JP2000080228A - スチレン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系熱可塑性樹脂組成物

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JP2000080228A
JP2000080228A JP10253453A JP25345398A JP2000080228A JP 2000080228 A JP2000080228 A JP 2000080228A JP 10253453 A JP10253453 A JP 10253453A JP 25345398 A JP25345398 A JP 25345398A JP 2000080228 A JP2000080228 A JP 2000080228A
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polystyrene
styrene
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Inventor
Hideo Kinoshita
秀雄 木下
Tsuyoshi Mizushiro
堅 水城
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性に優れ、耐衝撃性、且つ成形加工性
にも優れたスチレン系熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)シンジオタクチックポリスチレン
95〜5重量%、(b)ポリスチレン及び/又は耐衝撃
性ポリスチレン5〜95重量%、及び前記(a)成分と
(b)成分との合計100重量部に対して、少なくも
(c)スチレン系熱可塑性エラストマーを0.5〜10
0重量部含有するスチレン系熱可塑性樹脂組成物に関す
る。又、(a)シンジオタクチックポリスチレン95〜
5重量%、(b)ポリスチレン及び/若しくは耐衝撃性
ポリスチレン5〜95重量%、及び前記(a)成分と
(b)成分との合計100重量部に対して、少なくとも
(c)スチレン系熱可塑性エラストマーを0.5〜10
0重量部及び(d)ポリフェニレンエーテル樹脂を0.
5〜100重量部含有するスチレン系熱可塑性樹脂組成
物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、耐衝撃
性に優れたスチレン系熱可塑性樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は、大きく分けて一般的
なポリスチレンとその脆さを改良した耐衝撃性ポリスチ
レンがある。その優れた成形性、耐水性、電気的特性を
生かして電気製品用材料、包装材料、食品容器材料等に
用いられている。しかしながら、これらスチレン系樹脂
は、一つの大きな問題点がある。それは、耐油性等に代
表される耐薬品性である。上記用途に使用する際この耐
薬品性が劣ることによって使用が限定されているのが現
状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の如き状況に鑑み、耐薬品性に優れ、耐衝撃性、且つ成
形加工性にも優れたスチレン系熱可塑性樹脂組成物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記特性を有
する材料を開発すべく、鋭意検討を重ねた結果、シンジ
オタクチックポリスチレンとポリスチレンと混合物で
は、耐薬品性は改良されるものの、機械的強度が低く実
用上使用に耐えない材料となる。あるいはシンジオタク
チックポリスチレンと耐衝撃性ポリスチレンとの混合物
であつても耐薬品性は改良されるが、耐衝撃性は改良さ
れない。しかしながら、シンジオタクチックポリスチレ
ンとポリスチレンあるいは耐衝撃性ポリスチレン、又
は、シンジオタクチックポリスチレン系とポリスチレン
及び耐衝撃性ポリスチレンの混合物に、スチレン系熱可
塑性エラストマーを一定量配合することによって、耐薬
品性及び耐衝撃性にも優れた材料となることを見出し本
発明を完成するに至った。又、シンジオタクチックポリ
スチレンとポリスチレンあるいは耐衝撃性ポリスチレ
ン、又は、シンジオタクチックポリスチレン系とポリス
チレン及び耐衝撃性ポリスチレンの混合物に、スチレン
系熱可塑性エラストマーを一定量配合し、更にポリフェ
ニレンエーテル樹脂を一定量配合することにより驚くべ
きことに優れた耐薬品性を維持しつつ、顕著に耐衝撃性
に優れた材料となることを見出し本発明を完成するに至
った。更に、スチレン系熱可塑性エラスマーが、芳香族
ビニル単量体/共役ジエン単量体の水素添加ブロック共
重合体である時、耐候性にも優れ且つ耐衝撃性向上効果
も高い。又、特にこの芳香族ビニル単量体/共役ジエン
単量体の水素添加ブロック共重合体が、芳香族ビニル単
量体の含有量が40〜80%以上あるいは数平均分子量
が10〜30万である若しくは芳香族ビニル単量体の含
有量が40〜80%以上であり、且つ数平均分子量が1
0〜30万である時、極めて耐衝撃性向上効果も高いこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、(a)シンジオタクチッ
クポリスチレン95〜5重量%、(b)ポリスチレン及
び/又は耐衝撃性ポリスチレン5〜95重量%、及び前
記(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対し
て、少なくも(c)スチレン系熱可塑性エラストマーを
0.5〜100重量部含有するスチレン系熱可塑性樹脂
組成物に関するものである。又、(a)シンジオタクチ
ックポリスチレン95〜5重量%、(b)ポリスチレン
及び/又は耐衝撃性ポリスチレン5〜95重量%、及び
前記(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対
して、少なくも(c)スチレン系熱可塑性エラストマー
を0.5〜100重量部及び(d)ポリフェニレンエー
テル樹脂を0.5〜100重量部含有するスチレン系熱
可塑性樹脂組成物に関するものでもある。更に、好まし
くは、スチレン系熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニ
ル単量体/共役ジエン単量体の水素添加ブロック共重合
体であり、且つ、芳香族ビニル単量体の含有量が40〜
80%以上及び/又は数平均分子量が10〜30万であ
るスチレン系熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。まず、本
発明組成物の(a)成分であるシンジオタクチックポリ
スチレンは、シンジオタクチック構造を有するポリスチ
レン系樹脂である。このシンジオタクチック構造を有す
るポリスチレン系樹脂は、立体化学構造が主としてシン
ジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成され
る主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基
が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであ
り、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共
鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−NM
R法により測定されるタクティシティーは、連続する複
数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイア
ッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッ
ドによって示すことができるが、本発明の言う主として
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と
は、通常はダイアッドで75%以上、好ましくは85%
以上、若しくはペンタッド(ラセミペンタッド)で30
%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシテ
ィーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレ
ン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキシ
スチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)及びこれ
らの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を
挙げることができる。なお、ここでポリ(アルキルスチ
レン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチ
ルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ
(t−ブチルスチレン)等があり、ポリ(ハロゲン化ス
チレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブ
ロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等がある。
又、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メト
キシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等がある。
これらの内特に好ましいスチレン系重合体としては、ポ
リスチレン、ポリ(p−t−ブチルスチレン)、ポリ
(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレ
ン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、更にはスチレン
とp−メチルスチレンとの共重合体を挙げることができ
る。
【0007】本発明組成物の(b)成分であるポリスチ
レンあるいは耐衝撃性ポリスチレンの内、ポリスチレン
としては、一般に業界でポリスチレンと言われるもので
ある。スチレン単量体を単独重合体あるいは場合によ
り、スチレン以外のビニル単量体を共重合したスチレン
系の材料が挙げられる。耐衝撃性ポリスチレンは、通常
ゴム変性スチレン重合体である。これは、スチレン重合
体のマトリックス及びその中に分散したゴム粒子よりな
る。このゴム変性スチレン重合体は、ゴム状重合体の存
在下にスチレン単量体及び所望ならばこれと共重合可能
なビニル単量体を加えて、単量体(又はその混合物)を
公知の塊状重合法、塊状懸濁重合法、溶液重合法、また
は乳化重合法により、ゴム状重合体にグラフト重合する
ことにより得たものである。この際、ゴム状重合体の例
としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエ
ン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブ
チル等のアクリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジ
エンモノマー三元共重合体(EPDM)等を挙げること
ができる。特にジエン系ゴムが一般的である。ポリスチ
レンあるいは耐衝撃性ポリスチレンでスチレン単量体と
共重合あるいはスチレン以外にグラフト重合させる単量
体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモス
チレン等を挙げることができる。耐衝撃性ポリスチレン
におけるゴム状重合体(ゴム粒子)の量比は、好ましく
は5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%の
範囲である。この範囲内では、樹脂組成物の耐衝撃性と
剛性のバランスが良好である。また、この耐衝撃性ポリ
スチレンゴゴム粒子の直径は、0.1〜5.0μmが好
ましく、特に1.0〜2.0μmが更に好適である。
【0008】本発明の(c)成分であるスチレン系熱可
塑性エラストマーは、主として芳香族ビニル単量体と共
役ジエン単量体からなるブロック共重合体、または共役
ジエン単量体部分が部分的あるいはすべて水素添加され
たブロック共重合体である。このブロック共重合体を構
成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン等を挙げることができる。このブロック
共重合体のブロック構造は、芳香族ビニル単量体からな
る重合体ブロックをSで表示し、共役ジエン及び/また
はその部分的あるいはすべて水素添加された単位からな
る重合体ブロックをBで表示する場合、SB、S(BS)
n、(但し、nは1〜3の整数)、S(BSB)m、(但
し、mは1〜2の整数)のリニアーブロック共重合体
や、(SB)pX(但し、pは3〜6の整数。Xは四塩
化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等のカップ
リング剤残基。)で表示される、B部分を結合中心とす
る星状(スター)ブロック共重合体も含む。このなかで
もSBの2型、SBSの3型、SBSBの4型のリニア
ーブロック共重合体が好ましい。本発明組成物の用途が
屋外で使用されるものである場合には、耐候性が要求さ
れる。ゴム成分としてブタジエンあるいはイソプレンが
存在する場合、酸化劣化により分子量低下し、強度低下
が起こる。一方、共役ジエン成分を水素添加した芳香族
ビニル単量体/共役ジエン単量体の水素添加ブロック共
重合体は、耐候性も良く、予想外に耐衝撃性の向上効果
があり、特に好ましい。芳香族ビニル単量体/共役ジエ
ン単量体の水素添加ブロック共重合体で一般に市販され
ているものは、数平均分子量10万以下、芳香族ビニル
単量体含有量は30%付近のものが多い。これらの材料
でも耐衝撃性の向上効果も大きいが、例えば数平均分子
量が20万のものあるいは芳香族ビニル単量体含有量6
0%のものを単独で使用するあるいは併用すると驚くべ
きことに顕著に耐衝撃性が上がる。従って、本発明で芳
香族ビニル単量体/共役ジエン単量体の水素添加ブロッ
ク共重合体を使用する場合は、芳香族ビニル単量体含有
量40〜80%及び/又は数平均分子量10〜30万が
好ましい。芳香族ビニル単量体の含有量が40%以下の
場合は、顕著な耐衝撃性改良効果がない。芳香族ビニル
単量体の含有量が80%以上の場合は、ゴム弾性が低下
し、耐衝撃性改良効果が低下する傾向にある。数平均分
子量10万以下の場合は、これも顕著な耐衝撃性改良効
果がない。又、数平均分子量30万以上の場合も、顕著
な耐衝撃性改良効果がない。
【0009】本発明の(d)成分であるポリフェニレン
エーテル樹脂は、下記の一般式を繰り返し単位とし、構
成単位が〔a〕又は〔b〕からなる単独重合体、あるい
は共重合体が使用できる。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1,R2,R3,R4,R5,
R6は炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン、水素等の一価の残基であり、R5,R6は同時に水
素ではない。nは好ましくは50〜500、更に好まし
くは100〜450の整数)ポリフェニレンエーテル系
樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニ
レン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
【0012】ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,
6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェ
ノールとの共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合
体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール及びo−
クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構
造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を
包含する。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の
(a)成分であるシンジオタクチックポリスチレン
(b)成分であるポリスチレン及び/又は耐衝撃性ポリ
スチレン及び(c)成分であるスチレン系熱可塑性エラ
ストマー、更に好ましくは(d)成分であるポリフェニ
レンエーテル樹脂を主成分としたものであり、この内
(a)と(b)との配合割合は、(a)成分95〜5重
量%、(b)成分5〜95重量%、好ましくは(a)成
分90〜15重量%、(b)成分10〜85重量%であ
る。(a)成分が95重量%以上の場合は、成形加工性
に劣る。(a)成分が5重量%以下の場合は、耐薬品性
付与の効果が充分でない。又、(a)成分は、耐熱性を
向上する効果もあるが、5重量%以下の場合は、耐熱性
改良の効果が充分でない。
【0014】(c)成分は、耐衝撃性を上げる効果があ
る。(b)成分としてポリスチレンを使用する場合は、
(a)成分と(b)成分との組み合わせのみでは、脆く
使用に耐えないものであり(c)が配合されて始めて実
用的に使用可能な材料となる。(b)成分としてが耐衝
撃性ポリスチレンを使用する場合は、ポリスチレンを使
用する場合に比較して脆さは改良される方向ではある
が、その改良効果は十分ではない。(c)成分を配合す
ることによって始めて脆さが改良され実用可能な材料と
なる。この(c)成分は、(a)成分と(b)成分との
合計100重量部に対して、0.5〜100重量部、好
ましくは5〜75重量部、更に好ましくは10〜50重
量部含有する。0.5重量部以下の場合は、耐衝撃性向
上効果が乏しい。100重量部以上の場合は、ゴム状弾
性が大きく引張強度に欠ける。
【0015】(d)成分は、それを(a)成分と(b)
成分と組み合わせたものは、その脆さ等の改良効果は無
い。しかしながら、(a)成分、(b)成分及び(c)
成分に更に(d)成分を配合すると、(a)成分、
(b)成分及び(c)成分の組み合わせより、理由は不
明であるが驚くべきことに著しく耐衝撃性が高い材料と
なる。(d)成分は、(a)成分と(b)成分との合計
100重量部に対して、0.5〜100重量部、好まし
くは1〜50重量部、更に好ましくは5〜25重量部含
有する。0.5重量部以下の場合は、耐衝撃性向上効果
が乏しい。(d)量をアップしてゆくと耐衝撃性は向上
してゆくが、量が多すぎると逆に低下してゆく。100
重量部以上の場合は、耐衝撃性向上の効果は小さい。
【0016】本発明の組成物は、上記の(a)、(b)
及び(c)好ましくは(d)を主成分とするものである
が、本発明の目的を阻害しない限り、各種の添加剤ある
いは本発明成分と異なる樹脂等を必要に応じて配合する
ことができる。添加剤としては、例えば亜リン酸エステ
ル系、リン酸エステル系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、脂肪族カル
ボン酸エステル系、パラフィン系の滑剤、難燃剤、核
剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。又、
ガラス繊維以外の無機充填剤、例えば、ガラスピーズ、
ガラスフレーク、炭素繊維、カーボンブラック、硝酸カ
ルシュウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化チ
タン、アルミナ、シリカ、アスベスト、タルク、クレ
ー、マイカ、石英粉、金属粉等も配合することができ
る。本発明成分と異なる樹脂としては、耐熱性ポリスチ
レン(例えば、α−メチルスチレン重合体あるいは共重
合体等)等のいわゆるポリスチレン、耐衝撃性ポリスチ
レン以外のスチレン系樹脂、6−ナイロン、6,6ナイ
ロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET、
PBT等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、塩化ビニル系樹脂等を挙げることができる。
【0017】本発明の組成物は、上記の(a)、
(b)、及び(c)好ましくは(d)を主成分とし、更
に必要に応じて各種の所望成分を配合し、適宜温度、例
えば250〜320℃で混練することによって得ること
ができる。この際の配合及び混練の方法は、通常実施さ
れている一般的な方法で実施するが、具体的には、ニー
ダー、ミキシングロール、押出機、バンバリーミキサ
ー、ヘンシェルミキサーや混練ロール等による溶融混練
法あるいは溶液ブレンド法を挙げることができる。本発
明の組成物は、これを射出成形、ブロー成形、押出成形
等によって、各種の成形品、容器、フィルム、シート等
に成形できる。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、耐溶剤性に優れる。この組成物は、これの成形品
は、電気製品用材料、包装材料、食品容器材料等の種々
の用途に使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施例をあげて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0020】
【実施例】実施例、比較例で使用した材料及び評価方法
は、下記に示す通りである。 1.材料 ・シンディタテクティクポリスチレン:下記の方法によ
り製造した。 ・ポリスチレン:旭化成工業(株)製「スタイロン68
5」 ・耐衝撃性ポリスチレン:旭化成工業(株)製「スタイ
ロンH9405」 ・スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン/ブタジ
エンの水素添加ブロック共重合体):旭化成工業(株)
製 A:スチレン含有量30%、数平均分子量6万 B:スチレン含有量60%、数平均分子量8万 C:スチレン含有量33%、数平均分子量20万 ・ポリフェニレンエーテル樹脂:旭化成工業(株)製
ポリフェニレンエーテルパウダー(ηsp/c0.43<クロロ
ホルム>) (シンジオタクチックポリスチレンの製造)反応機とし
て栗本鉄工所製KRC(内容積8.6L,ブレード径1
00mm,シリンダー有効長1000mm,パドル数4
4組,シリンダー内壁とパドルとのクリアランス1m
m)を5度傾斜させ、内部温度を80℃に制御し、回転
数を60rpmとした。この反応機にスチレンモノマー
を1L/hrの割合で供給するとともに触媒としてメチ
ルアルミノキサンを75ミリモル/hr,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドを0.15
ミリモル/hrの割合で供給しながら5時間重合を実施し
た。得られたシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体は2950gであった。また重合体のラセミペ
ンタッドでのシンジオタクシティーは97%であった。
このシンジオタクチックポリスチレンの数平均分子量
は、30万であった。 2.評価方法 (1)アイゾット衝撃強度:ASTMD256 (2)曲げ強さ:ASTMD790 (3)引っ張り強度:ASTMD638 (4)耐熱性(HDT):ASTMD648 (5)灯油トブ漬耐油テスト:射出成形ダンベル片を10
日間灯油中に浸漬後表面外観変化とクラック発生の有無を肉
眼判定変化無し○、変化小△、変化大、クラック発生×
【0021】
【実施例1〜8、比較例1〜3】表1記載の成分・組成
でブレンドし、ベント付き2軸押出機を使用して樹脂温
度280〜300℃で溶融混練しペレタイズした。得ら
れた組成物を樹脂温度280℃、金型温度150℃にて
射出成形機を用いて試験片を作成し、物性評価を実施し
た。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】シンジオタクチックポリスチレンとポリ
スチレンあるいは耐衝撃性ポリスチレン、又は、シンジ
オタクチックポリスチレンとポリスチレン及び耐衝撃性
ポリスチレンの混合物に、スチレン系熱可塑性エラスト
マーを一定量配合することによって、耐薬品性及び耐衝
撃性にも優れた材料と提供できる。又、シンジオタクチ
ックポリスチレンとポリスチレンあるいは耐衝撃性ポリ
スチレン、又は、シンジオタクチックポリスチレン系と
ポリスチレン及び耐衝撃性ポリスチレンの混合物に、ス
チレン系熱可塑性エラストマーを一定量配合し、更にポ
リフェニレンエーテル樹脂を一定量配合することにより
驚くべきことに優れた耐薬品性を維持しつつ、顕著に耐
衝撃性に優れた材料と提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)シンジオタクチックポリスチレン
    95〜5重量%、(b)ポリスチレン及び/又は耐衝撃
    性ポリスチレン5〜95重量%、及び前(a)成分と
    (b)成分との合計100重量部に対して、少なくも
    (c)スチレン系熱可塑性エラストマーを0.5〜10
    0重量部含有するスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)シンジオタクチックポリスチレン
    95〜5重量%、(b)ポリスチレン及び/又は耐衝撃
    性ポリスチレン5〜95重量%、及び前記(a)成分と
    (b)成分との合計100重量部に対して、少なくも
    (c)スチレン系熱可塑性エラストマーを0.5〜10
    0重量部及び(d)ポリフェニレンエーテル樹脂を0.
    5〜100重量部含有するスチレン系熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 スチレン系熱可塑性エラストマーが、芳
    香族ビニル単量体/共役ジエン単量体の水素添加ブロッ
    ク共重合体である請求項1又は2記載のスチレン系熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族ビニル単量体/共役ジエン単量体
    の水素添加ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体含
    有量40〜80%以上及び/又は数平均分子量10〜3
    0万である請求項5記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成
    物。
JP10253453A 1998-09-08 1998-09-08 スチレン系熱可塑性樹脂組成物 Pending JP2000080228A (ja)

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