JP2000081633A - アクティブマトリクス基板 - Google Patents

アクティブマトリクス基板

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JP2000081633A
JP2000081633A JP24990598A JP24990598A JP2000081633A JP 2000081633 A JP2000081633 A JP 2000081633A JP 24990598 A JP24990598 A JP 24990598A JP 24990598 A JP24990598 A JP 24990598A JP 2000081633 A JP2000081633 A JP 2000081633A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクテティブマトリックス基板の配線、ある
いは電極端子部の接続信頼性を高める。 【解決手段】 ガラス基板11上にゲートバス配線18
とドレインバス配線19とがマトリクス状に配線し、そ
の各交差位置にそれぞれ薄膜トランジスタ(以降TFT
と略す)23を設する。TFT23は、ゲート電極12
がゲートバス配線18に接続され、ドレイン電極17が
ドレインバス配線19に接続され、ソース電極16が画
素電極22に接続されている。ゲート電極12とゲート
バス配線18及びソース、ドレイン電極16、17とド
レインバス配線19とは、上下2層構造となっており、
いずれも上層は、Taを概ね90%以上含有するMo−
Ta合金膜33,43であり、下層は、純Mo膜32,
42である。Mo−Ta合金膜のTa含有率を少なくと
も90原子%以上とすることにより、腐食耐性が向上
し、積層配線に、純Ta膜と、純Mo膜との積層構造を
用いたものとほぼ同等となり、製品として十分な接続信
頼性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス基板の配線、電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス型液晶表示装置
は、安価なガラス基板を用いて低温膜成形技術によりア
クティブマトリクス回路が形成できること、大面積化が
容易であることからフラット型テレビジョンへの適用が
大いに期待されている。
【0003】アクティブマトリクス基板の配線並びに電
極構造に関し、そのゲート電極やSD電極材料には、低
抵抗で、加工性、耐薬品性に優れたものが要求される。
この要求に適合する材料として、Mo−Ta合金があ
り、Ta含有率をコントロールすることによって、合金
膜の諸特性を改善できることが知られている。
【0004】Mo−Ta合金について、Taの含有率を
限定することは、例えば特開昭63−276242号公
報(先行例1)に示されている。この先行例1ではTa
の含有率を30〜85原子%と限定しており、数値限定
の根拠を以下のように述べている。すなわち、
【0005】この範囲では比抵抗がMoよりも低く、し
かも加工性、陽極酸化時における酸化膜形成性、耐薬品
性に優れている(Taが30原子%未満では比抵抗がM
oより大きく、また酸化膜形成性、耐薬品性に難があ
る。Taが85原子%を越えるとやはり電気抵抗がMo
より大きくなる)。というのである。
【0006】この先行例1においては、Mo−Ta合金
を単層配線電極として用いることを前提としているた
め、上記の数値限定が必要であることは理解できる。
【0007】ところが先行例1の公報の第6図によれ
ば、純Mo膜の比抵抗は約55μΩ・cm、Taの含有
率30〜85原子%のMo−Ta合金の比抵抗は、35
〜45μΩ・cmであるとしているのに対し、本発明者
が実測した純Mo膜の比抵抗は、約10μΩ・cmであ
った。
【0008】この矛盾についての理由は明確ではない
が、おそらく、スパッタリング条件が最適化されていな
い、ターゲットの純度が悪い、もしくは同時スパッタリ
ングのため、モリブデンターゲットの表面がタンタルで
汚染されており、ターゲットクリーニングが不十分であ
ったというような原因があったのではないかと推測され
る。
【0009】以上のような理由から、本発明者は、Mo
−Ta合金膜は、純Mo膜と比べて比抵抗が高く、単層
配線として用いる場合には配線抵抗という点からいえば
不利ではないかという見解をもつに至った。
【0010】配線抵抗を下げる目的で純Moを用いた公
知例として、例えば特開平4−37035号公報(先行
例2)に見られるような上層に純Mo膜、下層に純Ta
膜を用いた積層配線の技術や、SID93DIGEST
(P467)(先行例3)に見られるような、上層に純
Ta膜、下層に純Mo膜を用いた積層配線の技術があ
る。
【0011】しかし、先行例2,3のいずれについても
純Ta膜を用いると、ドライエッチングの際のデポが深
刻な問題となる。さらに、先行例2では端子部について
の記述が全くないため不明であるが、特別な工夫がない
限り、おそらく端子部は上層が純Mo膜となり、接続信
頼性が十分に得られないではないかと思われる。この理
由は、純Mo膜の水に対する耐腐食性が悪く、その上層
に端子保護用として透明電極膜が被覆してあったとして
も、水分が侵入し、簡単に腐食してしまうからである。
【0012】一般に、純Taは、腐食に非常に強い金属
であるため、この二者を混合したMo−Ta合金を用い
ることがある。そこで、上層より順に透明電極膜、Mo
−Ta合金膜、純Mo膜の積層構造をもつ端子部につい
て信頼性試験を行った結果を図8に示す。純Ta膜と純
Mo膜との積層構造と同等の信頼性を確保するには、図
7に示すように少なくとも90原子%以上のTaを含む
Mo−Ta合金を用いる必要があることが、本発明者の
実験の結果判明した。
【0013】もっとも、特公平5−84915号公報
(先行例4)には、アドレス配線材料としてTaの組成
比が30〜95原子%であるMo−Ta合金膜を用いる
ことが記載されているが、データとしてTaの組成比が
80%を越えると、比抵抗値が急激に大きくなることが
示されており、おそらく実用レベルは、Ta組成比60
%あたりが適当な範囲であると考えられているものと思
われる。
【0014】本発明の目的は、配線、あるいは電極端子
部の接続信頼性を高め、配線抵抗が格段に低く、ドライ
エッチングの際のデボを減少させたアクテティブマトリ
ックス基板を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるアクテティブマトリックス基板アクテ
ティブマトリックス基板においては、電極、配線に上下
2層の積層を有するアクティブマトリクス基板であっ
て、2層の積層は、純Mo膜と、Mo−Ta合金膜との
組合せであり、Mo−Ta合金膜中のTaの含有率は、
少なくとも90原子%以上である。
【0016】また、電極、配線に上下2層の積層を有す
るアクティブマトリクス基板であって、上層は、純Mo
膜、下層はMo−Ta合金膜であり、下層のMo−Ta
合金膜のTaの含有率は,少なくとも90原子%以上で
ある。
【0017】また、電極、配線に上下2層の積層を有す
るアクティブマトリクス基板であって、下層は、純Mo
膜、上層は、Mo−Ta合金膜であり、上層のMo−T
a合金のTaの含有率は,少なくとも90原子%以上で
ある。
【0018】また、ガラス基板上にゲートバス配線とド
レインバス配線とがマトリクス状に配設され、その各交
差位置にそれぞれ薄膜トランジスタが配設されたアクテ
ィブマトリクス基板であって、薄膜トランジスタは、ゲ
ート電極がゲートバス配線に、ドレイン電極がドレイン
バス配線に、ソース電極が画素電極に接続されたもので
あり、ゲートバス配線の端部には、それぞれ、外部駆動
回路に接続するためのゲート端子が配設され、ドレイン
バス配線にはドレイン端子が配設され、画素電極と、対
向基板上に設けられた対向電極との間に、液晶セルが形
成され、ゲート電極とゲートバス配線及びソース、ドレ
イン電極とドレインバス配線とは、いずれも上下2層の
積層構造となっており、2層は、純Mo膜と、Mo−T
a合金膜との積層であり、上層又は下層として積層され
るMo−Ta合金膜中のTaの含有率は、少なくとも9
0原子%以上である。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下に本発明のア
クティブマトリクス基板の第1の実施の形態を図に基づ
いて説明する。 図1は、本発明のアクティブマトリク
ス基板を示す回路概念図である。図において、ガラス基
板11上にゲートバス配線18とドレインバス配線19
とがマトリクス状に配設され、その各交差位置にそれぞ
れ薄膜トランジスタ(以降TFTと略す)23が配設さ
れる。TFT23は、ゲート電極12がゲートバス配線
18に接続され、ドレイン電極17がドレインバス配線
19に接続され、ソース電極16が画素電極22に接続
されている。
【0020】さらにゲートバス配線18の端部には、そ
れぞれ、外部駆動回路に接続するためのゲート端子35
が配設され、ドレインバス配線19にはドレイン端子4
5が配設されている。また、画素電極22と、対向基板
上に設けられた対向電極36との間に液晶37が注入さ
れて、液晶セルが形成されている。
【0021】図2(a)は、TFT23を含む一画素部
分の平面図、図2(b)は、そのA−A’断面図であ
る。図において、透明ガラス基板11の表面に選択的に
形成されたゲート電極12と、その上のゲート絶縁膜1
3を介してゲート電極12に対向する島状の半導体層
(ノンドープ半導体層14と、n型半導体層15)、n
型半導体層15にそれぞれ接続された一対のソース、ド
レイン電極16、17とを有する逆スタガ型構造になっ
ている。
【0022】さらにゲート電極12に接続されたゲート
バス配線18と、ゲート絶縁膜13を介してゲートバス
配線18と交差し、ドレイン電極17に接続されたドレ
インバス配線19と、その上の保護膜20に設けられた
開口部21を介してソース電極16に接続された透明な
画素電極22とを図1のようにマトリクス状に配設して
アクティブマトリクス基板が構成されている。
【0023】本発明において、ゲート電極12とゲート
バス配線18及びソース、ドレイン電極16、17とド
レインバス配線19とは、上下2層構造となっており、
いずれも上層は、Taを少なくとも90%以上含有する
Mo−Ta合金膜であり、下層は、純Mo膜である。
【0024】以下の説明においては、ゲート電極12と
ゲートバス配線18の上層のMo−Ta合金膜を33、
下層の純Mo膜を32とし、ソース、ドレイン電極1
6、17とドレインバス配線19の上層のMo−Ta合
金膜を43、下層の純Mo膜を42として両者を区別す
る。
【0025】図3(a)は、ゲート端子の平面図、図3
(b)はそのB−B’断面図である。ゲートバス配線1
8の端部で、ゲート絶縁膜13と保護膜20に設けられ
た開口部31を通して、透明電極膜34とゲートバス配
線18の上層のMo−Ta合金膜33とが接続されてい
る。
【0026】図4(a)はドレイン端子の平面図、図4
(b)はそのC−C’断面図である。ドレインバス配線
19の端部で、保護膜20に設けられた開口部41を通
じて、透明電極膜44とドレインバス配線19の上層の
Mo−Ta合金膜43とが接続されている。
【0027】次に本発明によるアクティブマトリクス基
板の製造方法を工程順に説明する。図5(a)におい
て、透明ガラス基板11の上にまず、スパッタリングに
より純Mo膜32を約300nm、次にTaを概ね90
原子%以上含有するMo−Ta合金膜33を約50〜1
00nmこの順に連続して成膜し、次に後に説明するよ
うに、フォトリソグラフィー法を用い、ゲート電極1
2、ゲートバス配線、ゲート端子を順に形成する。
【0028】図5(b)において、次にプラズマCVD
法により、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜13を約
400nm、ノンドープ半導体膜14を約300nm、
その上にn型半導体膜15を約30nmこの順に連続し
て成膜する。次にゲート電極12に対向し、フォトリソ
グラフィー法により、ノンドープ半導体層14とn型半
導体層15を島状にドライエッチングして形成する。
【0029】図5(c)において、その後再びスパッタ
リングにより純Mo膜42を約300nm、Taを概ね
90原子%以上含有するMo−Ta合金膜43を約50
〜100nmこの順に連続して成膜し、フォトリソグラ
フィー法によりソース電極16、ドレイン電極17、ド
レインバス配線、ドレイン端子を形成する。
【0030】図6(d)において、次にソース電極1
6、ドレイン電極17をマスクとして不要なn型半導体
層15をエッチングにより除去する。次に、プラズマC
VD法により約200nmの窒化シリコンからなる保護
膜20を成膜した後、フォトリソグラフィー法により画
素電極22とソース電極16を接続する開口部21とゲ
ート、ドレイン端子接続用の開口部31、41をエッチ
ングして形成する。
【0031】図6(e)において、最後に酸化インジウ
ム錫(以下ITOと略す)からなる透明導電膜をスパッ
タリングにより約40nm成膜し、フォトリソグラフィ
ーとエッチングにより、画素電極22とゲート、ドレイ
ン端子用透明電極膜34、44を形成する。
【0032】次に、上層Mo−Ta合金膜、下層純Mo
膜の積層構造をもつゲートバス配線18、ゲート電極1
2、ゲート端子35及びドレインバス配線19、ドレイ
ン電極17、ドレイン端子45の製造方法について説明
する。
【0033】図7(a)において、まずガラス基板11
上に純Moターゲット、Taの含有率が少なくとも90
原子%以上のMo−Ta合金ターゲットを用いたスパッ
タリング法により純Mo薄膜32、Mo−Ta合金薄膜
33、をこの順に連続して成膜する。
【0034】スパッタリングについては、DCマグネト
ロンスパッタリング、RFマグネトロンスパッタリング
のどちらでもよい。その後フォトリソグラフィー法によ
り図7(b)に示すようにポジ型フォトレジスト51の
配線パターンを形成し、図7(c)のようにドライエッ
チングにて加工する。
【0035】この際、リン酸を主体とした混酸をエッチ
ャントとしてウエットエッチングにより形成する方法も
考えられる。しかしこの場合には、純Moのエッチレー
トがMo−Ta合金に比べ極端に速いので、図7(d)
に見られるようなオーバーハング形状となり、上層に堆
積するゲート絶縁膜のカバレッジが悪くなり、絶縁耐性
が低下する恐れがある。
【0036】このような問題を避けるには、4フッ化炭
素(CF4)、6フッ化硫黄(SF6)等のフッ素系ガス
を用いたリアクティブイオンエッチングにより形成する
のが望ましい。リアクティブイオンエッチングであれ
ば、酸素の添加等により図7(c)に見られるようなテ
ーパー形状に加工することが可能である。
【0037】最後に図7(e)に示すようにフォトレジ
スト51を剥離し、ゲートバス配線18、ゲート電極1
2、ゲート端子35を形成し、図1に示すアクティブマ
トリクス基板を完成する。
【0038】ドレインバス配線19、ドレイン電極1
7、ドレイン端子45についても同様であるが、エッチ
ングには、塩素系のガスを用い、下地(ゲート絶縁膜1
3、n型半導体膜)との選択比が高い条件で行う必要が
ある。
【0039】(実施形態2)第1の実施形態において
は、上層にMo−Ta合金膜、下層に純Mo膜を積層し
た配線について述べたが、本発明においては、上層と下
層を入れ替えることもできる。
【0040】第2の実施形態のTFTの断面図を図9に
示す。ただしこの配線構造の場合、第1の実施形態と同
じ製造方法のままでは、端子部分の断面構造が上層から
透明電極膜、純Mo膜、Mo−Ta合金膜となり、良好
な接続信頼性が得られない。
【0041】従って、図10(a)、(b)のようにし
て端子部分の保護膜開口部31、41内の純Mo膜を除
去し、ゲート、ドレイン端子構造を上層から透明電極膜
34、44、Mo−Ta合金膜33、43とする。
【0042】図1、図9を参照し、図10を用いて、そ
の製造工程を説明する。図10(a)において、まず、
第1の実施形態と同様にしてスパッタリングとフォトリ
ソグラフィー法、ドライエッチングにより、透明ガラス
基板11上に、上層厚さ約200nmの純Mo膜32、
下層厚さ約200nmのMo−Ta合金膜33からなる
ゲート電極12、ゲートバス配線18、ゲート端子35
を形成する。
【0043】次にプラズマCVD法により窒化シリコン
からなるゲート絶縁膜13を約400nm、ノンドープ
半導体膜を約300nm、その上にn型半導体膜を約3
0nmこの順に連続して成膜する。次にゲート電極12
に対向して、フォトリソグラフィー法により、ノンドー
プ半導体層14とn型半導体層15を島状にドライエッ
チングすることによって形成する。
【0044】その後、ゲート電極12、ゲートバス配線
18、ゲート端子35と同様に、図10(b)に示すよ
うに上層厚さ約200nmの純Mo膜42、下層厚さ約
200nmのMo−Ta合金膜43からなるソース電極
16、ドレイン電極17、ドレインバス配線19、ドレ
イン端子45を形成する。
【0045】図9において、次にソース電極16、ドレ
イン電極17をマスクとして不要なn型半導体層15を
エッチングする。次に、プラズマCVD法により約20
0nmの窒化シリコンからなる保護膜20を成膜した
後、フォトリソグラフィー法により画素電極22とソー
ス電極16を接続する開口部21とゲート端子用開口部
31、ドレイン端子用開口部41をフッ酸とフッ化アン
モニウムの混液をエッチャントとしてウエットエッチン
グすることにより形成する。
【0046】その後さらに、ゲート端子開口部31、ド
レイン端子用開口部41より露出した純Mo膜32、4
2をドライエッチングし、取り除く。ドライエッチング
のガスとしては4フッ化炭素(CF4)、6フッ化硫黄
(SF6)等のフッ素系ガス用いる。最後にITOから
なる透明導電性膜をスパッタリングにより成膜し、フォ
トリソグラフィー法とエッチングにより、画素電極22
と透明電極膜34、44を形成する。
【0047】以上の実施形態においては、チャネルエッ
チ型逆スタガ型TFTについて述べたが、チャネル保護
型のTFTにも適用できる。さらに順スタガ型TFTに
も適用可能である。
【0048】図8は、高温高湿試験(85℃、85%)
により、本発明のアクティブマトリクス基板の図4に示
す端子部分の接続信頼性試験を行った結果である。横軸
はTa含有量、縦軸は端子部に腐食が発生し始めるまで
の時間を表す。ここでは、端子部の金属膜が純Mo単層
の場合を1とした相対値で示してある。
【0049】この結果より、Mo−Ta合金膜のTa含
有率を少なくとも90原子%以上にすれば、腐食耐性が
向上し、積層配線の上層に純Ta膜を用いたものとほぼ
同等となり、製品として十分な接続信頼性を有すること
が判った。さらに、Mo−Ta合金を用いることにより
デポが減少するため、上層を純Ta膜、下層を純Mo膜
あるいは上層を純Mo膜、下層を純Ta膜とした場合と
比べ、装置のクリーニング頻度が減り、生産効率が上が
る。また、上層、下層のエッチングレートが純Taと純
Moの場合よりも近くなるため、テーパーエッチも容易
となる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、電極、配線の上層と下層
とに純Mo膜、Mo−Ta合金膜の積層の組み合わせを
用い、前記Mo−Ta合金膜のTaの含有率を少なくと
も90原子%以上に設定したことにより、純Mo単層配
線の場合よりも端子部での接続信頼性を格段に改善でき
る。
【0051】また、純Ta膜はドライエッチングの際の
デポが問題となるが、Taの含有率が概ね90原子%以
上のMo−Ta合金を用いることによりデポが減少す
る。従って上層を純Ta、下層を純Moとした場合と比
べ、装置汚染が少なく、歩留まりが向上する。またドラ
イエッチング装置のクリーニング頻度も減るため、生産
効率が上がる。
【0052】また、上層と下層との組み合わせの選定に
よって固有の効果がえられる。すなわち、下層の金属を
比抵抗の低い純Mo膜で形成すれば、Mo−Ta合金単
層で配線電極を形成した場合に比べ、格段に配線抵抗が
低いため、大型かつ高精細液晶表示パネルの配線として
適用できる。
【0053】例えば、純Mo薄膜の比抵抗は約10μΩ
・cm、Taを95原子%含むMo−Ta合金薄膜の比
抵抗は約190μΩ・cmであるので、本発明第1の実
施形態における配線(純Mo膜厚300nm、Mo−T
a合金膜厚100nm)の配線抵抗は、Mo−Ta合金
単層配線(膜厚400nm)の配線抵抗に比べ約1/1
4になる。さらに、上層をMo−Ta合金とすること
で、配線、電極の断面をテーパー形状に加工することが
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクティブマトリクス基板の回路概念図であ
る。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態を示すアクテ
ィブマトリクス基板の一画面を示す平面図、(b)は
(a)のA−A’断面図である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施形態を示すアクテ
ィブマトリクス基板のゲート端子平面図、(b)は
(a)のBーB’断面図である。
【図4】(a)は本発明の第1の実施形態を示すアクテ
ィブマトリクス基板のドレイン端子平面図、(b)は
(a)のC−C’断面図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態を示
すアクティブマトリクス基板の製造フローを示す説明図
である。
【図6】(d)〜(e)は本発明の第1の実施形態を示
すアクティブマトリクス基板の製造フローを示す説明図
である。
【図7】(a)〜(e)は本発明の第一の実施例におけ
る配線、電極の製造方法を示す説明図である。】
【図8】図4の端子構造におけるMo−Ta合金膜中の
Ta含有率と腐食開始時間との関係を示すグラフの一例
である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示すアクティブマト
リクス基板の薄膜トランジスタ部分の断面図である。
【図10】(a)は本発明の第2の実施形態を示すアク
ティブマトリクス基板のゲート端子断面図、(b)は同
じくドレイン端子断面図である。
【符号の説明】
11 透明ガラス基板 12 ゲート電極 13 ゲート絶縁膜 14 ノンドープ半導体層 15 n型半導体層 16 ソース電極 17 ドレイン電極 18 ゲートバス配線 19 ドレインバス配線 20 保護膜 21,31,41 開口部 22 画素電極 34,44 透明電極膜 32,42 純Mo膜 33,43 Mo−Ta合金膜 35 ゲート端子 36 対向電極 37 液晶 45 ドレイン端子 51 フォトレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA17 GA34 HA06 JA24 JA45 KA06 KB14 MA05 MA13 MA19 NA28 PA01 5C094 AA04 AA05 AA14 AA31 AA32 AA42 AA43 BA03 BA43 CA19 DA13 DB01 EA04 EA05 EA07 EA10 FB02 FB12 GB10 JA01 5F033 GG04 HH20 HH21 HH38 JJ01 KK20 KK21 MM05 VV06 XX08 XX18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極、配線に上下2層の積層を有するア
    クティブマトリクス基板であって、 2層の積層は、純Mo膜と、Mo−Ta合金膜との組合
    せであり、Mo−Ta合金膜中のTaの含有率は、少な
    くとも90原子%以上であることを特徴とするアクティ
    ブマトリクス基板。
  2. 【請求項2】 電極、配線に上下2層の積層を有するア
    クティブマトリクス基板であって、 上層は、純Mo膜、下層はMo−Ta合金膜であり、下
    層のMo−Ta合金膜のTaの含有率は、少なくとも9
    0原子%以上であることを特徴とするアクティブマトリ
    クス基板。
  3. 【請求項3】 電極、配線に上下2層の積層を有するア
    クティブマトリクス基板であって、 下層は、純Mo膜、上層は、Mo−Ta合金膜であり、
    上層のMo−Ta合金のTaの含有率は、少なくとも9
    0原子%以上であることを特徴とするアクティブマトリ
    クス基板。
  4. 【請求項4】 ガラス基板上にゲートバス配線とドレイ
    ンバス配線とがマトリクス状に配設され、その各交差位
    置にそれぞれ薄膜トランジスタが配設されたアクティブ
    マトリクス基板であって、 薄膜トランジスタは、ゲート電極がゲートバス配線に、
    ドレイン電極がドレインバス配線に、ソース電極が画素
    電極に接続されたものであり、 ゲートバス配線の端部には、それぞれ、外部駆動回路に
    接続するためのゲート端子が配設され、ドレインバス配
    線にはドレイン端子が配設され、 画素電極と、対向基板上に設けられた対向電極との間
    に、液晶セルが形成され、 ゲート電極とゲートバス配線及びソース、ドレイン電極
    とドレインバス配線とは、いずれも上下2層の積層構造
    となっており、2層は、純Mo膜と、Mo−Ta合金膜
    との積層であり、上層又は下層として積層されるMo−
    Ta合金膜中のTaの含有率は、少なくとも90原子%
    以上であることを特徴とするアクティブマトリクス基
    板。
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