JPH0156559B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0156559B2 JPH0156559B2 JP2417086A JP2417086A JPH0156559B2 JP H0156559 B2 JPH0156559 B2 JP H0156559B2 JP 2417086 A JP2417086 A JP 2417086A JP 2417086 A JP2417086 A JP 2417086A JP H0156559 B2 JPH0156559 B2 JP H0156559B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- fibers
- radio wave
- wave absorber
- dielectric constant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 40
- 239000006096 absorbing agent Substances 0.000 claims description 33
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims description 16
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims description 16
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 10
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 9
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 55
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 12
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 12
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 9
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 239000002759 woven fabric Substances 0.000 description 9
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 8
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 6
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N silicon carbide Chemical compound [Si+]#[C-] HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 229910010271 silicon carbide Inorganic materials 0.000 description 5
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 4
- 229920002239 polyacrylonitrile Polymers 0.000 description 4
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 3
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N aluminium oxide Inorganic materials [O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3] PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 description 3
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 3
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 3
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 description 3
- 239000004753 textile Substances 0.000 description 3
- MCMNRKCIXSYSNV-UHFFFAOYSA-N Zirconium dioxide Chemical compound O=[Zr]=O MCMNRKCIXSYSNV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229920006231 aramid fiber Polymers 0.000 description 2
- -1 polyethylene Polymers 0.000 description 2
- 229920005992 thermoplastic resin Polymers 0.000 description 2
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920002430 Fibre-reinforced plastic Polymers 0.000 description 1
- 239000004698 Polyethylene Substances 0.000 description 1
- 239000004743 Polypropylene Substances 0.000 description 1
- BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N Silver Chemical compound [Ag] BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- BZHJMEDXRYGGRV-UHFFFAOYSA-N Vinyl chloride Chemical compound ClC=C BZHJMEDXRYGGRV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000004760 aramid Substances 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 1
- 239000003989 dielectric material Substances 0.000 description 1
- 239000011151 fibre-reinforced plastic Substances 0.000 description 1
- LNEPOXFFQSENCJ-UHFFFAOYSA-N haloperidol Chemical compound C1CC(O)(C=2C=CC(Cl)=CC=2)CCN1CCCC(=O)C1=CC=C(F)C=C1 LNEPOXFFQSENCJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000012784 inorganic fiber Substances 0.000 description 1
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 239000004745 nonwoven fabric Substances 0.000 description 1
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 1
- 239000005011 phenolic resin Substances 0.000 description 1
- 229920006122 polyamide resin Polymers 0.000 description 1
- 229920001225 polyester resin Polymers 0.000 description 1
- 239000004645 polyester resin Substances 0.000 description 1
- 229920000573 polyethylene Polymers 0.000 description 1
- 229920013716 polyethylene resin Polymers 0.000 description 1
- 229920001721 polyimide Polymers 0.000 description 1
- 239000009719 polyimide resin Substances 0.000 description 1
- 229920001155 polypropylene Polymers 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N silicon dioxide Inorganic materials O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000377 silicon dioxide Substances 0.000 description 1
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 1
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 1
- 229920001187 thermosetting polymer Polymers 0.000 description 1
- 239000010409 thin film Substances 0.000 description 1
- 229920006337 unsaturated polyester resin Polymers 0.000 description 1
- 229910000859 α-Fe Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は電波吸収体に関し、さらに詳しく
は、電波暗室の内壁に貼り付けたり、船舶、航空
機等の移動体に装着したり、橋梁等の構造物の外
壁に貼り付けたりして、電波障害を防止するのに
使用する電波吸収体に関する。
は、電波暗室の内壁に貼り付けたり、船舶、航空
機等の移動体に装着したり、橋梁等の構造物の外
壁に貼り付けたりして、電波障害を防止するのに
使用する電波吸収体に関する。
従来の技術
電波吸収体は、到来した電波を反射することな
く体内に取り入れ、その体内において速やかに減
衰させるものであり、そのため整合効果と吸収効
果を同時に満足するよう構成されている。すなわ
ち、表面からみた規格化インピーダンスを1また
は可能な限り1に近くして到来電波の反射を防止
し、電波を体内に取り込んで自身の電気的損失や
磁気的損失を利用して吸収するのである。
く体内に取り入れ、その体内において速やかに減
衰させるものであり、そのため整合効果と吸収効
果を同時に満足するよう構成されている。すなわ
ち、表面からみた規格化インピーダンスを1また
は可能な限り1に近くして到来電波の反射を防止
し、電波を体内に取り込んで自身の電気的損失や
磁気的損失を利用して吸収するのである。
そのような電波吸収体としては、従来、たとえ
ば特開昭51−58046号公報や特開昭58−71698号公
報に記載されているような、フエライトやカーボ
ンなどの磁性、誘電粉末を混用し、その混用比に
よつて所望の複素比誘電率や複素比透磁率を得る
ものや、特公昭50−4423号公報に記載されている
ような、磁性材料層と誘電材料層の2層構成をも
つものや、特開昭57−66699号公報に記載されて
いるような、炭素繊維の単層構成をもつものな
ど、いろいろなものが知られている。しかしなが
ら、これら従来の電波吸収体には、マイクロ波帯
において−20dB以下の高い吸収効果を示す周波
数帯域幅が狭かつたり、耐候性に劣るなどの欠点
がある。
ば特開昭51−58046号公報や特開昭58−71698号公
報に記載されているような、フエライトやカーボ
ンなどの磁性、誘電粉末を混用し、その混用比に
よつて所望の複素比誘電率や複素比透磁率を得る
ものや、特公昭50−4423号公報に記載されている
ような、磁性材料層と誘電材料層の2層構成をも
つものや、特開昭57−66699号公報に記載されて
いるような、炭素繊維の単層構成をもつものな
ど、いろいろなものが知られている。しかしなが
ら、これら従来の電波吸収体には、マイクロ波帯
において−20dB以下の高い吸収効果を示す周波
数帯域幅が狭かつたり、耐候性に劣るなどの欠点
がある。
発明が解決しようとする問題点
この発明は、従来の電波吸収体の上記欠点、特
に電波吸収特性の問題を解決し、マイクロ波帯に
おける吸収効果が大きく、しかもその吸収帯域幅
が広い電波吸収体を提供するにある。
に電波吸収特性の問題を解決し、マイクロ波帯に
おける吸収効果が大きく、しかもその吸収帯域幅
が広い電波吸収体を提供するにある。
問題点を解決するための手段
上記目的を達成するためのこの発明は、導電性
基体上に、繊維と樹脂との複合材料からなる第1
の層を設け、さらにその第1の層の上に、周波数
10GHzにおける複素比誘電率が[(3〜5)−j
(0〜0.2)]である、繊維と樹脂との複合材料か
らなる第2の層を設けてなり、かつ前記第1の層
の周波数10GHzにおける複素比誘電率が、その複
素比誘電率の実部をεRとし、虚部をεIとしたと
き、下記〜式で囲まれる領域にある電波吸収
体を特徴とするものである。
基体上に、繊維と樹脂との複合材料からなる第1
の層を設け、さらにその第1の層の上に、周波数
10GHzにおける複素比誘電率が[(3〜5)−j
(0〜0.2)]である、繊維と樹脂との複合材料か
らなる第2の層を設けてなり、かつ前記第1の層
の周波数10GHzにおける複素比誘電率が、その複
素比誘電率の実部をεRとし、虚部をεIとしたと
き、下記〜式で囲まれる領域にある電波吸収
体を特徴とするものである。
εR=2 ………
εR=50 ………
εI=4・εR 1/2 ………
εI=6.5・εR 1/2 ………
この発明をその一実施態様に基いて詳細に説明
するに、第1図において、電波吸収体は、導電性
基体1上に、それと一体であるように、繊維と樹
脂との複合材料からなる第1の層2を設け、さら
にその第1の層2の上に、やはり繊維と樹脂との
複合材料からなる第2の層3を形成してなる。使
用時においては、第2の層3が電波Wの到来方向
に向けられる。しかして、上記第1の層2は、周
波数10GHzにおける複素比誘電率が、その実部を
εR、虚部をεIとしたとき、次の4つの式、 εR=2 εR=50 εI=4・εR 1/2 εI=6.5・εR 1/2 で囲まれる、第2図に示す領域にあるものであ
る。また、上記第2の層3は、周波数10GHzにお
ける複素比誘電率が、[(3〜5)−j(0〜0.2)]
である、誘電率が非常に低い層である。
するに、第1図において、電波吸収体は、導電性
基体1上に、それと一体であるように、繊維と樹
脂との複合材料からなる第1の層2を設け、さら
にその第1の層2の上に、やはり繊維と樹脂との
複合材料からなる第2の層3を形成してなる。使
用時においては、第2の層3が電波Wの到来方向
に向けられる。しかして、上記第1の層2は、周
波数10GHzにおける複素比誘電率が、その実部を
εR、虚部をεIとしたとき、次の4つの式、 εR=2 εR=50 εI=4・εR 1/2 εI=6.5・εR 1/2 で囲まれる、第2図に示す領域にあるものであ
る。また、上記第2の層3は、周波数10GHzにお
ける複素比誘電率が、[(3〜5)−j(0〜0.2)]
である、誘電率が非常に低い層である。
第3図は、この発明に係る電波吸収体の規格化
インピーダンスの周波数特性を、スミスチヤート
(Smith Chart)上にプロツトしたものである。
第1の層2と第2の層3の厚みを約1対1〜3と
し、全体厚みをd〔単位はmm)とすると、周波数
が約45/d(単位はGHz)付近で、スミスチヤー
トの中心(規格化インピーダンスが1で、到来し
た電波が完全に吸収される点)の近傍で小ループ
を形成する。このことは、この発明の電波吸収体
が広い吸収帯域幅をもつているということを意味
している。
インピーダンスの周波数特性を、スミスチヤート
(Smith Chart)上にプロツトしたものである。
第1の層2と第2の層3の厚みを約1対1〜3と
し、全体厚みをd〔単位はmm)とすると、周波数
が約45/d(単位はGHz)付近で、スミスチヤー
トの中心(規格化インピーダンスが1で、到来し
た電波が完全に吸収される点)の近傍で小ループ
を形成する。このことは、この発明の電波吸収体
が広い吸収帯域幅をもつているということを意味
している。
上記において、導電体基体は、第2、第1の層
を通過してきた電波をそれら層内に反射し、1回
の通過で吸収しきれなかつた電波を再び吸収させ
るように作用するものである。そのような基体
は、たとえばアルミニウム、銅、銀等の金属の
板、シート、薄膜膜、炭素繊維の織物や不織布と
樹脂との複合材料などからなつている。厚みは、
用途等に応じて決めればよい。
を通過してきた電波をそれら層内に反射し、1回
の通過で吸収しきれなかつた電波を再び吸収させ
るように作用するものである。そのような基体
は、たとえばアルミニウム、銅、銀等の金属の
板、シート、薄膜膜、炭素繊維の織物や不織布と
樹脂との複合材料などからなつている。厚みは、
用途等に応じて決めればよい。
第1の層は、主として、電波吸収体に入つてき
た電波に電気的損失を与え、それを吸収する作用
を受け持つもので、そのため、周波数10GHzにお
ける複素比誘電率が、上述した4つの式で囲まれ
る領域にあるように調整されている。しかして、
複素比誘電率が上記領域にない場合には、後述す
る実施例や比較例からも明らかなように、マイク
ロ波帯における高い電波吸収効果を広範囲にわた
つて得ることができない。
た電波に電気的損失を与え、それを吸収する作用
を受け持つもので、そのため、周波数10GHzにお
ける複素比誘電率が、上述した4つの式で囲まれ
る領域にあるように調整されている。しかして、
複素比誘電率が上記領域にない場合には、後述す
る実施例や比較例からも明らかなように、マイク
ロ波帯における高い電波吸収効果を広範囲にわた
つて得ることができない。
そのような複素比誘電率をもつ第1の層は、上
述したように、繊維と樹脂との複合材料からなつ
ている。これは、第1図に示すように、織物4と
して形成した、たとえば、ポリアクリロニトリル
繊維やピツチ不融化繊維等を通常の炭素繊維を得
る場合よりも低い500〜1000℃で焼成してなる、
いわゆる低温炭化炭素繊維や、1300〜2000℃で焼
成したシリコンカーバイド繊維など、電気伝導率
が10-6〜103S/cmの半導体領域にあるような繊維
と樹脂6とを複合することによつて形成されてい
る。もつとも、これらの繊維を交織した織物であ
つてもよいし、通常の炭素繊維とガラス繊維やア
ルミナ繊維などの他の繊維との交織織物であつて
もよい。たとえば、第2図の斜線領域においてεR
の範囲として示せば、低温炭化炭素繊維またはシ
リコンカーバイド繊維の単独織物によつて8〜25
の範囲が得られる。また、低温炭化炭素繊維また
はシリコンカーバイド繊維とガラス繊維またはア
ルミナ繊維等との交織織物では2〜8の範囲が得
られる。さらに、低温炭化炭素繊維またはシリコ
ンカーバイド繊維と通常の炭素繊維との交織織物
で、εRに関して25〜50の範囲を得ることができ
る。織物の層数は任意であつてよい。繊維を織物
の形で使用しているのは、そのほうが面内および
層間における電気的接触が良好になり、より一層
高い電波吸収効果が期待できるからであるが、マ
ツトや、繊維を一方向に互いに並行かつシート状
に引き揃えた、いわゆる一方向性基材を、その繊
維の方向をずらせて疑似等方を示すようにして用
いることもできる。また、織物やマツト、一方向
性基材等を併用してもよい。樹脂としては、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フエノール
樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂を用い
ることができる。熱可塑性樹脂を使用した場合に
は、複雑な形状でも容易に賦型できるという利点
がある。なお、繊維の体積含有率は40〜60%程度
である。
述したように、繊維と樹脂との複合材料からなつ
ている。これは、第1図に示すように、織物4と
して形成した、たとえば、ポリアクリロニトリル
繊維やピツチ不融化繊維等を通常の炭素繊維を得
る場合よりも低い500〜1000℃で焼成してなる、
いわゆる低温炭化炭素繊維や、1300〜2000℃で焼
成したシリコンカーバイド繊維など、電気伝導率
が10-6〜103S/cmの半導体領域にあるような繊維
と樹脂6とを複合することによつて形成されてい
る。もつとも、これらの繊維を交織した織物であ
つてもよいし、通常の炭素繊維とガラス繊維やア
ルミナ繊維などの他の繊維との交織織物であつて
もよい。たとえば、第2図の斜線領域においてεR
の範囲として示せば、低温炭化炭素繊維またはシ
リコンカーバイド繊維の単独織物によつて8〜25
の範囲が得られる。また、低温炭化炭素繊維また
はシリコンカーバイド繊維とガラス繊維またはア
ルミナ繊維等との交織織物では2〜8の範囲が得
られる。さらに、低温炭化炭素繊維またはシリコ
ンカーバイド繊維と通常の炭素繊維との交織織物
で、εRに関して25〜50の範囲を得ることができ
る。織物の層数は任意であつてよい。繊維を織物
の形で使用しているのは、そのほうが面内および
層間における電気的接触が良好になり、より一層
高い電波吸収効果が期待できるからであるが、マ
ツトや、繊維を一方向に互いに並行かつシート状
に引き揃えた、いわゆる一方向性基材を、その繊
維の方向をずらせて疑似等方を示すようにして用
いることもできる。また、織物やマツト、一方向
性基材等を併用してもよい。樹脂としては、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フエノール
樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂を用い
ることができる。熱可塑性樹脂を使用した場合に
は、複雑な形状でも容易に賦型できるという利点
がある。なお、繊維の体積含有率は40〜60%程度
である。
第2の層は、主として空気との整合作用を受け
持ち、電波吸収体に1またはそれに近い規格化入
力インピーダンスを与えて到来電波の反射を防止
するものである。そのため、この第2の層は、上
述したように、周波数10GHzにおける複素比誘電
率が[(3〜5)−j(0〜0.2)]という、非常に
低い誘電率をもつている。
持ち、電波吸収体に1またはそれに近い規格化入
力インピーダンスを与えて到来電波の反射を防止
するものである。そのため、この第2の層は、上
述したように、周波数10GHzにおける複素比誘電
率が[(3〜5)−j(0〜0.2)]という、非常に
低い誘電率をもつている。
このような第2の層もまた、第1図に示すよう
に、第1の層と同様、織物5の形態の繊維と樹脂
7との複合材料からなつている。しかしながら、
使用している繊維の種類は異なり、アラミド繊維
やポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの
有機繊維や、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミ
ナーシリカ繊維、ジルコニア繊維などの無機繊維
が使われている。また、ポリアクリロニトリル繊
維を500℃よりも低い温度で酸化、焼成した繊維
や、1300℃よりも低い温度で焼成されたシリコン
カーバイド繊維の使用も可能である。
に、第1の層と同様、織物5の形態の繊維と樹脂
7との複合材料からなつている。しかしながら、
使用している繊維の種類は異なり、アラミド繊維
やポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの
有機繊維や、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミ
ナーシリカ繊維、ジルコニア繊維などの無機繊維
が使われている。また、ポリアクリロニトリル繊
維を500℃よりも低い温度で酸化、焼成した繊維
や、1300℃よりも低い温度で焼成されたシリコン
カーバイド繊維の使用も可能である。
ところで、第1、第2の層における複素比誘電
率は、使用されている繊維の種類のみならず、樹
脂の種類によつても変わる。しかしながら、複素
比誘電率を主として支配するのは繊維である。だ
から、これら第1、第2の層においては、それぞ
れ上述したような繊維を選択、使用し、それらの
複素比誘電率が上述した範囲をとるように調整す
る。
率は、使用されている繊維の種類のみならず、樹
脂の種類によつても変わる。しかしながら、複素
比誘電率を主として支配するのは繊維である。だ
から、これら第1、第2の層においては、それぞ
れ上述したような繊維を選択、使用し、それらの
複素比誘電率が上述した範囲をとるように調整す
る。
次に、実施例および比較例に基いてこの発明を
さらに詳細に説明する。
さらに詳細に説明する。
実施例 1
第1の層に、ポリアクリロニトリル繊維を焼成
してなる低温炭化炭素繊維の織物を使用し、一方
第2の層には米国デユポン社製アラミド繊維“ケ
プラー”の織物を使用し、それら織物とエポキシ
樹脂とを複合して第1図に示すような電波吸収体
を得た。ここで、第1、第2の層における繊維の
体積含有率は、いずれも約50%であり、第1の層
の複素比誘電率は約24−j24であり、第2の層の
それは約4−j0.1である。また、反射損失が−
20dB以下になる帯域幅が8〜12GHzの範囲で可
能な限り広くなるようにした結果、第1の層の厚
みは約1.5mmで、第2の層のそれは約3mmになつ
た。なお、導電性基体には厚み1mmのアルミニウ
ム板を使用した。
してなる低温炭化炭素繊維の織物を使用し、一方
第2の層には米国デユポン社製アラミド繊維“ケ
プラー”の織物を使用し、それら織物とエポキシ
樹脂とを複合して第1図に示すような電波吸収体
を得た。ここで、第1、第2の層における繊維の
体積含有率は、いずれも約50%であり、第1の層
の複素比誘電率は約24−j24であり、第2の層の
それは約4−j0.1である。また、反射損失が−
20dB以下になる帯域幅が8〜12GHzの範囲で可
能な限り広くなるようにした結果、第1の層の厚
みは約1.5mmで、第2の層のそれは約3mmになつ
た。なお、導電性基体には厚み1mmのアルミニウ
ム板を使用した。
上記電波吸収体について測定した周波数Fと反
射損失RLとの関係を第4図に示す。第4図から、
この電波吸収体は、−20dB以下の反射損失が得ら
れる帯域が約4GHzと大変広いことがわかる。
射損失RLとの関係を第4図に示す。第4図から、
この電波吸収体は、−20dB以下の反射損失が得ら
れる帯域が約4GHzと大変広いことがわかる。
実施例 2
第1の層に、ポリアクリルニトリル繊維を焼成
してなる低温炭化炭素繊維の織物を使用し、一方
第2の層にはガラス繊維の織物を使用し、それら
織物とエポキシ樹脂とを複合して第1図に示すよ
うな電波吸収体を得た。ここで、第1、第2の層
における繊維の体積含有率は、いずれも約50%で
あり、第1の層の複素比誘電率は約15−j22であ
り、第2の層のそれは約5−j0.08である。また、
実施例1と同様、反射損失が−20dB以下になる
帯域幅が8〜12GHzの範囲で可能な限り広くなる
ようにした結果、第1の層の厚みは約1.8mmで、
第2の層のそれは約2.6mmになつた。なお、導電
性基体には、実施例1と同様に厚み1mmのアルミ
ニウム板を使用した。
してなる低温炭化炭素繊維の織物を使用し、一方
第2の層にはガラス繊維の織物を使用し、それら
織物とエポキシ樹脂とを複合して第1図に示すよ
うな電波吸収体を得た。ここで、第1、第2の層
における繊維の体積含有率は、いずれも約50%で
あり、第1の層の複素比誘電率は約15−j22であ
り、第2の層のそれは約5−j0.08である。また、
実施例1と同様、反射損失が−20dB以下になる
帯域幅が8〜12GHzの範囲で可能な限り広くなる
ようにした結果、第1の層の厚みは約1.8mmで、
第2の層のそれは約2.6mmになつた。なお、導電
性基体には、実施例1と同様に厚み1mmのアルミ
ニウム板を使用した。
この電波吸収体について、上記実施例1と同様
の測定を行つた結果を第5図に示す。第5図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約4.5GHzであ
り、大変広いことがわかる。
の測定を行つた結果を第5図に示す。第5図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約4.5GHzであ
り、大変広いことがわかる。
比較例 1
第1の層の複素比誘電率が約18−j8であるほか
は上記実施例1と同様の電波吸収体を得た。この
電波吸収体は、実施例1と同様の配慮をした結
果、第1の層の厚みが約1.5mmとなり、第2の層
のそれもまた、約1.5mmとなつた。
は上記実施例1と同様の電波吸収体を得た。この
電波吸収体は、実施例1と同様の配慮をした結
果、第1の層の厚みが約1.5mmとなり、第2の層
のそれもまた、約1.5mmとなつた。
この電波吸収体について、上記実施例1と同様
の測定を行つた結果を第6図に示す。第6図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約0.6GHzであ
り、実施例のものにくらべて大変狭いことがわか
る。
の測定を行つた結果を第6図に示す。第6図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約0.6GHzであ
り、実施例のものにくらべて大変狭いことがわか
る。
比較例 2
第1の層の複素比誘電率が約14−j26であるほ
かは上記実施例1と同様の電波吸収体を得た。た
だし、第1の層の厚みは約1.8mmとなり、第2の
層のそれは約3.2mmとなつた。
かは上記実施例1と同様の電波吸収体を得た。た
だし、第1の層の厚みは約1.8mmとなり、第2の
層のそれは約3.2mmとなつた。
この電波吸収体について、上記実施例1と同様
の測定を行つた結果を第7図に示す。第7図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約1GHzで、比
較例1によるものよりも広いが、実施例1、2の
ものにくらべて大変狭いことがわかる。
の測定を行つた結果を第7図に示す。第7図か
ら、この電波吸収体の帯域幅は、約1GHzで、比
較例1によるものよりも広いが、実施例1、2の
ものにくらべて大変狭いことがわかる。
発明の効果
この発明の電波吸収体は、導電性基体上に、繊
維と樹脂との複合材料からなる第1の層を設け、
さらにその第1の層の上に、周波数10GHzにおけ
る複素比誘電率が[(3〜5)−j(0〜0.2)]で
ある、繊維と樹脂との複合材料からなる第2の層
を設けてなり、かつ前記第1の層の周波数10GHz
における複素比誘電率が、その複素比誘電率の実
部をεR、虚部をεIとしたとき、4つの式、 εR=2 εR=50 εI=4・εR 1/2 εI=6.5・εR 1/2 を満足するものであるからして、実施例にも示し
たように、マイクロ波領域において高い電波吸収
効果が得られ、しかもその帯域幅が広い。また、
この発明の電波吸収体は、電波の到来面、すなわ
ち外気に晒される部分が繊維と樹脂との複合材料
であるから、耐候性も高い。さらに、第1、第2
の層は、いわゆる繊維強化プラスチツクであるか
ら、全体が大変軽量であるばかりか、電波障害を
防止しようとするものに貼着したときにそれを補
強する効果も得られる。
維と樹脂との複合材料からなる第1の層を設け、
さらにその第1の層の上に、周波数10GHzにおけ
る複素比誘電率が[(3〜5)−j(0〜0.2)]で
ある、繊維と樹脂との複合材料からなる第2の層
を設けてなり、かつ前記第1の層の周波数10GHz
における複素比誘電率が、その複素比誘電率の実
部をεR、虚部をεIとしたとき、4つの式、 εR=2 εR=50 εI=4・εR 1/2 εI=6.5・εR 1/2 を満足するものであるからして、実施例にも示し
たように、マイクロ波領域において高い電波吸収
効果が得られ、しかもその帯域幅が広い。また、
この発明の電波吸収体は、電波の到来面、すなわ
ち外気に晒される部分が繊維と樹脂との複合材料
であるから、耐候性も高い。さらに、第1、第2
の層は、いわゆる繊維強化プラスチツクであるか
ら、全体が大変軽量であるばかりか、電波障害を
防止しようとするものに貼着したときにそれを補
強する効果も得られる。
第1図は、この発明の電波吸収体の一実施態様
を示す概略側面図、第2図は、この発明の第1の
層の複素比誘電率の領域を示すグラフ、第3図
は、この発明の電波吸収体のスミスチヤート、第
4図および第5図は、実施例による電波吸収体に
ついて測定した、周波数と反射損失との関係を示
すグラフ、第6図および第7図は、比較例による
電波吸収体について測定した、周波数と反射損失
との関係を示すグラフである。 1:導電性基体、2:第1の層、3:第2の
層、4:織物、5:織物、6:樹脂、7:樹脂、
W:電波。
を示す概略側面図、第2図は、この発明の第1の
層の複素比誘電率の領域を示すグラフ、第3図
は、この発明の電波吸収体のスミスチヤート、第
4図および第5図は、実施例による電波吸収体に
ついて測定した、周波数と反射損失との関係を示
すグラフ、第6図および第7図は、比較例による
電波吸収体について測定した、周波数と反射損失
との関係を示すグラフである。 1:導電性基体、2:第1の層、3:第2の
層、4:織物、5:織物、6:樹脂、7:樹脂、
W:電波。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 導電性基体上に、繊維と樹脂との複合材料か
らなる第1の層を設け、さらにその第1の層の上
に、周波数10GHzにおける複素比誘電率が[(3
〜5)−j(0〜0.2)]である、繊維と樹脂との複
合材料からなる第2の層を設けてなり、かつ前記
第1の層の周波数10GHzにおける複素比誘電率
が、その複素比誘電率の実部をεR、虚部をεIとし
たとき、下記〜式で囲まれる領域にあること
を特徴とする電波吸収体。 εR=2 ……… εR=50 ……… εI=4・εR 1/2 ……… εI=6.5・εR 1/2 ………
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2417086A JPS62183599A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 電波吸収体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2417086A JPS62183599A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 電波吸収体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62183599A JPS62183599A (ja) | 1987-08-11 |
JPH0156559B2 true JPH0156559B2 (ja) | 1989-11-30 |
Family
ID=12130869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2417086A Granted JPS62183599A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 電波吸収体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62183599A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992022193A1 (en) * | 1991-05-28 | 1992-12-10 | Osaka Gas Company Limited | Method for absorbing electromagnetic wave |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3838815B2 (ja) | 1999-05-10 | 2006-10-25 | 日本電気株式会社 | 携帯電話機 |
JP2002252493A (ja) * | 2001-02-22 | 2002-09-06 | Riichi Murakami | 電磁波シールド体 |
JP2004247720A (ja) * | 2003-01-22 | 2004-09-02 | Toray Ind Inc | 電波吸収体 |
JP5044916B2 (ja) * | 2005-09-29 | 2012-10-10 | 東レ株式会社 | 電波吸収体を一体化した炭素繊維強化プラスチックの製造方法 |
US9541678B2 (en) * | 2013-11-13 | 2017-01-10 | Arc Technologies, Inc. | Multi-layer absorber |
JP6437168B2 (ja) * | 2016-12-27 | 2018-12-12 | 関西ペイント株式会社 | ミリ波帯域用電波吸収シート及びミリ波電波吸収方法 |
JP6524356B1 (ja) * | 2017-10-19 | 2019-06-05 | 関西ペイント株式会社 | ミリ波帯域用電波吸収シート及びミリ波電波吸収方法 |
-
1986
- 1986-02-07 JP JP2417086A patent/JPS62183599A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992022193A1 (en) * | 1991-05-28 | 1992-12-10 | Osaka Gas Company Limited | Method for absorbing electromagnetic wave |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62183599A (ja) | 1987-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3319147B2 (ja) | 電波吸収体 | |
US4726980A (en) | Electromagnetic wave absorbers of silicon carbide fibers | |
US3002190A (en) | Multiple sandwich broad band radome | |
US6538596B1 (en) | Thin, broadband salisbury screen absorber | |
US9801315B2 (en) | Panel for broadband electromagnetic shielding | |
JPS59176035A (ja) | 繊維複合材料 | |
JPH0156559B2 (ja) | ||
JPH05114756A (ja) | 調整可能な高周波デバイス | |
EP0243162B1 (en) | Multi-layered microwave absorber and method of manufacturing the same | |
JPH0258796B2 (ja) | ||
JPH0783195B2 (ja) | 整合型電波吸収体 | |
JP2004193460A (ja) | 電波吸収体 | |
JP2004119450A (ja) | 電波吸収体およびその製造方法 | |
US4923736A (en) | Multi-layered microwave absorber and method of manufacturing the same | |
JP4314831B2 (ja) | 電波吸収体 | |
JP2917271B2 (ja) | 電波吸収体 | |
US5543796A (en) | Broadband microwave absorber | |
JPH0139240B2 (ja) | ||
JPH01155691A (ja) | 電波吸収複合体 | |
JP3267603B2 (ja) | 電波吸収構造体 | |
JPH08237007A (ja) | 高周波回路装置 | |
JPS59215798A (ja) | 電波吸収体 | |
JPS58127400A (ja) | 電波吸収材 | |
JPH02116199A (ja) | 電波吸収体 | |
JPH0513977A (ja) | 電波吸収体用プリプレグ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |