JP2000080236A - 水性分散体組成物及びその製造法 - Google Patents

水性分散体組成物及びその製造法

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JP2000080236A
JP2000080236A JP11188207A JP18820799A JP2000080236A JP 2000080236 A JP2000080236 A JP 2000080236A JP 11188207 A JP11188207 A JP 11188207A JP 18820799 A JP18820799 A JP 18820799A JP 2000080236 A JP2000080236 A JP 2000080236A
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Akihiro Yamazaki
章弘 山崎
Takahiro Shiguma
孝弘 志熊
Tadashi Saito
忠司 斉藤
Yasushi Takamatsu
靖 高松
Yoshihiro Fujita
義博 藤田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤組成物や塗料組成物に応用した場合
に、接着層や下地と、被接着物表面(例えば、金属表面
等)や上塗塗料との密着性が良好で、膜の耐候性や耐衝
撃性が顕著する水性分散体組成物を提供すること。 【解決手段】 分散相と連続相からなる水性分散体樹脂
組成物であって、前記連続相は、水を含有するものであ
り、該樹脂がカルボキシル基側鎖含有共重合体から構成
される共重合体粒子(A)とエポキシ基側鎖含有共重合
体から構成されている共重合体(B)より成ることを特
徴とする水性分散体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物や塗
料組成物に応用した際に、強度、透明性、耐候性、耐熱
性、防錆性、耐酸化性等に優れた接着層や塗膜を発現す
る機能を有する水性分散体組成物、及び、その製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】[特公昭63−045705号]特公昭
63−045705号公報(特開昭57−137339
号)には、水性分散体組成物及びその製法に関する技術
が開示されている。該公報に開示されている水性分散体
組成物は、共重合体(A’)に共重合体(B’)がグラ
フト重合してなる複合粒子と、共重合体(b)の単独重
合体粒子からなる水性分散体組成物であって、 水性分散体組成物中の全共重合体中に共重合体
(A’)が5〜95重量%、共重合体(B’)が5〜9
5重量%含まれ、 複合粒子に含まれる共重合体(B’)が、水性分散
体組成物中の全共重合体(b)中の5重量%以上であ
り、 共重合体(A’)がエチレンとα,β−エチレン性
不飽和カルポン酸及びその金属塩とからなる共重合体で
あり、 共重合体(B’)が下記(イ)成分5〜95重量%
と、(ロ)成分5〜95重量%よりなる共重合体、
(イ) 単独の重合体とした時のガラス転移温度が70
℃以上の、スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、アク
リロニトリル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、イタコン酸から選ばれる1種または2種
以上、(ロ) 単独の重合体とした時のガラス転移温度
が50℃以下の、メタクリル酸アルキルエステル類、ビ
ニルエステル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類か
ら選ばれる1種または2種以上、であることを特徴とす
る水性分散体組成物である。
【0003】該水性分散体組成物の製造方法は、エチレ
ンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びその金属
塩とからなる共重合体(A’)からなる水性分散体中
で、下記(イ)成分及び(ロ)成分、(イ) 単独の重
合体とした時のガラス転移温度が70℃以上の、スチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、塩
化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタ
コン酸から選ばれる1種または2種以上、(ロ) 単独
の重合体とした時のガラス転移温度が50℃以下の、メ
タクリル酸アルキルエステル類、ビニルエステル類、ハ
ロゲン化ビニル類,共役ジエン類から選ばれる1種また
は2種以上、を乳化重合して水性分散体を得ることを特
徴とする水性分散体組成物の製造方法である。
【0004】該水性分散体組成物は、透明性、基材への
密着性、アンチブロッキング性、ヒートシール性に優
れ、接着剤として広範囲に使用することができ、工業上
に非常に有利であり、また、該公報に開示されている製
造方法により、このような優れた水性分散体組成物を得
ることができる点で、極めて有意義である。
【0005】しかしながら、該水性分散体組成物を接着
剤組成物や塗料組成物として使用した際には、接着層や
塗膜の強度は、主として、共重合体(A’)、すなわ
ち、アイオノマー樹脂の熱可塑性金属イオン架橋に負っ
ており、反応性が実質的にない共重合体(B’)はほと
んど寄与していないので強度が不十分である。
【0006】したがって、該水性分散体組成物を接着剤
組成物や塗料組成物として使用した際には、接着層や塗
膜に存在するアイオノマー樹脂の熱可塑性金属イオン架
橋は、常温では共有結合による架橋点をもつ熱硬化性樹
脂と同様な諸物性を示すが、50〜70℃まで温度が上
昇すると、金属イオンクラスター内の分子運動が活発と
なり、イオン架橋点が解離しやすくなり、アイオノマー
が軟化するため、接着層や塗膜の強度が低下する場合が
ある点で、問題となる場合があった。
【0007】[特開平05−286072号]特開平0
5−286072号には、耐水性および金属等との密着
性に優れる防錆層を有するとともに、その防錆層の上に
形成された塗料等の硬化性樹脂層と防錆層の密着性にも
優れる積層体が開示されている。この積層体は、金属基
材と、アイオノマー樹脂とエポキシ基含有化合物との反
応物を主成分とする防錆層、防錆層を介して金属基材上
に積層された硬化性樹脂層により構成される。特開平0
5−286072号において、『エポキシ基含有化合
物』としては、グリシジルエーテルやグリシジルエステ
ル等の低分子量の化合物のみが例示列挙されており、エ
ポキシ樹脂等の高分子についての開示はない。
【0008】[特開平09−302303号]特開平0
9−302303号には、アイオノマー樹脂と変性エポ
キシ樹脂、及び/又は、両樹脂の反応物を含んでなり、
基材及び塗料との良好な密着性を有し、特に耐アルカリ
密着性、耐水密着性等に優れた塗膜を形成する水性分散
体組成物について開示されている。
【0009】この水性分散体組成物は、(A”)アイオ
ノマ−樹脂と、(B”)変性エポキシ樹脂、及び/又
は、(C”)成分A”と成分B”との反応物を含み、そ
の重量組成比が、 成分(A”)/{成分(B”)+成分(C”)}=99
/1〜50/50 である。なお、成分(A”)は、炭化水素から構成され
る高分子主鎖からなり、側鎖にカルボキシル基を有し、
該カルボキシル基の少なくとも1部が、金属イオンで中
和された重合体であることが好ましい。また、成分
(B”)は、例えば、芳香族系エポキシ樹脂と1価の活
性水素基含有化合物とカルボキシル基含有アクリル系樹
脂との化学反応生成物を、塩基性化合物によって中和
し、水中に自己乳化したものであることが好ましい。
【0010】特開平09−302303号において、
『エポキシ樹脂』とは、『化学大辞典』第1巻・968
頁(化学大辞典編集委員会編、1963年・共立出版発
行)にも記載されているように、分子内にエポキシ基を
少なくとも2個有するエポキシ樹脂中間体(エピクロル
ヒドリンと多価フェノールの縮合物)のエポキシ環が開
環反応により高分子量化して生成した合成樹脂をいうも
のと理解される。すなわち、エポキシ樹脂とは、エポキ
シ樹脂中間体(エポキシ基を少なくとも2個有するエピ
クロルヒドリンと多価フェノールの縮合物)と硬化剤
(エポキシ環を開環させたり、水酸基と反応する機能を
有する多官能性化合物)が反応して生成する三次元架橋
構造を有する不融性不溶性の樹脂をいう。
【0011】硬化剤の具体例としては、例えば、多官能
性のアミン類、カルボン酸、カルボン酸無水物等が挙げ
られる。
【0012】最も典型的なエポキシ樹脂中間体は、エピ
クロルヒドリンとビスフェノールA(2,2−ビス
(4’−オキシフェニル)プロパン)の縮合物(DGE
BPA、ビスフェノールAジグリシジルエーテル)であ
る。ビスフェノールA以外の二価フェノ−ル類として
は、レゾール(フェノールとホルムアルデヒドの初期縮
合物)を使用することもある。
【0013】『MARUZEN 高分子大辞典』(三田
達監訳、1994年・丸善発行)118〜122頁に
も記載されているように、エポキシ樹脂中間体の製造方
法は、式(c’)(化11)のとおりである。
【0014】
【化11】 このように、特開平09−302303号に開示されて
いる水性分散体組成物は、エポキシ樹脂系のものである
ので、接着性に優れているが、屋外耐久性は必ずしも充
分ではなく、問題となる場合があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記した従来の技術の問題点に鑑み、接着
剤組成物や塗料組成物に応用した際に、強度、透明性、
耐候性、耐熱性、防錆性、耐酸化性等に優れた接着層や
塗膜を発現する機能を有する水性分散体組成物、及び、
その製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の変性ポリ
エチレン樹脂粒子及びエポキシ基側鎖を有するエチレン
性不飽和単量体を含有する単量体を共重合して得られる
共重合体樹脂含有エマルションを、接着剤組成物や塗料
組成物に応用すると、強度、透明性、耐候性、耐熱性、
防錆性、耐酸化性等に優れた接着層や塗膜が発現される
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0017】本発明は、以下の[1]〜[29]に記載
した事項により特定される。
【0018】[1] 架橋剤を含んでなる水性分散体組
成物であって、共重合体粒子(A)および共重合体
(B)を含有してなり、前記架橋剤は、カルボキシル基
側鎖を有するポリオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/
又は、エポキシ基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応す
る機能を有する架橋剤(C)であることを特徴とする水
性分散体組成物。 [2] 架橋剤を含んでなる水性分散体組成物であっ
て、共重合体粒子(A)および共重合体(B)を混合し
てなり、前記架橋剤は、カルボキシル基側鎖を有するポ
リオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポキシ
基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有する
架橋剤(C)であることを特徴とする[1]に記載した
水性分散体組成物。
【0019】[3] 共重合体粒子(A)を構成するカ
ルボキシル基側鎖含有共重合体の主鎖骨格、及び、共重
合体(B)を構成するエポキシ基側鎖含有共重合体の主
鎖骨格が、ポリオレフィン系のものであることを特徴と
する[1]又は[2]に記載した水性分散体組成物。
【0020】[4] 共重合体粒子(A)が、前記共重
合体粒子(A)を構成する共重合体の重量を基準とし
て、一般式(A−01)、(A−02)、及び、(A−
03)[化12]からなる群から選択された少なくとも
一種のカルボキシル基側鎖を有する繰り返し単位を5〜
40重量%有する共重合体から構成されたものである、
[1]乃至[3]の何れかに記載した水性分散体組成
物。
【0021】
【化12】 (一般式(A−02)において、Rは、それぞれ同一で
も別個でもよく、Hもしくは炭素数1〜4のアルキル
基、ヒドロキシアルキル基を表す。一般式(A−03)
において、M+は、1価の金属イオンを表す。) [5] M+が、アルカリ金属イオンである、[4]に
記載した水性分散体組成物。
【0022】[6] 共重合体(B)が、前記共重合体
(B)を構成する共重合体の重量を基準として、一般式
(B−01)、及び、(B−02)[化13]からなる
群から選択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有
する繰り返し単位を0.1〜80重量%有するものであ
る[1]乃至[5]の何れかに記載した水性分散体組成
物。
【0023】
【化13】 [7] 共重合体粒子(A)が、前記共重合体粒子
(A)を構成する共重合体の重量を基準として、一般式
(A−11)、(A−12)、及び、(A−13)[化
14]からなる群から選択された少なくとも一種のカル
ボキシル基側鎖を有する繰り返し単位を5〜40重量%
有する共重合体から構成されたものである、[1]乃至
[3]の何れかに記載した水性分散体組成物。
【0024】
【化14】 (一般式(A−11)、(A−12)、及び、(A−1
3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は、炭素
原子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−1
2)において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、
Hもしくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
キル基を表す。一般式(A−13)において、M+は、
1価の金属イオンを表す。) [8] M+が、アルカリ金属イオンである[7]に記
載した水性分散体組成物。
【0025】[9] 共重合体(B)が、前記共重合体
(B)を構成する共重合体の重量を基準として、一般式
(B−11)、(B−12)及び(B−13)[化1
5]からなる群から選択された少なくとも一種のエポキ
シ基側鎖を有する繰り返し単位を0.1〜80重量%有
するものである[1]、[2]、[3]、[7]及び
[8]の何れかに記載した水性分散体組成物。
【0026】
【化15】 (一般式(B−11)、(B−12)及び(B−13)
において、RB11、RB12及びRB13は、それぞれ独立し
て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
1〜20の炭化水素基を表す。) [10] 共重合体(B)が前記共重合体(B)を構成
する共重合体の重量を基準として、一般式(B−2
1)、(B−22)、(B−23)、(B−24)、
(B−25)、(B−26)及び(B−27)[化1
6]からなる群から選択された少なくとも一種のエポキ
シ基側鎖を有さない繰り返し単位を20〜99.9重量
%有するものである、[1]乃至[9]の何れかに記載
した水性分散体組成物。
【0027】
【化16】 (一般式(B−21)、(B−22)、(B−23)、
(B−24)、(B−25)、(B−26)及び(B−
27)における記号は、以下のとおりである。RB21a
B22a、RB23a、RB24、RB26またはRB27は、それぞ
れ独立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭
素原子数1〜20の炭化水素基を表す。RB21b及びR
B22bは、水素原子、または炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、又は、炭素原子数1〜20のアルケン基若しくは
芳香族基を表す。RB23bは、それぞれ独立して、同一で
も別個でもよい水素原子、又は炭素原子数1〜20の炭
化水素基を表す。RB25は、炭素原子数1〜10の側鎖
を有するか、又は、側鎖を有さない、飽和、又は、不飽
和の炭化水素基を表す。) [11] 共重合体粒子(A)と共重合体(B)が、重
量比で30:70〜95:5の範囲にあることを特徴と
する[1]乃至[10]の何れかに記載した水性分散体
組成物。
【0028】[12] カルボキシル基側鎖を有するポ
リオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポキシ
基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有する
架橋剤が、アミノ樹脂であることを特徴とする、[1]
乃至[11]の何れかに記載した水性分散体組成物。 [13] アミノ樹脂が、(c−1) 完全アルキル型
アミノ樹脂、(c−2) メチロール基アミノ樹脂、
(c−3) イミノ基型アミノ樹脂、(c−4) メチ
ロール/イミノ基型アミノ樹脂、からなる群から選択さ
れた少なくとも1種であることを特徴とする、[12]
に記載した水性分散体組成物。 [14] 共重合体粒子(A)と共重合体(B)との合
計重量と架橋剤(C)の重量の比率が、99:1〜7
0:30の範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至
12の何れかに記載した水性分散体組成物。 [15] (A),(B)及び架橋剤(C)を含んでな
る水性分散体組成物の製造方法であって、カルボキシル
基側鎖を有するポリオレフィン系樹脂粒子(A)およ
び、エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体
(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不
飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和単量
体混合物(b)をラジカル重合して得られた共重合体
(B)の水性エマルション及び(C)を混合することを
特徴とする水性分散体組成物の製造方法。
【0029】[16] 共重合体粒子(A)が、前記共
重合体粒子(A)を構成する共重合体の共重合に使用す
る全単量体の重量を基準として、一般式(A−01)、
(A−02)、及び、(A−03)[化17]からなる
群から選択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖
を有するエチレン性不飽和単量体を5〜40重量%含有
する有するエチレン性不飽和単量体混合物(a)をラジ
カル共重合するか、または(A−1)を含有する該共重
合体をアンモニア、アミンまたは1価の金属イオンで中
和することにより得られたものであることを特徴とする
[15]に記載した製造方法。
【0030】
【化17】 (一般式(A−02)において、Rは、それぞれ同一で
も別個でもよく、Hもしくは炭素数1〜4のアルキル
基、ヒドロキシアルキル基を表す。一般式(A−03)
において、M+は、1価の金属イオンを表す。) [17] 共重合体粒子(A)が、前記共重合体粒子
(A)を構成する共重合体の共重合に使用する全単量体
の重量を基準として、一般式(A−21)、(A−2
2)、及び、(A−23)[化18]からなる群から選
択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖を有する
エチレン性不飽和単量体を5〜40重量%含有する有す
るエチレン性不飽和単量体混合物をラジカル共重合する
ことにより得られたものであることを特徴とする、[1
5]に記載した製造方法。
【0031】
【化18】 (一般式(A−21)、(A−22)、及び、(A−2
3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は、炭素
原子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−2
2)において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、
Hもしくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
キル基を表す。一般式(A−23)において、M+は、
1価の金属イオンを表す。) [18] エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単
量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン
性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和
単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計重量を
基準として、一般式(B−01)、及び、(B−02)
[化19]からなる群から選択された少なくとも一種の
エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体(b−
1)を0.1〜80重量%有するものである[15]乃
至[18]の何れかに記載した製造方法。
【0032】
【化19】 [19] エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単
量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン
性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和
単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計重量を
基準として、一般式(B−31)、(B−32)及び
(B−33)[化20]からなる群から選択された少な
くとも一種のエポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和
単量体(b−1)を0.1〜80重量%有するものであ
る[15]乃至[18]の何れかに記載した製造方法。
【0033】
【化20】 (一般式(B−31)、(B−32)及び(B−33)
において、RB11、RB12及びRB13は、それぞれ独立し
て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
1〜20の炭化水素基を表す。) [20] エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単
量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン
性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和
単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計重量を
基準として、一般式(B−41)、(B−42)、(B
−43)、(B−44)、(B−45)、(B−46)
及び(B−47)[化21]からなる群から選択された
少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有さないエチレン性
不飽和単量体(b−2)を20〜99.9重量%有する
ものである[15]乃至[19]の何れかに記載した製
造方法。
【0034】
【化21】 (一般式(B−41)、(B−42)、(B−43)、
(B−44)、(B−45)、(B−46)及び(B−
47)における記号は、以下のとおりである。RB21a
B22a、RB23a、及び、RB24は、RB26またはRB27
それぞれ独立して、同一でも別個でもよく、水素原子又
は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。RB21b、R
B22bは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、
又は、炭素原子数1〜20のアルケン基若しくは芳香族
基を表す。RB23bは、それぞれ独立して、同一でも別個
でもよい、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素
基を表す。RB25は、炭素原子数1〜10の側鎖を有す
るか、又は、側鎖を有さない、エチレン性不飽和単量体
を表す。) [21] 共重合体粒子(A)と共重合体(B)が、重
量比1:99〜95:5の範囲にあることを特徴とする
[15]乃至[20]の何れかに記載した製造方法。
【0035】[22] [15]乃至[21]の何れか
に記載した製造方法により得られた水性分散体組成物。
【0036】[23] [1]乃至[14]及び[2
2]の何れかに記載した水性分散体組成物を含有してな
る塗料組成物。
【0037】[24] [1]乃至[14]、及び[2
2]の何れかに記載した水性分散体組成物を含有してな
る防錆塗料組成物。
【0038】[25] [1]乃至[14]、及び、
[22]何れかに記載した水性分散体組成物を含有して
なる接着剤組成物。
【0039】[26] [23]又は[24]に記載し
た塗料組成物を表面に塗布することにより塗膜を形成し
た塗装金属。
【0040】[27] [23]又は[24]に記載し
た塗料組成物を表面に塗布することにより塗膜を形成し
た防錆処理金属。
【0041】[28] [23]又は[24]に記載し
た塗料組成物を少なくとも片面に塗布することにより塗
膜を形成した塗装金属板。
【0042】[29] [23]又は[24]に記載し
た塗料組成物を少なくとも片面に塗布することにより塗
膜を形成した防錆処理金属板。
【0043】[20] 金属板が、亜鉛メッキ鋼板であ
る[28]又は[29]に記載した金属板。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本出願に係る発明の実施の
形態について説明する。
【0045】[カルボキシル基側鎖含有共重合体]本出
願の明細書において、共重合体粒子(A)を構成する
『カルボキシル基側鎖含有共重合体』とは、側鎖、及び
/又は、ペンダント基にカルボキシル基を有する共重合
体を意味する。
【0046】ここで、カルボキシル基とは、カルボキシ
ル基のみならず、アンモニア、アミン及び、1価の金属
イオンにより中和された金属塩をも包含する。
【0047】本発明の好ましい形態において、カルボキ
シル基側鎖含有共重合体は、主鎖骨格がポリオレフィン
性である。本発明のさらに好ましい形態において、カル
ボキシル基側鎖含有共重合体は、主鎖骨格がポリエチレ
ン性である。
【0048】[共重合体粒子(A)]本発明において、
共重合体粒子(A)は、カルボキシル基側鎖含有共重合
体から構成される。
【0049】本発明の好ましい形態において、共重合体
粒子(A)は、共重合体粒子(A)を構成する共重合体
の重量を基準として、一般式(A−01)、(A−0
2)、及び、(A−03)[化22]からなる群から選
択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖を有する
繰り返し単位を5〜40重量%有する共重合体から構成
される。
【0050】
【化22】 (一般式(A−02)において、Rは、それぞれ同一で
も別個でもよく、Hもしくは炭素数1〜4のアルキル
基、ヒドロキシアルキル基を表す。一般式(A−03)
において、M+は、1価の金属イオンを表す。) 本発明の好ましい形態において、一般式(A−02)の
Rは、すべて水素であり、また、一般式(A−03)の
+は、アルカリ金属イオンである。
【0051】本発明の好ましい形態において、共重合体
粒子(A)は、共重合体粒子(A)を構成する共重合体
の重量を基準として、一般式(A−11)、(A−1
2)、及び、(A−13)[化23]からなる群から選
択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖を有する
繰り返し単位を5〜40重量%有する共重合体から構成
される。
【0052】
【化23】 (一般式(A−11)、(A−12)、及び、(A−1
3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原
子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−12)
において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、Hも
しくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基を表す。一般式(A−13)において、M+は、1価
の金属イオンを表す。) 本発明の好ましい形態において、一般式(A−12)の
Rは、すべて水素であり、また、一般式(A−13)の
+は、アルカリ金属イオンである。
【0053】[共重合体粒子(A)の製造方法]本発明
において、共重合体粒子(A)の製造方法は特に限定さ
れるものではない。本発明の好ましい形態においては、
共重合体粒子(A)を構成するカルボキシル基側鎖含有
共重合体の製造方法は、アクリル酸、メタクリル酸等の
エチレン性不飽和カルボン酸をエチレンと共重合し、ア
ルカリで中和後、熱水中に分散させるなどの方法により
得ることができる。ここで、共重合に供する全単量体を
基準としたエチレン性不飽和カルボン酸の重量%は、特
に限定されない。
【0054】本発明の好ましい形態においては、エポキ
シ基側鎖含有共重合体から構成される共重合体(B)中
のエポキシ基側鎖の量を勘案すると、共重合体粒子
(A)を構成するカルボキシル基側鎖含有共重合体の共
重合に供する全単量体を基準としたエチレン性不飽和カ
ルボン酸の重量%は、5〜40重量%の数値範囲が好ま
しい。
【0055】本発明の好ましい形態において、共重合体
粒子(A)は、前記共重合体粒子(A)を構成する共重
合体の共重合に使用する全単量体の重量を基準として、
一般式(A−21)、(A−22)、及び、(A−2
3)[化24]からなる群から選択された少なくとも一
種のカルボキシル基側鎖を有するエチレン性不飽和単量
体を5〜40重量%、さらに好ましくは8〜25重量%
含有する有するエチレン性不飽和単量体混合物(a)を
ラジカル共重合することにより得られる。
【0056】
【化24】 (一般式(A−21)、(A−22)、及び、(A−2
3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は、炭素
原子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−2
2)において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、
Hもしくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
キル基を表す。一般式(A−23)において、M+は、
1価の金属イオンを表す。) なお、本願発明において、上記ラジカル共重合するとい
う意味は(A−1)を含有する共重合体を変性して(A
−2)または(A−3)の構造にする意味も包含する。
【0057】共重合体粒子(A)の平均粒子直径は、特
に限定されるものではないが、本発明に係る水性分散体
組成物を塗料組成物や接着剤組成物等へ応用した場合、
下地表面に1〜3μmの膜厚に塗布されること等を考慮
すると、0.01〜0.5μmの範囲にあることが好ま
しい。
【0058】本発明のにおいて使用することのできるカ
ルボキシル基側鎖含有共重合体は、主として炭化水素か
ら構成される高分子主鎖からなり、側鎖にカルボキシル
基を有し、好ましくは該カルボキシル基の少なくとも一
部がアンモニア、アミンまたは金属陽イオンで中和され
た重合体である。中和反応はカルボキシル基側鎖含有共
重合体とアンモニア、アミンまたは金属陽イオンを溶融
状態または溶液状態で反応させたり、試薬の拡散を促す
ことにより反応が効果的に進行する。市販品の多くは、
中和金属としてナトリウムが使用されている。
【0059】ここで、炭化水素から構成される高分子主
鎖は、ポリオレフィン系であるものが好ましく、特に、
ポリエチレン系であるものが好ましい。換言すれば、上
記カルボキシル基側鎖含有共重合体は、オレフィン共重
合体が好ましく、特に、エチレン共重合体が好ましい。
【0060】その具体例としては、例えば、α−オレフ
ィンと不飽和カルボン酸の重合体であって含有するカル
ボキシル基の少なくとも1部がアンモニアまたは金属陽
イオンで中和されてなる部分中和物を挙げることができ
る。α−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン等が挙げられるが、特にエチレンを好ま
しい。
【0061】好適例としては、エチレンと不飽和カルボ
ン酸の重合体であって、含有するカルボキシル基の少な
くとも1部がアンモニアまたは金属陽イオンで中和され
てなる部分中和物が挙げられる。この好適例において、
主骨格を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
は、ランダム共重合体でもよいし、ポリエチレンへの不
飽和カルボン酸のグラフト共重合体でもよいが、透明性
の点では、ランダム共重合体が好ましい。
【0062】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の製
造に使用する単量体たる不飽和カルボン酸の具体例とし
ては、炭素原子数3〜8の不飽和カルボン酸等が挙げら
れる。この炭素原子数3〜8の不飽和カルボン酸の具体
例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、
グルタコン酸、ナジック酸(エンドシス−2,2,1−
ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸)、メチルナ
ジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ
フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル
酸、メタクリル酸が好ましい。
【0063】また、このエチレン−不飽和カルボン酸共
重合体の製造に使用する単量体には、エチレンと不飽和
カルボン酸に加えて、第三単量体成分を含んでいてもよ
い。この第三単量体成分としては、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニ
ル等のビニルエステル類を挙げることができる。
【0064】このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
において、エチレンに由来する繰り返し単位の含有量
は、一般的には、95〜60重量%が好ましく、92〜
75重量%がより好ましい。
【0065】エチレンに由来する繰り返し単位の含有量
が95重量%以下であると乳化性がよく、60重量%以
上であると塗膜にした場合、耐蝕性、耐溶剤性が低下し
ないので好ましい。
【0066】また、不飽和カルボン酸に由来する繰り返
し単位の含有量は、5〜40重量%が好ましく、8〜2
5重量%がより好ましい。
【0067】また、エチレン−不飽和カルボン酸共重合
体がエチレン及び不飽和カルボン酸以外の不飽和単量体
である第3繰り返し単位を含む場合には、第3繰り返し
単位は、40重量%以下の量であることは、耐溶剤性の
点で好ましい。
【0068】上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
が側鎖に有するカルボキシル基の少なくとも一部を中和
している金属陽イオンの具体例としては、例えば、ナト
リウム、カリウム等の1価の金属陽イオンが挙げらる。
【0069】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が側
鎖に有するカルボキシル基全部に対する、アンモニア、
アミンまたは金属陽イオンで中和されたカルボキシル基
の割合、すなわち、中和度は、塗膜の密着性に優れると
共に、良好な安定性を有する水分散体が得られる点で、
通常、20〜100%程度であり、好ましくは、30〜
80%である。
【0070】[カルボキシル基側鎖含有共重合体粒子
(A)の好ましい製造方法]本発明において使用するカ
ルボキシル基側鎖含有共重合体粒子(A)の製造方法は
特に制限されない。本発明において使用する共重合体粒
子の具体例としては、例えば、エチレンと不飽和カルボ
ン酸、及び必要に応じて前記第3成分を高圧ラジカル重
合法により共重合させ、得られるエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体のカルボキシル基を前記金属陽イオンを
有する化合物で中和処理する製造方法、ポリエチレンに
不飽和カルボン酸をグラフト共重合し、得られる共重合
体のカルボキシル基を前記金属陽イオンを有する化合物
で中和処理する製造方法等を挙げることができる。
【0071】また、これらの製造方法においては、押出
機に所要の成分を供給して溶融混練して反応させてもよ
いし、適当な溶液中で反応を行わせてもよい。
【0072】カルボキシル基側鎖含有共重合体粒子
(A)の水分散体は容易に調製することができる。例え
ば、水に対して1〜60重量%の固形分量の該共重合体
を混合して100〜270℃の温度で加熱溶融し、冷却
して分散させる方法によって調製することができる。
【0073】本発明において使用するポリオレフィン系
共重合体粒子を含有してなる水性分散体の製造方法は、
特に制限されない。
【0074】本発明において使用するポリオレフィン共
重合体粒子を含有してなる水性分散体の製造方法の具体
例は、例えば、特公昭42−000275号、特公昭4
2−023085号、特公昭45−029909号、特
開昭51−062890号等の特許請求の範囲や実施例
に開示されている。これらの中でも、水性分散体中の樹
脂粒子の均一性や、工業的規模での製造上の有利性の観
点から、特開昭51−062890号等に開示されてい
る、ポリオレフィン系共重合体を120℃以上の水中に
分散させる方法が好ましい。
【0075】本発明において、共重合体粒子(A)とし
て好ましく使用することができる、市販されている共重
合体粒子(A)の具体例としては、東邦化学工業(株)
製のハイテックS−8512、S−3121、S−31
23、S−3127、S−7024、三井化学(株)製
のケミパールS−100、S−111、S−120、S
−650等を挙げることができ、これらの市販品は、単
独で、又は、二種以上を混合して使用することができ
る。
【0076】[エポキシ基側鎖含有共重合体]本発明に
おいて、共重合体(B)は、エポキシ基側鎖含有共重合
体から構成される。本出願の明細書において、共重合体
粒子(B)を構成する『エポキシ基側鎖含有共重合体』
とは、側鎖、及び/又は、ペンダント基にエポキシ基を
有する共重合体を意味する。ここで、エポキシ基とは、
エポキシ基のみならず、グリシジル基をも包含する。
【0077】本発明の好ましい形態において、エポキシ
基側鎖含有共重合体は、主鎖骨格がポリオレフィン性で
ある。
【0078】本発明のさらに好ましい形態において、エ
ポキシ基側鎖含有共重合体は、主鎖骨格がポリエチレン
系である。
【0079】[エポキシ基側鎖を有する繰り返し単位]
本発明の好ましい形態において、共重合体(B)は、前
記共重合体(B)を構成する共重合体の重量を基準とし
て、一般式(B−01)、及び、(B−02)[化2
5]からなる群から選択された少なくとも一種のエポキ
シ基側鎖を有する繰り返し単位を0.1〜80重量%有
する。
【0080】
【化25】 本発明の好ましい形態において、共重合体(B)は、前
記共重合体(B)を構成する共重合体の重量を基準とし
て、一般式(B−11)、(B−12)及び(B−1
3)[化26]からなる群から選択された少なくとも一
種のエポキシ基側鎖を有する繰り返し単位を0.1〜8
0重量%有する。
【0081】
【化26】 (一般式(B−11)、(B−12)及び、(B−1
3)において、RB11、RB 12及びRB13は、それぞれ独
立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原
子数1〜20の炭化水素基を表す。) 上記したように、エポキシ基側鎖を有する繰り返し単位
は、前記共重合体(B)を構成する共重合体の重量を基
準として、0.1〜80重量%が好ましく、1〜50重
量%がより好ましく、2.5〜30重量%がさらに好ま
しい。この数値が、0.1重量%未満では、一般的に
は、共重合体粒子(B)に実質的にエポキシ基を導入し
ているとはいえず、充分な効果が得えられ難い。また、
80重量%を超えると重合中に凝集物が増えたり、水性
分散体組成物中の樹脂粒子の安定性(例えば、均一な分
散を維持し得る分散性、一定期間エマルションとしての
特性を維持し得る貯蔵安定性等)が損なわれた場合があ
る。
【0082】[共重合体(B)のエポキシ基側鎖の意
義]本発明においては、共重合体(B)にエポキシ基側
鎖を導入することが特徴的である。本発明において、共
重合体(B)にエポキシ基側鎖を導入することにより、
本発明に係る水性分散体組成物を、接着剤組成物に応用
した場合には、接着層と、被接着物表面(例えば、金属
表面等)との密着性が顕著に向上することが特筆され
る。
【0083】本発明において、共重合体(B)にエポキ
シ基側鎖を導入することにより、本発明に係る水性分散
体組成物を、塗料組成物に応用した場合には、塗膜と下
地(例えば、金属表面等)との密着性が顕著に改善し、
この塗膜の上にさらに上塗塗料により上塗塗膜を形成さ
せたときには、この塗膜と上塗塗膜との密着性が顕著に
改善することが特筆される。
【0084】すなわち、本発明に係る水性分散体組成物
を、金属表面等の下地に塗布し、造膜して接着層や塗膜
を形成する過程において、粒子間で、共重合体(B)の
エポキシ基側鎖と、共重合体粒子(A)のカルボキシル
基が反応することにより、架橋が形成され、共重合体粒
子(A)と共重合体(B)が微視的に相容して造膜する
ことにより、接着層や塗膜を強靱にし、これらの作用に
より、物理特性(強度)、防錆性、上塗り密着性及び耐
溶剤性を向上させるものと考察される。
【0085】[エポキシ基側鎖を有さない繰り返し単
位]本発明の好ましい形態において、共重合体(B)
は、前記共重合体(B)を構成する共重合体の重量を基
準として、一般式(B−21)、(B−22)、(B−
23)、(B−24)、(B−25)、(B−26)お
よび(B−27)[化27]からなる群から選択された
少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有さない繰り返し単
位を20〜99.9重量%有するものである。
【0086】
【化27】 (一般式(B−21)、(B−22)、(B−23)、
(B−24)、及び、(B−25)、(B−26)およ
び(B−27)における記号は、以下のとおりである。
B21a、RB22a、RB23a、RB24、RB26およびR
B27は、それぞれ独立して、同一でも別個でもよく、水
素原子、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。
B21bおよびRB22bは、水素原子、炭素原子数1〜20
のアルキル基、又は、炭素原子数1〜20のアルケン基
若しくは芳香族基を表す。RB23bは、それぞれ独立し
て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
1〜20の炭化水素基を表す。RB25は、炭素原子数1
〜10の側鎖を有するか、又は、側鎖を有さない、飽
和、又は、不飽和の炭化水素基を表す。)
【0087】[共重合体粒子(B)の重合方法]本発明
において、共重合体粒子(B)の重合方法は特に限定さ
れるものではない。本発明の好ましい形態において、エ
ポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体(b−
1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不飽和単
量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和単量体混合
物(b)をラジカル重合することにより生成する。好ま
しい重合様式は乳化重合である。
【0088】[共重合体粒子(A)と共重合体粒子
(B)とを含有する水性分散体組成物]本発明は共重合
体粒子(A)と共重合体粒子(B)とを含有する水性分
散体組成物を提供することである。該組成物は共重合体
粒子(A)と共重合体粒子(B)が水性媒体中で分散さ
れていれば特に限定はなく、共重合体粒子(A)と共重
合体粒子(B)及び水性媒体が混合されて分散されてい
ればよい。
【0089】本発明の好ましい態様において、共重合体
粒子(A)と共重合体(B)の重量比は、1:99〜9
5:5、より好ましくは5:99〜90:10、さらに
好ましくは10:90〜80:20の範囲である。
【0090】共重合体(B)の重量比が99を超える
と、後述する[発明の効果]の項で挙げるような効果が
低下するばかりでなく、水性分散体組成物を塗料に応用
した場合には、特に防錆性が低下する。
【0091】また、共重合体(B)の重量比が5未満だ
と、やはり、後述する[発明の効果]の項で挙げるよう
な効果が低下する。この場合、水性分散体組成物を塗料
に応用した場合には、特に防錆性と上塗密着性が低下す
る。
【0092】好ましい実施態様は、共重合体粒子(A)
と乳化重合して得られる共重合体(B)のサスペンショ
ンを混合することによって本発明の水性分散組成物が製
造される。
【0093】共重合体(B)の乳化重合の様式は特に制
限されるものではないが、一般的には、通常の乳化重合
法により行われる。
【0094】例えば、水性媒体存在下に、エポキシ基側
鎖を有するエチレン性不飽和単量体(b−1)と、エポ
キシ基側鎖を有さないエチレン性不飽和単量体(b−
2)を含有するエチレン性不飽和単量体混合物(b)を
一括、分割、又は、連続的に添加した反応系て重合を行
う。
【0095】この反応系には、必要に応じて、界面活性
剤、緩衝剤等を添加してもよい。その際、エチレン性不
飽和単量体混合物(b)は、予め、水及び界面活性剤と
混合して乳化物として添加してもよい。
【0096】重合開始剤等についても、エチレン性不飽
和単量体混合物(b)の添加方法と同様に、一括、分
割、又は、連続的に添加してもよい。また、必要に応じ
て、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類等の
連鎖移動剤を使用してもよい。
【0097】連鎖移動剤の使用量は、特に限定されない
が、通常、エチレン性不飽和単量体混合物(b)の重量
を基準として、0〜5重量%程度である。通常、重合
は、窒素パージ下に、重合温度30〜90℃で行われ
る。
【0098】[エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽
和単量体(b−1)]本発明の好ましい形態において、
エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体(b−
1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不飽和単
量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和単量体混合
物(b)は、このエチレン性不飽和単量体混合物(b)
の合計重量を基準として、一般式(B−31)、(B−
32)および(B−33)[化28]からなる群から選
択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有するエチ
レン性不飽和単量体(b−1)を0.1〜80重量%有
する。
【0099】
【化28】 (一般式(B−31)、(B−32)及び(B−33)
において、RB11、RB12及びRB13は、それぞれ独立し
て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
1〜20の炭化水素基を表す。) エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体(b−
1)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ誘導
体等を挙げることができ、これらは単独で、又は、二種
以上を混合して使用することができる。これらの中で
は、メタクリル酸グリシジルが好ましく使用される。
【0100】上記したように、エポキシ基側鎖を有する
エチレン性不飽和単量体(b−1)位は、エチレン性不
飽和単量体混合物(b)の合計重量を基準として、0.
1〜80重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ま
しく、2.5〜30重量%がさらに好ましい。この数値
が、0.1重量%未満では、一般的には、共重合体粒子
(B)に実質的にエポキシ基を導入しているとはいえ
ず、充分な効果が得えられ難い。また、80重量%を超
えると重合中に凝集物が増えたり、水性分散体組成物中
の樹脂粒子の安定性(例えば、均一な分散を維持し得る
分散性、一定期間エマルションとしての特性を維持し得
る貯蔵安定性等)が損なわれた場合がある。
【0101】[エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不
飽和単量体(b−2)]本発明の好ましい形態におい
て、エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体
(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不
飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和単量
体混合物(b)は、このエチレン性不飽和単量体混合物
(b)の合計重量を基準として、一般式(B−41)、
(B−42)、(B−43)、(B−44)、(B−4
5)(B−46)および(B−47)[化29]からな
る群から選択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を
有さないエチレン性不飽和単量体(b−2)を20〜9
9.9重量%含有する。
【0102】
【化29】 (一般式(B−41)、(B−42)、(B−43)、
(B−44)、(B−45)、(B−46)および(B
−47)における記号は、以下のとおりである。
B21a、RB22a、RB23a、RB24、RB26およびR
B27は、それぞれ独立して、同一でも別個でもよく、水
素原子、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。
B21bおよびRB22bは、水素原子、炭素原子数1〜20
のアルキル基、又は、炭素原子数1〜20のアルケン基
若しくは芳香族基を表す。RB23bは、それぞれ独立し
て、同一でも別個でもよい水素原子、又は炭素原子数1
〜20の炭化水素基を表す。RB25は、炭素原子数1〜
10の側鎖を有するか、又は、側鎖を有さない、エチレ
ン性不飽和単量体を表す。) エポキシ基側鎖を有さないエチレン性不飽和単量体(b
−2)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i
−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ド
デシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビ
ニル類、(メタ)アクリロニトリル等のビニルシアン
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
類、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又は
そのモノアルキルエステル、イタコン酸又はそのモノア
ルキルエステル、フマル酸又はそのモノアルキルエステ
ル等の不飽和カルボン酸類、スチレンスルホン酸ナトリ
ウム等の不飽和スルホン酸類、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メ
タ)アクリルアミド類、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート等の架橋性不飽和単量体類等を
挙げることができ、これらは単独で、又は、二種以上を
混合して使用することができる。
【0103】一般的には、エポキシ基側鎖を有さないエ
チレン性不飽和単量体(b−2)としては、架橋剤
(C)との反応性を考慮して、水酸基を含有する単量体
が好ましく用いられる。水酸基を含有する単量体の具体
例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエ
チレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメ
チレングリコールモノメタクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステル類を挙げることができ、これらは単独
で、又は、二種以上を混合して使用することができる。
一般的には、これらの水酸基を含有する単量体は、エチ
レン性不飽和単量体混合物(b)の合計重量を基準とし
て、50重量%以下、好ましくは30重量%以下に抑え
るのが好ましい。50重量%を超えると、水性分散体組
成物を塗料に応用した場合には、耐水性、防錆性が低下
することがある。一般的には、エポキシ基側鎖を有さな
いエチレン性不飽和単量体(b−2)としては、エポキ
シ基含有エチレン性不飽和単量体(b−1)との不要な
反応を避けるために、不飽和カルボン酸類等の、エポキ
シ基含有エチレン性不飽和単量体(b−1)と反応性を
有するものは、エチレン性不飽和単量体混合物(b)の
合計重量を基準として、10重量%以下に抑えるのが好
ましい。一般的には、10重量%を超えると重合の際
に、凝集物の発生が多くなり、工業的には好ましくな
い。
【0104】[共重合体(B)のガラス転移点(T
g)]共重合体(B)のガラス転移点(Tg)は、特に
限定されない。共重合体(B)のガラス転移点(Tg)
は、本発明に係る水性分散体組成物を、接着剤組成物や
塗料組成物に応用することを想定すると、例えば、接着
層や塗膜の下地が金属表面である場合には、一般的な使
用条件等を考慮すると、−20〜80℃の範囲にあるこ
とが好ましい。一般的には、共重合体(B)のガラス転
移点(Tg)については、−20℃未満では、接着層や
塗膜の表面に流動性、粘着性、ブロッキング性等が発生
し易くなり、80℃を超えると造膜性が低下し、均一な
接着層や塗膜が得られないという問題が起こることがあ
る。
【0105】[重合開始剤]重合開始剤は、特に制限さ
れるものではないが、例えば、公知公用の通常の乳化重
合に使用されるものを使用することができる。重合開始
剤の具体例としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸
ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物類、ベン
ゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物類、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物等を挙げることができ
る。必要に応じて、還元剤と組み合わせてレドックス系
開始剤として使用することもできる。重合開始剤の使用
量は、特に限定されないが、通常、エチレン性不飽和単
量体混合物(b)に対して、0.1〜3重量%程度であ
る。
【0106】[界面活性剤]界面活性剤は、特に制限さ
れるものではない。界面活性剤の具体例としては、例え
ば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型リン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型リ
ン酸エステル等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイドブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル
等のノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらは、単独
で又は組み合わせて使用することができる。界面活性剤
の使用量は、特に限定されないが、通常、エチレン性不
飽和単量体混合物(b)に対して、0〜10重量%程度
である。
【0107】[添加剤]本発明に係る水性分散体組成物
には、必要に応じて、造膜助剤、可塑剤、増粘剤、顔
料、顔料分散剤、凍結防止剤、pH調節剤、消泡剤、防
腐剤、湿潤剤等を添加できる。
【0108】[用途]本発明に係る水性分散体組成物
は、接着剤組成物や塗料組成物に応用することができ
る。このような接着剤組成物や塗料組成物は、必要に応
じて、水等の希釈剤で希釈することができる。また、刷
毛塗布、ローラー塗布、スプレー塗布、ドクターブレー
ド塗布等の従来の塗布方法で塗布することができる。接
着剤組成物や塗料組成物が塗布される下地は、特に限定
されない。接着剤組成物や塗料組成物が塗布される下地
の具体例としては、亜鉛系メッキ鋼板(電気亜鉛メッキ
鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板等)などの金属板が挙げられ
る。
【0109】[共重合体]本出願の明細書において用い
る『共重合体』なる語の概念は、コポリマーと同義であ
る。コポリマー(共重合体)中の繰り返し単位の配列の
様式については、特別な制約はなく、共重合体は、ラン
ダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラ
フト共重合体等のいずれでもよい。本出願の明細書にお
いて、『共重合体』は、少なくとも一部が、線状、環
状、大環状、分岐状、星形、三次元網目状、IPN(i
nterpenetrating polymer n
etworks)、PIC(ポリイオン・コンプレック
ス)等のいずれの構造をとってもかまわない。
【0110】[粒子]本出願の明細書において用いる
『粒子』なる語の概念には、これらの語が高分子化学に
おいて一般的に有する概念を完全に包含するが、必ずし
も等価なものではない。本出願の明細書において用いる
『粒子』の走査電子顕微鏡的形態の態様に関しては、例
えば、ラズベリー状又は金米糖(こんぺいとう、ポルト
ガル語のconfeito)状の多くの突起を有するよ
うな態様、赤血球状の偏平な態様、ラグビーボール状の
回転楕円体様の態様、大腸菌状の紡錘形様、中空粒子及
び中空粒子中にさらに粒子が存在する態様等をも包含す
る。本出願の明細書において用いる『粒子』なる語の概
念には、例えば、ポリマーエマルジョン、ラテックス、
ポリマーサスペンジョンを構成するマイクロスフィアを
も包含し、本出願に係る発明においては、これらの例が
一般的な態様である。このように、本出願において用い
る『粒子』なる語は、これらの語が高分子化学において
一般的に有する概念と、必ずしも等価なものではないの
ではあるが、本発明に係るヘテロポリマー系の本質的
「態様」について屡々言及するに当たり便宜的に用いる
ものとする。
【0111】[粒子の構造]本出願の明細書において、
共重合体粒子の構造は、一次粒子であっても、高次粒子
であってもよい。また、形態的には中空粒子、中空粒子
中にさらに粒子が存在するような構造(例えば、箱根細
工やロシアの民芸品のマトリョーシカのような構造)な
どの特殊な形状の粒子も包含される。
【0112】[高次粒子]本出願の明細書において、共
重合体粒子の構造が、高次粒子である場合の態様として
は、一次粒子である共重合体粒子の凝集物である二次粒
子であっても、二次粒子が複数個付着した三次粒子であ
っても、さらには、高次粒子であっても、合目的的であ
れば特に制限されない。
【0113】[ガラス転移点(Tg)]本出願の明細書
において使用する共重合体の『ガラス転移点(Tg)』
の概念は、通常の方法、例えば、示差走査熱量計(DS
C)等で測定できる。
【0114】[ガラス転移点計算値〜共重合体のガラス
転移点(Tg)の評価]共重合体の場合、ガラス転移点
(Tg)は、ガラス転移点計算値として評価することが
できる。共重合体のガラス転移点(Tg)及びその評価
の方法論は以下のとおりである。特定の単量体組成を有
する共重合体のガラス転移点(Tg)は、フォックス
(Fox)の式により計算により求めることができる。
ここで、フォックスの式とは、共重合体を形成する個々
の単量体について、その単量体の単独重合体のTgに基
づいて、共重合体のTgを算出するためのものであり、
その詳細は、ブルテン・オブ・ザ・アメリカン・フィジ
カル・ソサエティー,シリーズ2(Bulletin
of the American Physical So
ciety,Series 2)1巻・3号・123頁
(1956年)に記載されている。本出願の明細書にお
いて用いる「ガラス転移点計算値」なる語の概念には、
フォックス(Fox)の式により計算したガラス転移点
をも包含する。フォックス(Fox)の式による共重合
体のTgを計算するための基礎となる各種モノマーにつ
いての単独重合体のTgは、例えば、高分子データ・ハ
ンドブック基礎編(高分子学会編)525〜546頁に
記載されている数値又は通常の方法で測定した実測値を
採用することができる。
【0115】[乳化重合]本出願の明細書において用い
る『乳化重合』なる語は、通常の乳化共重合法のみなら
ず、特殊なエマルション共重合法、保護コロイド共重合
法、ミニエマルション共重合法、ミクロエマルション共
重合法等の技術をも包含する。また、ポリマーを溶媒と
乳化剤を混合して自己乳化または強制乳化する方法も本
出願の明細書において用いる『乳化』の概念に包含され
る。
【0116】[架橋剤]本発明において、架橋剤として
使用される、カルボキシル基側鎖を有するポリオレフィ
ン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポキシ基側鎖含有
共重合体(B)を架橋反応する機能を有する架橋剤
(C)は、これらカルボキシル基側鎖を有するポリオレ
フィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポキシ基側鎖
含有共重合体(B)と架橋反応する機能を有するもので
あれば、特に限定されない。カルボキシル基側鎖を有す
るポリオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポ
キシ基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有
する架橋剤(C)の好ましい具体例としては、例えば、
アミノ樹脂を挙げることができる。
【0117】[架橋剤(C)の使用量]本発明の好まし
い態様において、共重合体粒子(A)と共重合体(B)
との合計重量と架橋剤(C)の重量の比率は、99:1
〜70:30、より好ましくは95:5〜70:30、
さらに好ましくは95:5〜80:20の範囲である。
【0118】[アミノ樹脂]本発明において、アミノ樹
脂は、特に限定されるものではないが、メラミン、ベン
ゾグアナミン、及び、尿素のようなアミノ化合物に、ア
ルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド等)を反応させ、さらに種々のアルコールを付加
重合させた樹脂を包含する。アミノ樹脂の最も典型的な
具体例は、メラミン樹脂である。本発明において、アミ
ノ樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、
『やさしい技術総説〜塗料の性格と機能』(日本ペイン
ト株式会社編、日本塗料新聞社発行、1998年)の
『アミノ樹脂』の項(例えば、81〜92頁)に記載さ
れているアミノ樹脂の定義や例示を包含する。本発明に
おいて、アミノ樹脂は、例えば、『ハイソリッド型アミ
ノ樹脂〜サイメル CYMEL(マイコート MYCO
AT UFR)』(三井サイアナミッド株式会社・製品
カタログ、カタログ発行番号・CYM 003−4/9
2−3,000)や、『ハイソリッド型アミノ樹脂 C
YMEL』(三井サイテック株式会社・製品カタログ、
カタログ発行番号・CYM 005−3/97−3,0
00)に開示されているような『ハイソリッド型アミノ
樹脂』を包含する。本発明において、アミノ樹脂は、例
えば、『ハイソリッド型アミノ樹脂〜サイメル CYM
EL(マイコート MYCOAT UFR)』(三井サ
イアナミッド株式会社・製品カタログ、カタログ発行番
号・CYM 003−4/92−3,000)に開示さ
れているような、完全アルキル型アミノ樹脂、メチ
ロール基アミノ樹脂、イミノ基型アミノ樹脂、メチ
ロール/イミノ基型アミノ樹脂を包含する([化30]
参照)。
【0119】
【化30】 本発明において、アミノ樹脂のより詳細な具体例として
は、例えば、『ハイソリッド型アミノ樹脂〜サイメル
CYMEL(マイコート MYCOAT UFR)』
(三井サイアナミッド株式会社・製品カタログ、カタロ
グ発行番号・CYM 003−4/92−3,000)
に開示されているような、完全アルキル型メチル化メラ
ミン(三井サイテック株式会社製・サイメル300シリ
ーズ 300/301/303/350) メチロール基型メチル化メラミン(三井サイテック株式
会社製・サイメル300シリーズ 370/771) イミノ基型メチル化メラミン(三井サイテック株式会社
製・サイメル300シリーズ 325/327/701
/703/712) 完全アルキル型混合エーテル化メラミン(三井サイテッ
ク株式会社製・サイメル200シリーズ 232/23
5/236/238/266/267/285) メチロール基型混合エーテル化メラミン(三井サイテッ
ク株式会社製・サイメル200シリーズ 272) イミノ基型混合エーテル化メラミン(三井サイテック株
式会社製・サイメル200シリーズ 202/207/
212/253/254) ブチル化メラミン(三井サイテック株式会社製・マイコ
ート500シリーズ 506) ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック株式会社製・サ
イメル1100シリーズ1123/1123−10/1
128) ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック株式会社製・マ
イコート100シリーズ102/105/106/13
0) グリコールウリル樹脂(三井サイテック株式会社製・サ
イメル1100シリーズ1170/1172) カルボキシル変性アミノ樹脂(三井サイテック株式会社
製・サイメル1100シリーズ 1141/1125−
80) メチル/エチル混合エーテル化ベンゾグアナミン/メラ
ミン共縮合樹脂(三井サイテック株式会社製・マイコー
ト100シリーズ 101/132) メチル化メチロール樹脂(三井サイテック株式会社製・
UFRシリーズ UFR65) ブチル化尿素樹脂(三井サイテック株式会社製・UFR
シリーズ UFR300) 等を挙げることができる。
【0120】本発明の水性分散体組生物を接着剤、塗料
等の応用する場合は、加熱乾燥、焼付けることが好まし
い。例えば鋼板用の防錆塗料に応用する場合、その焼付
け温度は60℃以上、好ましくは100℃以上、更に好
ましくは120℃以上であるが特に制限はされない。
【0121】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示すが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。使用し
たエチレン性不飽和単量体、重合開始剤及び界面活性剤
を以下の略号で示す。 ST:スチレン、 MMA:メタクリル酸メチル、 n−BA:アクリル酸n−ブチル、 2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル、 n−BMA:メタクリル酸n−ブチル、 MAc:メタクリル酸、 GMA:メタクリル酸グリシジル、 HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、 PE90:ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(日本油脂株式会社製プレンマーPE90)、 APS:過硫酸アンモニウム、 DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム。 なお、、以下の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を
示す。使用した架橋剤の種類以下の略号で示す。 C−370;メチロール基型メチル化メラミン(三井サ
イテック株式会社製・ハイソリッド型アミノ樹脂・サイ
メル370) M−776;メチロール/イミノ基型メチル化メラミン
(三井サイテック株式会社製・ハイソリッド型アミノ樹
脂・マイコート776)
【0122】また試験は以下の方法に従って行った。
【0123】[防錆性]試験片を、5%食塩水にて塩水
噴霧試験(JIS Z−2371に準ずる)を行い、1
20時間後の錆の状態を観察し、10点満点(10点:
優〜1点:劣)で評価した。
【0124】[上塗り密着性]試験片に上塗り塗料とし
てメラミン樹脂焼付塗料アミラック(関西ペイント製)
を塗布し、130℃で20分間焼付け、厚さ約30μm
の塗膜を得た。一次密着性としてこの塗装板をそのまま
用い、碁盤目試験を行い、塗装の状態を目視評価した。
また同様にエリクセンで8mm押し出し後の塗装状態を
目視評価した。また二次密着性として同様に調製した塗
装板を沸騰水に30分間浸漬後、碁盤目試験及びエリク
セン8mm押し出して塗装状態を目視評価した。いずれ
の場合も10点満点(10点:優〜1点:劣)で評価し
た。
【0125】[耐溶剤性]試験片をメチルエチルケトン
(MEK)をしみ込ませたガーゼで10往復のラビング
試験を行い、表面状態を目視観察し、10点満点(10
点:優〜1点:劣)で評価した。同様にエタノールでも
行った。
【0126】[耐アルカリ性 ]耐アルカリ性は、試験片
を60℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬し
た後の塗膜の残存状態、表面状態を目視観察し、10点
満点(10点:優〜1点:劣)で評価した。
【0127】実施例1 攪拌機、温度計、還流コンデンサー付きのセパラブルフ
ラスコに、イオン交換水を218部、DBSを0.4部
仕込み、攪拌下に窒素置換しながら75℃まで昇温す
る。内温を75℃に保ち、重合開始剤としてAPS1.
0部を添加し、溶解する。次に、予めイオン交換水80
部、DBS0.6部からなる水溶液にGMA60部、S
T56部、n−BA80部及びMAc4部を攪拌下に加
えて調製しておいたエチレン性不飽和単量体の乳化物を
連続的に3時間かけて添加、反応させ、添加終了後約2
時間の熟成を行う。その後室温まで冷却し、中和剤とし
てアンモニア水を添加しpHを8に調節し、重合体
(B)のエマルションを得た。得られたエマルション
は、表−1に示す様に、不揮発分40.1%であった。
この共重合体エマルションと、共重合体粒子(A)とし
てケミパールS−650(三井化学社製、不揮発分2
7.0%のエチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリ
ル酸20重量%含有、Naイオンでメタクリル酸の50
%が中和されている水性分散体で該共重合体中和物の平
均粒子径が約50nmである)を不揮発分で(A):
(B)=50:50になるように混合し、不揮発分3
2.2%の水性エマルションを得、表−1に示すよう
に、架橋剤(C)を添加した。
【0128】実施例2〜7 実施例1と同様の方法にて、エチレン性不飽和単量体
(b)の組成を変えて重合を行い、共重合体(B)のエ
マルションを調製し、共重合体粒子(A)としてケミパ
ールS−650及び不揮発分25.0%のエチレン−ア
クリル酸共重合体水性分散体(アクリル酸20重量%含
有、アンモニアでアクリル酸の50%が中和されている
水性分散体で該共重合体中和物の平均粒子径が約50n
mである、以下「A2」と略称する)の種類と量、
(A):(B)及び((A)+(B)):(C)の比を
変えて混合し、水性分散体組成物を得た。条件等を表−
1・2に示す。
【0129】評価例1 実施例1で得た水性分散体組成物にイオン交換水を添加
して不揮発分を20%に調整し、濡れ剤としてサーフロ
ンS−145(旭硝子製)500ppmを添加、混合し
防錆塗料組成物を調製した。この塗料を、#3バーコー
ターを用いて、厚さ0.8mmの電気亜鉛メッキ鋼板上
に塗布し、140℃で2分間焼付硬化させて、厚さが約
1〜3μmの硬化塗膜を有する塗装板を得、試験片とし
た。試験結果を表−4に示す。
【0130】評価例2〜7 評価例1と同様の方法にて、実施例2〜7で得た水性分
散体組成物を用いて防錆塗料組成物を調製し、試験し
た。試験結果を表−4に示す。
【0131】比較例1 実施例1において、GMAを使用せずにn−BMAに置
き換えて重合を行った。得られた共重合体(B)のエマ
ルションは、表−3に示す様に、不揮発分40.3%で
あった。この共重合体エマルションとケミパールS−6
50を不揮発分で(A):(B)=70:30になるよ
うに混合し、不揮発分31.0%の水性エマルションを
得た。、さらに実施例1と同様の方法で、水性分散体組
生物を得た。
【0132】比較評価例1 比較例1で得た水性分散体組成物にイオン交換水を添加
して不揮発分を20%に調整し、濡れ剤としてサーフロ
ンS−145(旭硝子製)500ppmを添加、混合し
防錆塗料組成物を調製した。この塗料を、#3バーコー
ターを用いて、厚さ0.8mmの電気亜鉛メッキ鋼板上
に塗布し、140℃で2分間焼付硬化させて、厚さが約
1〜3μmの硬化塗膜を有する塗装板を得、試験片とし
た。試験結果を表−5に示す。
【0133】比較評価例2 実施例1で調製した共重合体エマルション(B)に架橋
剤(C)を(B):(C)=90:10になるように混
合し水性分散体組生物を得た。さらにイオン交換水を添
加して不揮発分を20%に調整し、濡れ剤としてサーフ
ロンS−145(旭硝子製)500ppmを添加、混合
し防錆塗料組成物を調製した。この防錆塗料組成物を評
価例1と同様の方法にて試験した。試験結果を表−5に
示す。
【0134】比較評価例3 比較評価例2と同様の方法にて、ケミパールS−650
に架橋剤(C)を添加、防錆塗料組成物を調製し、試験
した。試験結果を表−5に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
【表4】
【0139】
【表5】
【0140】
【発明の効果】本発明に係る水性分散体組成物を、接着
剤組成物に応用した場合には、 接着層と、被接着物表面(例えば、金属表面等)との
密着性が顕著に向上することが特筆される。また、本発
明に係る水性分散体組成物を、塗料組成物に応用した場
合には、 塗膜と下地(例えば、金属表面等)との密着性が顕著
に改善し、 この塗膜の上にさらに上塗り塗料により上塗り塗膜を
形成させたときには、この塗膜と上塗塗膜との密着性が
顕著に改善し、また、 この塗装金属板の加工時に塗布される潤滑油をアルカ
リ脱脂する際の耐アルカリ性が顕著に改善することが特
筆され、 クロム化合物を使用しなくても防錆性に秀でた塗膜を
得ることができる。したがって、金属、特に亜鉛系メッ
キ鋼板の防錆塗料の主成分として有用であることは、明
らかである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/02 C09D 133/02 137/00 137/00 163/00 163/00 C09J 133/02 C09J 133/02 163/00 163/00 (72)発明者 斉藤 忠司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高松 靖 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 藤田 義博 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋剤を含んでなる水性分散体組成物で
    あって、共重合体粒子(A)および共重合体(B)を含
    有してなり、前記架橋剤は、カルボキシル基側鎖を有す
    るポリオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポ
    キシ基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有
    する架橋剤(C)であることを特徴とする水性分散体組
    成物。
  2. 【請求項2】 架橋剤を含んでなる水性分散体組成物で
    あって、共重合体粒子(A)および共重合体(B)を混
    合してなり、前記架橋剤は、カルボキシル基側鎖を有す
    るポリオレフィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポ
    キシ基側鎖含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有
    する架橋剤(C)であることを特徴とする請求項1に記
    載した水性分散体組成物。
  3. 【請求項3】 共重合体粒子(A)を構成するカルボキ
    シル基側鎖含有共重合体の主鎖骨格、及び、共重合体
    (B)を構成するエポキシ基側鎖含有共重合体の主鎖骨
    格が、ポリオレフィン系のものであることを特徴とする
    請求項1又は2に記載した水性分散体組成物。
  4. 【請求項4】 共重合体粒子(A)が、前記共重合体粒
    子(A)を構成する共重合体の重量を基準として、一般
    式(A−01)、(A−02)、及び、(A−03)
    [化1]からなる群から選択された少なくとも一種のカ
    ルボキシル基側鎖を有する繰り返し単位を5〜40重量
    %有する共重合体から構成されたものである請求項1乃
    至3の何れかに記載した水性分散体組成物。 【化1】 (一般式(A−02)において、Rは、それぞれ同一で
    も別個でもよく、Hもしくは炭素数1〜4のアルキル
    基、ヒドロキシアルキル基を表す。一般式(A−03)
    において、M+は、1価の金属イオンを表す。)
  5. 【請求項5】 M+が、アルカリ金属イオンである、請
    求項4に記載した水性分散体組成物。
  6. 【請求項6】 共重合体(B)が、前記共重合体(B)
    を構成する共重合体の重量を基準として、一般式(B−
    01)、及び、(B−02)[化2]からなる群から選
    択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有する繰り
    返し単位を0.1〜80重量%有するものである請求項
    1乃至5の何れかに記載した水性分散体組成物。 【化2】
  7. 【請求項7】 共重合体粒子(A)が、前記共重合体粒
    子(A)を構成する共重合体の重量を基準として、一般
    式(A−11)、(A−12)、及び、(A−13)
    [化3]からなる群から選択された少なくとも一種のカ
    ルボキシル基側鎖を有する繰り返し単位を5〜40重量
    %有する共重合体から構成されたものである、請求項1
    乃至3の何れかに記載した水性分散体組成物。 【化3】 (一般式(A−11)、(A−12)、及び、(A−1
    3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
    立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は、炭素
    原子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−1
    2)において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、
    Hもしくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
    キル基を表す。一般式(A−13)において、M+は、
    1価の金属イオンを表す。)
  8. 【請求項8】 M+が、アルカリ金属イオンである、請
    求項7に記載した水性分散体組成物。
  9. 【請求項9】 共重合体(B)が、前記共重合体(B)
    を構成する共重合体の重量を基準として、一般式(B−
    11)、(B−12)及び(B−13)[化4]からな
    る群から選択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を
    有する繰り返し単位を0.1〜80重量%有するもので
    ある請求項1、2、3、7、及び、8の何れかに記載し
    た水性分散体組成物。 【化4】 (一般式(B−11)、(B−12)及び(B−13)
    において、RB11、RB12及びRB13は、それぞれ独立し
    て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
    1〜20の炭化水素基を表す。)
  10. 【請求項10】 共重合体(B)が前記共重合体(B)
    を構成する共重合体の重量を基準として、一般式(B−
    21)、(B−22)、(B−23)、(B−24)、
    (B−25)、(B−26)及び(B−27)[化5]
    からなる群から選択された少なくとも一種のエポキシ基
    側鎖を有さない繰り返し単位を20〜99.9重量%有
    するものである、請求項1乃至9の何れかに記載した水
    性分散体組成物。 【化5】 (一般式(B−21)、(B−22)、(B−23)、
    (B−24)、(B−25)、(B−26)及び(B−
    27)における記号は、以下のとおりである。RB21a
    B22a、RB23a、RB24、RB26またはRB27は、それぞ
    れ独立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭
    素原子数1〜20の炭化水素基を表す。RB21b及びR
    B22bは、水素原子、または炭素原子数1〜20のアルキ
    ル基、又は、炭素原子数1〜20のアルケン基若しくは
    芳香族基を表す。RB23bは、それぞれ独立して、同一で
    も別個でもよい水素原子、又は炭素原子数1〜20の炭
    化水素基を表す。RB25は、炭素原子数1〜10の側鎖
    を有するか、又は、側鎖を有さない、飽和、又は、不飽
    和の炭化水素基を表す。)
  11. 【請求項11】 共重合体粒子(A)と共重合体(B)
    が、重量比で1:99〜95:5の範囲にあることを特
    徴とする、請求項1乃至10の何れかに記載した水性分
    散体組成物。
  12. 【請求項12】 カルボキシル基側鎖を有するポリオレ
    フィン系樹脂粒子(A)、及び/又は、エポキシ基側鎖
    含有共重合体(B)を架橋反応する機能を有する架橋剤
    (C)が、アミノ樹脂であることを特徴とする、請求項
    1乃至11の何れかに記載した水性分散体組成物。
  13. 【請求項13】 アミノ樹脂が、(c−1) 完全アル
    キル型アミノ樹脂、(c−2) メチロール基アミノ樹
    脂、(c−3) イミノ基型アミノ樹脂、(c−4)
    メチロール/イミノ基型アミノ樹脂、からなる群から選
    択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求
    項12に記載した水性分散体組成物。
  14. 【請求項14】 共重合体粒子(A)と共重合体(B)
    との合計重量と架橋剤(C)の重量の比率が、99:1
    〜70:30の範囲にあることを特徴とする、請求項1
    乃至13の何れかに記載した水性分散体組成物。
  15. 【請求項15】 (A),(B)及び架橋剤(C)を含
    んでなる水性分散体組成物の製造方法であって、カルボ
    キシル基側鎖を有するポリオレフィン系樹脂粒子(A)
    および、エポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量
    体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエチレン性
    不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性不飽和単
    量体混合物(b)をラジカル重合して得られた共重合体
    (B)の水性エマルション及び(C)を混合することを
    特徴とする水性分散体組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 共重合体粒子(A)が、前記共重合体
    粒子(A)を構成する共重合体の共重合に使用する全単
    量体の重量を基準として、一般式(A−01)、(A−
    02)、及び、(A−03)[化6]からなる群から選
    択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖を有する
    エチレン性不飽和単量体を5〜40重量%含有する有す
    るエチレン性不飽和単量体混合物をラジカル共重合する
    かまたは(A−1)を含有する該共重合体をアンモニ
    ア、アミンまたは1価の金属イオンで中和することによ
    り得られたものであることを特徴とする請求項15に記
    載した製造方法。 【化6】 (一般式(A−02)において、Rは、それぞれ同一で
    も別個でもよく、Hもしくは炭素数1〜4のアルキル
    基、ヒドロキシアルキル基を表す。一般式(A−03)
    において、M+は、1価の金属イオンを表す。)
  17. 【請求項17】 共重合体粒子(A)が、前記共重合体
    粒子(A)を構成する共重合体の共重合に使用する全単
    量体の重量を基準として、一般式(A−21)、(A−
    22)、及び、(A−23)[化7]からなる群から選
    択された少なくとも一種のカルボキシル基側鎖を有する
    エチレン性不飽和単量体を5〜40重量%含有する有す
    るエチレン性不飽和単量体混合物(a)をラジカル共重
    合することにより得られたものであることを特徴とす
    る、請求項15に記載した製造方法。 【化7】 (一般式(A−21)、(A−22)、及び、(A−2
    3)において、RA1、R A2、及び、RA3は、それぞれ独
    立して、同一でも別個でもよく、水素原子、又は、炭素
    原子数1〜20の炭化水素基を表す。一般式(A−2
    2)において、Rは、それぞれ同一でも別個でもよく、
    Hもしくは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
    キル基を表す。一般式(A−23)において、M+は、
    1価の金属イオンを表す。)
  18. 【請求項18】 エポキシ基側鎖を有するエチレン性不
    飽和単量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエ
    チレン性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性
    不飽和単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計
    重量を基準として、一般式(B−01)、及び、(B−
    02)[化8]からなる群から選択された少なくとも一
    種のエポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽和単量体
    (b−1)を0.1〜80重量%有するものである請求
    項15乃至17の何れかに記載した製造方法。 【化8】
  19. 【請求項19】 エポキシ基側鎖を有するエチレン性不
    飽和単量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエ
    チレン性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性
    不飽和単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計
    重量を基準として、一般式(B−31)、(B−32)
    及び(B−33)[化9]からなる群から選択された少
    なくとも一種のエポキシ基側鎖を有するエチレン性不飽
    和単量体(b−1)を0.1〜80重量%有するもので
    ある、請求項15乃至17の何れかに記載した製造方
    法。 【化9】 (一般式(B−31)、(B−32)及び(B−33)
    において、RB11、RB12及びRB13は、それぞれ独立し
    て、同一でも別個でもよく、水素原子、又は炭素原子数
    1〜20の炭化水素基を表す。)
  20. 【請求項20】 エポキシ基側鎖を有するエチレン性不
    飽和単量体(b−1)と、エポキシ基側鎖を有さないエ
    チレン性不飽和単量体(b−2)を含有するエチレン性
    不飽和単量体混合物(b)が、前記混合物(b)の合計
    重量を基準として、一般式(B−41)、(B−4
    2)、(B−43)、(B−44)、(B−45)、
    (B−46)及び(B−47)[化10]からなる群か
    ら選択された少なくとも一種のエポキシ基側鎖を有さな
    いエチレン性不飽和単量体(b−2)を20〜99.9
    重量%有するものである請求項15乃至19の何れかに
    記載した製造方法。 【化10】 (一般式(B−41)、(B−42)、(B−43)、
    (B−44)、(B−45)、(B−46)及び(B−
    47)における記号は、以下のとおりである。RB21a
    B22a、RB23a、及び、RB24は、RB26またはRB27
    それぞれ独立して、同一でも別個でもよく、水素原子又
    は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。RB21b、R
    B22bは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、
    又は、炭素原子数1〜20のアルケン基若しくは芳香族
    基を表す。RB23bは、それぞれ独立して、同一でも別個
    でもよい、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素
    基を表す。RB25は、炭素原子数1〜10の側鎖を有す
    るか、又は、側鎖を有さない、エチレン性不飽和単量体
    を表す。)
  21. 【請求項21】 共重合体粒子(A)と共重合体(B)
    が、重量比で1:99〜95:5の範囲にあることを特
    徴とする、請求項15乃至20の何れかに記載した製造
    方法。
  22. 【請求項22】 請求項15乃至21の何れかに記載し
    た製造方法により得られた水性分散体組成物。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至14、及び、22の何れ
    かに記載した水性分散体組成物を含有してなる塗料組成
    物。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至14、及び、22の何れ
    かに記載した水性分散体組成物を含有してなる防錆塗料
    組成物。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至14、及び、22の何れ
    かに記載した水性分散体組成物を含有してなる接着剤組
    成物。
  26. 【請求項26】 請求項23又は24に記載した塗料組
    成物を表面に塗布することにより塗膜を形成した塗装金
    属。
  27. 【請求項27】 請求項23又は24に記載した塗料組
    成物を表面に塗布することにより塗膜を形成した防錆処
    理金属。
  28. 【請求項28】 請求項23又は24に記載した塗料組
    成物を少なくとも片面に塗布することにより塗膜を形成
    した塗装金属板。
  29. 【請求項29】 請求項23又は24に記載した塗料組
    成物を少なくとも片面に塗布することにより塗膜を形成
    した防錆処理金属板。
  30. 【請求項30】 金属板が、亜鉛メッキ鋼板である請求
    項28又は29に記載した金属板。
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JP2009298874A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Nippon Paint Co Ltd エポキシ基含有アクリル系樹脂水分散体および水系硬化性樹脂組成物
JP2013100421A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Sekisui Chem Co Ltd エポキシ樹脂硬化用微粒子、エポキシ樹脂硬化用微粒子の製造方法、及び、感光性水系エポキシ樹脂組成物

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