JP2000077882A - 単層薄型xバンド電波吸収体 - Google Patents
単層薄型xバンド電波吸収体Info
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Landscapes
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造が容易であると共に、材料コストを低減
し、かつ異材の混入を防止することを可能にした電波吸
収体を提供する。 【解決手段】 電波を反射するための反射層1と、電気
比抵抗が25〜175Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強さ
れた繊維強化プラスチックからなる吸収層2とを有する
Xバンド(8〜12.5GHz)用電波吸収体であっ
て、吸収層2の厚さを2.0〜3.5mmにする。
し、かつ異材の混入を防止することを可能にした電波吸
収体を提供する。 【解決手段】 電波を反射するための反射層1と、電気
比抵抗が25〜175Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強さ
れた繊維強化プラスチックからなる吸収層2とを有する
Xバンド(8〜12.5GHz)用電波吸収体であっ
て、吸収層2の厚さを2.0〜3.5mmにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Xバンド(8〜1
2.5GHz)用電波吸収体に関し、さらに詳しくは、
製造が容易であると共に、材料コストを低減し、かつ異
材の混入を防止することを可能にした電波吸収体に関す
る。
2.5GHz)用電波吸収体に関し、さらに詳しくは、
製造が容易であると共に、材料コストを低減し、かつ異
材の混入を防止することを可能にした電波吸収体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電波吸収体は船舶や航空機など
に広く使用されている。この電波吸収体としては、大別
して減衰型の吸収体と整合型の吸収体とがある。前者は
電波吸収材の内部を透過中に電波のエネルギーが減衰し
ていくタイプであり、後者は電波吸収材の後面に電波を
反射するための反射板を設け、入射した電波の吸収材表
面での反射量と反射板からの反射量とをコントロールし
て両者を相殺することにより、電波の反射波を実質的に
減少させるようにしたものである。
に広く使用されている。この電波吸収体としては、大別
して減衰型の吸収体と整合型の吸収体とがある。前者は
電波吸収材の内部を透過中に電波のエネルギーが減衰し
ていくタイプであり、後者は電波吸収材の後面に電波を
反射するための反射板を設け、入射した電波の吸収材表
面での反射量と反射板からの反射量とをコントロールし
て両者を相殺することにより、電波の反射波を実質的に
減少させるようにしたものである。
【0003】従来、後者の整合型電波吸収体で単層構造
を有するものとして、特公平3−35840号公報に開
示されるように、電気比抵抗が100 〜105 Ωcmの
炭化ケイ素繊維を電波吸収材に使用したものが知られて
いる。但し、この電波吸収体はミリ波帯で有効であると
されている。
を有するものとして、特公平3−35840号公報に開
示されるように、電気比抵抗が100 〜105 Ωcmの
炭化ケイ素繊維を電波吸収材に使用したものが知られて
いる。但し、この電波吸収体はミリ波帯で有効であると
されている。
【0004】また、レーダーの周波数帯であるXバンド
(8〜12.5GHz)で有効な整合型電波吸収体とし
ては、反射層の表面に、電気比抵抗が例えば104 〜1
06Ωcmと大きい炭化ケイ素繊維の複合材からなる表
層(整合層)と、電気比抵抗が例えば5Ωcm以下と小
さい炭化ケイ素繊維の複合材からなる吸収層とを積層し
た二層系のものが知られている。この二層系電波吸収体
は、3GHz以上の帯域幅で20dB以上の吸収性能を
達成することが可能であり、吸収性能を発揮する帯域幅
を広く取れる点で優れている。
(8〜12.5GHz)で有効な整合型電波吸収体とし
ては、反射層の表面に、電気比抵抗が例えば104 〜1
06Ωcmと大きい炭化ケイ素繊維の複合材からなる表
層(整合層)と、電気比抵抗が例えば5Ωcm以下と小
さい炭化ケイ素繊維の複合材からなる吸収層とを積層し
た二層系のものが知られている。この二層系電波吸収体
は、3GHz以上の帯域幅で20dB以上の吸収性能を
達成することが可能であり、吸収性能を発揮する帯域幅
を広く取れる点で優れている。
【0005】しかしながら、上記二層系電波吸収体は、
電気比抵抗が互いに異なる炭化ケイ素繊維を含有する表
層と吸収層とを貼り合わせる必要があるため製造工程が
煩雑であると共に、Xバンドで最適な吸収性能を発揮す
るように設計した場合に厚さが4〜6mm程度になるた
め材料コストが高くなるという問題があった。また、表
層と吸収層とは、炭化ケイ素繊維の種類が互いに異なっ
ているものの、外観から見分けることが困難であるた
め、製造時に間違って積層することにより異材が混入す
るおそれがあった。
電気比抵抗が互いに異なる炭化ケイ素繊維を含有する表
層と吸収層とを貼り合わせる必要があるため製造工程が
煩雑であると共に、Xバンドで最適な吸収性能を発揮す
るように設計した場合に厚さが4〜6mm程度になるた
め材料コストが高くなるという問題があった。また、表
層と吸収層とは、炭化ケイ素繊維の種類が互いに異なっ
ているものの、外観から見分けることが困難であるた
め、製造時に間違って積層することにより異材が混入す
るおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
が容易であると共に、材料コストを低減し、かつ異材の
混入を防止することを可能にした電波吸収体を提供する
ことにある。
が容易であると共に、材料コストを低減し、かつ異材の
混入を防止することを可能にした電波吸収体を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の電波吸収体は、電波を反射するための反射層
と、電気比抵抗が25〜175Ωcmの炭化ケイ素繊維
で補強された繊維強化プラスチックからなる吸収層とを
有するXバンド(8〜12.5GHz)用電波吸収体で
あって、前記吸収層の厚さを2.0〜3.5mmとした
ことを特徴とするものである。
の本発明の電波吸収体は、電波を反射するための反射層
と、電気比抵抗が25〜175Ωcmの炭化ケイ素繊維
で補強された繊維強化プラスチックからなる吸収層とを
有するXバンド(8〜12.5GHz)用電波吸収体で
あって、前記吸収層の厚さを2.0〜3.5mmとした
ことを特徴とするものである。
【0008】このように電波吸収体の吸収層に上記電気
比抵抗を有する炭化ケイ素繊維を使用することにより、
吸収層の厚さを2.0〜3.5mmと薄くしても周波数
8〜12.5GHzのXバンドに対して優れた吸収性能
を発揮することが可能であるので、Xバンド用電波吸収
体の材料コストを低減することができる。また、上記電
気比抵抗を有する炭化ケイ素繊維を使用した1種類の吸
収層を設けるようにした単層型であるため、電波吸収体
の製造を容易にすることができ、しかも材料の取り違い
による異材の混入を防止することができる。
比抵抗を有する炭化ケイ素繊維を使用することにより、
吸収層の厚さを2.0〜3.5mmと薄くしても周波数
8〜12.5GHzのXバンドに対して優れた吸収性能
を発揮することが可能であるので、Xバンド用電波吸収
体の材料コストを低減することができる。また、上記電
気比抵抗を有する炭化ケイ素繊維を使用した1種類の吸
収層を設けるようにした単層型であるため、電波吸収体
の製造を容易にすることができ、しかも材料の取り違い
による異材の混入を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる電波吸収体を例示するものである。なお、
本実施形態はレーダーに使用するXバンド(8〜12.
5GHz)に対して有効な電波吸収体である。
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる電波吸収体を例示するものである。なお、
本実施形態はレーダーに使用するXバンド(8〜12.
5GHz)に対して有効な電波吸収体である。
【0010】図において、反射層1の表面には単層構造
からなる吸収層2が設けられている。反射層1は吸収層
2を透過した電波を反射するようになっている。反射層
1の構成材料は特に限定されるものではなく、アルミニ
ウム等の金属又は合金などを使用することができる。ま
た、反射層1は船舶や航空機においてボディの一部を構
成していてもよい。
からなる吸収層2が設けられている。反射層1は吸収層
2を透過した電波を反射するようになっている。反射層
1の構成材料は特に限定されるものではなく、アルミニ
ウム等の金属又は合金などを使用することができる。ま
た、反射層1は船舶や航空機においてボディの一部を構
成していてもよい。
【0011】吸収層2は、電気比抵抗が25〜175Ω
cmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維強化プラスチッ
クから構成されており、その厚さが2.0〜3.5mm
の範囲に設定されている。炭化ケイ素繊維は、マトリッ
クスであるプラスチックに対して織布、マット、フェル
ト或いは一方向に引き揃えた繊維束等の形態で複合する
ことが可能である。上記プラスチックとしては、エポキ
シ系、フェノール系の熱硬化性樹脂やナイロン等の熱可
塑性樹脂などを使用することができる。
cmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維強化プラスチッ
クから構成されており、その厚さが2.0〜3.5mm
の範囲に設定されている。炭化ケイ素繊維は、マトリッ
クスであるプラスチックに対して織布、マット、フェル
ト或いは一方向に引き揃えた繊維束等の形態で複合する
ことが可能である。上記プラスチックとしては、エポキ
シ系、フェノール系の熱硬化性樹脂やナイロン等の熱可
塑性樹脂などを使用することができる。
【0012】上述のように吸収層2に上記電気比抵抗を
有する炭化ケイ素繊維を使用することにより、吸収層2
の厚さを2.0〜3.5mmと薄くしてもXバンドに対
して20dB以上の吸収性能を発揮することが可能であ
る。従って、Xバンド用電波吸収体において吸収層2の
厚さを薄くすることができるので、材料コストを低減す
ることができる。また、本発明の電波吸収体は1種類の
吸収層2を有する単層型であるため、二層系電波吸収体
に比べて製造が容易であり、しかも材料の取り違いによ
る異材の混入を防止することができる。
有する炭化ケイ素繊維を使用することにより、吸収層2
の厚さを2.0〜3.5mmと薄くしてもXバンドに対
して20dB以上の吸収性能を発揮することが可能であ
る。従って、Xバンド用電波吸収体において吸収層2の
厚さを薄くすることができるので、材料コストを低減す
ることができる。また、本発明の電波吸収体は1種類の
吸収層2を有する単層型であるため、二層系電波吸収体
に比べて製造が容易であり、しかも材料の取り違いによ
る異材の混入を防止することができる。
【0013】本発明において、炭化ケイ素繊維の電気比
抵抗は25〜175Ωcm、より好ましくは40〜90
Ωcmにする。炭化ケイ素繊維の電気比抵抗が上記範囲
から外れるとXバンドに対して良好な吸収性能を得るこ
とが困難になる。この炭化ケイ素繊維の電気比抵抗は、
炭化ケイ素繊維に対して適切な熱処理を行なうことによ
り容易に調整することができる。
抵抗は25〜175Ωcm、より好ましくは40〜90
Ωcmにする。炭化ケイ素繊維の電気比抵抗が上記範囲
から外れるとXバンドに対して良好な吸収性能を得るこ
とが困難になる。この炭化ケイ素繊維の電気比抵抗は、
炭化ケイ素繊維に対して適切な熱処理を行なうことによ
り容易に調整することができる。
【0014】また、吸収層2の厚さは2.0〜3.5m
mにする。吸収層2の厚さが2.0mm未満であると吸
収性能が不十分になり、逆に3.5mmを超えると材料
コストの低減効果が不十分になる。
mにする。吸収層2の厚さが2.0mm未満であると吸
収性能が不十分になり、逆に3.5mmを超えると材料
コストの低減効果が不十分になる。
【0015】
【実施例】エポキシ樹脂をマトリックスとし、電気比抵
抗が平均86Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維
強化プラスチックからなる吸収層を、アルミニウム板か
らなる反射層の表面に積層した電波吸収体を製作した。
なお、吸収層の厚さは2.8mmにした。
抗が平均86Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維
強化プラスチックからなる吸収層を、アルミニウム板か
らなる反射層の表面に積層した電波吸収体を製作した。
なお、吸収層の厚さは2.8mmにした。
【0016】この電波吸収体に対して周波数8〜12.
5GHzの電波を入射し、反射層での反射量に対する減
衰量(dB)を測定し、その結果を図2に示した。
5GHzの電波を入射し、反射層での反射量に対する減
衰量(dB)を測定し、その結果を図2に示した。
【0017】図2に示すように、本発明の電波吸収体は
吸収層の厚さが2.8mmであるのも拘らず、20dB
以上の吸収性能を達成することができた。なお、20d
B以上の吸収性能を発揮できる帯域幅は0.8GHz程
度であり、10dB以上の吸収性能を発揮できる帯域幅
は2.5GHz程度であるが、通常のレーダーシステム
の運用帯域幅(例えば0.5〜1GHz)を考慮する
と、上記吸収性能でも十分に効力を発揮することが可能
である。しかも、製造が容易である点、材料コストが低
下する点、異材の混入の心配がない点等の利点があり、
これらの点で二層系電波吸収体よりも有利である。
吸収層の厚さが2.8mmであるのも拘らず、20dB
以上の吸収性能を達成することができた。なお、20d
B以上の吸収性能を発揮できる帯域幅は0.8GHz程
度であり、10dB以上の吸収性能を発揮できる帯域幅
は2.5GHz程度であるが、通常のレーダーシステム
の運用帯域幅(例えば0.5〜1GHz)を考慮する
と、上記吸収性能でも十分に効力を発揮することが可能
である。しかも、製造が容易である点、材料コストが低
下する点、異材の混入の心配がない点等の利点があり、
これらの点で二層系電波吸収体よりも有利である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
波を反射するための反射層と、電気比抵抗が25〜17
5Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維強化プラス
チックからなる吸収層とを有するXバンド用電波吸収体
を構成し、前記吸収層の厚さを2.0〜3.5mmとし
たことにより、電波吸収体の製造を容易にすると共に、
材料コストを低減し、かつ異材の混入を防止することが
できる。
波を反射するための反射層と、電気比抵抗が25〜17
5Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強された繊維強化プラス
チックからなる吸収層とを有するXバンド用電波吸収体
を構成し、前記吸収層の厚さを2.0〜3.5mmとし
たことにより、電波吸収体の製造を容易にすると共に、
材料コストを低減し、かつ異材の混入を防止することが
できる。
【図1】本発明の実施形態からなる電波吸収体を例示す
る断面図である。
る断面図である。
【図2】本発明の実施形態からなる電波吸収体における
反射層での反射量に対する減衰量を示す図である。
反射層での反射量に対する減衰量を示す図である。
1・・・反射層 2・・・吸収層
Claims (1)
- 【請求項1】 電波を反射するための反射層と、電気比
抵抗が25〜175Ωcmの炭化ケイ素繊維で補強され
た繊維強化プラスチックからなる吸収層とを有するXバ
ンド(8〜12.GHz)用電波吸収体であって、前記
吸収層の厚さを2.0〜3.5mmとしたことを特徴と
する電波吸収体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24138398A JP2000077882A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 単層薄型xバンド電波吸収体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24138398A JP2000077882A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 単層薄型xバンド電波吸収体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000077882A true JP2000077882A (ja) | 2000-03-14 |
Family
ID=17073477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24138398A Pending JP2000077882A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 単層薄型xバンド電波吸収体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000077882A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012182550A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Yokogawa Denshikiki Co Ltd | パッチアンテナ |
CN112851359A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-05-28 | 哈尔滨工业大学 | 吸波型SiBCN纳米纤维及其制备方法 |
-
1998
- 1998-08-27 JP JP24138398A patent/JP2000077882A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012182550A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Yokogawa Denshikiki Co Ltd | パッチアンテナ |
CN112851359A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-05-28 | 哈尔滨工业大学 | 吸波型SiBCN纳米纤维及其制备方法 |
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