JP2000081412A - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガスセンサの製造方法

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JP2000081412A
JP2000081412A JP10251176A JP25117698A JP2000081412A JP 2000081412 A JP2000081412 A JP 2000081412A JP 10251176 A JP10251176 A JP 10251176A JP 25117698 A JP25117698 A JP 25117698A JP 2000081412 A JP2000081412 A JP 2000081412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングとセラミックセパレータとの間の
シール性に優れ、ひいては検出素子を水等の漏れ込みか
ら確実に保護しうる構造を有したガスセンサを提供す
る。 【解決手段】 ケーシングを構成する内筒部材14及び
外筒部材54とセラミックセパレータ18との間が、セ
ラミックセパレータ18のフランジ部18aの前端面と
内筒部材14の開口端面と外筒部材54の内面とにそれ
ぞれ接するシール部材40でシールされる。また、外筒
部材54には、内面側のシール部材40との当接位置に
対応して自身を周方向に沿って内向きに凹ませることに
より、シール部材40を横方向から圧縮する環状のシー
ル加締部65が形成されている。シール部材40をシー
ル加締部65により横方向に圧縮することで、該シール
部材40と外筒部材54の内面との間のシール性を大幅
に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素センサ、HC
センサ、NOセンサなど、測定対象となるガス中の被
検出成分を検出するためのガスセンサとその製造方法と
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上述のようなガスセンサとし
て、被検出成分を検出する検出部が先端に形成された棒
状ないし筒状の検出素子を、金属製のケーシングの内側
に配置した構造のものが知られている。このようなセン
サには、図16に示すように、検出素子あるいはそれを
加熱するための発熱体からの各リード線108を通すた
めのセラミックセパレータ105が設けられている。例
えば、ケーシングを内筒部材100と外筒部材101と
で構成し、セラミックセパレータ105を内筒部材10
0内に挿入する。セラミックセパレータ105の後端部
には外向きに張り出すフランジ部105aを形成し、こ
れを内筒部材100の開口端面部に係止させる。そし
て、その外側から外筒部材101を被せ、その後端開口
部をグロメット107で封止する。
【0003】また、セラミックセパレータ105のフラ
ンジ部105aの前端面と、内筒部材100の開口端面
と外筒部材101の内面とをシールするゴム製のシール
部材106が配置される。このシール部材106は、フ
ランジ部105aと内筒部材100との間で軸線方向に
圧縮され、それにより横方向にも変形して外筒部材10
1の内面と密着してこれをシールすることとなる。
【0004】一方、ケーシング内に外気を導くために、
外筒部材101と内筒部材100との間に撥水性のフィ
ルタ103を配した構造のセンサもある。外気は外筒部
材101側の貫通孔104からフィルタ103を経て内
筒部材100の貫通孔102を通り、内側に導かれる。
このような構造のセンサの組立ては、従来次のようにし
て行っていた。すなわち、図17(a)に示すように、
内筒部材100の外側にフィルタ103を装着し、次い
でリング状のシール部材106を嵌め込んだセラミック
セパレータ105を内筒部材100の開口端部に挿入
し、シール部材を106をフランジ部105aと内筒部
材100の開口端縁との間で圧縮する。次いで、(b)
に示すように、外側から外筒部材101を被せ、図16
のように加締部109,110を形成して固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構造のセンサで
は、外筒部材101の内面とセラミックセパレータ10
5との間のシールを、シール部材106の軸線方向の圧
縮に伴う横方向の変位のみに頼る形となっている。しか
しながら、シール部材106の横方向の変形量は、製造
条件や寸法ばらつき等により必ずしも一定しないことが
多く、また、仮に一定の横変形量が確保できたとして
も、外筒部材101の内径がばらつき等によって大きく
なり過ぎるとシール性能が不足しやすくなる問題があ
る。また、該シール部材106は飛石等の衝撃を受けや
すい外筒部材101の角部に位置しており、また高熱付
加による永久歪も蓄積しやすく、長期にわたって使用す
るうちに、シール性を確実に維持することが困難になる
こともある。
【0006】他方、フィルタ103を有するセンサ構造
の場合、図17に示した従来の製法では、外筒部材10
1の内面との間のシール性を十分に確保するために、シ
ール部材106を大きく弾性変形させた状態で外筒部材
101を被せるようにしている。ところが、この方法の
場合、シール部材106が横方向に大きく変形・突出し
た状態で外筒部材101が被せられるので、シール部材
106の側面が外筒部材101の内面に強く擦られて垂
れてしまうことがある。このような状態になると、シー
ル部材106と外筒部材101との間のシール性が十分
に確保できなくなる場合がある。また、シール部材10
6の垂れにより、フィルタ103の対応する縁がしわ寄
せられたりずり下げられたりすると、フィルタ103が
加締部109(図16)から外れてしまい、水滴等のケ
ーシング内への漏洩が生じやすくなることもある。な
お、このようなフィルタ103に生ずる不具合は、外筒
部材101の内側で発生するので、目視によりこれを発
見することは不可能に近い。
【0007】本発明の課題は、ケーシングとセラミック
セパレータとの間のシール性に優れ、ひいては検出素子
を水等の漏れ込みから確実に保護しうる構造を有したガ
スセンサ及び製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために本発明のガスセンサは、筒状のケーシ
ングの内側に検出素子が配置され、ケーシングは、内筒
部材と、その後端側に結合される外筒部材とを有し、そ
の内筒部材に対し後端側開口部から内側に挿入されると
ともに、周方向に形成されたフランジ部において該内筒
部材の開口端面により支持され、少なくとも前記検出素
子からのものを含む複数のリード線がそれぞれ挿通され
る複数のリード線挿通孔が軸線方向に貫通して形成され
たセラミックセパレータが設けられ、セラミックセパレ
ータのフランジ部前端面と内筒部材の開口端面と外筒部
材内面とにそれぞれ接してそれらをシールするシール部
材を備えるとともに、外筒部材には、内面側のシール部
材との当接位置に対応して自身を周方向に沿って内向き
に凹ませることにより、シール部材を横方向から圧縮す
る環状のシール加締部が形成されていることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明のガスセンサの製造方法は、
内筒部材の後端部内側にセラミックセパレータを挿入
し、そのセラミックセパレータの外周面に形成されたフ
ランジ部を内筒部材の開口端面において支持させ、その
状態で内筒部材の後端部及びセラミックセパレータを外
側から外筒部材にて覆うとともに、セラミックセパレー
タのフランジ部前端面と内筒部材の開口端面との間にシ
ール部材を圧縮状態にて配した構造を有するガスセンサ
の製造方法に関する。そして、その第一は、上記本発明
のガスセンサを製造するために、フランジ部と内筒部材
の開口端面との間にシール部材を位置させた状態で、該
内筒部材の後端部内側にセラミックセパレータを挿入
し、内筒部材の後端部及びセラミックセパレータを外側
から外筒部材にて覆う外筒部材組付工程と、外筒部材内
面に形成された外筒部材側係合部をセラミックセパレー
タのフランジ部後端面に係合させ、それら外筒部材と内
筒部材とを軸線方向に相対的に接近させることにより、
フランジ部と内筒部材の開口端面との間でシール部材を
圧縮し、それに伴う横方向の変位に基づき外筒部材内面
に密着した状態とするシール圧縮工程と、シール部材の
圧縮状態を維持しつつ外筒部材を内筒部材に対して固定
する固定工程と、外筒部材に対し、内面側のシール部材
との当接位置に対応してこれを周方向に沿って内向きに
凹ませることによりシール部材を横方向から圧縮する、
環状のシール加締部を形成するシール加締部形成工程
と、を有することを特徴とする。
【0010】上記本発明のガスセンサ及びその製造方法
においては、内筒部材とシール部材との当接位置に対応
して外筒部材に環状のシール加締部を形成するようにし
た。これにより、シール部材がそのシール加締部により
横方向にも圧縮され、シール部材と外筒部材内面との間
のシール性を大幅に向上させることができ、ひいては検
出素子側への水等の漏洩を確実に阻止することができ
る。
【0011】次に、本発明のガスセンサの製造方法の第
二は、フランジ部と内筒部材の開口端面との間にシール
部材を位置させた状態で、該内筒部材の後端部内側にセ
ラミックセパレータを挿入するとともに、フランジ部と
内筒部材の開口端面との間にてシール部材を最終的な圧
縮量よりも小さい予備圧縮状態又は非圧縮状態(以下、
これらを総称して圧縮準備状態という)とする圧縮準備
工程と、次いで、圧縮準備状態を維持しつつ内筒部材の
後端部及びセラミックセパレータを外側から外筒部材に
て覆う外筒部材組付工程と、外筒部材内面に形成された
外筒部材側係合部をセラミックセパレータのフランジ部
後端面に係合させ、それら外筒部材と内筒部材とを軸線
方向に相対的に接近させることにより、フランジ部と内
筒部材の開口端面との間でシール部材を最終的な圧縮量
に到達するまで本圧縮し、それに伴う横方向の変位によ
り外筒部材内面に密着した状態とするシール圧縮工程
と、該シール部材の圧縮状態を維持しつつ外筒部材を内
筒部材に対して固定する固定工程と、を有することを特
徴とする。
【0012】この方法では、セラミックセパレータのフ
ランジ部と内筒部材の開口端面との間にシール部材を配
し、これを最終的な圧縮量に到達させない圧縮状態又は
非圧縮状態である圧縮準備状態(すなわち、シール部材
をあまり強く圧縮しない状態)として外筒部材を被せ、
次いで外筒部材と内筒部材とを軸線方向に相対的に接近
させてシール部材を最終圧縮量となるように本圧縮する
ようにした。すなわち、外筒部材を被せる時点ではシー
ル部材の圧縮量が少なく、横方向への突出量も小さいか
ら、例えば外筒部材内面によりシール部材側面が強く擦
られて垂れることを効果的に防止ないし抑制することが
できる。これにより、シール部材の垂れ等による外筒部
材との間のシール性の低下を効果的に防止ないし抑制す
ることができる。この場合、外筒部材にシール加締部を
形成する本発明の製造方法の第一と組み合わせることに
より、さらに良好なシール性を確保できるようになるこ
とはいうまでもない。
【0013】上記本発明の製造方法の第二は、ガスセン
サが次の構成を有している場合、すなわち、内筒部材の
後端部に気体導入孔が周方向に沿って複数形成され、そ
の後端部の外側において気体導入孔を塞ぐように配置さ
れ、液体の透過は阻止し気体の透過は許容するフィルタ
が設けられ、外筒部材はフィルタを外側から覆うととも
に、周方向に複数の補助気体導入孔が形成されており、
それら補助気体導入孔の列を挟んでその両側に形成され
た環状のフィルタ加締部により、フィルタを内筒部材と
の間で挟み付けて保持するものとされたものである場合
に適用するとさらに効果的である。その際、圧縮準備工
程に先だって、内筒部材の後端部外側にフィルタを配置
するフィルタ配置工程を実施するとともに、固定工程に
おいて外筒部材は、フィルタ加締部を形成することによ
り内筒部材に固定するようようにする。これにより、シ
ール部材の垂れによるフィルタの対応する縁のしわ寄せ
やずり下がりが防止されるので、フィルタが加締部から
外れる心配が少なく、水滴等のケーシング内への漏洩を
生じにくくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に基づき説明する。図1は本発明のガスセ
ンサの一実施例たる酸素センサの内部構造を示してい
る。該酸素センサ1は、先端が閉じた中空軸状の固体電
解質部材である酸素検出素子2と、発熱体3とを備え
る。酸素検出素子2は、ジルコニア等を主体とする酸素
イオン伝導性固体電解質により中空に形成されている。
また、この酸素検出素子2の外側には金属製のケーシン
グ10が設けられている。
【0015】ケーシング10は、酸素センサ1を排気管
等の取付部に取り付けるためのねじ部9bを有する主体
金具9、その主体金具9の一方の開口部に内側が連通す
るように結合された内筒部材14、該内筒部材14とは
反対側から主体金具9に取り付けられたプロテクタ11
等を備える。図2に示すように、酸素検出素子2の内面
及び外面には、そのほぼ全面を覆うように、例えばPt
あるいはPt合金により多孔質に形成された一対の電極
層2b,2cが設けられている。なお、以下において
は、酸素検出素子2の軸方向においてその閉じた先端部
に向かう側を「前方側(あるいは先端側)」、これと反
対方向に向かう側を「後方側(あるいは後端側)」とし
て説明を行う。
【0016】図1に戻り、主体金具9の後方側の開口部
には、前述の内筒部材14がインシュレータ6との間に
リング15を介して加締められ、この内筒部材14にさ
らに外筒部材54が外側から嵌合・固定されている。こ
の外筒部材54の後方側の開口はゴム(例えばシリコン
ゴム)等で構成されたグロメット(弾性シール部材)1
7で封止され、またこれに続いてさらに内方にセラミッ
クセパレータ18が設けられている。そして、それらセ
ラミックセパレータ18及びグロメット17を貫通する
ように、酸素検出素子2用のリード線20,21及び発
熱体3用のリード線19,22が配置されている。酸素
検出素子2用の一方のリード線20は、固定金具23を
経て前述の酸素検出素子2の内側の電極層2c(図2)
と電気的に接続されている。一方、他方のリード線21
は、別の固定金具33を経て、酸素検出素子2の外側の
電極層2b(図2)と電気的に接続されている。酸素検
出素子2は、その内側に配置された発熱体3で加熱する
ことで活性化される。発熱体3は棒状のセラミックヒー
タであり、抵抗発熱線部(図示せず)を有する発熱部4
2がリード線19,22(図1)を経て通電されること
により、酸素検出素子2の先端部(検出部)を加熱す
る。
【0017】次に、図3に示すように、外筒部材54
は、内筒部材14に対し後方外側からほぼ同軸的に連結
される筒状形態をなす。また、内筒部材14は、軸線方
向においてその後端寄りに形成された段付き部51によ
り、該段付き部51に関して軸方向前方側を第一部分6
1、同じく軸方向後方側を第二部分62として、該第二
部分62が第一部分61よりも径小となるように構成さ
れ、その第二部分62には周方向の複数の気体導入孔5
2が形成されている。また、第二部分62の外側には、
上記気体導入孔52を塞ぐ筒状のフィルタ53が配置さ
れ、さらに、そのフィルタ53の外側が外筒部材54に
より覆われている。なお、フィルタ53は、例えばポリ
テトラフルオロエチレンの多孔質繊維構造体(商品名:
例えばゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株)))
等により、水滴等の水を主体とする液体の透過は阻止
し、かつ空気及び/又は水蒸気などの気体の透過は許容
する撥水性フィルタとして構成されている。
【0018】一方、フィルタ53に対応する位置におい
て外筒部材54の壁部には、周方向に所定の間隔で複数
の補助気体導入孔55が形成されるとともに、それら補
助気体導入孔55の列を挟んで両側に、フィルタ53を
自身と内筒部材14の第二部分62との間で圧着固定す
る環状のフィルタ加締部56,57が形成されている。
これにより、補助気体導入孔55からフィルタ53を経
て気体導入孔52より、基準ガスとしての大気(外気)
が内筒部材14(ケーシング10)内に導入されるとと
もに、水滴等の液体状態の水は内筒部材14内に侵入す
ることが阻止されるようになっている。他方、外筒部材
54は、第一部分61において内筒部材14に対し外側
からこれに重なりを生じるように配置され、その重なり
部には周方向の環状の外筒/内筒連結加締部75が形成
されている。この外筒/内筒連結加締部75により、外
筒部材54が内筒部材14に対して結合される。
【0019】図1に戻り、主体金具9の前方側開口部に
は筒状のプロテクタ装着部9aが形成され、ここに、酸
素検出素子2の先端側(検出部)を所定の空間を隔てて
覆うようにキャップ状のプロテクタ11が装着されてい
る。図示はしていないが、プロテクタ11には、排気ガ
スを透過させる複数のガス透過口が貫通形態で形成され
ている。なお、図1において、センサ1の全長L1は、
例えば約93mmである。
【0020】上記酸素センサ1においては、前述の通り
外筒部材54のフィルタ53を介して基準ガスとしての
大気が導入される一方、酸素検出素子2の外面にはプロ
テクタ11のガス透過口を介して導入された排気ガスが
接触し、該酸素検出素子2には、その内外面の酸素濃度
差に応じて酸素濃淡電池起電力が生じる。そして、この
酸素濃淡電池起電力を、排気ガス中の酸素濃度の検出信
号として電極層2b,2c(図2)からリード線21,
20を介して取り出すことにより、排気ガス中の酸素濃
度を検出できる。
【0021】次に、図3に示すように、セラミックセパ
レータ18は、内筒部材14に対し後端側開口部から内
側に挿入されるとともに、自身の後端部に周方向に形成
されたフランジ部18aにおいて内筒部材14の開口端
面により支持され、各リード線19〜22がそれぞれ挿
通される複数のリード線挿通孔18bが軸線方向に貫通
して形成されている。他方、外筒部材54の後端部は、
セラミックセパレータ18の後端面よりも突出するとと
もに、その突出部基端側に形成された周方向の段部54
aにより縮径されており、前記したグロメット17は、
その縮径部54b内に配置されている。
【0022】また、セラミックセパレータ18のフラン
ジ部18aの前端面と内筒部材14の開口端面と外筒部
材54の内面とにそれぞれ接する形で、それらをシール
するリング状のシール部材40が、セラミックセパレー
タ18の基端部に嵌め込まれる形で配置されている。そ
して、外筒部材54には、内面側のシール部材40との
当接位置に対応して自身を周方向に沿って内向きに凹ま
せることにより、シール部材40を横方向から圧縮する
環状のシール加締部65が形成されている。シール部材
40をシール加締部65により横方向に圧縮すること
で、該シール部材40と外筒部材54の内面との間の密
着状態、すなわちシール性を大幅に向上させることがで
きる。
【0023】具体的には、シール加締部65は、フィル
タ加締部56,57のうち外筒部材54の軸線方向後方
側に位置するもの、すなわち後方側フィルタ加締部56
よりも軸線方向後方側に形成されている。後方側フィル
タ加締部56を形成すると、外筒部材54のそれよりも
後方側に隣接する部分、すなわちシール部材40に対応
する部分が半径方向外向きに拡がるように変形しやす
く、シール部材40と外筒部材54との間の密着が特に
弛みやすい。そこで、該部分にシール加締部65を形成
すれば、フィルタ加締部56を形成する場合においても
シール部材40の密着弛みを極めて効果的に防止するこ
とができる。
【0024】また、外筒部材54の軸線方向において、
シール加締部65は後方側フィルタ加締部56に連なる
形態で形成されている。このようにすることで、図10
(a)に示すように、シール加締部65と後方側フィル
タ加締部56とを、共通の加締パンチの凸条部252の
先端に形成された一連のパンチ面251c,251bに
より、容易に一括形成することができる。さらに、この
ように隣接する2つの加締部65,56を共通のパンチ
の凸条部252により一括形成すれば、一方の加締部形
成に伴う被加工材(外筒部材)の浮き上がりの影響が他
方の加締部に及びにくくなり、シール部材40(図3)
の弛みを一層生じにくくすることができる。
【0025】また、本実施例においては、外筒部材54
の軸線Oを含む断面において、シール加締部65が、後
方側フィルタ加締部56の底に向けて下る斜面状に形成
されている。シール加締部65をこのような形態とする
ことで、シール部材40をより効果的に横方向に圧縮す
ることができ、シール性を一層向上させることができ
る。この場合、シール加締部65は、外筒部材54の軸
線Oとのなす角度θが5〜30°の範囲に調整されてい
るのがよい。θが5°未満になるとシール部材40の横
圧縮量が小さくなり、十分なシール性向上効果が期待で
きなくなる場合がある。また、θが30°を超えるとシ
ール部材40が過度に横圧縮されて損傷しやすくなり、
却ってシール性が損なわれる場合がある。なお、上記θ
は、望ましくは10〜20°の範囲で調整するのがよ
い。また、シール加締部65は、図10(b)に示すよ
うに、内向きに凹んだアール面状に形成してもよい。
【0026】次に、図3に戻り外筒部材54の段部54
aの内面とセラミックセパレータ18(フランジ部18
a)の後端面外縁との間には、両者をシールする補助シ
ール部材41が設けられている。該補助シール部材41
は、セラミックセパレータ18の後端面外縁に沿うリン
グ状に形成されており、部品点数削減のため、図4及び
図5に示すように、グロメット17の外周面に一体化さ
れている。また、セラミックセパレータ18とグロメッ
ト17及び補助シール部材41との間のシール性をより
良好なものとするために、セラミックセパレータ18の
後端面とフランジ部18aの後端面、及びグロメット1
7の前端面と補助シール部材41の前端面をそれぞれ面
一として、それらを互いに密着させている。
【0027】内筒部材14、外筒部材54及びセラミッ
クセパレータ18の間が、2つのシール部材40,41
によりいわば2段階にシールされているので、検出素子
2側への水等の漏洩を確実に阻止することができる。ま
た、フィルタ53の熱影響による収縮等によりフィルタ
加締部56の気密性が損なわれ、かつシール部材40の
シール性が低下して、補助気体導入孔55等からの水滴
が漏れ込んできても、補助シール部材41により、これ
がグロメット17とセパレータ18との間に侵入するこ
と、ひいてはリード線挿通孔18b等を通ってさらに内
側に漏れ込むことを確実に防止することができる。
【0028】本実施例では、補助シール部材41は、図
4に示すように、グロメット17の外周面に鍔状形態で
一体化されており、図5(a)に示すように、その鍔状
の補助シール部材41の外縁部はグロメット17への接
続基端側よりも厚肉に形成されている。そして図6
(a)及び(b)に示すように、外縁部に形成されたそ
の厚肉部41aは、段部54aの内面とセラミックセパ
レータ18との間で軸線方向に圧縮することによりつぶ
れるのでシール性能が一層向上する。なお、本実施例で
は厚肉部41aは、略円状断面としている。これによ
り、段部54aの内面とセラミックセパレータ18との
間が環状経路に沿って線接触状態でシールされるので、
シール性能がさらに良好となる。ただし、厚肉部41a
は、図5(d)に示すように、矩形断面等、他の断面形
状を有するものとして形成してもよい。また、シール部
材40によるシールのみで十分な場合は、補助シール部
材41を省略する構成としてもよい。
【0029】次に、図3に示すように、前述のリード線
19〜22は、内筒部材14を経て外筒部材54の後端
開口部から外側に延出するとともに、前記したグロメッ
ト17は、外筒部材54の後端部内側において、その開
口端から軸線方向に所定距離だけ入り込んだ位置に配置
されている。また、該グロメット17よりも後方側にお
いて外筒部材54の後端部内側には、グロメット17か
ら後方側に伸びるリード線19〜22を一体的に覆う被
覆部材24(例えばEPDMゴムで構成される)の先端
側が挿入されている。ここで、複数のリード線19〜2
2は、外筒部材54の軸線方向に伸びる加締受け部材2
5を取り囲む形態で配置されている。そして、外筒部材
54には、被覆部材24及びリード線19〜22を介し
て加締受け部材25に向けて縮径する周方向の加締部2
6,27が、例えば軸線方向に所定の間隔で2箇所形成
されている。これら加締部26,27において外筒部材
54の内面と被覆部材24の外面との間がシールされて
いる。加締受け部材25で加圧力を受けとめることで、
被覆部材24に対し周方向に均一な加締力が付加するこ
とができる。
【0030】図4及び図5に示すように、加締受け部材
25は、部品点数削減のためグロメット17の後端面か
ら突出する形態でこれと一体化されている。また、図5
(b)に示すように、加締受け部材25の外周面には、
リード線19〜22(図3)を安定に支持するために、
各リード線19〜22の断面に倣う内面形状を有する溝
部28が、それぞれ軸線方向に形成されている。図5
(c)に示すように、リード線19〜22は、それぞれ
対応する溝部28に収容される形で加締受け部材25に
当接する形となる。なお、グロメット17には、リード
線挿通孔17aが該グロメット17の軸線Oを取り囲む
形態で複数孔設されており、加締受け部材25は、該グ
ロメット17端面のリード線挿通孔17aに取り囲まれ
た領域から突出する形で設けられている。そして、加締
受け部材25の外周面には、各リード線挿通孔17aの
延長に対応する位置に溝部28が形成されている。
【0031】図6〜図9は、センサ1の、本発明の要部
に係る部分の組立工程の流れを示すものである。まず、
図6(a)に示すように、セラミックセパレータ18及
びグロメット17にリード線19〜22を挿通し、さら
に固定金具23に発熱体3を挿通・固定することにより
第一アセンブリ80(「臓物」とも称される)を作製す
る。なお、セラミックセパレータ18の基端部には、シ
ール部材40を装着しておく。他方、図6(b)に示す
ように、主体金具9の内側に検出素子2を配し、さらに
内筒部材14を組み付けて第二アセンブリ81を作製す
る。なお、内筒部材14の第二部分62(後端部)に
は、筒状のフィルタ53を装着しておく。このフィルタ
53は、前端縁が段付部51に当たることで軸線方向の
位置決めがなされる。
【0032】そして、図7に示すように、第一アセンブ
リ80を第二アセンブリ81内に挿入する。セラミック
セパレータ18は内筒部材14内に挿入される一方、発
熱体3は検出素子2の内側に挿入される。他方、セラミ
ックセパレータ18の基端部に嵌め込まれたシール部材
40は、フランジ部18aと内筒部材14の開口端面と
の間に位置した状態となる。なお、固定金具23は中空
の検出素子2の内側に篏入され、内側の電極層2c(図
2)と接した状態で摩擦固定される。他方、固定金具3
3の下端側には、検出素子2の外面と接続するための接
続部66が一体化されている。この接続部66は、例え
ば筒状に形成されて検出素子2の開口端部外面に摩擦嵌
合し、外側の電極層2b(図2)と電気的に接続する。
【0033】このとき、第一アセンブリ80の第二アセ
ンブリ81内への押込量を調整することにより、図8
(b)に示すように、フランジ部18aと内筒部材の開
口端面との間にてシール部材40が、図9(b)に示す
最終的な圧縮量よりも小さい予備圧縮状態又は非圧縮状
態となる圧縮準備状態とする。具体的には、シール部材
40がフランジ部18aと内筒部材14と軽く接したよ
うな状態であり、圧縮による顕著なつぶれ(すなわち横
方向への変位)が生じないようにしておく。
【0034】続いて、図9(a)に示すように、上記圧
縮準備状態を維持しつつ内筒部材14の後端部(第二部
分62)及びセラミックセパレータ18を外側から外筒
部材54にて覆う。このとき、シール部材40は横方向
へのつぶれ変形がほとんど生じていないので、外筒部材
54の内面に側面が擦られて垂れたりする心配がない。
次いで、(a)に示すように、外筒部材54を軸線方向
に加圧する。このとき、段部54aの内面(外筒部材側
係合部)がセラミックセパレータ18のフランジ部18
aの後端面と係合し、加圧により外筒部材54と内筒部
材14とが軸線方向に相対的に接近して、フランジ部1
8aと内筒部材14の開口端面との間でシール部材40
が圧縮される。これにより、シール部材40は、横方向
につぶれて外筒部材54の内面と密着し、セラミックセ
パレータ18との間にシール状態を形成する。他方、補
助シール部材41は、段部54aの内面とセラミックセ
パレータ18の後端面との間で厚肉部41aが圧縮さ
れ、両者の間をシールする。
【0035】一方、リード線19〜22の外側に被せら
れている被覆部材24は、その前端部を外筒部材54の
縮径部54b内に挿入しておく。そして、(b)の加圧
状態を保持しつつ、(d)に示すように、加締部26,
27,56(及び、図示はしていないが57:図3参
照)を形成して組立が完了する。ここで、図8(a)に
示すように、外筒部材54は、補助気体導入孔55の列
の両側においてそれぞれフィルタ部に向けて周方向に加
締めることにより、図3のフィルタ加締部56,57が
形成される。
【0036】フィルタ加締部56,57は、図8(b)
に示すように、外筒部材54の周方向に沿って配置され
た複数の加締パンチ251を用いて、該外筒部材54を
半径方向に圧縮することにより形成することができる。
各加締パンチ251の内周面は互いに連なって外筒部材
54の外周面に対応する筒状面を形成するとともに、そ
れぞれ外筒部材54の外周面に対して接近・離間可能と
され、図示しないパンチ駆動部により外筒部材54に対
し一斉に接近してこれを圧縮するようになっている。
【0037】そして、各加締めパンチ251の軸方向両
端縁には凸条部252,253が形成され、それぞれ外
筒部材54の外周面に押し付けられてそれぞれ弧状の凹
部を形成し、これが周方向に連なることでフィルタ加締
部56,57となる。ここで、後方側の凸条部252の
先端には、後方側フィルタ加締部56を形成するための
パンチ面251bと、シール加締部65を形成するため
のパンチ面251cが互いに連なった形で形成されてお
り、加締パンチ251を外筒部材54の外周面に接近さ
せることで、後方側フィルタ加締部56及びシール加締
部65(さらには前方側フィルタ加締部57)が一括形
成されることとなる。これら加締部56,57,65の
形成により、シール部材40の圧縮状態が維持されつ
つ、外筒部材54は内筒部材14に対して固定されるこ
ととなる。
【0038】なお、本発明のセンサにおいては、図11
及び図12に示すように、補助シール部材41をグロメ
ット17と別体に形成することもできる。図11では、
補助シール部材41はリード線挿通孔17aが形成され
た円板状とされ、グロメット17とセラミックセパレー
タ18との間に挟み込まれている。他方、図12では、
補助シール部材41はグロメット17の前端部外側に配
置されるリング状に形成されている。
【0039】また、図13に示すように、加締受け部材
25を、グロメット17のリード線挿通孔17aよりも
外側に位置する部分と異なる材質で構成することもでき
る。例えばグロメット17をゴムで構成する場合、加締
受け部材25をそれよりも硬質の材料、例えばセラミッ
ク、金属あるいは硬質プラスチック等で構成することが
できる。これにより、加締部26,27を形成する際の
加締め力をより確実に受けとめることができるようにな
る。なお、図13では、加締受け部材25とグロメット
17の中心部分(4つのリード線挿通孔17aに囲まれ
た部分)とが一体の芯材125として構成されている。
この場合、芯材125とグロメット17の外側部分17
cとを各々別体に形成しておき、後工程において芯材1
25を外側部分17cの中心に挿入する形で一体化して
もよいし、インサート成形等により芯材125と外側部
分17cとをはじめから一体化する形で製造してもよ
い。
【0040】また、図14に示すように、加締受け部材
25とグロメット17とを別体に形成してもよい。な
お、図15に示すように、被覆部材24を外筒部材54
に対して加締止めしない構成では、当然のことながら、
加締受け部材を省略することができる。
【0041】なお、以上説明した本発明のセンサの構造
は、酸素センサ以外のガスセンサ、例えばHCセンサや
NOセンサなどにも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサの一実施例たる酸素センサ
の内部構造を示す縦断面図。
【図2】図1の、発熱部及び固定金具と酸素検出素子と
の接触部付近を拡大して示す断面図。
【図3】図1のガスセンサの要部を示す拡大縦断面図。
【図4】加締受け部材及び補助シール部材が一体化され
たグロメットの一例を示す斜視図。
【図5】図4のグロメットの正面図、平面図及び各部の
拡大図。
【図6】図1のセンサの組立工程の一例を示す説明図。
【図7】図6に続く説明図。
【図8】図7に続く説明図。
【図9】図3に示すセンサ要部の組立工程の一連の流れ
を示す説明図。
【図10】図3のシール加締部の近傍を拡大して示す断
面図、及びシール加締部の変形例を示す断面図。
【図11】図1のセンサの第一の変形例の要部を示す縦
断面図。
【図12】同じく第二の変形例の要部を示す縦断面図。
【図13】同じく第三の変形例の要部を示す縦断面図。
【図14】同じく第四の変形例の要部を示す縦断面図。
【図15】同じく第五の変形例の要部を示す縦断面図。
【図16】従来のセンサの要部縦断面図。
【図17】その組立工程の問題点を説明する図。
【符号の説明】
1 酸素センサ(ガスセンサ) 2 酸素検出素子(検出素子) 9 主体金具 10 ケーシング 14 内筒部材 18 セラミックセパレータ 18a フランジ部 40 シール部材 52 気体導入孔 53 フィルタ 54 外筒部材 54a 段部(外筒部材側係合部) 55 補助気体導入孔 56,57 フィルタ加締部 65 シール加締部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングの内側に検出素子が配
    置され、 前記ケーシングは、内筒部材と、その後端側に結合され
    る外筒部材とを有し、 その内筒部材に対し後端側開口部から内側に挿入される
    とともに、周方向に形成されたフランジ部において該内
    筒部材の開口端面により支持され、少なくとも前記検出
    素子からのものを含む複数のリード線がそれぞれ挿通さ
    れる複数のリード線挿通孔が軸線方向に貫通して形成さ
    れたセラミックセパレータが設けられ、 前記セラミックセパレータのフランジ部前端面と前記内
    筒部材の開口端面と前記外筒部材内面とにそれぞれ接し
    てそれらをシールするシール部材を備えるとともに、 前記外筒部材には、内面側の前記シール部材との当接位
    置に対応して自身を周方向に沿って内向きに凹ませるこ
    とにより、前記シール部材を横方向から圧縮する環状の
    シール加締部が形成されていることを特徴とするガスセ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記内筒部材の後端部には気体導入孔が
    周方向に沿って複数形成されており、 その後端部の外側において前記気体導入孔を塞ぐように
    配置され、液体の透過は阻止し気体の透過は許容するフ
    ィルタが設けられ、 前記外筒部材は前記フィルタを外側から覆うとともに、
    周方向に複数の補助気体導入孔が形成されており、それ
    ら補助気体導入孔の列を挟んでその両側に形成された環
    状のフィルタ加締部により、前記フィルタを前記内筒部
    材との間で挟み付けて保持するものとされており、 前記シール加締部は、前記フィルタ加締部のうち前記外
    筒部材の軸線方向後方側に位置するもの(以下、後方側
    フィルタ加締部という)よりも後方側に形成されている
    請求項1記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記外筒部材の前記軸線方向において、
    前記シール加締部は前記後方側フィルタ加締部に連なる
    形態で形成されている請求項2記載のガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記外筒部材の軸線を含む断面におい
    て、前記シール加締部は、前記後方側フィルタ加締部の
    底に向けて下る斜面状に形成されている請求項3記載の
    ガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記シール加締部は、前記外筒部材の軸
    線とのなす角度が5〜30°の範囲に調整されている請
    求項4記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 内筒部材の後端部内側にセラミックセパ
    レータを挿入し、そのセラミックセパレータの外周面に
    形成されたフランジ部を前記内筒部材の開口端面におい
    て支持させ、その状態で前記内筒部材の後端部及び前記
    セラミックセパレータを外側から外筒部材にて覆うとと
    もに、前記セラミックセパレータのフランジ部前端面と
    前記内筒部材の開口端面との間にシール部材を圧縮状態
    にて配した構造を有するガスセンサの製造方法におい
    て、 前記フランジ部と前記内筒部材の開口端面との間に前記
    シール部材を位置させた状態で、該内筒部材の後端部内
    側に前記セラミックセパレータを挿入し、前記内筒部材
    の後端部及び前記セラミックセパレータを外側から外筒
    部材にて覆う外筒部材組付工程と、 前記外筒部材内面に形成された外筒部材側係合部を前記
    セラミックセパレータの前記フランジ部後端面に係合さ
    せ、それら外筒部材と内筒部材とを軸線方向に相対的に
    接近させることにより、前記フランジ部と前記内筒部材
    の開口端面との間で前記シール部材を圧縮し、それに伴
    う横方向の変位に基づき前記外筒部材内面に密着した状
    態とするシール圧縮工程と、 前記シール部材の圧縮状態を維持しつつ前記外筒部材を
    前記内筒部材に対して固定する固定工程と、 前記外筒部材に対し、内面側の前記シール部材との当接
    位置に対応してこれを周方向に沿って内向きに凹ませる
    ことにより前記シール部材を横方向から圧縮する、環状
    のシール加締部を形成するシール加締部形成工程と、 を有することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 内筒部材の後端部内側にセラミックセパ
    レータを挿入し、そのセラミックセパレータの外周面に
    形成されたフランジ部を前記内筒部材の開口端面におい
    て支持させ、その状態で前記内筒部材の後端部及び前記
    セラミックセパレータを外側から外筒部材にて覆うとと
    もに、前記セラミックセパレータのフランジ部前端面と
    前記内筒部材の開口端面との間にシール部材を圧縮状態
    にて配した構造を有するガスセンサの製造方法におい
    て、 前記フランジ部と前記内筒部材の開口端面との間に前記
    シール部材を位置させた状態で、該内筒部材の後端部内
    側に前記セラミックセパレータを挿入するとともに、前
    記フランジ部と前記内筒部材の開口端面との間にて前記
    シール部材を、最終的な圧縮量よりも小さい予備圧縮状
    態又は非圧縮状態(以下、これらを総称して圧縮準備状
    態という)とする圧縮準備工程と、 次いで、前記圧縮準備状態を維持しつつ前記内筒部材の
    後端部及び前記セラミックセパレータを外側から外筒部
    材にて覆う外筒部材組付工程と、 前記外筒部材内面に形成された外筒部材側係合部を前記
    セラミックセパレータの前記フランジ部後端面に係合さ
    せ、それら外筒部材と内筒部材とを軸線方向に相対的に
    接近させることにより、前記フランジ部と前記内筒部材
    の開口端面との間で前記シール部材を最終的な圧縮量に
    到達するまで本圧縮し、それに伴う横方向の変位により
    前記外筒部材内面に密着した状態とするシール圧縮工程
    と、 該シール部材の圧縮状態を維持しつつ前記外筒部材を前
    記内筒部材に対して固定する固定工程と、 を有することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記外筒部材に対し、内面側の前記シー
    ル部材との当接位置に対応してこれを周方向に沿って内
    向きに凹ませることにより前記シール部材を横方向から
    圧縮する、環状のシール加締部を形成するシール加締部
    形成工程を有する請求項7記載のガスセンサの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 製造されるべきガスセンサは、 前記内筒部材の後端部には気体導入孔が周方向に沿って
    複数形成され、 その後端部の外側において前記気体導入孔を塞ぐように
    配置され、液体の透過は阻止し気体の透過は許容するフ
    ィルタが設けられ、 前記外筒部材は前記フィルタを外側から覆うとともに、
    周方向に複数の補助気体導入孔が形成されており、それ
    ら補助気体導入孔の列を挟んでその両側に形成された環
    状のフィルタ加締部により、前記フィルタを前記内筒部
    材との間で挟み付けて保持するものとされたものであ
    り、 前記圧縮準備工程に先だって、前記内筒部材の後端部外
    側に前記フィルタを配置するフィルタ配置工程を含むと
    ともに、 前記固定工程において前記外筒部材は、前記フィルタ加
    締部を形成することにより前記内筒部材に固定される請
    求項6又は8に記載のガスセンサの製造方法。
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