JP2000078816A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP2000078816A
JP2000078816A JP10263956A JP26395698A JP2000078816A JP 2000078816 A JP2000078816 A JP 2000078816A JP 10263956 A JP10263956 A JP 10263956A JP 26395698 A JP26395698 A JP 26395698A JP 2000078816 A JP2000078816 A JP 2000078816A
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rotating
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Harushige Osawa
晴繁 大澤
Takayuki Oe
貴之 大江
Tomohiro Hasegawa
朋広 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック製転動体を有する軸受を用い、温
度変化時の軸受の予圧抜けを防止し、ロータハブの回転
を安定に維持する。 【解決手段】 固定シャフト4と、この固定シャフト4
に対してセラミック製ボール6c,8c使用の一対の軸
受6,8を用いて回転自在に支持されたロータハブ10
と、ステータ18と、このステータ18に対向するよう
ロータハブ10に設けられたロータマグネット16とを
備える。ロータハブ10のロータハブ本体12には、一
対の軸受6,8のそれぞれの外輪端面の軸方向に当接す
る位置決め段部12bが設けられ、一対の軸受6,8に
は互いの内輪6a,8aを近接する方向に予圧が付与さ
れており、かつ、固定シャフト4は、ロータハブ本体1
2より線膨張係数の小さいセラミックにより構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク等
の記録ディスクを回転駆動するのに好適なスピンドルモ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の記録ディスクを回転
駆動するスピンドルモータは、軸固定タイプの場合、駆
動装置のベース部材に対して立設状態で固定された固定
シャフトに、玉軸受よりなる一対の軸受を介して、記録
ディスクを保持するロータハブが回転自在に支持され、
ベース部材側にシャフトと同心状に固定されたステータ
に対して、ロータハブに固定された環状のロータマグネ
ットが若干の隙間を介して対向し、ステータへの通電に
よりステータとロータマグネットとの磁気的相互作用に
よりロータハブが回転し、ロータハブに搭載された記録
ディスクをこれと一体に回転するようになっている。ま
た、軸回転タイプの場合、ベース部材に設けた円筒状軸
受ホルダの内側に一対の軸受を介して回転シャフトが回
転自在に支持され、この回転シャフトに結合されたロー
タハブに、ベース部材側に固定されたステータに対して
若干の隙間を介して対向するロータマグネットが装着さ
れ、ステータへの通電によりステータとロータマグネッ
トとの磁気的相互作用によりロータハブが回転シャフト
と共に回転するようになっている。
【0003】この場合、一対の玉軸受は、内輪又は外輪
を軸線方向において互いに向かい合う方向に押圧するこ
とにより両軸受に予圧を付与し、極めて高精度に回転で
きるようにしており、ベース部材に対するロータハブの
回転を高精度に維持できるようになっている。
【0004】このようなスピンドルモータにおいては、
通常、シャフトはステンレス鋼により形成され、また、
ロータハブは記録ディスクの材質に合わせてステンレス
鋼又はアルミニウム或いはアルミニウム合金により構成
されている。さらに、このようなロータハブを回転支持
するために使用される軸受は、内外輪及び転動体として
のボールがベアリング鋼で構成されている。
【0005】ところで、近年では、記録ディスク駆動装
置の益々の小型化、高速化、高容量化が要求され、特に
高速化に伴い、従来の鋼球を用いた軸受では、鋼球の摩
擦、摩耗、焼き付き等によるガタ及び振動の問題や、こ
の摩耗に起因する発塵による記録ディスク駆動装置内の
清浄空間の汚染等新たな問題が生じてきている。
【0006】この問題を解決する手段の一つとして、ロ
ータハブを回転自在に支持する軸受として、内外輪間に
介在されるボールをセラミックにより構成したセラミッ
クボール軸受を使用することが提唱されている。
【0007】例えば特開平6−176473号公報に
は、ロータハブを回転自在に支持するための軸受の内
輪、外輪あるいはボールのうちの少なくとも一つをセラ
ミックによって形成することが記載されている。中でも
内外輪間に介在される転動体としてのボールをセラミッ
クで構成することにより、高硬度を有するセラミック製
ボールの使用によって、ボールの摩擦、摩耗、焼き付き
に起因するガタ及び振動の発生並びに発塵の問題も解決
することができ、高速回転に対応できる。
【0008】なお、上記公報には、記録ディスク駆動装
置のベース部材とロータハブとを電気的に絶縁する手段
として、セラミック使用の軸受を用いることが示されて
いる。即ち、記録ディスクの単位面積当たりの記録容量
を増大させるために、磁気特性に優れた薄膜磁気ヘッド
や磁界の大きさによって内部抵抗が変化するMR素子を
利用した磁気ヘッドが採用されるようになってきている
が、MR素子を利用した磁気ヘッド採用の記録ディスク
駆動装置の場合、MR素子の特性上、磁気ヘッドに対し
て一定の電圧が印加される。このため記録ディスクと磁
気ヘッドとの間に電位差が生じ、磁気ヘッドが記録ディ
スクから浮上したとき記録ディスクと磁気ヘッドとの間
に放電が発生し、記録ディスクに記録された情報が破壊
されたり、磁気ヘッドが電気的に腐食するという欠点を
有している。セラミック使用の軸受を使用することによ
り、ベース部材とロータハブとを電気的に絶縁すること
ができ、上述の欠点を解決している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
軸受を構成する部材のうちボールをセラミックによって
形成し内外輪を従来と同じくベアリング鋼によって形成
した場合、記録ディスク駆動装置内の温度上昇時、シャ
フト、ロータハブ及び軸受の熱膨張が生じると、セラミ
ックによって形成されたボールと他の部材との間の線膨
張係数が著しく異なるため、内外輪とボールとの間に隙
間が生じ、一対の軸受に予圧が付与されない、予圧が抜
けた状態となり、ロータハブに回転振れ等が生じ回転特
性が悪化するという新たな問題を生じる。
【0010】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、セラミック製転動体を有する軸受を用いた場
合に温度変化時の軸受の予圧抜けを防止し、ロータハブ
の回転を安定に維持することができるスピンドルモータ
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の発明においては、静止部材と、この
静止部材に対して一対の軸受を用いて回転自在に支持さ
れた回転部材と、静止部材に固定されたステータと、こ
のステータに対向するよう回転部材に装着されたロータ
マグネットとを備えてなるスピンドルモータにおいて、
一対の軸受を、静止側或いは回転側のシャフトの外周面
に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内周面に固
着される外輪と、内輪及び外輪間に介在されたセラミッ
ク製の複数の転動体とを備えてなり、前記外輪が固着さ
れる回転側或いは静止側の内周面には一対の軸受のそれ
ぞれの外輪端面の軸方向の当接により両軸受を位置決め
する段部が設けられ、一対の軸受には互いの内輪を近接
する方向に予圧が付与されており、前記シャフトは、回
転側或いは静止側の内周面を構成する部材より線膨張係
数の小さいセラミックにより構成されていることを特徴
とし(請求項1)、回転側或いは静止側の内周面を構成
する部材が金属材料で構成されていることが望ましい
(請求項2)。
【0012】セラミック製転動体を有する一対の軸受
は、互いの内輪を相互に近接する方向に予圧が付与され
ており、温度上昇時には、ベアリング鋼或いはステンレ
ス鋼で構成された内外輪の熱膨張変形に比べ、セラミッ
ク製転動体の熱膨張変形が小さいため、内外輪と転動体
との間に隙間が生じ、予圧抜けが生じる。
【0013】静止側或いは回転側のシャフトが線膨張係
数の小さいセラミックで構成されていると、温度上昇時
においても、シャフトの熱膨張は非常に少なく、一対の
軸受はそれぞれの内輪がこのシャフトに固着されている
ことから、一対の軸受の内輪間寸法はあまり大きく変化
しない。一方、一対の軸受のそれぞれの外輪が固着され
ている回転側或いは静止側は、セラミック製シャフトよ
り線膨張係数が大きいため、温度上昇時、所要の通り熱
膨張し、この時、回転側或いは静止側の内周面が径方向
に拡大すると同時に、この内周面が段部と共に軸方向に
膨張する。この軸方向の膨張による変位は、シャフトの
軸方向の変位に比べ大きいため、一対の軸受にはそれぞ
れの外輪を軸方向外方に広げようとする予圧が加圧され
る。この結果、温度上昇時に軸受の内外輪と転動体との
間に生じる隙間が予圧の加圧により実質上無くなり、予
圧抜けが防止される。
【0014】また、本発明の第2の発明は、静止部材
と、この静止部材に対して一対の軸受を用いて回転自在
に支持された回転部材と、静止部材に固定されたステー
タと、ステータに対向するよう回転部材に装着されたロ
ータマグネットとを備えてなるスピンドルモータにおい
て、一対の軸受は、静止側或いは回転側のシャフトの外
周面に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内周面
に固着される外輪と、内輪及び外輪間に介在されたセラ
ミック製の複数の転動体とを備えてなり、外輪が固着さ
れる回転側或いは静止側の内周面には一対の軸受のそれ
ぞれの外輪端面の軸方向の当接により両軸受を位置決め
する段部が設けられ、一対の軸受には互いの内輪を近接
する方向に予圧が付与されており、回転側或いは静止側
の内周面を構成する部材がセラミックにより構成されて
いることを特徴としている(請求項3)。
【0015】この発明の場合、内輪がシャフトに固着さ
れた一対の軸受に対し、この外輪が固着される回転側或
いは静止側の内周面の構成部材が、相対的に線膨張係数
の小さいセラミックで構成されることにより、温度上昇
時、一対の軸受の外輪が軸方向及び径方向外方へ膨張し
ようとすることが抑制され、この外輪への抑制力により
温度上昇時に内外輪と転動体との間に発生しようとする
隙間が実質上無くなり、予圧抜けが防止される。
【0016】さらに、本発明の第3の発明は、静止部材
と、この静止部材に対して一対の軸受を用いて回転自在
に支持された回転部材と、静止部材に固定されたステー
タと、このステータに対向するよう回転部材に装着され
たロータマグネットとを備えてなるスピンドルモータに
おいて、一対の軸受は、静止側或いは回転側のシャフト
の外周面に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内
周面側に固着される外輪と、内輪及び外輪間に介在され
たセラミック製の複数の転動体とを備えてなり、回転側
或いは静止側の内周面には一対の軸受のそれぞれの外輪
端面の軸方向の当接により両軸受を位置決めする段部が
設けられ、一対の軸受には互いの内輪を近接する方向に
予圧が付与されており、かつ、一対の軸受の外輪と回転
側或いは静止側の内周面との間に、回転側或いは静止側
の内周面を構成する部材より線膨張係数の大きい環状部
材が介在されていることを特徴としている(請求項
4)。そして、この環状部材をプラスチックにより構成
するのが好ましい(請求項5)。
【0017】この発明の場合、内輪がシャフトに固着さ
れた一対の軸受の外輪と回転側或いは静止側の内周面と
の間に線膨張係数の大きい環状部材が介在されることに
より、温度上昇時、回転側或いは静止側の内周面を構成
する部材の膨張によるその径方向外方への広がりに比し
て、環状部材の膨張が大きくなるため、実質的に軸受に
対して径方向内方への力が作用し、一対の軸受の外輪が
軸方向及び径方向外方へ膨張しようとすることが抑制さ
れ、この外輪への抑制力により温度上昇時に内外輪と転
動体との間に発生しようとする隙間が実質上無くなり、
予圧抜けが防止される。
【0018】回転側或いは静止側の内周面を構成する部
材が線膨張係数の比較的小さな材料で構成した場合に
は、この内周面で環状部材を径方向及び軸方向に保持す
ることで環状部材の変形を拘束することになり、逆に環
状部材がその内径を小さくするように変形し、一対の軸
受の外輪が径方向に膨張することを抑制することができ
る。環状部材が線膨張係数の非常に大きいプラスチック
で構成された場合にも同様に、一対の軸受の外輪が径方
向に膨張することが効果的に抑制される。
【0019】上記において、軸固定タイプの場合、装置
のベース部材又はこれに固着されるモータブラケット及
びこれに固定されたシャフトが静止部材を構成し、この
シャフトに一対の軸受を介して回転自在に支持されたロ
ータが回転部材となる。ロータはハードディスク等の記
録ディスク駆動装置用スピンドルモータでは記録ディス
クを搭載する機能を有するロータハブが回転部材とな
る。また、軸回転タイプの場合、装置のベース部材又は
これに固着されるモータブラケット及びこれに一体的に
設けられた円筒状軸受支持筒が静止部材となり、軸受支
持筒の内側に一対の軸受を介して回転自在に支持された
シャフト及びこのシャフトに結合されたロータ(ロータ
ハブ)が回転部材を構成する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳述する。まず、図1は第1の発明の実施形
態を示したものであり、ハードディスク駆動装置に適用
した場合を示したものである。
【0021】浅皿状に形成されたブラケット2には中央
部に円筒ボス部2aが形設され、この円筒ボス部2aの
内側の固定孔にセラミックにより構成された固定シャフ
ト4の下端部を圧入することにより、ブラケット2に固
定シャフト4が立設されている。ブラケット2は、駆動
装置のベース部材(図示せず)にねじ止め等により固定
され、これにより固定シャフト4がベース部材に対して
立設状態で固定されている。固定シャフト4の円筒ボス
部2aより突出した部分には、軸方向に離間して配置さ
れた一対の軸受6,8を介して記録ディスクを保持する
ロータハブ10が回転自在に支持されている。
【0022】一対の軸受6,8は玉軸受からなり、それ
ぞれベアリング鋼により構成された内輪6a,8a及び
外輪6b,8bと、この内外輪間に介在された転動体と
しての複数のボール6c,8cと、各ボールを周方向等
間隔に保持するリテーナ及びシール部材等を備えてな
り、ボール6c,8cはセラミック、例えば窒化ケイ素
(Si34)により構成されている。このセラミックボ
ールを有する軸受6,8の使用は、ロータハブ10とシ
ャフト4間の電気的絶縁を実現すると同時に、ボールの
摩耗に起因するガタ及び振動の発生並びに発塵の問題も
解決することが可能である。
【0023】前記ロータハブ10は、記録ディスクの中
心孔に嵌合してこれを保持する円筒外周面を有し記録デ
ィスクとほぼ同じ線膨張係数を有するアルミ又はアルミ
合金或いはステンレス鋼により構成されたロータハブ本
体12と、上端がロータハブ本体12に固定された円筒
状のロータヨーク14と、このロータヨーク14の内周
面に固着された円筒状のロータマグネット16とを備え
てなる。一対の軸受6,8は、それぞれの内輪6a,8
aの内周面が固定シャフト4の外周面に接着剤を用いて
固着され、それぞれの外輪6b,8bの外周面がロータ
ハブ本体12の内周面に接着剤を用いて固着されてい
る。
【0024】ロータハブ本体12の下部には、径方向外
方に張り出したディスク載置部12aが一体に設けら
れ、これに記録ディスクが載置されて装着される。ま
た、ロータハブ本体12の内周面には、径方向内方に突
出した環状段部12bが一体に形設されており、一対の
軸受6,8のそれぞれの外輪6b,8bの向かい合う端
面が環状段部12bに軸方向に当接し、両軸受6,8を
位置決めできるようになっている。一対の軸受6,8
は、それぞれの内輪6a,8aが互いに近接する方向に
予圧が付与されている。ロータハブ本体12のディスク
載置部12aより下方に垂下した外周壁部12cはブラ
ケット2の外周壁内面と僅かな間隙を介して対向してお
り、ラビリンスシールを構成している。ヨーク14はロ
ータハブ本体12に設けられた垂下部12dの外周に外
嵌され、垂下部12dの一部をかしめることによりヨー
ク14がその上面をロータハブ本体12に当接させた状
態で固定される。
【0025】円筒ボス部2aの外周面には、ステータコ
ア及びこのステータコアに巻回されたコイルを備えてな
るステータ18が外嵌固定され、ステータ18の外周面
に対し、ロータマグネット16が若干の隙間を介して対
向している。上側軸受6の上方及び下側軸受8の下方に
は、シャフト4の外周面との間でラビリンスギャップを
形成するラビリンスキャップ20,22がそれぞれロー
タハブ本体12に固着されて配置されている。
【0026】固定シャフト4を構成するセラミックは、
例えば窒化ケイ素であり、その線膨張係数は3.4/1
6である。ロータハブ10のロータハブ本体12は、
記録ディスクがアルミニウムディスクの場合、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金(A6061)で構成され、
その線膨張係数は23.6/106であり、記録ディス
クがガラスディスクの場合、ステンレス鋼(例えばSU
S430)で構成され、その線膨張係数は10.4/1
6である。
【0027】上述したスピンドルモータにおいて、温度
が上昇すると、一対の軸受6,8においては、内外輪6
a,6b,8a,8bを構成するベアリング鋼(SUJ
2)の線膨張係数(12.5/106)とボール6c,
8cを構成するセラミック(窒化ケイ素)の線膨張係数
(3.4/106)との差により、内外輪6a,6b,
8a,8bとボール6c,8cとの間に隙間を生じよう
とする。
【0028】この時、一対の軸受6,8のそれぞれの内
輪6a,6bが固着された固定シャフト4は相対的に線
膨張係数が小さいため、その内輪6a,6b間の軸方向
寸法はあまり変化しない。一方、ロータハブ10のロー
タハブ本体12においては、その材質の線膨張係数が固
定シャフト4のセラミックより大きいため、温度上昇時
に所要の通り熱膨張するが、特に軸方向の熱膨張が固定
シャフト4に比べて大きいことから、一対の軸受6,8
のそれぞれの外輪6b,8b間の軸方向寸法が内輪6
a,8a間より大きくなり、一対の軸受6,8に予圧力
が加圧されることになる。この場合、ロータハブ本体1
2の半径方向外方への膨張によって外輪6b,8bが径
方向外方へ引っ張られるが、その変位は内外輪の軸方向
変位差に比べて小さく、結果として、この軸方向変位差
が一対の軸受6,8の内外輪とボール間の隙間をなくす
ように作用し、従来技術で説明したような予圧抜けが防
止されることになる。
【0029】なお、以上の説明より明らかなように、ロ
ータハブ本体12はアルミニウム又はアルミニウム合金
のように線膨張係数の大きい材質であれば予圧抜け防止
の効果が顕著であるが、ステンレス鋼や銅合金或いはエ
ンジニアリングプラスチック等であってもよく、ロータ
ハブ本体の線膨張係数が固定シャフトのセラミックより
大きければ本発明の予圧抜け防止の効果が得られるもの
である。また、図1は軸固定タイプのスピンドルモータ
の場合を説明したが、軸回転タイプのスピンドルモータ
にも同様に適用できる。この場合、ベース部材又はこれ
に固着されるモータブラケットの軸受保持筒をアルミニ
ウムやステンレス鋼等の材料で構成し、この軸受保持筒
に一対の軸受(セラミックボール使用)を介して支持さ
れるロータの回転シャフトを軸受保持筒より線膨張係数
の小さいセラミックで構成すればよい。セラミックとし
ては、アルミナAl23(線膨張係数7.5〜7.8/
106)であってもよい。
【0030】次に、第2の発明の実施形態を示した図2
について説明する。図2に示す実施の形態は、先の実施
形態と同様にハードディスク駆動装置用スピンドルモー
タを示したものであり、図1と同一もしくは対応するも
のには同一符号を付してその詳細を省略する。
【0031】図2の実施の形態では、ブラケット2の円
筒ボス部2aに圧入して立設状態で固定された固定シャ
フト24がステンレス鋼,アルミニウム合金等の材料に
より構成されている。また、この固定シャフト24に対
してセラミックボール使用の一対の軸受6,8を介して
回転自在に支持されたロータハブ26が、記録ディスク
を保持するセラミックにより構成されたロータハブ本体
28と、このロータハブ本体28に上端部が固着された
ロータヨーク14と、ロータヨーク14の内周面に装着
されたロータマグネット16とから構成されている。ロ
ータハブ本体28の下部外周には、外方に鍔状に張り出
したディスク載置部28aが一体的に形設され、内周部
には、径方向内方に突出した環状段部28bが一体的に
形設されている。
【0032】一対の軸受6,8は、それぞれの内輪6
a,8aが固定シャフト24の外周面に接着固定され、
それぞれの外輪6b,8bがロータハブ本体28の内周
面にそれぞれの軸方向端面を環状段部28bに軸方向に
当接させた状態で接着固定されており、一対の軸受6,
8は、それぞれの内輪6a,8aが互いに近接する方向
に予圧が付与されている。
【0033】このような構成のスピンドルモータにおい
ては、ロータハブ26のロータハブ本体28が線膨張係
数の小さいセラミックにより構成されているため、温度
変化に伴うロータハブ本体28の熱変形が非常に小さ
く、従って、温度上昇時、一対の軸受6,8の内外輪に
熱膨張を生じようとしても、ロータハブ本体28により
外輪6b,8bの径方向の変形が抑制されることにな
り、一対の軸受6,8における内外輪とボールとの間に
隙間を生じることが実質上防がれ、予圧抜けが防止され
る。
【0034】図2に示す実施の形態は、記録ディスクと
してガラスディスクを用いる場合に好適である。これ
は、ロータハブ本体28としてガラスと線膨張係数が近
似しているセラミックを用いることから、温度変化によ
る記録ディスクの変形が極めて小さいことに起因してい
る。なお、第2の発明においても、図2の軸固定タイプ
のスピンドルモータに限らず、軸回転タイプのスピンド
ルモータにも同様に適用することが出来る。この場合、
静止部材としての軸受保持筒をセラミックで構成すれば
よい。
【0035】次に、第3の発明の実施の形態を示した図
3について説明する。図3に示す実施の形態も、先の実
施形態と同様にハードディスク駆動装置用スピンドルモ
ータを示したものであり、図1及び図2と同一もしくは
対応するものには同一符号を付してその詳細を省略す
る。
【0036】図3に示すスピンドルモータは、ブラケッ
ト2に固定された固定シャフト24が例えばアルミニウ
ム合金により構成され、ロータハブ10のロータハブ本
体12が例えばステンレス鋼(SUS430)により構
成され、この構造は従来と同様であるが、異なるところ
は、セラミックボール使用の一対の軸受6,8の外輪6
b,8bとロータハブ本体12との接合部にプラスチッ
クよりなる環状部材32,34が介在されてことであ
る。この環状部材32,34は例えばエポキシ樹脂によ
り構成され、その線膨張係数は63/106と非常に大
きい。環状部材32,34はそれぞれ内周面が外輪6
b,8bの外周面全面に接着固定され、外周面がロータ
ハブ本体12の内周面に接着固定されている。
【0037】図3に示す実施形態にあっては、固定シャ
フト24に装着された一対の軸受6,8の外側を線膨張
係数の非常に大きいプラスチック製環状部材32,34
で覆い、その外周を環状部材32,34より線膨張係数
の小さい部材(ロータハブ本体12)で径方向及び軸方
向に対し保持しているため、温度上昇時、ロータハブ本
体12の膨張変位に比し、環状部材32,34の膨張量
が大きく、この場合、環状部材32,34はロータハブ
本体12によりその径方向及び軸方向が拘束されること
から、ロータハブ本体12の熱膨張で吸収しきれない環
状部材32,34の変位は径方向内方に向かい、両軸受
6,8の外輪6b,8bが径方向内方に押圧されること
になる。
【0038】この結果、温度上昇時に一対の軸受6,8
の内外輪に熱膨張を生じようとしても、環状部材32,
34により外輪6b,8bの径方向の変形が抑制される
ことになり、一対の軸受6,8における内外輪とボール
との間に隙間を生じることが実質上防がれ、予圧抜けが
防止される。
【0039】特に、上記の実施形態のように、ロータハ
ブ本体12を線膨張係数の比較的小さい材料(SUS4
30)で構成した場合には、温度上昇時に逆に外輪6
b,8bの内径を小さくするように変形し、上述した外
輪6b、8bの径方向の膨張変形を抑制する効果が顕著
になる。
【0040】なお、上記環状部材32,34の材料とし
ては、線膨張係数が大きいという点でプラスチックが望
ましく、エポキシ樹脂以外に、PES(ポリエーテルサ
ルホン、線膨張係数55/106)、PBT(ポリブチ
レンテレファート、線膨張係数80/106)、PTF
E(ポリテトラフロロエチレン、線膨張係数95/10
6)、POM(ポリエーテル、線膨張係数95/106
等が挙げられる。勿論、プラスチックに限定されるもの
ではなく、ロータハブ本体12より大きい線膨張係数を
有する金属材料で環状部材を構成してもよい。また、こ
の第3の発明も、固定シャフト24やロータハブ本体1
2の材質は上記に限定されるものではなく、さらに、図
3の軸固定タイプに限らず、軸回転タイプのスピンドル
モータにも適用することが出来る。この場合、静止部材
としての軸受保持筒と軸受の外輪との間に、軸受保持筒
より線膨張係数の大きい材料で構成された環状部材を介
在させればよい。
【0041】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本
発明の主旨を逸脱することなく、種々変更又は修正が可
能である。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載する効果を奏する。第1の発明の
スピンドルモータにあっては、セラミック転動体を用い
た一対の軸受のそれぞれの内輪が固着される静止側或い
は回転側のシャフトを線膨張係数の小さいセラミックに
より構成したので、温度上昇時に一対の軸受の内輪間寸
法をほぼ一定に保持した上で、一対の軸受のそれぞれの
外輪をこれが固着される回転側或いは静止側の内周面を
構成する部材の熱膨張に応じて軸方向に変位させること
ができ、外輪間寸法を軸方向に広げ、両軸受に予圧を加
えることができるものであり、結果とを実質上無くして
予圧抜けを防止することができる。従って、セラミック
転動体軸受の使用により、温度変化時の軸受の予圧抜け
を確実に防止し、ロータハブの回転を安定に維持するこ
とができるものである。
【0043】第2の発明のスピンドルモータにあって
は、内輪がシャフトに固着された一対の軸受に対し、こ
の外輪が固着される回転側或いは静止側の内周面の構成
部材を相対的に線膨張係数の小さいセラミックで構成し
ているため、温度上昇時の外輪の膨張を抑えることがで
き、軸受における内外輪と転動体との間に発生しようと
する隙間を実質上なくすことができ、予圧抜けを防止す
ることができる。
【0044】第3の発明のスピンドルモータにあって
は、内輪がシャフトに固着された一対の軸受の外輪と回
転側或いは静止側の内周面との間に線膨張係数の大きい
環状部材を介在したので、温度上昇時の環状部材の径方
向内方への変位を利用して外輪の径方向の膨張を抑制す
ることができ、軸受における内外輪と転動体との間に発
生しようとする隙間を実質上なくすことができ、予圧抜
けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態を示すスピンドルモータ
の軸断面図である。
【図2】第2の発明の実施形態を示すスピンドルモータ
の軸断面図である。
【図3】第3の発明の実施形態を示すスピンドルモータ
の軸断面図である。
【符号の説明】
4、24 固定シャフト 6、8 軸受 6a、8a 内輪 6b、8b 外輪 6c、8c ボール 10、 26 ロータハブ 12、28 ロータハブ本体 12b、28b 環状段部 32、34 環状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H605 AA00 BB05 BB09 BB19 CC01 CC02 CC04 EB10 EB17 EB39 FF03 FF06 FF10 GG01 GG04 5H621 BB07 GA01 GA04 JK07 JK13 JK17 JK19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止部材と、該静止部材に対して一対の
    軸受を用いて回転自在に支持された回転部材と、前記静
    止部材に固定されたステータと、該ステータに対向する
    よう前記回転部材に装着されたロータマグネットとを備
    えてなるスピンドルモータにおいて、 前記一対の軸受は、静止側或いは回転側のシャフトの外
    周面に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内周面
    に固着される外輪と、内輪及び外輪間に介在されたセラ
    ミック製の複数の転動体とを備えてなり、前記外輪が固
    着される前記回転側或いは静止側の内周面には前記一対
    の軸受のそれぞれの外輪端面の軸方向の当接により該両
    軸受を位置決めする段部が設けられ、前記一対の軸受に
    は互いの内輪を近接する方向に予圧が付与されており、 前記シャフトは、前記回転側或いは静止側の内周面を構
    成する部材より線膨張係数の小さいセラミックにより構
    成されていることを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 【請求項2】 前記回転側或いは静止側の内周面を構成
    する部材は、金属材料により構成されている請求項1に
    記載のスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 静止部材と、該静止部材に対して一対の
    軸受を用いて回転自在に支持された回転部材と、前記静
    止部材に固定されたステータと、該ステータに対向する
    よう前記回転部材に装着されたロータマグネットとを備
    えてなるスピンドルモータにおいて、 前記一対の軸受は、静止側或いは回転側のシャフトの外
    周面に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内周面
    に固着される外輪と、内輪及び外輪間に介在されたセラ
    ミック製の複数の転動体とを備えてなり、前記外輪が固
    着される前記回転側或いは静止側の内周面には前記一対
    の軸受のそれぞれの外輪端面の軸方向の当接により該両
    軸受を位置決めする段部が設けられ、前記一対の軸受に
    は互いの内輪を近接する方向に予圧が付与されており、 前記回転側或いは静止側の内周面を構成する部材は、セ
    ラミックにより構成されていることを特徴とするスピン
    ドルモータ。
  4. 【請求項4】 静止部材と、該静止部材に対して一対の
    軸受を用いて回転自在に支持された回転部材と、前記静
    止部材に固定されたステータと、該ステータに対向する
    よう前記回転部材に装着されたロータマグネットとを備
    えてなるスピンドルモータにおいて、 前記一対の軸受は、静止側或いは回転側のシャフトの外
    周面に固着される内輪と、回転側或いは静止側の内周面
    側に固着される外輪と、内輪及び外輪間に介在されたセ
    ラミック製の複数の転動体とを備えてなり、前記回転側
    或いは静止側の内周面には前記一対の軸受のそれぞれの
    外輪端面の軸方向の当接により該両軸受を位置決めする
    段部が設けられ、前記一対の軸受には互いの内輪を近接
    する方向に予圧が付与されており、 かつ、前記一対の軸受の外輪と前記回転側或いは静止側
    の内周面との間には、該回転側或いは静止側の内周面を
    構成する部材より線膨張係数の大きい環状部材が介在さ
    れていることを特徴とするスピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 前記環状部材はプラスチックにより構成
    されている請求項3に記載のスピンドルモータ。
JP10263956A 1998-09-01 1998-09-01 スピンドルモータ Withdrawn JP2000078816A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015080306A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 ミネベア株式会社 インナーロータ型モータ

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