よいアリール基を示し、Ar1及びAr2は同一でも異な
ってもよい。R1は置換基を有してもよいアルキル基、
置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有して
もよいアリール基を示す。但し、Ar1、Ar2及びR1
のうち少なくとも一つは、下記一般式(2)の置換基を
少なくとも一つ以上有する。
【0037】
【化7】
【0038】式中、R2及びR3は置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換
基を有してもよいアリール基又は水素原子を示し、R2
及びR3は同一であっても異なってもよい。Ar3は置換
基を有してもよいアリール基を示す。nは0又は1〜2
の整数を示す。
【0039】
【化8】
【0040】式中、Ar4及びAr5は置換基を有しても
よいアリーレン基、Ar6及びAr7は置換基を有しても
よいアリール基を示す。R4〜R7は置換基を有してもよ
いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は
置換基を有してもよいアリール基を示す。
【0041】また本発明に従って、電子写真感光体、電
子写真感光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を
接触配置し電圧を印加することにより電子写真感光体を
帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を
備えた電子写真装置において、電子写真感光体の表面層
が置換基を有してもよい縮合環炭化水素又は置換基を有
してもよい縮合複素環又は下記一般式(4)の電荷輸送
材料を含有し、かつ帯電部材が、少なくとも電子写真感
光体との接触面に導電性を有する帯電促進粒子を存在さ
せて電子写真感光体表面に注入帯電する電子写真装置が
提供される。
【0042】
【化9】
【0043】式中、R8及びR9は置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置
換基を有してもよいアリール基を示し、R8及びR9は同
一でも異なってもよい。Ar8は置換基を有してもよい
アリール基を示す。但し、上記縮合環炭化水素、縮合複
素環及び一般式(4)は、下記一般式(5)の置換基を
少なくとも一つ以上有する。
【0044】
【化10】
【0045】式中、R10及びR11は置換基を有してもよ
いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
換基を有してもよいアリール基及び水素原子を示し、R
10及びR11は同一であっても異なってもよい。Ar9
置換基を有してもよいアリール基を示す。nは0又は1
〜2の整数を示す。
【0046】上記表現の縮合環炭化水素としてはナフタ
レン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、フルオ
レン、フルオランセン、アズレン、インデン、ペリレ
ン、クリセン、コロネン等、また縮合複素環としてはベ
ンゾフラン、インドール、カルバゾール、ベンズカルバ
ゾール、アクリジン、フェノチアジン、キノリン等が挙
げられる。アリール基としては、フェニル、ナフチル、
アントラセニル、ピレニル等の芳香族炭化水素基、ピリ
ジル、キノリル、チエニル、フリル、カルバゾリル、ベ
ンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル等の複素環基が挙
げられる。アリーレン基としては、ベンゼン、ナフタレ
ン、アントラセン、ピレン等の芳香族炭化水素又はピリ
ジン、キノリン、チオフェン、フラン等の複素環から2
個又は3個の水素原子を除いた、2価又は3価の芳香族
炭化水素基又は複素環基が挙げられる。アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等
の基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル、フ
ェネチル、ナフチルメチル、フルフリル等の基が挙げら
れる。
【0047】また、これらの基が有してもよい置換基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル
等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等のア
ルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
原子、フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、ピリ
ジル、キノリル、チエニル、フリル等の複素環基、アセ
チル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアル
キルアミノ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル
基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
【0048】なお、R1とAr1、Ar3とR3、Ar6
Ar7、R4とR5、R6とR7、R8とR9及びAr9とR11
は直接又は他の−CH2−、−CH2CH2−、−CH=
CH−、−O−、−S−、−NR12−等の有機残基を介
して環を形成してもよい(R 12は置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換
基を有してもよいアリール基及び水素原子を示す)。な
お、上記一般式(1)のR1がアリール基である場合が
特に好ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に一般式(1)、(3)及び
(4)で示される化合物についてその代表例を挙げる。
但し、これらの化合物に限定されるものではない。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】感光体の構成としては、導電性支持体の上
に単一の感光層を設けた単層型、電荷発生と電荷輸送の
機能を別々の層に分担させた積層型等、例えば以下の形
態が挙げられる。
【0061】(1)電荷発生材料を含有する層/電荷輸
送材料を含有する層 (2)電荷発生材料と電荷輸送材料を含有する層 (3)電荷発生材料を含有する層/電荷発生材料と電荷
輸送材料を含有する層
【0062】導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能
や接着機能を有する下引き層を設けたりしても良い。こ
れらの構成の中で、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層がこの順に積層された構成を有する積
層型(上記形態の(1)及び(3)の構成)が感度や耐
久性の面等より特に好ましい。
【0063】以下に導電性支持体上に電荷発生層と電荷
輸送層を積層した機能分離型感光体について、その作成
方法を述べる。本発明における導電性支持体としては、
例えば以下に示した形態のものを挙げることができる。
【0064】(1)アルミニウム、アルミニウム合金、
ステンレス、銅等の金属を板形状又はドラム形状にした
もの (2)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持体や前記
(1)の導電性支持体上にアルミニウム、パラジウム、
ロジウム、金、白金等の金属を蒸着もしくはラミネート
することにより薄膜形成したもの (3)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持体や前記
(1)の導電性支持体上に導電性高分子、酸化スズ、酸
化インジウム等の導電性化合物の層を蒸着あるいは塗布
することにより形成したもの
【0065】本発明に用いられる有効な電荷発生材料と
しては、例えば以下のような材料が挙げられる。これら
の電荷発生材料は単独で用いてもよく、2種類以上組み
合わせても良い。
【0066】(1)モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ等
のアゾ系顔料 (2)インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ系顔料 (3)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン等の
フタロシアニン系 (4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレ
ン系顔料 (5)アンスラキノン、ピレンキノン等の多環キノン系
顔料 (6)スクアリリウム色素 (7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類 (8)トリフェニルメタン系色素 (9)セレン、非晶質シリコン等の無機材料
【0067】電荷発生材料を含有する層、すなわち電荷
発生層は前記のような電荷発生材料を適当なバインダー
樹脂に分散し、これを導電性支持体上に塗工することに
より形成することができる。また、導電性支持体上に蒸
着、スパッタ、CVD等の乾式法で薄膜を形成すること
によっても形成することができる。
【0068】上記バインダー樹脂としては広範囲なバイ
ンダー樹脂から選択でき、例えば、ポリエステル樹脂、
ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリ
コン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらは単独
又は共重合体ポリマーとして1種又は2種以上混合して
用いても良い。
【0069】電荷発生層中に含有するバインダー樹脂は
80重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ま
しい。また、電荷発生層の膜厚は5μm以下が好まし
く、0.01μm〜2μmがより好ましい。また、電荷
発生層には種々の増感剤を添加しても良い。
【0070】電荷輸送材料を含有する層、すなわち電荷
輸送層は、先に述べた様に少なくとも前記一般式(1)
又は(3)で示されるスチリル系化合物、もしくは前記
一般式(5)の置換基を少なくとも一つ以上有する、縮
合環炭化水素又は縮合複素環又は一般式(4)で示され
るヒドラゾン系化合物を含む電荷輸送材料と適当なバイ
ンダー樹脂とを組み合わせて形成することができる。こ
こで電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂としては、
前記電荷発生層に用いられているものが挙げられ、更に
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等の
光導電性高分子等が挙げられる。
【0071】電荷輸送材料としては、前記一般式(1)
又は(3)で示されるで示される特定のスチリル化合
物、もしくは前記一般式(5)の置換基を少なくとも一
つ以上有する、縮合環炭化水素又は縮合複素環又は一般
式(4)で示されるヒドラゾン系化合物を1種類単独で
用いても2種類以上組み合わせてもよく、また他の構造
の電荷輸送材料〔例えばピレン、アントラセン等の多環
芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、オキサ
ゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾ
ール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾー
ル系化合物等の複素環化合物、トリアリールメタン系化
合物あるいは、これらの化合物からなる基を主鎖又は側
鎖に有するポリマー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルアントラセン等)〕等と組み合わせて
も良い。
【0072】バインダー樹脂と電荷輸送材料との配合割
合は、バインダー樹脂100重量部当たり電荷輸送材料
を10〜500重量部とすることが好ましい。電荷輸送
層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電
界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キヤリアを
受け取ると共に、これらの電荷キヤリアを表面まで輸送
できる機能を有している。この電荷輸送層は、電荷キヤ
リアを輪送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚
くすることができないが、好ましくは5μm〜40μ
m、より好ましくは10μm〜30μmの範囲である。
更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤等の添加剤を必要に応じ添加することもできる。
【0073】このような電荷輸送層を形成する際は、適
当な有機溶媒を用い、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコ
ーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレード
コーティング法等のコーティング法を用いて行うことが
できる。
【0074】すなわち本発明は、表面層が前記一般式
(1)又は(3)で示される特定のスチリル系化合物、
もしくは前記一般式(5)の置換基を少なくとも一つ以
上有する、縮合環炭化水素又は縮合複素環又は一般式
(4)で示されるヒドラゾン系化合物からなる電荷輸送
材料を含有した電子写真感光体の表面と接触帯電部材と
の相互接触面に導電性を有する帯電促進粒子を存在させ
た状態で、電子写真感光体の接触帯電を行わせるもので
ある。その帯電促進粒子は102個/mm2以上の密度で
存在させるのが好ましく、また帯電部材は電子写真感光
体に周速差を持たせて接触させて電子写真感光体の接触
帯電を行わせることもできる。
【0075】帯電促進粒子の存在により、電子写真感光
体と接触帯電部材との相互接触面において、接触帯電部
材は密に電子写真感光体と接触して、その帯電促進粒子
が電子写真感光体表面を隙間なく摺擦することで電子写
真感光体に電荷を直接注入でき、かつ電子写真感光体の
表面層が本発明の特定のスチリル系化合物又はヒドラゾ
ン化合物からなる電荷輸送材料を含有しているため、よ
り高効率に電荷注入を行うことができるのである。かか
る帯電促進粒子は、金属酸化物の導電性無機粒子あるい
は有機物との混合物が用いられ、好ましくは酸化亜鉛粒
子が用いられる。また、帯電部材が電子写真感光体と周
速差を持つと更に接触頻度が高くなり、より高効率に電
荷を注入できるものである。
【0076】すなわち、接触帯電部材による感光体の帯
電は帯電促進粒子と上記一般式(1)又は(3)で示さ
れる特定のスチリル系化合物、もしくは前記一般式
(5)の置換基を少なくとも一つ以上有する、縮合環炭
化水素又は縮合複素環又は一般式(4)で示されるヒド
ラゾン系化合物からなる電荷輸送材料を含有する表面層
により、帯電部材の接触不足、帯電部材と感光体の間の
注入性の問題が改善され、帯電均一性が飛躍的に向上す
ることになり、注入帯電が支配的となり、帯電部材の性
能によらず常に均一な帯電がいかなる環境でも長期に渡
り安定し行うことができる。
【0077】従って、従来のファーブラシ帯電やローラ
帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、印加
した電圧とほぼ同等の電位を感光体に与えることができ
る。かくして、接触帯電部材として比較的に構成が簡単
なファーブラシ等を用いた場合でも、接触帯電部材に対
する帯電に必要な印加バイアスは感光体に必要な電位相
当の電圧で十分であり、放電現象を用いない安定かつ安
全な帯電方式を実現することができる。つまり、接触帯
電装置において、接触帯電部材として帯電ローラ等の簡
易な部材を用いた場合でも、より帯電均一性に優れかつ
長期に渡り安定した直接帯電を実現する、すなわち低印
加電圧でオゾンレスの注入帯電を簡易な構成で実現する
ことができる。
【0078】また、これにより均一な帯電性を与えるこ
とができ、オゾン生成物による障害、帯電不良による障
害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置、導
電粒子である帯電促進粒子を供給する手段を持つことに
より、装置を長期に使用した場合においても帯電を安定
して行うことができる。
【0079】導電粒子である帯電促進粒子の抵抗値は1
×1012(Ω・cm)以下が好ましく、より好ましくは
1×1010(Ω・cm)以下であることにより、注入帯
電において均一でかつ安定した帯電が可能となる。ま
た、導電粒子である帯電促進粒子102個/mm2以上の
密度で存在させるのが好ましく、粒径としては好ましく
は10nm〜5μmの範囲であることにより、画像形成
装置において露光を阻害しない良好な画像が得られる装
置を提供できる。
【0080】
【実施例】〈実施例1−装置形態例1〉図1は、本発明
に従う接触帯電装置を具備した画像形成装置の一例の概
略構成図である。本例の画像形成装置は、転写方式電子
写真プロセス利用、プロセスカートリッジ着脱方式のレ
ーザービームプリンタである。
【0081】(1)プリンタの全体的概略構成 1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子
写真感光体である。本例は直径30mmの負帯電のOP
C感光体であり、矢示の時計方向に回転駆動される。2
は感光体1に当接させた接触帯電部材としてのロール状
の帯電ブラシ(ファーブラシ帯電器)であり、これは感
光体1と3mm幅の帯電ニップ部nを形成して接し、帯
電ニップ部nにおいて感光体1の回転方向と同じ方向に
回転(X方向に回転)、あるいは逆方向に回転(Y方向
に回転)して回転駆動される。すなわち接触帯電部材と
しての帯電ブラシ2は、感光体1に接触し感光体1を摺
擦する。そして帯電バイアス印加電源S1からDC帯電
バイアスが印加されて、感光体1が注入帯電される。
【0082】この回転感光体1の帯電面に対してレーザ
ーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービーム
スキャナ3から出力される目的の画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービ
ームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に
対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成され
る。その静電潜像は、本例の場合は磁性一成分絶縁トナ
ー(ネガトナー)tを用いた反転現像装置4によりトナ
ー像として現像される。
【0083】4aは、マグネット4bを内包させた現像
剤担持搬送部材として直径16mmの非磁性現像スリー
ブである。この現像スリーブ4aは、感光体1に対して
300μmの離間距離をあけて対向配設し、感光体1と
の対向部である現像部(現像領域部)aにて感光体1の
回転方向と順方向に感光体1と等速で回転させた。
【0084】この回転現像スリーブ4aに規制ブレード
4cで現像剤(トナー)tが薄層にコートされる。現像
剤は規制ブレード4cで回転現像スリーブ4aに対する
層厚が規制され、また電荷付与される。回転現像スリー
ブ4aにコートされた現像剤は、スリーブ4aの回転に
より感光体1とスリーブ4aの対向部である現像部aに
搬送される。また、スリーブ4aには現像バイアス印加
電源S2より現像バイアス電圧が印加され、現像スリー
ブ4aと感光体1の間で1成分ジャンピング現像を行わ
せた。
【0085】現像剤(トナー)tは、公知のバインダー
樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し、混練、粉砕、
分級の各行程を経て作成されたものである。本例におい
て、トナーtの重量平均粒径(D4)は7μmである。
【0086】一方、不図示の供給部から記録媒体として
の転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定
の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の
転写ローラ5との圧接ニップ部(転写部)bに所定のタ
イミングにて導入される。転写ローラ5には転写バイア
ス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
る。
【0087】転写部bに導入された転写材Pは、この転
写部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の
表面に形成担持されているトナー画像が、順次に静電気
力と押し圧力にて転写されていく。トナー画像の転写を
受けた転写材Pは、感光体1の面から分離されて熱定着
方式等の定着装置6へ導入されてトナー画像の定着を受
け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排
出される。また、転写材Pに対するトナー画像転写後の
感光体1面は、クリーニング装置7により残留トナー等
の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に
供される。
【0088】8は感光体1面に対する帯電促進粒子塗布
装置であり、クリーニング装置7と帯電ブラシ2との間
位置において感光体1面に所定量の帯電促進粒子(帯電
補助粒子)mを塗布する。この装置8により感光体1面
に塗布された帯電促進粒子mは、感光体1の回転に伴い
感光体1と接触帯電部材としての帯電ブラシ2との接触
部である帯電部nに持ち運ばれて、帯電部nに帯電促進
粒子mが存在した状態で帯電ブラシ2による感光体1の
接触帯電処理がなされる。
【0089】本例のプリンタは、感光体1、帯電ブラシ
2、現像装置4、クリーニング装置7、帯電促進粒子塗
布装置8の5つのプロセス機器をカートリッジPCに包
含させて、プリンタ本体に対して一括して着脱交換自在
のカートリッジ方式の装置である。プロセスカートリッ
ジ化するプロセス機器の組み合わせ等は、上記に限られ
るものではなく任意である。9はプロセスカートリッジ
PCの着脱案内・保持部材である。なお、本発明のおい
て画像形成装置はカートリッジ方式の装置に限られるも
のではない。
【0090】(2)感光体 本例の負帯電のOPC感光体は、図2に層構成図を示し
た様に、30mmφのアルミニウム製のドラム基体(ア
ルミ基体)11上に4層の機能層12〜15を下から順
に設けたものである。
【0091】(3)帯電ブラシ 本例で用いた接触帯電部材としての帯電ブラシ2は、ロ
ール状のものである。これは、ユニチカ(株)製の導電
製レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテープ2b
を直径6mmの金属製の芯金2aに、スパイラル状に巻
き付けて外径14mmのロールブラシとしたもので、3
00デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル
当たり155本の密度で、ブラシの抵抗値は印加電圧1
〜1000Vにおいて1×105Ωである(金属製の3
0mmφのドラムにニップ幅3mmで当接させ、100
Vの電圧を印加したときに流れる電流値から換算したも
の)。
【0092】帯電ブラシ2の抵抗値は、感光体1上にピ
ンホール等の欠落が生じた場合にも、この部分に過大な
リーク電流が流れ込んで帯電ニップが帯電不良になる画
像不良を防止するために104Ω以上であり、感光体表
面に十分に電荷注入させるために107Ω以下であるこ
とが好ましい。
【0093】また、帯電ブラシの材質としては、ユニチ
カ(株)製のREC−B以外にも、REC−C、REC
−M1、REC−M10、更に東レ(株)製のSA−
7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベ
ルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レーヨンにカ
ーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバ
ル等が考えられるが、環境安定性の点でユニチカ(株)
製のREC−B、REC−C、REC−M1、REC−
M10が望ましい。
【0094】本例では、帯電ブラシ2が感光体表面の回
転方向と同じ方向に回転、あるいは逆方向に回転しても
良いが、回転数及び回転方向は帯電ブラシ2と感光体1
の帯電ニップ部nの太さ、ブラシの毛の密度、感光体の
表面抵抗、プロセススピード(感光体周速)等の条件に
よって、最適な帯電ブラシの回転数も変わる。
【0095】ここで感光体1と帯電ブラシ2の周速比は 周速比(%)=[(帯電ブラシ周速−感光体周速)/感
光体周速]×100 であり、帯電ブラシ周速は感光体表面と同じ方向に回転
するとき正の値となる。
【0096】(4)帯電促進粒子mと電荷注入帯電 電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、放電現象を
介さずに感光体表面に直接電荷注入を行うものである。
よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印
加電圧であっても、被帯電体としての感光体を印加電圧
相当の電位に帯電することができる。
【0097】しかしながら、感光体の表面と帯電部材と
の接触が十分に行われる必要があるため、既に説明した
様に接触帯電部材として帯電ブラシを用いた場合、帯電
ブラシの毛先が図7に示す様に分かれ感光体表面に接触
できないところができ、感光体表面を均一に帯電するこ
とができないという問題点があった。
【0098】そこで本例では、図1に示す様に被帯電体
としての感光体1の表面に帯電促進粒子mを塗布する装
置8を設け、感光体表面に帯電促進粒子mを102個/
mm2以上塗布することで、上記の接触不良の問題を解
決することが可能になった。帯電促進粒子塗布装置8
は、粉体粒子を塗布する一般的な手段、例えば塗布ロー
ラ8a上に一度均一に塗布した後、感光体上に接触又は
電界で飛翔させること等により塗布する構成を用いるこ
とができる。
【0099】図3に帯電促進粒子mが感光体上に存在し
たときに、帯電部材(この場合はファーブラシの先端
部)の接触機会を改善しているモデル図を示す。この帯
電促進粒子mをどれくらいの密度で感光体1上に塗布す
ることで均一帯電性の効果が得られるかを、人間の視覚
特性を考慮した考察と、それに基づく実験より求めた値
が本発明の帯電促進粒子塗布密度範囲である。
【0100】レーザービームプリンタの記録解像度は、
近年300dpiから600dpiと高解像度化が進ん
でいるが、帯電時は少なくともこの記録解像度よりは均
一な接触帯電が必要なことは言うまでもない。
【0101】また、人間の目の視覚特性に関して、図4
の特性グラフの様に空間周波数が10(cycles/
mm)以上では、画像上の識別諧調数が限りなく1に近
づいていく、すなわち濃度ムラを識別できなくなる。こ
の特性を積極的に利用すると、感光体1上に帯電促進粒
子mを付着させた場合、少なくとも感光体1で10(c
ycles/mm)以上の密度で帯電促進粒子mを存在
させ、この粒子mを基に接触注入帯電を行えば良いこと
になる。たとえ粒子mの存在しないところに帯電不良が
発生したとしても、その帯電不良によって発生する画像
上の濃度ムラは、人間の視覚特性を超えた空間周波数領
域に発生するため、画像上なんら問題は無いことにな
る。
【0102】表11に帯電促進粒子mの塗布密度を変え
たときに、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が認知さ
れるかどうかの結果を示す。画像主観評価において、
A:画像不良はまったく認知されない、B:画像不良は
ほとんど認知されない、C:画像不良は認知される、で
評価を行った。
【0103】
【表11】
【0104】帯電促進粒子mの塗布密度は、光学あるい
は電子顕微鏡による観察から、感光体上の塗布密度を測
定した。
【0105】具体的には、帯電バイアスを印加しない状
態で感光体1及び帯電部材2の回転を停止し、感光体1
の表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS製O
VM1000N)及びデジタルスチルレコーダ(DEL
TIS製SR−3100)で撮影した。その方法は、ビ
デオマイクロスコープにて表面を1000倍の対物レン
ズで10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から
個々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値
化処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソ
フトを用いて計測した。
【0106】表11から分かる様に、帯電促進粒子mを
わずかにでも塗布すれば(例えば10個/mm2)、帯
電ムラ発生の抑制に効果が認められるが、画像上の濃度
ムラが人間にとって許容可能かどうかと言う点において
はまだ不十分である。ところが、その塗布量を102
/mm2以上にすると、画像の主観評価において急激に
好ましい結果が得られる様になる。更に、塗布量を10
3個/mm2以上に増加させていくことにより、帯電不良
に起因する画像上の問題点は皆無となる。
【0107】注入帯電方式による帯電では、放電帯電方
式とは根本的に異なり、帯電部材が感光体に確実に接触
することで帯電が行われているわけであるが、たとえ帯
電促進粒子mが感光体1上に塗布したとしても、接触で
きない部分は必ず存在する。ところが、本発明の人間の
視覚特性を積極的に利用した帯電促進粒子塗布を行うこ
とで、実用上この問題点を解決することが可能となっ
た。
【0108】また、粒子mの塗布量の上限値は、粒子m
が感光体1上に1層均一に塗布されるまでであり、それ
以上塗布されても効果が向上するわけではなく逆に、露
光光源を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる。
塗布密度上限値は、粒子mの粒径によっても変わってく
るために一概にはいえないが、強いて記述するならば、
粒子mが感光体1上に1層均一に塗布される量が上限で
ある。
【0109】例えば、本例において帯電促進粒子の量は
5×105個/mm2を超えると、粒子自体の光透過性を
問わず、感光体1への露光量不足が生じる。5×105
個/mm2以下では、上記悪影響を改善できる。ゆえ
に、帯電促進粒子の塗布密度は、画像上評価と露光量の
関係から102〜105個/mm2であることが好まし
い。
【0110】本発明で使用する帯電部材、この例ではフ
ァーブラシは、もちろん極力ブラシ密度の高いものを使
用することが好ましいが、本例で用いたブラシ密度程度
のものを用いれば十分である。なぜならば、前述した様
に注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主には
帯電部材では無く帯電促進粒子mの塗布密度に依存して
いるため、帯電部材の選択の範囲はかなり余裕がある等
の効果がある。また、以下のような粒径や特性のものを
使用することが好ましい。
【0111】本例では、帯電促進粒子mとして比抵抗が
103Ω・cm、二次凝集体を含めた平均粒径3μmの
導電性酸化亜鉛粒子を用いたが、粒子mの材料として
は、他の金属酸化物や異種無機物をドープした金属酸化
物等の導電性無機粒子や有機物との混合物等で各種導電
粒子が使用可能である。
【0112】粒子抵抗は、粒子を介した電荷の授受を行
うため比抵抗としては1012Ω・cm以下が望ましく、
更には1010Ωcm以下がより望ましい。抵抗測定は、
錠剤法により測定し正規化して求めた。底面積2.26
cm2の円筒内に0.5gの粉体試料を入れ、上下電極
に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加
し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0113】また、粒径は良好な帯電均一性を得るため
に50μm以下において効果が現れるが、人の視覚特性
を考慮すると約5μm以下の細かい粒子を用いること
で、帯電時に発生する帯電不良部分の画像への影響を、
視覚的に認識されにくい状態が得られる。
【0114】本発明において、粒子が凝集体として構成
されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径
として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕
微鏡による観察から100個以上抽出し、水平方向最大
弦長をもって体積粒度分布を算出しその50%平均粒径
を決定した。
【0115】以上述べた様に帯電促進粒子mは、一次粒
子の状態で存在するばかりではなく、二次粒子の凝集し
た状態で存在することもなんら問題はない。どのような
凝集状態であれ、凝集体として帯電促進粒子としての機
能が実現できればその形態は重要ではなく、重要なのは
その粒子密度である。
【0116】〈実施例2−装置形態例2〉図5は本例の
画像形成装置の概略構成図である。本例の画像形成装置
は上述の実施形態例1のプリンタ(図1)において、ク
リーニング装置7をなくしてクリーナーレスシステムと
し、また帯電促進粒子塗布装置8をなくし、その代わり
に現像装置4の現像剤(トナー)tに帯電促進粒子mを
外添することで、現像装置4に感光体1に対する帯電促
進粒子供給・塗布手段を兼ねさせたものである。
【0117】トナーtは公知のバインダー樹脂、磁性体
粒子、電荷制御剤を混合し、混練、粉砕、分級の各行程
を経て作成し、更に前述の帯電促進粒子mを外添剤とし
てトナーに添加し作成されたものである。トナーtの重
量平均粒径(D4)は7μmであり、これに対し帯電促
進粒子mとしての導電性酸化亜鉛粒子の粒径は3μmで
あった。帯電促進粒子mの粒径を10nm以上で、かつ
トナー粒径以下に構成することで、トナーtの流動化剤
として機能させることが可能になる。トナーtに対する
帯電促進粒子mの配合量は、一般にはトナー100重量
部に対して0.01〜20重量部の範囲で設定される。
【0118】クリーナーレスシステムの場合は、転写材
Pに対するトナー像転写後の回転感光体1面に残留の転
写残トナーはクリーナーで除去されることなく、感光体
1の回転に伴い帯電部nを経由して現像部aに至り、現
像装置4において現像同時クリーニング(回収)される
(トナーリサイクルプロセス)。
【0119】現像同時クリーニングは前述した様に、転
写後に感光体1上に残留したトナーを引き続く画像形成
工程の現像時、すなわち引き続き感光体を帯電し、露光
して潜像を形成し、その潜像の現像時において、現像装
置のかぶり取りバイアス、すなわち現像装置に印加する
直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取
り電位差Vbackによって回収するものである。本実
施例におけるプリンタの様に反転現像の場合では、この
現像同時クリーニングは、感光体の暗部電位から現像ス
リーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感
光体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなさ
れる。
【0120】現像装置4の現像剤tに混入させた帯電促
進粒子mは、現像装置4による感光体1側の静電潜像の
トナー現像時にトナーと共に適当量が感光体1側に移行
する。感光体1上のトナー画像は転写部bにおいて、転
写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に引かれ
て積極的に転移するが、感光体1上の帯電促進粒子mは
導電性であることで転写材P側には積極的には転移せ
ず、感光体1上に実質的に付着保持されて残留する。
【0121】そしてクリーニング装置はないので、転写
後の感光体1面に残存の転写残トナー及び上記の残存帯
電促進粒子mは、感光体1と接触帯電部材である帯電ブ
ラシ2の接触部である帯電部nに感光体1面の回転でそ
のまま持ち運ばれる。従って、感光体1と帯電ブラシ2
との相互接触面部nにこの帯電促進粒子mが存在した状
態で感光体1の接触帯電が行われる。
【0122】帯電部nを通過した転写残トナー及び帯電
促進粒子m、また帯電ブラシ2に付着・混入した転写残
トナー及び帯電促進粒子mは、帯電ブラシ2から徐々に
感光体1上に吐き出されて、感光体1面の回転と共に現
像部aに至り、現像装置4において現像同時クリーニン
グ(回収)される。
【0123】また、クリーナーレスシステムの画像形成
装置の場合は、装置が稼動されることで現像装置4の現
像剤tに混入させてある帯電促進粒子mが、現像部aで
感光体1面に移行し、像担持面の回転により転写部bを
経て帯電部nに持ち運ばれて帯電部nに新しい粒子mが
逐次に供給され続けるため、帯電部nにおいて帯電促進
粒子mが脱落等で減少したり、粒子mが劣化する等して
も、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電
性が安定して維持される。感光体に塗布された帯電促進
粒子が、クリーニング装置により除去されることが無い
ために、感光体表面には常に十分な帯電促進粒子mが存
在することが可能となり、少量の促進粒子mをトナーt
に外添するだけで、帯電性を飛躍的に向上することが可
能になった。
【0124】また、当然ながら転写残トナーも再利用さ
れることになり、トナーの有効利用が可能になる。な
お、印字初期においては帯電ブラシ2と感光体1の接触
部nには帯電促進粒子が供給されないので、接触部nに
は適当量の帯電促進粒子を予め介在させておくことを可
とする。
【0125】〈実施例3−装置形態例3〉図6は本例の
画像形成装置の概略構成図である。本例の画像形成装置
は上記実施形態例1のシステムのプリンタ(図1)にお
いて、接触帯電部材としての帯電ブラシ2を導電性弾性
ローラ帯電器にしたものである。
【0126】本例では、接触帯電部材としての帯電ロー
ラ2は感光体1と帯電ニップ部nを形成して接し、帯電
ニップ部nにおいて感光体1の回転方向と同じ方向に回
転(X方向に回転)、あるいは逆方向に回転(Y方向に
回転)して回転駆動される。また、帯電ローラ2は感光
体1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配
設させてあり、感光体1と帯電ローラ2の帯電ニップ部
幅は4mmである。
【0127】本例のプリンタは、帯電促進粒子mを帯電
ローラ2面に塗布する構成であり、帯電促進粒子塗布装
置8から帯電ローラ2面に所定量の帯電促進粒子mを塗
布する。この装置8により帯電ローラ2面に塗布された
帯電促進粒子mは、帯電ローラ2の回転に伴い感光体1
と帯電ローラ2との帯電部nに持ち運ばれ、帯電部nに
帯電促進粒子mが存在した状態で帯電ローラ2による感
光体1の接触帯電処理がなされる。
【0128】帯電ローラ2は、芯金2a上に可撓性部材
であるゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成するこ
とにより作成される。中抵抗層2bは、樹脂(例えばウ
レタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫
化剤、発泡剤等により処方され、芯金2aの上にローラ
状に形成した。その後必要に応じて表面を研磨して直径
12mm、長手長さ250mmの導電性弾性ローラであ
る帯電ローラ2を作成した。本例の帯電ローラ2のロー
ラ抵抗を測定したところ100kΩであった。ローラ抵
抗は、帯電ローラ2の芯金2aに総圧1kgの加重がか
かるよう30mmφのアルミドラムに帯電ローラ2を圧
着した状態で、芯金2aとアルミドラムとの間に100
Vを印加し、計測した。
【0129】ここで、導電性弾性ローラである帯電ロー
ラ2は電極として機能することが重要である。つまり、
弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同
時に、回転する被帯電体を帯電するに十分低い抵抗を有
する必要がある。一方では被帯電体にピンホール等の欠
陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要が
ある。十分な帯電性と耐リークを得るには104〜107
Ωの抵抗が望ましい。
【0130】帯電ローラ2の硬度は、硬度が低すぎると
形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くな
り、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部を確保で
きないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が
悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好
ましい範囲である。
【0131】帯電ローラ2の材質としては、弾性発泡体
に限定するものでは無く、弾性体の材料として、EPD
M、ウレタン、NBR、シリコーンゴム、IR等に抵抗
調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性
材料を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたもの
が挙げられる。また、特に導電性材料を分散せずに、イ
オン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能で
ある。
【0132】感光体1と接触帯電部材としての帯電ロー
ラ2との帯電ニップ部における帯電促進粒子mの介在量
は、少なすぎると粒子による潤滑効果が十分に得られ
ず、帯電ローラ2と感光体1との摩擦が大きくて帯電ロ
ーラ2を感光体1に速度差を持って回転駆動させること
が困難である。つまり、駆動トルクが過大となるし、無
理に回転させると帯電ローラ2や感光体1の表面が削れ
てしまう。更に、粒子による接触機会増加の効果が得ら
れないこともあり十分な帯電性能が得られない。一方、
介在量が多過すぎると、帯電促進粒子mの帯電ローラ2
からの脱落が著しく増加し作像上に悪影響が出る。
【0133】実験によると、帯電ローラ2上における帯
電促進粒子の介在量は103個/mm2以上が望ましい。
103個/mm2より少ないと十分な潤滑効果と接触機会
増加の効果が得られず帯電性能の低下が生じる。より望
ましくは103〜5×105個/mm2の介在量が好まし
い。実施形態例1の中でも述べたが、感光体上における
帯電促進粒子の量が5×105個/mm2を超えると、粒
子自体の光透過性を問わず、感光体1への露光量不足が
生じる。帯電ローラ2上の介在量が5×10 5個/mm2
以下では帯電ローラ2から脱落する粒子量も低く抑えら
れ悪影響を改善できる。ゆえに感光体1上の帯電促進粒
子量を102〜5×105個/mm2にするためには帯電
ローラ2上の介在量としては103〜5×105個/mm
2が好ましい。
【0134】感光体1上の帯電促進粒子の量は、実施形
態例1と同様にして測定を行った。帯電部材2について
は、帯電部材2を感光体1に当接するのと同じ条件でス
ライドガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデ
オマイクロスコープにて表面を1000倍の対物レンズ
で10箇所以上撮影した。そして得られたデジタル画像
から実施形態例1と同様の画像処理で計測し、その量を
求めた。
【0135】而して、被帯電体である感光体1と接触帯
電部材である帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニッ
プ部nには、帯電ローラ2に帯電促進粒子mが塗布され
た状態で感光体1の接触帯電が行われる。
【0136】これにより、帯電ニップ部nにおいて帯電
ローラ2は、帯電促進粒子mを介して密に感光体1に接
触して、つまり帯電ローラ2と感光体1のニップ部であ
る帯電ニップ部nに存在する帯電促進粒子mが感光体表
面を隙間なく摺擦することで感光体1に電荷を直接注入
できるのである。すなわち、帯電ローラ2による感光体
1の帯電は帯電促進粒子mの存在により注入帯電が支配
的となる。
【0137】かくして、接触帯電部材として比較的に構
成が簡単な帯電ローラを用いた場合でも、帯電ローラ2
に対する帯電に必要な印加バイアスは被帯電体である感
光体1に必要な電位相当の電圧で十分であり、放電現象
を用いない安定かつ安全な帯電方式を実現することがで
きる。つまり、接触帯電装置において接触帯電部材とし
て帯電ローラ等の簡易な部材を用いた場合でも、より帯
電均一性に優れかつ長期に渡り安定した注入帯電を実現
する、すなわち低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を簡
易な構成で実現することができる。
【0138】(実施例1−4)以下、「部」は重量部を
表わす。
【0139】10%酸化アンチモンを含有する酸化スズ
で被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノー
ル樹脂25部、メチルセロソルブ30部、メタノール3
0部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポ
リオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量300
0)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して導電層用の塗料を調製し、
この塗料を30mmφのアルミニウムシリンダー上に浸
漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚が20μ
mの導電層を形成した。
【0140】次に、6−66−610−12四元素系ポ
リアミド共重合体5部を、メタノール70部/ブタノー
ル25部の混合溶媒に溶解した溶液を上記導電層上に浸
漬塗布し、乾燥して膜厚が1μmの下引き層を形成し
た。
【0141】次に、電荷発生材料として、オキシチタニ
ウムフタロシアニン10部を用い、ポリビニルブチラー
ル(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)
10部をシクロヘキサノン400部に溶解した液と共
に、1mmφガラスビーズ400部を用いてサンドミル
装置で5時間分散した後、酢酸エチル400部を加えて
電荷発生層用の塗布液を調製した。この塗布液を上記下
引き層上に浸漬塗布し、80℃で10分間乾燥して膜厚
が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0142】次に、電荷輸送材料として、スチリル系化
合物例1−4 を10部用い、ポリカーボネート(重量
平均分子量46000)10部と共にジクロロメタン2
0部/モノクロロベンゼン50部の混合溶媒に溶解し、
この液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し110℃で60
分間乾燥し、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、電
子写真感光体を作成した。
【0143】一方、装置形態例1の装置において、反転
現像装置4を取り外し電位測定プローブを取り付け改造
した。これに前記電子写真感光体を取り付けて、下記測
定条件で帯電ブラシにDC電圧を0Vから800Vまで
印加し感光体の帯電電位を測定した。この結果を図9に
示す。
【0144】[測定条件] ・感光体の周速度;100mm/sec ・感光体と帯電ブラシの周速比;−200%(帯電ブラ
シがY方向に100mm/secで回転) ・感光体と帯電ブラシのニップ幅;3mm ・帯電促進粒子の塗布量;103個/mm2
【0145】(比較例1、2、3及び4)電荷輸送材料
に下記構造式(6)、(7)、(8)及び(9)で示さ
れる比較CTM1、比較CTM2、比較CTM3及び比
較CTM4を用いた以外は、実施例1−4と同様に電子
写真感光体を作成し、同様な評価を行った。この結果を
図9に示す。
【0146】
【化11】
【0147】
【化12】
【0148】
【化13】
【0149】
【化14】
【0150】(実施例2−4)実施例1−4で用いた電
荷輸送材料のスチリル系化合物をヒドラゾン系化合物例
2−11に代えた以外は、実施例1−4と同様に電子写
真感光体を作成し、同様な評価を行った。この結果を図
9に示す。
【0151】図9の結果から、本発明の帯電方法は、帯
電ブラシへの印加電圧が放電しきい値以下の印加電圧で
あっても感光体がリニアに帯電することができる。更
に、本発明の感光体は比較感光体と比べ注入帯電性に優
れ、印加電圧相当の電位に帯電することができる。
【0152】(実施例1−5)スチリル系化合物例1−
91を10部とポリカーボネート(重量平均分子量46
000)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解し
た。この液を片面アルミ蒸着マイラー(膜厚が12μ
m)のマイラー面上に塗布し、110℃で60分間乾燥
し、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、30mmφ
のアルミニウムシリンダーに巻き付けた。
【0153】これを、実施例1−4で用いた装置形態例
1の装置の改造機に取り付けて、下記測定条件で帯電効
率を常温/常湿=23℃/50%RH(N/N)下、高
温/高湿=35℃/85%RH(H/H)下及び低温/
低湿=15℃/10%RH(L/L)下で測定した。そ
の結果を表1−1に示す。
【0154】[測定条件] ・巻き付けアルミニウムシリンダーの周速度;100m
m/sec ・巻き付けアルミニウムシリンダーと帯電ブラシの周速
比;0%(帯電ブラシがX方向に100mm/secで
回転)及び−200%(帯電ブラシがY方向に100m
m/secで回転) ・巻き付けアルミニウムシリンダーと帯電ブラシのニッ
プ幅;3mm ・帯電促進粒子の塗布量;103個/mm2 ・帯電効率(%)=[1回転目の帯電電位(−V)/印
加電圧(−700V)]×100
【0155】(実施例1−6〜1−14)実施例1−5
に用いられたスチリル系化合物例1−91に代えて、表
1−1に示されるスチリル系化合物例を用いた以外は、
実施例1−5と同様にサンプルを作成し、同様な評価を
行った。その結果を表1−1に示す。
【0156】(実施例2−5〜2−14)実施例1−5
に用いられたスチリル系化合物を表2−1に示されるヒ
ドラゾン系化合物に代えた以外は、実施例1−5と同様
にサンプルを作成し、同様な評価を行った。その結果を
表2−1に示す。
【0157】(比較例5、6、7、及び8)電荷輸送材
料に前記比較CTM1、比較CTM2、比較CTM3及
び比較CTM4を用いた以外は、実施例1−5と同様に
サンプルを作成し、同様な評価を行った。その結果を表
1−1に示す。
【0158】
【表12】
【0159】
【表13】
【0160】(実施例1−15〜1−24)装置形態例
3の装置から反転現像装置4を取り外し、電位測定プロ
ーブを取り付け改造した。これに、実施例1−5に用い
られたスチリル系化合物例1−91に代えて、表1−2
に示されるスチリル系化合物を用いた以外は、実施例1
−5と同様にサンプルを作成し、アルミニウムシリンダ
ーに巻き付けたものを取り付け、下記測定条件で実施例
1−5と同様に帯電効率を測定した。その結果を表1−
2に示す。
【0161】[測定条件] ・巻き付けアルミニウムシリンダーの周速度;100m
m/sec ・巻き付けアルミニウムシリンダーと帯電ローラの周速
比;0%(帯電ローラがX方向に100mm/secで
回転)及び−150%(帯電ローラがY方向に50mm
/secで回転) ・巻き付けアルミニウムシリンダーと帯電ローラのニッ
プ幅;4mm ・帯電促進粒子の塗布量;103個/mm2 ・帯電効率(%)=[1回転目の帯電電位(−V)/印
加電圧(−700V)]×100
【0162】(実施例2−15〜2−24)実施例1−
15に用いられたスチリル系化合物を表2−2に示され
るヒドラゾン系化合物に代えた以外は、実施例1−15
と同様にサンプルを作成し、同様の評価を行った。その
結果を表2−2に示す。
【0163】(比較例9、10、11及び12)電荷輸
送材料を比較CTM1、比較CTM2、比較CTM3及
び比較CTM4に代えた以外は、実施例1−15と同様
にサンプルを作成し、同様な評価を行った。その結果を
表1−2に示す。
【0164】
【表14】
【0165】
【表15】
【0166】(実施例1−25)実施例1−4で用いた
電子写真感光体を、装置形態例2の画像形成装置に取り
付け、ベタ白画像及びハーフトーン画像を評価した。下
記測定条件で、N/N下で初期及び1000枚耐久後の
画像評価を行った。その結果を1−3に示す。
【0167】[測定条件] ・感光体の周速度;100mm/sec ・感光体と帯電ブラシの周速比;−200%(帯電ブラ
シがY方向に100mm/secで回転) ・感光体と帯電ブラシのニップ幅;3mm ・トナーに対する帯電促進粒子の配合量;3重量%
【0168】(実施例1−26〜1−31)実施例1−
25に用いられたスチリル系化合物例1−4を表1−3
に示されるスチリル系化合物例に代えた以外は、実施例
1−4と同様に電子写真感光体を作成し、実施例1−2
5と同様に評価を行った。その結果を1−3に示す。
【0169】(実施例2−25〜2−31)実施例1−
25に用いられたスチリル系化合物を表2−3に示され
るヒドラゾン系化合物に代えた以外は、実施例1−25
と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価を行っ
た。その結果を2−3に示す。
【0170】(比較例13、14、15及び16)比較
例1、2、3及び4で用いた電子写真感光体を、実施例
1−25と同様に評価を行った。その結果を1−3に示
す。
【0171】
【表16】
【0172】
【表17】
【0173】表1−3及び表2−3の結果から、本発明
の感光体は帯電均一性に優れ、帯電不良や帯電ムラに起
因する画像欠陥がない良好な画像が得られ、耐久特性も
優れている。
【0174】(その他) 1)被帯電体1や接触帯電部材2に対する帯電促進粒子
供給・塗布手段8は実施形態例に限られるものではな
く、その他、例えば、帯電促進粒子mを含ませた発泡体
あるいはファーブラシを被帯電体1や接触帯電部材2に
当接させて配設する手段構成とする等任意である。
【0175】2)可撓性の接触帯電部材2は実施形態例
の帯電ブラシや帯電ローラに限られるものではない。フ
ェルト、布等の材質・形状のものも使用可能である。ま
た、これらを積層し、より適切な弾性と導電性を得るこ
とも可能である。ブレードタイプ等であってもよく、接
触帯電部材2の形態は任意である。
【0176】3)接触帯電部材2や現像スリーブ4aに
対する印加帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは、
直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳しても良い。交
番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等を適
宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オ
フすることによって形成された矩形波であっても良い。
この様に交番電圧の波形として周期的にその電圧値が変
化するようなバイアスが使用できる。
【0177】4)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成する
レーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常
のアナログ的な画像露光やLED等の他の発光素子でも
構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の
組み合わせによるもの等、画像情報に対応した静電潜像
を形成できるものであるなら構わない。また、感光体1
は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、誘電
体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電
針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的
の静電潜像を書き込み形成する。
【0178】5)実施形態例では現像装置4は、磁性の
現像剤を用いた1成分非接触型現像装置であるが、2成
分現像剤や非磁性の現像剤を用いる非接触型現像装置で
も構わない。1成分又は2成分の接触型現像装置であっ
ても良い。
【0179】6)感光体1からトナー画面の転写を受け
る記録媒体は転写ドラム等の中間転写体であっても良
い。
【0180】7)トナー粒度の測定方法の1例を述べ
る。測定装置としては、コールターカウンターTA−2
型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、
電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製する。
【0181】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩0.1〜5ml加え、更に
測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電
解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、
前記コールターカウンターTA−2型により、アパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μ
mの粒子の粒度分布を測定して、体積平均分布を求め
る。これらの求めた体積平均分布より体積平均粒径を得
る。
【0182】
【発明の効果】本発明の、電子写真感光体、電子写真感
光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を接触配置
し電圧を印加することにより電子写真感光体を帯電する
帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を備えた電
子写真装置において、電子写真感光体の表面層が特定な
構造を有するスチリル系化合物又はヒドラゾン系化合物
の電荷輸送材料を含有し、かつ帯電部材が少なくとも電
子写真感光体との接触面に導電性を有する帯電促進粒子
を(好ましくは100個/mm2以上の密度で)存在さ
せて電子写真感光体表面に注入帯電することを特徴とす
る電子写真装置によれば、良好に電荷を感光体表面に注
入帯電することができ、且ついかなる環境でも安定した
注入帯電を実現でき、画像欠陥の無い、高品質な画像を
提供できる。また、オゾン生成物による障害、帯電不良
による障害等がない、簡易な構成、低コストな画像形成
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電手段が帯電ブラシでクリーニング装置を備
えた画像形成装置の概略構成図。
【図2】電子写真感光体の層構成模型図。
【図3】帯電促進粒子が存在する場合における帯電ブラ
シの感光体との接触状態のモデル図。
【図4】人間の目の視覚特性を説明する図。
【図5】帯電手段が帯電ブラシでクリーナーレスの画像
形成装置の概略構成図。
【図6】帯電手段が帯電ローラでクリーニング装置を備
えた画像形成装置の概略構成図。
【図7】帯電ブラシの感光体との接触状態(ブラシの毛
先の分かれ部分がある状態)の模型図。
【図8】ローラ帯電、ファーブラシ帯電及び磁気ブラシ
帯電の各場合の帯電特性グラフ。
【図9】各種電荷輸送材料を用いた場合の帯電特性グラ
フ。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体、被帯電体) 2 接触帯電部材(帯電ブラシ又は帯電ローラ) 4 現像装置 8 帯電促進粒子塗布装置 m 帯電促進粒子 p 転写材 t トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 昇司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 CC06 2H068 AA20 AA21 AA37 BA13 BA14 BA16 BA21 FA27 FC01 FC05 FC08 FC11 FC15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体、該電子写真感光体とニ
    ップ部を形成する可撓性の帯電部材を接触配置し電圧を
    印加することにより該電子写真感光体を帯電する帯電手
    段、露光手段、現像手段及び転写手段を備えた電子写真
    装置において、該電子写真感光体の表面層が下記一般式
    (1)又は(3)の電荷輸送材料を少なくとも1種以上
    含有し、かつ該帯電部材が少なくとも該電子写真感光体
    との接触面に導電性を有する帯電促進粒子を存在させて
    該電子写真感光体表面に注入帯電することを特徴とする
    電子写真装置。 【化1】 (式中、Ar1及びAr2は置換基を有してもよいアリー
    ル基を示し、Ar1及びAr2は同一でも異なってもよ
    い;R1は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
    有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいア
    リール基を示す;但し、Ar1、Ar2及びR1のうち少
    なくとも一つは、下記一般式(2)の置換基を少なくと
    も一つ以上有する) 【化2】 (式中、R2及びR3は置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有し
    てもよいアリール基又は水素原子を示し、R2及びR3
    同一であっても異なってもよい;Ar3は置換基を有し
    てもよいアリール基を示す;nは0又は1〜2の整数を
    示す) 【化3】 (式中、Ar4及びAr5は置換基を有してもよいアリー
    レン基、Ar6及びAr7は置換基を有してもよいアリー
    ル基を示す;R4〜R7は置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有
    してもよいアリール基を示す)
  2. 【請求項2】 電子写真感光体、該電子写真感光体とニ
    ップ部を形成する可撓性の帯電部材を接触配置し電圧を
    印加することにより該電子写真感光体を帯電する帯電手
    段、露光手段、現像手段及び転写手段を備えた電子写真
    装置において、該電子写真感光体の表面層が置換基を有
    してもよい縮合環炭化水素又は置換基を有してもよい縮
    合複素環又は下記一般式(4)の電荷輸送材料を含有
    し、かつ該帯電部材が、少なくとも該電子写真感光体と
    の接触面に導電性を有する帯電促進粒子を存在させて該
    電子写真感光体表面に注入帯電することを特徴とする電
    子写真装置。 【化4】 (式中、R8及びR9は置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有
    してもよいアリール基を示し、R8及びR9は同一でも異
    なってもよい;Ar8は置換基を有してもよいアリール
    基を示す;但し、上記縮合環炭化水素、縮合複素環及び
    一般式(4)は、下記一般式(5)の置換基を少なくと
    も一つ以上有する) 【化5】 (式中、R10及びR11は置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有し
    てもよいアリール基及び水素原子を示し、R10及びR11
    は同一であっても異なってもよい;Ar9は置換基を有
    してもよいアリール基を示す;nは0又は1〜2の整数
    を示す)
  3. 【請求項3】 該帯電促進粒子が該帯電部材と該電子写
    真感光体との接触面に100個/mm2以上存在する請
    求項1又は2に記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 該帯電部材が該電子写真感光体面に対し
    て周速差を持っている請求項1〜3のいずれかに記載の
    電子写真装置。
  5. 【請求項5】 該帯電促進粒子の主な粒径が10nm〜
    5μmの範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の電
    子写真装置。
  6. 【請求項6】 該帯電促進粒子の主な粒子抵抗が1×1
    12(Ω・cm)以下である請求項1〜5のいずれかに
    記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 該電子写真感光体が電荷発生層/電荷輸
    送層の順に積層された請求項1〜6のいずれかに記載の
    電子写真装置。
  8. 【請求項8】 該帯電促進粒子を供給する手段を備えた
    請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 該帯電促進粒子供給手段が電子写真感光
    体に帯電促進粒子を直接塗布する請求項8に記載の電子
    写真装置。
  10. 【請求項10】 該帯電促進粒子供給手段が帯電部材に
    帯電促進粒子を直接塗布する請求項8に記載の電子写真
    装置。
  11. 【請求項11】 該帯電部材が弾性体で構成される接触
    帯電部材である請求項1〜10のいずれかに記載の電子
    写真装置。
  12. 【請求項12】 該帯電部材が弾性発泡体で構成される
    接触帯電部材である請求項1〜11のいずれかに記載の
    電子写真装置。
  13. 【請求項13】 該帯電部材が導電性繊維のファーブラ
    シ部を有し、該ファーブラシ部を該電子写真感光体に接
    触させたファーブラシ接触帯電部材である請求項1〜1
    0のいずれかに記載の電子写真装置。
  14. 【請求項14】 静電潜像が形成された感光体に対しト
    ナーで現像し、かつ転写工程後に感光体上に残留したト
    ナーを次工程以降の現像時に回収する現像手段及び転写
    工程後の感光体上に残余するトナーを回収するクリーニ
    ング手段の少なくとも一方を有する請求項1〜13のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  15. 【請求項15】 電子写真感光体、帯電手段、像露光手
    段、現像手段及び転写手段を備えた請求項1〜14のい
    ずれかに記載の電子写真装置において、該電子写真装置
    本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかに記載の電
    子写真装置及びリモート末端から画像情報を受信する手
    段を有するファクシミリ。
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