JP2000031685A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2000031685A
JP2000031685A JP19397398A JP19397398A JP2000031685A JP 2000031685 A JP2000031685 A JP 2000031685A JP 19397398 A JP19397398 A JP 19397398A JP 19397398 A JP19397398 A JP 19397398A JP 2000031685 A JP2000031685 A JP 2000031685A
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Japan
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radio wave
layer
absorption layer
band
silicon carbide
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JP19397398A
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English (en)
Inventor
Masato Tadokoro
眞人 田所
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波帯とミリ波帯で良好な電波吸収性
能を発揮することを可能にした電波吸収体を提供する。 【解決手段】 電波を反射するための反射層1と、電気
比抵抗が0.5〜25Ωcmの炭化珪素繊維で補強され
た繊維強化プラスチックからなる第1吸収層2と、電気
比抵抗が103 〜107 Ωcmの炭化珪素繊維で補強さ
れた繊維強化プラスチックからなる第2吸収層3と、誘
電率が5以下で誘電正接が0.1以下である素材からな
る第3吸収層4とを積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶や航空機等に
用いられる電波吸収体に関し、さらに詳しくは、Xバン
ドを含むマイクロ波帯とミリ波帯で良好な電波吸収性能
を発揮することを可能にした電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電波吸収体は船舶や航空機など
に広く使用されている。この電波吸収体としては、大別
して減衰型の吸収体と整合型の吸収体とがある。前者は
電波吸収材の内部を透過中に電波のエネルギーが減衰し
ていくタイプであり、後者は電波吸収材の後面に電波を
反射するための反射板を設け、入射した電波の吸収材表
面での反射量と反射板からの反射量とをコントロールし
て両者を相殺することにより、電波の反射波を実質的に
減少させるようにしたものである。
【0003】従来、後者の整合型電波吸収体で単層構造
を有するものとして、特公平3−35840号公報に開
示されるように、電気比抵抗が100 〜105 Ωcmの
炭化珪素繊維を電波吸収材に使用したものが知られてい
る。但し、この電波吸収体はミリ波帯で有効であるとさ
れている。また、レーダの周波数帯であるXバンドで有
効な整合型電波吸収体としては、反射層の表面に、電気
比抵抗が例えば104 〜106 Ωcmと大きい炭化珪素
繊維の複合材からなる表層(整合層)と、電気比抵抗が
例えば5Ωcm以下と小さい炭化珪素繊維の複合材から
なる吸収層とを積層した二層系のものが知られている。
【0004】しかしながら、一般にマイクロ波帯での電
波吸収性能とミリ波帯での電波吸収性能とを両立可能な
電波吸収体を得ることは極めて困難であった。即ち、上
記二層系の電波吸収体において、Xバンドでの電波吸収
性能を発揮するように吸収体の厚さを設定すると、例え
ば周波数95GHzのミリ波はXバンドのマイクロ波に
比べて波長が1/10倍であることから、上記設定では
ミリ波の吸収に必要な吸収体厚さの10倍になることに
等しく、その結果、ミリ波帯で良好な電波吸収性能を得
ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マイ
クロ波帯とミリ波帯で良好な電波吸収性能を発揮するこ
とを可能にした電波吸収体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の電波吸収体は、電波を反射するための反射層
と、電気比抵抗が0.5〜25Ωcmの炭化珪素繊維で
補強された繊維強化プラスチックからなる第1吸収層
と、電気比抵抗が103 〜107 Ωcmの炭化珪素繊維
で補強された繊維強化プラスチックからなる第2吸収層
と、誘電率が5以下で誘電正接が0.1以下である素材
からなる第3吸収層とを積層したことを特徴とするもの
である。
【0007】このように電波吸収体の表層に低誘電率且
つ低損失(誘電正接が小さい)の素材、例えば、ガラス
繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチッ
ク、シリカ繊維強化プラスチック、種々のプラスチッ
ク、ゴム等からなる第3吸収層を設けることにより、X
バンドを含むマイクロ波帯での電波吸収性能を発揮する
ように吸収体厚さを設計したものであっても、ミリ波帯
での電波吸収性能を同時に併せ持つことが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる電波吸収体を例示するものである。図にお
いて、電波吸収体は電波を反射するための反射層1と、
該反射層1の外側に設けられた吸収層2(第1吸収層)
と、該吸収層2の外側に設けられた吸収層3(第2吸収
層)と、該吸収層3の外側に設けられた吸収層4(第3
吸収層)とを備えている。
【0009】反射層1は、炭素繊維又は金網に熱硬化性
樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させて成形された樹脂板、
金属板、或いは金属粉、金属繊維等を含有させた樹脂板
等から適宜選択して構成されている。炭素繊維は、短繊
維をランダムに分散させて使用してもよいし、また長繊
維を一方向に引き揃え、或いは格子状に編組して使用し
てもよい。金網、金属板及び金属粉に使用する金属は、
アルミニウム、鉄、鋼、黄銅等を使用することができ
る。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等
を使用することができる。
【0010】吸収層2(第1吸収層)は、電波吸収材料
として電気比抵抗が0.5〜25Ωcm、より好ましく
は1.5〜10Ωcmの炭化珪素繊維を使用し、この炭
化珪素繊維に樹脂を含浸して硬化させた繊維強化プラス
チックにより構成されている。吸収層2を構成する炭化
珪素繊維の電気比抵抗が上記範囲から外れると、マイク
ロ波帯での電波吸収性能が不十分になる。吸収層2の厚
さd1 は1.5〜3.0mmにすることが好ましい。
【0011】吸収層3(第2吸収層)は、電波吸収材料
として電気比抵抗が103 〜107Ωcm、より好まし
くは104 〜106 Ωcmの炭化珪素繊維を使用し、こ
の炭化珪素繊維に樹脂を含浸して硬化させた繊維強化プ
ラスチックにより構成されている。吸収層3を構成する
炭化珪素繊維の電気比抵抗が上記範囲から外れると、ミ
リ波帯での電波吸収性能が不十分になる。吸収層3の厚
さd2 は0.5〜3.0mmにすることが好ましい。
【0012】吸収層2,3において、炭化珪素繊維の配
列構造は、織布状、マット状、フェルト状、或いは一方
向に引き揃えた繊維束等にすることができる。また、上
記配列を適宜組み合わせて積層した構造であってもよ
い。繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として
は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは
ナイロン等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0013】吸収層4(第3吸収層)は、誘電率が5以
下で誘電正接が0.1以下である素材から構成されてい
る。このように誘電率が5以下で誘電正接が0.1以下
となる素材としては、ガラス繊維強化プラスチック、ア
ラミド繊維強化プラスチック、シリカ繊維強化プラスチ
ック、種々のプラスチック、ゴム等を使用することがで
きる。吸収層4を構成する素材の誘電率が5を超え、或
いは誘電正接が0.1を超えると、Xバンドを含むマイ
クロ波に対する最適な吸収体厚さの範囲と、ミリ波に対
する最適な吸収体厚さの範囲とを互いに重複させる作用
効果が得られなくなる。この吸収層4の厚さd3 は0.
1〜1.5mmにすることが好ましい。なお、第3吸収
層は単層から構成する以外に、誘電率が5以下で誘電正
接が0.1以下の範囲で素材を異ならせた複数層を積層
して構成することが可能である。この場合、電波吸収体
の表層側に誘電率がより低いものを配置することが好ま
しい。
【0014】吸収層4において、補強繊維の配列構造
は、織布状、マット状、フェルト状、或いは一方向に引
き揃えた繊維束等にすることができる。また、上記配列
を適宜組み合わせて積層した構造であってもよい。吸収
層4のプラスチックとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂、或いはナイロン等の熱可塑性樹脂を
使用することができる。また、吸収層4をゴムから構成
する場合、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル
ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等を使用す
ることができる。
【0015】上述のように電波吸収体の表層に低誘電率
且つ低損失の素材からなる吸収層4を設けることによ
り、Xバンドを含むマイクロ波帯での電波吸収性能を発
揮するように吸収体厚さを設計したものであっても、ミ
リ波帯での電波吸収性能を同時に併せ持つことが可能に
なる。即ち、従来の二層系の電波吸収体では、Xバンド
を含むマイクロ波帯をターゲットにする場合と、ミリ波
帯をターゲットにする場合とでは、第1吸収層の厚さd
1 に対する第2吸収層のd2 の設定値が全く異なるた
め、両帯域での電波吸収性能を同時に満足することが困
難であった。
【0016】ところが、本発明のように電波吸収体の表
層に上記誘電率及び誘電正接を有する吸収層4を設ける
と、電気比抵抗が0.5〜25Ωcmの炭化珪素繊維を
使用した第1吸収層の厚さd1 を1.5〜3.0mmの
範囲に設定すると共に、電気比抵抗が103 〜107 Ω
cmの炭化珪素繊維を使用した第2吸収層の厚さd2
0.5〜3.0mmの範囲に設定することにより、マイ
クロ波帯とミリ波帯で良好な電波吸収性能を発揮するこ
とが可能になる。
【0017】
【実施例】アルミニウム板からなる反射層の表面に、第
1吸収層、第2吸収層、第3吸収層を順次積層して3層
型電波吸収体を製作した。第1吸収層は、エポキシ樹脂
をマトリックスとし、3Ωcmの電気比抵抗を有する炭
化珪素繊維で補強した繊維強化プラスチックを1.9m
mの厚さにプレス成形したものである。第2吸収層は、
エポキシ樹脂をマトリックスとし、6000Ωcmの電
気比抵抗を有する炭化珪素繊維で補強した繊維強化プラ
スチックを1.5mmの厚さにプレス成形したものであ
る。第3吸収層は、ガラス繊維強化プラスチックを0.
25mmの厚さにプレス成形したものである。
【0018】上述の電波吸収体に対して電波を入射し、
その周波数を変化させながら電波吸収性能を調べた。そ
の結果、本発明の電波吸収体は10GHz帯で25dB
以上の吸収性能を有していると共に、95GHz帯でも
20dB以上の吸収性能を有していることが判った。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
波を反射するための反射層と、電気比抵抗が0.5〜2
5Ωcmの炭化珪素繊維で補強された繊維強化プラスチ
ックからなる第1吸収層と、電気比抵抗が103 〜10
7 Ωcmの炭化珪素繊維で補強された繊維強化プラスチ
ックからなる第2吸収層と、誘電率が5以下で誘電正接
が0.1以下である素材からなる第3吸収層とを積層し
たことにより、Xバンドを含むマイクロ波に対する最適
な吸収体厚さの範囲と、ミリ波に対する最適な吸収体厚
さの範囲とを互いに重複させることが可能になるので、
マイクロ波帯とミリ波帯で良好な電波吸収性能を発揮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる電波吸収体を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 反射層 2 吸収層(第1吸収層) 3 吸収層(第2吸収層) 4 吸収層(第3吸収層)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を反射するための反射層と、電気比
    抵抗が0.5〜25Ωcmの炭化珪素繊維で補強された
    繊維強化プラスチックからなる第1吸収層と、電気比抵
    抗が103 〜107 Ωcmの炭化珪素繊維で補強された
    繊維強化プラスチックからなる第2吸収層と、誘電率が
    5以下で誘電正接が0.1以下である素材からなる第3
    吸収層とを積層した電波吸収体。
JP19397398A 1998-07-09 1998-07-09 電波吸収体 Pending JP2000031685A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010147568A1 (en) * 2009-06-17 2010-12-23 Oleksandr Radievich Bedjukh Radio wave absorbing coating
KR20220139147A (ko) * 2021-04-07 2022-10-14 한국항공우주산업 주식회사 항공기 도어용 전자파 흡수체

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