JP2000081550A - レ―ザダイオ―ドモジュ―ル - Google Patents

レ―ザダイオ―ドモジュ―ル

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JP2000081550A
JP2000081550A JP11197077A JP19707799A JP2000081550A JP 2000081550 A JP2000081550 A JP 2000081550A JP 11197077 A JP11197077 A JP 11197077A JP 19707799 A JP19707799 A JP 19707799A JP 2000081550 A JP2000081550 A JP 2000081550A
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fiber
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optical fiber
light
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Yukio Inoguchi
幸男 井野口
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CANパッケージされたLDチップの寿命信
頼性を損うことなく、LDチップと光ファイバとの光結
合効率を向上させることができるLDモジュールを提供
すること。 【解決手段】 LDチップがLD保全ガスと共にCAN
パッケージされているLD光源と、一端部に集光用の凸
型ファイバレンズが形成された光ファイバと、前記LD
光源と凸型ファイバレンズとの間に介設されたカップリ
ング用のレンズ系とを有するLDモジュールであって、
前記レンズ系は、LDチップからのLD光を集光して結
像可能に構成され、前記凸型ファイバレンズは、その焦
点位置がLD光の結像位置に一致する状態で配置されて
いることを特徴とするLDモジュールを提供する。本発
明のLDモジュールによれば、CANパッケージされた
LDチップの寿命信頼性を損うことなく、LDチップと
光ファイバとの光結合効率を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザダイオード
(以下「LD」という)モジュールに関し、詳しくは、
CANパッケージされたLDチップの寿命信頼性を損う
ことなく、LDチップと光ファイバとの光結合効率を向
上させることができるLDモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】LDモジュールは、LDチップを内蔵し
たLD光源に光ファイバが光学的にカップリングされた
光通信用のモジュールである。前記LD光源としては、
その寿命信頼性を向上させるため、不活性ガスを主成分
とするLD保全ガスと共にLDチップをCANパッケー
ジした構造のLD光源が知られている。
【0003】前記LDモジュールにおいては、LDチッ
プからのLD光が所定方向に偏光しており、LD光が光
ファイバの一端部に対して楕円形に照射される。このた
め、LD光源と光ファイバとの光結合効率は一般に低
く、これを補うためには、LDチップを大きな出力で使
用せざるを得ない。しかしながら、LDチップを大きな
出力で使用すると、LDチップの寿命時間が短くなるの
が現状であり、前記のLDモジュールにおいては、寿命
信頼性が低いという問題がある。
【0004】そこで、LDチップを大きな出力で使用す
ることなくLDモジュールの光結合効率を向上させる手
役として、LD光のアスペクト比を是正してLD光を効
率的に集光する凸型ファイバレンズを光ファイバの一端
部に形成することが提案されている(特開平8−869
23号公報または特開平8−5865号公報参照)。こ
の種のLDモジュールにおいては、LDチップを低出力
で使用することができ、その寿命信頼性を維持すること
が可能である。
【0005】ところで、凸型ファイバレンズを有する光
ファイバとCANパッケージ構造のLD光源とをカップ
リングする場合には、次のような問題が生じる。すなわ
ち、前記の凸型ファイバレンズは、焦点距離が極めて短
いため、LDチップに対して、通常、1〜20μmの範
囲に近接して配置しなければならない。このため、凸型
ファイバレンズと共に光ファイバの一端部を前述したC
ANパッケージ構造に挿入する必要がある。しかしなが
ら、前述の構造に光ファイバの一端部を挿入し且つ十分
な気密状態を維持することは、現在の技術レベルにおい
ては困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち
本発明は、CANパッケージされたLDチップの寿命信
頼性を損うことなく、LDチップと光ファイバとの光結
合効率を向上させることができるLDモジュールを提供
することを解決すべき課題とする。本発明のその他の解
決すべき課題は、以下の明細書の記載から把握すること
ができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を進めた結果、LDチップがL
D保全ガスと共にCANパッケージされているLD光源
と、一端部に集光用の凸型ファイバレンズが形成された
光ファイバと、前記LD光源と凸型ファイバレンズとの
間に介設されたカップリング用のレンズ系とを有するL
Dモジュールであって、前記レンズ系は、LDチップか
らのLD光を集光して結像可能に構成され、前記凸型フ
ァイバレンズは、その焦点位置がLD光の結像位置に一
致する状態で配置されていることを特徴とする本発明の
LDモジュールを提供するに至った。
【0008】本発明のLDモジュールの好ましい態様と
して、前記光ファイバが偏光面保存ファイバである態
様;前記偏光面保存ファイバの偏光面保存軸が偏光方向
に一致する状態で配置されている態様;前記偏光面保存
ファイバを透過するLD光の消光比が10dB以上、好
ましくは20dB以上となるように配置されている態
様;前記凸型ファイバレンズが、光ファイバの光軸方向
に直交する縦軸方向の開口角度と横軸方向の開口角度と
が異なるように形成されている態様;前記縦軸と光ファ
イバの光軸に直交する偏光保存軸としてのスルー軸との
なす挟角が20度以下、好ましくは0度に配置されてい
る態様;前記凸型ファイバレンズが楔型である態様;前
記凸型ファイバレンズが光ファイバ先端に向かうに従い
漸次接近する2つの傾斜面からなる態様;前記2つの傾
斜面が交わる稜線が縦軸と重ならない態様;前記凸型フ
ァイバレンズが、先端面と、該先端面と交わりかつ光フ
ァイバ先端に向かうに従い漸次接近する2つの傾斜連続
面で構成されている態様;前記先端面が曲面である態
様;前記先端面が平面である態様;前記先端面が光ファ
イバの光軸に直交しない態様;前記2つの傾斜連続面の
少なくとも一方が曲面を含む態様;前記2つの傾斜連続
面が平面のみからなる態様;前記2つの傾斜連続面がそ
れぞれ1つの傾斜平面からなる態様;前記凸型ファイバ
レンズの一方の傾斜平面と光ファイバの光軸との角度
と、他方の傾斜平面と光ファイバの光軸との角度との差
が10゜以内である態様;前記凸型ファイバレンズの2
つの傾斜平面が交わる直線と光ファイバの光軸との距離
が1μm以下である態様;前記凸型ファイバレンズの先
端面と光ファイバの光軸に直交する平面との角度が6〜
15゜である態様;前記凸型ファイバレンズの一方の傾
斜連続面と先端面との交線と、他方の傾斜連続面と先端
面との交線が平行である態様;前記凸型ファイバレンズ
の一方の傾斜連続面と先端面との交線が、他方の傾斜連
続面と先端面との交線よりも先端方向に位置する態様;
前記凸型ファイバレンズの2つの傾斜連続面で形成され
る稜線が存在する態様;前記凸型ファイバレンズの2つ
の傾斜連続面で形成される稜線が存在しない態様;前記
凸型ファイバレンズの先端面の幅がファイバのモードフ
ィールド径よりも小さい態様;前記凸型ファイバレンズ
の表面に無反射コーティングを有する態様;前記光ファ
イバがシングルモード光ファイバである態様;前記LD
光源の透光窓にレンズ系の一部が組み込まれている態
様;前記レンズ系のLD光の結像倍率が0.5〜10倍
である態様;前記光ファイバが、LDチップから照射さ
れたLD光をプラグ反射することにより、LD光の中心
波長を固定する外部共振器としての機能を有する態様;
外部共振器の反射率Rg、LD光源と光ファイバとの結
合効率Kとした場合の有効反射率K2RgがLD前端面
の反射率Rよりも大きい態様;LD光の中心波長が50
0〜1400nm、好ましくは700〜1000nmで
ある態様を例示することができる。
【0009】
【発明の実施の態様】以下において、本発明のLDモジ
ュールについて図面を参照しながら詳細に説明する。本
発明のLDモジュールは、例えば図1に示すように、L
Dチップ(1A)がLD保全ガスと共にCANパッケー
ジされているLD光源(1)と、一端部に集光用の凸型
ファイバレンズ(2A)が形成された光ファイバ(2)
と、LD光源(1)と凸型ファイバレンズ(2A)との
間に介設されたカップリング用のレンズ系(3)とを少
なくとも有する。そして、本発明のLDモジュールの特
徴は、レンズ系(3)がLDチップ(1A)からのLD
光を集光して結像可能に構成されており、かつ凸型ファ
イバレンズ(2A)がその焦点位置(P)がLD光の結
像位置に一致する状態で配置されている点にある。
【0010】LD光源(1)のLDチップ(1A)は、
窒素ガス等の不活性ガスを主成分とするLD保全ガスと
共にCAN(1B)内に封入されている。このLDチッ
プ(1A)は、電圧の印加により、例えば、700〜1
000nm、好ましくは900〜1000nm、更に好
ましく980nm周辺を中心波長とするLD光を発光す
る。その出力は、例えば、300mWである。このLD
光は、アスペクト比が2〜5程度であり、透光窓に嵌め
込まれた透光ガラス(1C)を通してCAN(1B)の
外部に楕円形に照射される。斯かるLD光源(1)は、
その透光ガラス窓(1C)を一端側に向けた状態で筒状
の光源ホルダ(4)内に保持されている。
【0011】レンズ系(3)は、LDチップ(1A)か
ら照射されたLD光を集光して凸型ファイバレンズ(2
A)の焦点位置に結像するように構成されている。この
ような条件を満たすものである限り、レンズ系(3)の
構成の詳細は特に制限されないが、通常は図1に示すよ
うに2枚の凸レンズ(3A,3B)からなる。図1で
は、2枚の凸レンズ(3A,3B)は、フェルールホル
ダ(5)の凸型ファイバレンズ(2A)が臨む側の端部
に予め一端部がレーザ溶接された筒状のレンズホルダ
(7)内に保持されている。そして、このレンズホルダ
(7)の他端部は、前記光源ホルダ(4)のLD光が照
射される側の端部にレーザ溶接されている。
【0012】本発明のLDモジュールにおいて、LD光
源(1)の透光窓には、レンズ系(3)の何れか一方の
凸レンズ(3A,3B)を透光ガラス(1C)に代えて
組み込むことができる。このような態様を採用すれば、
LDモジュールの全長を短くでき、その構成をコンパク
トにすることができる。レンズ系(2)の像倍率は、例
えば0.5〜10倍にすることができ、好ましくは1〜
2倍である。レンズ系によるLD光の像倍率を適正化す
ることにより、ファイバレンズのモードフィールドパタ
ーンとLDチップのモードフィールドパターンを完全に
マッチングさせることが可能となる。
【0013】光ファイバ(2)は、一端部に集光用の凸
型ファイバレンズ(2A)が形成されているものであれ
ば特にその構造の詳細は制限されない。例えば、光ファ
イバ(2)は、円形断面の所謂PANDAファイバと呼
称される偏光面保存ファイバからなり、図2に示される
ように、屈折率の小さいクラッド(2B)の中心部に屈
折率の大きいコア(2C)が配置され、その両側に円形
断面の応力付与部(2D,2D)が配置されているもの
であるのが好ましい。斯かる光ファイバ(2)は、直径
が例えば125μm程度であって、筒状のフェルールホ
ルダ(5)の中心部にフェルール(6)を介して保持さ
れているのが一般的である。
【0014】凸型ファイバレンズ(2A)は、光ファイ
バ(2)の光軸方向に直交する縦軸方向の開□角度と横
軸方向の開口角度とが異なるように形成されているのが
好ましい。その代表例として、楔型ファイバレンズを挙
げることができる。なお、本明細書において「縦軸」と
は、先端面の中心線(先端面が存在しない場合は稜線)
を光軸直交面へ投影した軸をさす。先端面の中心線と
は、先端面と一方の傾斜面との交線と、先端面ともう一
方の傾斜面との交線の中線をさす。
【0015】図3は、典型的な凸型ファイバレンズを先
端に有する光ファイバの基本的な形状を示す斜視図であ
る。図4は図3のレンズ付き光ファイバをA、Bおよび
C方向から見た図である。なお、これらの図3、4およ
び後述する図5〜7では、説明の便宜上コア径を比較的
大きく描いてある。図3に示す光ファイバの先端は、光
ファイバ先端に向かうに従い漸次接近する2つの傾斜連
続面(2F,2G)と、これら2つの傾斜連続面に交わ
る先端面(2E)の3つの面で構成されている。図3で
は、2つの傾斜連続面(2F,2G)はともに1つずつ
の平面(傾斜平面)からなるが、傾斜連続面はそれぞれ
2以上の平面からなっていてもよい。すなわち、傾斜連
続面は、傾斜角が異なる2以上の平面からなる連続面で
あってもよい。また、2つの傾斜連続面(2F,2G)
は、対称であってもよいし、非対称であってもよい。
【0016】図3の凸型ファイバレンズでは、傾斜平面
(2F)と光軸(z)との角度は、傾斜平面(2G)と
光軸(z)との角度に等しい。また、2つの傾斜平面
(2F,2G)が交わる仮想交線は光軸(z)と直交す
るように設計されている。光軸(z)と直交する仮想平
面と先端面(2E)との角度は15度である。また、先
端面(2E)と2つの傾斜平面(2F,2G)の交線
は、互いに平行である。
【0017】本発明では、図3の態様に限定されず、傾
斜平面(2F,2G)と光軸(z)との角度は、10〜
80度であるのが好ましく、20〜50度であるのがよ
り好ましく、30〜40度であるのが特に好ましい。ま
た、図3および図4に示す実施態様では、傾斜平面(2
F)と光軸(z)との角度は、傾斜平面(2G)と光軸
(z)との角度に等しいが、これらの角度は等しくなく
てもよい。両者の差は1度以上であってもよいが、10
度以内が好ましく、7度以内であることがより好まし
い。
【0018】傾斜平面(2F,2G)と光軸(z)との
角度は、結合すべき光源の大きさと先端面(2E)の寸
法に応じて適宜設定することが好ましい。また、先端面
(2E)の傾きと組み合わせて戻り光による問題が小さ
くなるように設定することが望ましい。本発明では、結
合効率を高くするために、2つの傾斜平面(2F,2
G)が交わる仮想交線と光軸(z)との距離(軸ずれ)
が小さいことが好ましい。仮想交線と光軸(z)との距
離は、1μm以下であるのが好ましく、0.5μm以下
であるのがより好ましく、0.3μm以下であるのがさ
らにより好ましく、仮想交線と光軸(z)とが交差する
ことが最も好ましい。
【0019】先端面(2E)は、2つの傾斜平面(2
F,2G)および光ファイバの外周面と交差する平面で
あり、光軸(z)が平面内を貫くように形成することが
好ましい。先端面(2E)と一方の傾斜平面(2F)と
の交線と、先端面(2E)と他方の傾斜平面(2G)と
の交線は互いに平行であってもよいし、平行でなくても
よい。また、先端面(2E)と光ファイバの外周面とは
図3に示すように2箇所で交差して2本の交線を形成し
てもよいし、図5に示すように1箇所でのみ交差して1
本の交線を形成してもよい。
【0020】本発明で用いる光ファイバが、シングルモ
ードの光ファイバであるときは、先端面(2E)はコア
断面の少なくとも一部を含むものでなければならない。
本発明のレンズ付き光ファイバは、先端面(2E)が光
軸(z)に直交していてもよいし、直交していなくても
よい。好ましいのは、先端面が光軸に直交していない態
様である。このような態様を採用することによって、レ
ーザ光源から放射されたレーサ光の一部が先端面で反射
しても、先端面が傾いているために反射光はレーザ光源
に直接戻らなくなり、レーザ光源の安定性が保たれる。
したがって、先端面が光軸に直交しない態様を採用すれ
ば、レーザ光源の安定性を保つために、ファイバ先端に
無反射コーティング(ARコート)を施すことは必ずし
も必要ではなくなる。このため製造工程が簡略化され、
製造コストも抑えることができる。ただし、先端面が光
軸に直交しない態様を採用した場合であっても、無反射
コーティングを施して、より確実に反射光による問題を
解消してもよい。
【0021】また、先端面(2E)が光軸(z)に直交
しない構成を採用すれば、戻り光の問題にも対応するこ
とができる。すなわち、光ファイバ光源に向かって進む
光がファイバ先端で反射しても、先端面が傾いているた
めに反射光がそのままファイバ内を戻ることはない。こ
のため、例えばファイバーアンプの励起光源に向かって
進む信号光がファイバ先端で反射してアンプに戻りにく
くなる。このため、ノイズの原因を大幅に減らし、ファ
イバーアンプなどのシステムの安定動作を確保すること
が可能になる。
【0022】先端面(2E)の傾きの大きさと方向は、
上記のレーザ光源から発せられたレーザ光の先端面での
反射の低減や、ファイバ内での戻り光の低減の作用を効
果的に発揮し得るように設定するのが好ましい。即ち、
レーザ反射光低減のためには、先端面(2E)と光軸
(z)に垂直な仮想平面との角度は4度以上が好まし
く、6度以上がより好ましく、8度以上がさらに好まし
い。6度以上であれば、少なくともファイバ端レーザ出
力60mW程度までは電流−光出力特性の線形性が保た
れ、全く問題なく使用できる。同様に8度以上であれ
ば、ファイバ端レーザ出力120mW程度まで問題なく
使用できる。
【0023】先端面(2E)と光軸(z)に垂直な仮想
平面との角度は4度以上なら戻り光反射損失−25dB
以下、6度以上なら戻り光反射損失−40dB以下、8
度以上なら戻り光損失−50dB以下が実現できる。こ
のような関係を考慮して、先端面(2E)と光軸(z)
に垂直な仮想平面との角度を適宜調節して、ファイバ内
での戻り光を低減させることが好ましい。 一方、先端
面(2E)と光軸(z)に垂直な仮想平面との角度が大
きすぎると、結合効率が悪化し、光出力が低下すること
がある。当該角度は15度以下が好ましく、10度以下
がより好ましく、6度以下がさらに好ましい。
【0024】光軸(z)に垂直な仮想平面に対して先端
面(2E)が傾いている方向は、特に制限されない。先
端面(2E)は、光軸(z)に垂直な仮想平面を図3の
x軸を軸として回転させた平面であってもよいし、図3
のy軸を軸として回転させた平面であってもよい。ま
た、x軸とy軸以外の軸を選択して回転させた平面であ
ってもよい。図3および図4に示す態様は、仮想平面を
x軸を軸として回転させた平面を先端面としている。こ
のとき先端面(2E)と一方の傾斜平面(2F)との交
線よりも、先端面(2E)と他方の傾斜平面(2G)と
の交線が先端方向に位置しているが、このように2つの
交線のいずれか一方がより先端方向に位置している態様
が好ましい。
【0025】図5〜7は、仮想平面をy軸を軸として回
転させた平面を先端面とする態様を図示したものであ
る。図5および図6では、2つの傾斜平面(2F,2
G)の交線が稜線としてレンズ付き光ファイバの構造に
現れている。一方、図7では、2つの傾斜平面(2F,
2G)の交線はレンズ付き光ファイバの構造に現れてい
ない。
【0026】図3〜7に示される実施態様は、いずれも
傾斜連続面と先端面が平面のみから構成されているが、
傾斜連続面を構成する1以上の面と先端面はそれぞれ曲
面であってもよい。図8は、3〜7μm程度の曲率半径
でR加工された先端面(2E)が2つの傾斜平面(2
F、2G)に挟まれている凸型ファイバレンズの断面図
を示すものである。このとき曲面である先端面と隣り合
う傾斜面との境界は2本とも直線である。このような曲
面の面方向を論ずるときには、これらの2本の境界線を
含む平面の方向をもって曲面の面方向とする。
【0027】また、図3〜7に示される実施態様は、い
ずれも先端面を有するものであるが、本発明では2つの
傾斜面のみから構成され、先端面を有しない凸型ファイ
バレンズを有する光ファイバを使用することもできる。
このとき、2つの傾斜面が交わる稜線は縦軸と重ならな
い態様を採用することが好ましい。
【0028】凸型ファイバレンズが先端に形成された光
ファイバの製造方法は特に制限されない。いずれの方法
により製造された光ファイバであっても、特許請求の範
囲に記載される条件を満たすものである限り本発明の範
囲内に包含される。本発明で使用する凸型レンズ付き光
ファイバのうち図3に示す凸型ファイバレンズの好まし
い製造方法について、以下に説明する。
【0029】まず、光ファイバを劈開して、好ましくは
光軸に対して垂直な平面を形成する。その後、ホルダー
で固定したファイバ端部を砥石(グラインダー)の表面
に当接させて研削することにより、レンズ(1)を作製
する。具体的には、2つの傾斜平面(2F,2G)を、
砥粒面に対して左右それぞれに所定の角度傾斜させて研
削することによって形成する。こうして、2つの傾斜平
面(2F,2G)の交線からなる稜線を形成した後、形
成した稜線ないし稜線端部(頂部)を砥粒面に対して特
定の角度で押し当てることにより、凸型レンズ付き光フ
ァイバを作製することができる。このとき、先端面(2
E)の傾斜度に対する許容誤差を比較的大きく設定する
ことができるため、加工に困難は伴わない。なお、傾斜
平面(2F、2G)や先端面(2E)の加工方法として
は、放電加工などの適宜の方法を採用し得る。
【0030】このように凸型ファイバレンズは、最初に
基準となる中心線を設定する1回の芯出し操作と、3つ
の平面加工のみによって作製できるので、高い加工精度
が容易かつ低コストで得られる。また、上記の製造方法
によれば、最初の芯出し加工によって、傾斜平面(2
F,2G)が交わる稜線となるべき直線を画定すること
ができるため、稜線と光軸(z)との間の軸ずれを簡単
に0.3μm以下にすることができる。このため、高い
歩留まりで高結合効率を有する凸型レンズ付き光ファイ
バを製造することができる。
【0031】外部共振器の反射率をRg、LD光源と光
ファイバとの結合効率をKとすると、LD光源から出力
された光のうち、K2Rg(=KxKRg)の光がLD
チップに戻ることとなる。このK2Rgは実効反射率と
呼ばれ、例えば結合効率が1.5倍になると実効反射率
は2.25倍になる。モジュール端の出力は、反射率を
含めた実効結合効率がK−KxRgとなり、Rgが数%
の実用的条件下では、外部共振器が強まるうえにモジュ
ールのファイバ出力も向上することになる。
【0032】本発明では、実効反射率K2RgをLD前
端面の反射率Rよりも大きくすることが好ましい。LD
前端面のレーザ発振波長における反射率Rは、LD発振
の必要性、構造上の要請、およびモジュールのファイバ
出力を下げないようにする必要があるなどの理由によ
り、過度に下げることができない。このため本発明で
は、結合効率Kを高めるとともに、外部共振器の反射率
Rgをある程度高く設定することが望ましい。コア(2
C)には、外部共振器として機能するプラグ反射層が設
けられており、LDチップ(1A)から照射されたLD
光をプラグ反射してLD光の中心波長を固定するように
構成されていることが好ましい。
【0033】一般に、LD光の偏波状態とLD反射光の
偏波条件が一致していなければ、外部共振器からのLD
反射光のLDチップ内での増幅率は最大にならず、外部
共振器の強さも弱まってしまう。通常、ファイバ内の偏
波状態は、温度やファイバの曲げなどの状態により容易
に変化する。このため、通常、ファイバグレーティング
からの反射光はLDチップに戻る際に偏波状態が変化し
てしまう。このため、本発明のLDモジュールではファ
イバ内部の偏波状態が保持されるように制御することが
望ましい。ファイバ内部の偏波状態を制御すれば、ファ
イバグレーティングによる波長ロック安定性をより向上
させることもできる。具体的には、偏光面保存ファイバ
と、より像変換機能の高いファイバレンズとを用いるこ
とによる高結合効率の組み合わせを利用することが望ま
しい。
【0034】偏光面保存ファイバとしては、先端に形成
された凸型ファイバレンズが、縦軸方向の開口角度と横
軸方向の開口角度とが異なるように形成されていて、か
つ、縦軸と光ファイバの2つの応力付与部(2D、2
D)の中心を結ぶ偏光保存軸としてのスルー軸(L)と
のなす挟角が小さいものを挙げることができる(図9参
照)。該挟角は20度以下であることが好ましく、10
度以下であることがより好ましく、5度以下であること
がさらにより好ましい。最も好ましい挟角は0度であ
り、このときスルー軸(L)をLD光の偏光方向に一致
させると、ファイバレンズの縦軸がLD光の偏光方向に
一致し、レンズ系(3)によって結像されるLD光のア
スペクト比を是正して集光することが可能になり、光結
合効率を最大にすることができる。
【0035】偏光面保存ファイバは、LD光源の点灯に
より偏光面保存ファイバを透過するLD光の消光比が所
定値以上になるようにLD光源とカップリングすること
が好ましい。消光比は、10dB以上になるようにカッ
プリングすることが好ましく、20dB以上になるよう
にカップリングすることがより好ましく、30dB以上
になるようにカップリングすることがさらにより好まし
い。
【0036】本発明のLDモジュールの組み立て方法は
特に制限されないが、例えば、専用の組立装置を使用し
て以下の組立方法により組立てられる。組立装置は、L
D光源(1)と光ファイバ(2)とを光軸廻りに相対回
動させ、かつ、両者の光軸を合わせる手段として、例え
ば光源ホルダ(4)を把持してその光軸Z方向および
X,Y方向の直交3軸方向に移動可能な第1ステージ
と、フェルールホルダ(5)に予め溶接されたレンズホ
ルダ(7)を把持してその光軸Z廻りに回動可能な第2
ステージとを備えている。
【0037】また、前記組立装置は、LD光の消光比を
求める手段として、フェルールホルダ(5)に保持され
た光ファイバ(2)の端部に臨んで光軸Z廻りに回動自
在に支持された偏光板から成る検光子と、この検光子を
透過するLD光を受光して光電変換するフォトダイオー
ドと、このフォトダイオードの検出値に基づいて消光比
を算出する演算装置と、前記フォトダイオードの検出値
および算出された消光比を画面表示するモニタ装置など
を備えている。なお、消光比は、検光子を光軸Z廻りに
回動させた際にフォトダイオードが検出する検出値の最
大値をA(mW)、最小値をB(mW)としたとき、消
光比(dB)=−10log(B/A)として定義され
る。
【0038】本発明のLDモジュールの組立作業に際し
ては、先ず、組立装置の第1ステージに光源ホルダ
(4)を把持させ、第2ステージにレンズホルダ(7)
を把持させる。そして、第1ステージをX,Y,Z方向
に移動させることにより、光源ホルダ(4)とレンズホ
ルダ(7)とを光軸Z方向に直列させ、両者の光軸を略
一致させた状態で両者の接合端面を当接させる。この接
触圧力は、通常、0.5〜3kgf程度である。
【0039】その後、LD光源(1)を点灯させ、フォ
トダイオードの検出値が最大値となるように検光子を光
軸Z廻りに回動させ、続いて、検出値が最小値となるよ
うに検光子を略90度回転させる。そして、この操作に
より得られた最大値と最小値のデータに基づいて消光比
を求める。目標とする消光比は、20dB以上、好まし
くは30dB以上である。
【0040】前述の操作により求められた消光比が目標
値より大きい場合には、前記第2ステージを光軸Z方向
に回動させることにより、レンズホルダ(7)を光源ホ
ルダ(4)に対して所定角度(例えば3〜5度)だけ回
動させ、その後、同様の操作により再び消光比を求め
る。この消光比が目標値に近づいた場合には、レンズホ
ルダ(7)をさらに所定角度だけ回動させるが、目標値
から遠ざかった場合には、レンズホルダ(7)を所定角
度以内で逆方向に回動させ、再び消光比を求める。以
下、同様の操作を繰り返し、消光比が20dB以上、好
ましくは30dB以上となるように、光源ホルダ(4)
とレンズホルダ(7)とを光軸廻りに位置合わせする。
すなわち、LD光源(1)と光ファイバ(2)とを光軸
廻りに位置合わせする。
【0041】LD光源(1)と光ファイバ(2)との光
軸Z廻りの位置合わせ作業が終了したら、続いて、LD
光源(1)と光ファイバ(2)との光軸合わせ作業を行
う。この作業は、前記組立装置において、検光子を取り
外し、光ファイバ(2)を透過するLD光を直接フォト
ダイオードで受光し、その光量が最大となるように前記
第1ステージをX,Y方向に微動させることによって精
密に行う。この場合、第1ステージは、X軸に沿って3
0μm程度の微少量ずつ操作された後、Y軸に沿って3
0μm程度の微小量ずつ操作される。LD光源(1)と
光ファイバ(2)との光軸合わせ作業が終了したら、光
源ホルダ(4)とレンズホルダ(7)との接合部をレー
ザ溶接することによってLDモジュールを組立てる。
【0042】前述の組立方法によって組立てられた本発
明のLDモジュールは、LD光源(1)の点灯により光
ファイバ(2)を透過するLD光の消光比が20dB以
上、好ましくは30dB以上となるようにカップリング
されているため、LD光の偏光方向と光ファイバ(2)
の偏光保存軸としてのスルー軸(L)とが略一致してい
る。また、凸型ファイパレンズ(2A)の縦軸に沿って
延びる先端面(2E)は、光ファイバ(2)の2つの応
力付与部(2D,2D)の中心を結ぶスルー軸(L)に
一致するように形成されているため、LD光の偏光方向
と凸型ファイバレンズ(2A)の縦軸とが略一致してい
る。
【0043】本発明のLDモジュールによれば、レンズ
系(3)の凸レンズ(3A,3B)がLDチップ(1
A)からのLD光を結像し、光ファイバ(2)の凸型フ
ァイバレンズ(2A)がアスペクト比を是正してLD光
を効率的に集光するため、極めて高い光結合効率を得る
ことができる。また、本発明のLDモジュールは、光結
合効率が極めて高いため、LD光源(1)のLDチップ
(1A)を小出力化してその寿命信頼性を大幅に向上さ
せることが可能である。さらに、光ファイバ(2)のコ
ア(2C)に設けられたプラグ反射層がLD光の中心波
長を固定する外部共振器として機能を十分に発揮するこ
とができるため、優れた波長ロック特性を発揮すること
ができ、高速通信用に好適である。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の具体例に示す寸法、度、加工工程等
は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更すること
ができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体
例に制限されるものではない。
【0045】(実施例1)図1に示すように、LDチッ
プ(1A)がLD保全ガスと共にCANパッケージされ
ているLD光源(1)と、一端部に集光用の凸型ファイ
バレンズ(2A)が形成された光ファイバ(2)と、L
D光源(1)と凸型ファイバレンズ(2A)との間に介
設されたカップリング用のレンズ系(3)からなるLD
モジュールを作製した。レンズ系(3)は、LDチップ
(1A)からのLD光を結像可能に構成され、凸型ファ
イバレンズ(2A)は、その焦点位置(P)がLD光の
結像位置に一致する状態で配置した。
【0046】LD光源(1)のLDチップ(1A)は、
窒素ガスを主成分とするLD保全ガスと共にCAN(1
B)内に封入した。このLDチップ(1A)は、40〜
60mAで駆動し、980nmを中心波長とする出力3
00mWのLD光を発光する。このLD光のモードフィ
ールドパターンは(1/e2)で長径が5μm、短径が
2μmの楕円形であり、透光窓に嵌め込まれた透光ガラ
ス(1C)を通してCAN(1B)の外部に楕円形に照
射するようにした。このLD光源(1)は、その透光ガ
ラス窓(1C)を一端側に向けた状態で筒状の光源ホル
ダ(4)内に保持した。
【0047】光ファイバ(2)は、円形断面の所謂PA
NDAファイバと呼称される偏光面保存ファイバからな
り、図2に示されるように、屈折率の小さいクラッド
(2B)の中心部に屈折率の大きいコア(2C)が配置
され、その両側に円形断面の応力付与部(2D,2D)
が配置されるように作製した。コア(2C)には、外部
共振器として機能するプラグ反射層が設けられており、
LDチップ(1A)から照射されたLD光をプラグ反射
してLD光の中心波長を固定するように構成した。反射
率は3〜5%に設定した。この光ファイパ(2)は、直
径が125μmであって、筒状のフェルールホルダ
(5)の中心部にフェルール(6)を介して保持した。
【0048】凸型ファイバレンズ(2A)は縦軸方向の
開□角度と横軸方向の開口角度とが異なる楔形に形成さ
れている。具体的には、図8に示されるように、頂角が
110度の楔形に形成され、その縦軸に沿って延びる先
端面(2E)は、5μmの曲率半径にR加工されてい
る。そして、凸型ファイバレンズ(2A)の先端面頂部
は、図9に示されるように、光ファイパ(2)の2つの
応力付与部(2D,2D)の中心を結ぶ偏光保存軸とし
てのスルー軸(L)に一致するように形成されている。
そして、凸型ファイバレンズの縦軸がLD光の偏光方向
に沿って配置されるようにして、レンズ系(3)によっ
て結像されるLD光のアスペクト比を是正して集光可能
に構成した。この凸型ファイバレンズ(2A)の焦点距
離は5μmである。
【0049】レンズ系(3)は、2枚の凸レンズ(3
A,3B)からなり、LDチップ(1A)からのLD光
を凸型ファイバレンズ(2A)の焦点位置(P)に結像
する。その像倍率は、1.3倍である。2枚の凸レンズ
(3A,3B)は、フェルールホルダ(5)の凸型ファ
イバレンズ(2A)が臨む側の端部に予め一端部がレー
ザ溶接された筒状のレンズホルダ(7)内に保持されて
いる。そして、このレンズホルダ(7)の他端部は、前
記光源ホルダ(4)のLD光が照射される側の端部にレ
ーザ溶接されている。なお、本実施例および以下の実施
例において条件値が数値範囲で特定されているものは、
その範囲内で最も結合効率が高くなる値を選択して実施
したことを示す。
【0050】(実施例2)凸型ファイバレンズの形状
を、図5に示す3平面からなる形状に変えた以外は、実
施例1と同様にしてLDモジュールを作製した。図5に
おいて、2つの傾斜平面と光軸との角度はともに35度
〜45度とし、2つの傾斜平面が交わって形成される稜
線は光軸に対して垂直とし、光軸に直交する仮想平面と
先端面との角度は6度とし、コアにおける先端面の幅は
1.0〜4.0μmにした。
【0051】(実施例3)凸型ファイバレンズの形状
を、図5に示す3平面からなる形状に変え、さらにファ
イバーグレーティング前端面の反射率Rgを5〜7%に
したこと以外は、実施例1と同様にしてLDモジュール
を作製した。図5において、2つの傾斜平面と光軸との
角度はともに35度〜45度とし、2つの傾斜平面が交
わって形成される稜線は光軸に対して垂直とし、光軸に
直交する仮想平面と先端面との角度は8度とし、コアに
おける先端面の幅は1.0〜4.0μmにした。
【0052】(実施例4)凸型ファイバレンズの形状
を、図5に示す形状に変え(ただし先端面はR加工)、
さらにファイバーグレーティング前端面の反射率Rgを
5〜7%にしたこと以外は、実施例1と同様にしてLD
モジュールを作製した。図5において、2つの傾斜平面
と光軸との角度はともに35度〜45度とし、2つの傾
斜平面が交わって形成される稜線は光軸に対して垂直と
し、光軸に直交する仮想平面と先端面との角度は9度と
し、先端面には曲率半径6μmのR加工を施し、コアに
おける先端面の幅は1.0〜4.0μmにした。
【0053】(比較例1)光ファイバ先端を研磨して、
レンズを形成せずに反射率3〜5%の光ファイバ先端を
調製した以外は、実施例1と同様にしてLDモジュール
を作製した。
【0054】(比較例2)光ファイバ先端を研磨して、
レンズを形成せずに反射率8%の光ファイバ先端を調製
した以外は、実施例1と同様にしてLDモジュールを作
製した。
【0055】(試験例)上で作製した6種類のLDモジ
ュールのそれぞれについて、光結合効率、波長ロック特
性、戻り光の影響、リターンロスを測定、評価した。波
長ロック特性は、LDモジュールの出力を60mWに固
定して、0〜50℃の範囲内で温度変化させて波長ロッ
クが認められる温度領域を調べることにより評価した。
このとき、ファイバーグレーティング以外の出力をファ
イバーグレーティングの出力で除した値が−6dB以下
であるときを波長ロックとした。戻り光の影響について
は、25℃においてLDモジュールが実用性を示す出力
領域を調べることにより評価した。結果を以下の表に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】上の表は、本発明のLDモジュールが結合
効率が高く、波長ロック特性が良好で、戻り光による影
響とリターンロスが小さいことを示している。一方、先
端に凸型ファイバレンズを形成していない比較例のLD
モジュールでは、反射率を上げても波長ロック特性等は
改善されない。
【0058】
【発明の効果】本発明のLDモジュールは、CANパッ
ケージされたLDチップの寿命信頼性を損うことなく、
LDチップと光ファイバとの光結合効率を向上させるこ
とができる。このため、本発明のLDモジュールは広範
な用途に有効に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のLDモジュールの全体構成を示す縦
断面図である。
【図2】 本発明のLDモジュールを構成する光ファイ
バとしての偏光面保存ファイバの横断面図である。
【図3】 本発明のLDモジュールを構成する凸型レン
ズ付き光ファイバの一実施態様を示す斜視図である。
【図4】 図3の凸型レンズ付き光ファイバをA、Bお
よびC方向から見た図である
【図5】 本発明のLDモジュールを構成する凸型レン
ズ付き光ファイバの別の実施態様を示す斜視図である。
【図6】 図5の凸型レンズ付き光ファイバをD、Eお
よびF方向から見た図である
【図7】 本発明のLDモジュールを構成する凸型レン
ズ付き光ファイバのさらに別の実施態様を示す斜視図で
ある。
【図8】 図2の偏光面保存ファイバ先端部の平面図で
ある。
【図9】 本発明のLDモジュールを構成する光ファイ
バ先端の凸型ファイバレンズの一実施態様を示す正面図
である。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LDチップがLD保全ガスと共にCAN
    パッケージされているLD光源と、一端部に集光用の凸
    型ファイバレンズが形成された光ファイバと、前記LD
    光源と凸型ファイバレンズとの間に介設されたカップリ
    ング用のレンズ系とを有するLDモジュールであって、
    前記レンズ系は、LDチップからのLD光を集光して結
    像可能に構成され、前記凸型ファイバレンズは、その焦
    点位置がLD光の結像位置に一致する状態で配置されて
    いることを特徴とするLDモジュール。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバが偏光面保存ファイバで
    ある請求項1のLDモジュール。
  3. 【請求項3】 前記偏光面保存ファイバの偏光面保存軸
    が偏光方向に一致する状態で配置されている請求項2の
    LDモジュール。
  4. 【請求項4】 前記偏光面保存ファイバを透過するLD
    光の消光比が10dB以上となるように配置されている
    請求項2のLDモジュール。
  5. 【請求項5】 前記消光比が20dB以上となるように
    配置されている請求項4のLDモジュール。
  6. 【請求項6】 前記凸型ファイバレンズが、光ファイバ
    の光軸方向に直交する縦軸方向の開口角度と横軸方向の
    開口角度とが異なるように形成されている請求項2のL
    Dモジュール。
  7. 【請求項7】 前記縦軸と光ファイバの光軸に直交する
    偏光保存軸としてのスルー軸とのなす挟角が20度以下
    に配置されている請求項6のLDモジュール。
  8. 【請求項8】 前記挟角が0度である請求項7のLDモ
    ジュール。
  9. 【請求項9】 前記凸型ファイバレンズが楔型である請
    求項6のLDモジュール。
  10. 【請求項10】 前記凸型ファイバレンズが光ファイバ
    先端に向かうに従い漸次接近する2つの傾斜面からなる
    請求項9のLDモジュール。
  11. 【請求項11】 前記2つの傾斜面が交わる稜線が前記
    縦軸と重ならない請求項10のLDモジュール。
  12. 【請求項12】 前記凸型ファイバレンズが、先端面
    と、該先端面と交わりかつ光ファイバ先端に向かうに従
    い漸次接近する2つの傾斜連続面で構成されている請求
    項9のLDモジュール。
  13. 【請求項13】 前記先端面が曲面である請求項12の
    LDモジュール。
  14. 【請求項14】 前記先端面が平面である請求項12の
    LDモジュール。
  15. 【請求項15】 前記先端面が光ファイバの光軸に直交
    しない請求項12のLDモジュール。
  16. 【請求項16】 前記2つの傾斜連続面の少なくとも一
    方が曲面を含む請求項12のLDモジュール。
  17. 【請求項17】 前記2つの傾斜連続面が平面のみから
    なる請求項12のLDモジュール。
  18. 【請求項18】 前記2つの傾斜連続面がそれぞれ1つ
    の傾斜平面からなる請求項17のLDモジュール。
  19. 【請求項19】 前記凸型ファイバレンズの一方の傾斜
    平面と光ファイバの光軸との角度と、他方の傾斜平面と
    光ファイバの光軸との角度との差が10゜以内である請
    求項18のLDモジュール。
  20. 【請求項20】 前記凸型ファイバレンズの2つの傾斜
    平面が交わる直線と光ファイバの光軸との距離が1μm
    以下である請求項18のLDモジュール。
  21. 【請求項21】 前記凸型ファイバレンズの先端面と光
    ファイバの光軸に直交する平面との角度が6〜15゜で
    ある請求項12のLDモジュール。
  22. 【請求項22】 前記凸型ファイバレンズの一方の傾斜
    連続面と先端面との交線と、他方の傾斜連続面と先端面
    との交線が平行である請求項12のLDモジュール。
  23. 【請求項23】 前記凸型ファイバレンズの一方の傾斜
    連続面と先端面との交線が、他方の傾斜連続面と先端面
    との交線よりも先端方向に位置する請求項12のLDモ
    ジュール。
  24. 【請求項24】 前記凸型ファイバレンズの2つの傾斜
    連続面で形成される稜線が存在する請求項12のLDモ
    ジュール。
  25. 【請求項25】 前記凸型ファイバレンズの2つの傾斜
    連続面で形成される稜線が存在しない請求項12のLD
    モジュール。
  26. 【請求項26】 前記凸型ファイバレンズの先端面の幅
    がファイバのモードフィールド径よりも小さい請求項1
    2のLDモジュール。
  27. 【請求項27】 前記凸型ファイバレンズの表面に無反
    射コーティングを有する請求項1のLDモジュール。
  28. 【請求項28】 前記光ファイバがシングルモード光フ
    ァイバである請求項1のLDモジュール。
  29. 【請求項29】 前記LD光源の透光窓にレンズ系の一
    部が組み込まれている請求項1のLDモジュール。
  30. 【請求項30】 前記レンズ系のLD光の結像倍率が
    0.5〜10倍である請求項1のLDモジュール。
  31. 【請求項31】 前記光ファイバが、LDチップから照
    射されたLD光をプラグ反射することにより、LD光の
    中心波長を固定する外部共振器としての機能を有する請
    求項1のLDモジュール。
  32. 【請求項32】 外部共振器の反射率Rg、LD光源と
    光ファイバとの結合効率Kとした場合の有効反射率K2
    RgがLD前端面の反射率Rよりも大きい請求項26の
    LDモジュール。
  33. 【請求項33】 LD光の中心波長が500〜1400
    nmである請求項1のLDモジュール。
  34. 【請求項34】 LD光の中心波長が700〜1000
    nmである請求項33のLDモジュール。
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