JP2000079160A - 人工骨用高分子材料 - Google Patents
人工骨用高分子材料Info
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- JP2000079160A JP2000079160A JP10269010A JP26901098A JP2000079160A JP 2000079160 A JP2000079160 A JP 2000079160A JP 10269010 A JP10269010 A JP 10269010A JP 26901098 A JP26901098 A JP 26901098A JP 2000079160 A JP2000079160 A JP 2000079160A
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- polymer material
- artificial bone
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L27/00—Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
- A61L27/14—Macromolecular materials
- A61L27/20—Polysaccharides
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アパタイト形成能に優れた新しい人工骨用高
分子材料を提供する。 【解決手段】 主成分がカルボキシル基もしくはその誘
導基を有する多糖類またはカルボキシル基もしくはその
誘導基が導入された多糖類である固形体あるいはゲル状
体に、カルシウムイオンが結合処理されていることを特
徴とする人工骨用高分子材料とする。
分子材料を提供する。 【解決手段】 主成分がカルボキシル基もしくはその誘
導基を有する多糖類またはカルボキシル基もしくはその
誘導基が導入された多糖類である固形体あるいはゲル状
体に、カルシウムイオンが結合処理されていることを特
徴とする人工骨用高分子材料とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、人工骨用
高分子材料に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、擬似体体液中で効率的に骨類似のアパタ
イト層を形成することのできる新しい人工骨用高分子材
料に関するものである。
高分子材料に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、擬似体体液中で効率的に骨類似のアパタ
イト層を形成することのできる新しい人工骨用高分子材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、骨は、無機物質の
アパタイト微結晶が有機物質のコラーゲン繊維の上に析
出し、これらが巧みな三次元構造を作り上げている複合
体であることが知られており、これに似た構造を人工的
に構築するための検討が様々なアプローチにより進めら
れている。
アパタイト微結晶が有機物質のコラーゲン繊維の上に析
出し、これらが巧みな三次元構造を作り上げている複合
体であることが知られており、これに似た構造を人工的
に構築するための検討が様々なアプローチにより進めら
れている。
【0003】しかしながら、いずれの方法も、アパタイ
ト層を形成させるための水溶液は生体内でのイオン濃度
よりも非常に高い濃度で用いられており、このような水
溶液によっては生体骨のアパタイトと構造、組成が著し
く異なるアパタイトしか形成させることができず、得ら
れる材料は、生体骨と早期の結合を達成することができ
ない。
ト層を形成させるための水溶液は生体内でのイオン濃度
よりも非常に高い濃度で用いられており、このような水
溶液によっては生体骨のアパタイトと構造、組成が著し
く異なるアパタイトしか形成させることができず、得ら
れる材料は、生体骨と早期の結合を達成することができ
ない。
【0004】このような状況において、この出願の発明
者らは、生体内反応に倣った方法(バイオミメティック
法)の有用性を見出し、有機高分子基板上にアパタイト
を析出させる方法を鋭意検討してきた。だが、骨の無機
物質に近い構造と組織を有するアパタイトを効率的に多
数に析出させる高分子材料を見出すまでには至らなかっ
た。
者らは、生体内反応に倣った方法(バイオミメティック
法)の有用性を見出し、有機高分子基板上にアパタイト
を析出させる方法を鋭意検討してきた。だが、骨の無機
物質に近い構造と組織を有するアパタイトを効率的に多
数に析出させる高分子材料を見出すまでには至らなかっ
た。
【0005】たとえば実際にも、親水性であること、お
よびOH基の反応性に着目して、有機高分子にセルロー
ス基板を用い、その表面にアパタイトの核形成に有効で
あることが示唆されているシラノール基(Si−OH
基)を導入することにより擬似体液中でアパタイト層を
形成しようとしても、その生成速度は極めて遅く、展望
を拓くことができないのが実情であった。
よびOH基の反応性に着目して、有機高分子にセルロー
ス基板を用い、その表面にアパタイトの核形成に有効で
あることが示唆されているシラノール基(Si−OH
基)を導入することにより擬似体液中でアパタイト層を
形成しようとしても、その生成速度は極めて遅く、展望
を拓くことができないのが実情であった。
【0006】そこで、この出願の発明は、以上のような
従来技術の問題点を解消し、擬似体液中でより効率的に
骨類似の力学的性質を有する構造と組織のアパタイト層
を形成することのできる、新しい人工骨用高分子材料を
提供することを課題としている。
従来技術の問題点を解消し、擬似体液中でより効率的に
骨類似の力学的性質を有する構造と組織のアパタイト層
を形成することのできる、新しい人工骨用高分子材料を
提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願は、上記の課題
を解決するために、まず第1の発明として、主成分がカ
ルボキシル基もしくはその誘導基を有する多糖類または
カルボキシル基もしくはその誘導基が導入された多糖類
である固形体あるいはゲル状体に、カルシウムイオンが
結合処理されていることを特徴とする人工骨用高分子材
料を提供する。
を解決するために、まず第1の発明として、主成分がカ
ルボキシル基もしくはその誘導基を有する多糖類または
カルボキシル基もしくはその誘導基が導入された多糖類
である固形体あるいはゲル状体に、カルシウムイオンが
結合処理されていることを特徴とする人工骨用高分子材
料を提供する。
【0008】また、この出願は、第1の発明に関連し
て、第2の発明としては、固形体が、多孔質固形体、繊
維、フィルムまたはバルクである人工骨用高分子材料
を、第3の発明としては、多糖類はカルボキシル基を有
する天然多糖類もしくはカルボキシル基を導入した多糖
類誘導体である人工骨用高分子材料を提供する。そし
て、この出願の発明は、第4の発明として、擬似体液中
でアパタイト層を形成する人工骨用高分子材料を提供
し、第5の発明として、前記第1ないし第3の発明のい
ずれかの人工骨用高分子材料の製造方法であって、主成
分がカルボキシル基もしくはその誘導基を有する多糖類
またはカルボキシル基もしくはその誘導基が導入された
多糖類である固形体あるいはゲル状体を、カルシウムイ
オン含有液と接触させてカルシウムイオンを結合処理す
ることを特徴とする人工骨用高分子材料の製造方法と、
第6の発明として、第1ないし第4の発明のいずれかの
人工骨用高分子材料を用いる人工骨構造であって、人工
骨用高分子材料の表面にはアパタイト層が形成されてい
ることを特徴とする人工骨構造をも提供する。
て、第2の発明としては、固形体が、多孔質固形体、繊
維、フィルムまたはバルクである人工骨用高分子材料
を、第3の発明としては、多糖類はカルボキシル基を有
する天然多糖類もしくはカルボキシル基を導入した多糖
類誘導体である人工骨用高分子材料を提供する。そし
て、この出願の発明は、第4の発明として、擬似体液中
でアパタイト層を形成する人工骨用高分子材料を提供
し、第5の発明として、前記第1ないし第3の発明のい
ずれかの人工骨用高分子材料の製造方法であって、主成
分がカルボキシル基もしくはその誘導基を有する多糖類
またはカルボキシル基もしくはその誘導基が導入された
多糖類である固形体あるいはゲル状体を、カルシウムイ
オン含有液と接触させてカルシウムイオンを結合処理す
ることを特徴とする人工骨用高分子材料の製造方法と、
第6の発明として、第1ないし第4の発明のいずれかの
人工骨用高分子材料を用いる人工骨構造であって、人工
骨用高分子材料の表面にはアパタイト層が形成されてい
ることを特徴とする人工骨構造をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】この出願の発明は以上のとおりの
特徴をもつものであるが、以下にさらに詳しく発明の実
施の形態について説明する。前記したとおり、この出願
の発明の人工骨用高分子材料は、主成分としての固形状
あるいはゲル状体の多糖類にカルシウムイオンが結合処
理されているものであって、この場合の高分子材料を構
成する多糖類は、カルボキシル基もしくはその誘導基を
有するが、あるいはこれらが導入されたものである。こ
の際の誘導基は、カルボキシル基(−COOH)の水素
原子が−COOR(エステル)、−COOM(Mは金属
原子である塩)のように置換されているものであって、
カルシウムイオン(Ca2+)の結合処理を阻害すること
なく、これに寄与する性質をもつ各種のものとして定義
される。たとえば、水の存在下に容易に−CO−O−を
形成することのできるエステルや塩である。保護基とし
ての性格をもち、結合処理において−CO−O−を形成
することのできるものであってもよい。
特徴をもつものであるが、以下にさらに詳しく発明の実
施の形態について説明する。前記したとおり、この出願
の発明の人工骨用高分子材料は、主成分としての固形状
あるいはゲル状体の多糖類にカルシウムイオンが結合処
理されているものであって、この場合の高分子材料を構
成する多糖類は、カルボキシル基もしくはその誘導基を
有するが、あるいはこれらが導入されたものである。こ
の際の誘導基は、カルボキシル基(−COOH)の水素
原子が−COOR(エステル)、−COOM(Mは金属
原子である塩)のように置換されているものであって、
カルシウムイオン(Ca2+)の結合処理を阻害すること
なく、これに寄与する性質をもつ各種のものとして定義
される。たとえば、水の存在下に容易に−CO−O−を
形成することのできるエステルや塩である。保護基とし
ての性格をもち、結合処理において−CO−O−を形成
することのできるものであってもよい。
【0010】高分子多糖類は、これらのカルボキシル基
またはその誘導基をその構造にあらかじめ持つものであ
ってもよいし、もしくは化学反応によって導入したもの
としてもよい。この発明の人工骨用高分子材料を主成分
として構成する多糖類は、天然、または合成由来の各種
のものであってよいが、入手や取扱いが容易であり、構
造的強度、安定性も良好なセルロースもしくはキチン系
多糖類とすることが適当でもある。もちろん他種の高分
子多糖類でもよいことは言うまでもない。
またはその誘導基をその構造にあらかじめ持つものであ
ってもよいし、もしくは化学反応によって導入したもの
としてもよい。この発明の人工骨用高分子材料を主成分
として構成する多糖類は、天然、または合成由来の各種
のものであってよいが、入手や取扱いが容易であり、構
造的強度、安定性も良好なセルロースもしくはキチン系
多糖類とすることが適当でもある。もちろん他種の高分
子多糖類でもよいことは言うまでもない。
【0011】この発明の前記多糖類としての具体例とし
ては、カルボキシメチルセルロース(CMC)系やカル
ボキシメチルキチン系のものが挙げられる。人工骨用高
分子材料の固形物としては、その形態は、繊維、バル
ク、あるいはフィルム等の各種のものであってよい。そ
してカルシウムイオンの結合処理については、これらの
固形物もしくはゲル状体に対し、カルシウムイオンの含
有液を接触処理させることがその方法として例示される
ことになる。たとえばカルシウムイオン(Ca2+)の水
溶液、より具体的にはCa(OH)2 の水溶液中に固形
物がゲル状体を浸漬することで結合処理することができ
る。
ては、カルボキシメチルセルロース(CMC)系やカル
ボキシメチルキチン系のものが挙げられる。人工骨用高
分子材料の固形物としては、その形態は、繊維、バル
ク、あるいはフィルム等の各種のものであってよい。そ
してカルシウムイオンの結合処理については、これらの
固形物もしくはゲル状体に対し、カルシウムイオンの含
有液を接触処理させることがその方法として例示される
ことになる。たとえばカルシウムイオン(Ca2+)の水
溶液、より具体的にはCa(OH)2 の水溶液中に固形
物がゲル状体を浸漬することで結合処理することができ
る。
【0012】カルシウムイオンの結合は、前記カルボキ
シル基との結合としてまず考慮される。すなわち、2価
のカルシウムイオンは、1価のカルボキシル基2個と結
合して架橋の役割を果たす。このため、カルシウムイオ
ンの結合処理はできるだけ飽和状態にまで行うことが望
ましい。また、カルシウムイオンについては、人工骨高
分子との物理的吸着も考慮される。
シル基との結合としてまず考慮される。すなわち、2価
のカルシウムイオンは、1価のカルボキシル基2個と結
合して架橋の役割を果たす。このため、カルシウムイオ
ンの結合処理はできるだけ飽和状態にまで行うことが望
ましい。また、カルシウムイオンについては、人工骨高
分子との物理的吸着も考慮される。
【0013】この発明の人工骨用高分子材料において
は、ヒト体液との接触によりその表面に骨類似のアパタ
イトの構造および組織を形成する。この形成は従来に比
べてはるかに効率的であって、しかもそのアパタイト層
は性能的にも良好なものとなる。この発明においては、
以上のことからなる人工骨構造の形成方法も提供され
る。
は、ヒト体液との接触によりその表面に骨類似のアパタ
イトの構造および組織を形成する。この形成は従来に比
べてはるかに効率的であって、しかもそのアパタイト層
は性能的にも良好なものとなる。この発明においては、
以上のことからなる人工骨構造の形成方法も提供され
る。
【0014】そして、この発明では、擬似体液中でアパ
タイト層を形成する人工骨用高分子材料が提供されるこ
とになる。この場合の擬似体液としては、たとえばSB
F(T.Kokubo, H.Kushitani, S.Sakka, T.Kitsugi and
T.Yamamuro,“ Solutions able to reproduce in vivo
surface-structure changes in bioactive glass-ceram
ic A−W”,J.Biomed, Mater. Res. 24, 721-734(199
6) が示される。このものは、ヒトの体液にほぼ等しい
次のイオン濃度を有する水溶液である。
タイト層を形成する人工骨用高分子材料が提供されるこ
とになる。この場合の擬似体液としては、たとえばSB
F(T.Kokubo, H.Kushitani, S.Sakka, T.Kitsugi and
T.Yamamuro,“ Solutions able to reproduce in vivo
surface-structure changes in bioactive glass-ceram
ic A−W”,J.Biomed, Mater. Res. 24, 721-734(199
6) が示される。このものは、ヒトの体液にほぼ等しい
次のイオン濃度を有する水溶液である。
【0015】
【表1】
【0016】この発明の以上のとおりの人工骨用高分子
材料は、擬似体液中でヒドロキシアパタイト:Ca
10(PO2 )6 (OH)2 を生成するもので、人工椎
体、人工椎間板、人工腸骨、人工頸骨、人工頭蓋骨等と
して使用可能とされる。そこで以下実施例を示し、さら
に詳しくこの発明について説明する。
材料は、擬似体液中でヒドロキシアパタイト:Ca
10(PO2 )6 (OH)2 を生成するもので、人工椎
体、人工椎間板、人工腸骨、人工頸骨、人工頭蓋骨等と
して使用可能とされる。そこで以下実施例を示し、さら
に詳しくこの発明について説明する。
【0017】
【実施例】−COOH基および−COONa基を有する
セルロースとしてのCMC(カルボキシメチルセルロー
ス)の市販品(D.S.=0.7)を用い、文献:U.An
bergen and W.Oppormann, Polymer, 31, 1854(1990) の
記載に従ってゲル化を行った。このゲルを、図1に示し
た各々のプロセスによる処理を行い、1.0SBFおよ
び1.5SBF中でのアパタイトの生成挙動をSEM
(走査型電子顕微鏡)およびエネルギー分散X線分光法
(EOX)により評価した。
セルロースとしてのCMC(カルボキシメチルセルロー
ス)の市販品(D.S.=0.7)を用い、文献:U.An
bergen and W.Oppormann, Polymer, 31, 1854(1990) の
記載に従ってゲル化を行った。このゲルを、図1に示し
た各々のプロセスによる処理を行い、1.0SBFおよ
び1.5SBF中でのアパタイトの生成挙動をSEM
(走査型電子顕微鏡)およびエネルギー分散X線分光法
(EOX)により評価した。
【0018】ここでSBFは、前記のとおりの「ヒトの
体液にほぼ等しいイオン濃度を有する水溶液」を意味し
ている。TEOS(テトラエトキシシラン)処理では、
ゲルを、TEOS、エタノール、水、1N−HClの混
合溶液(モル比、1/10/5/0.72)中に、3
6.5℃の温度で3日間浸漬して行った。
体液にほぼ等しいイオン濃度を有する水溶液」を意味し
ている。TEOS(テトラエトキシシラン)処理では、
ゲルを、TEOS、エタノール、水、1N−HClの混
合溶液(モル比、1/10/5/0.72)中に、3
6.5℃の温度で3日間浸漬して行った。
【0019】また、Ca2+処理は、ゲルをCa(OH)
2 の飽和水溶液に1週間浸漬して行った。図1には、ア
パタイトの生成結果も示した。この結果より次のことが
わかる。 (i)カルボキシル基のみではアパタイトの核形成能は
ない(試料K)。
2 の飽和水溶液に1週間浸漬して行った。図1には、ア
パタイトの生成結果も示した。この結果より次のことが
わかる。 (i)カルボキシル基のみではアパタイトの核形成能は
ない(試料K)。
【0020】(ii)TEOS処理を行っても、Ca2+処
理を行わなければアパタイトの生成は1.5SBF中で
のみしか観察されない(試料M)。 (iii) CMCにCa2+処理を施した試料では、TEOS
処理の有無にかかわらずに、いずれも1.0SBF中で
アパタイトの核形成能を示し、生成速度も非常に速い
(試料LおよびN)。
理を行わなければアパタイトの生成は1.5SBF中で
のみしか観察されない(試料M)。 (iii) CMCにCa2+処理を施した試料では、TEOS
処理の有無にかかわらずに、いずれも1.0SBF中で
アパタイトの核形成能を示し、生成速度も非常に速い
(試料LおよびN)。
【0021】なお、図2には、試料LについてのSEM
およびSEM−EDXの写真を、図3には、試料Nにつ
いてのSEMおよびSEM−EDXの写真を示した。以
上の結果から、Ca2+がSi−OH基よりも強いアパタ
イト形成能をもつこと、そしてこのことは、多糖類とし
てカルボキシル基をもつものがCa2+と結合されて優れ
たアパタイト形成能を示すことがわかる。
およびSEM−EDXの写真を、図3には、試料Nにつ
いてのSEMおよびSEM−EDXの写真を示した。以
上の結果から、Ca2+がSi−OH基よりも強いアパタ
イト形成能をもつこと、そしてこのことは、多糖類とし
てカルボキシル基をもつものがCa2+と結合されて優れ
たアパタイト形成能を示すことがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、生体内反応と類似のアパタイトの形成が
効率的に可能とされる新しい人工骨用高分子材料が提供
される。
発明によって、生体内反応と類似のアパタイトの形成が
効率的に可能とされる新しい人工骨用高分子材料が提供
される。
【図1】実施例としてのプロセスを、アパタイト形成の
結果とともに示した図である。
結果とともに示した図である。
【図2】実施例の試料Lについての図面に代わるSEM
およびSEM−EDX写真である。
およびSEM−EDX写真である。
【図3】実施例の試料Nについての図面に代わるSEM
およびSEM−EDX写真である。
およびSEM−EDX写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB03 AB04 BA13 BA16 BC02 CC05 CD011 CD021 CD091 CF032 DA01 DA02 DA04 DA12 DC03 EA05 4F070 AA01 AA02 AB03 AC14 AE30 GB06 4F071 AA04 AA08 AD03 AD07 AG05 AH19 BA01 BA09 BB03 BB13 BC03 BC07
Claims (6)
- 【請求項1】 主成分がカルボキシル基もしくはその誘
導基を有する多糖類またはカルボキシル基もしくはその
誘導基が導入された多糖類である固形体あるいはゲル状
体に、カルシウムイオンが結合処理されていることを特
徴とする人工骨用高分子材料。 - 【請求項2】 固形体が多孔質固形体、繊維、フィルム
またはバルクである請求項1の人工骨用高分子材料。 - 【請求項3】 多糖類は、カルボキシル基を有する天然
多糖類もしくはカルボキシル基を導入した多糖類誘導体
である請求項1または2の人工骨用高分子材料。 - 【請求項4】 擬似体液中でアパタイト層を形成する人
工骨用高分子材料。 - 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかの人工骨用
高分子材料の製造方法であって、主成分がカルボキシル
基もしくはその誘導基を有する多糖類またはカルボキシ
ル基もしくはその誘導基が導入された多糖類である固形
体あるいはゲル状体を、カルシウムイオン含有液と接触
させてカルシウムイオンで架橋結合処理することを特徴
とする人工骨用高分子材料の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかの人工骨用
高分子材料を用いる人工骨構造であって、人工骨用高分
子材料の表面にはアパタイト層が形成されていることを
特徴とする人工骨構造。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26901098A JP3459575B2 (ja) | 1998-09-06 | 1998-09-06 | 人工骨用高分子材料 |
PCT/JP1999/004791 WO2000013716A1 (fr) | 1998-09-06 | 1999-09-03 | Materiau polymere pour os artificiel |
EP99940650A EP1044694A4 (en) | 1998-09-06 | 1999-09-03 | POLYMER MATERIALS FOR ARTIFICIAL BONES |
US09/964,688 US6692760B2 (en) | 1998-09-06 | 2001-09-28 | Polymeric material for artificial bone |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26901098A JP3459575B2 (ja) | 1998-09-06 | 1998-09-06 | 人工骨用高分子材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000079160A true JP2000079160A (ja) | 2000-03-21 |
JP3459575B2 JP3459575B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=17466420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26901098A Expired - Fee Related JP3459575B2 (ja) | 1998-09-06 | 1998-09-06 | 人工骨用高分子材料 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1044694A4 (ja) |
JP (1) | JP3459575B2 (ja) |
WO (1) | WO2000013716A1 (ja) |
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JP2002011090A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-15 | Kyocera Corp | 吸収性生体材料とその製造方法 |
JP2002253663A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-10 | Kyocera Corp | 骨修復材およびその製造方法 |
JP2006198874A (ja) * | 2005-01-20 | 2006-08-03 | Yokohama National Univ | 燐酸カルシウム被覆微小球体、及び、その製造方法 |
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WO2007086421A1 (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-02 | National University Corporation Hokkaido University | 硬組織再生治療に用い得るハニカム状多孔質体 |
WO2007108329A1 (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Kyoto University | 生体適合性材料の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20060000320A (ko) * | 2004-06-28 | 2006-01-06 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 생체활성을 갖는 생분해성 고분자-실록세인하이브리드체의 제조방법 및 이로부터 형성된 하이브리드체 |
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WO1997039737A1 (en) * | 1996-04-24 | 1997-10-30 | Hercules Incorporated | Medical devices with improved elastic response |
JPH10101823A (ja) * | 1996-09-27 | 1998-04-21 | Agency Of Ind Science & Technol | リン酸カルシウム化合物−キチン及びキトサン複合材料及びその製造法 |
Family Cites Families (5)
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